JP2013163279A - 複合生地、衣料及び肌着 - Google Patents
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Abstract
【課題】肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた複合生地を提供する。また、該複合生地を用いて製造される衣料及び肌着を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とが積層されており、前記ポリウレタンを含有する不織布の比率が、前記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して0.5〜10重量部である複合生地。
【選択図】なし
【解決手段】熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とが積層されており、前記ポリウレタンを含有する不織布の比率が、前記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して0.5〜10重量部である複合生地。
【選択図】なし
Description
本発明は、肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた複合生地に関する。また、本発明は、該複合生地を用いて製造される衣料及び肌着に関する。
近年、夏季用の肌着として、清涼感に優れた繊維及び該繊維を用いた繊維製品が研究されている。
清涼感を高めるためには、例えば、肌にヒヤリとした感覚、即ち、接触冷感を与える繊維を用いることが行われる。このような接触冷感を与える繊維を得る方法として、従来、例えば、繊維の吸水性を向上させたり、繊維の熱伝導性を向上させたりする方法等が行われてきた。吸水性を向上させた繊維としては、例えば、カルボキシル基、水酸基等の親水性基を導入した樹脂からなる繊維等が挙げられる。また、熱伝導性を向上させた繊維としては、例えば、熱伝導性の高いフィラーを練り込んだ樹脂からなる繊維、表面にメッキ処理を施した繊維等が挙げられる。しかしながら、このような繊維を用いた場合、実際にヒトによる官能試験を行うと、ほとんど未処理のものと変わるところがなく、接触冷感を実感できないという問題があった。
清涼感を高めるためには、例えば、肌にヒヤリとした感覚、即ち、接触冷感を与える繊維を用いることが行われる。このような接触冷感を与える繊維を得る方法として、従来、例えば、繊維の吸水性を向上させたり、繊維の熱伝導性を向上させたりする方法等が行われてきた。吸水性を向上させた繊維としては、例えば、カルボキシル基、水酸基等の親水性基を導入した樹脂からなる繊維等が挙げられる。また、熱伝導性を向上させた繊維としては、例えば、熱伝導性の高いフィラーを練り込んだ樹脂からなる繊維、表面にメッキ処理を施した繊維等が挙げられる。しかしながら、このような繊維を用いた場合、実際にヒトによる官能試験を行うと、ほとんど未処理のものと変わるところがなく、接触冷感を実感できないという問題があった。
これに対し、本発明者は、熱可塑性エラストマーを紡糸して得た繊維が接触冷感に優れることを見出し、特許文献1に、熱可塑性エラストマーを含有する接触冷感に優れた繊維を開示している。更に、本発明者は、特許文献2に、2種類のポリアミド系エラストマーの樹脂混合物を含有する繊維を開示している。
しかしながら、近年、特にスポーツウェア等の用途においてはますます高度な機能が要求されており、従来以上に高いレベルで着用者に清涼感を与えることのできる新たな繊維又は繊維製品が求められている。
しかしながら、近年、特にスポーツウェア等の用途においてはますます高度な機能が要求されており、従来以上に高いレベルで着用者に清涼感を与えることのできる新たな繊維又は繊維製品が求められている。
本発明は、肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた複合生地を提供することを目的とする。また、本発明は、該複合生地を用いて製造される衣料及び肌着を提供することを目的とする。
本発明は、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とが積層されており、前記ポリウレタンを含有する不織布の比率が、前記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して0.5〜10重量部である複合生地である。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とを特定の重量比で積層することにより、肌に接触冷感を与えることができるとともに放熱性にも優れた複合生地が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。このような複合生地を用いることにより、例えばスポーツシーン等における体温上昇を抑制し、従来以上に高いレベルで着用者に清涼感を与えることができる。
本発明の複合生地は、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とが積層された複合生地である。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、肌から体温を奪って肌にヒヤリとした感覚、即ち、接触冷感を与えることができ、一方、肌から離れている間には放熱することができる。そして、このような熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地に加えてポリウレタンを含有する不織布を有することにより、本発明の複合生地は、更に優れた放熱性を発揮することができる。なお、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地のみでは、放熱性が不充分となり、ポリウレタンを含有する不織布のみでは、水分を含まないと、水分の気化熱がないため、吸熱性が不充分となる。
