JP2013168592A - 光半導体素子、およびその製造方法 - Google Patents

光半導体素子、およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の高い光半導体素子を提供する。
【解決手段】信頼性の高い光半導体素子は、発光性を有する半導体積層20と、前記半導体積層上に配置され、銀または銀合金から構成される第1の金属層32a,32bが第2の金属層33を挟む積層構造を含み、全体的断面形状が順テーパ状である電極層30と、前記電極層を覆うキャップ層50と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極、特にAgまたはAg合金を含む電極を有する光半導体素子、およびその製造方法に関する。
発光ダイオード等の産業分野において、たとえば窒化物半導体を用いた光半導体素子の開発が進められている。窒化物半導体を用いた光半導体素子は、たとえば、n型GaN(ガリウム・窒素)層、発光層およびp型GaN層を含む半導体積層と、半導体積層を挟んで配置され、半導体積層に電圧を印加する一対の電極と、から構成される。半導体積層は、たとえば有機金属化学気相堆積(MOCVD)法等の成膜方法により形成することができる。
光半導体素子の発光効率を向上させるため、それを構成する一対の電極の一方には、低い接触抵抗に加え、さらに高い反射率が求められる。このような条件を満たす電極として、Ag(銀)層をNi(ニッケル)層で挟む積層構造を含む電極が提案されている(たとえば非特許文献1)。ただし、AgまたはAg合金などを含む電極は、いわゆるマイグレーションが発生しやすく、光半導体素子の電気的短絡ないし漏洩等、信頼性にかかわる問題を招来しうる。マイグレーションを抑制するためには、電極のほぼ全面を覆うようにキャップ層を設けることが望ましい。
本発明の目的は、従来よりも信頼性が高い光半導体素子を提供することにある。
本発明の第1の観点によれば、発光性を有する半導体積層と、前記半導体積層上に配置され、銀または銀合金から構成される第1の金属層が第2の金属層を挟む積層構造を含み、全体的断面形状が順テーパ状である電極層と、前記電極層を覆うキャップ層と、を含む光半導体素子、が提供される。
本発明の第2の観点によれば、(a)基板上に、発光性を有する半導体積層を成長する工程と、(b)前記半導体積層上に、第1の金属層が第2の金属層を挟む積層構造を含む電極層を形成する工程と、(c)前記電極層を、マスクを用いたエッチングにより順テーパ状に成形する工程と、(d)順テーパ状に成形された前記電極層を覆って、キャップ層を形成する工程と、を含み、前記工程(c)において、前記電極層のエッチングには、前記第1の金属層に対するエッチングレートが前記第2の金属層に対するエッチングレートよりも大きいエッチャントを用いる光半導体素子の製造方法、が提供される。
従来よりも信頼性が高い光半導体素子が提供される。
図1Aは、本発明者らが提供する光半導体素子の構造を示す断面図であり、図1Bは、その光半導体素子の第1の電極層の構造を示す断面図である。 図2は、成長基板10上に半導体積層20を成長させる様子を示す断面図である。 および、 図3A〜図3Eは、半導体積層20上に第1の電極層30を形成する様子を示す断面図である。 図4Aは、第1の電極層30を覆ってキャップ層を形成する様子を示す断面図であり、図4Bは、成長基板10と支持基板70とを貼り合わせ、さらに、成長基板10を半導体積層20から剥離する様子を示す断面図である。 図5Aおよび図5Bは、実施例および参考例における第1の電極層付近の断面を示す電子顕微鏡写真であり、図5Cは、参考例における第1の電極層付近を示す概略断面図である。 および、 図6A〜図6Dは、実施例における第1の電極層30をエッチング処理する様子を示す断面図である。
以下に、本発明者らが提供する光半導体素子、およびその製造方法について説明する。まず、本発明者らが提供する光半導体素子の構造について説明する。
