JP2013165917A - 連結装置、バンド及びバンドを備える電子機器 - Google Patents

連結装置、バンド及びバンドを備える電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】特別な道具や技術を要さずに駒部材の着脱を簡易に行うことができる連結装置、これにより容易に長さ調整が可能なバンド及びバンドを備える電子機器を提供する。
【解決手段】連結先の駒部材4の突起収容部404に収容される挿入突起435を備えるスライド部材45を、外部の操作子Sによるスライド操作によって長孔415の延在方向にスライド移動させると、スライド部材45の第1の係合部440がスライドガイド部材42の第2の係合部420とが、挿入突起435が孔部403から突出した突出状態となり相互に駒部材4同士が連結される第1の係合位置と挿入突起435が孔部403内に収容された収容状態となり相互に駒部材4同士が非連結とされる第2の係合位置のうちのいずれかの位置において互いに弾性係合されるので、隣接する各駒部材の着脱が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、連結装置、バンド及びバンドを備える電子機器に関するものである。
従来、腕時計のバンド等、複数の駒部材を連結してなるバンド及びその連結装置として、駒部材の一端部に一対の第1パイプを設け、この駒部材に連結される他の駒部材の一端部に一対の第1パイプの間に配置される第2パイプを設け、この第2パイプと一対の第1パイプとを連続させた状態で、第1、第2の各パイプ内にピン部材を挿通することにより、第1、第2の各パイプ内にピン部材複数の駒部材を順次連結するように構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような腕時計等のバンド及びその連結装置では、ピン部材がバンドの側面から抜け出してしまうことを防止するために、例えば第2パイプ内に小径孔部と大径孔部とを有する段付き孔を形成し、この段付き孔の大径孔部に締付リングを嵌め込み、この締付リングによって第1、第2の各パイプ内に挿通されたピン部材を締付けることにより、ピン部材がバンドの側面から抜け落ちないように構成されている。
実開昭60−182811号公報
しかしながら、複数の駒部材を連結してなるバンドでは、バンド使用時等に駒部材間に動きが生じた場合、駒部材を連結している部分(すなわち、特許文献1ではピン部材が挿通されている第1、第2の各パイプ部分)に大きな力が加わる。
このため、特許文献1に記載されているように、ピン部材の抜け落ちを防止するための締付リングを第2パイプ内に配置した場合には、締付リングが駒部材間の動きの影響を受けやすく、使用するうちに締付リングが加圧や磨耗により変形しやすい。また、第1パイプと第2パイプの間から汗等が入り込むことによって締付リングが腐食する等により強度を維持できなくなるおそれもある。
このように締付リングが変形したり、強度が低くなったりした場合には、締付リングにより締付け固定されているピン部材が抜け落ちやすくなるという問題がある。
他方で、ピン部材がバンドから抜け落ちないように完全に固定してしまうと、特別な道具等を用いないと駒部材を着脱することができず、バンドを備える腕時計等を購入した一般ユーザが簡易にバンドの長さを調整することができないという問題がある。腕時計等を店頭で購入した場合には店員等が調整を行うが、例えば購入後にサイズ調整が必要になった場合や通信販売により購入した場合等には、一般ユーザが自ら駒部材を着脱しバンドのサイズ調整を行うことができないと不便である。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、特別な道具や技術を要さずに駒部材の着脱を簡易に行うことができる連結装置、これにより容易に長さ調整が可能なバンド及びバンドを備える電子機器を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る連結装置は、
互いに隣接する駒部材同士を連結する連結方向の一方側に突出する突出部、この突出部の側部に設けられた一対の孔部、前記連結方向の他方側に設けられ前記突出部を受け入れる受入部、この受入部のうち、前記一対の孔部に対応する部分に設けられた一対の第1の連結部、及び、前記連結方向に直交する幅方向に延在する操作子挿入用長孔をそれぞれ備えている外枠部材と、
前記第1の連結部と連結される第2の連結部と、第1の係合部とを備えているスライド部材と、
操作子挿入用長孔内に挿入された操作子により前記スライド部材がスライド移動された結果、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに連結される第1の係合位置と前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに非連結となる第2の係合位置とのいずれか一方の位置に当該スライド部材がスライド移動された際に、前記第1の係合部と互いに係合される第2の係合部を備えているスライドガイド部材と、
を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係るバンドは、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の連結装置を少なくとも一つ備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る電子機器は、
請求項5に記載のバンドと、
このバンドが取り付けられた外装ケースと、
を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、特別な道具や技術を要さずに駒部材の着脱を簡易に行うことができ、一般ユーザが容易にバンドの長さ調整を行うことができるという効果を奏する。
本実施形態における連結装置により連結された駒部材で構成されるバンドを備える腕時計の斜視図である。 第1の実施形態のバンド及び駒部材の斜視図である。 (A)は、図1の駒部材の斜視図であり、(B)は、(A)に示す駒部材の被覆部によって被覆される前の状態を示す斜視図である。 図1の駒部材の分解斜視図である。 (A)は、第1の実施形態における係合部材が第1の係合位置でスライドガイド部材と係合している状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、図5(A)の係合部材に連結スライド部材が接合された状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、第1の実施形態における係合部材が第2の係合位置でスライドガイド部材と係合している状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、図7(A)の係合部材に連結スライド部材が接合された状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 第1の実施形態における連結装置による連結手順を示す斜視図であり、(A)は、操作子を長孔に挿入する様子を示し、(B)は、操作子が挿入孔に入った様子を示し、(C)は、操作子によってスライド部材が幅方向に移動する様子を示し、(D)は、スライド部材の移動が完了し挿入突起が孔部内に収容された状態を示したものである。 第2の実施形態のバンド及び駒部材の斜視図である。 (A)は、図10の駒部材の斜視図であり、(B)は、(A)に示す駒部材の被覆部によって被覆される前の状態を示す斜視図である。 図10の駒部材の分解斜視図である。 第2の実施形態の駒部材を裏側から見た平面図である。 (A)は、図13におけるXIV−XIV線断面図であり、(B)は、仮にスペーサ部材を備えない場合における(A)と同一箇所の断面図を示したものである。 (A)は、第2の実施形態における係合部材が第1の係合位置でスライドガイド部材と係合している状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、図15(A)の係合部材に連結スライド部材が接合された状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、第2の実施形態における係合部材が第2の係合位置でスライドガイド部材と係合している状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 (A)は、図17(A)の係合部材に連結スライド部材が接合された状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。 第1の実施形態における連結装置による連結手順を示す斜視図であり、(A)は、操作子を長孔に挿入する様子を示し、(B)は、操作子が挿入孔に入った様子を示し、(C)は、操作子によってスライド部材が幅方向に移動する様子を示し、(D)は、スライド部材の移動が完了し挿入突起が孔部内に収容された状態を示したものである。 駒部材の一変形例の分解斜視図である。 駒部材の一変形例の分解斜視図である。
