JP2013166194A - 半導体素子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高品質な接合部を有する半導体素子とその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の基材21と、第2の基材31と、可動部3及び可動部3と電気的に接続される接合部10を備え、第1の基材21と第2の基材31との間に配置される機能部と、を有して構成され、可動部3は第1の基材21と第2の基材31との間において変位可能に設けられ、接合部10の第2の基材31と対向する側に、密着層23と、第1の下地層24と、及び第1の接合層25と、がこの順に積層されてなり、第2の基材31の第1の接合層25と対向する位置に第2の接合層35が形成されてなり、第1の接合層25と第2の接合層35とが接合される半導体素子1。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材同士を接合して得られる半導体素子とその製造方法に係わり、特に、シリコン基材同士を接合して得られる半導体素子に関する。
SOI(Silicon on Insulator)層を備えるシリコン基材からなるセンサ基板と、該センサ基板を支持するシリコン基材からなる配線基板と、を接合することで、加速度センサ、衝撃センサ、圧力センサ、振動型ジャイロ、又は可変容量コンデンサ等の半導体素子が製作される。
特許文献1にピエゾ抵抗型半導体圧力センサが開示されている。この圧力センサは、図9に示すように、可動するダイヤフラム300aを有する第1のシリコン基板300と台座となる第2のシリコン基板310とが接合されてなる。
この接合のために、第1のシリコン基板300の面に、Auの拡散を防止する拡散防止層301とAu接合層302とがこの順に積層され、第2のシリコン基板310の面に、Auの拡散を防止する拡散防止層311とAu接合層312がこの順に積層されている。
そして、第1及び第2のシリコン基板300、310のAu接合層302、312同士を重ね、所定の温度の下で所定の荷重を加えて、両シリコン基板300、310のAu接合層302、312同士を接合する。拡散防止層301、311は、Ti、Ni、Cr、W、Al等の金属薄膜、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、又はガラス薄膜で形成される。
特開2001−150398号公報
SOI層を備えるシリコン基材からなるセンサ基板と、該センサ基板を支持するシリコン基材からなる配線基板と、を接合して得られる半導体素子においては、該センサ基板及び該配線基板に、各々、接合に用いられる接合電極層が形成される。
前記センサ基板においては、スパッタ法等で前記センサ基板の面に前記接合電極層を成膜し、半導体微細加工技術により前記接合電極層をパターン形成する。
そして、パターン形成されたレジスト層をマスクにして、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)などのイオンエッチング手段によって、シリコン層に酸化シリコン層に達する溝を形成する。そして、前記シリコン層に形成された前記溝内にフッ化水素を含むエッチング剤を浸透させて、前記酸化シリコン層の一部分をエッチング除去する。
ところが、特許文献1に開示されるピエゾ抵抗型半導体圧力センサにおいては、センサ基板である第1のシリコン基板300の面に、前記接合電極層として拡散防止層301とAu接合層302がこの順に積層される。そして、拡散防止層301が、Ti、Ni、Cr、W、Al等の金属薄膜、酸化シリコン膜(SiO)、窒化シリコン膜(Si)、又はガラス薄膜で形成される。
ところで、特許文献1のような構成でフッ化水素を含むエッチング剤を使用した場合には、Ti、Ni、Cr、W、Al、酸化シリコン膜、又はガラス薄膜は、前記エッチング剤に侵されたり、溶けたりするために使用することができない。
窒化シリコン膜とAu接合層302の組み合わせでは、導通性を得るために絶縁性の窒化シリコン膜に貫通する接続孔を形成する必要がある。このような態様では、第1のシリコン基板300とAu接合層302とが直接に接触するために、窒化シリコン膜が拡散防止の機能を発揮できない。
Au接合層302、312同士の強固な接合を得るために、Au接合層302、312の表面を、硫酸過水(硫酸と過酸化水素との混合液)で洗浄することが知られている。ところが、Ni、W、Alは、硫酸過水に侵されたり、溶けたりするために、硫酸過水で洗浄する場合には使用することができない。
図9に示すように、特許文献1に開示されるピエゾ抵抗型半導体圧力センサにおいては、第1のシリコン基板300と拡散防止層301との界面でシリコン層が露出している。シリコン層の表裏面には自然酸化膜が形成されており、シリコン層の不純物濃度が高いほど厚い自然酸化膜が形成されることが知られている。
そのため、特許文献1のような構成でフッ化水素を含むエッチング剤を使用した場合には、第1のシリコン基板300と拡散防止層301との界面において、第1のシリコン基板300表面に形成された自然酸化膜がエッチングされることで、前記界面に切り込み状にエッチングが進行する。この切り込みによって、拡散防止層301にクラックやボイド等、場合によっては拡散防止層301やAu接合層302の膜剥がれが生じることで、導通不良が発生する。
本発明の目的は、このような課題を顧みてなされたものであり、高品質な接合部を有する半導体素子とその製造方法を提供することである。
