JP5828406B2 - 基板の接合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに異なる材料から成る基板の接合方法関するものである。
近年、ボンディングワイヤを用いないで半導体チップ自体をケーシングの一部として利用する、所謂ウエハレベルパッケージが小型化、高密度化の観点から普及してきており、低価格で大量生産できることから、マイクロマシン(Micro Electro Mechanical System、以下MEMSという。)にも採用されるようになってきている。
一般に、MEMSのような電子部品のパッケージにおいては、第一の基板と第二の基板の少なくとも一方に電子部品を搭載すると共に、前記電子部品を内包するように、第一の基板及び第二の基板が接合部を介して互いに接合されており、この接合部の一部に、電気的な接続のために電極パッドが設けられ、第一の基板及び第二の基板を互いに接合する際に、双方の基板の接合部に設けられた電極パッドを互いに接触して、電気的な接続が行なわれるようになっている。
このようなMEMSにおける基板接合方法は、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1には、第一の基板と第二の基板が陽極接合され、且つ前記第一の基板と第二の基板とが多孔質金属を介して電気的に接続されたデバイスが開示されている。ここで、多孔質金属は、例えば純度99.9質量%以上で、平均粒径0.005〜1.0μmの金(Au),銀(Ag)及びパラジウム(Pd)から選択される一種以上の金属から成る多孔質金属である。
このようなデバイスは、第一の基板の接続電極部及び第二の基板の接続電極部の少なくとも一方に多孔質金属(バンプ)を形成し、第一及び第二の基板の接続電極部同士がバンプを挟んで対向するように、第一及び第二の基板を重ね合わせて、第一及び第二の基板を陽極接合すると同時に、多孔質金属を介して第一及び第二の基板の接続電極部間を電気的に接続することにより、製造される。
また、特許文献2には、第一の物体の第一の金属から成る第一の金属層と、第二の物体の第二の金属から成る第二の金属層との間に、内部に空孔を有し第三の金属から成る多孔質金属層を介在させ、金属を含む有機系接合材を、第一の金属層と多孔質金属層との間、及び第二の金属層と多孔質金属層との間に設置し、加熱して接合する接合方法及び接合構造が開示されている。
特開2012−049298号公報 特開2006−202944号公報
ところで、特許文献1によるデバイスにおいては、多孔質金属を加熱圧着することにより、金属粒子同士そして基板の接続電極部の接合面と金属粒子との間に、互いに点接触した近接状態を形成させ、圧接力と金属間の拡散接合によって電気的な接続を形成した多孔質金属体としている。その際、例えば80〜300℃、好ましくは150〜300℃の温度で加熱する必要があり、80℃未満の温度では、上述した点接触が生じない。
従って、例えば常温あるいは室温付近での接合を行なうことはできず、加熱のために別途設備が必要であった。
特許文献2による接合方法及び接合構造においては、例えば第二の金属層としてCu基板を、多孔質金属層としてCuポーラス板をそれぞれ使用し、有機系接合材としてAgナノペーストを使用することにより、加圧することなく、加熱のみによって接合を行なうことができる。しかし、加熱の際には、例えば300℃程度まで昇温しなければならず、同様に加熱のために別途の設備が必要となる。また、加熱によって基板上に構成されたデバイスの性能に影響を与え、場合によってはデバイスが劣化してしまう。さらに、基板と接合材料の熱膨張係数の差により機械的応力が発生し、ミスマッチの問題も生ずることになってしまう。
これに対して、互いに材料の異なる異種基板の接合においては、それぞれの基板を構成する材料の熱膨張率が異なる。従って、接合のために高温に加熱され、その後常温に戻ると、温度変化により基板間に熱応力が生じ、この応力により、接合部分が剥がれて、電気的な接続が得られなくなったり、基板同士が分解してしまったりすることがある。
このため、異種基板の接合のためには、低温接合が適しており、従来、低温・低応力の接合方法としては、プラズマ表面活性化接合,低温接着層となる合金ハンダの使用,多孔質金属層を構成する金属のナノ構造化が知られている。
プラズマ表面活性化接合においては、低い接合温度を実現するために、超高真空の非常にクリーンな雰囲気中で接合すべき基板表面にイオンビーム等を照射してダングリングボンドを形成し活性化させてから、接合を行うようになっている。この接合方法では、接合温度を低くすることは可能であるが、接合面の平面性が厳しく要求されることから、非常に高価な装置が必要になってしまう。さらに、この接合方法をデバイス製造に応用してみたところ、実験的な結果とは異なり、接合自体が困難であることが分かった。
また、低温接着層となる合金ハンダは、まだ実用化には至らず、さらなる研究が必要であると共に、ハンダの再溶融の問題もある。
多孔質金属層となる金属のナノ構造化のためには、ナノロッドやナノ微粒子を用いた手法が研究されているが、何れも製造工程が複雑であり、コストが高くなってしまう。
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成により、室温を含む温度範囲で、また超高真空という特殊な環境や高度平坦性を必要とすることなく、異種基板の接合をも可能にした、基板の接合方法提供することを目的としている。