図1Aは、本発明者らが提供する光半導体素子の構造を概略的に示す断面図である。この光半導体素子は、発光性を有する半導体積層20と、半導体積層20を挟んで配置され、半導体積層20に電圧を印加する第1の電極層30および第2の電極層80と、第1の電極層30のマイグレーションを抑制するキャップ層50と、を含む構成である。また、半導体積層20、第1の電極層30、第2の電極層80およびキャップ層50は、支持基板70に接合部材60を介して支持されている。
図1Bは、第1の電極層30の具体的な構造を示す断面図である。第1の電極層30は、半導体積層20とオーミック接合する導電層31と、導電層31上に、たとえばAg(銀)から構成される第1の金属層32a,32bが、たとえばNi(ニッケル)から構成される第2の金属層33を挟むように形成される積層構造と、第1の金属層32b上に形成される第3の金属層34と、を含む。なお、第1の金属層が第2の金属層を挟む積層構造は、第1の金属層を共有して複数積層して形成してもかまわない。
第1の電極層30は、全体的断面形状が順テーパ状の形状になるように形成されている。キャップ層50は、第1の金属層30の半導体積層20と接する面を除くほぼ全面を覆って形成されている。
次に、本発明者らが実際に作製した実施例による光半導体素子を参照しながら、その製造方法について説明する。
図2に、成長基板10上に発光性を有する半導体積層20を成長する様子を示す。まず、たとえばC面サファイア基板等からなる成長基板10を用意する。成長基板10をMOCVD装置に設置し、約1000℃の温度で約10分間のサーマルクリーニングを行う。
次に、約500℃の温度で、流量約10.4μmol/minのTMG(トリメチルガリウム)と、流量約3.3L/minのNH(アンモニア)と、を約3分間供給し、GaNからなる低温バッファ層21を数nmの層厚で成長させる。その後、約1000℃の温度で約30秒間加熱して、低温バッファ層21を結晶化する。
次に、約1000℃の温度で、流量約45μmol/minのTMGと、流量約4.4L/minのNHと、を約20分間供給し、GaNからなる下地層22を約1μmの層厚で成長させる。そして、流量約45μmol/minのTMGと、流量約4.4L/minのNHと、流量約2.7×10−9μmol/minのSiH(シラン)と、を約60分間供給し、n型GaN層23を約4μmの層厚で成長させる。
次に、発光層24を形成する。発光層24には、InGaN(インジウム・ガリウム・窒素)ウェル層およびGaNバリア層からなる多重量子井戸構造を採用した。約700℃の温度で、流量約3.6μmol/minのTMGと、流量約4.4L/minのNHと、を約320秒間供給し、GaNバリア層を約15nmの層厚で成長させる。また、流量約3.6μmol/minのTMGと、流量約10μmol/minのTMI(トリメチルインジウム)と、流量約4.4L/minのNHと、を約33秒間供給し、InGaNウェル層を約2.2nmの層厚で成長させる。以上のようなバリア層およびウェル層を交互に成長させ、バリア層を6層、ウェル層を5層含む発光層24を形成する。
次に、約870℃の温度で、流量約8.1μmol/minのTMGと、流量約7.5μmol/minのTMA(トリメチルアルミニウム)と、流量約4.4L/minのNHと、流量約2.9×10−7μmol/minのCp2Mg(ビスシクロペンタジエニエルマグネシウム)と、を約5分間供給し、p型AlGaNからなるクラッド層25を約40nmの層厚で成長させる。そして、流量約18μmol/minのTMGと、流量約4.4L/minのNHと、流量約2.9×10−7μmol/minのCp2Mgと、を約7分間供給し、p型GaN層26を約150nmの層厚で成長させる。
以上の工程により、成長基板10上に半導体積層20が成長される。
図3A〜図3Eに、半導体積層20上に第1の電極層30を形成する様子を示す。第1の電極層30に含まれる各層を形成する手段としては、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などの一般的に知られている成膜方法を用いることができる。
