JP6500259B2 - 固定具 - Google Patents

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Description

本発明は、取付対象物に目的物を固定するための固定具に関する。
従来、一定幅の帯状の開口部が形成された板部を表面に有し、前記板部より内側には、前記幅方向に前記開口部よりも広い一定幅を有する内部空間を備えたアルミフレーム(取付対象物)に、結束バンド(目的物)を固定するための固定具が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の固定具は、当該固定具が特定の姿勢とされたときに、前記開口部を介して前記内部空間に当該固定具の一部が挿入可能となる。その挿入後に固定具全体が前記板部の法線回りに90°回転されると、前記一部は、前記内部空間の幅方向両端内壁と前記板部の内側面とに面接触し、固定具がアルミフレームの所望位置に装着される。
意匠登録第1498221号公報
ここで、特許文献1に記載の固定具では、前記一部の、前記回転時に前記内壁との対向部を通過する面は、前記回転が円滑に行えるように、円柱面状に面取りされている。ところが、その面取りは、前記回転の軸に沿って見た形状が略長方形である前記一部の、一対の対角にのみ施されている。このため、前記固定具は、前記一部が前記内部空間に挿入された状態では、前記対角が前記内壁との対向部を通過する方向にしか回転させることができない。
一方、この種の固定具を用いた作業は、機械内部の隙間などの比較的狭い空間で行われる場合多い。このため、この種の固定具は、当該固定具を取付対象物に装着する際の回転方向が、一定の方向に制約されないことが望ましい。
そこで、本発明は、一定幅の帯状の開口部が形成された板部を表面に有し、前記板部より内側には、前記幅方向に前記開口部よりも広い一定幅を有する内部空間を備えた取付対象物に、目的物を固定する固定具において、取付対象物への装着時における回転方向に係る制約をなくすことを目的としてなされた。
以下に説明する固定具は、一定幅の帯状の開口部が形成された板部を表面に有し、前記板部より内側には、前記幅方向に前記開口部よりも広い一定幅を有する内部空間を備えた取付対象物に、固定すべき目的物を固定するための固定具であって、軸を前記板部に対して垂直方向に配置した姿勢で前記開口部に挿入可能で、前記開口部内で前記軸回りに任意に回転可能な断面形状を有する支柱と、前記支柱の一端に設けられ、前記開口部を挟んだ両側の前記板部に外側から当接して前記板部の外側から前記目的物が装着される基部と、前記支柱の軸と直交する第1の方向に前記支柱を挟んで設けられた一対の挟圧部であって、前記開口部の幅方向及び前記板部の法線方向の双方と直交する方向に前記第1の方向が配設される第1の姿勢とされたときに、前記支柱の他端と共に前記開口部を介して前記内部空間に挿入可能で、当該挿入後に前記第1の方向が前記幅方向と平行になる第2の姿勢とされたとき、前記板部を前記基部との間に挟み付ける前記一対の挟圧部と、前記支柱の軸に対して前記第1の方向に沿った両方向に伸びるように前記支柱と一体に設けられた係合部であって、前記一対の挟圧部が前記第1の姿勢とされたときに前記開口部を介して前記内部空間に挿入可能で、当該挿入後に前記支柱が前記軸回りに回転されることによって、前記一対の挟圧部が前記内部空間内で前記第1の姿勢から前記第2の姿勢へと変位する途中で、前記支柱の回転方向に拘わらず前記第1の方向両端が前記内部空間の幅方向両側内壁と干渉し、前記支柱が軸回りに更に回転されると、弾性変形しながら当該方向に回転され、前記一対の挟圧部が前記第2の姿勢まで変位すると、前記幅方向両側内壁の間に挟まれて安定して配置される前記係合部と、を備えたことを特徴とする。
このように構成された固定具では、支柱の軸に対して第1の方向に沿った両方向に伸びるように前記支柱と一体に設けられた係合部は、一対の挟圧部が第1の姿勢とされたとき、取付対象物の開口部を介してその内部空間に挿入可能となる。この係合部は、取付対象物の開口部を介してその内部空間に挿入された後、支柱が当該支柱の軸回りに開口部内で回転されると、次のような挙動をする。
すなわち、先ず、一対の挟圧部が、挿入時の第1の姿勢から、第1の方向が開口部の幅方向と平行になる第2の姿勢へと内部空間内で変位する途中で、支柱の回転方向に拘わらず、係合部の第1の方向両端は内部空間の幅方向両側内壁と干渉する。支柱が軸回りに更に回転されると、係合部は弾性変形しながら当該方向に回転される。そして、係合部は、一対の挟圧部が第2の姿勢まで変位すると、幅方向両側内壁の間に挟まれて安定して配置される。
なお、第1の姿勢とは、一定幅の帯状に構成された開口部の幅方向及びその開口部が形成された板部の法線方向の双方と直交する方向に第1の方向が配設される姿勢である。また、一対の挟圧部は、内部空間で第2の姿勢に配設されると、開口部を挟んだ両側の板部に外側から当接する基部との間に、当該板部を挟み付ける。これによって、固定具は取付対象物の所望位置に装着される。また、基部には、板部の外側から目的物が装着されるので、当該目的物を取付対象物の所望位置に固定することができる。なお、ここでいう固定とは、取付対象物に対する目的物の移動が、当該目的物の用途に応じた程度に抑制されることであってもよい。また、前記安定して配置されるとは、一対の挟圧部が第2の姿勢から第1の姿勢へ変位するのが抑制されることであってもよい。
支柱は、開口部内で軸回りに任意に回転可能な断面形状を有する。また、係合部の第1の方向両端は、支柱の回転方向に拘わらず、一対の挟圧部が第1の姿勢から第2の姿勢へと変位する途中で前記内壁と干渉し、弾性変形しながら更に回転される。このため、この固定具を取付対象物に装着する際、支柱の回転方向に係る制約がない。なお、一対の挟圧部が一旦第2の姿勢まで変位すると、固定具が取付対象物から取り外し可能となる第1の姿勢に戻るには、係合部の第1の方向両端と前記内壁との干渉に抗して支柱が回転される必要がある。このため、意図的な外力が加えられていないにも拘わらず一対の挟圧部が第2の姿勢から第1の姿勢まで変位するのが抑制され、目的物は安定して取付対象物に固定される。
