JP2013164100A - 係止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長尺部材に沿って移動しつつ係止位置を調整後直ちに係止を可能にし、かつ、ボルト等による締着を不要にした係止装置を提供する。
【解決手段】 ねじ山MSを有する長尺部材BPに対し、軸線方向に移動可能なスライダSLを長尺部材に係止する係止装置である。スライダは、長尺部材の軸線に沿って移動可能なスライダ本体1と、このスライダ本体に回動自在に設けられ、該スライダ本体とともに長尺部材を挟んで係止する押圧部材2とを備える。スライダ本体は、長尺部材の挿通を許容する挿通孔11,12と、長尺部材表面に摺接する摺接部13とを備え、押圧部材は、長尺部材のねじ山に係合するねじ溝FSを形成してなるねじ溝形成部24と、このねじ溝形成部を長尺部材の表面に押圧した状態でスライダ本体に掛止する掛止部25とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、係止装置に関し、特に、ねじ山を有する長尺部材に沿って移動できる部材を当該長尺部材の所定位置で係止するための装置に関するものである。
一般的に、長尺部材の所定個所において他の部材を固定する場合には、結束線などを使用し、長尺部材と他の部材を結束することが多かった。しかしながら、固定すべき対象物が大型であって結束することが容易でない場合、または、固定すべき位置が狭く結束線による結束ができない場合などでは、このような固定方法によることができなかった。そこで、このような場合には、取り付けるべき対象物を二つに分割し、長尺部材の両側から挟むようにして両者をボルト・ナットで締着することによるものがあった(特許文献1および2参照)。これらの係止位置が容易に変更しないために、長尺部材の表面にはねじ山を設け、当接部にはねじ溝を形成し、両者の係合により、その係止状態を維持させるように構成されていた。
実願昭62−86977(実開昭63−195410)の全文 実願平1−30327(実開2−121683)の全文
前記従来技術のうち、特許文献1に開示されるものは、分割した対象物の片方を既に所定個所に固着しておき、長尺部材を当該片方に当接しつつ、分割した他方を使用して、当該長尺部材を挟着するように構成されている(特許文献1の第3図参照)。また、特許文献2に開示されるものは、長尺部材に対して直行方向に配置される長尺物を固定するためのものであり(特許文献の第2図参照)、当該長尺物の長手方向に当接部分が並列に複数設けられるものであった(同第3図および第4図参照)。
ところが、長尺部材に係止すべき対象物が、従来技術のように長尺部材から離脱させることができる(分割したものを結合させる)ことができる構造でない場合には、上記係止装置を使用することが不向きとなることがあった。すなわち、長尺部材の軸線方向に移動(摺動)させつつ係止位置を調整し、当該調整後の位置において係止させる場合には、係止装置が長尺部材と離脱しないことによって容易に調整できるものであった。また、分割した一方のみで係止位置を調整した後に、分割した他方と一体化させる際に、ボルト・ナットにより締着させることにより、上記調整位置が変化するという不具合もあった。このようなボルト等による締着時における調整位置のズレは、分割されていない係止装置によっても発生し得るものであった。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、長尺部材に沿って移動しつつ係止位置を調整後直ちに係止を可能にし、かつ、ボルト等による締着を不要にした係止装置を提供することである。
そこで、本発明は、ねじ山を有する長尺部材に対し、この長尺部材の軸線方向に移動可能なスライダを該長尺部材に係止する係止装置であって、前記スライダは、前記長尺部材の軸線に沿って移動可能なスライダ本体と、このスライダ本体に回動自在に設けられ、該スライダ本体とともに前記長尺部材を挟んで係止する押圧部材とを備え、前記スライダ本体は、前記長尺部材の挿通を許容する挿通孔と、長尺部材表面に摺接する摺接部とを備え、前記押圧部材は、前記長尺部材のねじ山に係合するねじ溝を形成してなるねじ溝形成部と、このねじ溝形成部を前記長尺部材の表面に押圧した状態で前記スライダ本体に掛止する掛止部とを備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、スライダ本体に設けられた挿通孔に長尺部材を挿通することにより、当該スライダ本体が長尺部材の長手方向に沿って移動可能となり、スライダを係止させるべき適宜位置を長尺部材上において調整することが容易となる。また、係止位置を調整した後に、押圧部材によって長尺部材を押圧することにより、スライダ本体の摺接部と押圧部材のねじ溝形成部とで長尺部材を挟持させることができる。このときの挟持により、押圧部材のねじ溝形成部に設けられたねじ溝が長尺部材のねじ山に係合することとなるから、長尺部材の長手方向への摺動を抑制してスライダの係止を可能にしている。さらに、押圧部材には掛止部が設けられていることから、上記のような押圧状態(係止状態)において、掛止部をスライダ本体に掛止させることにより、当該係止状態を維持させることができるのである。