本発明の半導体素子は、第1の基材と、第2の基材と、可動部及び前記可動部と電気的に接続される接合部を備え、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置される機能部と、前記接合部と前記第1の基材との間に酸化物からなる第1の絶縁層と、を有して構成され、前記可動部は前記第1の基材と前記第2の基材との間において変位可能に設けられ、
前記接合部の前記第2の基材と対向する側に、酸化アルミニウム、又は窒化物からなる密着層と、白金族元素からなる第1の下地層と、Auからなる第1の接合層と、がこの順に積層されてなり、前記第2の基材の前記第1の接合層と対向する位置にAuからなる第2の接合層が形成されてなり、前記第1の接合層と前記第2の接合層とが接合されていることを特徴とする。
本発明の半導体素子においては、前記可動部を変位可能に設けるために、前記可動部と前記第1の基材との間の前記第1の絶縁層がフッ化水素を含むエッチング剤により除去される。その際、前記接合部を構成する前記密着層、前記第1の下地層、及び前記第1の接合は前記エッチング剤に対して耐蝕性を有する。また、前記第1の下地層が前記密着層に積層される構造を有するので、前記接合部にクラックやボイド、又は膜剥がれ等が発生することはない。
よって、本発明によれば、高品質な接合部を有する半導体素子を提供することができる。
前記機能部が前記可動部及び前記接合部の周囲を囲む枠体部を有して構成され、前記枠体部と前記第1の基材との間に前記第1の絶縁層を有し、前記枠体部の前記第2の基材と対向する側に、前記密着層、前記第1の下地層、及び前記第1の接合層がこの順に積層されてなり、前記第2の基材の前記枠体部と対向する位置に前記第2の接合層が形成されてなることが好ましい。
このような態様であれば、前記枠体部は高品質な接合を有してなる。よって、前記可動部及び前記接合部は、その周囲を囲む前記枠体部によって気密に封止されるので、本発明の半導体素子は、精密に物理量を検知することが可能である。
前記窒化物が、窒化シリコン、窒化アルミニウムからなることが好ましい。
このような態様であれば、前記エッチング剤に対して耐蝕性を有する前記窒化物が可能となる。
前記第1の下地層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属、又はその合金からなることが好ましい。
このような態様であれば、前記エッチング剤に対して耐蝕性を有すると共に、拡散防止の機能を有する第1の下地層が可能となる。
前記第1の基材及び前記第2の基材がシリコンからなり、前記酸化物が酸化シリコンからなることが好ましい。
このような態様であれば、前記エッチング剤で、シリコンはエッチングされず、酸化シリコンはエッチング除去されるので、前記接合部及び前記枠体部と前記第1の基材との間に酸化物からなる第1の絶縁層を有し、且つ前記可動部と前記第1の基材との間に前記第1の絶縁層を有さないようにして、前記可動部を変位可能とすることができる。
前記第1の接合層の厚さが0.05〜0.2μmであることが好ましい。
前記第1の接合層の平坦性を維持して、適切な接合強度を有するためには、前記第1の接合層の厚さは、0.2μmの厚さが上限の限界であり、0.1μm以下がより好ましい。また、適切な接合強度を安定的に有するためには、0.05μmの厚さが下限の限界である。
前記密着膜の厚さが、0.02〜0.2μmであることが好ましい。
前記第1の接合層の平坦性を維持して、適切な接合強度を有するためには、前記密着膜の厚さは、0.2μmの厚さが上限の限界であり、0.1μm以下がより好ましい。また、適切な接合強度を安定的に有するためには、0.02μmの厚さが下限の限界である。
前記密着層の外周が、前記第1の下地層及び前記第1の接合層の外周より外側に位置していることが好ましい。
このような態様であれば、前記前記第1の接合層及び前記第1の下地層は、平面視で面積の大きい前記密着層を介して強固に接合される。
第1の基材と、第2の基材と、可動部及び前記可動部と電気的に接続される接合部を備え、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置される機能部と、前記接合部と前記第1の基材との間に酸化物からなる第1の絶縁層と、を有して構成され、前記可動部は前記第1の基材と前記第2の基材との間において変位可能に設けられる半導体素子の製造方法は、
前記接合部の前記第2の基材と対向する側に、酸化アルミニウム、又は窒化物からなる密着層を成膜し、前記密着層をパターン形成する工程(a)と、白金族元素からなる第1の下地層、及びAuからなる第1の接合層、をこの順に成膜し、前記第1の下地層及び前記第1の接合層をパターン形成する工程(b)と、前記機能部をパターン形成し、前記機能部と前記第1の基材との間にある前記第1の絶縁層の一部をエッチング除去する工程(c)と、前記第2の基材の前記第1の接合層と対向する位置にAuからなる第2の接合層をパターン形成する工程(d)と、前記第1の接合層と前記第2の接合層とを接合する工程(e)と、を含むことを特徴とする。
工程(a)から工程(b)において、前記可動部が検知する物理量を外部に出力する接合部が、前記密着層と、前記第1の下地層と、前記第1の接合層と、が積層される構造で形成される。
工程(c)において、前記可動部と前記接合部とからなる前記機能部が形成される。そして、前記可動部は、前記可動部と前記第1の基材との間の前記第1の絶縁層がエッチング除去されることで変位可能に設けられる。