まず、図3Aに示すように、半導体積層20上に、Niからなる導電層31を形成する。実施例では、導電層31の層厚を約5Åとした。形成される第1の電極層30の接触抵抗を低くし、かつ、反射率を高くするためには、導電層31の層厚を1Å〜20Å程度にすることが好ましい。なお、層厚が約20Å以下である導電層31の平面形状を、原子間力顕微鏡等により観察したところ、ドット状またはメッシュ状になっていることがわかった。導電層31には、Niのほかに、Ni合金やITO(インジウム錫酸化物)などを用いることもできる。
次に、図3Bに示すように、Agからなる第1の金属層32と、Niからなる第2の金属層33と、を、それらが交互に積層するよう形成する。第1の金属層32には、第2の金属層33よりも、半導体積層20からの発光に対して反射率が高いものを使用した。最下層に形成される第1の金属層32を第1の金属層32aとし、その上に形成される第2の金属層33を第2の金属層33aとし、さらにその上に形成される第1の金属層32を第1の金属層32bとする。第1の金属層32a,32bは、第2の金属層33aを挟むように形成される。第1の金属層32が第2の金属層33を挟む積層構造は、第1の金属層32を共有して複数積層して形成してもよい。実施例では、層厚約300Åの第1の金属層32(Ag)を5層と、層厚約2Åの第2の金属層33(Ni)を4層と、を含む積層構造とした。なお、この第2の金属層33の平面形状は、ドット状またはメッシュ状である。第1の金属層32には、Agのほかに、Ag合金などを用いることもできる。
本発明者らによるさらなる検討によれば、形成される第1の電極層30の接触抵抗を低くし、かつ、反射率を高くするためには、第1の金属層32の総合的な層厚は、500Å〜3000Å程度が好ましい。また、形成される第1の電極層30の接触抵抗を低くし、かつ、反射率を高くし、かつ、全体的断面形状を順テーパ状にするためには、第2の金属層32各々の層厚は、1Å〜20Å程度が好ましい。さらに、第2の金属層33の総合的な層厚は、第1の金属層32の総合的な層厚の1/60以下とすることが好ましい。
最上層に形成される第1の金属層32を第1の金属層32eとする。第1の金属層32e上には、Niからなる第3の金属層34が形成される。第3の金属層34は、第1の金属層32の酸化等を抑制する効果があると考えられる。実施例では、第3の金属層34の層厚を約2Åとした。なお、この第3の金属層34の平面形状は、ドット状またはメッシュ状である。
次に、図3Cに示すように、第1の電極層30表面に、一般的に知られているフォトリソグラフィ技術を用いて、所望パターンのフォトレジスト40を形成する。
次に、図3Dに示すように、第1の電極層30をウエットエッチング処理し、第1の電極層30の全体的断面形状をテーパ状に成形する。このとき、エッチングに用いるエッチャントには、第1の金属層32(図3B)に対するエッチングレートが第2の金属層33(図3B)に対するエッチングレートよりも大きいエッチャントを用いる。実施例のように、第1の金属層32にAgを用い、第2の金属層32にNiを用いた場合、少なくとも硝酸を含むエッチャントを用いることができる。実施例では、エッチャントとして、純水:硝酸:酢酸:燐酸=1:1:8:10の混酸溶液を用いた。この混酸溶液に対して、Agのエッチングレートは約300Åであり、Niのエッチングレートは約30Å以下(Agのエッチングレートに対して1/10以下)である。なお、このようなエッチャントに対して、第1の金属層32にAgまたはAg合金を用いた場合、第2の金属層33には、Niのほかに、Pt(白金)、Rh(ロジウム)、Ti(チタン)およびこれらの合金からなる群より選択した少なくとも1つの材料を用いることができる。
次に、図3Eに示すように、酸素を含む雰囲気中で第1の電極層30を熱処理する。第1の電極層30を熱処理することにより、第1の電極層30の接触抵抗をより低くし、反射率をより高くすることができる。実施例の場合、約450℃〜550℃の温度で約30秒〜120秒間の熱処理を施すことが好ましい。
以上の工程により、半導体積層20上に第1の電極層30が形成される。
図4Aに、第1の電極層30を覆ってキャップ層50を形成する様子を示す。キャップ層50を形成する手段としては、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などの一般的に知られている成膜方法を用いることができる。また、一般的に知られているリフトオフ法などにより、第1の電極層30に対応するパターンに成形することができる。このとき、第1の電極層30の全体的断面形状が順テーパ状に形成されているため、キャップ層50を、第1の金属層30の半導体積層20と接する面を除くほぼ全面を覆って形成することができる。
