JP2013166164A - 金属板の曲げ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形荷重を低減できる金属板の曲げ加工方法を提供すること。
【解決手段】本発明の金属板2の曲げ加工方法は、ダイ3に載置した金属板2をプレス加工により所定の曲げ線(曲げ線L)に沿って折り曲げる金属板2の曲げ加工方法である。そして、金属板2を所定の曲げ線(曲げ線L)に沿って折り曲げる最終曲げ工程の前に、最終曲げ工程でのプレス位置よりもプレス位置をずらしてプレスして、金属板2を所定の曲げ線(曲げ線L)とは異なる曲げ線(曲げ線L1、L2等)に沿って折り曲げる予備曲げ工程を備えている。その結果、最終曲げ工程における押し込み量(パンチ4が金属板2に接触してからのストローク量)を小さくでき、成形荷重を低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属板の曲げ加工方法に関する。
造船、建築、橋梁などに使用される部材として、金属板に曲げ加工を施したものがある。例えば、プロダクト船の船倉の仕切りとして、厚板を波板形状に加工したコルゲートバルクヘッドがある。このコルゲートバルクヘッドは、厚板を波板形状にするためにプレス機を使用して3点曲げ或いは4点曲げ加工を行うのが一般的であり、所定の曲げ線上を1回から数回プレスすることで狙いの角度を出している。また、建築用の角型コラムなども同様に3点曲げ或いは4点曲げによる曲げ加工を行っている。
3点曲げ或いは4点曲げによる金属板の曲げ加工方法としては、例えば特許文献1や2に記載されたものがある。特許文献1に記載されたプレス成形機は、水平方向に距離をあけて並設された2本のロールダイ3と、ロールダイ3間を上下方向に移動可能に設置されたパンチ4とを備え、2本のロールダイ3に載置された金属板Wをパンチ4にてプレスすることにより、金属板Wを折り曲げるものである。特許文献1の従来例(図2(b)参照)では3点曲げにより、特許文献1の本件発明(図2(a)参照)ではパンチ4の下方に凸条部5を2つ備えて4点曲げにより、金属板Wを折り曲げている。
また、特許文献2に記載された鋼板の成形方法は、鋼板2の2箇所を支持する支持部材(1A、1B)と、鋼板2をプレスする下端面が平面形状のポンチ3とを備え、2つの支点(1a、1b)及び2つの荷重点(2d、2e)の4点により、鋼板2を折り曲げるものである。その結果、過大なプレス荷重を必要とすることなく、曲げ曲率のバラツキの少ない曲面体を得ることができる、と称されている。
特開2011−206800号公報 特開平8−187514号公報
ところで、近年の造船界では、CSR(Common Structural Rules;共通構造規則)の適用により、船舶に使用される鋼板の厚さが従来よりも増加することとなった。その結果、成形荷重が増加し、従来の曲げ加工方法では、成形荷重が従来のプレス機の制限荷重値(プレス機の限界能力荷重以下で運用上制限している荷重上限値)を超える問題が生じることがある。そして、この問題は、建築用の角型コラムやその他曲げ加工を施す部材においても、高強度化や厚肉化の用途が発生すると、同様に生じる可能性が高い。この問題の解決策としては、プレス機を制限荷重値が大きいプレス機に更新することが考えられるが、プレス機の更新には莫大な費用がかかる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、成形荷重を低減できる金属板の曲げ加工方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の金属板の曲げ加工方法は、ダイに載置した金属板をプレス加工により所定の曲げ線に沿って折り曲げる金属板の曲げ加工方法であって、前記金属板を前記所定の曲げ線に沿って折り曲げる最終曲げ工程の前に、前記最終曲げ工程でのプレス位置よりも、プレス位置をずらしてプレスして、前記金属板を前記所定の曲げ線とは異なる曲げ線に沿って折り曲げる予備曲げ工程を備えるものである。