また、工程(c)において、前記可動部と前記第1の基材との間の前記第1の絶縁層はフッ化水素を含むエッチング剤によりエッチング除去される。その際に、前記密着層、前記第1の下地層、及び前記第1の接合層が、前記エッチング剤に対して耐蝕性を有する。
工程(e)において前記第1の接合層と前記第2の接合層とが接合される際に、前記第1の接合層が前記第1の下地層に積層されて配置されていることで、前記第1の下地層は、前記第1の接合層の拡散防止層として機能する。
また、工程(e)の前記第1の接合層と前記第2の接合層とを接合することが、前記密着層に前記第1の下地層及び前記第1の接合層が積層される構造を有することで、前記接合部にクラックやボイド、又は膜剥がれ等を発生させることはない。
よって、本発明によれば、高品質な接合を有する半導体素子の製造方法を提供することができる。
前記第1の基材、前記第2の基材、及び前記機能部がシリコンからなり、前記第1の絶縁層が酸化シリコンからなり、前記第1の絶縁層の一部がフッ化水素を含むエッチング剤によりエッチング除去されることが好ましい。
このような態様であれば、前記エッチング剤で、シリコンはエッチングされず、酸化シリコンはエッチング除去されるので、前記接合部と前記第1の基材との間に酸化物からなる前記第1の絶縁層を有し、前記可動部と前記第1の基材との間の前記第1の絶縁層が除去されて、前記可動部を変位可能とする半導体素子を製造できる。
可動部と第1の基材との間の第1の絶縁層がフッ化水素を含むエッチング剤により除去される際に、接合部は、密着層、第1の下地層、及び第1の接合層から構成され、これらの層は前記エッチング剤に対して耐蝕性を有する。また、前記第1の下地層が前記密着層に積層される構造を有するので、前記第1の絶縁層が前記エッチング剤により除去される際に、前記接合部にクラックやボイド、又は膜剥がれ等が発生することはない。
よって、本発明によれば、高品質な接合を有する半導体素子とその製造方法を提供することができる。
第1の実施形態の半導体素子における機能部の平面略図である。 図1のA−A線に沿って切断し矢印方向から見る半導体素子の断面略図である。 第1の実施形態の半導体素子が無重力下で静止している状態を示す斜視略図である。 第1の実施形態の半導体素子が動作している状態を示す斜視略図である。 第1の実施形態における半導体素子の製造工程説明図である。 第2の実施形態における半導体素子の断面略図である。 不良例の顕微鏡写真である。 良品例の顕微鏡写真である。 特許文献1に開示されるピエゾ抵抗型半導体圧力センサの断面略図である。
<第1の実施形態>
各図に示す半導体素子に関しては、Y方向が左右方向であり、Y1方向が左方向でY2方向が右方向、X方向が前後方向であり、X1方向が前方向でX2方向が後方向である。また、X方向とY方向の双方に直交する方向がZ方向で上下方向であり、Z2方向が上方向でZ1方向が下方向である。なお、各図面は、見やすくするために寸法を適宜異ならせて示している。
第1の実施形態では、半導体素子は加速度センサである。半導体素子は加速度センサに限定されるものではなく、衝撃センサ、圧力センサ、振動型ジャイロ、及び可変容量コンデンサ等も可能である。
図1は第1の基材21を透視して機能部2を第1の基材21側から眺めた平面略図である。図2は図1のA−A線に沿って切断し矢印方向から見る半導体素子1の断面略図である。また、図3、図4は、第1の基材21を透視して眺める機能部2の斜視図であり、枠体部5を省略している。
図1、図2に示すように、半導体素子1は、第1の基材(シリコン)21に第1の絶縁層(酸化シリコン)22を介して備わるSOI層27(図5a参照)に機能部2が形成されている。即ち、導電性シリコンからなるSOI層27に、各部分の形状に対応する平面形状のレジスト層をパターン形成し、レジスト層が存在していない部分で、SOI層27を反応性イオンエッチングなどのイオンエッチング手段によって切断することで、各部分に分離している。したがって、半導体素子1の機能部2に形成される各部分は、SOI層27とSOI層27に形成された電極層の範囲内で構成されている。半導体素子1が無重力下で静止状態の際は、図3に示すように、可動部3は、表面全体と裏面全体とのそれぞれが同一面上に位置しており、表面及び裏面から突出する部分がない。なお、実際の半導体素子1は地球上で使用されるため、地球の重力の影響で可動部3は静止状態であっても若干変位を生じている。
図1に示すように、半導体素子1を構成する機能部2は、可動部3と、接合部10〜12と、可動部3及び接合部10〜12の周囲に枠体部5を有して構成されている。
図1や図3に示すように、可動部3は、上下方向(Z)に平行に変位する錘部4と、錘部4の内側に設けられた回動支持部6、7、8、9を有して構成されている。
図1に示すように、第1の回動支持部6は、前方向(X1)に延びる連結腕6aと、後方向(X2)に延びる脚部6bとが一体に形成されている。また図1に示すように第2の回動支持部7は、後方向(X2)に延びる連結腕7aと、前方向(X1)に延びる脚部7bとが一体に形成されている。
また、可動部3の内側には、中央接合部10、左側接合部11、及び右側接合部12が設けられている。各接合部10〜12は、左右方向(Y)に所定の間隔を空けて設けられる。中央接合部10、左側接合部11、及び右側接合部12の前後方向(X)の幅寸法は略同一である。
連結腕6a、7a及び脚部6b、7bは各接合部10〜12から離れる方向であって、前後方向(X)に平行に所定の幅寸法にて延出する形状で形成されている。
図2は、図1に示すA−A線に沿って切断し矢印方向から見た断面略図である。図2に示すように、中央接合部10が、第1の基材21に酸化シリコンである第1の絶縁層22を介して固定支持されている。また、可動部3の周囲に設けられる枠体部5は、第1の基材21に酸化シリコンである第1の絶縁層22を介して固定支持されている。