上記第1の目的を達成するため、本発明の基板の接合方法は、第一の基板を、第二の基板に接合するための基板接合方法において、第一の基板上に密着層を形成して密着層上にAu薄膜を形成する第一の段階と、Au薄膜上に電解メッキのマスクのためにパターンマスクを形成する第二の段階と、パターンマスクによりパターン化されたAu合金を電解メッキによりAu薄膜上に形成する第三の段階と、パターンマスクを除去する第四の段階と、前記Au合金のうちAu以外の金属成分を選択的に除去して、前記Au合金をナノポーラスAuとする第五の段階と、ナノポーラスAuの表面を表面処理により活性化する第六の段階と、第二の基板上Au薄膜又はナノポーラスAuの表面を活性化する第七の段階と、第一の基板及び第二の基板を対向させて、第一の基板上のナノポーラスAuを第二の基板上のAu薄膜又はナノポーラスAuに当接させた状態加圧する第八の段階と、を含んでいることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは、第一の基板がシリコン基板であって、第二の基板がセラミック基板はガラス基板である。
好ましくは、第三の段階における電解メッキで使用される電解メッキ液が、シアンを含まない電解メッキ液である。
好ましくは、第六の段階における表面処理が、プラズマの照射により行なわれる。
好ましくは、第七の段階において、第二の基板上に密着層を含む層を形成し、密着層を含む層上にAu薄膜又はナノポーラスAuを形成する。
好ましくは、第八の段階において、加圧が、25℃〜150℃の温度にて、加圧圧力10〜50MPa,加圧時間30〜60分の条件のもとで行なわれる。
上記構成によれば、第一の基板上に形成されたパターン状のAu合金の内、Au以外の金属成分が選択的に除去されることにより、ナノポーラスAuとなる。従って、このナノポーラスAuのパターンが、第二の基板上に形成されたAu薄膜に当接され、室温を含む温度範囲で加圧されることにより、接合される。このため、接合のために加熱する必要がないので、特段の加熱設備が不要となり、製造が容易である。また、接合の際に超高真空という特殊な環境が不要であることから、製造コストが大幅に低減され得ることになる。
さらに、ナノポーラスAuが殆どAu以外の金属成分のない状態に脱合金化されるので、ナノポーラスAuが高い反応性表面を備えているため、接合面の平坦性に関する許容範囲が広い。従って、ナノポーラスAuの表面が高い平面性を有していなくても、確実に接合が行なわれ得るので、製品歩留りが向上すると共に、高分離温度による再加熱時の基板分離が防止され得る。これにより、互いに熱膨張率の異なる異種基板の接合の場合であっても、接合部分が部分的に剥がれて電気的接触不良や基板脱落が発生するようなことがなく、信頼性が高められる。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、室温を含む温度範囲で、また超高真空という特殊な環境や高度平坦性を必要とすることなく、異種基板の接合をも可能にした、基板の接合方法及び電子部品のパッケージを構成することができる。
本発明に係る基板の接合方法の一実施形態により接合された二枚の基板から成る試料を示す概略断面図である。 図1に示した試料の接合方法を工程順に示す概略断面図である。 図1に示した試料における電解メッキ条件を変えた各実験例のAuSn合金の脱合金化前後におけるAuとSnの組成を示す図表である。 図3に示した各実験例におけるAuとSnの組成を示すグラフである。 図3に示した実験例No.1〜4の試料におけるナノポーラスAuのSEM写真であって、(a)は平面図、(b)は拡大平面図である。 図3に示した実験例No.1〜4の試料におけるナノポーラスAuの断面を示すSEM写真である。 (a)〜(d)は、図3に示した実験例No.1〜4の試料におけるナノポーラスAuとAu薄膜との接合界面の断面を示すSEM写真である。 本発明による電子部品のパッケージの第一の実施形態の構成を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、図8に示す第一の実施形態に係る電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。 本発明による電子部品のパッケージの第二の実施形態の構成を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、図10に示す第二の実施形態に係る電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。 本発明による電子部品のパッケージの第三の実施形態の構成を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、図12に示す第三の実施形態に係る電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。 本発明による電子部品のパッケージの第四の実施形態の構成を示す概略断面図である。 (A)〜(C)は、図14に示す第四の実施形態に係る電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。 図14に示す電子部品のパッケージの変形例の構成を示す概略断面図である。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による基板の接合方法の一実施形態により接合された二枚の基板から成る試料10を示している。
図1において、試料10は、二枚の基板、即ち第一の基板11及び第二の基板20と、第一の基板11の表面(図示の場合、下面)に順次に形成された密着層12,Au(金)薄膜13及びナノポーラスAu層14と、第二の基板20の表面(図示の場合、上面)に形成されたAu薄膜21と、から構成されており、ナノポーラスAu層14とAu薄膜21とが互いに接合され、電気的に接続されている。第二の基板20と、Au薄膜21との間には密着層を含む薄膜が挿入されていてもよい。
第一の基板11は、例えばシリコン基板であって、その表面(下面)に、密着層12及びAu薄膜13が形成されている。
密着層12は、例えばTi(チタン)薄膜であって、適宜の形成方法、例えばスパッタリングにより第一の基板11の表面に形成される。ここで、密着層12の厚さは、Ti薄膜の場合、例えば20nmに選定される。
