以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3等を参照して説明する。この遊技機1は、図1および図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体H(機体)とを備えている。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1および図2を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図2に示すように、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材(上皿部材5および下皿部材6)5Aと、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図3を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、図1に示すように、本体枠3の右端側には施錠装置7が装着されている。また、図2においては、外枠2、本体枠3と、前面枠4と、皿部材5Aを図示し、遊技盤10と、裏機構盤102の図示を省略している。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には裏機構盤102(図3参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、裏パック102は中枠3に開閉可能に軸支されているとともに、この裏パック102には、「遊技球が蓄えられる遊技球タンク」、「遊技球を上皿部材5には、払い出すための遊技球払出装置」、「各種制御基板(後述する主制御基板200)を収納したケース」等が搭載されている。
前面枠4は、図2に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(正面視で略円形の遊技領域11)を前方から視認可能な形状に開設(略吊り鐘形状に開設)され、前面枠4を閉じたときにその背後に位置する遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43(図3を参照)と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)と、を備えている。また、本遊技機1では、図2に示すように、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」が前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。但し、皿部材5Aを、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に装着し、前面枠4とは別に開閉可能としてもよい。また、上皿部材5および下皿部材6を別体に設け、本体枠3における前面枠4の装着部位よりも下方に配置し、上方に配置される上皿部材5を前面枠4とは別に開閉可能とし、下方に配置される下皿部材6を開閉不可能としてもよい。
図1および図2に示すように、前面枠4の前面部の上方側の左右には、スピーカSP1、SP2(図9参照)が装着され、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図9参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、図2に示すように、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図8参照)および演出ボタン基板228(図9参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている(図2を参照)。
図2に示すように、皿部材5Aにおいて上皿部材5の下方の部位が、下皿部材6を構成している。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側(本体枠3の内部)であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射装置ユニット90(図4を参照)が配設されており、この発射装置ユニット90に発射ハンドル9が接続されている。ここで、発射装置ユニット90は球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部(遊技盤面)は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤本体10Aは左上部に配設されるとともに、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、外側レール12において、内側レール13の外側に配置される部分は、外側レール12の左端部から左斜め上方に上がる経路を描き、内側レール13の右端部の側方に到達したところで、その経路を内側レール13と略平行な円弧状の経路に改めつつ上昇し、球進入口11Sの側方を越えて、遊技盤本体10Aの右上部まで到達している。
内側レール13の外側面部には、補助レール13Bの上端部が一体化されている。そして、「補助レール13Bと、これに略平行な外側レール12の部分の間に形成される通路」と、その上方の「外側レール12と内側レール13とに挟まれつつ球進入口11Sに至る通路」とが連続して誘導経路Yを構成している。この誘導経路Yは、その下端部が「発射装置ユニット90の球出口96j」と連通するとともに、下端部から左上がり傾斜状に「内側レール13の外側(左側方)」を上昇した後、内側レール13の外側を時計回転方向に通過して、球進入口11Sに到達している。
領域形成部10B(遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17aと、第2始動入賞装置17bと、大入賞装置31と、下部表示装置60と、3個の一般入賞装置40、41、43と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、取付部材(化粧板)21と、演出表示装置27とを備えている。このうち、取付部材21は、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、図4に示すように、遊技領域11の上半部中央部を構成している。この取付部材(化粧板)21には、窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって表示窓21eを構成している。尚、この表示窓21eは正面視で略矩形状とされている。
図4に示すように、取付部材21の下縁部には、ステージ部21pが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の周縁部のうちのその他の部位には装飾部材21Aが、前方に突出する状態に装着されている。この装飾部材21Aは、取付部材21の上縁部から突出する庇部21Hと、取付部材21の左縁部から突出する左側装飾部21Lと、取付部材21の右縁部から突出する右装飾部21Rとを備えている。
左側装飾部21Lの内部に遊技球の通路(所謂「ワープ通路」)21wが形成されている。つまり、左側装飾部21Lの左側面部において、この通路21wの進入口(図示を省略)が、左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、ステージ部21p上(メイン役物装置20の内部)に進入させる。また、ステージ部21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成する。この転動面は、左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面として構成されているが、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。
本遊技機1においては、遊技領域11を流下し、通路21wを通じて転動面の左端部に到達した遊技球は、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球はメイン役物装置20外に排出されるが、転動面の中央部から排出される遊技球の多くは、一定の確率で第1始動入賞装置17aに入賞する(後述する。)。尚、遊技領域11を流下して第1始動入賞装置17aに入賞する遊技球の中には、メイン役物装置20に進入せずに第1始動入賞装置17aに入賞するものと、メイン役物装置20に進入し、ステージ部21p上を転動した後に第1始動入賞装置17aに入賞するものがある。
演出表示装置27は「演出表示手段」の具体例を構成するものであり、「液晶表示装置を用いて構成され、下部表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する図柄変動演出を実行する。尚、本実施例では、下部表示装置60(第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62b)が、特別図柄(本図柄)を用いて図柄変動遊技を行い、演出表示装置27が、疑似図柄(演出要素の一具体例を示す。)を用いて図柄変動演出を行う。ここで、以下の説明において、第1特別図柄表示部62aに表示される特別図柄(本図柄)を「第1特別図柄」と称し、第2特別図柄表示部62bに表示される特別図柄(本図柄)を「第2特別図柄」と称する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の詳細に関して後述する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aでは、図5に示すように、3つ(3桁)の疑似図柄が表示される疑似図柄表示領域27bと、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)が表示される背景表示領域27cとが出現することがある。疑似図柄表示領域27bでは、疑似図柄が横方向に3つ並んで表示され、それら「疑似図柄」を用いた演出表示と停止表示等がなされる。また、背景表示領域27cには、背景図柄としてキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示したり、実写映像(図示を省略)を表示したりすることがある。これら「疑似図柄」等は演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出要素」の具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出」や「大当り遊技演出」が実現される。
ここで、「演出要素」とは、図柄変動遊技の進行に伴う表示演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「表示演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う音声演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「音声演出要素」や、図柄変動遊技の進行に伴う発光演出(図柄変動演出の一態様)を実現する「発光演出要素」のことを意味する。そのうち「表示演出要素」としては、例えば、遊技機が備える演出表示手段に表示される「疑似図柄(図柄変動遊技の結果を演出的に示す図柄」「文字(称号、コメント、演出説明、スローガン、標語等の一定の意味を有するものが望ましい。)」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等を例示できる。なお、これら「疑似図柄」「文字」「背景図柄」「キャラクタ図柄」「実写映像」等の表示演出要素は、総じて「演出図柄」として捉えることができる。また、「音声演出要素」としては、例えば、遊技機が備える音声出力手段から出力される「楽曲」「効果音」「言葉(セリフ)」等を例示できる。また、「発光演出要素」としては、例えば、遊技機を構成する「前面枠」や「遊技盤」に設けられる発光手段による様々な発光態様(発光色、発光回数、発光順序、発光時間等の発光パターン)を例示できる。