そして、接合部10〜12は、各々、固定部10a〜12a、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を有して構成されている。中央接合部10は、接続孔26も備えている。また、枠体部5は、枠体固定部5a、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を有して構成されている。ただし、左側接合部11と右側接合部12は図示していない。
図1に示すように、第1の回動支持部6の連結腕6aの先端部と錘部4とが連結部40aによって回動自在に連結されており、第2の回動支持部7の連結腕7aの先端部と錘部4とが連結部40bによって回動自在に連結されている。
第1の回動支持部6の連結腕6aは、左側接合部11と支持連結部50bによって、及び中央接合部10と支持連結部50aによって回動自在に連結されている。第2の回動支持部7の連結腕7aは、右側接合部12と支持連結部51bによって、及び中央接合部10と支持連結部51aによって回動自在に連結されている。
左側接合部11の後方向(X2)に、錘部4及び左側接合部11と分離して形成される第3の回動支持部8が設けられ、右側接合部12の前方向(X1)に、錘部4及び右側接合部12と分離して形成される第4の回動支持部9が設けられている。
第3の回動支持部8の先端部と錘部4とは、連結部41aによって回動自在に連結されている。また、第4の回動支持部9の先端部と錘部4とは、連結部41bによって回動自在に連結されている。
第3の回動支持部8と左側接合部11とは、支持連結部52aによって回動自在に連結されている。また、第4の回動支持部9と右側接合部12とは、支持連結部52bによって回動自在に連結されている。
第1の回動支持部6の連結腕6aと第3の回動支持部8との間が、連結部42aを介して連結されている。また、第2の回動支持部7の連結腕7aと第4の回動支持部9との間が、連結部42bを介して連結されている。
各連結部40a、40b、41a、41b、42a、42b及び各支持連結部50a、50b、51a、51b、52a、52bは、SOI層27をエッチングによって薄い板状に切り出すことで、ばね性を有するトーションバー(ばね部)で構成されている。
第1の絶縁層22は、回動支持部6〜9及び錘部4に対向する位置には設けられていない。ただし、図2には、第1の回動支持部6の脚部6b、第2の回動支持部7の脚部7b、及び錘部4のみが図示されている。
機能部2は、可動部3、接合部10〜12、及び枠体部5を有して構成され、SOI層27から形成されている。接合部10〜12、及び枠体部5には、SOI層27からなる各固定部10a、11a、12a、5aの面に密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25が形成されており、これらの層も機能部2に含まれる。そして、センサ基板20は、第1の基材21、機能部2、及び第1の絶縁層22から構成されている。
可動部3は、錘部4、回動支持部6〜9、連結部40〜42、及び支持連結部50〜52から構成されている。
図2に示すように、半導体素子1には、可動部3と上下方向(Z)に離れた一方に第1の基材21と他方に第2の基材31が設けられている。配線基板30は、第2の基材31の第1の基材21に対向する面に、第2の絶縁層32が形成され、第2の絶縁層32の表面に固定電極層36が形成されて構成されている。固定電極層36は、第2の絶縁層32の表面に導電性金属材料をスパッタ法や、メッキ法等を用いて形成される。そして、固定電極層36と可動部3、及び錘部4とが共に検知部を構成する。
半導体素子1は、無重力下で外部から力(加速度等)が作用していない際は、それぞれの支持連結部50〜52及び連結部40〜42に設けられたトーションバー(ばね部)の弾性復元力により、図3に示すように、全ての部分の表面が同一平面となった状態を維持している。尚、半導体素子1を実際に使用する際は、地球の重力の影響で若干変位している。
半導体素子1に外部から例えば加速度が与えられると、加速度は回動支持部6〜9、錘部4、接合部10〜12等に作用する。この際、それぞれの構成部材の質量の大小に起因する慣性力の差によって、それぞれの構成部材は相対的に移動する。その結果、第1の基材21と第2の基材31に連結された接合部10〜12が絶対空間に留まろうとし、錘部4は加速度の作用方向へ相対的に移動する。そのため、錘部4は加速度により図3の静止状態の位置から上方向(Z2)へ向けて変位すべく、第1の回動支持部6が支持連結部51a、50bを中心に下方向(Z1)に回動し、第2の回動支持部7が支持連結部50a、51bを中心して下方向(Z1)に回動し、第3の回動支持部8が支持連結部52aを中心として下方向(Z1)に回動し、第4の回動支持部9が支持連結部52bを中心として下方向(Z1)に回動する。その結果、図4に示すように各構成部材は変位する。(ただし、図4には構成部材の一部のみが図示されている。)この回動動作時、各連結部40〜42及び支持連結部50〜52に設けられるトーションバーは捩れ変形する。
図5は、半導体素子1の製造方法を示す工程図である。各図は、製造工程中の断面略図である。
図5(a)に示す工程で、第1の基材21に第1の絶縁層22を介して備わるSOI層27の表面に、酸化アルミニウム、又は窒化物からなる密着層23を、スパッタ法や、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜する。