なお、密着層12と、第二の基板20とAu薄膜21との間に挿入される密着層とは、接着効果を備えていればよく、Ti以外の材料、例えばCr(クロム)、Ta(タンタル),W(タングステン)等から成る薄膜であってもよいことは明らかである。密着層は、Cr、Ta,Wの層以外にこれらの元素を一つ以上含む合金からなる材料で形成してもよい。密着層は、1層ではなく多層膜で構成してもよい。
Au薄膜13は、密着層12の上から第一の基板11上に、適宜の形成方法、例えばスパッタリングにより形成される。ここで、Au薄膜13の厚さは、例えば100nm〜10μmに選定される。なお、このAu薄膜13は、その後に行なわれる電解メッキのためのシード層として作用する。後述するパッケージに使用する数μmのAu薄膜13では、最初に蒸着やスパッタリングで形成したシード層上に電解メッキ等で所定の膜厚としてもよい。
ナノポーラスAu層14は、上記Au薄膜13の上に、後述するように、Au合金、例えば、AuSn(金−錫)合金層16を形成した後、Snエッチングにより脱合金化され、Sn成分が選択的に除去されることにより、殆どSn成分を含まないナノポーラスAu層14となる。Au合金は、AuSn、AuAg合金等が挙げられ、SnやAg(銀)のような卑金属のエッチングされやすい金属元素を含む。
第二の基板20は、この場合、シリコン基板であって、例えば表面に、Tiからなる密着層とAu薄膜21とが形成されている。このAu薄膜21は、接合媒介物や金属配線のパッドとの接合媒介物として作用する。
上述した第一の基板11上のナノポーラスAu層14の表面(接合面)は、接合の前に表面処理により清浄化処理及び活性化処理がされる。この清浄化及び活性化はプラズマ処理やイオンミリング処理により行うことができる。第二の基板20上のAu薄膜21の表面も、ナノポーラスAu層14の表面と同様に清浄化及び活性化の処理がされる。この清浄化及び活性化はプラズマ処理やイオンミリング処理により行うことができる。プラズマ処理は、不活性ガス、例えばアルゴンプラズマ処理により行なわれる。そして、第一の基板11上のナノポーラスAu層14と第二の基板20のAu薄膜21との接合は、例えば真空中で互いに対向して当接した状態で加圧されることにより室温にて行なわれる。ナノポーラスAu層14及びAu薄膜21の表面は、最終的に活性化されればよい。
ここで、上述した試料10の作製方法を図2を参照して説明する。図2は、図1に示した試料の接合方法を工程順に示す概略断面図である。
まず、図2(A)に示すように、第一の基板11の表面に、厚さ20nmのTi薄膜から成る密着層12がスパッタリングにより形成され、続いて密着層12の上から、厚さ100nmのAu薄膜13が同様にスパッタリングにより形成される。
次に、図2(B)に示すように、第一の基板11上にて、密着層12及びAu薄膜13の上から、電解メッキのためのマスクとして、レジストパターン15が形成される。このレジストパターン15は、フォトレジストを塗布したのち、リソグラフィ工程によりフレームタイプのように、パターン化されている。
続いて、図2(C)に示すように、第一の基板11上に、密着層12,Au薄膜13及びレジストパターン15の上から、AuSn合金層16が室温で電解メッキにより形成される。
ここで、AuSn等のAu合金堆積のための電解メッキ液は、例えば適量に混合されたKAuCl4,クエン酸アンモニウム,硫酸ナトリウム(Na2SO3),Lアスコルビン酸及び塩化第一スズ(SnCl2・2H2O)から成る。この電解メッキ液は、シアン(CN)又はシアン化合物を含まない電解メッキであるので、電解メッキ工程や液の使用後の処理が安全に且つ低価格で行なわれる。
尚、電解メッキ液は、電解メッキ中に、Au及びSnイオンを供給する作用を有していれば、他の構成であってもよいことは明らかである。
これによって、電解メッキの間、Au及びSnイオンがKAuCl4及びSnCl2・2H2Oにより供給される。その際、クエン酸アンモニウムが緩衝液として、また硫酸ナトリウムが金及びスズのための合成材として作用する。さらに、Lアスコルビン酸がメッキ液を安定させる。そして、AuSn合金及びナノポーラスAuの性質及び厚さに大きく影響するため、電解メッキの攪拌条件,アノードと試料10の間の距離及び電流密度が確実に制御される。
その後、図2(D)に示すように、レジストパターン15が除去された後、脱合金化、即ちSn成分の選択的除去が行なわれる。
レジストパターン15の除去は、アセトン,メタノール及び脱イオン水で洗浄することにより、行なわれる。
脱合金化は、室温でHNO3(69%濃度)中に所定の時間、例えば二日間浸されることにより、Snエッチングにより行なわれる。これにより、AuSn合金中のSn成分が殆ど除去され、Snが存在していた部分が空孔となることにより、ナノポーラスAu層14となる。
続いて、その後の接合工程のために、ナノポーラスAu層14の表面が、例えばプラズマ処理によって清浄化及び活性化が実施される。このプラズマ処理は、例えばアルゴンを用いたプラズマの照射により行なわれる。具体的には、60Wの出力で二分間、アルゴンRFプラズマを照射することにより、清浄化及び活性化が行なわれる。
最後に、図2(E)に示すように、第一の基板11が上下反転され、表面にAu薄膜21が形成された第二の基板20上に対向され、真空中で接合が行なわれる。接合条件は、例えば接合圧力50MPa,接合時間30分である。
この接合工程によって、図1に示す試料10が作製される。
次に、図1に示した試料10における電解メッキ条件(時間)による脱合金化の効果、即ち脱合金化前のAuSn合金層16及び脱合金化後のナノポーラスAu層14のAu及びSnの組成についての実験結果を説明する。
