JP2013159507A - オゾン水生成装置および生成方法ならびにオゾン水 - Google Patents

オゾン水生成装置および生成方法ならびにオゾン水 Download PDF

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Abstract

【課題】溶存オゾン濃度の濃度上昇・到達率を高め、オゾンの自己分解を抑制して安定性の高いオゾン水を生成する。
【解決手段】オゾン水生成装置は、空気から吸着作用により窒素ガスを分離して濃縮酸素ガスを生成するPSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置28と、放電により濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させるオゾナイザー7と、オゾンガスを水中に溶存させてオゾン水を生成するエジェクター14とからなる。PSA式酸素濃縮装置28の前段又は後段に炭酸ガス除去装置1を備えることにより、炭酸ガスにより生成されるオゾンスカベンジャーの発生を抑制することで、著しくオゾン水生成能力と、濃度安定性を高めることを実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、オゾン水の生成装置および生成方法に関する。
オゾン水は、殺菌、洗浄、脱臭、放射性物質の除染などに代表される用途目的において、対象表面の酸化による物質剥離といった効果を、より強力に効果発揮させることが望まれる。オゾン水の効果を高めるためには、オゾン水をより高い溶存オゾン濃度に到達させることが求められる。また、大流量のオゾン水を散水する必要のある技術分野では、所定量のオゾン水をタンクに貯留することが望ましいが、従来技術では、オゾン水が不安定で濃度低下および減衰が著しく、濃度の安定維持と高濃度での貯留が困難であった。
オゾン水中のオゾン分子は難溶解性のガスであり、オゾンガス気泡や分散したオゾン分子の状態で存在することが知られている。いずれにせよ、浮上による水中からの脱気を抑制すると共に、オゾンの変性以前の原形である酸素へともどってしまう自己分解現象を可能な限り抑制することが、オゾン水生成技術として極めて重要である。
従来、半導体や液晶パネル製造など高度にクリーンで、コンタミネーションを避けるべき精密機器洗浄の分野では、純酸素(99.9%以上の純度)またはオゾナイザーの仕様により、前記純酸素に1%未満の純窒素ガスを適量添加した上でオゾナイザーに供給して放電しオゾンガスを生成した後、さらに水中に当該オゾンガスを混合して生成するオゾン水生成方法が知られている。しかし、この方法では純酸素がボンベや液体酸素となり高額で経済性が低く、大量生成しようとする用途では適用範囲が制限されてしまう。事実、オゾン水生成量として毎分20リットル程度の小容量の設備しか、実際の装置は散見されない。
一方、低コストに、かつ大量生成に適する方法として、PSA(Pressure Swing Adsorption)式に代表される酸素濃縮装置を用いる方法が知られている。PSA式酸素濃縮装置は、ゼオライトなどを主原料とした粒状触媒を、上流から下流に連通する容器に充填しておき、この触媒層に原料空気(大気)を通過させて接触をさせ、空気中の窒素を連続して吸着する構造を持つ。PSA式酸素濃縮装置により先ず空気から窒素を分離して、濃縮酸素ガス(通常90%から95%濃度となる)とし、下流に設置するオゾナイザーに供給してオゾナイザーで放電しオゾンガスを生成する。次に、原料水に混合して溶存させてオゾン水とする生成方法が一般的に知られている。この方法であれば、広い用途に適用が可能であると共にオゾン水製造コストも顕著に抑制できる。
PSA式酸素濃縮装置を用いてなるオゾン水生成技術として炭酸ガス(二酸化炭素ガス)を除去する効果は認識されたことが無く、従ってPSA酸素濃縮装置に内蔵されたゼオライト等の触媒には、炭酸ガスの除去機能は実質的に設けられていない。従って。当該濃縮により発生せられる濃縮酸素ガスには、濃縮される以前の原料空気に含まれる濃度と変わらない濃度で、炭酸ガスが残存しており、オゾンガスと共に、原料水に混合されてオゾン水中に溶解されることとなる。
他方、当発明で示すように炭酸ガスを除去するのではなく、逆に、炭酸ガスを供給添加するオゾン水生成方法やオゾン水の送水時に炭酸ガスを添加する方法は、過去に多数提案されてきた。これら炭酸ガス添加方法は、炭酸ガスの溶解によりオゾン水のpHが酸性に維持できることによりオゾン分子自体の自己分解を抑制するであろう点のみに着目し、オゾン水濃度を高め、維持することを念頭に置いている。しかし、これら炭酸ガス添加方法には、炭酸ガスが存在することにより発現する別の現象によりオゾン濃度の大幅な低下要因になることが認識がされていなかった。
特開2006−102745号公報 特開2007−222714号公報 特許第3734207号 特開2008−155186号公報 特開平5−305288号公報 特開2007−325981号公報 特開2000−262874号公報 特開2010−155754号公報 特開2002−85047号公報 特開2011−45298号公報 特開平11−347336号公報
本発明では、PSAを用いた経済性、実用性で優れた大量生成可能なオゾン水生成方法であって、溶存オゾン濃度の極めて顕著な上昇・高濃度への到達と、同様に顕著な濃度維持特性を併せもつ特殊な安定化オゾン水を生成するオゾン水生成装置および生成方法を提供する。
