JP2007246244A - ガラス板引き上げ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板の表面に汚れが付着することなく、且つ、十分な吸着・保持力を持ってガラス板を吸着・保持し、引き上げできるガラス板引き上げ装置を提供する。
【解決手段】水平姿勢に載置された薄肉のガラス板11を吸着・保持して引き上げるガラス板引き上げ装置であって、ガラス板11が載置される載置部16と、載置部16の上方近接位置に配設されて、内部がガラス板11の引き上げ通路15となる上下開口のフード12と、載置部16の下方よりフード内にエアーを噴出する送風手段14と、吸着手段9により、ガラス板11を上面より吸着・保持して引き上げる吸着装置7とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸着手段によりガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板引き上げ装置に関するものである。
従来より、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種画像表示機器用のガラスパネルの作製においては、製造コストを低減し、生産効率を向上するため、大寸法のガラス板(素板ガラス)に上述した多数のガラスパネルを作り込むことが行われているが、このガラス板の大寸法化と薄肉化が進み、近年では、例えば、厚さ0.5mm以下でサイズ2500×2200mmといったガラス板が作製されるに至っている。
他方、ガラスパネルの加工・製造工程において、このような大寸法化・薄肉化で割れ易くなったガラス板を移送する場合、バキューム手段による吸着パッド等を用いてガラス板を吸着・保持して引き上げて移送することが広く行われている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、吸着パッドによりガラス板を吸着・保持する場合、ガラス板の大寸法化で重量が増加してくると、吸着パッドによるガラス板の吸着・保持力が不足し、ガラス板の引き上げの際、吸着外れを起こしてガラス板を落下させ、破損させてしまう等の虞があった。
ところが、このような吸着外れを防止すべく、バキューム力を大きくして吸着パッドの吸着・保持力を強化すると、吸着の際、吸着パッドに付着した埃や汚れ等がガラス板に転写されて吸着パッド跡として付着するという不都合があった。特に、ガラス板が水平姿勢で載置されている状態で、載置面とガラス板との間に真空状態が生じてガラス板が載置面に強力に密着している場合は、ガラス板の引き離しに上記密着力に勝る大きな吸着力を要することになり、このため、上述した吸着パッドによる汚れ現象はより顕著に現れることになる。
さらに、吸着パッドの吸着力が増大し過ぎると、ガラス板が破損することもある。
さらに、吸着パッドの吸着力が増大し過ぎると、ガラス板が破損することもある。
ガラス板には、表面に各種電子表示機能素子や薄膜等が形成されるため、吸着パッドによるガラス板の汚れは、画像表示機器の性能に大きく影響し、製品価値を著しく低下させるものとなる。
このため、現状ではガラス板の引き上げ、移送においては、ガラス板の破損を防ぎ、且つ汚れが付着しない程度の吸着力でガラス板を吸着し、吸着外れを起さないようにゆっくり引き上げるといった方法が採られており、このことが作業効率を大いに低下させていた。
特開平10−146781号公報
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、ガラス板の表面に吸着跡が付着することなく、且つ、十分な吸着・保持力を持ってガラス板を吸着・保持し、引き上げできる効率の良いガラス板引き上げ装置を提供することを目的としている。
すなわち、請求項1に記載の発明は、水平姿勢に載置された薄肉のガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板引き上げ装置であって、前記ガラス板が載置される載置部と、前記載置部の上方近接位置に配設され、内部が前記ガラス板の引き上げ通路となる上下開口のフードと、前記載置部の下方より前記フード内にエアーを噴出する送風手段と、吸着手段を備え、前記ガラス板を上面より吸着・保持して引き上げる吸着装置とを備えることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガラス板引き上げ装置において、前記引き上げ通路を前記ガラス板の周部に接近させたことを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス板引き上げ装置において、前記吸着装置は、俯仰自在のアームの先端に上下回動自在に支持されており、且つ、前記フードは、前面および背面が縦方向の同じ向きに円弧状に曲成された側面視扇状の枠体であって、前記アームの俯仰動作と前記吸着装置の上下回動により、前記ガラス板を、前記アームの基端を支点に縦方向の円弧を描くように引き上げることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までの何れかに記載のガラス板引き上げ装置において、前記ガラス板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示機器用のガラスパネルに用いることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ガラス板の引き上げの際、フードに囲まれたガラス板の下面側からフード内にエアーを噴出するようにしたので、平面姿勢に載置されたガラス板の下面と載置面との間に真空状態が生じ難くなり、ガラス板と載置面との密着力が弱まることと、噴出エアーによるガラス板下面からの押し上げ力とにより、吸着外れを起こしてガラス板が脱落することがなくなる。また、ガラス板の引き上げに要する吸着力を低く設定することができ、ガラス板に吸着パッドが当接することにより生じるガラス板の汚れを防止できる。加えて、ガラス板の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