[第1の実施形態]
図1から図9を参照しつつ、本発明に係る連結装置、バンド及びバンドを備える電子機器の第1の実施形態について説明する。なお、本実施形態では、本発明に係る電子機器が腕時計である場合について説明するが、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る電子機器としての腕時計の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態において、腕時計1は、バンド3と、このバンド3が取り付けられた外装ケースとしての腕時計ケース2とを備えている。
腕時計ケース2の上下両端部(図1において上下端部)、すなわち時計の12時方向側端部及び6時方向側端部には、バンド3が取り付けられるバンド取付部21が形成されている。
腕時計ケース2の内部には、電子機器としての腕時計1の表示装置等やこの表示装置等を動作させるための各種電子部品等(図示せず)が収容されている。
図2は、本実施形態におけるバンド3とこれを構成する駒部材4を示す斜視図である。
また、図3(A)はバンド3を構成する駒部材4の斜視図であり、図3(B)は駒部材4の内部が見える状態にした斜視図であり、図4は、駒部材4の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本実施形態において、バンド3は、連結装置40を備え、複数の駒部材4が連結装置40により連結されて構成されている。なお、バンド3は、連結装置40によって互いに連結された駒部材4を備えるものであればよく、バンドの構成は図2に示すものに限定されない。例えば、バンド3を構成する複数の駒部材4がこの少なくとも一つの連結装置40により連結されて構成されていればよく、バンド3を構成する全ての駒部材4が連結装置40によって連結されていなくてもよい。
図3(A)、図3(B)及び図4に示すように、本実施形態の駒部材4は、外枠部材41、外枠部材41内に収容されるスライドガイド部材42、スライドガイド部材42によりスライド移動可能なスライド部材45を備えている。
本実施形態において、外枠部材41は、互いに隣接する駒部材4同士を連結する連結方向Xの一方側に突出する突出部としての凸部401を有し、連結方向Xの他方側にこの突出部としての凸部401を受け入れる(すなわち、凸部401と係合する)受入部としての凹部402を有している。
突出部としての凸部401の両側部には、一対の孔部403(すなわち、孔部403a,403b、なお、以下において単に「孔部403」とするときはこの両方を含む。)が設けられている。一方側の孔部403(本実施形態では、孔部403b)は、後述する固定挿入突起424(すなわち、固定連結部)を突出させるものである。また、他方側の孔部403(本実施形態では、孔部403a)は、挿入突起435(すなわち、第2の連結部)が出没可能なものである。また、受入部である凹部402のうち、隣接する駒部材4の凸部401に設けられている一対の孔部403に対応する部分には、第1の連結部としての一対の突起収容部404(すなわち、突起収容部404a,404b、なお、以下において単に「突起収容部404」とするときはこの両方を含む。)が設けられている。駒部材4を連結した際、一方の突起収容部404(本実施形態では、突起収容部404b)には固定挿入突起424が収容され、他方の突起収容部404(本実施形態では、突起収容部404a)には挿入突起435が収容される。
また、外枠部材41の一方の面には、外部の操作子S(図9参照)を挿入可能な操作子挿入用の長孔415が駒部材4の連結方向Xに直交する幅方向Y(駒部材4の幅方向Y)に延在して形成されている。
本実施形態において、長孔415は、外枠部材41の裏面(腕時計1の視認側とは反対側の面、すなわち、腕に接触する面)に設けられている。長孔415をこのように外枠部材41の裏面に設けた場合には、ユーザがバンド3を腕に装着した際に長孔415が露出せず、外観上好ましい。
長孔415に挿入可能な外部の操作子Sとしては、例えば、爪楊枝や各種ペンのペン先、ドライバー、錐等があるが、操作子Sは、長孔415に挿入し、後述するスライド部材45の操作用孔434に係止可能であって、スライド部材45をスライド移動させることができるものであればよく、ここに例示したものに限定されない。
本実施形態において、外枠部材41は、例えばステンレス等の金属材料からなる1枚の板で形成されており、図3(A)及び図3(B)に示すように、上面(図3(A)及び図3(B)において上側の面)が開口し内部に収容空間を有する枠部材本体411と、この枠部材本体411に連結部412を介して接続され、枠部材本体411の平面視における形状とほぼ同じ形状に形成されている被覆部413とを有している。被覆部413には、組立状態において凹部402に対応する位置に切欠き部414が形成されている。
このように、外枠部材41を1枚の板で形成することにより、外枠部材41を簡易かつ効率的に生産することができ、また、部品点数を少なくすることができる。
枠部材本体411は、金属材料からなる板の一部に、例えばせん断加工(せん断加工、打抜き加工、穴抜き加工等)、曲げ加工(折曲げ加工等)のプレス加工等を施すことにより形成されている。また、外枠部材41は、連結部412に曲げ加工を施して板全体を折り返すことにより被覆部413が枠部材本体411の上面の開口を閉塞するようになっており、枠部材本体411と被覆部413とは溶接、接着等により固定される。なお、枠部材本体411と被覆部413とを固定させる手法はここに例示したものに限定されない。
本実施形態では、被覆部413が駒部材4の裏面(腕時計1の視認側とは反対側の面、すなわち、腕に接触する面)となるようになっており、長孔415は被覆部413に形成されている。なお、長孔415の設けられる位置、大きさ、形状等は、図示例に限定されない。例えば、外枠部材41は枠部材本体411が駒部材4の裏面に配置されるようにしてもよく、この場合には、長孔415は、枠部材本体411の側に形成されていてもよい。
また、本実施形態では、枠部材本体411と被覆部413とが固定された状態において、折り曲げられた連結部412により駒部材4の凸部401が構成される。
スライドガイド部材42は、外枠部材41内に収容され、スライド部材45のスライド移動をガイドするものである。
スライドガイド部材42は、外枠部材41の枠部材本体411の収容空間の形状にほぼ沿う形状に形成されたガイド枠部421を有し、このガイド枠部421における外枠部材41の長孔415に対応する位置には、駒部材4の幅方向Yに延在して溝状のガイド部422が形成されている。ガイド部422は、スライド部材45のスライド移動をガイドするものである。
また、ガイド枠部421における駒部材4の凸部401に対応する側には、凸部401内に張り出す張出し部423が設けられている。また、張出し部423における駒部材4の孔部403bに対応する位置には、固定挿入突起424が設けられている。固定挿入突起424は、外枠部材41内にスライドガイド部材42を組み込んだ際に、孔部403bから突出した状態で固定される固定連結部である。
ガイド部422の溝部を構成する側壁の一部であって張出し部423に隣接する部分には切欠き部425が形成されている。切欠き部425は、その幅(駒部材4の幅方向Yの寸法)が、後述するスライド部材45の張出し部432の幅(駒部材4の幅方向Yの寸法)よりも大きく、スライド部材45をスライドガイド部材42に組み込んだ際に、張出し部432が切欠き部425からスライドガイド部材42の外に突出するようになっている。
また、ガイド部422の内側であって張出し部423に対応する位置には、張り出し部423の張り出し方向にほぼ円弧状に窪んだ係合凹部426が形成されている。
この係合凹部426と切欠き部425との間には、ガイド部422の内側に向けて突出する係止凸部427が設けられている。なお、係合凹部426及び係止凸部427の形状や設けられる位置等はここに例示したものに限定されない。
図4に示すように、本実施形態では、この切欠き部425、係合凹部426、係止凸部427によって、スライド部材45の第1の係合部440と係合可能な第2の係合部420が構成されている。
本実施形態において、第1の係合部440の係合凸部446が切欠き部425と係合した際には、第2の連結部であるスライド部材45の挿入突起435が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置で係合した状態となり、第1の係合部440の係合凸部446が係合凹部426と係合した際には、第2の連結部である挿入突起435が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置で係合した状態となる。