本発明は、上記構成において、スライダ本体の摺接部を、母線方向に適宜長さを有する半円筒状の平滑な内部表面により形成された摺接部とすることができる。
上記構成により、押圧部材による長尺部材の挟持がなされていない状態において、長尺部材の表面には、挿通孔の内面および摺接部のみが当接することとなるため、長尺部材のねじ山にスライダが引っ掛かることなく当該長尺部材に沿ってスライダを移動(摺動)させることが可能となる。なお、半円筒状の母線方向について、適宜長さとは、少なくとも長尺部材に設けられるねじ山の1ピッチ以上であることが好ましい。また、挿通孔は丸穴とし、内部表面は平滑な面で構成されることが好ましく、さらに、スライダの移動(摺動)の際には、押圧部材を回動させてねじ溝形成部が長尺部材の表面に接しない状態であることが好ましい。
また、本発明は、上記構成において、スライダ本体の挿通孔が、前記摺接部に連続する内部表面を有し、該摺接部を形成する半円筒状と同じ内径によって形成されるとともに、その内部表面を平滑にしてなる挿通孔とすることができる。
上記構成により、長尺部材は挿通孔に挿通された状態でスライダを移動(摺動)可能となり、この状態において、挿通孔の内面と摺接部の表面とがともに長尺部材の表面に摺接することとなる。そして、これら各面はいずれも平滑であることから、押圧部材のねじ溝形成部を長尺部材から離れた状態とすることによって、長尺部材のねじ山はスライダに引っ掛かることなく、当該スライダを長尺部材に沿って移動(摺動)させることができる。
さらに、本発明は、上記構成において、押圧部材が、前記スライダ本体に装着される軸部を備える構成とし、また、スライダ本体が、該軸部を回動自在に軸支するための支持手段を備える構成としてもよい。
上記構成によれば、押圧部材はスライダ本体に回動自在に軸支されることが可能となり、押圧部材の軸部をスライダ本体の支持手段によって軸支させることにより、スライダ本体と押圧部材とを一体化することができる。そして、押圧部材の回動の中心は軸部の軸心となり、その軸心はスライダ本体の支持手段によって位置が一定となることから、押圧部材は同じ位置を中心に回動できることとなる。従って、押圧部材のねじ溝形成部は、スライダ本体の所定の位置において長尺部材の表面に当接することができる。
また、本発明は、ねじ山を有する長尺部材に対し、この長尺部材の軸線方向に移動可能なスライダを該長尺部材に係止する係止装置であって、前記スライダは、前記長尺部材の軸線に沿って移動可能なスライダ本体と、このスライダ本体に回動自在に設けられ、該スライダ本体とともに前記長尺部材を挟んで係止する押圧部材とを備え、前記スライダ本体は、適宜間隔で平行に配置された少なくとも2枚の板状部材と、この板状部材の全てに対し一直線上で貫設し、前記長尺部材の挿通を許容する挿通孔と、前記適宜間隔を保持しつつ前記各板状部材を連結する連結部材と、この連結部材の片方表面に前記挿通孔の内部表面に連続しつつ該挿通孔の内径と同径の半円筒状内部表面で形成され、前記長尺部材の表面に摺接する摺接部とを備え、前記押圧部材は、前記板状部材の間に配置される本体部分と、該板状部材によって回動自在に軸支される軸部と、前記長尺部材のねじ山に係合するねじ溝を形成してなるねじ溝形成部と、このねじ溝形成部を前記長尺部材の表面に押圧した状態で該回動を制限する掛止部とを備えたことを特徴とするものである。
上記構成によれば、スライダ本体を構成する少なくとも2枚の板状部材には、それぞれ挿通孔が設けられていることから、これらの挿通孔の全てに長尺部材を挿通することによって、スライダ本体は、長尺部材の軸線方向への移動(摺動)と、軸回り(周方向)への回転のみが自由となる。その結果、スライダを長尺部材の軸線方向に沿って移動させた(位置調整した)場合であっても、摺接部には常に長尺部材の表面が摺接することとなり、押圧部材による押圧によって同じ状態による係止が可能となる。
本発明は、上記構成において、押圧部材の掛止部が、先端に掛止爪を備えるとともに、該押圧部材の自由端から突出する構成であり、スライダ本体が、前記掛止部の先端付近の挿通を許容するとともに、前記掛止爪の掛止を受ける被掛止部を備える構成であってもよい。
上記構成によれば、押圧部材による長尺部材表面を押圧させた状態を維持させることができ、スライダの係止状態を安定させることができる。すなわち、係止に必要な押圧力が押圧部材に付与されるとき、掛止爪が被掛止部に掛止されるように構成することによって、掛止爪が掛止される状態である限りスライダの係止に必要な押圧力は常に維持されることとなるから、その押圧力を継続的に付与させることができるのである。また、押圧部材にはねじ溝形成部が構成されていることから、ねじ溝形成部の各溝の境界にはねじ山と同様の突起部分が存在することとなり、この突起部分が長尺部材のねじ山に当接する場合には、押圧部材の係止状態が不十分となる状態が想定される。この場合、実際にねじ溝形成部のねじ溝が長尺部材のねじ山に係合されているか否かを判断するために、掛止爪による掛止が可能か否かによって判断させてもよい。すなわち、長尺部材のねじ山とねじ溝掛止部の突起部分とが当接する場合には、突起部分同士が接することとなることから、押圧部材を十分に回動させることができず、そのような状態のときには掛止爪が被掛止部に到達しないように、押圧部材の自由端からの突出長を調整すれば、掛止できない場合には、ねじ溝形成部のねじ溝が長尺部材のねじ山に係合していない状態であると判断することができるようになる。