また、図5に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、後述する第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、後述する第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。これらの補助図柄表示領域A、Bでは、モザイク模様を用いた補助図柄(第4図柄とも言う。)が、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)と連動して変動表示を行った後、対応する特別図柄表示部62a、62bと同時に変動表示を停止する。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。但し、その停止図柄の種類が多く、しかも、各停止図柄が紛らわしい態様であるため、その停止図柄の意味する内容(大当りか、外れか、確率変動大当りか等)を遊技者が理解することが困難である。また、補助図柄表示領域A、Bに確定表示される停止図柄によって特定される内容は、対応する特別図柄表示部62a、62b(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止表示によって特定される内容と同一内容とされる。
更に、図5に示すように、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現することがある。そして、第1保留表示領域(D1〜D4)に、第1始動入賞装置17aへの入賞に起因して生ずる「第1特別図柄」に関する保留数(以下、「第1保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示し、第2保留表示領域(E1〜E4)に、第2始動入賞装置17bへの入賞に起因して生ずる「第2特別図柄」に関する保留数(以下、「第2保留数」という。)を「4個」を上限個数として表示する。なお、第1保留数を表示するための表示部と、第2保留数を表示するための表示部を表示画面27a外に設けることもできる。また、以下の説明において、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することと、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することを「始動入賞」と称することがある。
第1保留表示領域(D1〜D4)は、下方から上方に向かって第1表示部D1と、第2表示部D2と、第3表示部D3と、第4表示部D4とを並べた構成を備える。また、第2保留表示領域(E1〜E4)も、下方から上方に向かって、第1表示部E1と、第2表示部E2と、第3表示部E3と、第4表示部E4とを並べた構成を備える。そして、各表示部(D1〜D4、E1〜E4)には、球(真円)をあしらった図形を表示することができる。
何れの保留表示領域(D1〜D4、E1〜E4)も、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を、「使用中の表示部D1〜D4、E1〜E4」の数によって表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に「未消化の遊技球」の数(保留数)を、順次、デクリメントして表示するものである。具体的には、保留数が「1」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)のみを使用し、保留数が「2」の場合、添え字1を付した表示部(D1、E1)と、添え字2を付した表示部(D2、E2)を使用する。更に、保留数が「3」の場合、添え字4を付した表示部以外の表示部(D1〜D3、E1〜E3)を使用し、保留数が「4」の場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)を使用する。また、保留数が「4」から「3」に減った場合、添え字4を付した表示部(D4、E4)の使用を止め、保留数が「3」から「2」に減った場合、添え字3を付した表示部(D3、E3)の使用を止める。また、保留数が「2」から「1」に減った場合、添え字2を付した表示部(D2、E2)の使用を止め、保留数が「1」から「ゼロ」に減った場合、全ての表示部(D1〜D4、E1〜E4)の使用を止めることとされている。なお、各特別図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、始動入賞装置17a、17bに入賞したが、対応する特別図柄表示部62a、62bにおいて当該入賞に伴う図柄変動遊技がなされていない遊技球を指す。
第1始動入賞装置17aは非可変式(固定式)の始動入賞装置であり、上方に開口部(第1始動口)を開口させたポケット形状を備えている。そして、この第1始動口は、ステージ部21p(転動面)の中央部の略鉛直下方に位置するため、その中央部から落下する遊技球は、この第1始動口を通じて、第1始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。また、第1始動入賞装置17の内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17s(図8参照)が配設されている。なお、第1始動入賞装置17aの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。このため、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞可能性は一定とされている。
第2始動入賞装置17bは可変式(開閉式)の始動入賞装置であり、第1始動入賞装置17aの直下に配設されている。この第2始動入賞装置17bは、図6(a)に示すように、遊技盤本体10Aにビス止め固定される取付板17cと、取付板17cの前面部に装着されて第2始動入賞装置17bの入口側部分を構成する普通電動役物17dと、取付板17cの前面部に装着された障害部材17kと、を備えている。
普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に配設された一対の可動翼片17e、17eと、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図8参照)とを備えている。このうち、可動翼片17e、17eはそれぞれの下方側の支軸を中心に、上端側を相互に離間するように、左右に開放可能とされる。そして、両可動翼片17e、17eが立設状態となる閉鎖状態にあるときに、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が縮小される。また、普通電動役物ソレノイド17cを駆動して、両可動翼片17e、17eを、下端側の軸心に上端側を相互に離間するように傾動させると、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔が拡大され、開放状態とされる。
障害部材17kは、普通電動役物17dの鉛直上方に配設されている。また、第2始動入賞装置17bの内部には遊技球の通過を検出する始動入賞検出スイッチ17t(図8参照)が配設されている。
図6(a)に示すように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、一対の可動翼片17e、17eの上端部間には、1球の遊技球の通過を許容する空間部K1が形成されるが、この空間部K1の鉛直上方に障害部材17Kが配設されている。このため、閉鎖状態にある第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することは不可能されている。一方、図6(b)に示すように、第2始動入賞装置17bが開放状態になり、一対の可動翼片17e、17eが左右に開くと、可動翼片17e、17eの上端部間の間隔K1が、障害部材17Kの左右全幅よりも拡大される。このため、障害部材17Kの左右を通過した遊技球が、第2始動入賞装置17bへ入賞することが可能となる。
本遊技機1においては、第2始動入賞装置17bが開放状態となると、遊技領域11を流下する遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞可能となる。そして、遊技機1の遊技モードが開放延長モード(後述する。)となり、第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに高くなる。なお、本実施例では、開放延長モードにおける第2始動入賞装置17bの開放時間を「5秒」としており、非開放延長モード(通常開放モード)における第2始動入賞装置17bの開放時間を「0.2秒」としている。
一方、前述のように、第2始動入賞装置17bが閉鎖状態になると、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞することが不可能であるため、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞する確率は第1始動入賞装置17aに入賞する確率に比べて遙かに低くなる。すなわち、遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなると、遊技球が第1始動入賞装置17aに入賞するケースはレアケースとなり、遊技機1の遊技モードが開放延長モードでない場合、遊技球が第2始動入賞装置17bに入賞するケースはレアケースである。
図4に示すように、第2始動入賞装置17bの下方には大入賞装置31が配設されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部10aに装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は「大入賞口入賞通路(図示を省略)」に連絡されている。なお、「大入賞口入賞通路」は大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、大入賞口31aに入賞した遊技球は大入賞口入賞通路を通過した後、本遊技機1の機外に排出される。
大入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図8参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞検出スイッチ31s(図8参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、大入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されるとともに、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、大入賞装置31へ到達した遊技球を大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