続いて、ホトリソ技術によって、密着層23の上に接続孔26に相当する孔が開けられたレジスト層をパターン形成する。そして、イオンミリング(Ion Milling)や、反応性イオンエッチングなどのイオンエッチング手段によって、接続孔26の部分の密着層23を除去する。
図5(b)に示す工程で、白金族元素からなる第1の下地層24、Auからなる第1の接合層25を、スパッタ法や、メッキ法等で成膜する。密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を残す領域を覆うレジスト層をパターン形成し、イオンミリングや、反応性イオンエッチングなどのイオンエッチング手段によって、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を除去する。
続いて、同じレジスト層を用いて反応性イオンエッチングなどのイオンエッチング手段によって、SOI層27を削り、固定部10a〜12a、及び枠体固定部5aをそれぞれ突出する形状に形成する。ただし、左側固定部11a及び右側固定部12aは図示していない。
本実施形態では、固定部10a〜12a及び枠体固定部5aを突出させて、可動部3が可動するギャップを確保したが、これに限定されるものではない。例えば第2の基材31側に設けた突出部のみで、又は密着層23、第1の下地層24、第1の接合層25、及び第2の接合層35等によってギャップを確保しても良い。
図5(c)に示す工程で、錘部4、回動支持部6、7、8、9のそれぞれの形状に対応する平面形状のレジスト層を形成し、レジスト層から露出しているSOI層27の部分を、反応性イオンエッチングなどのイオンエッチング手段で第1の絶縁層22に達するまで除去する。このようにして、錘部4、及び回動支持部6、7、8、9は分離され、各々の間に溝が形成される。ただし、第1の回動支持部6の脚部6bと第2の回動支持部7の脚部7bのみを図示している。
前記レジスト層を除去した後に、後述の第2の接合層35との接合が良好になされるように、センサ基板20は硫酸過水洗浄されて、第1の接合層25の接合される面が清浄にされる。
続いて、錘部4、及び回動支持部6、7、8、9を分離する溝内に、無水フッ化水素ガスを含むエッチング剤である混合ガスを浸透させて、第1の絶縁層22の一部をエッチング除去する。その結果、錘部4、回動支持部6、7、8、9等からなる可動部3と第1の基材21との間の第1の絶縁層22がエッチング除去され、接合部10〜12、及び枠体部5と第1の基材21との間に第1の絶縁層22が残される。このようにして、センサ基板20が製造される。
第1の実施形態では、無水フッ化水素ガスを含むエッチング剤である混合ガスが用いられたが、これに限定されるものではない。フッ化水素酸水溶液を含むエッチング剤を用いることも可能である。
第1の基材21の厚さ寸法は0.2〜0.7mm程度、可動部3、接合部10〜12及び枠体部から構成される機能部2の厚さ寸法は10〜30μm程度、第1の絶縁層22の厚さ寸法は1〜3μm程度である。
このように機能部2の厚さ寸法が10〜30μm程度と大変に薄いために、前記エッチング剤で第1の絶縁層22をエッチング除去した後に、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を成膜してパターン形成することは大変に難しい。
図5(d)に示すように、配線基板30を形成する。配線基板30を構成する第2の基材31の表面に第2の絶縁層32を形成し、接合部10〜12、及び枠体部5に形成された第1の接合層25に対向するように、第2の絶縁層32の表面に第2の下地層34、及び第2の接合層35を形成する。
第2の基材31は、厚さ寸法が0.2〜0.7mm程度のシリコン基板である。第2の絶縁層32は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(Si)、または酸化アルミニウム(Al)等であり、スパッタ法やCVD法等で形成される。
配線基板30は硫酸過水洗浄されて、第2の接合層35の接合される面が清浄にされる。そして、センサ基板20と配線基板30とは、互いに対向させて位置調整をした状態で真空容器に挿入し、真空引きしながら所定の温度(150〜300℃程度)まで加熱され所定の荷重(6500〜7500N程度)で圧着される。これにより、図5(e)に示すように、第1の接合層25と第2の接合層35とが強固に接合される。
可動部3が検知した物理量は、中央接合部10、第2の接合層35、第2の下地層34、及び配線層37を経由して外部に出力される。そのため、中央接合部10には、可動部3、即ち固定部10aと第1の下地層24とを電気的に接続する接続孔26が設けられている。左側接合部11と右側接合部12を経由しては、可動部3が検知した物理量は外部に出力されないので、左側接合部11と右側接合部12には接続孔26は設けられていない。
安定的な電気接続を確保するためには、第1の接合層25と第2の接合層35との接合が強固であることが必要である。図2や図6に示すように、中央接合部10には接続孔26が設けられているので、この接続孔26に相当する第1の接合層25の表面は、他の部分より低くなり易い。そのため、この接続孔26に相当する部分は、他の部分より接合強度が劣る傾向にある。よって、中央接合部10が強固な接合を確保するためには、接続孔26の面積に対して、第1の接合層25と第2の接合層35との接合面積を大きくすることが必要である。