本発明の金属板の曲げ加工方法によれば、プレス位置をずらしてプレスして、金属板を所定の曲げ線とは異なる曲げ線に沿って折り曲げる予備曲げ工程を備えているので、最終曲げ工程における押し込み量(パンチが金属板に接触してからのストローク量)を小さくでき、成形荷重を低減できる。
本発明の実施形態に係るプレス機の斜視図である。 本発明に使用される金属板の斜視図である。 本発明の金属板の曲げ加工方法を段階的に説明する説明図である。 実施例1に使用される金属板の斜視図である。 本発明及び従来例でのストローク量と成形荷重との関係性を示すグラフである。 本発明及び従来例でのパンチが金属板に接触してからの押し込み量と成形荷重との関係性を示すグラフである。 本発明及び従来例での曲げ加工後の金属板の形状を示すFEM解析結果である。 従来の金属板の曲げ加工方法を段階的に説明する説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係るプレス機1の斜視図である。
(プレス機1の構成)
本発明の実施形態に係るプレス機1は、図1に示すように、金属板2が載置されるダイ3と、金属板2をプレスするパンチ4とを有している。
(ダイ3)
ダイ3は、中央部にV字状の凹み部5aが形成されたダイ本体5と、凹み部5aの両肩にそれぞれ固定された2本のロール6(6a、6b)とを有するロールを組み合わせたV型ダイである。
(パンチ4)
パンチ4は、先端部4aの形状がロール6の軸方向から見てV字(U字)のV型パンチであり、全体としてV字(U字)形状をロール6の軸方向に延ばした形状をしている。そして、パンチ4は、凹み部5aの中央付近(最も凹みの深さが大きい部分の近傍)を上下動できるように配置されている。そのため、パンチ4を降下させることで、パンチ4により金属板2をプレスできる。
なお、本実施形態おいては、ロールを組み合わせたV型ダイを用いたが、ダイ3は、ロールのみからなるロールダイであってもよいし、単にV型ダイ(ロールなし)であってもよい。また、金属板2を波型形状(V字状)に折り曲げるために、V型ダイおよびV型パンチを用いたが、ダイ及びパンチは、金属板の加工形状等に応じて様々な形状のものを用いることができる。
(金属板2)
図2は、本発明に使用される金属板2(従来例に使用される金属板98でもある)の斜視図である。金属板2は、2本のロール6に載置されて使用される板状の鋼板である。金属板2の厚さtの下限は、特に限定されないが、例えば10mm以上が好ましい。また、上限は、プレス機にてプレスできる範囲であれば特に限定されないが、100mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましい。なお、金属板2に用いられる金属材料は鋼に限定されず、アルミニウムや銅でもよく、その他金属材料であってもよい。
(金属板の曲げ加工方法)
次に、金属板の曲げ加工方法について説明する。
(従来の曲げ加工方法)
まず、図8を参照しつつ従来の金属板の曲げ加工方法について説明する。図8は、従来の金属板の曲げ加工方法を段階的に説明する説明図である。従来の金属板の曲げ加工は、本発明のプレス機1と同じプレス機を使用して行うことができる。そのため、プレス機の各構成についてはプレス機1と同じ符号を付して説明する。
従来の金属板の曲げ加工方法では、まず、金属板98をロール6に載置し、その後、パンチ4を降下させて金属板98をプレスする。その際に、プレス位置を、パンチ4の先端部4aの先端4b(金属板98と最初に接触する線部分、作用点)が曲げ線L99と合致する位置としておく(図8(a))。ここで、曲げ線L99とは、金属板98が折り曲げられた際の折り曲げの中心線を意味し、図2に示すように、金属板98の奥行き方向に表れる仮想線である。なお、図8中の点線L99’は、曲げ線L99が表れる位置を示す線である。その後、パンチ4をさらに降下させて金属板98のプレスを行うと、金属板98は、曲げ線L99(点線L99’)に沿って折り曲げられる。そして、金属板98が所望の形状・角度となるように予め定められた所定のストローク量(h99)に達するまでプレスは続けられ、パンチ4が所定のストローク量(h99)に達したところで(図8(b))、パンチ4を停止・上昇させて金属板98の曲げ加工を終了する。以上のようにして、従来の金属板の曲げ加工が行われる。