また、本発明は、上記構成において、押圧部材を、配置される両側に位置する板状部材の表面に向かって突設され、軸部を中心に回動するとき該板状部材の表面に摺接する突起部を備える構成としてもよい。
上記構成の場合には、押圧部材の円滑な回動を制限することができ、長尺部材上の位置決め段階(スライダを移動(摺動)している段階)において、押圧部材が不用意に回動してねじ溝形成部が長尺部材に係合することを回避できる。また、スライダ本体の板状部材の側に、例えば、上記突起部が係入できる突起部収容孔を設ける場合には、スライダ本体に対する相対的な押圧部材の姿勢を位置決めすることも可能となる。この両者の相対的な姿勢の位置決めは、スライダが長尺部材を係止する状態とする場合のほか、長尺部材の軸線方向への移動(摺動)時における所望の回動状態とする場合でもよく、双方ともに位置決めを要する場合には、二つの突起部と、二つの突起部収容孔を設ける構成とすればよい。
本発明によれば、スライダ本体の貫通孔に長尺部材を挿通することにより、スライダ本体は長尺部材から離脱することなく長手方向に沿って移動可能となり、押圧部材を回動させることによって、当該押圧部材のねじ溝形成部を長尺部材のねじ山に係合させることができることから、長手部材上におけるスライダの位置調整後直ちに係止させることが可能となる。また、押圧部材は、長尺部材に対して押圧した状態で掛止可能であることから、上記係止状態を維持させることができるものである。
また、スライダ本体には摺接部が設けられており、この摺接部は平滑な面で構成されていることから、押圧部材が長尺部材を押圧しない状態においては、スライダ本体は長尺部材のねじ山に引っ掛かることなく摺接されるため、スライダ本体を長尺部材の長手方向に沿って自在に摺動させることが容易となる。
さらに、摺接部を半円筒状とし、挿通孔の内部表面と摺接部とを連続した構成の場合には、挿通孔の内部表面が摺接部とともに長尺部材表面に摺接可能となるため、スライダ本体を長尺部材上に安定して摺接させることができる。
なお、押圧部材の掛止部は、スライダ本体に掛止する構成であることから、当該掛止部がスライダ本体に掛止される状態において、スライダは一体化し、スライダ全体が長尺部材上の一地点に装着されることとなる。そして、上記掛止部によるスライダ本体との掛止を解くことにより、スライダを長尺部材からの離脱(係止状態を解除)を容易にすることができる。
本発明の実施形態を示す説明図である。 本発明の実施形態を示す説明図であり、(a)は係止前の状態を、(b)は係止後の状態を示す図である。 (a)はIIIA−IIIA断面図であり、(b)は(a)に押圧部材を追加した断面図であり、(c)は(b)の押圧部材を回動した状態の断面図である。 本発明の実施形態を利用した管の固定装置を示す説明図である。 本発明の実施形態の変形例を示す説明図である。 本発明の実施形態の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は、本発明にかかる係止装置の実施形態を示す図である。これらの図に示されているように、本実施形態は、スライダ本体1と押圧部材2とで構成されるスライダSLが、表面にねじ山MSを有する長尺部材BPの長手方向に沿って移動(摺動)可能であり、その長尺部材BPの適宜位置において、長尺部材BPを係止できるようにしたものである。係止装置は、長尺部材BPのねじ山MSを利用しつつ、スライダSLを構成するスライダ本体1と押圧部材2とで形成されるものである。
そこで、係止装置を形成する各構成部材について説明する。図1に示すように、スライダ本体1には、長尺部材BPが挿通できる挿通孔11,12が設けられており、また、二つの挿通孔11,12の間には長尺部材BPの表面を摺接する断面半円形の摺接部13が設けられている。さらに、このスライダ本体1には、押圧部材2を回動自在に支持するための支持手段3,4を有しており、この支持手段3,4によって押圧部材の基端部(軸部)21,22を支持することにより、図2に示すように、押圧部材2を回動自在に支持しつつ、両部材1,2を一体的に構成できるようにしている。
押圧部材2は、上記基端部(軸部)21,22を中心に回動する部材であって、前記スライダ本体1の支持手段3,4によって支持されることにより、その回動の中心は、支持手段3,4が設けられているスライダ本体1の片方の端部付近となっている。従って、当該基端部(軸部)21,22を中心とする回動は、一方向へ回転するときは、他端(自由端)23をスライダ本体1に接近させることとなり(図2(b)参照)、反対方向へ回転するときは、他端(自由端)23をスライダ本体1から離すこととなる(図2(a)参照)。