また、この固定具では、特許文献1に記載の構成に比べて、前述のような第1の姿勢への変位を抑制する効果が摩耗等によって低下しにくい場合がある。これは、次のような理由による。特許文献1に記載の構成のように円柱面状に面取りされた部分が、支柱の回転中、内部空間の内壁に継続的に接する場合、そのように接触しながら回転されることによって前記部材の摩耗が生じる。また、摩耗が生じると、固定具の装着後にその固定具が支柱の軸回りに回転するのを抑制する効果が低減する。これに対して、この固定具では、一対の挟圧部が第2の姿勢と第1の姿勢との間を変位する途中で、係合部の第1の方向両端と前記内壁との間に干渉が起こればよく、摩耗等に対する耐久性が大きい。
なお、この固定具において、前記支柱は、前記一対の挟圧部が設けられた箇所よりも更に前記一端から離れる方向に延長された延長部を有し、前記係合部は、前記延長部を介して前記支柱に設けられていてもよい。その場合、一対の挟圧部と係合部との挙動が独立するので、挟圧部及び係合部の強度設計が容易となる。例えば、板部の厚さのばらつきや、内部空間の幅のばらつきにも容易に対応可能となる。
また、前記一対の挟圧部は、前記支柱との間に可撓性部分をそれぞれ挟んで設けられ、前記係合部は、前記一対の可撓性部分と前記一対の挟圧部とによって構成され、前記支柱が前記軸回りに回転されるとき、前記一対の挟圧部が前記内部空間の幅方向両端内壁と干渉し、前記支柱が軸回りに更に回転されると、前記一対の挟圧部は前記一対の可撓性部分を弾性変形させながら当該方向に回転され、前記第2の姿勢では前記一対の挟圧部は前記幅方向両端内壁の間に安定して配置されてもよい。この場合、前記係合部が前記一対の挟圧部を構成の一部として備えているので、固定具全体としての構成が簡略化される。
また、前記いずれかの固定具において、前記係合部における前記第1の方向両端は、前記内部空間内で前記一対の挟圧部が前記第2の姿勢とされたとき、前記幅方向両側内壁に、前記開口部の幅方向及び前記板部の法線方向の双方と直交する方向に沿って少なくとも線接触することによって前記幅方向両側内壁の間に安定して配置されてもよい。その場合、係合部における前記第1の方向両端が前記内壁に前記回転の方向に沿って線接触するので、意図的な外力が加えられていないにも拘わらず一対の挟圧部が第2の姿勢から他の姿勢に変位するのが良好に抑制され、目的物は一層安定して取付対象物に固定される。
更にその場合、前記係合部における前記第1の方向両端は、前記内部空間内で前記第2の姿勢とされたとき、前記幅方向両側内壁に面接触してもよい。その場合、係合部における前記第1の方向両端が前記内壁に面接触するので、意図的な外力が加えられていないにも拘わらず一対の挟圧部が第2の姿勢から他の姿勢に変位するのが一層良好に抑制される。
また、前記いずれかの固定具において、前記基部は、前記目的物の装着時に前記支柱とは反対側から前記目的物の一部が挿入される挿入穴を有し、前記支柱は、前記挿入穴を貫通した前記一部の先端に嵌合する凹部を備え、かつ、前記一対の挟圧部が前記板部の内側面に当接しているときに前記開口部内に配設される部分の断面形状が、前記開口部の幅と等しい直径を有する円形であってもよい。なお、本明細書において、開口部の幅と等しい直径を有する円形とは、必ずしも全く等しい直径でなくてもよい。例えば、支柱が開口部内で円滑に回転可能でかつ支柱がぶれない程度に前記幅よりも若干小さい実質的に等しい直径であってもよい。その場合、前記挿入穴と凹部とが設けられたことにより、目的物は、基部に形成された挿入穴と支柱に形成された凹部とによって支持される。このため、取付対象物に固定された目的物の姿勢が安定する。また、支柱が前記断面形状を有することにより、支柱の外周面が開口部の端縁に当接することで、固定具は一層安定して取付対象物に固定される。従って、目的物はより一層安定して取付対象物に固定される。
第1実施形態の固定具の構成を表す図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図、(G)は左上斜視図、(H)は右上斜視図、(I)は左下斜視図、(J)は右下斜視図、(K)は(B)のIK−IK線断面図である。 前記固定具をアルミフレームに装着した状態を表す図で、(A)は平面図、(B)は右上斜視図である。 前記固定具をアルミフレームに装着した状態を詳細に表す正面図である。 前記固定具に結束バンドを装着した状態を表す斜視図である。 前記固定具にクランプを装着した状態を表す図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図、(D)は右上斜視図、(E)は(C)のVE−VE線断面図である。 前記固定具の変形例の構成を表す図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は下面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は左上斜視図、(G)は右上斜視図、(H)は左下斜視図、(I)は右下斜視図、(J)は(B)のVIJ−VIJ線断面図である。 前記変形例の固定具に前記結束バンドを装着した状態を表す図で、(A)は平面図、(B)は斜視図である。 前記変形例の固定具に前記結束バンドを装着した状態を表す図で、(A)は正面図、(B)は(A)のIIXB−IIXB線断面図である。 前記変形例の固定具に他のクランプを装着した状態を表す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図、(D)は(C)のIXD−IXD線断面図、(E)は右上斜視図である。 第2実施形態の固定具の構成を表す図で、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は下面図、(D)は背面図、(E)は左側面図、(F)は右側面図、(G)は左上斜視図、(H)は右上斜視図、(I)は左下斜視図、(J)は右下斜視図、(K)は(B)のXK−XK線断面図である。 前記固定具をアルミフレームに装着した状態を詳細に表す正面図である。 前記固定具の各種変形例をアルミフレームに装着した状態を詳細に表す正面図である。