実験は、電解メッキ時間を25分とした実験例1〜3と電解メッキ時間を15分とした実験例4について行なった。これらの実験例1〜4について、電解メッキ条件、即ち攪拌速度,アノードと試料10との間の距離及び電流密度はすべて同じ(4mA/cm2)とした。各実験例1〜4について、それぞれ脱合金化の前後に、試料10をピースに切断し、イオンミリングによりサンプル片を作製した。脱合金化の前後の合金の組成について、エネルギー分散型のX線分析(Energy Dispersive Xray spectroscopy、EDXと呼ばれる。)により測定を行なったところ、図3の図表及び図4のグラフに示す結果が得られた。
図3は、図1に示した試料における電解メッキ条件を変えた各実験例のAuSn合金の脱合金化の前後におけるAuとSnの組成を示す図表であり、図4は、図3に示した各実験例におけるAuとSnの組成を示すグラフである。
図3において、脱合金化前のAuSn合金に関して、実験例1〜3に示すように、電解メッキ時間25分では、安定的に50%を超えるSn成分が得られたのに対して、実験例4では、電解メッキ時間15分で、Sn成分は約40%であった。これは、電解メッキの初期では、AuがSnよりも速く堆積され、堆積時間が増えるにつれてSn成分が増加して、Au/Snがほぼ1に近づくからである。
ここで、Au/Snが1であるということは、Sn成分の除去後に、Sn成分が存在していた場所が空孔になることにより、ナノポーラスAu層14の有孔性が十分に大きいということを意味している。
脱合金化後においては、図3及び図4のグラフに示すように、実験例1〜4の何れの試料10においても、ナノポーラスAu層14中のSn成分はほぼ完全に除去され、Au成分が99%以上の濃度を有している。従って、脱合金化が確実に行われているので、ナノポーラスAu層14のポーラス構造におけるSnの影響がほぼ無視できることになる。
さらに、時間25分間,電流密度4mA/cm2の条件による電解メッキで形成されたナノポーラスAu層14の平面及び断面をSEMにより観察した。この場合、AuSn合金の堆積速度は、約50nm/分であり、堆積したナノポーラスAu層14の厚さは、約1.2μmである。
図5は、上記条件による電解メッキで形成されたナノポーラスAu層14のSEM写真による平面図を示している。図5(a)に示すように、ナノポーラスAu層14の有孔性は明らかであり、大きな表面積を保証することになる。また、図5(b)のより大きく拡大したSEM写真によれば、孔の寸法は、100nmのオーダーであり、ランダムに配置された空孔は、電解メッキにより堆積されたAuSn合金のSn成分の配置から生ずるものである。
図6は、図5に示したナノポーラスAu層14のSEM写真による断面図を示している。図6において、ナノポーラスAu層14は、Snがほぼ完全に除去されてナノポーラス構造が確実に形成されていることが分かり、図3の図表に示された結果と一致している。
また、プラズマ処理による接合状態を検証するために、試料10と同様のSiチップ上にナノポーラスAu層14を形成したものと、Siチップ上に密着層12としてのTi薄膜及びシード層としてのAu薄膜13がスパッタリングにより形成されたものが用意され、出力60Wで二分間、アルゴンプラズマ処理された後、これら二つのSiチップを接合機で接合した。接合機内で接合温度が安定した状態で、二つのSiチップが互いに対向して当接され、接合圧力50MPaで接合された。このとき、接合温度を150℃,100℃,50℃及び25℃にそれぞれ設定して、四種類の接合が行なわれ、接合後に、SEMによる観察のために切断され、四種類のサンプルは、実際の接合エリアの観察のために、イオンミリングにより加工された。
図7は、図3に示した実験例1〜4の試料におけるナノポーラスAuとAu薄膜との接合界面の断面を示すSEM写真である。
図7(a)から(d)には、それぞれ接合温度150℃,100℃,50℃及び25℃で接合されたサンプルの断面図が示されており、上側がナノポーラスAu層14が成形されたSiチップであり、また下側が密着層12及びAu薄膜13が形成されたSiチップである。
図示のように、上記の室温を含む接合温度にてナノポーラスAuとAu薄膜13が互いに接合されていることが観察された。即ち、150℃からほぼ室温である25℃までの温度範囲において、低温接合が可能であることが分かる。
これは、アルゴンプラズマ処理によるナノポーラスAuとAu薄膜13の接合面の清浄化及び活性化によるものと考えられる。従来のナノポーラスAu薄膜13の接合には200℃以上の接合温度が必要であり、またAu−Au接合あるいはCu−Cu接合の場合には、接合温度が通常300℃以上であることと比較して、本発明によれば、接合温度が劇的に低くなっていることが分かる。
次に、本発明による電子部品のパッケージについて図8〜図16を参照して説明する。
図8は、本発明による電子部品30のパッケージの第一の実施形態の構成を示している。図8において、電子部品のパッケージ30は、第一の基板31と第二の基板32を有し、第一の基板31及び第二の基板32の少なくとも一方に電子部品31a,32aを搭載すると共に、これらの電子部品31a,32aを内包するように第一の基板31と第二の基板32とを接合部33を介して接合することにより構成されている。
ここで、図示の場合、第一の基板31上に電子部品31aとしてのLSIがSi基板等の半導体基板上に形成されており、LSIの配線層31bとSiO2等の絶縁膜31cを備えている。第二の基板32には、点線で示すように、電子部品32aとしてMEMSが形成されていてもよい。
接合部33は、図1に示した接合部としてのナノポーラスAu層14及びAu薄膜21による接合部と同様に構成されている。即ち、より具体的には、接合部33は、第一の基板31の表面に順次にパターン化して形成された密着層12,シード層としてのAu薄膜及びナノポーラスAu層と、第二の基板32の表面に形成された接合媒介物としてのAu薄膜と、から構成されており、第一の基板31上のナノポーラスAu層が第二の基板32上のAu薄膜に対して、図2に示す接合方法により室温を含む温度範囲で加圧されることで接合される。第二の基板32の表面に形成されたAu薄膜は、第二の基板32の表面に形成されている金属パッドでもよい。この場合、金属パッドの表面は、Au薄膜で被覆されていることが望ましい。ナノポーラスAu層14は、第二の基板32に形成されてもよい。さらに、ナノポーラスAu層14は、第一の基板31及び第二の基板32の両方に形成してもよい。ナノポーラスAu層14を第一の基板31及び/又は第二の基板32に形成することは、後述する図10以降のパッケージにも適用できる。