本発明のオゾン水生成装置は、例えばゼオライトを主成分とした触媒による吸着作用により窒素ガスを空気中から吸着分離して濃縮酸素ガスを生成するPSA(Pressure Swing Adsorpotion)式酸素濃縮装置と、前記濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させるオゾンガス発生装置と、前記オゾンガスを原料水中に溶存させてオゾン水を生成する気液混合装置と、を備えるオゾン水生成装置であって、前記PSA式酸素濃縮装置の前段又は後段に配置され、前記空気または前記濃縮酸素ガスから炭酸ガスを除去する炭酸ガス除去装置をさらに含む。
炭酸ガス除去装置の配置は、オゾンガス発生装置の下流であって(原料水とオゾンガスを混合する機構よりも上流であればよい)も良いが、オゾンの酸化作用による機器や触媒の酸化による劣化を考慮するとの上流(前段)であることが実用的である。
前記炭酸ガス除去装置は、空気中または濃縮酸素ガスから連続的に炭酸ガスを分離除去できるものであればその構成や材質を制限するものではないが、ソーダライム等を主成分とする炭酸ガス吸着機能の高い粒状の触媒を用いる方法が経済性の面では望ましい方法のひとつである。但し、触媒以外の方法でも同様に炭酸ガスを分離除去できる方法であってもよい。
前記PSA式酸素濃縮装置と前記炭酸ガス除去装置が、経路によって直接的に接続されるのが好ましい。
前記炭酸ガス除去装置の後段に炭酸ガス濃度センサーを配置して、空気中または濃縮酸素ガスに含まれる炭酸ガス濃度を連続して計測することが好ましい。このセンサーにより触媒の場合でいえば中和反応と経時変化による劣化で必要となる交換を遅滞なく行うことができ、常に高性能のオゾン水を供給することができる。
本発明は、上記の通り、炭酸ガスを除去する工程を装備し、炭酸ガスを含まない(または極めて微量に減少せしめた)濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させてから混合して生成するオゾン水生成技術である。この方法により生成された安定性の高い特殊オゾン水も本発明に含まれる。
本発明のオゾン水生成方法は、PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置によりゼオライトを主成分とする触媒の吸着作用により空気から窒素ガスを吸着分離して濃縮酸素ガスを生成する工程と、放電により前記濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させる工程と、前記オゾンガスを原料水中に溶存させてオゾン水を生成する工程と、を備え、前記PSA式酸素濃縮装置による処理の前工程または後工程において、前記空気または前記濃縮酸素ガスから炭酸ガスを除去する工程を含むものである。好ましくは、前記原料水は超純水を含まない。
本発明によれば、高い溶存オゾン濃度到達が可能で、大量に貯留が可能なほどに驚くべき安定化性能を有する特殊なオゾン水を、極めて安価に生成できることから、従来のオゾン水ではできなかった、広範な技術分野、産業分野で利用が可能となる。
本発明のオゾン水生成装置の第1の実施形態を示すシステム構成図 本発明のオゾン水生成装置の第2の実施形態を示すシステム構成図 本発明の実施形態の装置を用いて生成されたオゾン水のオゾンの到達濃度および時間経過に伴うオゾン濃度の変化を示すグラフ 空気から炭酸ガスを除去しない装置を用いて生成されたオゾン水のオゾンの到達濃度および時間経過に伴うオゾン濃度の変化を示すグラフ
(発明の経緯)
一般的にオゾン水は、呼吸により人体に健康被害を及ぼすオゾンガスに比較して安全であるとされるものの、常温・大気圧条件下での溶存オゾン濃度の半減期が、1分または数分と極めて短く、不安定であることから利用し難いものと認識されている。溶存オゾン濃度の低下に至る因子となるオゾンの物性には、数多くの要素が存在する。先ず、代表的な点として、オゾンが水に対して難溶解性であって水素結合する酸素のように水に溶解しない性質がある。そのため、水にオゾンガスを溶解させても、いったん溶解したオゾンガスが速やかに液面に上昇し、オゾン水中から放出されてしまう、即ち溶存オゾン濃度が低下するという点がある。
この点について、発明者は、濃度安定性を高めるために、水に対して難溶解性のガスであるオゾン気泡を微細化し、浮力を受けない程微細な気泡や分子が分散した形態で拡散させるといった技術を提案している。これらの技術によれば、ほぼ浮力の影響を受けない超微細な気泡や、水素結合エネルギーを変化させる程高密度にオゾンガス分子の形態で水中に分散保持が可能である。この結果、赤外線分光分析で捉えられる程顕著に、かつ水の性質を変える程に高密度にオゾン濃度を高めると共に、オゾン濃度を安定して維持させることが可能である。すなわち、これらの方法で、オゾン及びオゾン気泡の水中からの脱気現象については、有効に抑制することができる。
しかし、オゾンガスを水中から脱気させない安定性向上という観点とは別に、オゾンが接触する全ての有機物と反応をして消失し易い観点から、オゾン水の生成技術を改善する必要がある。この観点からは、オゾンが特に反応し易く、結果消失して酸素に戻る率の高いオゾン消費物質(オゾンスカベンジャーという)をできる限り低く抑制してオゾン水濃度を維持するという発想が得られるが、この点の改善策が、本発明の主題である。オゾン水生成に於いて、オゾンを消費する物質の発生を抑制することができれば、より高濃度、より安定化させたオゾン水を生成することが可能である。