本実施形態では、押圧部材2が基端部(軸部)21,22を中心に他端(自由端)23をスライダ本体1に接近させるとき、当該スライダ本体1と押圧部材2との間で長尺部材BPを挟むことができるように構成されている。すなわち、押圧部材2が長尺部材BPと当接する部分は、長尺部材BPの外形に合わせた樋状とし、その表面にねじ溝FSを形成したねじ溝形成部24が設けられており、長尺部材BPに当接する際には、当該ねじ溝形成部24のねじ溝FSが長尺部材BPのねじ山MSに係合するように構成されているのである。従って、スライダ本体1と押圧部材2とで長尺部材BPを挟む際には、スライダ本体1の側は、長尺部材BPの表面が摺接部13に摺接し、押圧部材2の側は、長尺部材BPの表面にねじ溝形成部24が係合するようになっているのである。
さらに、押圧部材2の自由端23には、掛止部25が設けられ、この掛止部25がスライダ本体1を掛止することによって、上記押圧部材2による押圧の状態(ねじ山MSとねじ溝FSとの係合状態)を維持させることができるようになっている。掛止部25によるスライダ本体1への掛止は、掛止部25の一部をスライダ本体1のいずれかの部分に引っ掛ければよいのであるが、掛止状態を確実にするために、本実施形態では、掛止部25の先端付近に爪状の掛止頭部26を設け、他方、スライダ本体1には係入孔14を設けている。そして、掛止部25がこの係入孔14を挿通するとき、掛止頭部26によってスライダ本体1を掛止できるように構成している。
ここで、係止装置を形成する両部材1,2の詳細をさらに説明する。図1において示されているように、スライダ本体1の全体は、二枚の板状部材5,6と、この両部材5,6を連結する連結部材7とで構成されている。板状部材5,6は、平面視において略長方形状に形成されており、これらの板状部材5,6が連結部材7によって適宜間隔を有して配置され、当該適宜間隔は前記押圧部材2を収納できる程度に設けられている。また、板状部材5,6の前記略長方形表面には、それぞれ縦横方向に延出する二種類のリブ51,52,61,62が幅方向に適宜寸法で設けられ、各板状部材5,6の曲げ方向に対する強度を向上させている。
板状部材5,6のほぼ中央には、それぞれ前述した挿通孔11,12が設けられており、両挿通孔11,12は一直線上となるように、各板状部材5,6に貫設されている。適宜間隔を有する二枚の板状部材5,6に挿通孔11,12が設けられることにより、この両者11,12に対し同時に挿通される長尺部材BPを、離れた二点で支持することができ、スライダ本体1が長尺部材BPの軸線方向に沿って同じ姿勢を維持しつつ移動できるようにしている。また、この挿通孔11,12の周辺には、前記リブ51,52,61,62と同様に幅方向に適宜寸法の円形リブ53,63が設けられ、ちょうど挿通孔11,12が円形リブ53,63の中央に設けられる状態となっている。この円形リブ53,63が設けられることにより、挿通孔11,12の内周縁部の強度を向上させることができるとともに、挿通孔11,12の内部に所定面積の壁面を形成することができる。そして、この所定面積の内部壁面が、長尺部材BPの表面と適宜長さで摺接することができることとなり、前記摺接部13とともに、長尺部材BPの表面に沿った摺動を可能にしている。
図3(a)は、スライダ本体1の二枚の板状部材5,6の中間位置における断面を示す図である。この図に示すように、連結部材7は、板状部材5,6の全面を連結するものではなく、挿通孔11,12のほぼ中心を境界として、片方(背面側(図中上側))の範囲(これを連結領域71と称する)においてのみ連結するものである。このように、連結領域71においてのみ連結部材7を設けることにより、挿通孔11,12が設けられる一直線上の中心線に沿って、かつ、同径の半円筒状を連結部材7の一部に形成することによって、当該半円筒状部分の表面が摺接部13として構成されることとなる。また、連結部材7が設けられていない範囲(これを開放領域72と称する)は、スライダ本体1の他方(表面側(図中下側))に形成されることとなり、当該開放領域72の範囲内に収まる大きさ・形状により押圧部材2を構成することによって、係止状態において、押圧部材2をスライダ本体1の内部(開放領域72)に収納させることが可能となる。
さらに、連結部材7は、連結領域71において、板状部材5,6が形成する略長方形の片方短辺側に、部分的に連結されていない部分を設け、当該部分に押圧部材2の基端部(軸部)21,22を支持するための支持手段3,4を形成可能にしている(図1参照)。詳細には、図3(a)に示されているように、支持手段4が、板状部材6の一部を半円状に切り欠いた切欠部41と、この切欠部41に向かって突出する二つの突片42,43とで構成されているのである。二つの突片42,43の先端は、前記切欠部41が形成する半円の延長線により仮想円を形成したときの円周端縁に到達するように構成されており、当該仮想円は、押圧部材2の一方の軸部22の外周円と同径にしている。
すなわち、切欠部41と二つの突片42,43が、軸部22の外周縁に摺接することにより、当該軸部22を回動自在に支持するようになっているのである。また、突片42,43は、切欠部41の両端側遠方から仮想円の中心に向かって延出しており、突片42,43の先端に向かって徐々に接近するように設けられている。従って、押圧部材2の軸部22を二つの突片42,43の間に進入させることにより、突片42,43は徐々に先端の距離を大きくしながら軸部22を通過させ、その軸部22が切欠部41に当接するとき、突片42,43の先端が復元して、軸部22の離脱を制限できるようになっている。