上記熱可塑性エラストマーは特に限定されないが、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、肌から体温を奪って肌にヒヤリとした感覚、即ち、接触冷感を与えることができ、一方、肌から離れている間には放熱することができる。そして、このような熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地に加えてポリウレタンを含有する不織布を有することにより、本発明の複合生地は、更に優れた放熱性を発揮することができる。なお、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地のみでは、放熱性が不充分となり、ポリウレタンを含有する不織布のみでは、水分を含まないと、水分の気化熱がないため、吸熱性が不充分となる。
上記熱可塑性エラストマーは特に限定されないが、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーが好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリアミド系エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリエーテルブロックアミド共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリエステルアミド共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリアミド系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、ペバックス(アルケマ社製)、UBEナイロン(宇部興産社製)、グリロンELX、グリルアミドELY(以上、エムス昭和電工社製)、ダイアミド、ベスタミド(以上、ダイセル・デクサ社製)等が挙げられる。
上記ポリアミド系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、ペバックス(アルケマ社製)、UBEナイロン(宇部興産社製)、グリロンELX、グリルアミドELY(以上、エムス昭和電工社製)、ダイアミド、ベスタミド(以上、ダイセル・デクサ社製)等が挙げられる。
上記ポリエステル系エラストマーは特に限定されず、例えば、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリエステル系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、グリラックス(DIC社製)、ヌーベラン(帝人化成社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、プリマロイ(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ポリエステル系エラストマーのうち市販されているものとしては、例えば、グリラックス(DIC社製)、ヌーベラン(帝人化成社製)、ペルプレン(東洋紡績社製)、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、プリマロイ(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーのなかでも、下記式(1)で表されるポリエーテルブロックアミド共重合体は、極めて優れた接触冷感を与える繊維が得られること、紡糸性に優れること、及び、比重が軽く、軽い生地を作製できる繊維が得られることから特に好適である。
上記式(1)で表されるポリエーテルブロックアミド共重合体のうち市販されているものとしては、例えば、ペバックス(アルケマ社製)等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、上記熱可塑性エラストマーのみを含有する繊維であってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、べたつき感を軽減したり、紡糸性を向上させたり、風合い、肌触り等の衣料又は肌着に必要な要件を改善したりするために、上記熱可塑性エラストマー以外の他の樹脂を併用した繊維であってもよい。
上記他の樹脂は特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、PET、PBT、PTT等のポリエステル系樹脂、レーヨン、アクリル等が挙げられる。上記他の樹脂のなかでも、ポリアミド系樹脂が好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記他の樹脂は特に限定されず、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド系樹脂、PET、PBT、PTT等のポリエステル系樹脂、レーヨン、アクリル等が挙げられる。上記他の樹脂のなかでも、ポリアミド系樹脂が好適である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維が上記他の樹脂を含有する場合、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、上記熱可塑性エラストマーと上記他の樹脂との混合物を紡糸して得られる繊維であってもよいし、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維と上記他の樹脂を含有する繊維とを交編織して得られる繊維であってもよいし、コンジュゲート繊維であってもよい。
上記コンジュゲート繊維は特に限定されず、例えば、芯鞘型コンジュゲート繊維、サイドバイサイド型コンジュゲート繊維、放射型コンジュゲート繊維、中空環状型コンジュゲート繊維等が挙げられる。
上記コンジュゲート繊維は特に限定されず、例えば、芯鞘型コンジュゲート繊維、サイドバイサイド型コンジュゲート繊維、放射型コンジュゲート繊維、中空環状型コンジュゲート繊維等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維が上記芯鞘型コンジュゲート繊維である場合、芯部に上記熱可塑性エラストマー、鞘部に上記他の樹脂を用いてもよいし、芯部に上記他の樹脂、鞘部に上記熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