上記の考察の下、発明者は、これまで誰も着目していなかった点であるが、炭酸ガスがオゾン水濃度に影響を及ぼす点を想定し、PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置を用いた試験を実施した。その結果、炭酸ガスを除去した場合に、しない場合と比較して驚くほど明瞭な効果が生じることを把握し、あわせてそのメカニズムを検討して、炭酸ガスの残存がオゾンスカベンジャーを発生させている実態とオゾンスカベンジャーが無い場合の優位な差を把握し、当発明の有効性を解明するに至った。
尚、オゾン水濃度低下の要因は、他にヘンリー定数に示される温度上昇による分解、紫外線照射による分解反応、保持される水圧環境等多岐にわたるが、ここでは説明に及ばない。また、PSA式酸素濃縮装置を採用するオゾン水生成装置ではごく微量な塵埃はプロセスで発生するから当然該当するものではないが、原料水がいわゆる超純水(最も一般的な指標である、25℃における理論値として18.24MΩ・cmの電気抵抗率をもつもの)による場合には、好適に使用されるものではない。
従来より、オゾンの生成に際して用いられる濃縮酸素ガスの生成には、PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置が用いられることが多い。PSA式酸素濃縮装置は吸着式(吸着型)酸素濃縮装置とも呼ばれる。本装置は、装置内に窒素を吸着する機能のあるゼオライトなどの触媒を用い、その触媒の配置された容器に加圧と減圧を繰り返し与えることにより、空気中の酸素と窒素を分離する作用を奏する方式により発生させる装置を対象とする。PSA式酸素濃縮装置と言っても、触媒容器がその形状に種類はあるが、前述したようにゼオライトを含む触媒を用いるものであれば限定しない。
発明者は、このPSA式酸素濃縮装置を用いてオゾン水生成技術の開発を継続し、前述した気泡の微細化やオゾン分子での分散といった改良を施すことにより、一定の効果を得ていた。しかし、溶存オゾン濃度が最高値に到達した後、継続してオゾン水生成プロセスを運転し続けていても原因不明な濃度の下降が発生してしまう問題が解消できなかった。
そこで、発明者は、さらに高い溶存オゾン濃度を達成するとともに、貯留しても高い溶存オゾン濃度を維持すること、即ち、より強い効果を発現する高濃度のオゾン水と、それを大量に生成する生成技術の達成を目指し鋭意検討を重ねた。
関連特許に示した通り、開示された第三者の技術情報によれば、オゾンの自己分解を抑制する目的で、炭酸ガス(二酸化炭素ガス)をオゾン水に添加し、pH(水素イオン濃度指数)を酸性側に維持する方法が有効であると提案されていた(特許文献2)。
一方、発明者は、何度も検討を繰り返す中で、炭酸ガスが有効であるという作用だけではなく、逆の作用、即ち、オゾンの分解を促進させてしまう作用をもつのではないかという着想を得た。そこで発明者は、炭酸ガスを除去する有効な材料を調査した結果、ソーダライムを主材とした触媒を入手し、これを試験装置に組み込んでテストを試みた。検討にあたり下記の事項について考慮することとした。
一般的に、大気中には地域により違いはあるが、380〜440ppm程度の炭酸ガスが含まれているとされている。また、炭酸ガスは、他の空気中の構成ガスに比較して極めて多く水中に溶解する。
PSA式酸素濃縮装置には例外なく、炭酸ガスを除去する機能は保有されておらず炭酸ガスが空気中と同じ比率でオゾン水に溶け込むと考えられた。
発明にあたっての基礎的な認識として、次のような技術的背景を考慮した。
1)水構造は、水分子が一定の距離で絶え間なく運動を繰り返しているが、水分子の間には、ガスが溶け込む空間(スペース)があり(当然水温、水圧によりその溶解可能な量は変化するが)、その空間に一定条件で溶解可能なガスの量が決まっている、即ち、飽和濃度は、ガスの種類により相違する。また、いずれのガスであろうとも、前述水の中にガスが溶け込める空間がいっぱいであれば、何らかの作用を与えて置換させない限り、他のガスは入り込めない。
2)オゾンは、アルカリ性条件下では自己分解が促進されて酸素に戻り易く、酸性条件下では自己分解が抑制されてオゾンのまま維持され易い。
3)炭酸ガスは、先ず炭酸(HCO)として水中に溶存し、次に炭酸水素イオン(HCO )として溶解し、さらに炭酸イオン(CO 2−)として溶解する3つの段階で水中にとどまる。このような炭酸ガスの各々の状態により、水のpHは変化する。また、これとは逆に、水中に供給され、水に接触した炭酸ガスの水中における存在状態は、当該水のpHに応じて変化する。
以上のような種々の物質の性質と相互関係、また比較条件を考慮しながら、発明者は、実証を重ね、空気から炭酸ガスを除去することが極めて有効で、オゾン水生成技術の高効率化と、生成されたオゾン水自体の安定性に大幅な改善が施せることを解明し、発明に成功した。尚、当該効果を生む理由として推定されるメカニズムについては後述する。
本技術は、あくまでPSA式酸素濃縮装置を用いると共に、超純水(25℃において18.24MΩ・cm以上の電気抵抗率をもつ程度に不純物を含まない水)以外の水を原料水として生成するオゾン水生成技術である。半導体や精密機器の製造分野で洗浄などに用いられるオゾン水は、原料水として純水や超純水を使用する。また、オゾンガスの生成に際しては、酸素100%の純酸素ないし99%以上の純酸素に1%未満の窒素ガスを混合してオゾナイザーに供給し、放電によりオゾンガスを発生させる機構を使用する。しかしながら、この方法は高額で頻度の高いボンベ交換を必要とするゆえに、大量のオゾン水の生成・使用が望まれる広範な技術分野、産業分野での用途には適さない。