このように、切欠部41と突片42,43とで軸部22を支持した状態を図3(b)に示す。この図に示すように、支持された軸部22は、当該位置において切欠部41および突片42,43の先端に摺接しつつ回動可能になっており、この軸部22の回動により、押圧部材2の全体が回動可能な状態でスライダ本体1に装着されるのである。なお、図3(a)では、一方の支持手段4のみが示され、図3(b)では、その支持手段4によって一方の軸部22が支持される状態のみが示されているが、他方の支持手段3も同様の構成であり、これに支持される他方の軸部21も同様に回動可能に支持されるものである。
また、図3(a)および(b)に示されているように、連結部材7は、連結領域71のうち、支持手段3,4が形成されない側において、その肉厚(前後方向(図中上下方向)の厚さ寸法)を薄くした部分が設けられている(この部分を被掛止部73と称する)。この被掛止部73には、連結部材7を部分的に貫通してなる係入孔14が設けられている。この係入孔14は、ちょうど押圧部材2の掛止部25が挿通できる大きさで設けられ、被掛止部73の背面側(図中上面側)には、この係入孔14の周辺の一部を切欠いて係入凹部15が形成されている。この係入凹部15は、押圧部材2の先端(掛止頭部26)が係入孔14を超えて被掛止部73の背面側に到達するとき、掛止頭部26に設けられた掛止突起27が係入できるように設けられているのである。
掛止突起27が係入凹部15に係入した状態を図3(c)に示す。この図に示すように、掛止部25に設けられる掛止頭部26が係入孔14を通過することによって、掛止部25の掛止頭部26が被掛止部73の背面側を引っ掛ける状態となり、さらに、係入凹部15に掛止突起27が係入することにより、掛止状態が容易に解けないようにしているのである。
なお、本実施形態では、押圧部材2の掛止部25が挿通できるように連結部材7に係入孔14を設けているが、掛止頭部26による連結部材7との掛止が可能であれば、掛止部25を挿通させる係入孔14を設ける必要はない。すなわち、本実施形態では、二枚の板状部材5,6を連結する連結部材7のほかに、係入孔14の近傍に両板状部材5,6を連結する共通のリブ8が形成されていることから(図1および図3参照)、掛止頭部26を連結部材7の背面側まで到達させるために、係入孔14を挿通させることとしたが、この共通リブ8を設けない構成とした場合は、連結部材7の側部を通って背面側に到達させることも可能である。
次に、押圧部材2の構成について詳述する。図1および図2において示されているように、押圧部材2の本体部分20は、略直方体状であり、長手方向の片方先端側20aを基端としてスライダ本体1との連結側とし、他方の先端側20bを自由端23としている。基端側20aには、前述のようにスライダ本体1の支持手段によって支持されるための軸部21,22が、本体部分20のうち、上面部20cおよび下面部20dから、それぞれ上下方向に突出するように設けられている。この軸部21,22の中心は、本体部分20のうち、スライダ本体1の連結部材7と当接する平面部(これを当接側壁面部20eと称する)に沿った位置に設定され、軸部21,22を軸として押圧部材2が回動するとき、当該当接側壁面部20eが、その軸回りに回転するように設けられている。
また、押圧部材2の本体部分20の当接側壁面部20eには、上下方向に母線を有する半円筒状に切欠かれ、その切欠き表面にねじ溝が刻設されたねじ溝形成部24が設けられている。このねじ溝形成部24は、当接側壁面部20eがスライダ本体1の連結部材7に当接したとき、スライダ本体1の摺接部13とともに略円筒状の空間を形成できるようになっている。また、上記ねじ溝形成部24に設けられるねじ溝は、係止すべき長尺部材BPの表面のねじ山に係合するように、ねじ山と同じピッチで形成されている。
押圧部材2の本体部分20の他端側20b(自由端23)には、本体部分20の長手方向から直交方向に突出する掛止部25が設けられている。この掛止部25は、スライダ本体1の連結部材7の背面側に到達する程度の突出長を有して設けられ、その先端部分に掛止頭部26と、さらに掛止頭部26の一部に掛止突起27を備えている。従って、掛止頭部26に設けられた掛止突起27がスライダ本体1の連結部材7の背面側に設けられた係入凹部15(図3(b)参照)に係入することによって、押圧部材2の自由端23を確実に掛止することができようになっている。
ここで、本実施形態の押圧部材2は、全体としてプラスチック等の合成樹脂で構成しており、掛止部25は、掛止の際に弾性変形可能としている。すなわち、掛止部25をスライダ本体1の係入孔14に挿通させる際、掛止頭部26のうち係入孔14の内部表面に対向する一部が、当該係入孔14の内部表面に接触して、掛止部25を広げるように(外向きに押し出すように)弾性変形させることとなる。そして、掛止頭部26がこの係入孔14を超える位置まで進行するとき、掛止部25が弾性力により復元し、掛止頭部26が被掛止部73の背面側に当接することとなり、掛止突起27が係入凹部15に係入することができるようにしているのである。