キャップ層50には、第1の電極層30のマイグレーションを抑制するとともに、自身によるマイグレーションが発生しにくい材料を用いることが好ましい。具体的には、第1の電極層30側から順に、TiW(チタン・タングステン、400nm)/Ti(チタン、100nm)/Pt(白金、200nm)/Au(金、200nm)の多層構造を用いることができる。実施例では、TiやPt等を含む多層構造を用いた。
以上の工程により、第1の電極層30を覆うキャップ層50が形成される。
図4Bに、半導体積層20、第1の電極層30およびキャップ層50が形成された成長基板10と支持基板70とを貼り合わせ、さらに、成長基板10を半導体積層20から剥離する様子を示す。
まず、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などより、キャップ層50上に接合部材60aを形成する。接合部材としては、Au(金)やAuSn(金・錫),Cu(銅)などを用いることができる。なお、AuやAuSn,Cuの拡散を抑制するため、キャップ層50上にPtなどを含む層を形成してもよい。また、キャップ層50と接合部材60aとの密着性を向上させるために、Ti(チタン)やNi(ニッケル)などを含む層を形成してもよい。
次に、表面にAuSn等の接合部材60bが形成された支持基板70を用意する。支持基板には、たとえばSi(シリコン)などからなる基板を用いることができる。成長基板10と支持基板70とを、半導体積層20、第1の電極層30およびキャップ層50を挟むように貼り合わせて、それらを、共晶接合等の手段により、接合部材60a,60bを介して接合する。
次に、成長基板10を半導体積層20から剥離する。半導体積層20から成長基板10を剥離する手段としては、レーザリフトオフ法などの一般的に知られている剥離方法を用いることができる。実施例では、波長が約248nmで出力強度が約800J/cmのKrFエキシマレーザを用いた。
最後に、反応性イオンエッチングないし化学機械研磨などの手段により、半導体積層20のバッファ層21ないし下地層22を除去し、n型GaN層23を露出させ(図2参照)、そのn型GaN層23表面に第2の電極層80を形成する(図1A参照)。実施例では、第2の電極層80を、半導体積層側からTi(チタン、10Å)/Al(アルミ、10000Å)で構成される多層構造とした。第2の電極層80を形成する手段としては、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などの一般的に知られている成膜方法を用いることができる。また、一般的に知られているリフトオフ法などにより、第2の電極層80を所望パターンに成形することができる。
以上の工程により、本発明者らが作製した光半導体素子が完成する。
なお、本発明者らは、参考例として、上記と同様の工程により、第1の電極層30が、Niからなる層厚10Åの導電層31、Agからなる層厚1500Åの第1の金属層32、および、Niからなる層厚10Åの第2の金属層33(ないし第3の金属34)から構成される光半導体素子も作製した。参考例の第1の電極層30は、Niからなる層がAgからなる層を挟む積層構造を有するが、Agからなる層がNiからなる層を挟む積層構造は有していない。
図5Aおよび図5Bは、実施例および参考例における第1の電極層付近の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図5Aに示す電子顕微鏡写真から、実施例における第1の電極層30は、全体的断面形状が順テーパ状に形成されており、キャップ層50が第1の電極層30のほぼ全面を覆って形成されていることがわかる。この顕微鏡写真から、第1の電極層30、特にAgからなる第1の金属層32のマイグレーションが抑制されることが推察される。
