JP2013166918A - 環状エーテルの重合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状エーテルの開環重合反応開始において、高分子量体を生成させずに、安定的に弾性繊維や熱可塑性ポリエステルエラストマーの原料に有用な数平均分子量が500〜4,000の目的生成物(ポリオキシアルキレンエーテルグリコール)を得るための環状エーテルの重合方法を提供する。
【解決手段】カルボン酸無水物の存在下、重合反応器内で開環重合反応触媒を用いて原料の環状エーテルを開環重合させて、目的生成物としてポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体を得る環状エーテルの重合方法において、原料の環状エーテルと該開環重合反応触媒とが予め接触しない態様で前記重合反応器に供給して開環重合反応を開始することを特徴とする環状エーテルの重合方法。
【選択図】なし

Description

本発明は環状エーテルをカルボン酸無水物と開環重合反応触媒の存在下で開環重合し、目的生成物としてポリオキシアルキレンエーテルグリコールのエステル体を得る環状エーテルの重合方法に関するものである。さらに詳しくは、環状エーテルとしてテトラヒドロフランを用いて、開環重合反応触媒として重合反応液からの分離が簡便な固体酸系触媒を用い、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのジエステルを製造する方法を提供するものである。
ポリオキシアルキレンエーテルグリコールは一般式HO−[(CHO]−H(mは2以上の整数、nは1以上の整数を表す。) で示される両末端に一級水酸基を有する直鎖ポリエーテルグリコールであり、一般的に環状エーテルの開環重合により製造される。中でも、特にテトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する)の開環重合反応により得られるポリアルキレンエーテルグリコールのジエステル体(以下、「PTME」と略記する場合がある)をエステル交換することで得られるポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」と略記する)は、水酸基を両末端に持つ直鎖ポリエーテルグリコールで、一般式HO−[(CHO]−H(nは2以上の整数を表す。) で表され、伸縮性や弾力性が要求されるウレタン系樹脂や弾性繊維、熱可塑性ポリエステルエラストマーの原料として極めて有用である。
PTMGをウレタン系樹脂や弾性繊維、熱可塑性ポリエステルエラストマーの原料として使用する場合、一般的には、数平均分子量(Mn)が約500〜4,000程度のPTMGが用いられる。
特許文献1には、一種のテロゲンおよび/又はコモノマーの存在下に、テトラヒドロフランを重合することにより、ポリテトラヒドロフラン又はテトラヒドロフラン‐コポリマーのモノ―又はジエステルを製造する方法において、ポリテトラヒドロフラン、ポリテトラヒドロフラン及び/又はテトラヒドロフランコポリマーのモノ−又はジエステル、THF、場合によりコモノマー及び少なくとも1種のカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物からなる混合物を使って重合を開始する方法が記載されている。
また、特許文献2には、原料THF中の水分によって、開環重合反応触媒の劣化が経時的に進行するため、環状エーテルとカルボン酸無水物との混合溶液を加水分解触媒と接触させて、水とカルボン酸無水物を反応させ反応系内の水の量を30ppm以下に保持したのち、この混合溶液と開環重合反応触媒を接触させることで重合触媒の経時劣化を抑制する方法が記載されている。
特表2005−538238号公報 特開2005−89767号公報
本発明者等の検討によれば、特許文献1に記載の方法においては、、重合始動をポリテトラヒドロフラン。ポリテトラヒドロフランおよび/またはテトラヒドロフラン−コポリマーのモノ−またはジエステル、テトラヒドロフラン、場合によりコモノマーおよび少なくとも1種のカルボン酸および/またはカルボン酸無水物からなる混合物で実施すること