本発明の実施形態は、上記のような構成であるから、本実施形態の使用態様は次のとおりとなる。すなわち、スライダ本体1と押圧部材2は、予め、押圧部材2の軸部21,22をスライダ本体1の支持手段3,4によって回動可能に軸支させて一体としておき、スライダ本体1による長尺部材BPに沿った摺動の際には、スライダSLの全体が同時に移動できるようにしておく。この状態で、スライダ本体1の挿通孔11,12に長尺部材BPを挿通させ、これら挿通孔11,12の内面およびスライダ本体1の摺接部13を、当該長尺部材BPの表面に摺接させる。このとき、押圧部材2は、長尺部材BPを押圧しない状態としている。つまり、押圧部材2の本体部分20の当接側壁面部20eをスライダ本体1の連結部材7に当接しない状態としているのである。
上記のように、押圧部材2による押圧がされていない状態においては、スライダ本体1は、長尺部材BPのねじ山に係止されることはなく、その軸線に沿って自由に摺動が可能となる。この状態で、係止すべき位置まで移動し、その後、押圧部材2による押圧によって係止するのである。すなわち、押圧部材2の本体部分20のうち、当接側壁面20eがスライダ本体1の連結部材7に当接するように、軸部21,22を中心に回動させるのである。この回動は人為的に行うものである。そして、当接側壁面20eが連結部材7に当接するとき、当該当接側壁面20eに形成されているねじ溝形成部24が、長尺部材BPのうちの摺接部13に当接していない部分(摺接部13によって摺接されている反対側表面)に当接し、そのねじ溝FSを長尺部材BPのねじ山MSに係合させるのである。このねじ溝FSとねじ山MSとの係合により、スライダSLは全体として長尺部材BPの軸線方向への移動を制限されることとなり、当該長尺部材BPに対してスライダSLを係止状態とするのである。
さらに、上記にように係合した状態(すなわち、スライダSLの係止状態)において、押圧部材2の自由端23を強く押圧することにより、当該自由端23に設けられている掛止部25の先端とともに掛止頭部26が、スライダ本体1の連結部材7の背面側に押し出されることとなり、掛止頭部26によって連結部材7を掛止させるのである。この掛止により、前述のスライダSLの係止状態は維持されることから、一連の係止のための操作は完了するのである。
また、上記のように掛止部25による掛止が可能な状態は、十分に押圧部材2が長尺部材BPを押圧していることを意味するものである。すなわち、ねじ溝形成部24に形成されるねじ溝FSの周辺には、ねじ山部分(一つのねじ溝とこれに隣接するねじ溝との境界において盛り上がっている部分)が存在するため、このねじ山部分が長尺部材BPのねじ山MSに当接する場合(つまり係合が不十分な場合)には、ねじ溝形成部24のねじ山部分の高さ相当の隙間が、スライダ本体1と押圧部材2との間に存在することとなる。この隙間によって掛止頭部26は係入孔14を超えることができない状態となる(つまり、掛止できない状態となる)のである。従って、係合状態が良好であるか否かを掛止可能であるか否かによって判断することも可能となる。
また、本実施形態では、係止状態を解除することも可能にしている。すなわち、上記係止状態を解除する場合は、掛止頭部26による掛止を解くことにより、押圧部材2は回動が可能となり、この回動により、押圧部材2のねじ溝形成部24による長尺部材PBの係合を解除すればよいのである。このときの掛止頭部26の掛止解除は、掛止部25を強制的に弾性変形させればよく、掛止頭部26が連結部材7の背面側から離れる方向へ掛止部25の先端を指先等で押せばよいものである。なお、掛止状態においては、掛止突起27が係入凹部15に係入された状態であるが、掛止頭部26を連結部材7の背面側から離れるように掛止部25を変形させることにより、この掛止突起27は係入凹部15から脱することができるものである。
本発明の実施形態は上記のとおりであるから、ねじ山を有する長尺部材に係止すべき部材の係止装置として各方面に利用することができる。例えば、前掲の実開昭63−195410号(特許文献1)に示される作動伝達ケーブルにおける取付装置としても利用することができる。この場合、本実施形態のスライダSLは、スライダ本体1に設けられる連結部材7の背面側において他部材と連結させることにより、当該他部材の移動を制限させることができる。従って、スライダSLを固定側に連結することにより、動作伝達ケーブルを係止することが可能となる。
さらには、図4に示すような管の固定装置にも使用することができる。この場合、長尺部材としては、固定装置のベース部BSに立設される2本のボルトB1,B2が妥当する。そして、スライダ本体1の連結部材7の背面側には、円弧状の帯体で形成される管受け部PRを連結することにより、この管受け部PRをボルトB1,B2の軸線方向に向かって上下方向へ移動させ、適宜高さとなるように調整した後、その高さにおいて係止させることが可能となる。