一方、図5Bに示す電子顕微鏡写真から、参考例における第1の電極層30は、全体的断面形状が順テーパ状に形成されておらず、矩形状ないし逆テーパ状に近い形状に形成されていることがわかる。また、写真中の破線で囲う領域には、このような第1の電極層30の形状に起因すると考えられるキャップ層50のクラックが確認される。第1の電極層30の側面付近がキャップ層50に覆われていないため、この部分から、第1の電極層30、特にAgからなる第1の金属層32のマイグレーションが進行すると考えられる。
図5Cに、参考例における第1の電極層付近の概略断面図を示す。キャップ層50にクラックが発生しない場合であっても、第1の電極層30の全体的断面形状が矩形状ないし逆テーパ状に形成される場合、第1の電極層30の側面付近には、キャップ層50と接触しない隙間領域51が生じると考えられる。そして、この隙間領域51付近から、Agからなる第1の金属層32のマイグレーションが進行すると考えられる。
図6A〜図6Dは、実施例における第1の電極層30をエッチング処理する様子を示す断面図である。第1の電極層30の最上層に形成される第1の金属層32を第1の金属層32eとし、その下に形成される第2の金属層33を第2の金属層33dとし、さらにその下に形成される第1の金属層32を第1の金属層32dとする。
第1の電極層30をエッチング処理すると、まず、第3の金属層34のフォトレジスト40によりマスクされていない部分がエッチングされる。第3の金属層34のマスクされていない部分が全てエッチングされると、次に、図6Aに示すように、その下に形成されている第1の金属層32eがエッチングされる。第1の金属層32eのマスクされていない部分が全てエッチングされると、次に、図6Bに示すように、その下に形成されている第2の金属層33dがエッチングされる。
ここで、第1の電極層30のエッチングには、第1の金属層32に対するエッチングレートが第2の金属層33に対するエッチングレートよりも大きいエッチャントが用いられている。たとえば、第1の金属層32のエッチングレートが、第2の金属層33のエッチングレートよりも10倍大きいとする。第2の金属層33dの層厚が2Åである場合、第2の金属層33dのマスクされていない部分が全てエッチングされるまでに、第1の金属層32eは20Åサイドエッチングされることになる。
第2の金属層33dのマスクされていない部分が全てエッチングされると、次に、図6Cに示すように、その下に形成されている第1の金属層32dがエッチングされる。第1の金属層32dのマスクされていない部分が全てエッチングされると、その下に形成されている第2の金属層33cがエッチングされる。ここで、第1の金属層32dのマスクされていない部分が全てエッチングされるまでに、第1の金属層32eは第1の金属層32dの層厚に対応してサイドエッチングされることになる。
なお、第1の金属層32e,32dのエッチングレートは、第2の金属層33dのエッチングレートよりも大きいため、第1の金属層32e,32dに挟まれる第2の金属層33dが、第1の金属層32e,32dから突出して、庇状のでっぱり部を形成してしまうことが懸念される。さらに、第2の金属層33dがでっぱり部を形成する場合、第1の電極層30の全体的断面形状が順テーパ状にならず、第1の電極層30のほぼ全面を覆うキャップ層50が形成されない可能性が懸念される。
しかしながら、第2の金属層33(および第3の金属層34)は、層厚が極めて薄く、平面形状がドット状またはメッシュ状になるよう形成されている。たとえば、第1の金属層32dのサイドエッチングが進行して、第2の金属層33dを支持する部分の第1の金属層32dがなくなった場合であっても、図6Dに示すように、第1の金属層32dからはみ出す部分の第2の金属層33dは、残片35としてエッチャントに放出されると考えられる。したがって、第2の金属層32dによる庇状のでっぱり部は形成されないと考えられる。
このように第1の電極層30がエッチングされることにより、第1の電極層30は、微視的断面形状としては階段状になり、巨視的断面形状としては順テーパ状になると考えられる。第1の電極層30の全体的断面形状が順テーパ状に形成されることにより、第1の電極層30のほぼ全面を覆うキャップ層50を形成することが可能となる。なお、第1の電極層30に含まれる第1の金属層32の層数は適宜決定することができるが、実施例のように5層以上とすることが好ましいと考えられる。