ここで、接合部33の厚さは、電子部品31a,32aを内包できる厚さに設定すればよく、特に電子部品32aとしてのMEMSを内包する場合には、MEMSとなる振動子や片持ち梁等の動作に支障がないような厚さに設定されている。
このような構成の電子部品のパッケージ30によれば、第一の基板31と第二の基板32が、互いに接合部33を介して接合されており、接合部33による接合は、所謂低温接合によって行なわれる。これにより、電子部品パッケージ30の製造工程において、加熱接合が不要となるので、設備コスト及び製造コストが低減されると共に、接合の際に、第一の基板31及び第二の基板32上の電子部品31a,32aが熱により劣化してしまうようなことはない。
また、第一の基板31及び第二の基板32の材料が異なる場合でも、熱膨張係数の差により機械的応力が発生せず、所謂ミスマッチの問題が回避され得る。
ここで、第一の基板31は、例えばSi基板等の半導体基板であって、半導体基板上にLSI等の集積回路が形成されている。また、第二の基板32は例えば第一の基板31と同様にSi基板等の半導体基板であって、MEMSが搭載されている。
さらに、第一の基板31と第二の基板32とは、互いに異なる材料、例えば一方がSi基板等の半導体基板であって、他方がセラミック基板またはガラス基板等であってもよい。
尚、第一の基板31及び第二の基板32の少なくとも一方、図示の場合には、第一の基板31に、外部回路との接続のための電極パッドまたは端子31dを有しており、電極パッドまたは端子31dは、第一の基板31上に形成された配線層31eを介して電子部品31aと電気的に接続されている。
次に、図8に示した電子部品のパッケージ30の製造方法について、図9を参照して説明する。図9は、図8に示す電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。
図9において、第一の基板31に電子部品31aを搭載し、第一の基板31と第二の基板32とを接合部33を介して接合して電子部品31aを封止する場合について説明しているが、第二の基板32に電子部品32aを搭載して、第一の基板31と第二の基板32とを接合部33を介して接合して、電子部品32aを封止する場合についても同様である。
まず、第一の基板31と第二の基板32の少なくとも一方に関して、電子部品31a,32aを取り囲む領域に、接合部33として、密着層12及びシード層としてのAu薄膜(共に図示せず)とナノポーラスAu層33aを形成する。
即ち、図9(A)に示すように、第一の基板31上に形成された電子部品31a(LSI)を取り囲む領域に、ナノポーラスAu層33aを形成する。ナノポーラスAu層33aは、例えば図2(A)〜(D)に示した方法を利用して形成され、その接合面が例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化される。図示の場合、電子部品31の一部として、配線層31b及び絶縁層31cのみが示されている。
これに対して、図9(B)に示すように、第二の基板32が用意され、その表面全体に接合媒介物としてのAu薄膜(図示せず)が形成される。接合面のAu薄膜は例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化が実施される。この第二の基板32には、電子部品32aが搭載されていてもよい。
次に、第一の基板31及び第二の基板32を電子部品31aを内包するように対向させて位置合わせし、第一の基板31と第二の基板32を所定の接合時間の間、圧接する。このとき、接合温度は室温付近であるので、加熱する必要はない。
具体的には、図9(C)に示すように、電子部品31aを搭載し且つナノポーラスAu層33aが形成された第一の基板31を、接合機の試料ステージ34上に載置し、第一の基板31と第二の基板32により電子部品31aを内包するように、第二の基板32を第一の基板31に対向させて位置合わせし、第二の基板32上に加圧ツール35を載置する。
そして、加圧ツール35により、矢印で示すように、第二の基板32を第一の基板31に対して押圧して、第二の基板32の下面(Au薄膜)を第一の基板31上のナノポーラスAu層33aに対して所定の圧力で当接させ、所定の接合時間の間、この状態を保持する。図示の場合、加圧は、上方側の第二の基板32から行っているが、第一の基板31と第二の基板32との両方を加圧してもよい。
これにより、ナノポーラスAu層33aが第二の基板32の下面に対して密着することにより、接合が完了する。その際、接合面となるナノポーラスAu層33a及び第二の基板32のAu薄膜の平面性が高くなくても、ナノポーラスAu層33aの有孔性によって、ナノポーラスAu層33aが確実に第二の基板32のAu薄膜に密着することになり、接合が確実に行なわれ得る。
以上のように、接合部33により第一の基板31及び第二の基板32を接合することにより、電子部品31aが封止される。第二の基板32に電子部品32aが形成されている場合も同様に、電子部品32aが封止されることは明らかである。
図10は、本発明による電子部品のパッケージ40の第二の実施形態の構成を示している。
図10において、電子部品のパッケージ40は、図8に示した電子部品のパッケージ30と同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
電子部品のパッケージ40と、図8に示した電子部品のパッケージ30とは、接合部33の代わりに、接合部41を備えている点でのみ異なる構成である。