ここで、従来の金属板の曲げ加工では、パンチ4でプレス位置を1回又は複数回プレスすることにより、金属板98を所望の形状・角度に折り曲げている。なお、金属板98はスプリングバックを起こし、さらにそのスプリングバック量がばらつくため、1回のプレスで所望の形状・角度を得ることは難しく、通常は複数回プレスして狙いの形状・角度とする。
前記した従来の金属板の曲げ加工方法は、3点曲げの例であるが、4点曲げであっても同様の操作により加工が行われる。但し、4点曲げの場合、パンチの先端部の形状がパンチ4の先端部4aの形状とは異なる。例えば、パンチの先端部が2つの凸条部を有していたり(先行文献1の図2(a)、先行文献2の図1等)、パンチの先端が平面であったりする(先行文献2の図2等)。これらの場合、プレス位置を、金属板98とパンチとの2つの作用点の中間が、曲げ線L99と合致する位置とする。そうすることで、金属板98は、3点曲げの場合と同様、曲げ線L99に沿って折り曲げられる。
(本発明の金属板の曲げ加工方法)
次に、図3を参照しつつ本発明の金属板の曲げ加工方法について説明する。図3は、本発明の金属板の曲げ加工方法を段階的に説明する説明図である。本発明の金属板の曲げ加工方法は、予備曲げ工程と最終曲げ工程とを有している。
(予備曲げ工程)
予備曲げ工程は、最終曲げ工程でのプレス位置(後述)よりもプレス位置をずらしてプレスして、金属板2を曲げ線L(所定の曲げ線、図2参照)とは異なる曲げ線に沿って折り曲げる工程である。ここで、曲げ線L(所定の曲げ線)とは、金属板2が折り曲げられた際の折り曲げの中心線を意味し、図2に示すように、金属板2の奥行き方向に表れる仮想線である。この予備曲げ工程は、第1予備曲げ工程と第2予備曲げ工程とに分かれている。なお、折り曲げの中心線である曲げ線L(所定の曲げ線)は、加工形状に合わせて自由に定めることができる。
(第1予備曲げ工程)
第1予備曲げ工程は、最終曲げ工程でのプレス位置よりもプレス位置を曲げ線Lと直交する方向のうちの一方に所定距離d1(図2参照)ずらしてプレスして、金属板2を曲げ線Lと異なる曲げ線L1(第1の曲げ線、図2参照)に沿って折り曲げる工程である。この第1予備曲げ工程は、本発明の金属板の曲げ加工方法において、最初に行われる。
第1予備曲げ工程では、まず、金属板2をロール6に載置する。そして、プレス位置を、パンチ4の先端部4aの先端4b(金属板2と最初に接触する線部分、作用点)が曲げ線L(点線L’)と合致する位置(最終曲げ工程でのプレス位置)よりも、曲げ線Lと直交する方向のうちの一方(図3中においては左側)に所定距離d1ずらした位置とする(図3(a)参照)。ここで、プレス位置を曲げ線Lと直交する方向にずらすとは、プレス位置を金属板2の幅W方向(図2参照)にずらすことを意味している。なお、直交する方向とは、曲げ線と90°の方向のみに限られず、90°から例えば±10°の誤差を許容する方向である。即ち、曲げ線L1が曲げ線Lに対して±10°傾いていてもよい。また、所定距離d1とは、パンチ4の先端部4aのRの大きさやダイ3のスパン(両肩間の長さ)やダイ3の肩のRの大きさ等から適宜定められる距離である。但し、所定距離d1は曲げ線Lからロール6(6a)までの間隔よりは小さい。
そして、当該プレス位置において、パンチ4を所定のストローク量h1に達するまで降下させてプレスする。その結果、図3(b)に示すとおり、金属板2は、曲げ線L1に沿って折り曲げられる。その後、パンチ4を停止・上昇させて第1予備曲げ工程を終了する。なお、図2中の点線L1’は、曲げ線L1が表れる位置を示す線である(点線L2’、点線L3’もそれぞれ同じ)。ここで、ストローク量h1とは、金属板2をロール6に載置した際の金属板2の上面2a(図3(a)参照)から、第1予備曲げ工程でのプレス後のパンチ4の先端4bまでの距離(図3(b)参照)を示す(ストローク量h2、ストローク量h3もそれぞれ同じ)。第1予備曲げ工程でのストローク量h1は、最終曲げ工程でのストローク量h3よりも小さければ、特に限定されないが、第1予備曲げ工程での成形荷重が大きくなりすぎない等の観点から、例えばストローク量h3の約1/3とされる。