図4に示すように、下部表示装置60は大入賞装置31の左側方に配置されている。この下部表示装置60は、図7(a)に示すように、遊技盤本体10Aの前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。なお、第1特別図柄表示部62a及び第2特別図柄表示部62bは「図柄表示手段」の具体例を構成する。
図7(a)に示すように、第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第1特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。また、第2特別図柄表示部62bでは、第2始動口入賞検出スイッチ17tsによって遊技球が検出されることに起因して実行される当否判定の結果を示す「第2特別図柄の停止図柄」が、変動表示を経て停止表示する。なお、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bの表示結果の内容については後述する。また、第1特別図柄表示部62aおよび第2特別図柄表示部62bにおいて表示される図柄変動遊技の結果(当否判定の結果)と、演出表示装置27において表示される図柄変動演出の表示結果(当否判定の結果)は一致するものとされる。
普通図柄表示部63は、図7(a)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、何れかの普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに起因して図柄変動開始条件が成立すると、普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、これらの変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の停止図柄が一定時間実行される。このとき、停止図柄が「奇数数字」である場合、当り図柄であり、停止図柄が「偶数数字」である場合、外れ図柄である。この普通電動役物17dを開放状態とすべきか否かの抽選を行う抽選手段は、後述する主制御部200Aによって構成される。
第1特別図柄保留表示部64a及び第2特別図柄保留表示部64bは、それぞれ2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、それぞれ4個を上限として表示するものである。つまり、第1特別図柄保留表示部64aは、第1の始動入賞装置17aに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。また、第2特別図柄保留表示部64bは、第2の始動入賞装置17bに入賞したものの未だ消化することのできない遊技球の数(即ち、保留数)を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球(保留)が消化される毎に、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する「未消化の遊技球(つまり、保留)」とは、始動入賞装置(17a若しくは17b)に入賞したが、特別図柄表示部(62a若しくは62b)において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部65も2個のLEDを用いて構成され、普通図柄作動ゲート16を通過したが、未だ未消化の遊技球の数(保留数)を、4個を上限数として表示するとともに、未消化の遊技球が消化される毎に、未消化の遊技球の数(保留数)を順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部63において当該通過に伴う抽選の結果の表示(抽選結果図柄の確定表示)と、これに先行する変動表示(本実施例では、7セグメント表示体を用いた表示)とがなされていない遊技球を指す。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64b及び普通図柄保留表示部65では、それぞれ同様な態様で保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを示し、(b)1個のLEDを点灯させつつ1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを示し、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを示し、(d)1個のLEDを点滅させつつ1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを示し、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを示す。なお、前述の第1保留表示領域(D1〜D4)の表示内容は第1特別図柄保留表示部64aの表示内容に対応し、前述の第2保留表示領域(E1〜E4)の表示内容は第2特別図柄保留表示部64bの表示内容に対応する。
図4に戻り、3個の一般入賞装置40、41、43は、メイン役物装置20の左右に配置されている。そして、各一般入賞装置40、41、43の内部には、遊技球の入賞を検出するための一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s(図8参照)が配設されている。また、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。
(2)制御回路の構成
次に、図8〜図10を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図8〜図10中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図8においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、大入賞口ソレノイド31c、下部表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、当否判定手段と、大当り遊技実行手段として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。ここで、主制御部200A(主制御基板200)は、図柄変動遊技実行手段、大当り遊技実行手段、高確率遊技実行手段(確率変動手段)、開放延長手段の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図10に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。なお、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示実行手段の具体例を構成する。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
図10に示すように、演出表示制御基板222には、CPU222aと、制御ROM222bと、制御RAM222cと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)222dと、ワークRAM222eと、表示用ROM(キャラクタROM)222gと、ビデオRAM222hとが搭載されている。また、VDP222dには演出表示装置27が電気的に接続されている。
CPU222aは、サブ制御基板220から送信された各種表示制御用の信号(コマンド)を受信すると共に制御ROM222bに記憶されたプログラムに従って受信した信号(コマンド)を解析する。そして、CPU222aはその解析結果をVDP222dに送信する。尚、制御ROM222bには遊技機1の遊技状態等に応じた各種の画像表示制御用のプログラムが記憶され、制御RAM222cには各種のデータを一時的に記憶する記憶領域や作業領域等が設けられている。また、表示用ROM222gには、演出表示装置27の表示画面27aに表示される各種演出図柄の表示に関するデータ(変動表示される疑似図柄のデータ等)が記憶されている。
VDP222dは、CPU222aによる上記「解析結果」に基づいて、演出表示ROM222gに記憶されたデータを読み出し、この読み出したデータに基づいてワークRAM222eで画像データを生成し、ビデオRAM222hに一時的に記憶させる。この後、送信部222kから、ビデオRAM222hに記憶された画像データを信号(RGB画像信号)に載せて演出表示装置27に送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、図8に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、始動入賞に基づいて行われる当否判定の結果を示す停止図柄の停止表示(確定表示)と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを、下部表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、下部表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、下部表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、遊技の基本進行を司る「主制御部200Aにおいて「停止図柄」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。
なお、本実施例では、第1始動口入賞検出スイッチ17sによって遊技球が検出されること(以下、「第1始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第1当否判定」という。)と、第2始動口入賞検出スイッチ17tによって遊技球が検出されること(以下、「第2始動入賞」という。)に起因して実行される当否判定(以下、「第2当否判定」という。)は、何れも「大当り抽選」のみによって構成されるが、第1当否判定および第2当否判定のうちの少なくとも一方が「大当り抽選」と、大当り抽選の結果が外れの場合に実行される「小当り抽選」とによって構成されてもよい。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「疑似図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御する「サブ制御部220A」によって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「疑似図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「疑似図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ等)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では、第1始動入賞に起因して、第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に起因して、第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って、演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。そして、実行した図柄変動遊技の結果が大当りとなると、主制御部200Aは大当り遊技を実行するが、この大当り遊技の実行に伴って、演出表示装置27において大当り遊技演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と、「遊技演出(図柄変動演出、大当り遊技演出)」の内容について説明する。