[1.第1実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1(A)〜図1(K)は本発明を適用した第1実施形態としての固定具1の構成を表している。この固定具1は、例えば図2(A),図2(B)に示すようなアルミフレーム90(取付対象物の一例)に装着される。アルミフレーム90は、外形が略正四角柱状であり、四つの側面の表面に板部91を有している。
[1−1. アルミフレームの構成]
図2(A),図2(B)に示すように、アルミフレーム90は、各側面の中心を長手方向に貫通する一定幅の帯状の開口部92をそれぞれ有し、各側面の板部91は開口部92を挟んで2枚に分割されている。また、前記正四角柱の稜を挟んで互いに隣接する板部91は、それぞれ、前記稜が円柱面状に面取りされたL字状の部分として構成されている。当該各L字状の部分は、アルミフレーム90の中心を通り中空正方形状断面を有するコア93に対角線に沿って連結されている。
その結果、アルミフレーム90における四つの開口部92の内側には、次のような内部空間95がそれぞれ形成される。図2(B)及び図3に示すように、この内部空間95は、開口部92の幅方向に当該開口部92の幅よりも広い一定幅を有する。また、内部空間95の内壁は、板部91に近い側から順に、一対の側面96(幅方向両端内壁及び幅方向両側内壁の一例)と、一対の斜面97(幅方向両側内壁の一例)と、底面98とを備える。一対の側面96は、開口部92よりも広い前記一定幅で互いに対向する。一対の斜面97は、その側面96における板部91から遠い側の端部から、徐々に互いに近接するように斜めに配置される。底面98は、一対の斜面97における板部91から遠い側の端部間に、当該開口部92が形成された板部91の内側面と平行に配置され、開口部92よりも広い幅を有して当該開口部92の全体と対向する。
[1−2.固定具の構成(全体構成及び基部の構成)]
固定具1は、当該固定具1の装着時に板部91の表面に配設される基部2と、当該装着時に内部空間95に配設される係合部4と、当該装着時に開口部92を通って基部2と係合部4とを連結する支柱6とを備えている。なお、固定具1は、合成樹脂により一体成形されている。
基部2は、支柱6の軸と平行な方向の辺が他の辺よりも短く支柱6の軸と直交する各辺が開口部92の幅よりも長い同一長さを有する略直方体状の外形を有する。係合部4は、支柱6の軸方向における位置が基部2と重ならないように設けられ、支柱6の軸と直交する一方向(以下、第1の方向という)に大きく構成されている。また、係合部4は、支柱6の軸方向及び前記第1の方向の双方と直交する第2の方向に係る幅が、開口部92の幅よりも小さく構成されている。
なお、以下の説明において、便宜上、支柱6の軸方向を上下方向といい、そのうち基部2から係合部4に向かう方向を下方向といい、前記第1の方向を左右方向といい、第2の方向を前後方向という場合がある。これらの方向は、説明の便宜上、仮に呼称を設定したもので、固定具1の配置及び姿勢はこれに限定されるものではない(後述の第2実施形態及び変形例も同様)。
基部2は、前述のように前後方向又は左右方向の各辺が開口部92の幅よりも長く、下面の中心が支柱6の上端に連接されている。また、基部2には、結束バンド70のバンド71(図4参照)を挿通させることのできる大きさの挿通穴21が前後方向に形成されている。基部2の左右側面には、前方から矩形の切欠23が形成され、基部2における切欠23が形成された部分に、バンド71を挿通させることのできる大きさの挿通穴24が左右方向に形成されている。
なお、挿通穴24は挿通穴21と基部2の内部で連通しており、挿通穴24の下面は、挿通穴21の下面における溝22が形成されていない部分と面一に配置されている。また、基部2の前側において一対の切欠23と挿通穴21と挿通穴24とで囲まれた部分は、基部2を上下に連結する一対の柱25となっている。また、基部2を切欠23と重ならない後側で上下に連結する一対の柱26は、柱25と同じ太さを有し、基部2の後端の左右両端に設けられている。このため、挿通穴21は、前側に比べて後側の方が左右方向に広く構成されている。
基部2の上面中央には、各種スナップ等を挿入可能な円形の挿入穴27が穿設され、基部2の内部で挿通穴21,24と連通している。また、挿入穴27の上部は、円錐面状に面取りされたテーパ部28となっている。
[1−3.固定具の構成(係合部及び支柱の構成)]
係合部4は、支柱6の下端に連接された板状部41と、その板状部41における左右方向両端に連接された一対の挟圧部42とを備えている。板状部41は、左右方向両端に短辺を有し前後方向両端に長辺を有する長方形板状に構成され、その長方形の中心が支柱6の中心と一致するように配設されている。一対の挟圧部42は、支柱6から左右方向に互いに隔離しながら上方に延びるように構成され、係合部4(すなわち板状部41及び一対の挟圧部42)が全体として矢尻型に構成されている。なお、板状部41のうち、支柱6に対する左右方向外側に連接されている部分が可撓性部分の一例に相当する。
各挟圧部42の上面42Aは、支柱6の軸と直交する平面状に構成され、その上面42Aと基部2の下面との間の距離は板部91の厚さよりも若干短い。なお、上面42Aと基部2の下面との間の距離は、板部91の厚さと同一であってもよい。また、各挟圧部42は、上面42Aの面積が、当該挟圧部42における板状部41との連接部の断面積よりも大きくなるように構成されている。
各挟圧部42の下面42Bは、板状部41の下面と滑らかに連接する斜面を構成している。また、この下面42Bの傾斜は、図3に示すように、内部空間95の斜面97よりも若干急に傾斜している。各挟圧部42の左右両側の側面42Cは、上下方向両端に長辺を有し前後方向両端に短辺を有する長方形状に構成されている。なお、左右の側面42Cの間隔は、内部空間95の一対の側面96の間隔よりも若干広い。また、上面42Aの前後方向両端は、テーパ面42Dによってそれぞれ面取りされており、側面42Cの前後方向両端は、円柱面42Eによってそれぞれ面取りされている。
支柱6には、板状部41を板厚方向に湾曲するように弾性変形させながら挟圧部42が変位した場合にも、当該挟圧部42が支柱6に接触するのを抑制できるように、下方部分の左右両側に切欠63が形成されている。また、支柱6の上部は、開口部92の幅と等しい直径の円形断面を有する。更に、支柱6の上部には、基部2における挿入穴27との対向位置に平面視円形の凹部65が形成されている。この凹部65の内部は、基部2の内部で挿通穴21,24と連通している。凹部65の内径は、大部分において挿入穴27の内径と同じであるが、最下部67は前記内径より小径の円形面とされ、当該最下部67の周囲は円錐面状に面取りされている。