係止凸部427は、係合凸部446が切欠き部425と係合凹部426との間を自由に移動することを規制して、係合凸部446が切欠き部425と係合して第1の係合位置にある状態又は係合凸部446が係合凹部426と係合して第2の係合位置にある状態を維持し得るようになっている。
スライド部材45は、孔部403aから出没可能な第2の連結部である挿入突起435と、第2の係合部420(すなわち、スライドガイド部材42の切欠き部425、係合凹部426等)と第1の係合位置又は第2の係合位置において弾性係合可能な第1の係合部440とを備えている。スライド部材45は、操作子Sによるスライド操作によって長孔415の延在方向(すなわち、駒部材4の幅方向Y)にスライド移動可能に構成されている。
本実施形態において、スライド部材45は、連結スライド部材43と、これに重畳される係合部材44とで構成されている。連結スライド部材43及び係合部材44は、例えばステンレス等の金属材料で形成されている。なお、連結スライド部材43及び係合部材44を形成する材料は金属材料に限定されない。
なお、スライド部材45の厚み(すなわち、連結スライド部材43と係合部材44とを重ね合わせた厚み)は、スライドガイド部材42のガイド部422の溝の深さとほぼ同じとなっており、スライドガイド部材42にスライド部材45を組み込んだ状態において、スライドガイド部材42とスライド部材45とがほぼ面一となるようになっている。スライド部材45の厚み等はここに例示したものに限定されないが、スライドガイド部材42とスライド部材45とをほぼ面一としたときは、部材間のがたつきを抑えることができ、好ましい。
連結スライド部材43は、スライドガイド部材42のガイド部422内に配置されるスライド部材本体431を備えている。また、このスライド部材本体431における駒部材4の凸部401に対応する側には、凸部401内に張り出す張出し部432が設けられている。張出し部432の幅(駒部材4の幅方向Yの寸法)は、スライドガイド部材42の切欠き部425の幅(すなわち、幅方向Yにおける寸法)よりも小さく、スライド部材45をスライドガイド部材42に組み付けた際に切欠き部425からスライドガイド部材42の外に突出するとともに、切欠き部425の幅の範囲内で駒部材4の幅方向Yに移動可能となっている。
また、張出し部432における駒部材4の孔部403aに対応する位置には、挿入突起435が設けられている。挿入突起435は、外枠部材41内にスライド部材45を組み込んだ際に、孔部403aから出没可能に構成されている第2の連結部である。
スライド部材本体431には、幅方向Yの両端部近傍にそれぞれ位置決め用孔433が形成されている。また、スライド部材本体431には、外枠部材41の長孔415に対応する位置に操作用孔434が形成されている。操作用孔434は、長孔415から挿入された操作子Sの先端が挿入され係止可能な挿入部である。なお、挿入部は、操作子Sの先端が挿入され係止可能なものであればよく、その形状はここに例示したものに限定されない。例えば、挿入部は操作用孔434でなく非貫通の凹部や溝部等であってもよい。
係合部材44は、連結スライド部材43のスライド部材本体431とほぼ同じ形状の薄い板状の部材である。
係合部材44には、連結スライド部材43のスライド部材本体431に設けられている2つの位置決め用孔433に対応する位置に、それぞれ位置決め用孔443が形成されている。
本実施形態では、組立時において、連結スライド部材43のスライド部材本体431の表側の面(腕時計1の視認側の面、図4等において下側の面)に係合部材44を重ね合わせ、係合部材44の位置決め用孔443の位置を連結スライド部材43の位置決め用孔433の位置と合わせることにより係合部材44の位置決めが行われる。そして、係合部材44は、位置決めされた状態で、例えば溶接、接着等により連結スライド部材43に固定される。これにより、係合部材44及び連結スライド部材43は一体としてスライド部材45を構成し、連結スライド部材43の操作用孔434に操作子Sが挿入されて操作された際に、係合部材44と連結スライド部材43とが一体としてスライド移動するようになっている。
係合部材44における2つの位置決め用孔443の間であって係合部材44を連結スライド部材43に固定した際の張出し部432側端縁近傍には、係合部材44の長手方向(駒部材4の幅方向Y)に延在して長孔445が形成されている。
係合部材44において、係合部材44を連結スライド部材43に固定した際の張出し部432側端縁は、長孔445に沿って薄肉部447となっており、駒部材4の連結方向Xに沿って撓むばね性を有している。このばね性を有する薄肉部447には、外側(すなわち、係合部材44を連結スライド部材43に固定した際の張出し部432の張り出し方向の側)に突出するほぼ円弧状の係合凸部446が設けられている。なお、係合凸部446、長孔445及び薄肉部447の形状や設けられる位置等はここに例示したものに限定されない。
本実施形態では、係合凸部446と薄肉部447とによって、第2の係合部420と係合可能な第1の係合部440が構成されている。第1の係合部440は、係合凸部446が外部から押圧された際に薄肉部447が長孔445の内側に向かって撓み弾性変形するようになっている。薄肉部447は押圧力が解除されるともとの形状に弾性復帰する。
ここで、図面を参照しつつ、第1の係合部440と第2の係合部420との係合状態について説明する。
図5(A)及び図6(A)は、第1の係合部440の係合部材44が第1の係合位置でスライドガイド部材の第2の係合部420と係合している状態を示す斜視図であり、図5(B)及び図6(B)は、図5(A)及び図6(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。なお、図5(B)及び図6(B)において、外枠部材41等は、二点鎖線で示している。
また、図7(A)及び図8(A)は、第1の係合部440の係合部材44が第2の係合位置でスライドガイド部材の第2の係合部420と係合している状態を示す斜視図であり、図7(B)及び図8(B)は、図7(A)及び図8(A)に示す状態を駒部材の裏面側から見た平面図である。なお、図7(B)及び図8(B)において、外枠部材41等は、二点鎖線で示している。
なお、図5(A)及び図5(B)、図7(A)及び図7(B)では、図示の便宜上、連結スライド部材43を外した状態を示している。
図5(A)、図5(B)及び図6(A)、図6(B)に示すように、第1の係合部440の係合凸部446が第2の係合部420の切欠き部425内に係合され、係止凸部427によって駒部材4における幅方向Yへのスライド移動が規制されている状態(すなわち、第1の係合部440と第2の係合部420とが第1の係合位置で係合している状態)では、図6(B)に示すように、第2の連結部である挿入突起435が孔部403aから突出した突出状態となる。そして、挿入突起435は隣接する駒部材4の一方の突起収容部404a内に収容される。また、隣接する駒部材4の他方の突起収容部404b内には固定挿入突起424が収容される。これにより、隣り合う駒部材4同士が連結された状態となる。
他方、図7(A)、図7(B)及び図8(A)、図8(B)に示すように、第1の係合部440の係合凸部446が第2の係合部420の係合凹部426内に係合され、係止凸部427によって駒部材4における幅方向Yへのスライド移動が規制されている状態(すなわち、第1の係合部440と第2の係合部420とが第2の係合位置で係合している状態)では、図8(B)に示すように、第2の連結部である挿入突起435が孔部403a内に収容された収容状態となる。この状態において、突起収容部404b内には固定挿入突起424が収容されているが、挿入突起435は隣接する駒部材4の突起収容部404aの外に退避する。これにより、隣り合う駒部材4同士の連結が解除された状態となり、当該駒部材4を隣接する駒部材4に対して傾けることにより、駒部材4を取り外すことができる。
本実施形態では、第1の係合部440と第2の係合部420とが第1の係合位置で係合している場合に、操作子Sによってスライド部材45を幅方向Yに沿って固定挿入突起424側(図5(B)及び図6(B)において、右方向)にスライド移動させると、このスライド移動に伴って第1の係合部440を構成する係合凸部446が第2の係合部420を構成する係止凸部427に左側から突き当たる。このとき、係止凸部427が、円弧状の係合凸部446の傾斜面を押圧することにより、薄肉部447が長孔445の内側に向かって撓み、係止凸部427による押圧方向に長孔445を押し潰すようにして弾性変形する。これにより、係止凸部427による係合凸部446に対する係止状態が解除され、係合凸部446は係止凸部427を乗り越えて幅方向Y(図5(B)及び図6(B)において、右方向)にスライド移動可能となる。そして、係合凸部446が係合凹部426内に係合されると、薄肉部447が弾性力によって元の位置まで復帰する。係合凸部446が係合凹部426内に弾性係合されると、係止凸部427によって係合凸部446の幅方向Yへの移動が規制されることにより、第2の係合位置における係合状態が維持される。