本発明者らは、実施例および参考例の接触抵抗および反射率を測定した。その結果、実施例の接触抵抗は約3.66×10−5Ωcmであり、反射率は約89.3%であった。また、参考例の接触抵抗は約7.17×10−5Ωcmであり、反射率は約90.9%であった。
さらに、本発明者らは、実施例として、第1の電極層が、半導体積層側から順に導電層(Ni、層厚5Å)/第1の金属層(Ag、層厚500Å)/第2の金属層(Ni、層厚2Å)/第1の金属層(Ag、層厚400Å)/第2の金属層(Ni、層厚2Å)/第1の金属層(Ag、層厚300Å)/第2の金属層(Ni、層厚2Å)/第1の金属層(Ag、層厚200Å)/第2の金属層(Ni、層厚2Å)/第1の金属層(Ag、層厚100Å)/第3の金属層(Ni、層厚2Å)から構成される光半導体素子を作製し、その接触抵抗および反射率を測定した。その結果、接触抵抗は約3.10×10−4Ωcmであり、反射率は約89.4%であった。
以上の結果から、実施例の接触抵抗および反射率は、参考例の接触抵抗および反射率と同程度であることがわかった。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、半導体積層は、GaN系の半導体に限らず、GaAs(ガリウム・砒素)、GaP(ガリウム・燐)等のIII−V族半導体、および、ZnO(亜鉛・酸素)、ZnSe(亜鉛・セレン)、ZnS(亜鉛・硫黄)等のII−VI族半導体などの発光性を有する半導体を用いることができる。その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 成長基板、
20 半導体層、
21 バッファ層、
22 下地層、
23 n型GaN層、
24 発光層、
25 クラッド層、
26 p型GaN層、
30 第1の電極層、
31 導電層、
32 第1の金属層、
33 第2の金属層、
34 第3の金属層、
35 残片、
40 フォトレジスト、
50 キャップ層、
51 隙間領域、
60 接合部材、
70 支持基板、
80 第2の電極層。

Claims (7)

  1. 発光性を有する半導体積層と、
    前記半導体積層上に配置され、銀または銀合金から構成される第1の金属層が第2の金属層を挟む積層構造を含み、全体的断面形状が順テーパ状である電極層と、
    前記電極層を覆うキャップ層と、
    を含む光半導体素子。
  2. 前記第2の金属層は、ニッケル,白金,ロジウム,チタンおよびこれらの合金からなる群より選択した少なくとも1つの材料から構成される請求項1記載の光半導体素子。
  3. 前記第2の金属層は、ドット状またはメッシュ状の形状を有する請求項1または2記載の光半導体素子。
  4. (a)基板上に、発光性を有する半導体積層を成長する工程と、
    (b)前記半導体積層上に、第1の金属層が第2の金属層を挟む積層構造を含む電極層を形成する工程と、
    (c)前記電極層を、マスクを用いたエッチングにより順テーパ状に成形する工程と、
    (d)順テーパ状に成形された前記電極層を覆って、キャップ層を形成する工程と、
    を含み、
    前記工程(c)において、前記電極層のエッチングには、前記第1の金属層に対するエッチングレートが前記第2の金属層に対するエッチングレートよりも大きいエッチャントを用いる光半導体素子の製造方法。
  5. 前記工程(b)において、
    前記第1の金属層を、銀または銀合金により構成し、
    前記第2の金属層を、ニッケル,白金,ロジウム,チタンおよびこれらの合金からなる群より選択した少なくとも1つの材料により構成する請求項4記載の光半導体素子の製造方法。
  6. 前記工程(c)において、前記エッチャントは、少なくとも硝酸を含む請求項5記載の光半導体素子の製造方法。
  7. 前記工程(b)において、前記第2の金属層を、ドット状またはメッシュ状に形成する請求項4〜6いずれか1項記載の光半導体素子の製造方法。
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