a.図柄変動遊技
「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」は第1特別図柄の変動表示および停止表示によって構成され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」は第2特別図柄の変動表示および停止表示によって構成される。これらの変動表示は、図7(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。つまり、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。そして、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって第1当否判定の結果が表示され、「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」における停止表示によって第2当否判定の結果が表示される。
ところで、図11および図12に示すように、遊技機1の確率モードが低確率モード(通常確率モード)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/300」とされる。また、遊技機1の確率モードが高確率モードである場合(高確率遊技を実行中の場合)には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/30」とされる。そして、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段が作動を開始して大当り遊技が実行される。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動および駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。なお、遊技状態が大当り遊技状態となっている間は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われない状態、すなわち、図柄変動遊技が実行不能な状態となる。これに対し、「大当り遊技状態移行前」や「大当り遊技状態終了後」の大当り遊技が行われていない状態は、特別図柄(本図柄)の変動表示が行われる状態、すなわち、図柄変動遊技が実行可能な状態(図柄変動遊技状態)となる。
ここで、「大入賞装置31の開放」は大入賞口ソレノイド31cを駆動して、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、大入賞口31aを開放状態に変化させることによって実現され、「大入賞装置31の閉鎖」は、大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止して開閉板31bを起立姿勢に戻し、大入賞口31aを閉鎖状態に戻すことによって実現される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒若しくは0.2秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
本遊技機1では、遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行すると、所定回数(2ラウンド若しくは15ラウンド)に亘る「ラウンド遊技」を実行する。そして、最終回の「ラウンド遊技」を終了すると、大当り遊技が終了する。更に、大当り終了に係る演出(エンディング演出)を行った後、遊技状態が図柄変動遊技状態に戻される。なお、本実施例では、各ラウンド遊技の開始および終了毎に、主制御基板200からサブ制御基板220に「ラウンド開始指定コマンド」および「ラウンド終了指定コマンド」が送信される。そして、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、主制御基板200からの「ラウンド開始指定コマンド」および「ラウンド終了コマンド」に基づき、現在実行中の大当り遊技(ラウンド遊技)の進行状況を判断し、その進行状況に応じた種々の大当り遊技演出を演出表示装置27等により実行する。また、「ラウンド開始指定コマンド」はラウンド遊技の開始や、その開始されるラウンド遊技のラウンド数を示すコマンドであり、「ラウンド数指定コマンド」とも言う。また、「ラウンド終了指定コマンド」は大当りラウンドが終了したことを示すコマンドである。
また、本実施例では、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bに停止表示(確定表示)される大当り図柄の態様に応じて実行される大当り遊技(ラウンド遊技)の内容や、大当り遊技終了後の遊技機1の遊技状態が異なったものとなる。以下、この点について詳細に説明する。ここで、以下の説明において、「15R確変大当り」および「15R通常大当り」は、「遊技球の入賞が容易な態様で大入賞口31aを開放させる第1ラウンド遊技」を「15ラウンド」行う第1大当り遊技の開始契機となる大当りであり、「2R確変大当り」は「遊技球の入賞が困難な態様で大入賞口31aを開放させる第2ラウンド遊技」を「2ラウンド」行う第2大当り遊技の開始契機となる大当りである。つまり、「15R確変大当り」、「15R通常大当り」、「2R確変大当り」は、それぞれ「出球あり確変大当り」、「出球あり通常大当り」、「出球なし確変大当り」となる。
ここで、本実施例の第1大当り遊技は、第1ラウンド遊技が所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技である。また、この第1ラウンド遊技において、大入賞口31aを「30秒」に亘って開放状態とする開放動作が、大入賞装置31に対して1回施される。この第1ラウンド遊技が実行されると、大入賞口31aに規定入賞数(本実施例では10個)の遊技球をほぼ確実に入球させることができる。そして、本遊技機1では、大入賞口31aに1球の遊技球が入球する毎に「15球」の遊技球が払い出されるため、一回の第1大当り遊技が実行されると、「2250」個の遊技球を払い出すことが予定されている。
また、本実施例の第2大当り遊技は、第2ラウンド遊技が所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技である。また、この第2ラウンド遊技において、大入賞口31aを「0.2秒」に亘って開放状態とする開放動作が、大入賞装置31に対して1回施される。この第2ラウンド遊技が実行されても、大入賞口31aに遊技球を入球させることは困難である。つまり、大入賞口31aが開放状態となるタイミングと、大入賞口31aの近傍に遊技球が到達するタイミングとが一致した場合には、1球の遊技球が入球し、「15」個の遊技球が払い出される可能性はあるが、これはごく希なケースである。このため、大入賞口31aに遊技球を入球させることは実質的に不可能であり、この第2大当り遊技では実質的に遊技球を払い出すことを予定しない。
なお、第1大当り遊技としては、大入賞口の1ラウンド毎の開放時間を20〜30秒とする態様を例示できる。1ラウンド毎の開放時間が20秒以上であると、遊技者の技量にかかわらず、大入賞口への遊技球の入賞が容易な状態とでき、1ラウンド毎の開放時間が30秒を超えると、大入賞口への遊技球の入賞確率が著しく高くなり、遊技の健全性を損なう可能性があるからである。
また、第2大当り遊技としては、大入賞口の1ラウンド毎の開放時間を0.1〜1秒とする態様を例示できる。大入賞口の開放時間を0.1秒未満とすることは技術的に困難(開閉制御上困難)であり、1ラウンド毎の開放時間が1秒を超えることになると、大入賞口に遊技球が入賞する可能性を生じ、遊技球の入賞が困難な態様で大入賞口を開放させる状態を実現することが困難であるからである。
また、第1大当り遊技および第2大当り遊技において、「大当りラウンド」毎に大入賞口を開閉する動作をただ1回行ってもよいし、複数回を行ってもよい。そして、第1大当り遊技において、大入賞口の開閉を複数回行う場合、大入賞口が、この複数回の開閉動作によって開放状態となる時間の合計を、前述の20〜30秒とすることが望ましい。また、第2大当り遊技において、大入賞口の開閉を複数回行う場合、大入賞口がこの複数回の開閉動作によって開放状態となる時間の合計を、前述の0.1〜1秒とすることが望ましい。
第1当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(つまり、振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によって、図11に示すように、「大当りの種類」が「15R確変大当り」、「15R通常大当り」および「2R確変大当り」のうちの何れかに決定される。「振分抽選」を行うための乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第1当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定によって「大当り」を示す判定結果が導出された場合も、主制御部200Aは大当りの種類(大当り図柄の種類)を乱数抽選(振分抽選)によって決定する。そして、この乱数抽選(振分抽選)によっても、図12に示すように、「大当りの種類」が「15R確変大当り」、「15R通常大当り」および「2R確変大当り」のうちの何れかに決定される。この「振分抽選」を行うための乱数(以下、「特図2図柄決定乱数」という。)も、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。なお、第2当否判定の結果が大当りでない場合も、主制御部200Aは小当りを発生させるか否かを乱数抽選(小当り抽選)によって決定してもよい。
第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。つまり、本実施例では、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて、より多量の賞球が期待できる大当りが選択される確率が高くなっている(図11、図12を参照)。このため、遊技者にとっては、第2当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第2当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合の方が、第1当否判定が連続的に行われる遊技(以下、「第1当否判定を主体とする遊技」という。)を行う場合よりも有利度が高いと言える。
「15R確変大当り」若しくは「2R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされ、高確率遊技が開始される。つまり、第1当否判定が大当りとなる確率および第2当否判定が大当りとなる確率が高確率とされる。このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる遊技状態が「高確率モード(高確率状態)」である。この高確率モードは、対応する大当り遊技を終了した後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数(第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示回数の合計)が「78回」になるまで継続される(図11、図12を参照)。なお、高確率モードの実行期間(ST期間)に相当する「78回」は「上限回数」の具体例を構成する。また、以下の説明において、開放延長手段および変動時間短縮手段が作動する遊技モードを「開放延長モード」若しくは「短縮変動モード」と称する。