オゾン水生成の経過で電気分解を使用することは、本発明の適用からは除外することが考えられ得る。電気分解を使用する方法は、水中に配置した電極への放電により、アノード側で水中の溶存酸素をオゾンに変化させる一般的な方法である。しかしながら、電気分解法は通電に必要な何らかの電解質の水への含有が必須であり、その電解質により発生する物質に違いがあるものの、オゾン以外に塩素、塩素イオン等20種類に及ぶ過酸化物質が同時に発生するとされ、残留性が無いというオゾン水の機能を利用目的に対して価値を損なう恐れがある。しかしながら、このような懸念が問題にならない用途を対象としたり、副生される物質を除去可能とする方法を併用した場合などは、オゾン水濃度をより高く、より安定化させるという、本発明の目的に向けた一方法として採用可能である。したがって、本発明のプロセスにおいて電機分解を使用することを積極的に除外するものではない。
次に、上記の検討を経て得られた本発明の一実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明のオゾン水生成装置の第1の実施形態を示すシステム構成図である。基本的に、本発明では気液混合によるオゾン水生成を対象とする。また、同様に、PSA式酸素濃縮装置を、原料ガス(濃縮酸素ガスを放電によりオゾンガスとしたもの)供給の手段とするオゾン水生成装置を対象とする。
本実施形態のオゾン水生成装置は、オゾンガス生成部100と、オゾンガス供給経路24と、エジェクター(気液混合装置)14と、オゾン水生成循環ライン200とから構成される。オゾンガス生成部100は、炭酸ガス除去装置1と、フィルター2と、炭酸ガス濃度センサー3と、PSA式酸素濃縮装置(窒素分離機構)28と、酸素ガスセンサー27と、オゾナイザー(オゾン発生装置)7と、逆流防止弁8とを備えている。オゾン水生成循環ライン200は、未溶解余剰オゾンガス分解装置12と、混合オゾンガス未溶解気泡分離用タンク13と、チラー17と、溶存オゾン濃度計18と、水温計19と、冷却水循環ポンプ20と、オゾン水生成用循環ポンプ21と、貯留タンク22と、オゾン水送水用吐出ポンプ23とを備えている。
次に、オゾン水生成循環ライン200の概要を説明する。オゾン水の原料となる原料水としての水道水16が、貯留タンク22に投入される。水道水の代わりに、純水の他、場合により地下水等を用いても構わない。本実施形態では、電気抵抗率が18.24MΩ・cm以上の超純水以外の水を対象とする。原料水は貯留タンク(本例では実容量200L)に給水された後、貯留タンク22の水は冷却水循環ポンプ20により循環され、循環系内に配置されたチラー17により冷却維持される。基本的に、冷却ポンプの作動熱により水温は上昇する傾向となるが、チラー17により冷却することで5℃以下の水温に冷却・保持することができる。さらにチラー循環系路において、チラー17の上流に溶存オゾン濃度計18と、水温計19とが配置されている。
エジェクター14は気液混合をする部分であり、貯留タンク22からオゾン水生成用循環ポンプ21により原料水が引き込まれる。オゾン水生成用循環ポンプ21は、水量45L/分、水圧0.35MPaで水を気液混合の為に原料水(生成を行うとオゾン水となる)を吐出し、エジェクター14に供給する。エジェクター14を通過した水は、エジェクター14のオリフィス部を高速の水流で通過し、オリフィス部の下流で水の流速により陰圧を生じさせオゾンガスを真空吸引して取り込むことともにキャビテーションを発生させながら原料水とオゾンガスとを激しく混合する。その後、原料水とオゾンガスとが混合してできた水およびオゾン水は、下流の混合オゾンガス未溶解気泡分離用タンク13に気泡と共に流入させられる。
混合オゾンガス未溶解気泡分離用タンク13に送られたガスと水(またはオゾン水)は、分離装置などで液体と気体に分離されるような構造になっている。この結果、混合オゾンガス未溶解気泡分離用タンク13内で浮上する余剰のオゾンガス気泡は分離され、上方からオゾン分解触媒を含む未溶解余剰オゾンガス分解装置12に送られ、オゾンは分解されて無害な排気ガス(オゾン分解後の酸素ガス)15に分解され、大気中に放出される。
エジェクター14とオゾン水生成循環ライン200からなる循環系路を流れ、オゾンガスが混合された水は一巡して貯留タンク22に戻り、この循環が繰り返されることにより、貯留タンク22内の水は、順次高い濃度のオゾン水になる。貯留タンク22では、余剰なオゾンガスは未溶解余剰オゾンガス分解装置12に送られ、無害な酸素ガスに変化させられる。
次に、本実施形態において、エジェクター14にオゾンガスを供給するオゾンガス生成部(オゾンガス供給ライン)100について説明する。
前述の様に、エジェクター14では、循環する水が高速でオリフィスを通過するが、この水は慣性の法則をもって流れるため、オリフィスより下流で放射状に容積が広がる流路で強力に容積を広げられることにより強い陰圧を生じ、真空に近い状態がオリフィスと下流の近傍付近に発生する。この陰圧の作用により、オゾンガス生成部100におけるオゾナイザー7の放電により発生したオゾンガスが、オゾンガス供給経路24を介してエジェクター14に供給される。従って、オリフィスおよびその下流近傍付近において、オゾンガスと水(またはオゾン水)は激しく混合されてオゾン水となる。オゾナイザー7とエジェクター14間の経路には、装置が停止した場合に水が逆流し、オゾナイザー7に流入することを防止するために逆流防止弁8が配置されている。
本実施形態では、オゾンガス生成部100において、オゾンガス供給経路24に至るまでに、上流から順番に、炭酸ガス除去装置1と、フィルター2と、炭酸ガス濃度センサー3と、PSA式酸素濃縮装置28と、酸素ガスセンサー27と、オゾナイザー(オゾンガス発生装置)7と、逆流防止弁8とが、経路25を介して接続された状態で設けられている。PSA式酸素濃縮装置28は、コンプレッサー4と、ドライヤー5と、PSA式酸素濃縮ユニット6とを含む。そして、炭酸ガス除去装置1は、PSA式酸素濃縮装置28の前段に配置されている。