[2.実施形態の使用例及び効果]
[2−1.固定具のアルミフレームへの装着例及びその効果]
このように構成された固定具1は、アルミフレーム90に装着される場合、固定具1の左右方向が開口部92の長手方向に平行に配設され、かつ、支柱6の軸方向が当該開口部92の両側の板部91に垂直となる第1の姿勢とされる。この姿勢では、係合部4は、開口部92を介して内部空間95に挿入可能となる。当該挿入後に、固定具1は支柱6の軸を中心にして90°回転されることによって、アルミフレーム90の所望位置に装着される。なお、この回転方向は時計方向,反時計方向のいずれであってもよい。
この装着時における各部の挙動を説明する。固定具1の回転方向に拘わらず、このように回転される途中で、一対の挟圧部42は内部空間95の一対の側面96と干渉する。支柱6が軸回りに更に回転されると、一対の挟圧部42は板状部41を弾性変形させながら当該方向に回転される。そして、固定具1の左右方向が開口部92の幅方向と平行になる第2の姿勢まで一対の挟圧部42が変位すると、係合部4は内部空間95の一対の側面96の間に安定して配置される。
すなわち、一対の挟圧部42が第2の姿勢に変位すると、板状部41が弾性復帰して、各挟圧部42の側面42Cが内部空間95の一対の側面96と所定の圧力(手動で固定具1を回転させることができる程度の圧力)で面接触する。このため、意図的な外力が加えられていないにも拘わらず一対の挟圧部42が第2の姿勢から他の姿勢に変位するのが良好に抑制される。
また、一対の挟圧部42は、内部空間95で第2の姿勢に配設されると、開口部92を挟んだ両側の板部91を基部2の下面との間に挟み付ける。すなわち、側面42Cが板状部41よりも上方にあるため、一対の側面96から加わる力は上面42Aを押し上げるモーメントを作用させる。換言するならば、一対の挟圧部42は、板状部41の両端に対して、基部2に近接し、かつ、支柱6から隔離する方向に連接されたことにより、係合部4が全体として矢尻型に構成されている。これによって、一対の挟圧部42が一対の側面96から押圧力を受けると、当該各挟圧部42がその押圧力によって板部91の内側面に圧接され、固定具1は、その装着位置がアルミフレーム90の所望位置からずれるのを抑制される。しかも、挟圧部42の上面42A及び側面42CからなるL字状の部分は、板部91の内側面と内部空間95の側面96とからなるL字状の部分に圧接される。すなわち、一対の挟圧部42は、内部空間95内で第2の姿勢に配設されると、一対の側面96と板部91の下面とにそれぞれ同時に面接触する。このため、固定具1は、その装着位置がアルミフレーム90の所望位置からずれるのを一層良好に抑制される。
また、支柱6は円形断面を有し、開口部92内で軸回りに任意に回転可能である。更に、一対の挟圧部42は、支柱6の回転方向に拘わらず、第1の姿勢から第2の姿勢へと変位する途中で側面96と干渉し、板状部41を弾性変形させながら更に回転される。このため、この固定具1をアルミフレーム90に装着する際、支柱6の回転方向に係る制約がない。
また、この固定具1では、前記第2の姿勢から他の姿勢に変位するのを抑制する効果が、摩耗等によって低下しにくい。これは、次のような理由による。特許文献1に記載の構成のように円柱面状に面取りされた部分が、支柱の回転中、内部空間の内壁に継続的に接する場合、そのように接触しながら回転されることによって前記部材の摩耗が生じる。また、摩耗が生じると、固定具の装着後にその固定具が支柱の軸回りに回転するのを抑制する効果が低減する。これに対して、本実施形態の固定具1では、一対の挟圧部42が第2の姿勢と第1の姿勢との間を変位する途中で側面96との間に干渉が起こればよく、摩耗等に対する耐久性が大きいからである。
また、このように、一対の挟圧部42が第2の姿勢と第1の姿勢との間を変位する途中で側面96と干渉して板状部41が弾性変形することにより、固定具1では、第1の姿勢から第2の姿勢に変位したとき又はその逆に変位したときにクリック感が得られる。このため、固定具1の着脱時に、作業者が固定具1を支柱6の軸回りに過剰に(すなわち90°以上)回転させてしまうことも抑制される。
特許文献1では、そのようなクリック感が得られるようにするためには弾性変形する突起等を新たに設ける必要があるが、固定具1では特別な突起等を設けることなく簡単な構成によってクリック感を得ることができる。
また、板状部41は、挟圧部42に比べて薄肉の板状に構成されているため、そのようなクリック感が一層良好に得られ、固定具1を支柱6の軸回りに回転させる作業も容易になる。しかも、各挟圧部42の側面42Cの前後方向両端には円柱面42Eが設けられているので、前記回転させる作業は一層円滑に行うことができる。更に、挟圧部42の下面42Bの傾斜は、内部空間95の斜面97よりも急であるので、板状部41を大きくすることが容易で、前記弾性変形が一層容易に起こるようにすることができる。
また、支柱6の上部の断面形状、すなわち、一対の挟圧部42が板部91の内側面に当接しているときに開口部92内に配設される部分の断面形状は、開口部92の幅と等しい直径を有する円形である。このため、支柱6の外周面が開口部92の端縁に当接することで、固定具1は一層安定してアルミフレーム90に固定される。なお、支柱6の上部断面は開口部92の幅よりも小さい直径を有する円形であってもよく、その方が開口部92内で支柱6を円滑に回転させることができる場合がある。また、支柱6の上部断面の形状は、開口部92の内部で任意に回転可能であればどのような形状であってもよく、例えば多角形等であってもよい。
[2−2.固定具への目的物の装着例]
このようにしてアルミフレーム90に装着された固定具1の基部2には、板部91の外側から、次のように結束バンド70,クランプ80等の各種目的物が装着される。なお、目的物の基部2への装着は、固定具1がアルミフレーム90に装着される前になされてもよい。