「15R確変大当り」を生ずるか、開放延長モード中に「2R確変大当り」を生ずると、対応する大当り遊技を実行した後、「開放延長モード」となる。この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数(第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示回数の合計)が「74回」になるまで継続される。このため、「15R確変大当り」若しくは「2R確変大当り」を生じ、対応する大当り遊技を終了した後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「74回」を超えると、当該累積実行回数が「78回」になるまで間、「高確率モード」であるが「開放延長モード」でない状態、つまり、所謂「潜伏確変」の状態となる(図23を参照)。また、図47を用いて後述するように、「開放延長モード」でない状態で「2R確変大当り」を生した場合には、所謂「潜伏確変」の状態となる。なお、図11および図12において、「15R確変大当り」を示す欄に表記する停止図柄は「第1大当り態様の停止図柄」の具体例を示し、「15R確変大当り」を示す欄に表記する停止図柄は「第2大当り態様の停止図柄」の具体例を示す。
一方、「15R通常大当り」を生ずると、第1大当り遊技を実行した後、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。つまり、第1当否判定が大当りとなる確率および第2当否判定が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。また、対応する大当り遊技の終了後に遊技機1の遊技モードが開放延長モードとなり第2始動入賞装置17bが開放状態となる時間が長くなる。そして、この開放延長モードは、対応する大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数(第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示回数の合計)が「50回」になるまで継続される。
b.遊技演出
前述のように、本遊技機1は、遊技演出として「図柄変動演出」と「大当り遊技演出」とを実行する。以下、「図柄変動演出」と「大当り遊技演出」について説明する。また、以下においては、ST期間外に図柄変動遊技を開始することに起因して行われる遊技演出(以下、「通常態様」という。)について述べた後、ST期間中に図柄変動遊技を開始することに起因して行われる遊技演出(以下、「特別態様」という。)について説明する。
b−1.通常態様
ST期間外の図柄変動遊技に伴う図柄変動演出も、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して開始される。この図柄変動演出では、図14(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aにおいて疑似図柄の変動表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)を開始する。そして、疑似図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が一定時間(約0.6秒間)実行される。この疑似図柄の停止表示は、前述の右下表示装置60(第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62b)による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
演出表示装置27の表示画面27aでは、疑似図柄表示領域27bに3つ(3桁)の疑似図柄を表示しつつ疑似図柄の変動表示と停止表示がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。また、疑似図柄表示領域27bに確定表示される確定図柄としては、(1)「15R確変大当り」の発生を示す停止図柄と、(2)「15R通常大当り」の発生を示す停止図柄と、(3)「2R確変大当り」の発生を示す停止図柄と、(4)「外れ」の発生を示す停止図柄として用いられる停止図柄と、の4種類が予定されている。
ここで、前述のように、本遊技機1においては、「大当り」として、図11および図12に示すように、複数種類の大当りの各々に対応して本図柄の停止図柄(大当り図柄)を設定している。一方、図13(a)に示すように、疑似図柄の停止図柄を以下のように定めている。つまり、「15R確変大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の奇数数字」を3個並べて構成され、「15R通常大当り」の発生を示す停止図柄は、表示画面27aに「同一の偶数数字」を3個並べて構成される。更に、「外れ」の発生若しくは「2R確変大当り」の発生を示す停止図柄は、図13(b)に示すように、3つの疑似図柄のうちの少なくとも1つを他と異なる数字図柄として構成され、「外れ」の発生時と「2R確変大当り」の発生時とでは、表示画面27a(疑似図柄表示領域27b)で同様の演出表示(疑似図柄を用いた図柄変動演出)が行われる。なお、「2R確変大当り」の発生を示す停止図柄が停止表示される演出表示(図柄変動演出)は、「図柄表示手段に停止表示される図柄が所定の外れ態様となる場合に行われる演出表示と同様の演出表示」の具体例を構成する。
演出表示装置27において、「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」の発生を示す停止図柄(大当り図柄)を表示する場合、図14(c)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、図14(a)および(b)に示すように、演出表示装置27において「外れ」の発生を示す停止図柄(外れ図柄)若しくは「2R確変大当り」の発生を示す停止図柄(外れ図柄と同様の図柄)を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄を同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とする演出表示である。
また、図14に示すように、表示画面27aにおいて下側縁部寄りの右端側の位置には、第1特別図柄表示部62aと連動して変動表示される第1補助図柄表示領域Aと、第2特別図柄表示部62bと連動して変動表示される第2補助図柄表示領域Bとが出現する。そして、図柄変動遊技を実行中の特別図柄表示部(62a若しくは62b)と対応する補助図柄(第4図柄)が連動して変動表示を行う。そして、変動表示を停止すると、補助図柄の停止図柄が確定表示され、その停止図柄によって当否判定の結果が表示される。
また、図14では図示を省略するが、表示画面27aの背景画面表示領域27cでは、疑似図柄の変動を盛り上げるための演出が「背景図柄」、「キャラクタ図柄」、「実写映像」等を表示しつつ繰り広げられる(図5を参照)。この演出は、通常態様に従う図柄変動演出においては、その開始時に決定した演出パターンに従って行われる。なお、図5を用いて前述したように、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現するが、図14(a)〜(c)では図示を省略する。
次に、ST期間外の図柄変動遊技の結果が大当りとなることを契機に実行される大当り遊技に伴う大当り遊技演出について説明する。先ず、図15に示すように、「15R確変大当り」が発生した場合(A1)と、「15R通常大当り」が発生した場合(A2)には、演出表示装置27の表示画面27aにおいてファンファーレ演出(約4秒)を行う(A3)。このファンファーレ演出を経て第1ラウンド遊技が開始され、これに伴い表示画面27aにおいて「第1ラウンドに係るラウンド演出」を行う(A4)。つまり、第1大当り遊技が開始される。そして、「第1ラウンド」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル演出を行う(A5)。
この後、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を経て「第2ラウンド」が開始され、第1ラウンド遊技が開始される。これに伴い表示画面27aにおいて「第2ラウンドに係るラウンド演出」を開始する。そして、「第2ラウンド」の終了条件が成立すると、表示画面27aにおいてインターバル演出を行う。以降、同様にして「大当りラウンド」が最終ラウンド(15ラウンド)まで「インターバル時間」及び「インターバル演出」を挟みつつ繰り返される。そして、最終のラウンド(第15ラウンド)が終了すると(A6)、エンディング演出(約4秒)を行う(A7)。更にエンディング演出が終了すると(A7)、第1大当り遊技終了後の遊技モードが「終了した第1大当り遊技の実行契機となった大当りの種類」に対応して定められる。つまり、「15R確変大当り」の発生を契機とする第1大当り遊技が終了した場合には遊技モードが「高確率短縮変動モード」となり、「15R通常大当り」の発生を契機とする第1大当り遊技を終了した場合には遊技モードが「低確率短縮変動モード」となる。
また、図16に示すように、ST期間外に「2R確変大当り」が発生した場合(B1)には、演出表示装置27の表示画面27aにおいて、「ST期間」が開始されることを示唆する演出(以下、「初当り時モード突入演出」という。)を開始する。つまり、ファンファーレ演出を行うことなく「初当り時モード突入演出」を開始する(B2)。そして、仮にファンファーレ演出を行った場合のそれに要する期間(以下、「ファンファーレ演出相当期間」という。)が経過するタイミングで、第2ラウンド遊技が開始され、第2大当り遊技が実行される。なお、本実施例において「ファンファーレ演出相当期間」は2R確変大当りが発生してから(図柄変動遊技が終了してから)4秒の期間である。
この第2大当り遊技においては、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を挟み、第2ラウンド遊技が2回繰り返され、2回目の第2ラウンド遊技が終了すると、第2大当り遊技の終了となる。また、前述の「初当り時モード突入演出」は第2ラウンド遊技の実行中にも継続して行われるとともに、2回目の第2ラウンド遊技の終了後も実行される。つまり、「初当り時モード突入演出」は第2大当り遊技の開始から終了まで行われる。そして、2回目の第2ラウンド遊技の終了後も、エンディング演出を行うことなく「初当り時モード突入演出」が継続され、2回目の第2ラウンド遊技の終了後(第2大当り遊技の終了時)に仮にエンディング演出を行った場合のそれに要する期間(以下、「エンディング演出相当期間」という。)が経過すると、「初当り時モード突入演出」は終了する。そして、「2R確変大当り」の発生時の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(短縮変動モード)であれば、第2大当り遊技終了後(2R確変大当り遊技終了後)の遊技モードは「高確率短縮変動モード」となり、通常開放モード(通常変動モード)であれば第2大当り遊技終了後(2R確変大当り遊技終了後)の遊技モードは「高確率通常変動モード」となる(図47を参照)。なお、「エンディング演出相当期間」は2回目の第2ラウンド遊技が終了してから「4秒」の期間である。