なお、利用に際しては、本実施形態のスライダSLを単独で長尺部材BPに係止させる場合、スライダSLが長尺部材BPに対して周方向へ移動(回転)が自由な状態では、スライダSLの回転により係合するねじ溝FSとねじ山MSとが螺合する状態と同様に、螺進する可能性がある。そこで、長尺部材BPが固定側となる場合には、図4に示すような2本の長尺部材BPによる形態のように、スライダSLが回転できない状況であることが好ましい。
本発明の実施形態以上のとおりであるが、本発明がこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内において種々の態様をとり得るものである。例えば、図5に示すように、押圧部材2の上面部20cから僅かに突出する突起部28を設ける構成としてもよい。この突起部28は、押圧部材2が長尺部材BPを押圧しない状態(非押圧状態)において、上側の板状部材5に当接しない位置であって、かつ、押圧部材2の当接側壁面部20eが連結部材7に接近するとき、上側の板状部材5の下面部と摺接できる位置に設けられるものである。このような突起部28を設けることにより、押圧部材2による非押圧状態を維持させることが可能となる。すなわち、押圧部材2による非押圧状態においては、当該押圧部材2が軸部21,22を中心に回動が自在であるため、何らかの要因により押圧部材2が回動して、長尺部材BPの表面にねじ溝形成部24が接触する可能性があるところ、上記突起部28が、板状部材5の端縁に当接することにより、ストッパとして機能させることができ、不意に押圧部材2が回動することを防ぐことができるのである。そして、押圧部材2を長尺部材BPに係止させる状態(係止状態)とする場合には、押圧部材2を強制的に回動することによって、僅かに突出する突起部28は板状部材5の端縁との当接を容易に解除することとなる。このとき、突起部28は板状部材5の下面に摺接することとなり、押圧部材2の回動に対して摩擦抵抗を与えて、その回動速度を緩和させることができる。
さらに、図5に示されているように、板状部材5の側には突起部28の係入を許容し、突起部28を収容する突起部収容孔16を設ける構成としてもよい。このような構成の場合、突起部収容孔16は、押圧部材2が十分に回動し、長尺部材BPに係止できる状態に到達したとき、当該突起部28を収容できる位置に設けることが望ましい。このように構成することによって、押圧部材2を回動すべき範囲が明確となり、押圧部材2による好適な押圧状態の位置決めを可能にするものである。
なお、上記突起部28と突起部収容孔16との位置関係は、押圧部材2による押圧状態の位置決めを可能とするものであるが、非押圧状態における位置決めとして機能させてもよい。すなわち、図5では、非押圧状態における突起部28の位置は、板状部材5の外方としているが、突起部28を常に板状部材5の下面に摺接させる位置に設け、非押圧状態として適当な位置において突起部28を収容できる第二の突起部収容孔を設ける構成とすることも可能である。
また、上記以外の変形例としては次のような形態があり得る。すなわち、上記実施形態では、スライダ本体1の構成として、適宜間隔(押圧部材2を収納できる間隔)を有して二枚の板状部材5,6を配置し、その間に押圧部材2が収納される形態のみ示したが、押圧部材2は、スライダ本体1の内部に収納される構成であることに限定するものではなく、また、板状部材5,6で構成された形態に限定されるものでもない。例えば、上記の実施形態では、板状部材5,6にリブ51,52,53,61,62,63を設けることによって、強度や摺接領域を確保するように構成しているが、これに変えて二枚の直方体を使用してもよく、さらに、全体を大きい直方体で構成し、押圧部材2との当接に必要となる部分を切欠いた構成としてもよい。
さらに、板状部材5,6は二枚である形態のみについて説明したが、この板状部材5,6は三枚以上使用してもよい。この場合、各板状部材の間に、それぞれ適宜間隔を有して配置すれば、押圧部材2を複数使用する形態とすることもできおる。さらには、複数の間隙のうち任意の間隙を選択して押圧部材2を装着する形態とすることもできる。
また、前記の実施形態では、スライダ本体1および押圧部材2を個別に設け、押圧部材2の軸部21,22をスライダ本体1の支持手段3,4に支持させることによって、当該押圧部材2を回動自在に設けた構成であるが、これらスライダ本体1と押圧部材2とを一体的に構成してもよい。このような形態としては、図6(a)に示すように、スライダ本体1aの片方壁面30aと押圧部材2aとを薄肉の帯体40aで連結してなる構成とする場合があり得る。このように、薄肉帯体40aで両者を連結することにより、薄肉帯体40aを湾曲させることにより、押圧部材2aをスライダ本体1aの板状部材5a,6aの間に挿入することが可能となる。この場合においては、押圧部材2aによる長尺部材BPの係合を維持するため、スライダ本体1aの連結部材7aには二つの係入孔14a,14aが設けられ、これらに同時に係入する二つの掛止部25a,25aが押圧部材2aに設けられている。これら二組の係入孔14a,14aおよび掛止部25a,25aは、それぞれ長尺部材BPまたはねじ溝形成部24aの両側に一組ずつ配置されることにより、長尺部材BPに対するねじ溝形成部24aの押圧状態を良好にすることができるものである。