すなわち、本実施形態では、外部から原料ガスとして空気(大気)9を取り込んだ直後、炭酸ガス除去装置1により炭酸ガス除去処理をした後、酸素ガス濃縮の処理を施している。炭酸ガス除去装置1においては、炭酸ガス吸着触媒を充填した筒状の容器が設けられる。空気が当該容器を通過すると、同触媒と空気とが接触して空気中の炭酸ガスを触媒が吸着して分離し、除去する。空気と触媒の接触時間は、本実施形態では2秒として設計されており、触媒がほぼ100%炭酸ガスを吸着できるとされている接触時間を採用した。尚、当該触媒から僅かな粉塵が発生する場合もあり得るが、発生した粉塵が精密な放電電極を有するオゾナイザー7に流入して故障の原因にならないよう、フィルター2を炭酸ガス除去装置1が後段に配置して防止している。
炭酸ガス除去装置1の炭酸ガス吸着触媒としては、ソーダライムを主成分としたものが用いられるが特に限定はされない。ただし、もっぱら空気中の炭酸ガスを吸着により優先的に除去することが可能な物質であることが必要である。ソーダライムを主成分とした触媒の場合は、炭酸ガスの吸着反応に適量の水が必要であるが、触媒が乾燥して吸着性能が低下しないための加湿または、水供給の補助的な機構を設けるなどの管理が必要である。
本発明では、このような管理法までの詳細の説明は割合する。
炭酸ガス濃度センサー3は、炭酸ガス除去装置1から出てきた空気の炭酸ガス濃度を測定し、炭酸ガス除去装置の炭酸ガス吸着触媒の吸着性能を監視する。その後、空気は、PSA式酸素濃縮装置(窒素分離機構)28に送られ、窒素が分離されることで、酸素濃度が高められる。得られた気体、すなわち濃縮酸素ガスの酸素濃度は、一般的に90%以上、好ましくは95%以上であるが、実施時には95%であった。
窒素分離機構28内のプロセスについて説明する。炭酸ガス除去装置1とフィルター2を通過した空気は、窒素分離機構28内において、先ずコンプレッサー4により圧縮される。次に、空気に含まれていた水分がドライヤー5により除去される。その後、ゼオライトを主成分として、同成分に窒素を吸着する仕組みを持つPSA式酸素濃縮ユニット6により空気中の窒素が吸着され、酸素リッチのガスへと濃縮される。尚、PSA式酸素濃縮ユニット6で分離された窒素ガスは、排気ガス26として装置系外の大気に放出される。濃縮酸素ガスの酸素濃度は、酸素ガスセンサー27により測定、監視される。この後、濃縮酸素ガスはオゾナイザー7に送られ、放電により酸素がオゾンに変化せしめられる。その後のオゾン水生成の混合プロセスは先述したとおりである。
PSA式酸素濃縮ユニット6の窒素吸着触媒としては、ゼオライトを主成分としたものが用いられるが特に限定はされない。ただし、もっぱら空気中の窒素ガスを吸着により優先的に除去することが可能な物質であることが必要である。
また、本実施形態においては、炭酸ガス除去装置1とPSA式酸素濃縮装置28とが、経路25によって直接的に接続されており、炭酸ガスの除去工程と窒素ガスの除去工程が連続的に行われる。このような構成により、装置の全体構成がコンパクトになるとともに、オゾン水を必要とする現場において、オゾン水を生成しながら被対象物にオゾン水を供給することができる。
総括すると、第1の実施形態では、濃縮酸素ガスの生成の前工程において、空気から炭酸ガスを除去する工程が行われている。
尚、コンプレッサー4による原料空気の圧縮工程、ドライヤー5による原料空気の除湿乾燥工程で、水(コンプレッサードレン)10、水(ドライヤードレン)11が排出される。本例では、オゾナイザー7に供給される濃縮酸素ガスの量(=オゾンガス量)は、28L/分であり、オゾナイザー7への供給ガス圧力は0.2MPaであった。また、オゾナイザー7のオゾン発生能力は、350g/hであり、本例の条件下に於け発生オゾンガス濃度は210g/Nm3であった。
(第2の実施形態)
図2は、本発明のオゾン水生成装置の第2の実施形態を示すシステム構成図である。図1の実施形態と異なり、本実施形態では、炭酸ガス除去装置1が、窒素分離機構28の後段に配置されている。すなわち、本実施形態では、外部の空気に対し、予め窒素除去の処理を行い、その後、オゾナイザー7に到達する以前の経路25に、炭酸ガス除去装置1をもって炭酸ガスの除去を行う。すなわち、炭酸ガス除去装置1は、PSA式酸素濃縮装置28の後段に配置されている。言い換えると、第2の実施形態では、濃縮酸素ガスの生成の後工程において、濃縮酸素ガスから炭酸ガスを除去する工程が行われている。また、本実施形態においても、PSA式酸素濃縮装置28と炭酸ガス除去装置1とが、経路25によって直接的に接続されており、窒素ガスの除去工程と炭酸ガスの除去工程が連続的に行われる。
本発明を完成させるにあたって実施した試験の結果では、炭酸ガスの除去を行わない装置、即ち、本発明の装置から、炭酸ガス除去装置1を取り除いた従来のオゾン水生成装置を用いた。この従来の装置と本発明の装置との比較によれば、本発明の様に炭酸ガス除去を行った場合に限り著しく優れたオゾン水の濃度上昇、到達濃度の高まりが認められ、濃度維持安定性の向上が認められた。以下、実施試験の結果について説明する。
(比較結果)
(1)実施例
図1に示した第1の実施形態の装置を用いてオゾン水の生成を行った。PSA式酸素濃縮装置28により、濃縮酸素ガスの酸素濃度を概ね95%まで高めた上で、オゾナイザー7による放電を行いオゾンガスを生成し、気液混合してオゾン水を生成した(水温が2℃から5℃の新潟県燕市の水道水を使用)。オゾンガスの生成の前提として、PSA式酸素濃縮装置28の前段(上流)に(図1の例では外部の空気を取り入れた直後)、炭酸ガス除去触媒を充填した炭酸ガス除去装置1が設けられている。炭酸ガス除去触媒の容量は、その内部を原料空気が通過しつつ2秒以上接触する時間が得られる容量で設計した。通過する際に未処理ガスがでないように均等に流路が保たれるように配慮し、炭酸ガスが確実に除去されるようにした。