b−2.特別態様
ST期間中の図柄変動遊技に伴う図柄変動演出も、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bへの入賞(始動入賞)に起因して開始される。但し、本遊技機1では、ST期間中に「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」が発生する場合の遊技演出(図柄変動演出、大当り遊技演出)は、前述の通常態様に係る遊技演出(図柄変動演出、大当り遊技演出)と同様であるため、その説明を省略する。
また、ST期間中に「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」が発生する場合の当該大当りの発生を示す疑似図柄(停止図柄)も、前述の通常態様に係る図柄変動演出を行う場合と同様であるため、その説明を省略する。以下、ST期間中に「外れ」が発生する場合と、ST期間中に「2R確変大当り」が発生する場合について説明する。
図17〜図20は、ST期間中に大当りが発生することなく当該ST期間が終了するケース(以下、「具体例1」という。)を示している。ここで、図17は、ST期間外に「2R確変大当り」が発生し、それに伴い第2大当り遊技が行われた後(a1)、ST期間が開始されるケース(a2)を示している。すなわち、所謂「初当り」として「2R確変大当り」が発生することを契機にST期間が開始されるケース(a1、a2)を例示している。なお、図示を省略するが、ST期間外に「15R確変大当り」が発生しそれに伴い第1大当り遊技が行われた後、ST期間が開始されるケースにおいても、図17〜図20を適用することができる。
ここで、図17〜32に示す「ST=X」における「X(1〜78の自然数)」は、一のST期間において何回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)であるかを示している。例えば、「ST=1」と表記する場合には「1回目」の図柄変動演出であることを示し、「ST=4」と表記する場合には「4回目」の図柄変動演出であることを示している。また、図17〜図20には、第1補助図柄表示領域Aと第2補助図柄表示領域Bが図示されているが、「15R確変大当り」の発生を契機として開始されるST期間と、開放延長モード(高確率短縮変動モード若しくは低確率短縮変動モード)での「2R確変大当り」の発生を契機とするST期間においては、原則として「第2当否判定を主体とする遊技」が実行される。なお、以下の説明では「第2当否判定を主体とする遊技」が実行される場合を中心に行うため、図17〜図32においては、第2補助図柄表示領域Bでは補助図柄(第4図柄)の変動表示と停止表示を行うが、第1補助図柄表示領域Aでは補助図柄(第4図柄)の変動表示と停止表示を行わない態様を図示している。
また、本実施例では、ST期間のうち短縮変動を行う期間(ST=1〜74)において図柄変動遊技の結果が「外れ」となる場合、それに係る本図柄及び疑似図柄の変動時間が一律に「1秒」とされている。更に、図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始時に当否判定の結果として「外れ」が得られ、図柄変動演出(図柄変動遊技)の終了時に当該「外れ」が発生(確定)するため、図17〜図20においては、図柄変動演出の開始を示す部分に「外れ決定」なる文字を表示し、図柄変動演出の終了を示す部分に「外れ発生」なる文字を表示している。例えば、「ST=1」なる表示と「外れ決定」なる文字を併記する場合(図17のa3)は、一のST期間において1回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)の開始時に当否判定の結果として「外れ」が得られたこと(外れ決定)を示し、「ST=1」なる表示と「外れ発生」なる文字を併記する場合(図17のa3)は、一のST期間において1回目の図柄変動演出の終了時(疑似図柄の停止表示時)に「外れ」が発生したことを示している。
なお、ST期間中の図柄変動遊技に伴う図柄変動演出においても、表示画面27aのうち、左縁部寄りの上方側の位置には第1保留表示領域(D1、D2、D3、D4)が出現し、右縁部寄りの上方側の位置には第2保留表示領域(E1、E2、E3、E4)が出現するが、図17〜図20では図示を省略する。
具体例1において、「ST=1」〜「ST=4」までの期間、つまり、ST期間の開始後、大当りが発生することなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「4回」になるまでの期間には、表示画面27aにおいて「ST期間の開始直前」を装った演出(以下、「確変チャンスモード突入演出」という。)が実行される(図17のa3〜a6、図18のa7、a8)。この「確変チャンスモード突入演出」は、既に「ST期間」が開始されているにもかかわらず、あたかも「ST期間」の開始直前であるように装う演出である。そして、表示画面27aに、遊技者の味方を示すキャラクタ(味方キャラクタ)と、遊技者の敵を示すキャラクタ(敵キャラクタ)とが併走する画像が表示される。
この「確変チャンスモード突入演出」では、表示画面27aにおいて第1補助図柄表示領域Aと第2補助図柄表示領域Bが出現するが、前述のように、遊技者にとっては、第1補助図柄表示領域Aや第2補助図柄表示領域Bの表示内容(補助図柄の停止図柄が大当りおよび外れの何れを示しているか等)は、表示画面27aの主たる表示領域(疑似図柄表示領域27aや背景表示領域27c)の表示内容に比べ認識困難である。しかも、「ST=1」〜「ST=4」までの期間において、表示画面27aには疑似図柄表示領域27bに3桁の疑似図柄が表示されないため、遊技者にとっては、「確変チャンスモード突入演出」が行われている表示画面27aの表示内容に基づき図柄変動遊技の結果を理解することが困難となるばかりか、図柄変動遊技が実行されていること自体を認識することも困難となる。
「ST=5」〜「ST=78」までの期間においては、図18〜図20に示すように、表示画面27aの疑似図柄表示領域27bに3桁の疑似図柄が表示されるため、遊技者にとっては、表示画面27aの表示内容に基づき図柄変動遊技の結果を理解することが容易となり、図柄変動遊技が実行されていることを認識することも容易となる。
また、「ST=5」〜「ST=78」までの期間においては、表示画面27aの背景表示領域27cにおいて一連のストーリーを備える演出(ストーリー演出)が実行される。つまり、「ST=5」において「味方キャラクタ」が「赤ん坊」であるときの画像が表示されること(図18のa9、a10)を起点として、ST期間の経過に伴って「味方キャラクタ」が順次成長する画像(味方キャラクタの人生を描いた画像)が表示される(図18のa11、図19、図20を参照)。例えば、「ST=10」において「味方キャラクタ」が小学校に入学する画像(図18のa11、図19のa12)、「ST=20」において「味方キャラクタ」が就職する画像(図19のa13、a14)、「ST=30」において「味方キャラクタ」が結婚する画像(図19のa15、a16)、「ST=40」において「味方キャラクタ」が妻と子供と並ぶ画像(図19のa17、a18)、「ST=74」以降において「味方キャラクタ」と妻の老後を示す画像(図19のa19、a20、図20のa21〜a24)がそれぞれ表示される。
また、本実施例では、「ST=5」の図柄変動演出(ST期間中の5回目の図柄変動演出)を開始する際に、大当りが発生することなく実行可能な図柄変動遊技の上限回数(以下、「ST上限回数」という。)が「70回」であることを示唆する表示がなされ(図18のa9)、「ST=74」の図柄変動演出(ST期間中の74回目の図柄変動演出)を開始する際に、ST期間を維持しつつ実行可能な図柄変動遊技の回数(以下、「ST残り回数」という。)が「1回」である旨の表示がなされる(図19のa19)。つまり、「ST上限回数」および「ST残り回数」として、実際のST期間(78回)とは異なる回数が表示される。
また、本遊技機1では、前述のように、ST期間において大当りが発生することなく実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「74回」を超えると、当該累積実行回数が「78回」になるまで間、「高確率状態」であるが「開放延長状態」でない状態、つまり、所謂「潜伏確変」の状態となる。このため、「ST=74」の状態で図柄変動演出が終了すると、遊技機1の遊技モードは「高確率通常変動モード」となる。そして、「ST=75」〜「ST=78」の間は、所謂「潜伏確変」の状態で図柄変動遊技が実行され、「ST=78」の状態で図柄変動演出が終了すると、遊技機1の遊技モードは「低確率通常変動モード」となる(図20のa21〜a24)。なお、図47のS828の処理で否定的な判断を経てST期間が開始され、当該ST期間が当初(ST=1)から「高確率通常変動モード」で開始されるケースでは、「ST=74」の状態で図柄変動演出が終了すると、遊技機1の遊技モードは「高確率通常変動モード」に維持され、「ST=78」の状態で図柄変動演出が終了すると、遊技機1の遊技モードは「低確率通常変動モード」となる。
次に、ST期間中に「2R確変大当り」を生ずる場合の遊技演出について説明する。ここで、本遊技機1では、「ST=1」〜「ST=4」のときに「2R確変大当り」を生ずるケース(以下、「ケース1」という。)と、「ST=5」〜「ST=40」のときに「2R確変大当り」を生ずるケース(以下、「ケース2」という。)と、「ST=41」〜「ST=78」のときに「2R確変大当り」を生ずるケース(以下、「ケース3」という。)とで異なる遊技演出を行う。また、本実施例では、「78回」が「上限回数」の具体例を構成し、「40回」が「第1回数」の具体例を構成するとともに、「4回」が「第2回数」の具体例を構成する。
ケース1において実行される遊技演出は、ST期間の開始後に実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「第2回数(本実施例では4回)」になるまでに実行される遊技演出の具体例を構成し、ケース2において実行される遊技演出は、ST期間開始後に実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「第2回数」を超えて「第1回数(本実施例では40回)」になるまでに実行される遊技演出の具体例を構成する。更に、ケース3において実行される遊技演出は、ST期間開始後に実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「第1回数」を超えて「上限回数(本実施例では78回)」になるまでに実行される遊技演出の具体例を構成する。
図21および図22はケース1の具体例(以下、「具体例2」という。)を示している。この具体例2においては、「ST=2」の図柄変動遊技(ST期間中の2回目の図柄変動遊技)で「2R確変大当り」を生ずる場合を例示している(図21のb1〜b4)。この場合、「ST=2」の図柄変動演出(ST期間中の2回目の図柄変動演出)を開始する時点で2R確変大当りを発生させることが決定されるため、「ST=2」の遊技演出は特別態様で実行される。