図4は、固定具1の基部2に、目的物としての結束バンド70が装着された状態を示している。図4に示すように、結束バンド70は、長尺状で屈曲可能なバンド71と、そのバンド71の基部72に連接された門型部73とを合成樹脂にて一体成形してなる周知の構成を有している。門型部73は、基部72に連接されることにより、その基部72と共にバンド穴74を形成している。バンド穴74の内側には、係止爪72A(図8参照)が突出している。
バンド71は、バンド穴74に挿通させることが可能な幅及び厚みを有するが、片面には断面形状が三角形の凸条75が平行状に多数配列されている。バンド71がバンド穴74に挿通されると、この凸条75のいずれかが係止爪72Aに係止される。バンド71がバンド穴74に挿通されて輪が作られる際に、電線等が輪に通されていると、バンド71を引いて輪が締められたときに、バンド71の凸条75のいずれかが係止爪72Aに係止される。このため、バンド71が緩むのが抑制され、電線等が結束される。また、バンド71がバンド穴74に挿通されて輪が作られる際に、バンド71が基部2の挿通穴21又は24に挿通されていれば、結束バンド70は基部2に装着されることができる。なお、図4は、バンド71が基部2の挿通穴24に挿通された状態を示してる。
図5(A)〜図5(E)は、固定具1の基部2に、目的物としてのクランプ80が装着された状態を示している。クランプ80は、例えばナイロン、ポリエチレン等の合成樹脂にて一体成形されている。
図5(A),図5(E)に示すように、クランプ80においては、基部81の一端部に開閉部材82が連接されている。開閉部材82は、中間部に設けられた薄肉のヒンジ部83にて屈伸可能で、先端にはU字状のフック部84が連接されている。フック部84には、自由端側外面に突起84Aが設けられている。このフック部84は、基部81の他端部に設けられた連結部材85に上方から開口した収容穴85Aに挿入される。すると、収容穴85Aの開口側端部内壁に形成された係止受85Bに突起84Aが係止される。クランプ80では、このようにして基部81、開閉部材82及び連結部材85によって閉鎖環が形成され、その閉鎖環によって例えば電線を保持することができる。
また、基部81の下部には支柱86が立設されている。この支柱86の先端部には、一対の弾性係止片87Aからなる矢尻型のスナップ87の頭部が連接されている。従って、弾性係止片87Aは、その上端を支柱86に近づける方向に弾性変形することができる。
一対の弾性係止片87Aの上端からはそれぞれ操作片88が延出されている。各操作片88は、各弾性係止片87Aの上端から板状の支柱86の両側に沿って平行状に延びた後、外側方向、すなわち支柱86を挟んで互いに反対方向に、緩やかな弓状に湾曲しながら延び、更にその先端が上向きに延びている。この操作片88は、外力が加わらない状態では開閉部材82及び連結部材85のいずれにも接触しないように形成されている。
このクランプ80は、次のようにして基部2に装着される。すなわち、先ず、挿入穴27にスナップ87の頭部が挿入され、例えば基部81の上面に力がかけられることによってスナップ87が挿入穴27に押し込まれる。すると、弾性係止片87Aが挿入穴27の内周から受ける反力で上端を支柱86に近づける方向に弾性変形しながら挿入穴27に進入する。
スナップ87が更に押し込まれて、弾性係止片87Aの上端が挿入穴27を通過すると、挿入穴27の内周から力が加わらなくなるので、弾性係止片87Aが弾性復帰して上端の端面を挿入穴27の周縁部に係止させる。また、このとき、スナップ87の頭部は、支柱6に形成された凹部65に嵌合する。このため、スナップ87は、挿入穴27と凹部65とによって支持されることになり、基部2に対するスナップ87の姿勢、ひいては、固定具1を介して固定されたアルミフレーム90に対する姿勢が安定する。なお、スナップ87は、外力が加わらないときは凹部65の内壁と接触しない。また、基部2に装着されたクランプ80において、操作片88が外側から押圧されて、各弾性係止片87Aの上端が支柱86に近づく方向に弾性変形されると、スナップ87は挿入穴27から抜去可能となる。
なお、挿入穴27及び凹部65には、図5(A)〜図5(E)に示したものの他、特開2007−113729号公報、特開2000−9262号公報、特開平6−275967号公報、意匠登録第1468678号公報等に記載された各種固定具類のスナップも、同様に装着することができる。
以上説明したように、固定具1はアルミフレーム90等の取付対象物への装着時における回転方向に係る制約がなく、その固定具1による目的物と取付対象物との固定状態も安定している。
[3.第1実施形態の変形例]
なお、固定具1の基部2の構成は、種々に変更することができる。図6(A)〜図6(J)に示す固定具100は、基部2の代わりに基部120を設けた点において固定具1と異なり、係合部4及び支柱6は固定具1と同様に構成されている。以下、基部120について説明する。
基部120は、基部2と同様の略直方体状の外形を有する。基部120にも、基部2と同様に結束バンド70のバンド71を挿通させることのできる大きさの挿通穴121が前後方向に形成されているが、その下面に溝は形成されていない。基部120には、バンド71を挿通させることのできる大きさの挿通穴124が左右方向に形成され、挿通穴121と基部120の内部で連通している。
基部120は、挿通穴121,124より下方の全周に、フランジ状に突出した板部122を有し、当該板部122の上面には、挿通穴121及び124の一方の開口部と対向する位置に、凸条123がそれぞれ設けられている。各凸条123は、自身に開口部が隣接された挿通穴121又は124の貫通方向及び上下方向と直交する方向に軸を有し、一側面が板部122上に配設された三角柱状に形成されている。すなわち、正面視では挿通穴121が、側面視では挿通穴124が、凸条123によって一部隠される。
このため、例えば、挿通穴121に結束バンド70のバンド71が図7,図8に示すように挿通されたとき、図8(B)に示すように、挿通穴121の開口部と凸条123との間にバンド71が挟まれ、仮固定される。従って、挿通穴121又は124に挿通された結束バンド70が自重で落下するのを抑制することができ、バンド71をバンド穴74に挿通して輪を作る作業も容易になる。
図6に戻って、また、基部120は、基部2の柱25,26と同様の位置に、同様の形状の柱125,126を有し、上面中央には、挿入穴27と同様の挿入穴127、及び、テーパ部28と同様のテーパ部128を有している。