接合部41は、第一の基板31の表面にパターン化して形成された密着層12,シード層としてのAu薄膜(図示せず)及びナノポーラスAu層41aと、第二の基板32にパターン化して形成されたシール部41bと、から構成されている。
ナノポーラスAu層41aは、図8に示した電子部品のパッケージ30におけるナノポーラスAu層33aと同様の構成であり、同様に形成されているが、その厚さは約半分程度に設定されている。
シール部41bは、第一の基板31側に設けられた密着層,シード層としてのAu薄膜及びナノポーラスAu層41aと同様に構成されていてもよく、また他の導電性材料から構成されていてもよい。また、シール部41bは、図8に示した電子部品のパッケージ30におけるナノポーラスAu層33の約半分の厚さを有している。
これにより、接合部41、即ちナノポーラスAu層41aとシール部41bは、全体として接合部33とほぼ同じ厚さに選定されている。
さらに、シール部41bは、そのナノポーラスAu層41aに対向する表面に接合媒介物としてのAu薄膜(図示せず)を備えている。
第一の基板31は、例えばSi基板等の半導体基板であって、その外周側にナノポーラスAu層41aが形成されており、その表面には、CMOS集積回路等が形成されている。
第二の基板32は、例えばSi基板等の半導体基板であって、第一の基板31に対向する面の外周側で、ナノポーラスAu層41aに対向する領域に、シール部41bが形成されていると共に、LSI回路,CMSLSI回路,MEMS,空隙が形成されている。
第二の基板32に空隙等を設ける場合には、第二の基板32の材料として、半導体だけでなく、金属基板,ガラス基板やセラミック基板等の無機物から成る基板を使用することができる。
尚、接合部41は、第一の基板31に形成されたナノポーラスAu層41aと第二の基板32に形成されたシール部41bから構成されているが、これとは逆に、ナノポーラスAu層41aが第二の基板32に、またシール部41bが第一の基板31に形成されていてもよい。
次に、図10に示した電子部品のパッケージ40の製造方法について、図11を参照して説明する。図11は、図10に示す電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。
図11において、第一の基板31に電子部品31aを搭載し、第一の基板31と第二の基板32とを接合部41を介して接合して電子部品31aを封止する場合について説明しているが、第二の基板32に電子部品32aを搭載して、第一の基板31と第二の基板32とを接合部41を介して接合して、電子部品32aを封止する場合についても同様である。
まず、第一の基板31と第二の基板32の少なくとも一方に関して、電子部品31a,32aを取り囲む領域に、接合部41の一部として、密着層及びシード層としてのAu薄膜(共に図示せず)とナノポーラスAu層41aを形成する。
即ち、図11(A)に示すように、第一の基板31上に形成された電子部品31a(LSI)を取り囲む領域に、ナノポーラスAu層41aを形成する。ナノポーラスAu層41aは、同様に図2(A)〜(D)に示した形成方法を利用して形成され、接合面が例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化される。
これに対して、図11(B)に示すように、第二の基板32が用意され、第一の基板31に対向する面において、第一の基板31に形成された接合部41の一部であるナノポーラスAu層41aと対向する領域に、シール部41bが形成され、その下面に接合媒介物としてのAu薄膜(図示せず)が形成される。接合面は例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化される。
続いて、第一の基板31及び第二の基板32を電子部品31aを内包するように対向させて位置合わせし、第一の基板31と第二の基板32を所定の接合時間の間、圧接する。このとき、接合温度は室温付近であるので、加熱する必要はない。
具体的には、図11(C)に示すように、電子部品31aを搭載し且つナノポーラスAu層41aが形成された第一の基板31を、接合機の試料ステージ34上に載置し、第一の基板31と第二の基板32により電子部品31aを内包するように、第二の基板32を第一の基板31に対向させて位置合わせし、第二の基板32上に加圧ツール35を載置する。
そして、加圧ツール35により、矢印で示すように、第二の基板32を第一の基板31に対して押圧して、第二の基板32の下面(Au薄膜)のシール部41bを第一の基板31上のナノポーラスAu層41aに対して所定の圧力で当接させ、所定の接合時間の間、この状態を保持する。図示の場合、加圧は、上方側の第二の基板32から行っているが、第一の基板31と第二の基板32との両方を加圧してもよい。
これにより、ナノポーラスAu層41aが第二の基板32の下面に設けられたシール部41bに対して密着することにより、接合が完了する。その際、接合面となるナノポーラスAu層41a及び第二の基板32のシール部41bにおけるAu薄膜の平面性が高くなくても、ナノポーラスAu層41aの有孔性によって、ナノポーラスAu層41aが確実に第二の基板32のシール部41bのAu薄膜に密着することになり、接合が確実に行なわれ得る。
図12は、本発明による電子部品のパッケージ50の第三の実施形態の構成を示している。
図12において、電子部品のパッケージ50は、第一の基板51と第二の基板52を有し、第一の基板51及び第二の基板52にそれぞれ設けられた第一の接合部51a及び第二の接合部52aと、第一の接合部51aと第二の接合部52aが互いに接合されるシール部53とを含んでおり、さらに第二の基板52上には、MEMS52bが形成されている。
第一の基板51は、例えばSi基板等の半導体基板であって、CMOSLSI等の電子部品が形成されている。第一の基板51は、第二の基板52と対向する表面に、図示しないSiO2等の絶縁層が形成されている。この絶縁層には、第一の接合部51aが形成される凹状の領域を形成してもよい。