この具体例2においては、「ST=2」の図柄変動演出が前述の「確変チャンスモード突入演出」として実行される(図21のb3、b4)。つまり、「ST=1」の図柄変動演出(ST期間中の1回目の図柄変動演出)として行われていた「確変チャンスモード突入演出」が、「2R確変大当りを発生させること」が決定された後においても継続されることになる。また、この図柄変動演出(確変チャンスモード突入演出)の実行時間は「1秒間」とされる。なお、「確変チャンスモード突入演出」は「高確率遊技開始演出表示」および「第2大当り非報知演出表示」の具体例を構成する。
そして、第2大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出も「確変チャンスモード突入演出」として実行される(図21のb5、b6)。なお、図柄変動演出として実行される「確変チャンスモード突入演出」においては、第1補助図柄表示領域Aと第2補助図柄表示領域Bが表示されるが、大当り遊技演出として実行される「確変チャンスモード突入演出」においては、第1補助図柄表示領域Aと、第2補助図柄表示領域Bは非表示とされる。また、この第2大当り遊技も、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を挟み、第2ラウンド遊技が2回繰り返され、2回目の第2ラウンド遊技が終了すると、第2大当り遊技を終了する。
この具体例2では、第2大当り遊技終了時の「エンディング演出相当期間」が経過すると、図柄変動演出が開始可能となる。また、第2大当り遊技の終了後は遊技モードが「高確率短縮変動モード」となるが、「ST=1」〜「ST=4」まで「確変チャンスモード突入演出」が実行される。この場合、表示画面27aに第1補助図柄表示領域Aと第2補助図柄表示領域Bが表示される(図22のb7〜b14)。そして、「ST=5」になると、表示画面27aに疑似図柄表示領域27bが表示されるとともに、表示画面27aの背景表示領域27cにおいて一連のストーリーを備える演出が実行される(図22のb15、b16)。
この具体例2は、ST期間の開始直後に「2R確変大当り」に当選したことを示している。この場合、「2R確変大当り」の当選に伴う図柄変動演出と、これに続いて実行される大当り遊技演出が「確変チャンスモード突入演出」として実行されるため、遊技者にとっては「2R確変大当り」の発生を認識することが困難となる。この点について、図23および図24を用いて更に説明する。
図23は、前述の具体例1に対応するケース(以下、「設例1」という。)を示している。この設例1においては、開放延長モードで発生した2R確変大当りを契機として第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技を実行した後にST期間を開始した場合を示している。この設例1においてはST期間が開始されると、そのST期間が終了するまで(「ST=78」の図柄変動遊技が終了するまで)確率変動手段(高確率遊技実行手段)が作動し、確率変動遊技(高確率遊技)が実行される。但し、「ST=74」の図柄変動遊技(ST期間中の74回目の図柄変動遊技)が終了すると開放延長手段の作動が停止されるため、「ST=74」の図柄変動遊技の終了後は、ST期間が終了するまで所謂「潜伏確変」の状態となる。
この「設例1」においては、「ST=5」になる前の図柄変動演出は、前述のように「確変チャンスモード突入演出」として実行される。そして、「ST=5」の図柄変動遊技(ST期間中の5回目の図柄変動遊技)を開始する際に、「ST上限回数」が「70回」であることが表示画面27aに表示され、「ST=74」の図柄変動遊技(ST期間中の74回目の図柄変動遊技)を開始する際に、「ST残り回数」が「1回」であることが表示画面27aに表示される。つまり、遊技者に確率変動遊技を実行している(ST期間中である)と認識させる演出(以下、「確変モード演出」という。)が実行される期間は、「ST=5」の図柄変動遊技を開始してから、「ST=74」の図柄変動遊技を終了するまでとされる。
図24は、前述の具体例2に対応するケース(以下、「設例2」という。)を示している。この設例2においても、開放延長モードで発生した2R確変大当りを契機として第2大当り遊技を実行するとともに、この第2大当り遊技を実行した後にST期間を開始する場合を示している。この設例2においてもST期間が開始されると、そのST期間が終了するまで確率変動手段(高確率遊技実行手段)が作動し、確率変動遊技(高確率遊技)が実行される。また、「ST=74」の図柄変動遊技(ST期間中の74回目の図柄変動遊技)が終了すると、その後、現在進行中のST期間(以下、「先のST期間」という。)が終了するまで所謂「潜伏確変」の状態となる。この「設例2」においても、「確変モード演出」が実行される期間は、「ST=5」の図柄変動遊技を開始してから、「ST=74」の図柄変動遊技を終了するまでとされる。
この「設例2」においては、「ST=2」の図柄変動遊技(ST期間中の2回目の図柄変動遊技)で2R確変大当りに当選すると、その「2R確変大当り」に係る第2大当り遊技(以下、「後の第2大当り遊技」という。)を経て、ST期間(以下、「後のST期間」という。)が改めて開始される。但し、この「設例2」は、「後の第2大当り遊技」に伴う大当り遊技演出として「確変チャンスモード突入演出」が実行されるとともに、「後のST期間」において「ST=1」〜「ST=4」までの期間に「確変チャンスモード突入演出」が実行される。つまり、「先のST期間」において「確変チャンスモード突入演出」を実行しているときに2R確変大当りに当選すると、「後の第2大当り遊技」に伴う大当り遊技演出として「確変チャンスモード突入演出」が実行されるとともに、「後のST期間」が開始されると、引き続き「確変チャンスモード突入演出」が実行される。このため、遊技者にとっては「2R確変大当り」の発生を認識することが困難となる。
図25〜図27はケース2の具体例(以下、「具体例3」という。)を示している。この具体例3においては、「ST=40」のときに「2R確変大当り」を生ずる場合を例示している(図25のc3〜c6)。この場合においても、「ST=40」の図柄変動演出(ST期間中の40回目の図柄変動演出)の開始時点で2R確変大当りを発生させることが決定されるため、「ST=40」の遊技演出は特別態様で実行される。
この具体例3においては、「ST=40」の図柄変動演出と、これに続いて実行される大当り遊技演出とによって「スーパーリーチ演出」が実行される。ここで、この「スーパーリーチ演出」は、第2大当り非報知演出表示の具体例を構成する。また、本実施例では、「ST=5」〜「ST=40」の期間に2R確変大当りが発生する場合に行われる図柄変動演出の実行時間は「20秒」とされている(図25のc3、c4、c5、c6、図24のc7)。この図柄変動演出においては、「ST=40」のときの背景表示領域27cにおける背景画像(味方キャラクタが妻と子供と並ぶ画像)と疑似図柄表示領域27bとを表示画面27aに表示しつつ、疑似図柄の変動表示を実行する(図25のc3、c4、c5、c6、図26のc7)。
この図柄変動演出においては、その途中でリーチ表示がなされるが(図53のc6)、最終的には「外れ図柄」が表示される(図26のc7)。但し、3桁の疑似図柄を外れ図柄で停止表示した後、それに続いて疑似図柄を再変動させる演出(以下、「再変動演出」という。)を実行する(図26のc8〜c11)。なお、本実施例の再変動演出は、左右の2つの疑似図柄を停止させてリーチ表示の状態を維持しつつ、残り1つの疑似図柄(中図柄)を変動させた後に、その中図柄を停止させる演出である。
この再変動演出は、ファンファーレ演出を行うことなく開始される(図26c8)。そして、再変動演出の開始後、「ファンファーレ演出相当期間」、すなわち「2R確変大当りの発生(2R確変大当りに係る図柄変動遊技の終了)から4秒」が経過すると、第2ラウンド遊技が開始されて第2大当り遊技が実行される。
この第2大当り遊技は、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を挟みつつ第2ラウンド遊技が2回繰り返され、2回目の第2ラウンド遊技が終了すると、第2大当り遊技は終了する。また、この再変動演出は第2大当り遊技の実行中においても継続されるとともに、2回目の第2ラウンド遊技の終了後も「約4秒」実行される。つまり、第2大当り遊技が終了する場合であってもエンディング演出を行うことなく「再変動演出」は継続され、第2大当り遊技の終了時における「エンディング演出相当期間」が経過すると、「再変動演出」は終了する。そして、2R確変大当り発生時の遊技モードが「開放延長モード」であれば、当該第2大当り遊技の終了後の遊技モードは「高確率短縮変動モード」となる。また、2R確変大当り発生時の遊技モードが「開放延長モード」でなければ、当該第2大当り遊技の終了後の遊技モードは「高確率通常変動モード」となる。
そして、第2大当り遊技の終了に合わせて「再変動演出」を終了する際には、表示画面27aに外れ図柄(疑似図柄)が表示される(図26のc11)。この後、図27に示すように、ST期間が最初から始まることになるが(c12)、「ST=1」〜「ST=40」までは、図柄変動演出の背景画像として、前述の「ST=40」の図柄変動演出(ST期間中の40回目の図柄変動演出)を行った際の背景画像(味方キャラクタが妻と子供と並ぶ画像)が用いられる(c13〜c17)。この場合においても、「ST=4」になるまで、表示画面27aに第1補助図柄表示領域Aおよび第2補助図柄表示領域Bが表示されるが、この間、表示画面27aに3桁の疑似図柄が表示されることはない(c13,c14)。また、表示画面27aに「ST期間が開始直前であることを示唆する表示」がなされることもない(c13〜c15)。このため、遊技者にとっては、ST期間中に「2R確変大当り」が発生して、ST期間が改めて最初から開始されたことを認識することが困難となる。
また、「ST=5」になると、具体例1と同様に、表示画面27aに疑似図柄表示領域27bを出現させて疑似図柄の変動表示を開始するが、「ST=5」の図柄変動演出を開始する際に、表示画面27aに「ST上限回数」が表示されることはない(c15〜c17)。そして、「ST=40」を超えると、本来、「ST=40」を超える場合に使用予定の背景画像(味方キャラクタと妻の老後を示す画像等)が、表示画面27aに表示される(c18)。なお、図28に示すように、「ST=5」になる前に「2R確変大当り」が発生する場合には(f1、f2)、その図柄変動演出と大当り遊技演出を、前述の「ST=40」のときに「2R確変大当り」が発生した際の背景画像(味方キャラクタが妻と子供と並ぶ画像)を用いて行う(f3、f4)。また、図29に示すように、その後に開始されるST期間での「ST=1」〜「ST=40」の図柄変動演出では、背景画像として、前述の「ST=40」の図柄変動演出(ST期間中の40回目の図柄変動演出)を行った際の背景画像(味方キャラクタが妻と子供と並ぶ画像)が用いられる(f6〜f10)。
「具体例3」においては、「ST=40」の図柄変動演出(ST期間中の40回目の図柄変動演出)と、これに続いて実行される大当り遊技演出とによって「スーパーリーチ演出」が実行される。つまり、「具体例3」においては、ST期間の開始後に実行される図柄変動遊技の累積実行回数が「第2回数(本実施例では4回)」を超えて「第1回数(本実施例では40回)」になるまでに「2R確変大当り」が発生する場合、遊技者の視線が表示画面27aに集中するような遊技演出(遊技者の注目度が高まる図柄変動演出)を行う。すなわち、第2大当り遊技では、大入賞口31aを一瞬のうちに開放状態とする開閉動作が2回繰り返されるが、この開閉動作が行われている間、遊技者の視線を表示画面27aに集中させることができる。しかも、第2大当り遊技を実行した後、「ST期間」の開始を示唆する表示や「ST上限回数」を示す表示を行うことがないため、遊技者にとっては「2R確変大当りの発生」を認識することが困難となる。