本実施形態では、接続孔26の面積は450〜550μm程度であり、第1の接合層25と第2の接合層35との接合面積は2950〜3050μm程度であり、その比はおよそ6倍である。
半導体素子1は、固定部10a〜12a、及び枠体固定部5aに密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25を形成した後に、無水フッ化水素ガスからなるエッチング剤に晒される。また、センサ基板20と配線基板30とを接合する前に、硫酸過水洗浄が行われる。そのため、固定部10a〜12a、枠体固定部5a、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25は、すなわち接合部10〜12、及び枠体部5は、各々、無水フッ化水素ガス、フッ化水素酸水溶液、及び硫酸過水水溶液に耐蝕性のある材料によって構成されている。
可動部3が検知した物理量は固定部10aを介して外部に出力されるので、固定部10a、即ちSOI層27は、導電性シリコンからなる。導電性シリコンの表面には自然酸化膜が形成されていることが知られている。ところが、本実施形態の半導体素子1の接合部10〜12、及び枠体部5は、導電性シリコンである固定部10a〜12a、及び枠体固定部5aの上に、各々、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25が積層された構造である。
よって、第1の下地層24が直接に導電性シリコンに接触しないで、密着層23を介して強固に接合されている。そのため、無水フッ化水素ガスを含むエッチング剤に晒された際に、導電性シリコンの表面の自然酸化膜がエッチングされることで生じる切り込み状のエッチングは、導電性シリコンと密着層23との界面に進行する。すなわち切り込み状のエッチングは、密着層23と第1の下地層24との界面には生じない。
ところが、センサ基板20と配線基板30とを加熱し圧着する際に、第1の下地層24、及び第1の接合層25とからなる金属層は圧縮されて残留応力が生じる。そのため、導電性シリコンと第1の下地層24との界面に切り込みがあると、この切り込みを起点にして、この残留応力の応力緩和現象により、第1の下地層24にクラックやボイド等、場合によって第1の下地層24や第1の接合層25の膜剥がれが生じ、導通不良が発生することがあった。このことを防止するために、本実施形態では、導電性シリコンと第1の下地層24との間に、密着層23を挿入する構造とした。
第1の下地層24に生じるクラックやボイド等、また、第1の下地層24や第1の接合層25の膜剥がれ等は、金属顕微鏡や、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)等で観察することが可能である。
密着層23は、第1の下地層24、及び第1の接合層25とからなる金属層に比べて硬い材質であるので、加熱し圧着する際にほとんど変形することはない。よって、密着層23に生じる残留応力は非常に小さく、導電性シリコンと密着層23との界面に切り込みがあっても、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25にクラック、ボイド、又は膜剥がれ等の不具合が生じることはない。
よって、本実施形態によれば、可動部3を有して基材同士が接合されてなると共に、高品質な接合部10、11、12、及び枠体部5を有する半導体素子を提供することができる。また、可動部3や接合部10、11、12は、その周囲を囲む枠体部5と第2の接合層35とによって気密に封止されるので、本発明の半導体素子は、精密に物理量を検知することが可能である。
第1の接合層25の厚さは、0.05〜0.2μmであることが好ましい。第1の接合層25と第2の接合層35とは、加熱し圧着することで接合される。この際に、第1の接合層25の接触する面の平坦性が悪いと、初期的に突出した部分のみが圧着され、この部分が潰れるに従って他の部分は圧着される。そのため、接触する面内で不均一に圧着が進むため、圧着の不十分な部分が生じ易いことや、圧着により生じる残留応力が膜内で不均一になることで、適切な接合強度が得られないことがあった。
Auからなる第1の接合層25は、スパッタ法や、メッキ法等で成膜される。スパッタ法や、メッキ法等で成膜される膜は、その厚さが大きくなると、表面の平坦性が悪くなることが知られている。よって、第1の接合層25の良好な平坦性を維持して、強固な接合強度を有するためには、0.2μmの厚さが上限の限界であり、0.1μm以下がより好ましい。
加熱し圧着する際に、第1の接合層25は圧着されて潰れるために、薄すぎると部分的にAuのない消失部が生じることがある。そのため、適切な接合強度を得られないことや、良好な接触抵抗が得られないことがあった。よって、このような不具合を抑制し、強固な接合強度を安定的に有するためには、0.05μmの厚さが下限の限界である。
また、このような接合不具合が枠体部5の接合部に生じると、機能部2が枠体部5によって気密に封止されなくなるので、精密に物理量が検知できなくなる。よって、気密封止からも、適切な接合強度を有することが必要である。
密着層23の厚さが0.02〜0.2μmであることが好ましい。酸化アルミニウム(Al)、又は窒化物からなる密着層23は、スパッタ法や、CVD法で成膜される。スパッタ法や、CVD法で成膜される膜は、その厚さが大きくなると、表面の平坦性が悪くなることが知られている。そして、密着層23の平坦性が悪くなると、密着層23に積層される第1の接合層25の平坦性も悪くなる。よって、第1の接合層25の良好な平坦性を維持して、強固な接合強度を有するためには、密着層23の厚さは、0.2μmが上限の限界であり、0.1μm以下がより好ましい。