で重合反応熱の急激な発生、つまりは異常反応を抑制し安全に始動可能であるが、工業レベルでの大規模な重合始動時にこれら混合物を常に用意することは困難であった。また、特許文献2においては、THF中の水分量を規定することで、重合触媒の経時劣化を抑制することが可能であるとされたが、重合始動時において、重合反応槽へ水分濃度を低減したTHFを重合反応器内に仕込み、固体酸触媒を投入した後、無水酢酸を投入して重合を開始した場合、局所的な異常反応熱が発生し、数平均分子量40,000以上の超高分子量体が5〜10%生成する。さらに重合反応を継続すると、反応液の粘度が高くなり、工業的規模で実施する場合、反応器後段の移送ポンプをはじめとする周辺機器が閉塞または使用不可能となる問題があることが判明した。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、THFの開環重合反応開始時において、超高重合体の異常生成を抑制し、安定的にまた安全に目的生成物を得るための環状エーテルの重合開始方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、超高重合体の異常生成の原因として、重合反応開始時にTHFと重合触媒が存在する場合、THF中の水分がルイス酸触媒の活性点に配位するため重合反応停止剤として機能していたことを明らかとした。その理由として、THF中の水分の量が極度に少ないと、異常反応により数平均分子量4万以上の超高分子量体を含むPTMGが生成することから、この現象は、水が触媒との接触によりオキソニウムイオンとなり環状エーテルへの求電子反応により反応が開始され、環状エーテルの連鎖成長反応が極度に進行し、その後ヒドロキシル基への求電子反応により反応が停止し末端に水酸基を有するポリオールが生成する反応メカニズムであると考えられる。このような超高重合体が多く含まれるPTMGは粘度も高く、特に高い品質が求められる弾性繊維を初めとした製品には使用できない。
そこで、本発明では、重合反応器にカルボン酸無水物、THF及び開環重合触媒を供給して重合反応開始するにあたり、ある特定の供給順序で重合反応器に供給して、重合反応を開始することで、異常反応を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、[1]〜[4]に存する。
[1] カルボン酸無水物の存在下、重合反応器内で開環重合反応触媒を用いて原料の環状エーテルを開環重合させて、目的生成物としてポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体を得る環状エーテルの重合方法において、原料の環状エーテルと該開環重合反応触媒とが予め接触しない態様で前記重合反応器に供給して開環重合反応を開始することを特徴とする環状エーテルの重合方法。
[2] 前記環状エーテル中の水酸化物の濃度が100〜1000wtppmであることを特徴とする[1]に記載の環状エーテルの重合方法。
[3] 前記目的生成物であるポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体の平均分子量Mnが500〜4000の範囲である[1]又は[2]に記載の環状エーテルの重合方法。
[4]カルボン酸無水物と開環重合反応触媒とを混合した後、該混合物と環状エーテルとを接触させて重合反応を開始することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の環状エーテルの重合方法。
本発明において、環状エーテルの重合開始において、目的とする分子量分布の重合体を効率よく得ることができ、また、重合反応器内の反応液の粘度の上昇を抑制できる。また、工業的に大規模レベルで環状エーテルを重合する際に、重合始動の際の重合反応器並びにその付帯設備の閉塞トラブルを防止することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
本発明において、開環重合反応の原料となる環状エーテルは、特に限定されないが、環状の炭化水素を構成する炭素原子数として、通常2〜10であり、好ましくは3〜7である。具体的には、テトラヒドロフラン(以下THFと略すことがある)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、テトラヒドロピラン、オキセパン、1,4−ジオキサンなどが用いられる。これらの中で、特にTHFが工業的見地から好ましい。また、上記、環状エーテルの炭化水素の一部がアルキル基、ハロゲン原子などで置換された環状エーテルであってもよい。具体的に環状エーテルがTHFの場合は、3−メチル−テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフランなどが挙げられる。
環状エーテルは1種又は2種以上を混合して用いても良いが、1種で用いることが好ましい。
本発明の開環重合反応触媒としては、環状エーテルに対する開環重合触媒であれば特に限定されないが、通常、ルイス酸性を有する固体酸系触媒が用いられる。ルイス酸性を有する固体酸触媒として、金属酸化物からなる固体酸触媒が好適に使用される。上記金属酸化物としては、好ましくは周期表(IUPAC 無機化学命名法改訂版(1998)による)の第3