上記芯鞘型コンジュゲート繊維の形状は特に限定されず、例えば、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した場合の断面形状が真円であってもよいし、楕円等であってもよい。また、芯部と鞘部とが同心円状に形成された同心芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよく、芯部と鞘部とが偏心的に形成された偏心芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよい。更に、鞘部の一部が開口した部分開口芯鞘型コンジュゲート繊維であってもよい。加えて、繊維の長さ方向に対して垂直に切断した場合に芯部が複数存在するような構造であってもよい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、本発明の効果を損なわない範囲で、無機充填剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、無機物、高級脂肪酸塩等の添加剤を含有してもよい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、短繊維であってもよいが、フィラメントであることが好ましい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維の繊度は、好ましい下限が20dtex、好ましい上限が150dtexである。繊度が20dtex未満であると、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、肌から充分に体温を奪うことができなかったり、肌から離れている間に充分に放熱することができなかったりすることがある。繊度が150dtexを超えると、複合生地が厚くなり、通気性が悪化して着用時の快適性が低下することがある。上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維の繊度は、より好ましい下限が25dtex、より好ましい上限が100dtexである。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維のみを含有する生地であってもよいが、本発明の効果を損なわない範囲で、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維以外の他の繊維を併用した生地であってもよい。
上記他の繊維は特に限定されず、例えば、上述したような上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維に含まれる他の樹脂と同様の樹脂を紡糸して得られる繊維等が挙げられる。また、上記他の繊維として、ポリウレタンを紡糸して得られる繊維も好ましい。
上記他の繊維は特に限定されず、例えば、上述したような上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維に含まれる他の樹脂と同様の樹脂を紡糸して得られる繊維等が挙げられる。また、上記他の繊維として、ポリウレタンを紡糸して得られる繊維も好ましい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維が上記他の樹脂を含有する場合、及び/又は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地が上記他の繊維を含有する場合、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地における上記熱可塑性エラストマーの混率は、好ましい下限が75重量%である。上記記熱可塑性エラストマーの混率が75重量%未満であると、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地は、肌から充分に体温を奪うことができず、肌に充分な接触冷感を与えることができないことがある。上記熱可塑性エラストマーの混率のより好ましい下限は80重量%である。また、上記熱可塑性エラストマーの混率の上限は特に限定されず、100重量%であってもよい。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地は、目付の好ましい下限が90g/m2、好ましい上限が300g/m2である。目付が90g/m2未満であると、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地において熱又は水分が移動しにくくなり、肌に充分な接触冷感を与えることができないことがある。目付が300g/m2を超えると、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の重量又は熱伝達抵抗が増加し、肌に充分な接触冷感を与えることができないことがある。目付のより好ましい下限は105g/m2、より好ましい上限は245g/m2である。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の厚みは、好ましい下限が複合生地の総厚みの40%、好ましい上限が複合生地の総厚みの98%である。このような厚みとすることで、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布との重量比を後述する範囲内とすることが容易となる。上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の厚みは、より好ましい下限が複合生地の総厚みの60%、より好ましい上限が複合生地の総厚みの90%である。
なお、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の厚みの具体的な値は、好ましい下限が50μm、好ましい上限が1000μmであり、より好ましい下限が80μm、より好ましい上限が900μmである。
なお、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の厚みの具体的な値は、好ましい下限が50μm、好ましい上限が1000μmであり、より好ましい下限が80μm、より好ましい上限が900μmである。
上述のように、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維は、肌から体温を奪って肌に接触冷感を与えることができる一方で、肌から離れている間には放熱することができる。そして、このような熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地に加えてポリウレタンを含有する不織布を有することにより、本発明の複合生地は、更に優れた放熱性を発揮することができる。