第二の基板52は、Si基板、SOI基板、LiNbO3、ガラス基板、石英ガラス基板等から構成されており、その上面にはMEMS52bとなるべき振動子や片持ち梁等が形成されている。これらの振動子や片持ち梁等の作用に影響がないように、余分なSi基板がエッチング等により除去され、空隙52cが形成されている。
尚、シール部53の厚さは、MEMS52bとなる振動子や片持ち梁等の動作に支障がないような厚さに設定すればよい。
第二の基板52において、第一の基板51に設けられた第一の接合部51aと接合されるべき領域に、第二の接合部52aが形成されている。図示の場合、第一の接合部52aは、第二の基板52上に設けられた端子52d上に形成されている。振動子や片持ち梁等からなるMEMS52bの作用に影響がないように、シール部53の厚さの調整ではなく、第二の接合部52aの厚さを厚くしてもよい。なお、第二の接合部52aには、凸状の領域が形成されていてもよい。
第一の接合部51a及び第二の接合部52aは、それぞれ図10に示した電子部品のパッケージ40における接合部41のナノポーラスAu層41a及びシール部41bと同様に構成されている。
次に、図12に示した電子部品のパッケージ50の製造方法について、図13を参照して説明する。図13は、図12に示す電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。
まず、図13(A)において、第一の基板51にCMOSから成るLSI(図示せず)を形成すると共に、第一の接合部51aとなる領域に、密着層及びシード層としてのAu薄膜(共に図示せず)そしてナノポーラスAu層を形成し、第一の接合部51aとする。このナノポーラスAu層は、図2(A)〜(D)に示すように形成され、その接合面が例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化が実施される。
次に、図13(B)に示すように、第二の基板52を用意して、MEMS52bを形成すると共に、第二の接合部52aとなる領域に、同様にシール部41bと同様のシール部を形成し、その上面に接合媒介物としてのAu薄膜(図示せず)を形成して、第二の接合部52aとする。
続いて、図13(C)に示すように、第一の基板51と第二の基板52を重ね合わせて、図11(C)と同様の接合工程を実施する。これにより、第一の接合部51aと第二の接合部52aが互いに当接され、室温付近の温度での加圧によって接合されて、シール部53が形成される。かくして、電子部品のパッケージ50の内部が封止され、電子部品のパッケージ50が完成する。
このような構成の電子部品のパッケージ50によれば、第一の基板51にはCMOSLSIが、また第二の基板52にはMEMS52bが、それぞれ単独で作製され、第一の基板51と第二の基板52との接合によって、一体化され得る。
図14は、本発明による電子部品のパッケージ60の第四の実施形態の構成を示している。
図14において、電子部品のパッケージ60は、第一の基板61と第二の基板62を有し、第一の基板61及び第二の基板62にそれぞれ設けられた第一の接合部61a及び第二の接合部62aと、第一の接合部61aと第二の接合部62aが互いに接合されるシール部63とを含んでおり、さらに第二の基板62上には、MEMS62bが形成されている。
第一の基板61は、例えばSi基板とほぼ同じまたは異なる熱膨張率の材料から成る基板で成る。第一の基板61は、Si基板、ガラス基板、セラミック基板等が使用できる。第一の基板61は、例えばSi基板と熱膨張率が同一の範囲と評価される材料でもよく、例えばセラミック基板,ガラス基板等を使用することができる。ここで、Si基板とほぼ同じ熱膨張率を有するガラス基板としては、例えばパイレックス(登録商標)ガラスが好適である。
第一の基板61において、第二の基板62に設けられた第二の接合部62aと接合される領域には、貫通配線部61bが形成されている。貫通配線部61bの第二の接合部62aと接合される領域が第一の接合部61aである。ここで、貫通配線部61bの最上部は、外部回路と接続するための電極パッドまたは端子として利用される。
さらに、第一の基板61には、受動部品として、インダクタ,抵抗,コンデンサ等を内蔵することも可能である。例えばLTCC基板から成る第一の基板61は、この基板の内部に内蔵された縦配線,横配線、これらの配線に接続されたインダクタ等の受動部品から構成されていてもよい。
ここで、MEMS62bが形成された第二の基板62は、カバー基板とも呼ばれ、例えばSiやSOI基板から構成されており、MEMS62bは、例えばスイッチ,ジャイロ用センサ,加速度センサ,リレー等である。また、第二の基板62は、特に低熱膨張率の低温焼成セラミック基板(以下、LTCC基板という)を使用することができる。
次に、図14に示した電子部品のパッケージ60の製造方法について、図15を参照して説明する。図15は、図14に示す電子部品のパッケージの製造工程を順次に示す工程図である。
まず、図15(A)に示すように、第一の基板61を、例えばLTCC基板やガラス基板等を使用して形成し、密着層及びシード層としてのAu薄膜(共に図示せず)とナノポーラスAu層を形成し、貫通配線部61bと共に第一の接合部61aとする。このナノポーラスAu層は、図2(A)〜(D)に示すように形成され、その接合面が例えばアルゴンプラズマ処理により清浄化及び活性化が実施される。
次に、図15(B)に示すように、第二の基板62となるべきSi基板にMEMS62bを形成すると共に、シール部41bと同様のシール部を形成し、その上面に密着層と接合媒介物としてのAu薄膜を形成し、Au薄膜の清浄化及び活性化を行ない、第二の接合部62aとする。Si基板の代わりに、SOI基板を使用してもよい。
続いて、図15(C)に示すように、第一の基板61と第二の基板62を重ね合わせて、図11(C)と同様の接合工程を実施する。これにより、第一の接合部61aと第二の接合部62aが互いに当接され、室温付近での温度での加圧によって接合されて、シール部63が形成される。