(第2予備曲げ工程)
第2予備曲げ工程は、最終曲げ工程でのプレス位置よりもプレス位置を曲げ線Lと直交する方向のうちの他方に所定距離d2(図2参照)ずらしてプレスして、金属板2を曲げ線Lと異なる曲げ線L2(第2の曲げ線、図2参照)に沿って折り曲げる工程である。この第2予備曲げ工程は、本発明の金属板の曲げ加工方法において、第1予備曲げ工程の次に行われる。
まず、金属板2を水平方向に移動させて、プレス位置を、パンチ4の先端4bが曲げ線Lと合致する位置(最終曲げ工程でのプレス位置)よりも、曲げ線Lと直交する方向のうちの他方(図3中において右側)に所定距離d2ずらした位置とする。即ち、プレス位置を曲げ線Lを挟んで曲げ線L1と反対方向にずらす。なお、直交する方向とは、第1予備曲げ工程と同様、曲げ線と90°の方向のみに限られず、90°から例えば±10°の誤差を許容する方向である。また、所定距離d2とは、パンチ4の先端部4aのRの大きさやダイ3のスパン(両肩間の長さ)やダイ3の肩のRの大きさ等から定められる距離であり、特に限定されないが、第1予備曲げ工程における所定距離d1と同じとすることが好ましい。即ち、曲げ線Lと曲げ線L1との間隔(d1)と、曲げ線Lと曲げ線L2との間隔(d2)とが同じであることが好ましい。
そして、当該プレス位置において、パンチ4を所定のストローク量h2に達するまで降下させてプレスする。その結果、図3(c)に示すとおり、金属板2は、曲げ線L2に沿って折り曲げられる。その後、パンチ4を停止・上昇させて第2予備曲げ工程を終了する。第2予備曲げ工程におけるストローク量h2は、最終曲げ工程でのストローク量h3よりも小さければ、特に限定されないが、第1予備曲げ工程でのストローク量h1よりも大きくすることが好ましい。その結果、第1予備曲げ工程及び第2予備曲げ工程において、金属板2をある程度の深さまで折り曲げることができると共に、各3つの工程での押し込み量(パンチ4が金属板2に接触してからのストローク量(押し込み量))を同じ程度とすることができ、最終曲げ工程での成形荷重を十分に低減することができる。
(最終曲げ工程)
最終曲げ工程は、金属板2を曲げ線Lに沿って折り曲げる工程である。この最終曲げ工程は、本発明の金属板の曲げ加工方法において、最後(第2予備曲げ工程の後)に行われる。
まず、金属板2を水平方向に移動させて、プレス位置を、パンチ4の先端4bが曲げ線Lと合致する位置とする。そして、当該プレス位置において、パンチ4をストローク量h3に達するまで降下させてプレスする。その後、パンチ4を停止・上昇させて最終曲げ工程を終了する。その結果、図3(d)に示すとおり、金属板2は、曲げ線Lに沿って折り曲げられ、金属板2を所望の角度・形状とすることができる。なお、最終曲げ工程におけるストローク量h3(必要ストローク量)は、金属板2が所望の形状・角度となるために必要なストローク量であり、予め定められるものである。以上のようにして、本発明の金属板の曲げ加工が行われる。なお、金属板2がスプリングバックを起こして、所望の角度・形状が得られない場合は、最終曲げ工程を複数回行って狙いの角度・形状とすることができる。また、第1予備曲げ工程及び第2予備曲げ工程においても、これら工程を複数回行うようにしてもよい。
(変形例)
本実施形態においては、第1予備曲げ工程及び第2予備曲げ工程において、プレス位置を曲げ線Lと直交する方向にずらして予備曲げを行ったが、ずらす方向は、曲げ線Lと直交する方向でなくてもよい。即ち、曲げ線L1や曲げ線L2が曲げ線Lと平行にならなくてもよい。また、曲げ線L1及び曲げ線L2が曲げ線Lを挟んで反対側となるように、第1予備曲げ工程及び第2予備曲げ工程のプレス位置を定めたが、反対側とせず同じ側としてもよい。
