JP2007254072A - ガラス板ハンドリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガラス板の表面に汚れが付着することなく、且つ、十分な吸着・保持力を持ってガラス板を吸着・保持し、引き上げできるガラス板引き上げ装置を提供する。
【解決手段】水平姿勢に載置された薄肉のガラス板11を吸着・保持して引き上げるガラス板ハンドリング装置30であって、ガラス板11の上面のほぼ全域を覆う箱体13と、この箱体13の正面開口部13aに設けられて、ガラス板11を吸着・保持する複数の吸着手段9と、箱体13の背面部13bに設けられて、ガラス板11の吸着時に、箱内の空気を吸引して負圧状態にする吸気手段12とを備える吸着装置7を有する。ガラス板11の吸着時には、箱体13の開口縁部と13cガラス板11との間に隙間Sが形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸着手段によりガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板ハンドリング装置に関するものである。
従来より、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種画像表示機器用のガラスパネルの作製においては、製造コストを低減し、生産効率を向上するため、大寸法のガラス板(素板ガラス)に上述した多数のガラスパネルを作り込むことが行われているが、このガラス板の大寸法化と薄肉化が進み、近年では、例えば、厚さ0.5mm以下でサイズ2500×2200mmといったガラス板が作製されるに至っている。
他方、ガラスパネルの加工・製造工程において、このような大寸法化・薄肉化で割れ易くなったガラス板を移送する場合、バキューム手段による吸着パッド等を用いてガラス板を吸着・保持して引き上げ、移送することが広く行われている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、吸着パッドによりガラス板を吸着・保持する場合、ガラス板の大寸法化で重量が増加してくると、吸着パッドによるガラス板の吸着・保持力が不足し、ガラス板の引き上げの際、吸着外れを起こしてガラス板を落下させ、破損させてしまう等の虞があった。
ところが、このような吸着外れを防止すべく、バキューム力を大きくして吸着パッドの吸着・保持力を強化すると、吸着の際、吸着パッドに付着した埃や汚れ等がガラス板に転写されて吸着パッド跡として付着するという不都合があった。特に、ガラス板が水平姿勢で載置されている状態で、載置面とガラス板との間に真空状態が生じてガラス板が載置面に強力に密着している場合は、ガラス板の引き離しに上記密着力に勝る大きな吸着力を要することになり、このため、上述した吸着パッドによる汚れ現象はより顕著に現れることになる。
さらに、吸着パッドの吸着力が増大し過ぎると、ガラス板が破損することもある。
さらに、吸着パッドの吸着力が増大し過ぎると、ガラス板が破損することもある。
ガラス板には、表面に各種電子表示機能素子や薄膜等が形成されるため、吸着パッドによるガラス板の汚れは画像表示機器の性能に大きく影響し、製品価値を著しく低下させるものとなる。
このため、現状ではガラス板の引き上げ、移送においては、ガラス板の破損を防ぎ、且つ、に汚れが付着しない程度の吸着力でガラス板を吸着し、吸着外れを起さないようにゆっくり引き上げるといった方法が採られており、このことが作業効率を大いに低下させていた。
特開平10−146781号公報
本発明は、上記事情に鑑み成されたもので、ガラス板の破損は勿論のこと、表面に吸着跡が付着することなく、且つ、十分な吸着・保持力を持ってガラス板を吸着・保持し、引き上げできる効率の良いガラス板ハンドリング装置を提供することを目的としている。
すなわち、請求項1に記載の発明は、水平姿勢に載置された薄肉のガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板ハンドリング装置であって、前記ガラス板の上面のほぼ全域を覆う箱体と、当該箱体の正面開口部に設けられて、前記ガラス板を吸着・保持する複数の吸着手段と、前記箱体の背面部に設けられて、前記ガラス板の吸着時に、箱内の空気を吸引して負圧状態にする吸気手段とを備える吸着装置を有し、且つ、前記ガラス板の吸着時に、前記箱体の開口縁部と前記ガラス板との間に隙間が確保されていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガラス板ハンドリング装置において、前記吸着装置は、俯仰自在のアームの先端に上下回動自在に支持されており、前記アームの俯仰動作と前記吸着装置の上下回動により、前記ガラス板を、前記アームの基端を支点に縦方向の円弧を描くように引き上げることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス板ハンドリング装置において、前記ガラス板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示機器用のガラスパネルに用いることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、ガラス板を吸着する際に、吸気手段(吸気ファン)により箱内を負圧状態とするようにしたので、吸着手段(吸着パッド)による吸着力に加え、吸気手段によりガラス板のほぼ全面に負圧による吸引力を作用させることができるため、吸着外れによりガラス板を脱落させ、破損させることがなくなる。
