JP2013169437A - 吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透液性表面シート3と裏面シート2との間に吸収体4が介在されるとともに、透液性表面シート3の面側に左右一対のエンボス9、9が施された生理用ナプキン1の製造方法である。透液性表面シート3を幅方向中央部に周方向に沿ってロール突出部30aが設けられたロール30に導入し、該透液性表面シート3の幅方向中央部に長手方向に沿って上面側に突出するとともに、前記フィットエンボスの離間幅に対応した幅寸法で凸状湾曲部31を形成した状態で、吸収体4の上面側に積層した後、透液性表面シートの上面側から前記フィットエンボス9、9を施す。
【選択図】図4
Description
前記透液性表面シートを幅方向中央部が周方向に沿って突出するロールに導入し、該透液性表面シートの幅方向中央部に長手方向に沿って上面側に突出するとともに、前記フィットエンボスの離間幅に対応した幅寸法で凸状湾曲部を形成した状態で、前記吸収体の上面側に積層した後、透液性表面シートの上面側から前記フィットエンボスを施すことを特徴とする吸収性物品の製造方法が提供される。
上記請求項5記載の発明は、前記ロールの突出部の表面に沿った長さL3(図5(A)参照)を具体的に算出する方法について規定したものであり、この長さL3としては、ロール軸方向の長さL1に対して、エンボス溝の周囲の長さMのうち内側半分(M/2)がエンボス間の幅方向中央部の引張りに寄与していると考え、これが左右に2箇所あるので2倍したものを加えた長さとしている。このようにエンボス溝の形状に合わせて凸部の表面長さを決定することによって、エンボス付与後に幅方向中央部の透液性表面シートが突っ張ったり弛んだりせず、透液性表面シートの性能が維持できるとともに肌当たりの悪化が防止できる。
本発明に係る生理用ナプキン1は、図1に示されるように、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートなどからなる不透液性裏面シート2と、経血やおりものなどを速やかに透過させる透液性表面シート3と、これら両シート2,3間に介在された綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4の形状保持および拡散性向上のために前記吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、前記透液性表面シート3の下層側に積層され、前記透液性表面シート3とクレープ紙5との間に介在された親水性不織布からなるセカンドシート6と、表面両側部にそれぞれ長手方向に沿って配設されたサイド不織布7,7とから構成されている。前記吸収体4の周囲において、そのナプキン長手方向の前後端縁部では、前記不透液性裏面シート2と透液性表面シート3との外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4の端縁よりも側方に延出している前記不透液性裏面シート2と前記サイド不織布7とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接合され、外周に吸収体4の存在しない外周フラップ部Fが形成されている。
前記不透液性裏面シート2は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂シートなどの少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、この他にポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布や、さらには防水フィルムを介在して実質的に不透液性を確保した上で不織布シート(この場合には防水フィルムと不織布とで不透液性裏面シートを構成する。)などを用いることができる。近年はムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材は、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
前記透液性表面シート3としては、体液を生理用ナプキン1の前後方向に拡散させやすくしてナプキン幅方向の漏れ(横漏れ)を防止する、肌への接触面積を低減させることにより湿り感を抑える、風合いやクッション性を高めるなどのため、多数の凸部及び/又は凹部を有する凹凸状に形成することが好ましい。図2に示される例では、所定のパターンのエンボス凹部20を設けることによって凹凸状に形成しているが、凸部を設けたり凹部及び凸部を設けることによって凹凸状としたものでもよい。前記エンボス凹部20としては、平面視で、ナプキンの略長手方向に沿って、ナプキン幅方向の一方側への突状部21と他方側への突状部22とを交互に繰り返す第1の波状パターン23と、この第1の波状パターン23をナプキン幅方向に反転させた第2の波状パターン24とをナプキン幅方向に交互に配列した波状パターンとしたものが好適である。