さらに、本実施形態においては、予備曲げ工程として、第1予備曲げ工程と第2予備曲げ工程を設けたが、いずれか一方の工程だけを行うようにしてもよい。また、予備曲げ工程でのプレスの回数に制限はなく、プレス位置をさらに変えた第3予備工程、第4予備工程、…、を設けてもよい。
(実施例)
(実施例1)
次に、本発明の実施例について説明する。前記した従来の金属板の曲げ加工方法と、本発明の金属板の曲げ加工方法とで、それぞれ金属板の曲げ加工を行い、成形荷重の比較、加工後の金属板の形状の比較を行った。実施例1に用いたプレス機及び金属板の各部の寸法、材質、物性は以下のとおりである。なお、図4に実施例1に使用される金属板の斜視図を示す。
プレス機(従来例と本発明ともに同じものを使用した)
パンチ先端部R:127mm
ダイスパン:360mm
ダイ肩R:3mm
金属板(従来例と本発明ともに同じものを使用した)
寸法:
厚さt:28mm
幅W:600mm
奥行き:190mm
物性:
降伏応力:394MPa
引張強度:494MPa
全伸び:25%
材質:船体用圧延鋼材/高張力鋼
従来の金属板の曲げ加工方法と、本発明の金属板の曲げ加工方法とを用いてそれぞれ金属板の曲げ加工を行った。その際の成形条件は表1のとおりである。試験結果を図5〜図7に示す。なお、曲げ線(L)は曲げ線(C)から一方側(図4中左側)に40mmずらした曲げ線であり、曲げ線(R)は曲げ線(C)から他方側(図4中右側)に40mmずらした曲げ線である。
図5は、本発明及び従来例でのストローク量(mm)と成形荷重(N)との関係性を示す試験結果である。図6は、本発明及び従来例でのパンチが材料に接触(タッチ)してからの押し込み量(ストローク量)(mm)と成形荷重(N)との関係性を示す試験結果である。図7は、本発明及び従来例での曲げ加工後の金属板の形状を示すFEM解析結果である。図5に示すように、従来例での最高荷重値は約370Nであるのに対し、本発明での最高荷重値は約320Nであり、本発明の金属板の曲げ加工方法であれば、当該成形条件で成形荷重を従来の約85%程度にまで低減できることが分かった。また、図6に示すように、第1予備曲げ工程、第2予備曲げ工程、及び最終曲げ工程における、成形荷重(N)は、大きな差がないことが分かる。これは、第1予備曲げ工程及び第2予備曲げ工程でのずらし量を略同じ(40mm)としていること、並びに、ストローク量を各工程で段階的に(30mm毎)増やしていることによるものと考えられる。その結果、各工程での成形荷重のばらつきを抑え、効率的に曲げ加工を行うことができる。また、図7に示すように、本発明の曲げ加工方法であっても、従来例の曲げ加工方法で得られる形状と略同様の形状を得られることが分かる。
(実施例2)
金属板の厚さ、及び、成形条件を変更して、実施例1と同様の試験を行った。それぞれの成形条件等及び結果を表2に示す。なお、表2において、成形角度αとは、曲げ線(C)に沿って金属板を折り曲げた際の金属板の曲げ角度(0°<α<180°)である。また、ずらし量とは、曲げ線(C)と曲げ線(L)との間隔及び曲げ線(C)と曲げ線(R)との間隔を示す。即ち、第1予備曲げ工程でのずらし量と第2予備曲げ工程でのずらし量は全ての実験において同じである。表2に示すとおり、金属板の厚さ、及び、成形条件を各々変更しても、成形荷重を従来の約85%程度(74%〜93%、表2荷重比参照)にまで低減できることが分かった。
(効果)
(効果1)
本発明の効果について説明する。本発明の金属板の曲げ加工方法においては、金属板を所定の曲げ線に沿って折り曲げる最終曲げ工程の前に、最終曲げ工程でのプレス位置よりもプレス位置をずらしてプレスして、金属板を所定の曲げ線とは異なる曲げ線に沿って折り曲げる予備曲げ工程を備えている。よって、金属板が所定の曲げ線に沿って折り曲げられる前に、所定の曲げ線とは異なる曲げ線に沿って予備曲げが行われることとなる。そのため、最終曲げ工程での押し込み量(パンチが材料に接触してからのストローク量)が小さくなる。その結果、従来の金属板の曲げ加工方法よりも、成形荷重を小さくすることができる。なお、金属板はスプリングバックを起こし、さらにそのスプリングバック量がばらつくため、従来例においても、予め定めた所定の曲げ線を数回プレスすることとなるので、従来の金属板の曲げ加工方法から生産性を大きく変えることなく、本発明の金属板の曲げ加工方法を行うことができる。