上記ポリウレタンは、疎水性ポリウレタンであっても親水性ポリウレタンであってもよいが、放熱性に加えて、より吸熱性にも優れた複合生地が得られることから、疎水性ポリウレタンであることが好適である。
上記ポリウレタンは、疎水性ポリウレタンであっても親水性ポリウレタンであってもよいが、放熱性に加えて、より吸熱性にも優れた複合生地が得られることから、疎水性ポリウレタンであることが好適である。
上記疎水性ポリウレタンは、高分子ポリオールと、ジイソシアネートと、鎖伸張剤とを反応させて得られることが好ましい。また、単官能性活性水素原子を有する末端停止剤を更に反応させてもよい。
上記高分子ポリオールは特に限定されず、例えば、実質的に線状のホモ又は共重合体からなるジオール等が挙げられ、具体的には例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、並びに、これらの混合物及び共重合物等が挙げられる。
上記ポリエステルジオールとして、例えば、アジピン酸、フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類との縮合脱水反応により得られるアジペート系ポリエステルジオール、ε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルジオールとして、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基とからなる共重合ポリエーテルグリコール、テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基とからなる共重合ポリエーテルグリコール等が挙げられる。
上記ポリエステルジオールとして、例えば、アジピン酸、フタル酸等の二塩基酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類との縮合脱水反応により得られるアジペート系ポリエステルジオール、ε−カプロラクトンの開環重合により得られるポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルジオールとして、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基とからなる共重合ポリエーテルグリコール、テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基とからなる共重合ポリエーテルグリコール等が挙げられる。
上記高分子ポリオールの数平均分子量は、500〜2500が好ましく、600〜2200がより好ましく、800〜1800が特に好ましい。
上記ジイソシアネートは特に限定されず、脂肪族、脂環族又は芳香族のいずれであってもよく、具体的には例えば、4,4’−及び2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジイシシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、3−(α−イソシアナートエチル)フェニルイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、並びに、これらの混合物及び共重合物等が挙げられる。上記ジイソシアネートのなかでも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
上記鎖伸張剤として、例えば、低分子ジオールが用いられる。上記低分子ジオールは特に限定されず、例えば、エチレングリコール、1,2−及び1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−及び1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−及び1,4−ジメチロールシクロヘキサン等が挙げられる。上記低分子ジオールのなかでも、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールが好ましい。
上記単官能性活性水素原子を有する末端停止剤は特に限定されず、例えば、モノアルコール、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、及び、これらの混合物等が挙げられる。
上記モノアルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ブタノール等が挙げられる。
上記モノアルキルアミンとして、例えば、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
上記ジアルキルアミンとして、例えば、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。
上記モノアルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3−メチル−1−ブタノール等が挙げられる。
上記モノアルキルアミンとして、例えば、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン等が挙げられる。
上記ジアルキルアミンとして、例えば、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジイソプロピルアミン等が挙げられる。
上記疎水性ポリウレタンを製造する方法は特に限定されず、従来公知のポリウレタン化反応を用いることができ、例えば、高分子ポリオールとジイソシアネートとをジイソシアネート過剰の条件下で反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、次いで、鎖伸張剤を用いてウレタンプレポリマーの鎖伸長反応を行う方法等が挙げられる。ウレタンプレポリマーの合成時、及び、鎖伸張剤とウレタンプレポリマーとの反応時には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等のアミド系極性溶媒を用いることができる。上記アミド系極性溶媒のなかでも、ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記疎水性ポリウレタンのうち市販されているものとしては、例えば、pandex1185、pandexT−8175N(以上、DIC社製)、レザミンPS22470(大日精化工業社製)等が挙げられる。