得られたオゾン水について、到達したオゾン水の溶存オゾン濃度および時間経過に伴うオゾン濃度の変化を図3に示す。生成後、ほぼ25分後に、オゾン濃度は最高到達濃度である87mg/Lに達し、その後運転を継続しても濃度の低下は観察されなかった。この結果は、本実施形態によって得られたオゾン水は、従来の方法によるものに比べ、オゾン水送水用吐出ポンプ23から送水した段階で脱気ガス量が極めて少なく安定しており、オゾンガスの発生を可能な限り抑制でき、即ちオゾン水の濃度低下が少なく、濃度維持性が高いという望ましい機能を有していることを確認した。
(2)比較例
比較例として、図1に示した第1の実施形態の装置から、炭酸ガス除去装置1を除いた装置を用いてオゾン水の生成を行った。比較例において、温度などの実施条件は実施例のものとほぼ同じである。本例においても、PSA式酸素濃縮装置28により濃縮酸素ガスの酸素濃度を概ね95%まで高めた上で、オゾナイザー7により放電を与えられ、オゾンガスを生成し、気液混合してオゾン水を生成した。
得られたオゾン水について、オゾン水の溶存オゾン濃度の推移および時間経過に伴う溶存オゾン濃度の変化を測定した。測定結果を図4に示す。生成後、18分後までは濃度上昇するもののその後は下降に転じた。溶存オゾン濃度は78mg/Lにしか到達せず、その後運転を継続し続けても、明瞭に低下をし続け、35分後までには約1/2にまで低下、その後も低下を続けた。この結果からすれば、目的である高濃度オゾン水で、タンクに大量に貯留することは不可能であると判断された。本実施形態によって得られたオゾン水は、炭酸ガスを除去したオゾンガスで生成したオゾン水とは全く異なり、オゾン水送水用吐出ポンプ23から送水された後には、極めて短時間で効力を失うことを確認した。
次に、本発明の効果がもたらされるメカニズムについて検討する。このメカニズムについては推定の段階であるが、本発明の当業者による実施の可能性の是非、本発明の効果には何ら影響を及ぼさない。
オゾンは難溶解性のガスであるため、水中で気泡として存在し易い。しかしながら、気泡は時間経過とともに脱気するため、水中に長時間溶存させることが困難である。濃度低下を抑制するためには、キャビテーションを発生させるなどの方法により微細な気泡とする方法や、オゾン分子を水中に分散させる方法等が存在する。
オゾンは、アルカリ水溶液中では反応性が極めて高くなり、自己分解が進み易くなる。従って生成して濃度を高めるスピードよりも分解スピードが勝る結果、オゾン水を貯留して高濃度に生成、維持することは困難となる。対象の水を酸性にすると、オゾンの自己分解を抑制し、比較的高いオゾン濃度を達成し、維持することが可能となる。
この「オゾン自己分解の抑制」という点について配慮をし、炭酸ガスを添加する方法は、数多く散見されるが、この考え方とは逆に、炭酸ガスを除去した酸素または酸素リッチなガスを用いてオゾン水を生成するという方法は、未だ提案されていなかった。本発明では、これまで着目されたことのないことであるが、1)炭酸ガスの水への溶存によりオゾン消費物質(オゾンスカベンジャー)が生成されること、2)生成されたオゾン消費物質が極度にオゾン分解速度を速める現象を誘発しているということ、3)水に溶解しやすい炭酸ガスの除去によるオゾンガス溶解のための水中空間の増大に着目した。特にオゾン消費物質の生成を抑制する、即ち水中に炭酸ガス由来のオゾン反応性の高い物質を発生させないようにすることこそ、pHを酸性に保つこと以上にオゾン水生成の能力向上に寄与するということと思われる。
前述したように、これまで当業者は、「オゾン自己分解の抑制」という点に着目し、対象の水を酸性にすることに対し試行錯誤をこらしがちであり、炭酸ガスの水への混入については肯定的であった。本発明では、上記1)、2)の点、すなわち、直接的には水のpHとは関係ないものの、従来肯定的であった炭酸ガスの混入を否定する方向性について探求されており、従来技術とは全く異なる方向性に進んだ果実として得られたものであることは着目に値する。また、オゾンガス溶解を促進するため、水に溶解しやすい炭酸ガスの除去を考慮したことも着目に値する。
上述した検討があってこそ、本発明者は、一般的なPSA式酸素濃縮装置に対し、その前段又は後段に炭酸ガス除去装置を組み合わせることにより、新規な構成のオゾン水生成装置を想到するにいたった。すなわち、通常の当業者は、その目的上、一般的なPSA式酸素濃縮装置を単独で使用するのであり、炭酸ガス除去装置を組み合わせるに至る動機づけを持たない。一般的なPSA式酸素濃縮装置においては、炭酸ガス除去装置のみならず、他の成分を変えてしまうような装置を組み合わせるという前提が与えられていないからである。さらに、上述したように、たとえ当業者がオゾン水の濃度維持に着目しても、通常は酸性の維持、すなわち炭酸ガスの添加という方向性の探求をするので、炭酸ガス除去装置を組み合わせることは容易に想到し得ないと考えられる。
炭酸ガス由来のオゾン反応性の高い物質を発生させないため、炭酸ガスを除去することにより、水の物性をオゾン水に好適に維持し、結果安定化オゾン水として到達濃度を高め、濃度低下を抑制して長時間高濃度を保つことが可能となる。さらに、大量のオゾン水を貯留して生成することも可能となる。その理由は以下の通りと推定される。尚、上述した実施形態では、原料水は超純水ではなく水道水など一般の水であり、原料ガスは純酸素ではなく、空気から分離濃縮して90%から95%濃度の濃縮酸素ガスであり、これをオゾンの原料ガスとすることが、要件として存在する。