密着層23の厚さが薄くなると、その強度は劣化する。よって、加熱し圧着される際に、密着層23の厚さが0.02μm以下であると、密着層23にはクラック等が生じて破損する。よって、強固な接合強度を安定的に有するためには、密着層23の厚さは、0.02μmが下限の限界である。
第1の下地層24が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属、又はその合金からなることが好ましい。
このような態様であれば、無水フッ化水素ガスやフッ化水素酸水溶液を含むエッチング剤、及び硫酸過水水溶液に対して耐蝕性を有する。
また、Auからなる第1の接合層25とシリコンからなる固定部10a〜12a及び枠体固定部5aとが直接に接触すると、加熱して圧着する際にAuとシリコンとが容易に反応しAuがシリコン中に拡散する。その結果、第1の接合層25と第2の接合層35との接合が劣化してしまう。よって、第1の接合層25と固定部10a〜12a及び枠体固定部5aとの間には拡散防止層を設ける必要がある。第1の下地層24を、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属、又はその合金とすることで、第1の下地層24を拡散防止層とすることができる。
第1の基材21及び第2の基材31がシリコンからなり、第1の絶縁層22が酸化シリコンからなることが好ましい。
このような構造よって、無水フッ化水素ガスやフッ化水素酸水溶液からなるエッチング剤で、シリコンはエッチングされず、酸化シリコンはエッチング除去されるので、接合部10〜12と第1の基材21との間に酸化物からなる第1の絶縁層22を有し、可動部3と第1の基材21との間に第1の絶縁層22を有さないことが可能となる。
第1の実施形態では、第1の基材21がシリコンからなり、第1の絶縁層22が酸化シリコンからなるとしたが、これに限定されるものではない。第1の基材21が、例えば無水フッ化水素ガスやフッ化水素酸水溶液からなるエッチング剤に耐蝕性のある金属材料等からなり、第1の絶縁層22が該エッチング剤にエッチングされる金属酸化物であることも可能である。
密着層23が、酸化アルミニウム(Al)、窒化シリコン(Si)、又は窒化アルミニウム(AlN)からなることが好ましい。このような態様であれば、無水フッ化水素ガスやフッ化水素酸水溶液を含むエッチング剤、及び硫酸過水水溶液に対して耐蝕性を有する密着層23が可能となる。
密着層23を貫通する接続孔26は、固定部10aと第1の下地層24とを電気的に接続するために設けられている。そして、この接続孔26は、第1の下地層24や第1の接合層25に覆設されて、接続孔26内に固定部10aの面が露出していないことが好ましい。
そのような態様であれば、接続孔26内に固定部10aと第1の下地層24との界面が露出していないので、この界面の自然酸化膜がエッチングされることがないので、高品質な接合部を形成することが可能となる。
<第2の実施形態>
図6に第2の実施形態の半導体素子の断面略図を示す。本実施形態では、密着層23の外周が、第1の下地層24の外周より外側に位置している。即ち、平面視で密着層23のパターンを第1の下地層24や第1の接合層25のパターンより大きく設けている。加熱して圧着することで生じる残留応力に関しては、残留応力をパターン内で総和した力が第1の下地層24や第1の接合層25に生じるので、そのパターンを小さくすることが有利である。
ところが、第1の下地層24や第1の接合層25のパターンを小さくすると、導電性シリコンと第1の下地層24との界面に生じる切り込みの面積割合が大きくなる。そのため、無水フッ化水素ガスからなるエッチング剤に晒された際に、第1の下地層24や第1の接合層25の膜応力によって、第1の下地層24や第1の接合層25にクラック、ボイド、又は膜剥がれ等の不具合が生じることがあった。
そのため、本実施形態では、導電性シリコンと第1の下地層24との間に密着層23を挿入すると共に、平面視で密着層23のパターンを第1の下地層24や第1の接合層25のパターンより大きく設けている。その結果、導電性シリコンと密着層23との界面に切り込みがあっても、切り込みの面積割合は小さくできるので、密着層23、第1の下地層24、及び第1の接合層25にクラック、ボイド、又は膜剥がれ等の不具合が生じることはない。
図7に、不良例の金属顕微鏡写真を示す。この不良例は、導電性シリコンに第1の下地層24(ルテニウム)を成膜しパターン形成した後に、無水フッ化水素ガスを含むエッチング剤でエッチングしたものである。この場合には、第1の下地層24にクラック状の不良が発生した。図8に良品例の金属顕微鏡写真を示す。この良品例は、導電性シリコンと第1の下地層24(ルテニウム)との間に、平面視で第1の下地層24の面積より大きい面積を有する密着層23(Al)を形成した後に、無水フッ化水素ガスを含むエッチング剤でエッチングしたものである。この場合には、第1の下地層24にクラック状の不良が発生することはなかった。
また、本実施形態では、固定部10a、11a、12a及び枠体固定部5aが突出しないで、可動部3と同じ高さ(Z)寸法に設けられている。
以下の表1に、本発明における半導体素子を、水中に浸漬した後に、第1の基材を透過して赤外顕微鏡(Infrared Microscope)等により、浸水の有無を観察した結果を示す。また、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)により、第1の接合層の表面粗さ(RMS:2乗平均面粗さ)を評価しており、この結果も示している。表1に示すように、第1の接合層の厚さが大きくなると、第1の接合層の表面粗さが大きくなることが分かる。また、第1の接合層の厚さが0.2μm以下である場合は浸水しないが、0.3μm以上では浸水することが分かる。よって、浸水は、第1の接合層の厚さが0.2μm〜0.3μmの間で始まることが分かる。