本明細書中、親水性ポリウレタンとは、構造中に親水性部分を付与したり多く存在させたりすることにより、親水性を高めたポリウレタンを意味する。
上記親水性部分として、例えば、エチレンオキシド基(−(OCH2CH2)n−)等のポリオキシアルキレン基(−(OR)n−、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、nは整数である)、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
上記親水性部分として、例えば、エチレンオキシド基(−(OCH2CH2)n−)等のポリオキシアルキレン基(−(OR)n−、Rは炭素数1〜5のアルキレン基、nは整数である)、スルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられる。
上記親水性ポリウレタンは、ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、鎖伸張剤とを反応させて得られたポリエーテル系ポリウレタンであることが好ましい。このようなポリエーテル系ポリウレタンは、軟質のエラストマーであり、数平均分子量が5000以上であることが好ましく、5000〜100000であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリオールとして、例えば、上述した疎水性ポリウレタンに使用されるポリエーテルジオール等が挙げられる。
上記ポリイソシアネートとして、上述した疎水性ポリウレタンに使用されるジイソシアネートに加えて、例えば、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等の脂環族イソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート等も挙げられる。
上記鎖伸張剤として、例えば、従来公知の多価アルコール、アミン等が挙げられ、特に、平均分子量が250以下の2価アルコールが好ましい。
上記鎖伸張剤として、上述した疎水性ポリウレタンに使用される低分子ジオールに加えて、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール等も挙げられる。
上記鎖伸張剤として、上述した疎水性ポリウレタンに使用される低分子ジオールに加えて、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の脂環族グリコール、キシリレングリコール等の芳香族グリコール等も挙げられる。
上記親水性ポリウレタンを製造する方法として、例えば、ポリエーテルポリオールと、ポリイソシアネートと、鎖伸張剤とを適当な有機溶剤中で必要に応じて触媒を使用して反応させる方法、無溶剤で溶融反応させる方法等が挙げられる。各原料の配合割合は、イソシアネート基/水酸基の当量比が0.9〜1.1程度となるように調整することが好ましい。
上記親水性ポリウレタンのうち市販されているものとして、例えば、アクアファイブAQ−60(吸水性ポリウレタン樹脂、オカダエンジニアリング社製)、レザミンPM−2081(大日精化工業社製)、サンプレンLQ−120(三洋化成工業社製)、ハイムレンY−237NS、ハイムレンY−210B(透湿性ポリウレタン樹脂)、ハイムレンY−119E(以上、大日精化工業社製)等が挙げられる。
上記ポリウレタンを含有する不織布は、不織布を構成する繊維の平均直径の好ましい下限が100nm、好ましい上限が1400nmである。このような平均直径とすることで、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布との重量比を後述する範囲内に調整し、肌に接触冷感を与えることができるとともに放熱性にも優れた複合生地を得ることが容易となる。平均直径が100nm未満であると、上記ポリウレタンを含有する不織布の生地強度が低くなることがある。平均直径が1400nmを超えると、複合生地における上記ポリウレタンを含有する不織布の比率が大きくなりすぎ、複合生地の放熱性又は吸熱性が低下することがある。平均直径のより好ましい下限は200nm、より好ましい上限は600nmである。
なお、本明細書中、不織布を構成する繊維の平均直径とは、走査型電子顕微鏡により繊維の直径を30点測定したときの平均値を意味する。
なお、本明細書中、不織布を構成する繊維の平均直径とは、走査型電子顕微鏡により繊維の直径を30点測定したときの平均値を意味する。
上記ポリウレタンを含有する不織布の厚みは、好ましい下限が複合生地の総厚みの2%、好ましい上限が複合生地の総厚みの60%である。このような厚みとすることで、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布との重量比を後述する範囲内とすることが容易となる。上記ポリウレタンを含有する不織布の厚みは、より好ましい下限が複合生地の総厚みの10%、より好ましい上限が複合生地の総厚みの40%である。
なお、上記ポリウレタンを含有する不織布の厚みの具体的な値は、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmであり、より好ましい下限が5μm、より好ましい上限が40μmである。
なお、上記ポリウレタンを含有する不織布の厚みの具体的な値は、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmであり、より好ましい下限が5μm、より好ましい上限が40μmである。
本発明の複合生地における上記ポリウレタンを含有する不織布の比率は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して、下限が0.5重量部、上限が10重量部である。上記ポリウレタンを含有する不織布の比率が上記範囲を外れると、複合生地の放熱性又は吸熱性が低下してしまう。上記ポリウレタンを含有する不織布の比率は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、より好ましい下限が2重量部であり、好ましい上限が8重量部、より好ましい上限が5重量部である。