(1)メカニズム1:オゾンスカベンジャーの発生の背景と、発生を抑制することによる効果
炭酸ガスがオゾンガスに含まれて、オゾン水中に暫時溶解してゆくと発生する現象は次の通りである。前提として、原料水はいわゆる超純水ではなく反応の対象となる物質を含む水であるから、通常の空気がそのまま原料水に混入すると、オゾン消費物質が炭酸の混入により生成されて、それがオゾンの分解を促進すると考えられる。逆に炭酸ガスを除去すれば、この現象を抑制することができるから、極めて明瞭にオゾン水の性能を向上させることができる。
炭酸ガスを水に溶解させると以下の平衡反応が生じる。
CO(ガス) ⇔ CO(水溶液)
水に溶解した炭酸は水素イオン濃度指数(pH)に依存して酸性雰囲気では炭酸(水溶液)になる。
CO(水溶液) + HO ⇔ HCO(水溶液)
さらに炭酸(水溶液)は、水素イオン濃度指数(pH)に依存して炭酸水素イオン、さらにはアルカリ性雰囲気下では炭酸イオンになる。
CO(水溶液) ⇔ HCO (水溶液) + H
HCO (水溶液) ⇔ CO 2−(水溶液) + H
上記の反応でわかるように、水素イオンが生じることから水中に水素イオンを消費する物質(アルカリ度成分;炭酸カルシウムなど)が存在すれば、反応は右辺へと進み、なければpHは酸性になる。従って炭酸水は一般に弱酸性を示す。すなわち、炭酸ガスを水に溶解した場合、酸性側では炭酸、中性では炭酸水素イオン、アルカリ性では炭酸イオンとして存在する。
これらのイオンが水中の無機塩類(ナトリウム、カリウム、カルシウムなど)と反応すると炭酸塩、重炭酸塩などのオゾン消費物質(オゾンスカベンジャー)が生じることから、オゾン濃度が低下する可能性がある。例えば、pHが中性で無機塩類としてナトリウムが原料水中に含まれる場合、以下の反応でオゾン消費物質である炭酸水素ナトリウムが生じる。
HCO + Na → NaHCO
従って、炭酸を除去した空気を濃縮し、あるいは濃縮した酸素ガスから炭酸を除去して放電によりオゾンガスとし、水に気液混合してオゾン水を製造すると、このオゾン消費物質の発生を防ぎ、溶存オゾン濃度の低下を抑えることができると考えられる。同様に、安定化オゾン水として高濃度に到達せしめ、さらにそのオゾンガスの生成と混合というオゾン水生成処理を連続して継続してもオゾン分解消失をさせずにオゾン水濃度を高く維持することが可能となる。
(2)メカニズム2:水中におけるオゾン溶存の可能な空間(スペース)の増大
0℃、1気圧で空気の組成成分を個別に水に溶解させた場合、水中の空気由来の成分は、酸素49mL/L、窒素2.4mL/L、アルゴン5.6mL/L、炭酸170mL/Lとなり、炭酸の量が格段に多くなる。PSA式酸素濃縮装置により得られた濃縮酸素ガス中の酸素割合を95%、その他のガスの割合を5%とすると、水中でオゾンの存在することが可能な空間が、炭酸によって占有される。炭酸ガス除去触媒を用いない従来法でオゾン水を生成した場合、水への溶解性が他のガスよりも格段に良い炭酸ガスが優先的に水中のガス溶存可能な空間に充満する。一方、オゾンガスは混合を繰り返されるものの難溶解性である物質特性でもあるから、水に溶解し難く、溶存オゾン濃度が優位には上昇できない、また、時間経過と共に炭酸ガスにより占有される率が高まり、オゾン濃度が低下する現象が顕著になると考えられる。
本発明の実施形態では、原料ガスである空気中の炭酸ガスを除去する、または空気中から分離濃縮された濃縮酸素ガス(酸素濃度90%から95%)からさらに炭酸ガスを除去する工程を含む。ここで得られた酸素リッチのガスを放電によりオゾンガスとして、水中に気液混合して溶存させ、オゾンの溶存性を驚くべき効率で高めることができる。別の角度から説明すればオゾンの消失を抑えてオゾンのまま存在する確率を大幅に高めることができる。当該実施形態によれば、炭酸ガスを除去しない場合と比較して、オゾン水の溶存オゾン濃度の到達濃度が10%以上高められ、濃度維持特性は数十倍に高められる。
上記実施形態においては炭酸ガス除去装置1の炭酸ガス吸着触媒としては、ソーダライムを主成分としたものが用いられる。本発明において、炭酸ガス吸着触媒として要求される要件は、もっぱら空気中の炭酸ガスを吸着により優先的に除去することである。
また、上記実施形態においてはPSA式酸素濃縮装置28の窒素吸着触媒としては、ゼオライトを主成分としたものが用いられる。本発明において、PSA式酸素濃縮装置の窒素吸着触媒として要求される要件は、もっぱら空気中の窒素ガスを吸着により優先的に除去することである。
さらに本発明においては、炭酸ガス除去装置とPSA式酸素濃縮装置が必須であるが、これらの装置は別々の装置として設けられている。そして、各々の装置が、別の位置および別のタイミングで、炭酸ガスを主に除去する工程(炭酸ガスを優先的に除去する工程)と、窒素ガスを主に除去する工程(窒素ガスを優先的に除去する工程)とを行う。これら二つの工程の順序は問わない。ただし、これら二つの工程の間で、被処理対象のガスは実質的な他の工程にさらされず、実施形態で示したように接続されて、連続的に処理が行われる。例えば、二つの工程の間で被処理対象のガスの性質を根本的に変化させたり、被処理対象のガスの成分を根本的に変化させたりする工程は存在しない。
このような構成により、装置の全体構成がコンパクトになるとともにい、オゾン水を必要とする現場において、オゾン水を生成しながら被対象物にオゾン水を供給することができる。また、従来からのPSA式酸素濃縮装置を最大限活用しながら、容易に優れたオゾン水生成装置を提供することができる。