1 半導体素子
2 機能部
3 可動部
4 錘部
5 枠体部
5a 枠体固定部
6、7、8、9 回動支持部
10、11、12 接合部
10a、11a、12a 固定部
20 センサ基板
21 第1の基材
22 第1の絶縁層
23 密着層
24 第1の下地層
25 第1の接合層
26 接続孔
27 SOI層
30 配線基板
31 第2の基材
32 第2の絶縁層
34 第2の下地層
35 第2の接合層
36 固定電極層
37 配線層
40、41、42 連結部
50、51、52 支持連結部

Claims (10)

  1. 第1の基材と、第2の基材と、可動部及び前記可動部と電気的に接続される接合部を備え、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置される機能部と、前記接合部と前記第1の基材との間に酸化物からなる第1の絶縁層と、を有して構成され、
    前記可動部は前記第1の基材と前記第2の基材との間において変位可能に設けられ、
    前記接合部の前記第2の基材と対向する側に、酸化アルミニウム、又は窒化物からなる密着層と、白金族元素からなる第1の下地層と、Auからなる第1の接合層と、がこの順に積層されてなり、
    前記第2の基材の前記第1の接合層と対向する位置にAuからなる第2の接合層が形成されてなり、
    前記第1の接合層と前記第2の接合層とが接合されていることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記機能部が前記可動部及び前記接合部の周囲を囲む枠体部を有して構成され、
    前記枠体部と前記第1の基材との間に前記第1の絶縁層を有し、
    前記枠体部の前記第2の基材と対向する側に、前記密着層、前記第1の下地層、及び前記第1の接合層がこの順に積層されてなり、
    前記第2の基材の前記枠体部と対向する位置に前記第2の接合層が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記窒化物が、窒化シリコン、窒化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体素子。
  4. 前記第1の下地層が、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、及び白金からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属、又はその合金からなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子。
  5. 前記第1の基材及び前記第2の基材がシリコンからなり、前記酸化物が酸化シリコンからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子。
  6. 前記第1の接合層の厚さが、0.05〜0.2μmであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体素子。
  7. 前記密着層の厚さが、0.02〜0.2μmであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体素子。
  8. 前記密着層の外周が、前記第1の下地層及び前記第1の接合層の外周より外側に位置していることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の半導体素子。
  9. 第1の基材と、第2の基材と、可動部及び前記可動部と電気的に接続される接合部を備え、前記第1の基材と前記第2の基材との間に配置される機能部と、前記接合部と前記第1の基材との間に酸化物からなる第1の絶縁層と、を有して構成され、前記可動部は前記第1の基材と前記第2の基材との間において変位可能に設けられる半導体素子の製造方法において、
    前記接合部の前記第2の基材と対向する側に、酸化アルミニウム、又は窒化物からなる密着層を成膜し、前記密着層をパターン形成する工程(a)と、
    白金族元素からなる第1の下地層、及びAuからなる第1の接合層、をこの順に成膜し、前記第1の下地層及び前記第1の接合層をパターン形成する工程(b)と、
    前記機能部をパターン形成し、前記機能部と前記第1の基材との間にある前記第1の絶縁層の一部をエッチング除去する工程(c)と、
    前記第2の基材の前記第1の接合層と対向する位置にAuからなる第2の接合層をパターン形成する工程(d)と、
    前記第1の接合層と前記第2の接合層とを接合する工程(e)と、を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  10. 前記第1の基材、前記第2の基材、及び前記機能部がシリコンからなり、前記第1の絶縁層が酸化シリコンからなり、前記第1の絶縁層の一部がフッ化水素酸を含むエッチング剤によりエッチング除去されることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子の製造方法。
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