本発明の複合生地は、qmax値の好ましい下限が0.20J/sec/cm2である。qmax値が0.20J/sec/cm2未満であると、官能試験を行っても大半の人が接触冷感を感じないことがある。qmax値のより好ましい下限は0.21J/sec/cm2、更に好ましい下限は0.22J/sec/cm2である。
なお、本明細書中、qmax値は、一定面積、一定質量の熱板に所定の熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱流量のピーク値である。qmax値は、着用時、特に安静時及び着用初期に試料に奪われる体温をシミュレートしていると考えられ、qmax値が大きいほど着用時に奪われる体温が大きく、接触冷感が高いと考えられる。
なお、本明細書中、qmax値は、一定面積、一定質量の熱板に所定の熱を蓄え、これが試料表面に接触した直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱流量のピーク値である。qmax値は、着用時、特に安静時及び着用初期に試料に奪われる体温をシミュレートしていると考えられ、qmax値が大きいほど着用時に奪われる体温が大きく、接触冷感が高いと考えられる。
本発明の複合生地は、目付の好ましい下限が100g/m2、好ましい上限が250g/m2である。目付が100g/m2未満であると、複合生地において熱又は水分が移動しにくくなり、肌に充分な接触冷感を与えることができないことがある。目付が250g/m2を超えると、複合生地の重量又は熱伝達抵抗が増加し、肌に充分な接触冷感を与えることができないことがある。目付のより好ましい下限は120g/m2、より好ましい上限は180g/m2である。
また、本発明の複合生地は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、上記ポリウレタンを含有する不織布とが積層された複合生地であれば、3層以上の層構造を有していてもよい。
本発明の複合生地を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地を作製した後、得られた生地の片面に電界紡糸法により上記ポリウレタンを吹き付けて上記ポリウレタンを含有する不織布を形成する方法、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、上記ポリウレタンを含有する不織布とをそれぞれ作製した後、これらを接着剤等を用いて貼り合わせる方法等が挙げられる。
なかでも、上述したような繊維の平均直径及び厚みを有する不織布を形成しやすいことから、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の片面に電界紡糸法により上記ポリウレタンを吹き付けて上記ポリウレタンを含有する不織布を形成する方法が好適である。このような方法によれば、更に、通気性、柔軟性等の性能にも優れた複合生地を得ることができ、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と上記ポリウレタンを含有する不織布との密着性を高め、生産工程を減らすこともできる。
なかでも、上述したような繊維の平均直径及び厚みを有する不織布を形成しやすいことから、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の片面に電界紡糸法により上記ポリウレタンを吹き付けて上記ポリウレタンを含有する不織布を形成する方法が好適である。このような方法によれば、更に、通気性、柔軟性等の性能にも優れた複合生地を得ることができ、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と上記ポリウレタンを含有する不織布との密着性を高め、生産工程を減らすこともできる。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地を作製する方法は特に限定されず、例えば、上記熱可塑性エラストマーを含有するペレットを用いて溶融紡糸等の従来公知の方法を用いて、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を作製した後、必要に応じて上記他の繊維と編成する方法等が挙げられる。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を上記他の樹脂を用いたコンジュゲート繊維とする場合は、例えば、上記熱可塑性エラストマーを含有するペレット、及び、上記他の樹脂を含有するペレットを複合紡糸装置に投入し、溶融紡糸することにより、コンジュゲート繊維を得ることができる。
上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を上記他の樹脂を用いたコンジュゲート繊維とする場合は、例えば、上記熱可塑性エラストマーを含有するペレット、及び、上記他の樹脂を含有するペレットを複合紡糸装置に投入し、溶融紡糸することにより、コンジュゲート繊維を得ることができる。
上記ポリウレタンを含有する不織布を電界紡糸法により得る方法としては、例えば、上記ポリウレタンをDMF、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチルエチルケトン、銅アンモニア水溶液、及び、これらの混合物等の溶媒に溶解した溶液を、「ES−2300」(ヒューエンス社製)等の電界紡糸装置を用いて吹きつける方法等が挙げられる。電界紡糸法での製造条件として、例えば、電圧−70〜70kV、ノズル径14〜32G、ノズル先端からコレクターまでの距離5〜30cm等が挙げられる。上記ポリウレタンの溶液中での濃度は、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
本発明の複合生地を用いて、肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた衣料及び肌着を製造することができる。このような衣料及び肌着を用いることにより、例えばスポーツシーン等における体温上昇を抑制し、従来以上に高いレベルで着用者に清涼感を与えることができる。本発明の複合生地は、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地が肌側となるように用いられても、上記ポリウレタンを含有する不織布が肌側となるように用いられてもよいが、肌に接触冷感をより充分に与えることができる点、長期に渡って使用しても複合生地の形態を保つことができる点等から、上記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地が肌側となるように用いられることが好適である。