族、第4族、第13族もしくは第14族に属する金属元素からなる金属酸化物、または、これらの金属元素を含む複合酸化物が好ましく用いられる。
具体的には酸化イットリウム、チタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカなどの金属酸化物、またはジルコニアシリカ、ハフニアシリカ、シリカアルミナ、チタニアシリカ、チタニアジルコニアのような複合酸化物が例示できる。また、これらの複合酸化物にさらに他の金属元素を含有する複合酸化物も好ましい。
本発明の開環重合反応触媒を調製する方法としては、周期表(IUPAC 無機化学命名法
改訂版(1998)による)の第3族、第4族、第13族もしくは第14族に属する金属元素から選ばれる1種類以上の金属の塩またはそのアルコキシドを含有する混合溶液に、場合によって酸、アルカリ、又は水を添加することにより沈澱物、あるいはゲルを開環重合触媒前駆体として形成させる。沈澱またはゲルを得る方法として共沈法、ゾルーゲル法、混練法、含浸法などが挙げられる。適当な担体上に金属塩/又は金属アルコキシドを担持させ、固相状態(実質的に水を含まない状態)においてアルカリやアミン等の塩基性物質を接触させる過程を経て重合触媒前駆体を得る方法が特に有効である。
このようにして得られた重合触媒前駆体は、必要に応じてろ過、洗浄、乾燥を行った後、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、又は空気あるいは希釈酸素ガス等の酸化性ガス雰囲気下で焼成し、所望の(複合)酸化物を得ることができる。加熱焼成温度としては通常600〜1150℃、好ましくは600〜1000℃の高温で行われる。高温焼成することにより触媒の活性、安定性が向上する。
また、本発明の重合反応で使用するカルボン酸無水物としては、通常は、炭素数2〜12、好ましくは2〜8の脂肪族又は芳香族カルボン酸から誘導されるカルボン酸無水物を用いる。カルボン酸はモノカルボン酸であるのが好ましいが、ポリカルボン酸を用いてもよい。通常用いられるカルボン酸無水物の具体例として、以下のカルボン酸の無水物が挙げられる。、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、マレイン酸、コハク酸等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、芳香族カルボン酸としては、安息香酸、フタル酸、ナフタリン酸等が挙げられる。これらの中でも価格や入手のしやすさの観点から無水酢酸を用いるのが好ましい。また、原料の環状エーテルがTHFの場合は、無水酢酸が好ましく使用される。
カルボン酸無水物の使用量としては、特に限定されないが、通常は、原料の環状エーテル及びその誘導体の合計に対して0.01〜1.0モル倍の量を使用するのが好ましく、より好ましくは、0.01〜0.5モル倍である。
本発明の製造方法において、このカルボン酸無水物を使って得られる生成物はポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体であり、環状エーテルとしてTHFを使用し、カルボン酸無水物として無水酢酸を使用する場合には、PTMEが得られる。このPTMEは加水分解、又は加アルコール分解等によって、PTMGに変換することができる。
本発明の開環重合反応を行う反応器は、特に限定されないが、槽型、塔型等一般に用いられるものが使用され、反応の方式としては、回分方式、連続方式のいずれであっても良い。具体的には、環状エーテルとカルボン酸無水物、触媒をそれぞれ一定量測り取り、その量を反応器に仕込んで重合させる方法(回分方式)、環状エーテル、カルボン酸無水物及び触媒がそれぞれ反応器内で一定量存在するように連続的に供給すると同時に、目的生成物であるポリアルキレンエーテルグリコールを含む反応液を連続的に抜きとっていく方法(連続方式)のいずれでも良い。
本発明において、環状エーテルの開環重合反応は、環状エーテル、カルボン酸無水物及び触媒の3成分が反応器内に存在する時点で開環重合反応の開始となる。なお、本発明では、開環重合反応開始時に、予め環状エーテルと開環重合反応触媒が予め接触しない態様で反応器に供給されることを必要とする。
具体的な反応器への供給する態様としては、例えば、(1)環状エーテル、カルボン酸無水物及び開環重合触媒をそれぞれ別々に反応器に同時に供給する、(2)最初にカルボン酸無水物と開環重合触媒を反応器に供給し、反応器内で混合した後、環状エーテルを反応器に供給する、(3)環状エーテルを反応器に供給した後、カルボン酸無水物と開環重合触媒をそれぞれ別々に反応器に同時に供給する、(4)環状エーテルを反応器に供給した後、カルボン酸無水物と開環重合触媒の混合物を反応器に供給する、(5)最初にカルボン酸無水物と環状エーテルを反応器に供給し、反応器内で混合した後、開環重合触媒を反応器に供給する、などの態様が挙げられる。