逆に、第1の係合部440と第2の係合部420とが第2の係合位置で係合している場合に、操作子Sによってスライド部材45を幅方向Yに沿って挿入突起435の突出側(図7(B)及び図8(B)において、左方向)にスライド移動させると、このスライド移動に伴って第1の係合部440を構成する係合凸部446が第2の係合部420を構成する係止凸部427に右側から突き当たる。このとき、係止凸部427が、円弧状の係合凸部446の傾斜面を押圧することにより、薄肉部447が長孔445の内側に向かって撓み、係止凸部427による押圧方向に長孔445を押し潰すようにして弾性変形する。これにより、係止凸部427による係合凸部446に対する係止状態が解除され、係合凸部446は係止凸部427を乗り越えて幅方向Y(図7(B)及び図8(B)において、左方向)にスライド移動可能となる。そして、係合凸部446が切欠き部425内に係合されると、薄肉部447が弾性力によって元の位置まで復帰する。係合凸部446が切欠き部425内に弾性係合されると、係止凸部427によって係合凸部446の幅方向Yへの移動が規制されることにより、第1の係合位置における係合状態が維持される。
本実施形態において、駒部材4を連結する連結装置40は、上記外枠部材41と、第2の連結部である挿入突起435を有する連結スライド部材43及び第1の係合部440を有する係合部材44を備えるスライド部材45と、第1の係合部440と係合可能な第2の係合部420を有するスライドガイド部材42とを備えている。そして、第1の係合部440及び第2の係合部420は、スライド部材45のスライド移動に伴って、少なくともいずれか一方(本実施形態では、第1の係合部440)が弾性変形し、第2の連結部である挿入突起435が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置、及び、挿入突起435が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置のうちのいずれかの位置において互いに弾性係合する。これにより、一の駒部材4の突出部である凸部401が、この駒部材4に隣接する駒部材4の受入部である凹部402と係合し、一の駒部材4のスライドガイド部材42の固定挿入突起424がこの駒部材4に隣接する駒部材4の一方の突起収容部404内に収容された状態において第1の係合部440及び第2の係合部420が第1の係合位置において弾性係合すると、挿入突起435がこの駒部材4に隣接する駒部材4の突起収容部404a内に収容されることによって、連結装置40が隣り合う駒部材4同士を連結するように構成されている。
次に、本実施形態における駒部材4の連結装置40、バンド3及びこれを備える電子機器としての腕時計1の作用について、図9(A)から図9(D)等を参照しつつ説明する。
本実施形態において、駒部材4を形成する際は、まず、連結スライド部材43の表面側に係合部材44を溶接等により固定してスライド部材45を形成する。そして、このスライド部材45をスライドガイド部材42のガイド部422に配置する。さらに、一枚の板から外枠部材41を形成し、連結部412に曲げ加工を施す前に、スライド部材45及びスライドガイド部材42を操作用孔434が設けられている側が上側(図9(A)等において上側)になるようにして枠部材本体411の収容空間内に収納する。その後、連結部412に曲げ加工を施して枠部材本体411と被覆部413とを溶接等により接合する。これにより、駒部材4が完成する。
そして、この駒部材4同士を連結装置40により連結方向に複数連結することによって、バンド3が完成する。
さらに、完成したバンド3の一端側を電子機器の外装ケースである腕時計1の腕時計ケース2に連結させることにより、バンド3を備える腕時計1が完成する。
バンド3を構成する駒部材4の一部を取り外す際には、外部の操作子Sによるスライド操作によって連結装置40を構成するスライド部材45をスライド移動させることにより、取り外したい駒部材4(例えば図8(B)等では、図中下側に位置する駒部材4)の連結を解除する。
具体的には、まず、外部の操作子Sを長孔415を通して取り外したい駒部材4内に挿入し(図9(A)参照)、操作子Sの先端部をスライド部材45の操作用孔434に挿入する(図9(B)参照)。そして、操作子Sによってスライド部材45を長孔415の延在方向(すなわち、駒部材4の幅方向Y)に沿って固定挿入突起424側にスライド移動させる(図9(C)参照)。これにより、第1の係合部440を構成する係合凸部446及び薄肉部447が弾性変形し、係合凸部446が第2の係合部420を構成する係止凸部427を乗り越えて係合凹部426と係合する。このとき、第2の連結部である挿入突起435は、孔部403a内に収容された収容状態となり、係止凸部427が係合凸部446の幅方向Yへの移動を規制することにより、この第2の係合位置が維持される(図9(D)参照)。この状態において、駒部材4の孔部403aの側を相手の駒部材4から離れる方向に引くように駒部材4を傾けることにより、連結装置40による駒部材4の連結が解除され、駒部材4を容易に取り外すことが可能となる。
なお、以上とは逆に、駒部材4を連結装置40により連結させる場合には、まず、連結させたい駒部材4の第1の係合部440と第2の係合部420とが第2の係合位置で係合するように操作子Sを用いてスライド部材45を移動させる。これにより、第2の連結部である挿入突起435が孔部403a内に収容された収容状態となる(図2参照)。
その後、当該駒部材4を傾けて固定挿入突起424を連結先の駒部材4の第1の連結部である突起収容部404b内に挿入しながら、当該駒部材4の凸部401を連結先の駒部材4の凹部402に係合させる。その上で、再度操作子Sを用いて当該駒部材4の第1の係合部440と第2の係合部420とが第1の係合位置で係合するようにスライド部材45を移動させる。これにより、挿入突起435が孔部403aから突出し、連結先の駒部材4の突起収容部404b内に収容されて、連結装置40による隣接する駒部材4同士の連結が完了する。
以上のように、本実施形態では、連結先の駒部材4の突起収容部404aに収容される挿入突起435を備えるスライド部材45が、外部の操作子Sによるスライド操作によって駒部材4の幅方向Y(すなわち、長孔415の延在方向)にスライド移動できるように構成されているとともに、スライド部材45に設けられている第1の係合部440及びスライドガイド部材42に設けられている第2の係合部420のうち第1の係合部440がスライド部材45のスライド移動に伴って弾性変形し、第2の連結部である挿入突起435が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置、及び、第2の連結部である挿入突起435が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置のうちのいずれかの位置において互いに弾性係合するように構成されている。このため、ピン部材等を用いて駒部材を連結する場合と異なり、部品(例えばピン部材)の抜け落ちや紛失等を生じないとともに、爪楊枝等の外部の操作子Sがあれば特別な道具や技術を要さずに簡易に駒部材4の着脱を行うことができる。これにより、腕時計等を購入後にバンド3の長さ調節が必要になった場合や通信販売で購入したバンド3の長さ調整を行いたい場合等に、一般ユーザが容易に駒部材4の着脱を行い、任意の長さにバンド長を調整することができる。
また、本実施形態では、スライド部材45は、第2の連結部である挿入突起435が設けられている連結スライド部材43と、第1の係合部440が設けられている係合部材44とを備えて構成されている。このように、スライド部材45を2つの部材で構成することにより、挿入突起435や第1の係合部440を備える複雑な形状の部材を容易に成型することができ、スライド部材45を簡易かつ効率的に生産することが可能となる。
また、本実施形態では、スライドガイド部材42は、孔部403bから突出した状態で固定されている固定連結部である固定挿入突起424を備えている。このように、一方の挿入突起(第2の連結部)を固定の部材とすることにより、装置構成を単純化できるとともに、駒部材4の着脱を行う際のユーザの手間を最小限に抑えることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図10から図19を参照しつつ、本発明に係る連結装置、バンド及びバンドを備える電子機器の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、スライド部材及びスライドガイド部材の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図10は、本実施形態におけるバンドとこれを構成する駒部材6を示す斜視図である。