この結果、ガラス板の引き上げに要する吸着手段の吸着力を従来より低く設定することができるようになり、ガラス板に吸着パッドが当接することにより生じるガラス板の汚れを防止できる。加えて、ガラス板の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
この結果、ガラス板の引き上げに要する吸着手段の吸着力を従来より低く設定することができるようになり、ガラス板に吸着パッドが当接することにより生じるガラス板の汚れを防止できる。加えて、ガラス板の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
また、請求項2に記載の発明によれば、ガラス板を縦方向の円弧を描くように引き上げることにより、ガラス板をガラス面に対して垂直方向に引き上げる場合に比べ、ガラス板を載置面から引き離し易くできるため、小さい吸着力でガラス板を迅速に、且つ、吸着外れを起こすことなく確実に引き離すことができる。
以下、図1〜図4に基づいて、本発明のガラス板ハンドリング装置の実施形態を説明する。
図1、図2は本実施形態によるガラス板ハンドリング装置全体構成を示し、図3は吸着装置の平面を示し、図4は同、吸着装置の背面を示している。
図1、図2において、符号10は、ガラス板11が水平姿勢で搬送される搬送路(例えば、ローラーコンベア)である。ガラス板11は、例えば、サイズ2500×2200mm、厚さ0.07〜0.5mm程の薄肉で大寸法の四角い素板ガラスであって、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の各種画像表示機器用のガラスパネルに成形・加工されるものである。
この搬送路10の下流端部であって、搬送路10上を搬送されるガラス板11が停止し、待機する載置部16の近傍に、本実施形態によるガラス板ハンドリング装置30が設置されている。
このガラス板ハンドリング装置30は、基台2の上に旋回自在に搭載された旋回体1と、この旋回体1の上部に支軸3、4を介してそれぞれ俯仰自在に支持された第1アーム5および第2アーム6と、第2アーム6の先端に上下回動自在に取り付けられた吸着装置7とを備える構成と成されている。
吸着装置7は、図3、図4に示すように、外形(正面開口部13a)が上記ガラス板11とほぼ同形・同サイズの四角い箱体13と、この箱体13の開口部13aに固定された格子状の支持フレーム8とを備えており、この支持フレーム8の各コーナーにバキューム手段20により内部の空気を吸引させてガラス板11を吸着・保持する多数の吸着パッド9が配設されている。これらの吸着パッド9は弾性ゴム材等で成る底面視円形の椀体であって、上記箱体13の開口部13aより、その吸着面9a側を一部突出させている。
尚、上記箱体13の開口部13aは、ガラス板11のサイズより幾分大きくしても、小さくしても構わないが、ガラス板11を吸着した状態で、箱体13の開口縁部13cとガラス板11との間に僅かな隙間Sが確保されている必要がある。
尚、上記箱体13の開口部13aは、ガラス板11のサイズより幾分大きくしても、小さくしても構わないが、ガラス板11を吸着した状態で、箱体13の開口縁部13cとガラス板11との間に僅かな隙間Sが確保されている必要がある。
また、この箱体13の背面部13b、すなわち、ガラス板11との対向位置には、箱内の空気を吸引する4個の吸気ファン12が均等配置されている。
上記構成のガラス板ハンドリング装置30では、先ず、ガラス板11が搬送路10上を移送され、その下流端部である載置部16にて停止し、待機する。
この状態で、ガラス板ハンドリング装置30の第1、第2アーム5、6が各々下動作して吸着装置7をガラス板11上に降下させると共に、第2アーム6の先端部に取り付けた吸着パッド9によりガラス板11を上面より吸着・保持する(図1参照)。この時、吸着装置7の吸気ファン12が動作して箱内の空気を吸引し、箱体13と吸着されたガラス板11とで囲まれた空間を負圧状態にする。但し、吸気ファン12による吸気の際、箱体13の開口縁部13cとガラス板11との隙間Sから箱内に空気が導入されるため、箱内が完全な負圧状態(真空状態)になることはない。
そして、第1アーム5、および、第2アーム6の各上動作と吸着装置7の回動により、吸着・保持されたガラス板11が載置面16aより引き離され、第1アーム5の基端(支軸3)を支点に縦方向に円弧を描くように引き上げられていく(図2参照)。
尚、ガラス板ハンドリング装置30にて引き上げられたガラス板11は、旋回体1が旋回することによって所定の場所に移送される。
そして、第1アーム5、および、第2アーム6の各上動作と吸着装置7の回動により、吸着・保持されたガラス板11が載置面16aより引き離され、第1アーム5の基端(支軸3)を支点に縦方向に円弧を描くように引き上げられていく(図2参照)。
尚、ガラス板ハンドリング装置30にて引き上げられたガラス板11は、旋回体1が旋回することによって所定の場所に移送される。
このように、本実施形態のガラス板ハンドリング装置30では、ガラス板11を吸着・保持する際に、吸気ファン12の吸気動作により、箱内を負圧状態にするようにしているので、吸着パッド9による吸着力に加えて、吸気ファン12によりガラス板11のほぼ全面に満遍なく負圧による吸引力を作用させて、ガラス板11の上面を吸着パッド9の吸着面9aに押し付けることができるため、ガラス板11の引き上げ作業中に吸着外れを起こしてガラス板11を脱落させ、破損させることがなくなる。上述のように、吸吸気の際、カラス板11との隙間から箱内に空気が導入されるため、箱内が完全な負圧状態になることはなく、よって負圧のためにガラス板11が破損することはない。他方、ガラス板11が大寸法であるため、このような僅かな負圧状態であってもガラス板11を引きつけるのに十分な吸引力は得られる。