さらに、基部120の上部における4つの角部からは、先端及び上面が丸く面取りされた4つの取っ手129が放射状に(すなわち、挿入穴27の中心から離れる方向に)突出している。このため、固定具100の着脱時に、その固定具100を支柱6の軸回りに回転させる作業が容易になる。
図9(A)〜図9(E)は、固定具100の基部120に、目的物としてのクランプ180が装着された状態を示している。このクランプ180も、クランプ80と同様に、例えばナイロン、ポリエチレン等の合成樹脂にて一体成形され、クランプ80の支柱86,スナップ87,操作片88と同様の支柱186,スナップ187,操作片188を備えてている。
図9に示すように、クランプ180においては、基部181の両端に支持腕182がそれぞれ連接されている。一対の支持腕182は上方に延び、その先端(すなわち基部181から離れた側の端部)には、肉薄のヒンジ部183を介して、互いに近接しつつ基部181に向かう方向に延びる押圧片184がそれぞれ形成されている。
このクランプ180では、基部181、一対の支持腕182及び一対の押圧片184によって、予め閉鎖環が形成されている。クランプ180では、一対の押圧片184の間から電線等が前記閉鎖環に挿入されることよって、当該電線等を保持することができる。
このクランプ180でも、挿入穴127にスナップ187が押し込まれ、弾性係止片187Aが上端の端面を挿入穴127の周縁部に係止されると、スナップ187の頭部は、支柱6に形成された凹部65に嵌合する。このため、スナップ187は、挿入穴127と凹部65とによって支持されることになり、基部120に対するスナップ187の姿勢、ひいては、固定具100を介して固定されたアルミフレーム90に対する姿勢が安定する。また、このとき、一対の操作片188のうち外側下方に向かって延びている部分は、取っ手129の間の凹部に嵌合する。このため、クランプ180が支柱186の軸回りに回転してしまうのを一層良好に抑制することができる。
[4.第2の実施形態の構成]
次に、図10(A)〜図10(K)に示す第2実施形態の固定具200について説明する。この固定具200における基部120は、下面に凸条120A(図10(C),(I),(J)参照)が設けられた点と、取っ手129に続く上面が盛り上がって形成されたことによりその間に溝120Bが形成された点とを除いて、前記変形例の基部120とほぼ同様に構成されている。そこで、図10(A)〜図10(K)では、各部の符号に図6〜図9で使用した符号を付して構成の詳細な説明を省略する。凸条120Aは、開口部92と同一若しくは若干狭い幅を有し、前後方向に延びている。このため、固定具200がアルミフレーム90に装着された第2の姿勢では、凸条120Aが開口部92に嵌合し、固定具200が支柱6回りに回転するのが抑制される。溝120Bは、取っ手129に続く部分に囲まれて、全体として平面視+字状の溝として構成される(図10(B),(H)参照)。この溝120Bの中心には、挿入穴127が包含される。このため、例えばクランプ180(図9参照)が挿入穴127に装着されると、操作片188の下部がこの溝120Bに嵌合し、クランプ180の回転を抑制することができる。クランプ80等、他の固定具が挿入穴127に装着された場合も、その一部が嵌合して同様の効果が生じる。
固定具200は、係合部204及び挟圧部242の構成が、第1実施形態及びその変形例とは異なる。一対の挟圧部242は、上面と支柱6側の面とを直交する2面として有する三角柱状の支持部243の上面に、一体に設けられている。すなわち、支柱6には左右方向(すなわち第1の方向)両側から一対の支持部243が突出し、その先端(すなわち支柱6から最も離れた位置)の上面に、直方体状の挟圧部242がそれぞれ設けられている。支持部243の上面は、支柱6の軸と直交する平面状に構成されているが、支持部243の下面は、先端に近づくほど上面に近づくように傾斜しており、支持部243全体としてある程度の可撓性を有する。また、挟圧部242の上面も、支柱6の軸と直交する平面状に構成され、その上面と基部120の下面との間の距離は板部91の厚さよりも若干短い。また、挟圧部242の上面の前後方向両端は、固定具1と同様に、後述の回転を容易にするようにテーパ面242D(図11参照)によってそれぞれ面取りされており、このテーパ面242Dは支持部243に亘って設けられている。
支柱6は、一対の支持部243が設けられた箇所よりも更に下方に延長された延長部240を有し、その延長部240の先端(すなわち下端)に、固定具1の板状部41と同様の板状部241が一体に設けられている。なお、本実施形態では、板状部241及び一対の延長部240及び一対の支持部243及びその間の支柱6は、前後方向の長さがほぼ同一(開口部92の幅以下)に構成され、延長部240は直方体状に構成されている。また、本実施形態では、支柱6に切欠63は設けられていないが、凹部65等は第1実施形態と同様に設けられている。
一対の係合部204は、板状部241の左右方向両端から、支持部243の下面とほぼ平行に斜めに突出している。このため、板状部241及び一対の係合部204は、全体として矢尻状に構成されている。また、一対の係合部204の先端部204Aにおける左右の側面204C(図10(I),(J)、図11参照)は、固定具1の側面42Cと同様に、左右方向に対して垂直で上下方向両端に長辺を有する長方形の平面状に構成されている。この側面204C間隔は、内部空間95の一対の側面96の間隔よりも若干広い。また、各側面204Cの下端と基部120の下面との間隔は、アルミフレーム90における斜面97と側面96との境界から板部91の表面までの間隔よりも若干狭い。また、各側面204Cの前後方向両端は、固定具1の円柱面42Eと同様の円柱面204E(図10(I),(J)参照)によってそれぞれ面取りされている。
[5.第2実施形態のアルミフレームへの装着例及びその効果]
このように構成された固定具200は、アルミフレーム90に装着される場合、固定具200の左右方向が開口部92の長手方向に平行に配設され、かつ、支柱6の軸方向が当該開口部92の両側の板部91に垂直となる第1の姿勢とされる。この姿勢では、係合部204及び支持部243は、開口部92を介して内部空間95に挿入可能となる。当該挿入後に、固定具1は支柱6の軸を中心にして90°(いずれの方向でもよい)回転されることによって、アルミフレーム90の所望位置に装着される。