また、図11(A)はバンドを構成する駒部材6の斜視図であり、図11(B)は駒部材6の内部が見える状態にした斜視図であり、図12は、駒部材6の分解斜視図である。
図10に示すように、本実施形態において、バンドは、連結装置60を備え、複数の駒部材6が連結装置60により連結されて構成されている。
図11(A)、図11(B)及び図12に示すように、本実施形態の駒部材6は、外枠部材41、外枠部材41内に収容されるスライドガイド部材67、スライドガイド部材67によりスライド移動可能なスライド部材68を備えている。
なお、外枠部材41の構成は、第1の実施形態において説明したものと同様であるため、同一部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
スライドガイド部材67は、外枠部材41内に収容され、スライド部材68のスライド移動をガイドするものである。
図12に示すように、本実施形態において、スライドガイド部材67は、固定連結部である固定挿入突起654を備えるベース部材65と、第2の係合部620が設けられ、スライド部材68のスライド移動をガイドするガイド部材62とを備えて構成されている。
ベース部材65は、外枠部材41の枠部材本体411の収容空間の形状にほぼ沿う形状に形成されたベース枠部651を有している。また、ベース枠部651における駒部材6の凸部401(図11(A)参照)に対応する側には、駒部材6の孔部403b(図11(A)参照)に対応する位置には、固定挿入突起654が設けられている。固定挿入突起654は、外枠部材41内にスライドガイド部材67を組み込んだ際に、孔部403bから突出した状態で固定される固定連結部である。
本実施形態において、ベース部材65は、例えばステンレス等の金属材料からなる1枚の板で形成されており、この板の一部に、例えばせん断加工(せん断加工、打抜き加工、穴抜き加工等)、曲げ加工(折曲げ加工等)のプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。すなわち、例えば1枚の板を所定の形状に加工した後、一端部に曲げ加工を施すことにより固定挿入突起654を形成する。
なお、ベース部材65の形成の手法や各部の形状等は、ここに例示したものに限定されない。例えば、固定挿入突起654を別部材として形成し、溶接等によってベース枠部651と接合させてベース部材65を形成してもよい。
ガイド部材62は、外枠部材41の枠部材本体411の収容空間の形状にほぼ沿う形状に形成されたガイド枠部621を有し、このガイド枠部621における外枠部材41の長孔415に対応する位置には、駒部材6の幅方向Yに延在して溝状のガイド部622が形成されている。ガイド部622は、スライド部材68のスライド移動をガイドするものである。
また、ガイド枠部621における駒部材6の凸部401に対応する側には、凸部401内に張り出す張出し部623が設けられている。
ガイド部622の内側であって張出し部623に対応する位置には、張り出し部623の張り出し方向にほぼ円弧状に窪んだ第1の係合凹部625、第2の係合凹部626が形成されている。
この第1の係合凹部625と第2の係合凹部626との間には、ガイド部622の内側に向けて突出する係止凸部627が設けられている。なお、第1の係合凹部625、第2の係合凹部626及び係止凸部627の形状や設けられる位置等はここに例示したものに限定されない。
図12に示すように、本実施形態では、この第1の係合凹部625、第2の係合凹部626、係止凸部627によって、スライド部材68の第1の係合部640と係合可能な第2の係合部620が構成されている。
本実施形態において、第1の係合部640の係合凸部646が第1の係合凹部625と係合した際には、第2の連結部であるスライド部材68の挿入突起635が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置で係合した状態となり、第1の係合部640の係合凸部646が第2の係合凹部626と係合した際には、第2の連結部である挿入突起635が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置で係合した状態となる。
係止凸部627は、係合凸部646が第1の係合凹部625と第2の係合凹部626との間を自由に移動することを規制して、係合凸部646が第1の係合凹部625と係合して第1の係合位置にある状態又は係合凸部646が第2の係合凹部626と係合して第2の係合位置にある状態を維持し得るようになっている。
スライド部材68は、孔部403aから出没可能な第2の連結部である挿入突起635と、第2の係合部620(すなわち、スライドガイド部材67の第1の係合凹部625、第2の係合凹部626等)と第1の係合位置又は第2の係合位置において弾性係合可能な第1の係合部640とを備えている。スライド部材68は、操作子Sによるスライド操作によって長孔415の延在方向(すなわち、駒部材6の幅方向Y)にスライド移動可能に構成されている。
本実施形態において、スライド部材68は、連結スライド部材63と、これに重畳される係合部材64とを備えている。また、本実施形態では、連結スライド部材63と係合部材64との間にスペーサ部材66が配置されている。連結スライド部材63、係合部材64及びスペーサ部材66は、例えばステンレス等の金属材料で形成されている。なお、連結スライド部材63、係合部材64及びスペーサ部材66を形成する材料は金属材料に限定されない。
図13は、本実施形態の駒部材6を裏側から見た平面図である。また、図14(A)は、図13におけるXIV−XIV線断面図であり、図14(B)は、仮にスペーサ部材を備えない場合における図14(A)と同一箇所の断面図を示したものである。
図14(A)に示すように、スライド部材68の厚み(すなわち、連結スライド部材63、係合部材64及びスペーサ部材66を重ね合わせた厚み)は、スライドガイド部材67のガイド部622の溝の深さ(図14(A)において、ガイド部622の、駒部材6における凸部側の深さ)とほぼ同じとなっており、スライドガイド部材67にスライド部材68を組み込んだ状態において、スライドガイド部材67とスライド部材68とがほぼ面一となるようになっている。スライド部材68の厚み等はここに例示したものに限定されないが、スライドガイド部材67とスライド部材68とをほぼ面一としたときは、部材間のがたつきを抑えることができ、好ましい。
また、スライド部材68がスライドガイド部材67のガイド部622内を摺動する際、厚み方向にある程度のガタが必要であるが、図14(B)に示すように、スライド部材68が摺動するガイド部622の溝の深さが浅いと、スライド部材68がガイド部622の縁に乗り上がり、摺動することができなくなるおそれがある。この点、本実施形態では、図14(A)に示すように、スペーサ部材66を重畳し、その分、スライドガイド部材67のガイド部622の溝の深さを深くしているため、スライド部材68がガイド部622内を摺動する際にスライド部材68がガイド部622の縁に乗り上がることを防いで、円滑にスライド移動できるようになっている。
連結スライド部材63は、スライドガイド部材67のガイド部622内に配置されるスライド部材本体631を備えている。また、このスライド部材本体631における駒部材6の凸部401に対応する側には、凸部401内に張り出す張出し部632が設けられている。
また、張出し部632における駒部材6の孔部403aに対応する位置には、挿入突起635が設けられている。挿入突起635は、外枠部材41内にスライド部材68を組み込んだ際に、孔部403aから出没可能に構成されている第2の連結部である。
スライド部材本体631には、幅方向Yの両端部近傍にそれぞれ位置決め用孔633が形成されている。また、スライド部材本体631には、外枠部材41の長孔415に対応する位置に操作用孔634が形成されている。
本実施形態では、連結スライド部材63は、例えばステンレス等の金属材料からなる1枚の板で形成されており、この板の一部に、例えばせん断加工(せん断加工、打抜き加工、穴抜き加工等)、曲げ加工(折曲げ加工等)のプレス加工等を施すことにより所定の形状に形成されている。すなわち、例えば1枚の板を所定の形状に加工した後、一端部に曲げ加工を施すことにより挿入突起635を形成する。また、せん断加工等によってスライド部材本体631の所定の位置に位置決め用孔633及び操作用孔634を形成する。
なお、連結スライド部材63の形成の手法や各部の形状等は、ここに例示したものに限定されない。例えば、挿入突起635を別部材として形成し、溶接等によってスライド部材本体631と接合させて連結スライド部材63を形成してもよい。
スペーサ部材66は、連結スライド部材63のスライド部材本体631とほぼ同じ形状の薄い板状の部材である。
スペーサ部材66には、連結スライド部材63のスライド部材本体631に設けられている2つの位置決め用孔633に対応する位置に、それぞれ位置決め用孔661が形成されている。