かくして、電子部品のパッケージ60の内部が封止され、電子部品のパッケージ60が完成する。なお、第一の接合部61a及び第二の接合部62aとしてのナノポーラスAu層は、第一の接合部61a,第二の接合部62aの何れか一方のみに形成されてもよく、また双方に形成されてもよい。
このような構成の電子部品のパッケージ60によれば、第一の基板61となるLTCC基板やガラス基板と、第二の基板62上のMEMS62bが、それぞれ単独で作製され、第一の基板61と第二の基板62との接合によって、一体化され得る。
図16は、上述した電子部品のパッケージ60の変形例を示している。図16において、電子部品のパッケージ70は、図14に示した電子部品のパッケージ60とは、貫通配線部61bを備えていない点でのみ異なる構成になっている。ここで、電子部品のパッケージ70においては、第二の基板62の最外周に設けられた電極62cが、外部回路と接続するための端子となっており、他の構成は、図14に示した電子部品のパッケージ60と同じである。
このような構成の電子部品のパッケージ70によれば、図14に示した電子部品のパッケージ60と同様に作用する。
このようにして、本発明によれば、例えばアルゴンプラズマ処理によって活性化されたナノポーラスAu層とAu薄膜とを互いに室温付近の温度で接合することにより、二枚の異種基板が確実に接合され得る。その際、電解メッキ及び脱合金化の処理によって、ナノポーラスAu層が基板上に形成されるので、十分な有孔性を有するナノポーラスAu層が形成されることになる。また、ナノポーラスAu層がプラズマ活性化されることによって、その接合面が清浄化及び活性化され、接合が確実に行なわれ得ることとなる。さらに、接合が室温を含む温度範囲で行なわれ得るので、所謂低温接合が可能となり、基板上の電子部品や半導体素子等に対する熱の影響が排除され、製品歩留りが向上することになる。
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態においては、ナノポーラスAu層の下に形成される密着層がTi薄膜から構成されているが、これに限らず、接着効果が得られるものであれば、他の材料から成る薄膜であってもよい。
上述した実施形態においては、例えば第二の基板20,30の表面の清浄化及び活性化のために、アルゴンRFプラズマを照射することによりプラズマ処理が行なわれているが、これに限らず、アルゴンによるプラズマ処理、あるいは他の材料によるプラズマ処理であってもよいことは明らかである。
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により、室温を含む温度範囲で、また超高真空という特殊な環境や高度平坦性を必要とせずに、異種基板の接合をも可能にした、基板の接合方法及び電子部品のパッケージが提供される。
10:試料
11,31,51,61:第一の基板
12:密着層
13:Au薄膜
14:ナノポーラスAu層
15:レジストパターン
16:Au合金(AuSn)層
20,32,52,62:第二の基板
21:Au薄膜
30,40,50,60,70:電子部品のパッケージ
31,32a:電子部品
31b:配線層(LSI)
31c:絶縁膜(LSI)
31d:電極パッドまたは端子
31e:配線層
33:接合部
33a:ナノポーラスAu層
34:試料ステージ(接合機)
35:加圧ツール(接合機)
41:接合部
41a:ナノポーラスAu層
41b:シール部
51a,61a:第一の接合部
52a,62a:第二の接合部
52b,62b:MEMS
53,63:シール部
61b:貫通配線部

Claims (6)

  1. 第一の基板を、第二の基板に接合するための基板接合方法において、
    前記第一の基板上に密着層を形成して前記密着層上にAu薄膜を形成する第一の段階と、
    前記Au薄膜上に、電解メッキのマスクのためにパターンマスクを形成する第二の段階と、
    前記パターンマスクによりパターン化されたAu合金を前記電解メッキにより前記Au薄膜上に形成する第三の段階と、
    前記パターンマスクを除去する第四の段階と、
    前記Au合金のうちAu以外の金属成分を選択的に除去して、前記Au合金をナノポーラスAuとする第五の段階と、
    前記ナノポーラスAuの表面を表面処理により活性化する第六の段階と、
    前記第二の基板上のAu薄膜又はナノポーラスAuの表面を活性化する第七の段階と、
    前記第一の基板及び前記第二の基板を対向させて、前記第一の基板上のナノポーラスAuを第二の基板上のAu薄膜又はナノポーラスAuに当接させた状態で加圧する第八の段階と、
    を含んでいることを特徴とする、基板の接合方法。
  2. 前記第一の基板がシリコン基板であって、前記第二の基板がセラミック基板又はガラス基板であることを特徴とする、請求項1に記載の基板の接合方法。
  3. 前記第三の段階における電解メッキで使用される電解メッキ液が、シアンを含まない電解メッキ液であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板の接合方法。
  4. 前記第六の段階における表面処理が、プラズマの照射により行なわれることを特徴とする、請求項1乃至3の何れかに記載の基板の接合方法。
  5. 前記第七の段階において、前記第二の基板上に密着層を含む層を形成し、該密着層を含む層上に前記Au薄膜又はナノポーラスAuを形成することを特徴とする、請求項1乃至4の何れかに記載の基板の接合方法。
  6. 前記第八の段階において、加圧が、25℃〜150℃の温度にて、加圧圧力10〜50MPa,加圧時間30〜60分の条件のもとで行なわれることを特徴とする、請求項1乃至5の何れかに記載の基板の接合方法。
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