このように回転される途中で、一対の係合部204は内部空間95の一対の側面96と干渉する。支柱6が軸回りに更に回転されると、一対の係合部204は弾性変形しながら当該方向に回転される。そして、固定具200の左右方向が開口部92の幅方向と平行になる第2の姿勢まで一対の挟圧部242が変位すると、図11に示すように、係合部204は内部空間95の一対の側面96の間に挟まれ、固定具200は開口部92の中心に安定して配置される。
すなわち、一対の挟圧部242が第2の姿勢に変位すると、一対の係合部204が弾性復帰して、各係合部204の側面204Cが内部空間95の一対の側面96と所定の圧力(手動で固定具1を回転させることができる程度の圧力)で面接触する。このため、意図的な外力が加えられていないにも拘わらず一対の挟圧部242が第2の姿勢から他の姿勢に変位するのが良好に抑制される。なお、一対の挟圧部242及び支持部243は、前記回転中に側面96と干渉しないように、左右方向の大きさが設計されている。
また、一対の挟圧部242は、内部空間95で第2の姿勢に配設されると、開口部92を挟んだ両側の板部91を基部120の下面との間に挟み付ける。このため、固定具200は、その装着位置がアルミフレーム90の所望位置からずれるのが良好に抑制される。さらに、本実施形態では、一対の挟圧部242が第2の姿勢に配設されると、凸条120Aが開口部92に嵌合する。このため、固定具200では、一対の挟圧部242が第2の姿勢から他の姿勢に変位するのが一層良好に抑制される。
また、本実施形態の固定具200も、第1実施形態と同様の理由で、アルミフレーム90への装着時における支柱6の回転方向に係る制約がない、第2の姿勢から他の姿勢に変位するのを抑制する効果が摩耗等によって低下しにくい、等の効果が生じる。また、一対の挟圧部242が第2の姿勢と第1の姿勢との間を変位する途中でクリック感が得られ、作業者が固定具200を支柱6の軸回りに過剰に回転させてしまうことが抑制される点も同様である。なお、係合部204は、支持部243との間に一定の隙間を有することによって容易に弾性変形し、第1実施形態と同様の円柱面204Eが設けられたことにより前記回転させる作業は一層円滑に行うことができる。なお、本実施形態でも、支柱6の上部断面の形状は、開口部92の内部で任意に回転可能であればどのような形状であってもよく、例えば多角形等であってもよい。
また、本実施形態では、一対の挟圧部242及び支持部243と係合部204との挙動が独立するので、挟圧部242及び支持部243と係合部204との強度設計が容易となる。例えば、板部91の厚さのばらつきや、側面96の間隔(すなわち内部空間95の幅)のばらつきにも容易に対応可能となる。特に、支持部243は前述のようないわゆる先細りとなった三角柱状に構成されているので、板部91が厚い場合でも支持部243の変形によって、その板部91を基部120と挟圧部242との間に挟むことができる。
また、本実施形態では、挟圧部242が第2の姿勢に配設されたときに係合部204と側面96との間に作用する圧力は、挟圧部242と板部91との間に作用する圧力に影響を与えないので、前者の圧力は前記クリック感を出して支柱6の回転を抑制する程度の圧力であってもよい。逆に、後者の圧力は前者の圧力に影響を与えないので、固定具200を開口部92の中心に配設することが一層良好にでき、左右いずれか一方の弾性変形が大きくなるのも抑制される。すなわち、一対の係合部204の弾性によって開口部92の中心に対する力のバランスが維持される。このため、係合部204,支持部243等の前後方向の大きさ並びに支柱6の直径を開口部92の幅よりも小さくして、係合部204等を開口部92に挿入しやすくすることも可能である。
[6.第2実施形態の変形例]
なお、固定具200の係合部204の構成は、種々に変更することができる。例えば、各係合部204の先端部204Aは、図12(A)に示すように斜面97における側面96に隣接する側の端に当接するように設計されてもよい。この場合、前述のように第1の姿勢から回転されるときに、各係合部204は、図11の例に比べて回転途中のより早い時点から変形し始め、その回転途中のより遅い時点まで変形し続ける。従って、その回転に必要とされるトルクが急激に変化するのを抑制することができる。すなわち、クリック感が強くなりすぎて却って操作性が低下するのを抑制することができる。
また、係合部204の先端部204Aは、図12(B)に示すように斜面97にのみ当接し、図12(A)の変形例に比べて斜面97により垂直に近い角度で当接するように設計されてもよい。この場合、固定具200全体を上方に押し上げる力が強くなる。従って、挟圧部242と板部91の下面との間に作用する摩擦力を一層強くして、固定具200の位置ずれを一層良好に抑制することができる。
また、図12(C)に示すように、各係合部204の先端部を、側面96に当接する先端部204Aと斜面97に当接する先端部204Bとに二股に分かれるように構成してもよい。この場合、先端部が二股に分かれて役割を分担することにより、図11の例の効果と図12(B)の変形例の効果との両方が期待できる。なお、これらの場合も、一対の係合部204は、支柱6の軸方向から見て全体として略矩形で、両端に長辺を有することが望ましい。略矩形とは、前記第2実施形態のように、完全な矩形ではなく周囲に面取り等の凹凸があってもよいという意味である。
[7.他の実施形態]
なお、本発明は前記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
[7A]前記各実施形態では、取付対象物としてのアルミフレーム90に目的物としての結束バンド70又はクランプ80若しくは180を固定したが、これに限定されるものではない。例えば、取付対象物はアルミフレーム90以外であってもよい。すなわち、取付対象物は、図2,図3に示した形状とは異なるアルミフレームであってもよく、他の金属製又はプラスチック製,木製等のフレームであってもよい。また、目的物は前記以外のものであってもよく、スナップやバンドとは全く異なる形状のものであってもよい。ただし、目的物が異なれば、それを取り付けるための基部2又は120の構成も変化する。