係合部材64は、連結スライド部材63のスライド部材本体631とほぼ同じ形状の薄い板状の部材である。
係合部材64には、連結スライド部材63のスライド部材本体631に設けられている2つの位置決め用孔633に対応する位置に、それぞれ位置決め用孔643が形成されている。
本実施形態では、組立時において、連結スライド部材63のスライド部材本体631の表側の面(腕時計の視認側の面、図12等において下側の面)にスペーサ部材66及び係合部材64を重ね合わせ、スペーサ部材66の位置決め用孔661及び係合部材64の位置決め用孔643の位置を連結スライド部材63の位置決め用孔633の位置と合わせることによりスペーサ部材66及び係合部材64の位置決めが行われる。そして、スペーサ部材66及び係合部材64は、位置決めされた状態で、例えば溶接、接着等により連結スライド部材63に固定される。これにより、係合部材64、スペーサ部材66及び連結スライド部材63は一体としてスライド部材68を構成し、連結スライド部材63の操作用孔634に操作子Sが挿入されて操作された際に、係合部材64及びスペーサ部材66が連結スライド部材43と一体となってスライド移動するようになっている。
係合部材64における2つの位置決め用孔643の間であって係合部材64を連結スライド部材63に固定した際の張出し部632側端縁近傍には、係合部材64の長手方向(駒部材6の幅方向Y)に延在して長孔645が形成されている。
係合部材64において、係合部材64を連結スライド部材63に固定した際の張出し部632側端縁は、長孔645に沿って薄肉部647となっており、駒部材6の連結方向Xに沿って撓むばね性を有している。このばね性を有する薄肉部647には、外側(すなわち、係合部材64を連結スライド部材63に固定した際の張出し部632の張り出し方向の側)に突出するほぼ円弧状の係合凸部646が設けられている。なお、係合凸部646、長孔645及び薄肉部647の形状や設けられる位置等はここに例示したものに限定されない。
本実施形態では、係合凸部646と薄肉部647とによって、第2の係合部620と係合可能な第1の係合部640が構成されている。第1の係合部640は、係合凸部646が外部から押圧された際に薄肉部647が長孔645の内側に向かって撓み弾性変形するようになっている。薄肉部647は押圧力が解除されるともとの形状に弾性復帰する。
ここで、図面を参照しつつ、第1の係合部640と第2の係合部620との係合状態について説明する。
図15(A)及び図16(A)は、第1の係合部640の係合部材64が第1の係合位置でスライドガイド部材67の第2の係合部620と係合している状態を示す斜視図であり、図15(B)及び図16(B)は、図15(A)及び図16(A)に示す状態を駒部材6の裏面側から見た平面図である。なお、図15(B)及び図16(B)において、外枠部材41等は、二点鎖線で示している。
また、図17(A)及び図18(A)は、第1の係合部640の係合部材64が第2の係合位置でスライドガイド部材67の第2の係合部620と係合している状態を示す斜視図であり、図17(B)及び図18(B)は、図17(A)及び図18(A)に示す状態を駒部材6の裏面側から見た平面図である。なお、図17(B)及び図18(B)において、外枠部材41等は、二点鎖線で示している。
なお、図15(A)及び図15(B)、図17(A)及び図17(B)では、図示の便宜上、連結スライド部材63を外した状態を示している。
図15(A)、図15(B)及び図16(A)、図16(B)に示すように、第1の係合部640の係合凸部646が第2の係合部620の第1の係合凹部625内に係合され、係止凸部627によって駒部材6における幅方向Yへのスライド移動が規制されている状態(すなわち、第1の係合部640と第2の係合部620とが第1の係合位置で係合している状態)では、図16(B)に示すように、第2の連結部である挿入突起635が孔部403aから突出した突出状態となる。そして、挿入突起635は隣接する駒部材6の一方の突起収容部404a内に収容される。また、隣接する駒部材6の他方の突起収容部404b内には固定挿入突起654が収容される。これにより、隣り合う駒部材6同士が連結された状態となる。
他方、図17(A)、図17(B)及び図18(A)、図18(B)に示すように、第1の係合部640の係合凸部646が第2の係合部620の第2の係合凹部626内に係合され、係止凸部627によって駒部材6における幅方向Yへのスライド移動が規制されている状態(すなわち、第1の係合部640と第2の係合部620とが第2の係合位置で係合している状態)では、図18(B)に示すように、第2の連結部である挿入突起635が孔部403a内に収容された収容状態となる。この状態において、突起収容部404b内には固定挿入突起654が収容されているが、挿入突起635は隣接する駒部材6の突起収容部404aの外に退避する。これにより、隣り合う駒部材6同士の連結が解除された状態となり、当該駒部材6を隣接する駒部材6に対して傾けることにより、駒部材6を取り外すことができる。
本実施形態では、第1の係合部640と第2の係合部620とが第1の係合位置で係合している場合に、操作子Sによってスライド部材68を幅方向Yに沿って固定挿入突起654側(図15(B)及び図16(B)において、右方向)にスライド移動させると、このスライド移動に伴って第1の係合部640を構成する係合凸部646が第2の係合部620を構成する係止凸部627に左側から突き当たる。このとき、係止凸部627が、円弧状の係合凸部646の傾斜面を押圧することにより、薄肉部647が長孔645の内側に向かって撓み、係止凸部627による押圧方向に長孔645を押し潰すようにして弾性変形する。これにより、係止凸部627による係合凸部646に対する係止状態が解除され、係合凸部646は係止凸部627を乗り越えて幅方向Y(図15(B)及び図16(B)において、右方向)にスライド移動可能となる。そして、係合凸部646が第2の係合凹部626内に係合されると、薄肉部647が弾性力によって元の位置まで復帰する。係合凸部646が第2の係合凹部626内に弾性係合されると、係止凸部627によって係合凸部646の幅方向Yへの移動が規制されることにより、第2の係合位置における係合状態が維持される。
逆に、第1の係合部640と第2の係合部620とが第2の係合位置で係合している場合に、操作子Sによってスライド部材68を幅方向Yに沿って挿入突起635の突出側(図17(B)及び図18(B)において、左方向)にスライド移動させると、このスライド移動に伴って第1の係合部640を構成する係合凸部646が第2の係合部620を構成する係止凸部627に右側から突き当たる。このとき、係止凸部627が、円弧状の係合凸部646の傾斜面を押圧することにより、薄肉部647が長孔645の内側に向かって撓み、係止凸部627による押圧方向に長孔645を押し潰すようにして弾性変形する。これにより、係止凸部627による係合凸部646に対する係止状態が解除され、係合凸部646は係止凸部627を乗り越えて幅方向Y(図17(B)及び図18(B)において、左方向)にスライド移動可能となる。そして、係合凸部646が第1の係合凹部625内に係合されると、薄肉部647が弾性力によって元の位置まで復帰する。係合凸部646が第1の係合凹部625内に弾性係合されると、係止凸部627によって係合凸部646の幅方向Yへの移動が規制されることにより、第1の係合位置における係合状態が維持される。
本実施形態において、駒部材6を連結する連結装置60は、上記外枠部材61と、第2の連結部である挿入突起635を有する連結スライド部材63及び第1の係合部640を有する係合部材64を備えるスライド部材68と、第1の係合部640と係合可能な第2の係合部620を有するスライドガイド部材67とを備えている。そして、第1の係合部640及び第2の係合部620は、スライド部材68のスライド移動に伴って、少なくともいずれか一方(本実施形態では、第1の係合部640)が弾性変形し、第2の連結部である挿入突起635が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置、及び、挿入突起635が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置のうちのいずれかの位置において互いに弾性係合する。これにより、一の駒部材6の突出部である凸部401が、この駒部材6に隣接する駒部材6の受入部である凹部402と係合し、一の駒部材6のスライドガイド部材67の固定挿入突起654がこの駒部材6に隣接する駒部材6の一方の突起収容部404内に収容された状態において第1の係合部640及び第2の係合部620が第1の係合位置において弾性係合すると、挿入突起635がこの駒部材6に隣接する駒部材6の突起収容部404a内に収容されることによって、連結装置60が隣り合う駒部材6同士を連結するように構成されている。