本発明の複合生地を用いて製造される衣料及び肌着もまた、本発明の1つである。
本発明の複合生地を用いて製造される衣料及び肌着もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた複合生地を提供することができる。また、本発明によれば、該複合生地を用いて製造される衣料及び肌着を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
熱可塑性エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部を用いて溶融紡糸法にて製糸を行い、熱可塑性エラストマーを含有する繊維(繊度45dtex、24フィラメント構成)を得た。得られた熱可塑性エラストマーを含有する繊維、及び、ポリウレタンからなる糸(繊度33dtex)を用いてベア天竺編成となるように編み立てを行い、生地(熱可塑性エラストマーの混率73.0重量%、目付144.0g/m2)を作製した。
疎水性ポリウレタン樹脂(ウレタン系エラストマー、「Pandex1185」、DIC Bayer Ltd.製)をDMFに溶解し、23重量%DMF溶液とした。この23重量%DMF溶液を電界紡糸装置(「ES−2300」、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて上記で得られた生地の片面に吹きつけて電界紡糸を行い、ポリウレタンを含有する不織布を作製して複合生地を得た。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は26G(内径0.23mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。得られたポリウレタンを含有する不織布は、不織布を構成する繊維の平均直径が256nmであった。また、得られた複合生地の目付は156.0g/m2、生地(熱可塑性エラストマーの混率73.0重量%、目付144.0g/m2)100重量部に対するポリウレタンを含有する不織布の比率は2.8重量部であった。
熱可塑性エラストマーであるポリエーテルブロックアミド共重合体(アルケマ社製、「ペバックス MV1041SA01」)100重量部を用いて溶融紡糸法にて製糸を行い、熱可塑性エラストマーを含有する繊維(繊度45dtex、24フィラメント構成)を得た。得られた熱可塑性エラストマーを含有する繊維、及び、ポリウレタンからなる糸(繊度33dtex)を用いてベア天竺編成となるように編み立てを行い、生地(熱可塑性エラストマーの混率73.0重量%、目付144.0g/m2)を作製した。
疎水性ポリウレタン樹脂(ウレタン系エラストマー、「Pandex1185」、DIC Bayer Ltd.製)をDMFに溶解し、23重量%DMF溶液とした。この23重量%DMF溶液を電界紡糸装置(「ES−2300」、ヒューエンス社製)の溶液充填部に充填し、40kVの電圧をかけて上記で得られた生地の片面に吹きつけて電界紡糸を行い、ポリウレタンを含有する不織布を作製して複合生地を得た。なお、このときに用いた金属製ノズルの径は26G(内径0.23mm)で、コレクターまでの距離は15cmであった。得られたポリウレタンを含有する不織布は、不織布を構成する繊維の平均直径が256nmであった。また、得られた複合生地の目付は156.0g/m2、生地(熱可塑性エラストマーの混率73.0重量%、目付144.0g/m2)100重量部に対するポリウレタンを含有する不織布の比率は2.8重量部であった。
(実施例2〜5及び比較例1〜5)
熱可塑性エラストマーを含有する繊維、ポリウレタンからなる糸、熱可塑性エラストマーの混率、不織布の素材等の種類又は使用量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、複合生地を得た。なお、実施例2で使用した親水性ポリウレタン樹脂としては、大日精化工業社製「レザミンPM−2081」を用い、比較例5で使用した透湿性ポリウレタン樹脂としては、大日精化工業社製「ハイムレンY−210B」を用いた。
熱可塑性エラストマーを含有する繊維、ポリウレタンからなる糸、熱可塑性エラストマーの混率、不織布の素材等の種類又は使用量を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、複合生地を得た。なお、実施例2で使用した親水性ポリウレタン樹脂としては、大日精化工業社製「レザミンPM−2081」を用い、比較例5で使用した透湿性ポリウレタン樹脂としては、大日精化工業社製「ハイムレンY−210B」を用いた。
<評価>
実施例及び比較例で得られた複合生地について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた複合生地について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)qmax値の測定
20.5℃の温度に設定した試料台の上に複合生地を置き、複合生地の上に32.5℃の温度に温められた貯熱板を接触圧0.098N/cm2で重ねた直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱量のピーク値を測定した。測定には、サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いた。得られた値は、ΔT20℃の値に換算した。
20.5℃の温度に設定した試料台の上に複合生地を置き、複合生地の上に32.5℃の温度に温められた貯熱板を接触圧0.098N/cm2で重ねた直後、蓄えられた熱量が低温側の試料に移動する熱量のピーク値を測定した。測定には、サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用いた。得られた値は、ΔT20℃の値に換算した。
(2)放熱性