[7B]第1実施形態では、係合部4を、長方形板状の板状部41の両端に一対の挟圧部42を備えた矢尻型に構成したが、これに限定されるものではない。例えば、第1実施形態と同様の板状部41の左右方向両端に、板状部41より上方向に大きい直方体状の挟圧部を設けてもよい。また、第1実施形態と同様の板状部41の左右方向両端に設けられる挟圧部は、当該板状部41の両端から斜め上方にプロペラ状に突出されたものであってもよく、当該板状部41の両端から上方に突出した突起状のものであってもよい。更に、第1実施形態の板状部41よりも厚手の長方形板状の部材によって係合部を構成し、その部材の支柱6との隣接部にスリットを入れて撓みやすい可撓性部分とし、前記部材における左右方向両端のスリットがなく比較的高剛性の部分を挟圧部としてもよい。
[7C]更に、前記各実施形態又はその変形例において、挟圧部42の左右両側の側面42C又は係合部204の左右両側の側面204Cは、第2の姿勢に変位したときに必ずしも側面96に面接触する必要はない。第2の姿勢において、側面42C又は204Cは側面96又は斜面97と前後方向に線接触してもよく、全く接触しなくてもよい。後者の場合も、一対の挟圧部42又は係合部204が第2の姿勢と第1の姿勢との間を変位する途中で側面96又は斜面97との間に干渉を起こすので、前記各実施形態又はその変形例と類似の効果が得られる。
[7D]前記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、前記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、前記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の前記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
1,100,200…固定具 2,120…基部 4,204…係合部
6…支柱 21,24,121,124…挿通穴 27,127…挿入穴
41,241…板状部 42,242…挟圧部 42A…上面
42C,96,204C…側面 65…凹部 70…結束バンド
80,180…クランプ 90…アルミフレーム 91…板部
92…開口部 95…内部空間 120A,123…凸条
129…取っ手 240…延長部 243…支持部

Claims (5)

  1. 一定幅の帯状の開口部が形成された板部を表面に有し、前記板部より内側には、前記幅方向に前記開口部よりも広い一定幅を有する内部空間を備えた取付対象物に、固定すべき目的物を固定するための固定具であって、
    軸を前記板部に対して垂直方向に配置した姿勢で前記開口部に挿入可能で、前記開口部内で前記軸回りに任意に回転可能な断面形状を有する支柱と、
    前記支柱の一端に設けられ、前記開口部を挟んだ両側の前記板部に外側から当接して前記板部の外側から前記目的物が装着される基部と、
    前記支柱の軸と直交する第1の方向に前記支柱を挟んで設けられた一対の挟圧部であって、前記開口部の幅方向及び前記板部の法線方向の双方と直交する方向に前記第1の方向が配設される第1の姿勢とされたときに、前記支柱の他端と共に前記開口部を介して前記内部空間に挿入可能で、当該挿入後に前記第1の方向が前記幅方向と平行になる第2の姿勢とされたとき、前記板部を前記基部との間に挟み付ける前記一対の挟圧部と、
    前記支柱の軸に対して前記第1の方向に沿った両方向に伸びるように前記支柱と一体に設けられた係合部であって、前記一対の挟圧部が前記第1の姿勢とされたときに前記開口部を介して前記内部空間に挿入可能で、当該挿入後に前記支柱が前記軸回りに回転されることによって、前記一対の挟圧部が前記内部空間内で前記第1の姿勢から前記第2の姿勢へと変位する途中で、前記支柱の回転方向に拘わらず前記第1の方向両端が前記内部空間の幅方向両側内壁と干渉し、前記支柱が軸回りに更に回転されると、弾性変形しながら当該方向に回転され、前記一対の挟圧部が前記第2の姿勢まで変位すると、前記幅方向両側内壁の間に挟まれて安定して配置される前記係合部と、
    を備えたことを特徴とする固定具。
  2. 請求項1に記載の固定具であって、
    前記支柱は、前記一対の挟圧部が設けられた箇所よりも更に前記一端から離れる方向に延長された延長部を有し、
    前記係合部は、前記延長部を介して前記支柱に設けられたことを特徴とする固定具。
  3. 請求項1に記載の固定具であって、
    前記一対の挟圧部は、前記支柱との間に可撓性部分をそれぞれ挟んで設けられ、
    前記係合部は、前記一対の可撓性部分と前記一対の挟圧部とによって構成され、
    前記支柱が前記軸回りに回転されるとき、前記一対の挟圧部が前記内部空間の幅方向両端内壁と干渉し、前記支柱が軸回りに更に回転されると、前記一対の挟圧部は前記一対の可撓性部分を弾性変形させながら当該方向に回転され、前記第2の姿勢では前記一対の挟圧部は前記幅方向両端内壁の間に安定して配置されることを特徴とする固定具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の固定具であって、
    前記係合部における前記第1の方向両端は、前記内部空間内で前記一対の挟圧部が前記第2の姿勢とされたとき、前記幅方向両側内壁に、前記開口部の幅方向及び前記板部の法線方向の双方と直交する方向に沿って少なくとも線接触することによって前記幅方向両側内壁の間に安定して配置されることを特徴とする固定具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の固定具であって、
    前記基部は、前記目的物の装着時に前記支柱とは反対側から前記目的物の一部が挿入される挿入穴を有し、
    前記支柱は、前記挿入穴を貫通した前記一部の先端に嵌合する凹部を備え、かつ、前記一対の挟圧部が前記板部の内側面に当接しているときに前記開口部内に配設される部分の断面形状が、前記開口部の幅と等しい直径を有する円形であることを特徴とする固定具。
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