また、請求項2に記載の発明によれば、ガラス板の周部にフードの内壁を近接させて隙間を少なくしたので、隙間からの噴出エアーの漏れが少なくなる分、エアーの押し上げ力をガラス板の下面に効率良く作用させることができ、よって、小さい吸着力でガラス板をより一層円滑に、且つ、吸着外れを起こすことなく確実に引き上げることが可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、ガラス板を縦方向の円弧を描くように引き上げることにより、ガラス板をガラス面に対して垂直方向に引き上げる場合に比べ、ガラス板を載置面から引き離し易くできるため、小さい吸着力でガラス板を円滑に、且つ、吸着外れを起こすことなく確実に引き離すことが可能となる。
以下、図1〜図4に基づいて、本発明のガラス板引き上げ装置の実施形態を説明する。
図1、図2は本実施形態によるガラス板引き上げ装置を示し、図3は吸着装置を示し、図4はフードを示している。
図1において、符号10は、ガラス板11が水平姿勢で搬送される搬送路(例えば、ローラーコンベア)である。ガラス板11は、例えば、サイズ2500×2200mm、厚さ0.07〜0.5mm程の薄肉・大寸法の四角い素板ガラスであって、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種画像表示機器用のガラスパネルとして使用されるものである。
この搬送路10の下流端部であって、搬送路10上を搬送されるガラス板11が停止し、待機する載置部16の上方位置に、内部がガラス板11の引き上げ通路15となる上下開口のフード12が配設されている。フード12の下部開口と載置部16の載置面16aとの間には、上述のガラス板1枚が送通可能な程度の僅かな隙間が確保されている。
このフード12は、図4に示すように、搬路側である前面12aと背面12bとが縦方向の同じ向きに円弧状に曲成された、側面視扇状の枠体である。そして、フード内(引き上げ通路15)は、後述するように、ガラス板11が円弧を描いて通過する際に、その内壁とガラス板11の周部とが極力接近するような寸法・形状と成されている。本実施形態では、フード12の材質を透明アクリル製として、ガラス板引き上げの際に、フード12内のガラス板11の状態が外部より監視できるようになっている。
また、載置部16の下方位置に送風手段としてのブロア14が複数配設されており、載置面16aに設けた複数の通孔(図示せず)を通して上部のフード12内にエアーを噴出させるようになっている。
他方、この載置部16の近傍には、ガラス板引き上げ機本体30が設置されている。このガラス板引き上げ機本体30は、基台2の上に旋回自在に搭載された旋回体1と、この旋回体1の上部に支軸3、4を介してそれぞれ俯仰自在に支持された第1アーム5および第2アーム6と、第2アーム6の先端に上下回動自在に取り付けられた吸着装置7とを備えている。
吸着装置7は、図3に示すように、ガラス板11とほぼ同形、同サイズの角形基板13に固定された格子状の支持フレーム8を備えており、フレーム8の各コーナーにバキューム手段20により内部の空気を吸引させてガラス板11を吸着・保持する多数の吸着パッド9が設けられている。これらの吸着パッド9は弾性ゴム材等で成る底面視円形の椀体である。
上記構成のガラス板引き上げ装置では、先ず、ガラス板11が搬送路10上を移送され、その下流端部である載置部16にて停止し、待機する。この時、載置部16の下部に設置された複数のブロア14が動作し、載置面16aの通孔を通して載置されているガラス板11の下面にエアーを噴出する。
この状態で、ガラス板引き上げ機本体30の各第1、第2アーム5、6の下動作で吸着装置7が上方よりフード12内に降下し、第2アーム6先端部に取り付けた吸着パッドによりガラス板11を上面より吸着・保持する(図1参照)。この時、ガラス板11の下面と載置部16の載置面16aの間にブロア14による噴出エアーが入り込むため、両者間に真空状態が生じることはない。
そして、第1アーム5、および、第2アーム6の各上動作と吸着装置7の回動により、吸着・保持されたガラス板11が載置面16aより引き離され、第1アーム5の基端(支軸3)を支点に縦方向に円弧を描くように引き上げ通路15内を通して引き上げられていく(図2参照)。
尚、ガラス板引き上げ機本体30にてフード12の上部開口よりダクト外に引き上げられたガラス板11は、旋回体1が旋回することによって所定の場所に移送される。
そして、第1アーム5、および、第2アーム6の各上動作と吸着装置7の回動により、吸着・保持されたガラス板11が載置面16aより引き離され、第1アーム5の基端(支軸3)を支点に縦方向に円弧を描くように引き上げ通路15内を通して引き上げられていく(図2参照)。
尚、ガラス板引き上げ機本体30にてフード12の上部開口よりダクト外に引き上げられたガラス板11は、旋回体1が旋回することによって所定の場所に移送される。
このように、本実施形態のガラス板引き上げ装置では、フード12にて囲まれたガラス板11の下面よりエアーを噴出するようにしたので、平面姿勢に載置されたガラス板11の下面と載置部16の載置面16aとの間に真空状態が生じなくなり、ガラス板11の載置面16aへの密着力が弱まることと、噴出エアーによるガラス板11の下面からの押し上げ力とにより、吸着外れを起こしてガラス板が脱落することがなくなる。