この結果、ガラス板11の引き上げに要する吸着パッド9の吸着力を従来より低く設定することができるようになり、ガラス板11に吸着パッド9が当接することにより生じるガラス板11の汚れを防止できる。
加えて、ガラス板11の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
この結果、ガラス板11の引き上げに要する吸着パッド9の吸着力を従来より低く設定することができるようになり、ガラス板11に吸着パッド9が当接することにより生じるガラス板11の汚れを防止できる。
加えて、ガラス板11の引き上げを高速化できるため、作業効率が向上する。
また、ガラス板11を縦方向の円弧を描くように引き上げて、ガラス板11を端から徐々に引き離すようにしているので、ガラス板11をガラス面に対して垂直に引き上げる場合に比べてガラス板11を載置面16aから引き離し易くでき、これにより、小さい吸着力でガラス板11を迅速に、且つ、吸着外れを起こすことなく確実に引き離すことができる。
よって、本発明のガラス板ハンドリング装置30を用いることにより、大寸法のガラス板11を、落下させて破損させることなく迅速に引き上げ移送することができ、しかも、その際にパッド跡の付着を生じさせることもないため、画像表示機器のガラスパネルの作製において、生産効率を向上できると共に、汚れの付着していない極めて製品価値の高い素ガラスを提供することができる。
尚、本発明のガラス板引き上げ装置は、上述した画像表示機器のガラスパネルに用いる素ガラス以外のガラス板にも適用可能であることは勿論である。
5、6 アーム(第1アーム、第2アーム)
7 吸着装置
9 吸着手段(吸着パッド)
11 ガラス板
12 吸気手段(吸気ファン)
13 箱体
13b 背面部
13a 開口部
13c 開口縁部
30 ガラス板ハンドリング装置
S 隙間
7 吸着装置
9 吸着手段(吸着パッド)
11 ガラス板
12 吸気手段(吸気ファン)
13 箱体
13b 背面部
13a 開口部
13c 開口縁部
30 ガラス板ハンドリング装置
S 隙間
Claims (3)
- 水平姿勢に載置された薄肉のガラス板を吸着・保持して引き上げるガラス板ハンドリング装置であって、
前記ガラス板の上面のほぼ全域を覆う箱体と、当該箱体の正面開口部に設けられて、前記ガラス板を吸着・保持する複数の吸着手段と、前記箱体の背面部に設けられて、前記ガラス板の吸着時に、箱内の空気を吸引して負圧状態にする吸気手段とを備える吸着装置を有し、且つ、前記ガラス板の吸着時に、前記箱体の開口縁部と前記ガラス板との間に隙間が確保されていることを特徴とするガラス板ハンドリング装置。 - 前記吸着装置は、俯仰自在のアームの先端に上下回動自在に支持されており、前記アームの俯仰動作と前記吸着装置の上下回動により、前記ガラス板を、前記アームの基端を支点に縦方向の円弧を描くように引き上げることを特徴とする請求項1に記載のガラス板ハンドリング装置。
- 前記ガラス板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示機器用のガラスパネルに用いることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載のガラス板ハンドリング装置。
Priority Applications (1)
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JP2006078739A Withdrawn JP2007254072A (ja) | 2006-03-22 | 2006-03-22 | ガラス板ハンドリング装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009295682A (ja) * | 2008-06-03 | 2009-12-17 | Mitsubishi Materials Techno Corp | ガラス板のハンドリング装置 |
JP2013086240A (ja) * | 2011-10-21 | 2013-05-13 | Ihi Corp | チャック装置 |
WO2017068646A1 (ja) * | 2015-10-20 | 2017-04-27 | 堺ディスプレイプロダクト株式会社 | 検査装置、検査方法および検査プログラム |
CN108639756A (zh) * | 2018-06-29 | 2018-10-12 | 东莞市臻精智能科技有限公司 | 一种玻璃吸取装置 |
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CN115031515A (zh) * | 2022-05-10 | 2022-09-09 | 济宁海富光学科技有限公司 | 玻璃盖板烘干装置 |
-
2006
- 2006-03-22 JP JP2006078739A patent/JP2007254072A/ja not_active Withdrawn
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