この中でも、操作上の観点から、カルボン酸無水物と開環重合触媒とを混合して混合物として、その混合物と環状エーテルを接触させる態様である、(2)最初にカルボン酸無水物と開環重合触媒を反応器に供給し、反応器内で混合した後、環状エーテルを反応器に供給する、又は(4)環状エーテルを反応器に供給した後、カルボン酸無水物と開環重合触媒の混合物を反応器に供給する、態様が好ましく、より好ましくは、(2)最初にカルボン酸無水物と開環重合触媒を反応器に供給し、反応器内で混合した後、環状エーテルを反応器に供給する、態様である。上記の供給の態様により、重合反応開始時において反応器内に超高分子量体が発生するのを抑制することが出来る。
開環重合反応触媒の使用量としては、触媒の種類によって決定され、特に限定はないが、例えば回分型反応器においては、触媒量が少なすぎると重合速度が遅くなり、逆に多すぎると、重合熱の除去が困難となる。また反応系のスラリー濃度が高くなるので、撹拌が困難となり、また重合反応終了後の触媒と反応液との分液にも問題を生じ易くなる。特に、(複合)酸化物の重合触媒を使用した場合には、液相に対して通常0.001〜50重量倍、好ましくは0.01〜20重量倍の範囲から回分反応、流通反応の反応形態を勘案
して選ばれる。但し流通反応の場合は、この使用量は、単位時間当たりの液相の供給量に対する触媒の量を表すものである。
開環重合反応温度は、通常0〜200℃、好ましくは10〜80℃である。反応圧力は、反応系が液相を保持できるような圧力であれば良く、通常常圧から10MPa好ましくは常圧から5MPaの圧力の範囲から選択される。反応時間は特に限定はないが、触媒量
との双方を考慮し、PTMEの収率、経済性を考慮して0.1〜20時間の範囲、好ましくは0.5〜15時間の範囲が好ましい。ここで言う反応時間とは、回分方式においては
、反応温度まで上昇した時点から反応が終了して冷却を開始するまでの時間を示し、連続方式においては、反応器中での反応組成液の滞留時間のことを指している。
本発明の方法により製造した、ポリオアルキレンエーテルグリコールの分子量分布については、環状エーテルの種類によるが、例えばTHFを重合した場合には、数平均分子量(Mn)200〜80,000、特に200〜40,000程度の低〜中分子量のPTMGを得ることができる。更に、重量平均分子量/数平均分子量で示される分子量分布(Mw/Mn)の狭いPTMGを容易に製造できることも特徴の一つである。即ち、Mw/Mnが20未満、例えば1.0〜10.0のPTMGの製造ができ、工業的に需要が大きいMw/Mnが1.0〜4.0、さらには1.1〜3.0、程度である分子量分布の狭いPTMGを得ることが可能である。従って、本発明によれば、工業的に極めて利用価値が高い数平均分子量が500〜3,000、特に700〜2,000でMw/Mnが1.1〜3.0の比較的低分子量で、かつ分子量分布の非常に狭いPTMGを製造することができる。
本発明では必要に応じて、反応器の後段に、反応液から未反応環状エーテル、及びカルボン酸無水物の回収工程、及び得られたポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体の取りだし、及び加水分解工程などを加えてよい。また、更に触媒の再生工程も加えてよい。例えば、回分反応方式の場合、反応終了後、先ず触媒と反応液を濾過分別し、反応液より、未反応の環状エーテル、カルボン酸無水物を溜去後、重合体のみを容易に得ることができる。更に、反応後の触媒はよく洗浄後、付着した有機物を燃焼することにより容易に活性を回復できる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、Gel Permeation Chromatography(以下、“GPC”と略記することがある)による分析は、下記の条件で行った。
<GPC分析条件;>
カラム: TSKgel SuperHZM−N (東ソー株式会社)
溶媒:テトラヒドロフラン
<開環重合反応触媒>
実施例で使用した開環重合反応触媒は、硝酸ジルコニア水溶液にCARiACTQ15(登録商標)(富士シリシア化学(株)製 シリカ担体)を含浸し乾燥処理を実施し、その後、重炭素アンモニウム水溶液で中和・洗浄を行った後、乾燥および900℃で焼成処理を行ったものを用いた。
なお、実施例における転化率とは、反応器に供給したTHFに対するPTMEの生産量である