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態における駒部材6の連結装置60、バンド及びこれを備える電子機器としての腕時計の作用について、図19(A)から図19(D)等を参照しつつ説明する。
本実施形態において、駒部材6を形成する際は、まず、連結スライド部材63の表面側にスペーサ部材66及び係合部材64を溶接等により固定してスライド部材68を形成する。そして、このスライド部材68をスライドガイド部材67のガイド部622に配置する。さらに、一枚の板から外枠部材41を形成し、連結部412に曲げ加工を施す前に、スライド部材68及びスライドガイド部材67を操作用孔634が設けられている側が上側(図19(A)等において上側)になるようにして枠部材本体411の収容空間内に収納する。その後、連結部412に曲げ加工を施して枠部材本体411と被覆部413とを溶接等により接合する。これにより、駒部材6が完成する。
そして、この駒部材6同士を連結装置60により連結方向に複数連結することによって、バンドが完成する。
さらに、完成したバンドの一端側を電子機器の外装ケースである腕時計の腕時計ケース2に連結させることにより、バンドを備える腕時計が完成する。
バンドを構成する駒部材6の一部を取り外す際には、外部の操作子Sによるスライド操作によって連結装置60を構成するスライド部材68をスライド移動させることにより、取り外したい駒部材6(例えば図18(B)等では、図中下側に位置する駒部材6)の連結を解除する。
具体的には、まず、外部の操作子Sを長孔415を通して取り外したい駒部材6内に挿入し(図19(A)参照)、操作子Sの先端部をスライド部材68の操作用孔634に挿入する(図19(B)参照)。そして、操作子Sによってスライド部材68を長孔415の延在方向(すなわち、駒部材6の幅方向Y)に沿って固定挿入突起654側にスライド移動させる(図19(C)参照)。これにより、第1の係合部640を構成する係合凸部646及び薄肉部647が弾性変形し、係合凸部646が第2の係合部620を構成する係止凸部627を乗り越えて第2の係合凹部626と係合する。このとき、第2の連結部である挿入突起635は、孔部403a内に収容された収容状態となり、係止凸部627が係合凸部646の幅方向Yへの移動を規制することにより、この第2の係合位置が維持される(図19(D)参照)。この状態において、駒部材6の孔部403aの側を相手の駒部材6から離れる方向に引くように駒部材6を傾けることにより、連結装置60による駒部材6の連結が解除され、駒部材6を容易に取り外すことが可能となる。
なお、以上とは逆に、駒部材6を連結装置60により連結させる場合には、まず、連結させたい駒部材6の第1の係合部640と第2の係合部620とが第2の係合位置で係合するように操作子Sを用いてスライド部材68を移動させる。これにより、第2の連結部である挿入突起635が孔部403a内に収容された収容状態となる(図10参照)。
その後、当該駒部材6を傾けて固定挿入突起654を連結先の駒部材6の第1の連結部である突起収容部404b内に挿入しながら、当該駒部材6の凸部401を連結先の駒部材6の凹部402に係合させる。その上で、再度操作子Sを用いて当該駒部材6の第1の係合部640と第2の係合部620とが第1の係合位置で係合するようにスライド部材68を移動させる。これにより、挿入突起635が孔部403aから突出し、連結先の駒部材6の突起収容部404b内に収容されて、連結装置60による隣接する駒部材6同士の連結が完了する。
なお、その他の点については、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、スライドガイド部材67が、固定連結部である固定挿入突起654を備えるベース部材65と、第2の係合部620が設けられ、スライド部材68のスライド移動をガイドするガイド部材62とを備えて構成されている。このように、スライドガイド部材67を2つの部材で構成することにより、固定挿入突起654やガイド部622等を備える複雑な形状の部材を容易に成型することができ、スライドガイド部材67を簡易かつ効率的に生産することが可能となる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、第2の実施形態では、スライドガイド部材67が、固定連結部である固定挿入突起654を備えるベース部材65と、第2の係合部620が設けられ、スライド部材68のスライド移動をガイドするガイド部材62とを備えて構成されている場合を例として説明したが、スライドガイド部材67の構成はこれに限定されない。
例えば、図20は、スライドガイド部材67の第1の変形例を示す。
この図20に示すように、スライドガイド部材67を構成するガイド部材62をさらに、ガイド部材本体71とガイドベース部材72との2つの部材で構成してもよい。この場合、ガイド部材本体71は、外枠部材41の枠部材本体411の収容空間の形状にほぼ沿う形状に形成されたガイド枠部711を有し、このガイド枠部711における外枠部材41の長孔415に対応する位置には、駒部材6の幅方向Yに延在して溝状のガイド部712が形成されている。ガイド部712は、スライド部材68のスライド移動をガイドするものである。また、ガイド枠部711における駒部材6の凸部401に対応する側には、凸部401内に張り出す張出し部713が設けられている。ガイド部712の内側であって張出し部713に対応する位置には、張り出し部713の張り出し方向にほぼ円弧状に窪んだ第1の係合凹部715、第2の係合凹部716が形成されている。この第1の係合凹部715と第2の係合凹部716との間には、ガイド部712の内側に向けて突出する係止凸部717が設けられている。この場合、この第1の係合凹部715、第2の係合凹部716、係止凸部717によって、スライド部材68の第1の係合部640と係合可能な第2の係合部710が構成される。
さらに、図20は、スライドガイド部材67の第2の変形例を示す。
この図21に示すように、図20に示したガイド部材本体71の上にスペーサ部材73を配置してもよい。このように、スペーサ部材73を配置した場合には、スペーサ部材73の厚みの分だけスライド部材68(図12等参照)が摺動するガイド部712の溝の深さが深くなるため、スライド部材68がガイド部712内を摺動する際にスライド部材68がガイド部712の縁に乗り上がることをより確実に防いで、スライド部材68がより円滑にスライド移動できるようになる。
また、上記各実施形態では、一対の第2の連結部である挿入突起のうち、一方を孔部403bから突出した状態で固定されている固定挿入突起とし、一方の挿入突起のみが孔部403から出没可能となっている場合を例として説明したが、第2の連結部の構成はこれに限定されない。
例えば、第2の連結部である挿入突起を備えるスライド部材を一対の孔部403a,403bに対応して一対設け、2つの挿入突起が孔部403a,403bから出没可能となるように構成してもよい。第2の連結部をこのように構成した場合には、駒部材を着脱する際に、当該駒部材を連結先の駒部材に対して傾けることなく、容易に着脱することができる。また、駒部材を傾ける必要がないため、駒部材同士の隙間が狭い場合でも、円滑に駒部材の着脱を行うことができる。
また、上記各実施形態では、スライド部材に設けられる第1の係合部が、係合凸部等によって構成され、スライドガイド部材に設けられる第2の係合部が係合凹部、係止凸部等によって構成されている場合を例として説明したが、第1の係合部、第2の係合部の構成は、これに限定されない。
例えば、スライド部材に設けられる第1の係合部が、係合凹部、係止凸部等によって構成され、スライドガイド部材に設けられる第2の係合部が係合凸部等によって構成されていてもよい。
また、上記各実施形態では、スライド部材のスライド移動に伴って第1の係合部(すなわち、係合凸部等)が弾性変形し、第2の係合部の係止凸部を乗り越えることによって第1の係合部と第2の係合部とが第1の係合位置又は第2の係合位置で弾性係合する場合を例としたが、第1の係合部と第2の係合部とが弾性係合する構成は、ここに例示したものに限定されない。例えば第2の係合部を構成する係止凸部等が弾性変形することによって、第1の係合部と第2の係合部とが第1の係合位置又は第2の係合位置で弾性係合してもよい。
また、上記各実施形態では、係合凸部を1つ、係合凹部等を2つ備えて、この係合凸部がいずれの係合凹部等と係合するかによって係合位置が変わるように構成したが、係合位置を変化させる構成は、ここに例示したものに限定されない。例えば、係合凸部を2つ備え、係合凸部が係合する係合凹部等を1つ備えて、1つの係合凹部等にいずれの係合凸部が係合するかによって係合位置が変わるように構成してもよい。
また、上記各実施形態では、第1の係合部の係合凸部及び薄肉部が弾性変形して、第1の係合位置と第2の係合位置とで第2の係合部と弾性係合するように構成したが、弾性変形するのは係合凸部及び薄肉部に限定されない。