本生理用ナプキン1では、図3及び図4に示されるように、前述の透液性表面シート3とセカンドシート6との積層体を幅方向中央部が周方向に沿って突出するロール30に導入し、前記積層体の幅方向中央部に長手方向に沿って上面側に突出するとともに、前記フィットエンボスの離間幅に対応した幅寸法で凸状湾曲部31を形成した状態で、クレープ紙5によって囲繞された吸収体4の上面側にホットメルト等の接着剤によって貼着した後、エンボスロール32とアンビルロール33との間に通過させることによって、透液性表面シート3の表面側から中央部フィットエンボス9、9が施されている。
ここで、Mは図6に示されるように中央部フィットエンボス9の直交断面視でエンボス溝の周囲の長さの合計(両側壁及び底面の長さの合計)であり、エンボス付与によって透液性表面シート3及びセカンドシート6が引っ張られる長さのことである。このMは、図1のように中央部フィットエンボス9に低圧搾部と高圧搾部とを形成するため、エンボスロール32のエンボスピン34として、エンボス溝の両側壁及び底面の低圧搾部を形成する基部34Aと、その先端に設けられエンボス溝の底面の高圧搾部を形成する先端部34Bとから構成した場合、前記基部34Aによるエンボス高さをa、前記先端部34Bによるエンボス高さをb、底面の幅をcとすると、M=(a+b)×2+cとなる。このMによって引っ張られる長さのうち、エンボス9より幅方向中央側の透液性表面シート3及びセカンドシート6の引張りに寄与するのはエンボスピン34の中心線に対して内側半分であるため、M/2としてあり、これが左右にあるので2倍としている。このようにエンボス溝の形状に合わせて凸状湾曲部31の表面長さを決定することによって、エンボス付与後にエンボス9、9間が突っ張ったり弛んで皺が寄ったりすることなく、他の領域と同様に通常の透液性表面シート3の状態で配設することができるようになる。なお、中央部フィットエンボス9,9が曲線であり、前記凸状湾曲部31は一定幅で形成されるものであるため、中央部フィットエンボス9,9と前記凸状湾曲部31の両端部とが全長に亘って一致することはないが、前記L3の数値は、中央部フィットエンボス9,9と凸状湾曲部31の両端部とが一致する断面位置で満足すればよい。
(1)上記形態例では、透液性表面シート3及びセカンドシート6の積層体を吸収体4の上面にホットメルト等の接着剤によって貼着していたが、接着剤による貼着をせずに前記積層体を単に吸収体4の上面に積層させることとしてもよい。
(2)上記形態例では、透液性表面シート3とセカンドシート6の積層体を吸収体4の上面に積層していたが、前記セカンドシート6を設けずに、吸収体4の上面に透液性表面シート3のみを配設してもよい。
(3)上記形態例では、ロール突出部30aが形成された単一のロール30を通過させることによって凸状湾曲部31を形成していたが、ロール突出部30aが形成されたロール30と、このロール突出部30aに対応するロール凹部が形成された第2のロールとの間を通過させることによって凸状湾曲部31を形成してもよい。
(4)上記形態例では、図1に示されるように、中央部フィットエンボス9、9は、前後端部が離間した2本のエンボスとしていたが、前後端部を接続して周方向に閉合するエンボスとしてもよい。
Claims (5)
- 透液性表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在されるとともに、前記透液性表面シートの面側に略長手方向に沿って左右一対のフィットエンボスが施された吸収性物品の製造方法において、
前記透液性表面シートを幅方向中央部が周方向に沿って突出するロールに導入し、該透液性表面シートの幅方向中央部に長手方向に沿って上面側に突出するとともに、前記フィットエンボスの離間幅に対応した幅寸法で凸状湾曲部を形成した状態で、前記吸収体の上面側に積層した後、透液性表面シートの上面側から前記フィットエンボスを施すことを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 前記透液性表面シートは、多数の凸部及び/又は凹部を有する凹凸状に形成されている請求項1記載の吸収性物品の製造方法。
- 前記ロールは、前記吸収性物品の長手方向長さ以上の周長を有する断面円形状に形成され、前記透液性表面シートが前記ロールの約半周に亘って接するように導入されている請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品の製造方法。
- 前記透液性表面シートと吸収体との間に親水性のセカンドシートが介在され、前記凸状湾曲部は、前記透液性表面シートとセカンドシートとの積層体に対して形成される請求項1〜3いずれかに記載の吸収性物品の製造方法。
- 前記ロールの軸方向断面視で前記ロールの突出部の表面に沿った長さL3は、前記ロールの軸方向断面視で前記ロールの突出部の軸方向に沿った長さをL1、前記フィットエンボスの直交断面視でエンボス溝周囲の長さの合計をMとすると、次式(1)によって算出している請求項1〜4いずれかに記載の吸収性物品の製造方法。
L3=L1+(M/2)×2 ……(1)
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