Mn、Mwはそれぞれ数平均分子量、重量平均分子量を表す。Mn,Mwは溶液を上記のGPC分析することにより、求めることができる。
<実施例1>
無水酢酸(※日本合成社製の無水酢酸およびダイセル社製の無水酢酸の混合物) 25g、触媒18.77gを、500mlのナスフラスコに仕込んだ後、ナスフラスコの上部に還流管を取り付
けて、温度が35℃に維持されているウォーターバスに、このナスフラスコを浸した。そして、マグネチックスターラーを用いて無水酢酸と触媒の入った液を4時間攪拌した。この
混合液をGPC分析して、Mn、Mw及びTHFの転化率(%)を測定した。結果を表1
に示す。
その後、水分濃度が30wtppmに調製されたTHF(三菱化学株式会社製)350gを、ナ
スフラスコに供給し、THFの開環重合反応を開始し、目的とする製品PTMEを製造した。なお、THFの開環重合反応は、反応温度35℃、ナスフラスコの圧力(反応圧力)常圧窒素雰囲気下で6時間重合を行った。
反応終了後、反応液のGPC分析を実施し、反応液中の生成したPTMEのMn,Mw及
びTHF転化率(%)を測定した。なお、超高分子量体(Mnが40,000以上のポリマー)の割合も測定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、水分濃度が100wtppmに調製されたTHFを用いた以外は、全て同様にTHFの開環重合反応を行った。結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、水分濃度が800wtppmに調製されたTHFを用いた以外は、全て同様にTHFの開環重合反応を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、水分濃度が1000wtppmに調製されたTHFを用いた以外は、全て同様にTHFの開環重合反応を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
水分濃度が30wtppmに調製されたTHF(三菱化学株式会社製)350gと触媒18.77gを、500mlのナスフラスコに仕込んだ後、ナスフラスコの上部に還流管を取り付け
て、温度が35℃に維持されているウォーターバスに、このナスフラスコを浸した。そして、マグネチックスターラーを用いてTHFと触媒の入った液を4時間攪拌した。この混合
液をGPC分析して、混合液中のポリマーのMn、Mw及びTHFの転化率(%)を測定した。なお、超高分子量体(Mnが40,000以上のポリマー)の割合も測定した。結果を表2に示す。
その後、無水酢酸(※日本合成社製の無水酢酸およびダイセル社製の無水酢酸の混合物)
25gをナスフラスコに供給しTHFの開環重合反応を開始し目的とする製品PTMEを製造した。なお、THFの開環重合反応は、反応温度35℃、ナスフラスコの圧力(反応圧力)常圧窒素雰囲気下で3時間重合を行った。
反応終了後、反応液のGPC分析を実施し、反応液中の生成したPTMEのMn,Mwを
求めた。THF転化率(%)と併せて、結果を表2に示す。
<比較例2>
比較例1において、水分濃度が100wtppmに調製されたTHFを用いた以外は、全て同様にTHFの開環重合反応を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013166918
Figure 2013166918

Claims (4)

  1. カルボン酸無水物の存在下、重合反応器内で開環重合反応触媒を用いて原料の環状エーテルを開環重合させて、目的生成物としてポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体を得る環状エーテルの重合方法において、原料の環状エーテルと該開環重合反応触媒とが予め接触しない態様で前記重合反応器に供給して開環重合反応を開始することを特徴とする環状エーテルの重合方法。
  2. 前記環状エーテル中の水酸化物の濃度が100〜1000wtppmであることを特徴とする請求項1に記載の環状エーテルの重合方法。
  3. 前記目的生成物であるポリアルキレンエーテルグリコールのエステル体の平均分子量Mnが500〜4000の範囲である請求項1又は2に記載の環状エーテルの重合方法。
  4. カルボン酸無水物と開環重合反応触媒とを混合した後、該混合物と環状エーテルとを接触させて重合反応を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の環状エーテルの重合方法。
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