この結果、ガラス板11の引き上げに要する吸着力を従来よりも低く設定することが可能となり、引き上げの際、ガラス板11に吸着パッド9が当接することにより生じるガラス板11の汚れ(吸着パッド跡)を防止できる。加えて、ガラス板引き上げ機本体30によるガラス板11の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
この結果、ガラス板11の引き上げに要する吸着力を従来よりも低く設定することが可能となり、引き上げの際、ガラス板11に吸着パッド9が当接することにより生じるガラス板11の汚れ(吸着パッド跡)を防止できる。加えて、ガラス板引き上げ機本体30によるガラス板11の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
また、ガラス板11の周部とフード12の内壁とを近接させているので、引き上げ通路15内において噴出エアーが隙間を通して上部開口側への漏れ出るのを少なくでき、その分、エアーの押し上げ力がガラス板11の下面に効率良く作用する。これにより、小さい吸着力でガラス板11をより円滑に、且つ、つり上げの際に吸着外れを起こすことなく、確実に引き上げることができる。
また、ガラス板11を縦方向の円弧を描くように引き上げ、ガラス板11を端から徐々に引き離すことにより、ガラス板11をガラス面に対して垂直に引き上げる場合に比べてガラス板11を載置面16aから引き離し易くできるため、小さい吸着力でガラス板11を円滑に、且つ、吸着外れを起こすことなく確実に引き離すことができる。
よって、本発明のガラス板引き上げ装置を用いることにより、大寸法のガラス板をパッド跡の付着を生じさせることなく、迅速に引き上げ移送することができるため、画像表示機器のガラスパネルの作製において、生産効率を向上すると共に、汚れの付着していない極めて製品価値の高い素ガラスを提供することができる。
尚、本発明のガラス板引き上げ装置は、上述した画像表示機器のガラスパネルに用いる素ガラス以外のガラス板にも適用可能であることは勿論である。
5、6 アーム(第1アーム、第2アーム)
7 吸着装置
9 吸着パッド
11 ガラス板
12 フード
14 送風手段(ブロア)
15 引き上げ通路
16 載置部
7 吸着装置
9 吸着パッド
11 ガラス板
12 フード
14 送風手段(ブロア)
15 引き上げ通路
16 載置部
Claims (4)
- 水平姿勢に載置された薄肉のガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板引き上げ装置であって、
前記ガラス板が載置される載置部と、
前記載置部の上方近接位置に配設され、内部が前記ガラス板の引き上げ通路となる上下開口のフードと、
前記載置部の下方より前記フード内にエアーを噴出する送風手段と、
吸着手段を備え、前記ガラス板を上面より吸着・保持して引き上げる吸着装置とを備えることを特徴とするガラス板引き上げ装置。 - 前記引き上げ通路を前記ガラス板の周部に接近させたことを特徴とする請求項1に記載のガラス板引き上げ装置。
- 前記吸着装置は、俯仰自在のアームの先端に上下回動自在に支持されており、且つ、前記フードは、前面および背面が縦方向の同じ向きに円弧状に曲成された側面視扇状の枠体であって、前記アームの俯仰動作と前記吸着装置の上下回動により、前記ガラス板を、前記アームの基端を支点に縦方向の円弧を描くように引き上げることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス板引き上げ装置。
- 前記ガラス板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示機器用のガラスパネルに用いることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載のガラス板引き上げ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006073833A JP2007246244A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | ガラス板引き上げ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2009295682A (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-17 | Mitsubishi Materials Techno Corp | ガラス板のハンドリング装置 |
JP2012188152A (ja) * | 2011-03-11 | 2012-10-04 | Shibuya Kogyo Co Ltd | キャップ供給装置 |
WO2017068646A1 (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | 堺ディスプレイプロダクト株式会社 | 検査装置、検査方法および検査プログラム |
CN117485899A (zh) * | 2023-12-29 | 2024-02-02 | 湖南凯之成智能装备有限公司 | 铺装设备和光伏板的防脱落方法 |
-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006073833A patent/JP2007246244A/ja not_active Withdrawn
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CN117485899B (zh) * | 2023-12-29 | 2024-04-09 | 湖南凯之成智能装备有限公司 | 铺装设备和光伏板的防脱落方法 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090602 |