(効果2)
また、予備曲げ工程は、最終曲げ工程でのプレス位置よりも、プレス位置を所定の曲げ線と直交する方向のうちの一方にずらしてプレスして、金属板を所定の曲げ線とは異なる第1の曲げ線に沿って折り曲げる第1予備曲げ工程と、プレス位置を他方にずらしてプレスして第2の曲げ線に沿って折り曲げる第2予備曲げ工程とを有している。よって、予備曲げは、所定の曲げ線と平行に、かつ、所定の曲げ線の両側をプレスして行われることとなる。そのため、予備曲げ工程における曲げの方向が最終曲げ工程における曲げの方向と同じとなり、かつ、予備曲げ後の形状が最終曲げ後(金属板加工後)の形状と大きく異なることもない。その結果、曲げ精度を保ったまま成形荷重を低減でき、かつ、最終曲げ工程で金属板やパンチに無理な力が生じることもない。
(効果3)
また、所定の曲げ線と第1の曲げ線との間隔と、所定の曲げ線と第2の曲げ線との間隔とが同じである。よって、予備曲げ後の形状が最終曲げ後(金属板加工後)の形状とより近い形状となり、より小さい力で効率的に最終曲げ工程を行うことができる。
(効果4)
また、最終曲げ工程での必要ストローク量よりも小さく、かつ、第1予備曲げ工程でのストローク量よりも大きいストローク量で前記第2予備曲げ工程を行っている。即ち、各工程でのストローク量を段階的に増やしている。よって、各工程での成形荷重の差を小さくでき、最終曲げ工程で無理な力がかかることがない。
(効果5)
また、加工する金属板は、厚さが10mm以上100mm以下の鋼板である。当該厚さの鋼板であれば、本発明の金属板の曲げ加工方法により、従来例に比べて成形荷重を小さくできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な態様に変更して実施することができるものである。
1 プレス機
2、98 金属板
3 ダイ
4 パンチ
5 ダイ本体
6(6a、6b) ロール

Claims (5)

  1. ダイに載置した金属板をプレス加工により所定の曲げ線に沿って折り曲げる金属板の曲げ加工方法であって、
    前記金属板を前記所定の曲げ線に沿って折り曲げる最終曲げ工程の前に、
    前記最終曲げ工程でのプレス位置よりもプレス位置をずらしてプレスして、前記金属板を前記所定の曲げ線とは異なる曲げ線に沿って折り曲げる予備曲げ工程を備える、金属板の曲げ加工方法。
  2. 前記予備曲げ工程は、
    前記最終曲げ工程でのプレス位置よりも、プレス位置を前記所定の曲げ線と直交する方向のうちの一方にずらしてプレスして、前記金属板を前記所定の曲げ線とは異なる第1の曲げ線に沿って折り曲げる第1予備曲げ工程と、
    前記最終曲げ工程でのプレス位置よりも、プレス位置を前記所定の曲げ線と直交する方向のうちの他方にずらしてプレスして、前記金属板を前記所定の曲げ線とは異なる第2の曲げ線に沿って折り曲げる第2予備曲げ工程と、
    を有する、請求項1に記載の金属板の曲げ加工方法。
  3. 前記所定の曲げ線と前記第1の曲げ線との間隔と、前記所定の曲げ線と前記第2の曲げ線との間隔とが同じである、請求項2に記載の金属板の曲げ加工方法。
  4. 前記最終曲げ工程での必要ストローク量よりも小さく、かつ、前記第1予備曲げ工程でのストローク量よりも大きいストローク量で前記第2予備曲げ工程を行う、請求項2又は3に記載の金属板の曲げ加工方法。
  5. 前記金属板は、厚さが10mm以上100mm以下の鋼板である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属板の曲げ加工方法。
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