さらに、スライダ本体1と押圧部材2とを一体的に構成する形態としては、図6(b)に示すように、スライダ本体1bの片方壁面30bと押圧部材2bとを板状の支持部材40bで連結する構成もあり得る。この支持部材40bは、二枚の板状部材40ba,40bbが、薄肉境界部40bcで折曲可能に設けられる構成であり、一方の板状部材40baは、スライダ本体1bの片方壁面30bから突出するように設けられ、他方の板状部材40bbは、押圧部材2bから突出するように設けられている。このように構成することにより、薄肉境界部40bcで折曲することによって、スライダ本体1bを構成する板状部材5b,6bの間に押圧部材2bを挿入させることが可能となる。なお、このような構成の場合においても、押圧部材2bによる長尺部材BPの係合を維持するため、スライダ本体1bの連結部材7bには二つの係入孔14b,14bが設けられ、押圧部材2bには、二つの掛止部25a,25aが、それぞれ長尺部材BPまたはねじ溝形成部24bの両側に設けられるものである。
なお、スライダ本体1と押圧部材2とを個別に構成する形態においては、両者のうちのいずれか一方(特に押圧部材2)を交換することが可能であることから、長尺部材BPのねじ山MSのピッチ等が異なる場合には、押圧部材2のねじ溝形成部24のねじ溝FSのピッチ等が前記ねじ山MSに合致するものに変更でき、適宜係合可能なものを選択することができるという利点を有することとなる。
1 スライダ本体
2 押圧部材
3,4 支持手段
5,6 板状部材
7 連結部材
8 共通リブ
11,12 挿通孔
13 摺接部
14 係入孔
15 係入凹部
16 突起部収容孔
20 押圧部材の本体部分
20a 基端側
20b 自由端側
20c 上面部
20d 下面部
20e 当接側壁面部
21,22 軸部(基端部)
23 自由端
24 ねじ溝形成部
25 掛止部
26 掛止頭部
27 掛止突起
28 突起部
41 切欠部
42,43 突片
51,52,61,62 リブ
53,63 円形リブ
71 連結領域
72 開放領域
73 被掛止領域
BP 長尺部材
FS ねじ溝
MS ねじ山
SL スライダ

Claims (7)

  1. ねじ山を有する長尺部材に対し、この長尺部材の軸線方向に移動可能なスライダを該長尺部材に係止する係止装置であって、前記スライダは、前記長尺部材の軸線に沿って移動可能なスライダ本体と、このスライダ本体に回動自在に設けられ、該スライダ本体とともに前記長尺部材を挟んで係止する押圧部材とを備え、前記スライダ本体は、前記長尺部材の挿通を許容する挿通孔と、長尺部材表面に摺接する摺接部とを備え、前記押圧部材は、前記長尺部材のねじ山に係合するねじ溝を形成してなるねじ溝形成部と、このねじ溝形成部を前記長尺部材の表面に押圧した状態で前記スライダ本体に掛止する掛止部とを備えることを特徴とする係止装置。
  2. 前記スライダ本体の摺接部は、母線方向に適宜長さを有する半円筒状の平滑な内部表面により形成された摺接部である請求項1に記載の係止装置。
  3. 前記スライダ本体の挿通孔は、前記摺接部に連続する内部表面を有し、該摺接部を形成する半円筒状と同じ内径によって形成されるとともに、その内部表面を平滑にしてなる挿通孔である請求項2に記載の係止装置。
  4. 前記押圧部材は、前記スライダ本体に装着される軸部を備え、前記スライダ本体は、該軸部を回動自在に軸支するための支持手段を備える請求項1ないし3のいずれかに記載の係止装置。
  5. ねじ山を有する長尺部材に対し、この長尺部材の軸線方向に移動可能なスライダを該長尺部材に係止する係止装置であって、前記スライダは、前記長尺部材の軸線に沿って移動可能なスライダ本体と、このスライダ本体に回動自在に設けられ、該スライダ本体とともに前記長尺部材を挟んで係止する押圧部材とを備え、前記スライダ本体は、適宜間隔で平行に配置された少なくとも2枚の板状部材と、この板状部材の全てに対し一直線上で貫設し、前記長尺部材の挿通を許容する挿通孔と、前記適宜間隔を保持しつつ前記各板状部材を連結する連結部材と、この連結部材の片方表面に前記挿通孔の内部表面に連続しつつ該挿通孔の内径と同径の半円筒状内部表面で形成され、前記長尺部材の表面に摺接する摺接部とを備え、前記押圧部材は、前記板状部材の間に配置される本体部分と、該板状部材によって回動自在に軸支される軸部と、前記長尺部材のねじ山に係合するねじ溝を形成してなるねじ溝形成部と、このねじ溝形成部を前記長尺部材の表面に押圧した状態で該回動を制限する掛止部とを備えたことを特徴とする係止装置。
  6. 前記押圧部材の掛止部は、先端に掛止爪を備えるとともに、該押圧部材の自由端から突出する掛止部であり、前記スライダ本体は、前記掛止部の先端付近の挿通を許容するとともに、前記掛止爪の掛止を受ける被掛止部を備える請求項5に記載の係止装置。
  7. 前記押圧部材は、配置される両側に位置する板状部材の表面に向かって突設され、軸部を中心に回動するとき該板状部材の表面に摺接する突起部を備えている請求項5または6に記載の係止装置。
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