KES−F7 サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用い、BTboxの設定温度を32℃にした。
20cm×20cmに裁断した複合生地をBTboxの上に置き、サーマル撮影により複合生地のBTboxに接していない面の表面温度が30℃になるのを確認してから、複合生地をBTboxから離した。BTboxから離した直後(0秒後)、30秒後、60秒後、180秒後の複合生地の表面温度(BTboxに接していなかった面)をサーマル撮影により測定した。なお、複合生地の表面温度は、任意の10点の平均値とした。測定環境20℃×65%RHにて行った。
KES−F7 サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用い、BTboxの設定温度を32℃にした。
20cm×20cmに裁断した複合生地をBTboxの上に置き、サーマル撮影により複合生地のBTboxに接していない面の表面温度が30℃になるのを確認してから、複合生地をBTboxから離した。BTboxから離した直後(0秒後)、30秒後、60秒後、180秒後の複合生地の表面温度(BTboxに接していなかった面)をサーマル撮影により測定した。なお、複合生地の表面温度は、任意の10点の平均値とした。測定環境20℃×65%RHにて行った。
(3)吸熱性
KES−F7 サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用い、BTboxの設定温度を32℃にした。
20cm×20cmに裁断した複合生地を、20℃×65%RH下に4時間放置した。次いで、複合生地をBTboxの上に置き、BTboxの上に置いた直後(0秒後)、5秒後、30秒後の複合生地の表面温度(BTboxに接していない面)をサーマル撮影により測定した。なお、複合生地の表面温度は、任意の10点の平均値とした。測定環境20℃×65%RHにて行った。
KES−F7 サーモラボII型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック社製)を用い、BTboxの設定温度を32℃にした。
20cm×20cmに裁断した複合生地を、20℃×65%RH下に4時間放置した。次いで、複合生地をBTboxの上に置き、BTboxの上に置いた直後(0秒後)、5秒後、30秒後の複合生地の表面温度(BTboxに接していない面)をサーマル撮影により測定した。なお、複合生地の表面温度は、任意の10点の平均値とした。測定環境20℃×65%RHにて行った。
実施例1〜5では、qmax値は充分に大きい値であり、かつ、放熱性評価において生地側及び不織布側の温度が30秒後には23℃以下に、60秒後には22℃以下に、180秒後には21℃以下になっており、放熱性にも優れているといえる。また、実施例1〜5では、吸熱性評価において生地側及び不織布側の温度が5秒後には29℃以上に、30秒後には29.9℃以上になっており、吸熱性にも優れているといえる。
一方、比較例1〜5では、qmax値は大きい値ではあるものの、放熱性評価において生地側及び不織布側の温度が30秒後では23℃以上、60秒後では22℃以上、180秒後では21℃以上に維持されたままであり、放熱性が不充分であるといえる。
一方、比較例1〜5では、qmax値は大きい値ではあるものの、放熱性評価において生地側及び不織布側の温度が30秒後では23℃以上、60秒後では22℃以上、180秒後では21℃以上に維持されたままであり、放熱性が不充分であるといえる。
本発明によれば、肌に接触冷感を与えることができ、かつ、放熱性に優れた複合生地を提供することができる。また、本発明によれば、該複合生地を用いて製造される衣料及び肌着を提供することができる。
Claims (9)
- 熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地と、ポリウレタンを含有する不織布とが積層されており、
前記ポリウレタンを含有する不織布の比率が、前記熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地100重量部に対して0.5〜10重量部である
ことを特徴とする複合生地。 - ポリウレタンを含有する不織布を構成する繊維の平均直径が、100〜1400nmであることを特徴とする請求項1記載の複合生地。
- ポリウレタンが、疎水性ポリウレタンであることを特徴とする請求項1又は2記載の複合生地。
- ポリウレタンを含有する不織布が、電界紡糸法により得られることを特徴とする請求項1、2又は3記載の複合生地。
- ポリウレタンを含有する不織布が、熱可塑性エラストマーを含有する繊維を含有する生地の片面に電界紡糸法によりポリウレタンを吹き付けることにより得られることを特徴とする請求項4記載の複合生地。
- 熱可塑性エラストマーを含有する繊維の繊度が、20〜150dtexであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の複合生地。
- 熱可塑性エラストマーが、ポリアミド系エラストマーであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の複合生地。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の複合生地を用いて製造されることを特徴とする衣料。
- 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の複合生地を用いて製造されることを特徴とする肌着。
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JP2012026307A JP2013163279A (ja) | 2012-02-09 | 2012-02-09 | 複合生地、衣料及び肌着 |
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JP2017214470A (ja) * | 2016-05-31 | 2017-12-07 | 東レ株式会社 | 透湿防水フィルム |
-
2012
- 2012-02-09 JP JP2012026307A patent/JP2013163279A/ja active Pending
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