また、上述したように、本発明は、25℃における理論値として18.24MΩ・cmの電気抵抗率をもつ水、いわゆる超純水を、処理対象の原料水として好適には含まない。このような超純水は、オゾンガスを消費するオゾン消費物質の元となる無機塩類等をほとんど含まないため、本発明の処理対象とする意義に乏しいからである。すなわち、本発明でいう原料水は、所定量以上のオゾン消費物質を発生させる元となる無機塩類等の物質を所定量以上含むものを専ら対象とする。ここでの「所定量以上のオゾン消費物質」とは、生成されたオゾン水の到達濃度が低く、高い濃度維持特性を損なうといった問題を引き起こす程度以上の量のことを意味する。
また、上記実施形態で用いられる気液混合装置は、エジェクターを用いてオゾンガスと水を混合する方法を採用している。しかし、エジェクター以外でも気液混合可能な方法・装置であれば、本発明の内容に含まれる。
本発明により得られたオゾン水は、従来のものに比してより高い殺菌効果、洗浄効果、脱臭効果、対象表面からの物質剥離効果をもち、その効果も長時間維持されることとなる。したがって、本発明により得られたオゾン水、すなわちオゾン消費物質(オゾンスイカベンジャー)を増加されていないオゾン水は、従来オゾン水に比してより広範な技術分野、産業分野に適用可能となる。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明によれば、高い溶存オゾン濃度への到達と、高い濃度維持特性をもつオゾン水が得られるため、オゾン水の弱点であった高濃度にし難い点と、不安定で大量生成が困難であった点を補い、さらに広範な技術分野、産業分野に適用でき、普及が可能となる。
1 炭酸ガス除去装置
2 フィルター
3 炭酸ガス濃度センサー
4 コンプレッサー
5 ドライヤー
6 PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮ユニット
7 オゾナイザー(オゾンガス発生装置)
8 逆流防止弁
9 空気(大気)
10 水(コンプレッサードレン)
11 水(ドライヤードレン)
12 未溶解余剰オゾンガス分解装置
13 混合オゾンガス未溶解気泡分離用タンク
14 エジェクター(気液混合装置)
15 排気ガス(オゾン分解後の酸素ガス)
16 水道水(原料水)
17 チラー
18 溶存オゾン濃度計
19 水温計
20 冷却水循環ポンプ
21 オゾン水生成用循環ポンプ
22 貯留タンク
23 オゾン水送水用吐出ポンプ
24 オゾンガス供給経路
25 経路
26 排気ガス(分離後の窒素ガス)
27 酸素ガスセンサー
28 PSA式酸素濃縮装置(窒素分離機構)
100 オゾンガス生成部(オゾンガス供給ライン)
200 オゾン水生成循環ライン

Claims (8)

  1. 吸着作用により窒素ガスを空気中から吸着分離して濃縮酸素ガスを生成するPSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置と、
    放電により前記濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させるオゾンガス発生装置と、
    前記オゾンガスを原料水中に溶存させてオゾン水を生成する気液混合装置と、を備えるオゾン水生成装置であって、
    前記PSA式酸素濃縮装置の前段又は後段に配置され、前記空気または前記濃縮酸素ガスから炭酸ガスを除去する炭酸ガス除去装置をさらに含む、オゾン水生成装置。
  2. 請求項1に記載のオゾン水生成装置であって、
    前記炭酸ガス除去装置が、前記オゾンガス発生装置の前段に配置される、オゾン水生成装置。
  3. 請求項2に記載のオゾン水生成装置であって、
    前記PSA式酸素濃縮装置と前記炭酸ガス除去装置が、経路によって直接的に接続された、オゾン水生成装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のオゾン水生成装置であって、
    前記PSA式酸素濃縮装置が、ゼオライトを主成分とする触媒を含み、
    前記炭酸ガス除去装置が、ソーダライムを主成分とする炭酸ガス吸着触媒を含む、オゾン水生成装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のオゾン水生成装置であって、
    前記炭酸ガス除去装置の後段に設けられた、炭酸ガスの濃度を計測する炭酸ガス濃度センサーをさらに備える、オゾン水生成装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のオゾン水生成装置によって生成されたオゾン水。
  7. PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置により、吸着作用により窒素ガスを空気から吸着分離して濃縮酸素ガスを生成する工程と、
    放電により前記濃縮酸素ガスをオゾンガスに変化させる工程と、
    前記オゾンガスを原料水中に溶存させてオゾン水を生成する工程と、を備え、
    前記PSA(Pressure Swing Adsorption)式酸素濃縮装置による処理の前工程または後工程において、前記空気または前記濃縮酸素ガスから炭酸ガスを除去する工程を含む、オゾン水生成方法。
  8. 請求項7記載のオゾン水生成方法であって、
    前記原料水が超純水を含まない水であるオゾン水生成方法。
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