スライド部材に設けられている第1の係合部及びスライドガイド部材に設けられている第2の係合部は、スライド部材のスライド移動に伴って、少なくともいずれか一方が弾性変形し、第2の連結部である挿入突起が孔部403aから突出した突出状態となる第1の係合位置、及び、第2の連結部である挿入突起が孔部403a内に収容された収容状態となる第2の係合位置のうちのいずれかの位置において互いに弾性係合するように構成されていればよく、弾性変形するのは第2の係合部でもよい。
また、上記各実施形態では、第1の係合部の係合凸部を薄肉部に設けて、スライド部材のスライド移動に伴って薄肉部が係止凸部に押圧されて撓むことにより第1の係合部が弾性変形する場合を例としたが、第1の係合部、第2の係合部が弾性変形する構成はこれに限定されない。
また、係合凸部を受ける係合部は、係合凸部と係合可能なものであればよく、切欠き部、凹部に限定されず、例えば孔部や溝部であってもよい。
また、上記各実施形態では、外枠部材41が金属材料で形成された1枚の板に曲げ加工等を施すことによって形成されている場合を例として説明したが、外枠部材41の構成、外枠部材41を形成する手法等はここに例示したものに限定されない。
また、例えば上面が開口し内部に収容空間を有する枠部材本体と、この開口を閉塞する被覆部材とを別体として形成し、これを溶接、接着等により接合することによって外枠部材41が形成されてもよい。
また、外枠部材41、スライドガイド部材、スライド部材を形成する材料は、ステンレス等の金属材料に限定されない。例えば炭素繊維を混入した樹脂等であってもよい。また、外枠部材41、スライドガイド部材、スライド部材を形成する材料は、同じでなくてもよい。例えば、外枠部材41を、ステンレスやチタニウム、金等の金属材料で形成し、スライドガイド部材、スライド部材を樹脂等によって形成してもよい。
なお、外枠部材41、スライドガイド部材、スライド部材を樹脂等で形成する場合には、予め型を用意して任意の形状に一体成型してもよい。
また、上記各実施形態では、スライド部材が連結スライド部材及び係合部材の2つの部材で構成されている場合を例としたが、スライド部材の構成はこれに限定されない。例えば、挿入突起、第1の係合部等を備えるスライド部材を一体成型することにより1つの部材で構成してもよい。
また、上記各実施形態では、スライド部材における外枠部材41の長孔415に対応する位置に、操作子Sを挿入可能な操作用孔が形成されている場合を例としたが、操作用孔を設けない構成としてもよい。この場合、例えば、スライド部材の表面に滑り止めとなる凹凸等が設けられることが好ましい。
また、上記各実施形態では、バンド3を外装ケースである腕時計ケース2に取り付ける部分も連結装置40を構成するのと同じ駒部材4で構成されている場合を例示したが、バンド3を腕時計ケース2等の外装ケースに取り付ける部分には連結装置40を構成する駒部材4とは異なる連結用の駒部材を用いるようにしてもよい。このように構成することにより、各種形状のバンド取付部を有する外装ケースに本発明に係るバンドを取り付けることができる。
また、本実施形態では、バンド3が取り付けられる電子機器が腕時計1である場合を例として説明したが、電子機器は複数の駒部材4を連結してなるバンド3を備えるものであればよく、腕時計1に限定されない。例えば、電子機器は、歩数計、心拍計、高度等の表示装置、携帯型のプレーヤ等であってもよい。
また、本実施形態では、バンド3が電子機器である腕時計1に取り付けられる場合を例として説明したが、バンド3は、駒部材4を連結装置で連結する構成を採るものであれば広く適用することができる。例えば、ブレスレットのように、バンドが単体で用いられるものや、装飾部材に取り付けて使用するバンドであっても、本発明を適用可能である。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
互いに隣接する駒部材同士を連結する連結方向の一方側に突出する突出部、この突出部の側部に設けられた一対の孔部、前記連結方向の他方側に設けられ前記突出部を受け入れる受入部、この受入部のうち、前記一対の孔部に対応する部分に設けられた一対の第1の連結部、及び、前記連結方向に直交する幅方向に延在する操作子挿入用長孔をそれぞれ備えている外枠部材と、
前記第1の連結部と連結される第2の連結部と、第1の係合部とを備えているスライド部材と、
操作子挿入用長孔内に挿入された操作子により前記スライド部材がスライド移動された結果、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに連結される第1の係合位置と前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに非連結となる第2の係合位置とのいずれか一方の位置に当該スライド部材がスライド移動された際に、前記第1の係合部と互いに係合される第2の係合部を備えているスライドガイド部材と、
を備えていることを特徴とする連結装置。
<請求項2>
前記スライド部材は、
前記第2の連結部が設けられている連結スライド部材と、
前記第1の係合部が設けられている係合部材と、
を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
<請求項3>
前記スライドガイド部材は、前記孔部から突出した状態で固定されている固定連結部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連結装置。
<請求項4>
前記スライドガイド部材は、
前記固定連結部を備えるベース部材と、
前記第2の係合部が設けられ、前記スライド部材のスライド移動をガイドするガイド部材と、
を備えて構成されていることを特徴とする請求項3に記載の連結装置。
<請求項5>
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の連結装置を少なくとも一つ備えていることを特徴とするバンド。
<請求項6>
請求項5に記載のバンドと、
このバンドが取り付けられた外装ケースと、
を備えていることを特徴とする電子機器。
1 腕時計
2 腕時計ケース
3 バンド
4 駒部材
40 連結装置
41 外枠部材
42 スライドガイド部材
43 連結スライド部材
44 係合部材
45 スライド部材
420 第2の係合部
425 切欠き部
426 係合凹部
427 係止凸部
435 挿入突起
440 第1の係合部
446 係合凸部
447 薄肉部
S 操作子
X 連結方向
Y 幅方向

Claims (6)

  1. 互いに隣接する駒部材同士を連結する連結方向の一方側に突出する突出部、この突出部の側部に設けられた一対の孔部、前記連結方向の他方側に設けられ前記突出部を受け入れる受入部、この受入部のうち、前記一対の孔部に対応する部分に設けられた一対の第1の連結部、及び、前記連結方向に直交する幅方向に延在する操作子挿入用長孔をそれぞれ備えている外枠部材と、
    前記第1の連結部と連結される第2の連結部と、第1の係合部とを備えているスライド部材と、
    操作子挿入用長孔内に挿入された操作子により前記スライド部材がスライド移動された結果、前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに連結される第1の係合位置と前記第1の連結部と前記第2の連結部とが互いに非連結となる第2の係合位置とのいずれか一方の位置に当該スライド部材がスライド移動された際に、前記第1の係合部と互いに係合される第2の係合部を備えているスライドガイド部材と、
    を備えていることを特徴とする連結装置。
  2. 前記スライド部材は、
    前記第2の連結部が設けられている連結スライド部材と、
    前記第1の係合部が設けられている係合部材と、
    を備えて構成されていることを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
  3. 前記スライドガイド部材は、前記孔部から突出した状態で固定されている固定連結部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の連結装置。
  4. 前記スライドガイド部材は、
    前記固定連結部を備えるベース部材と、
    前記第2の係合部が設けられ、前記スライド部材のスライド移動をガイドするガイド部材と、
    を備えて構成されていることを特徴とする請求項3に記載の連結装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の連結装置を少なくとも一つ備えていることを特徴とするバンド。
  6. 請求項5に記載のバンドと、
    このバンドが取り付けられた外装ケースと、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
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