図30〜図32はケース3の具体例(以下、「具体例4」という。)を示している。この具体例4においては、「ST=70」のときに「2R確変大当り」を生ずる場合を例示している(図30のe3〜c5、図31のe6〜e10)。この場合、「ST=70」の図柄変動演出(ST期間中の70回目の図柄変動演出)を開始する時点で2R確変大当りを発生させることが決定されるため、「ST=70」の遊技演出は特別態様で実行される。
この具体例4においては、「ST=70」の図柄変動演出と、これに続いて実行される大当り遊技演出とによって「巻き戻し演出」が実行される。ここで、この「巻き戻し演出」は、第2大当り報知演出表示(高確率遊技が最初から行われる旨を示す演出表示)の具体例を構成するもので、例えば、実行中のST期間において既に行われた演出表示の内容を、ST期間の開始時の内容まで、若しくは、「現時点とST期間の開始時との間の所定時点」の内容まで巻き戻しつつ表示する演出表示を例示できる。また、本実施例では、「ST=41」〜「ST=78」の期間に2R確変大当りが発生する場合に行われる図柄変動演出の実行時間は「60秒」とされている(図30のe3〜c5、図31のe6〜e10)。この図柄変動演出およびこれに続いて実行される大当り遊技演出では、現在実行中のST期間のうち「ST=1」〜「ST=69」の間で行われた図柄変動演出の内容が、「ST=69」〜「ST=1」の順に巻き戻し表示される。この具体例4では、図30および図31に示すように、老人であった「味方キャラクタ」が赤ん坊に戻る表示(味方キャラクタが若返る表示)がなされる。
図32に示すように、「ST=70」のときに発生した2R確変大当りに係る第2大当り遊技の大当り遊技演出では、その第2大当り遊技が終了するまで前述の「巻き戻し演出」の終盤が行われる(図32のe11、e12)。巻き戻し演出の終盤では、「ST=1」〜「ST=4」で行われた「確変チャンスモード突入演出」が「ST=4」〜「ST=1」の順に巻き戻し表示される。なお、第2大当り遊技は、前述した通り、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を挟みつつ第2ラウンド遊技が2回繰り返される。そして、第2大当り遊技の終了時における「エンディング演出相当期間」が経過すると、図柄変動演出が開始可能となる。第2大当り遊技の終了後は、前述の具体例3等と同様に、遊技モードが「高確率短縮変動モード」若しくは「高確率通常変動モード」となるが、「ST=1」〜「ST=4」までは前述の「確変チャンスモード突入演出」が実行される(e13)。そして、「ST=5」になると、表示画面27aに疑似図柄表示領域27bが表示されるとともに「ST上限回数」が表示され(70回の表示)、この後、表示画面27aの背景表示領域27cにおいて一連のストーリーを備える演出が実行される(e15)。なお、「ST=75」〜「ST=78」の図柄変動演出(ST期間中の75回目〜78回目の図柄変動演出)を開始する時点で2R確変大当りを発生させることが決定される場合には、第2大当り遊技終了後の遊技モードは「高確率通常変動モード」となる。
「具体例4」においては、ST期間の終盤に「2R確変大当り」を生ずると、表示画面27aにおいて巻き戻し演出(巻き戻し表示)が実行される。しかも、第2大当り遊技を実行した後、「ST期間」の開始を示唆する表示や「ST上限回数」の表示が行われるため、遊技者にとっては、「2R確変大当りの発生」と「ST期間」のやり直しを認識することが容易となる。
なお、本遊技機1においては、巻き戻し演出専用の演出パターンや、巻き戻し演出専用の動画データを備えてもよい。例えば、「ST=41」〜「ST=78」の各々に対応する巻き戻し演出専用の動画データを、本遊技機1を構成する画像ROMに予め記憶しておく。そして、「ST=41」〜「ST=78」のうちの何れかの場合に「2R確変大当り」が発生したとすると、そのときの「ST回数」に対応する巻き戻し演出専用の動画データを再生し、これにより、巻き戻し演出を行うこととしてもよい。例えば、ST回数が70回(ST=70)の場合に対応する画像データとしては、老人であった味方キャラクタが、図柄変動演出に要する時間(60秒)と、その後の第2大当り遊技を経て図柄変動演出を再開可能となるまでに要する時間(約4.5秒)とを費やして、赤ん坊に戻る表示を行うための画像データを例示できる。
また、本遊技機1は、「ST期間中において実行された図柄変動演出の演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段」と、「演出パターン記憶手段に演出パターンとに基づいて巻き戻し演出の演出パターンを生成する巻き戻し演出パターン生成手段」と、「該巻き戻し演出パターン生成手段により生成された演出パターンを用いて前記巻き戻し演出を実行する巻き戻し演出実行手段」とを備えてもよい。この態様では、巻き戻し演出専用の演出パターンや、巻き戻し演出専用の動画データを必要としないため、演出表示実行手段を構成するプログラムの容量(データ量)を小さくしたり、このプログラムの簡素化を図ることができるため、遊技機を構成するハードウェア資源の有効活用を図ることができる。
なお、「高確率遊技が最初から行われる旨を示す演出表示」としては、具体例4の「巻き戻し演出」に限定されるものではなく、高確率遊技が最初から行われる旨を遊技者に示すことができる演出表示であれば、その種類は特に問わない。例えば、ST期間の開始後において大当りを生ずることなく実行された図柄変動遊技の回数や、現在実行中のST期間で大当りを生ずることなく実行可能な図柄変動遊技の回数(ST残り回数)を示唆する表示を行う場合に、その回数をカウントダウン若しくはカウントアップしつつ初期値に戻したり近づけたりする演出表示(ST回数復活演出)としてもよい。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動遊技」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図33(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。
ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図33(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは変動パターンを指定するコマンドであり、始動入賞時に使用している変動パターンテーブルに応じて、通常変動用の変動パターン(後述する。)および短縮変動用の変動パターン(後述する。)のうちの何れかが特定される。そして、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させるとともに、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。また、モード指定コマンドは、「遊技モード設定手段としての主制御部200A(主制御基板200)」が設定している遊技モードを指定するコマンドである。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図34は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図34のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図34のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。そして、遊技制御処理を構成する各処理の中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図34のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動口入賞検出スイッチ17s、17tや大入賞口入賞検出スイッチ31sや一般入賞検出スイッチ40s、41s、43sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動口入賞検出スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したことを契機に普通図柄表示部63にて普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図24の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図24の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)、或いは、作動させない図柄(普通図柄の外れ図柄)の何れであるかを判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、前述の5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.2秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17dが作動中でなく、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図35は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図35の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動入賞装置17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは5秒、通常開放モードでは0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動入賞装置17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動入賞部17bの一対の翼片部が外側に回動して、第2始動入賞装置17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理(S300)
次に、図36〜図45を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図36に示すように、先ず、第1始動入賞装置17a若しくは第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したか否かが判断される(S302a、S302b)。そして、S302aの処理およびS302bの処理において否定的な判断がなされる場合(S302a;NO、S302b;NO)、そのまま図37に示すS308以降の処理に移行する。
一方、第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞したと判断されると(S302a;YES)、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄の保留数(以下、「第1保留数」という。)が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S304a)。このS304aの処理において、所定個数未満と判断されると(S304a;YES)、第1始動入賞装置17aへの入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに「第1保留数」が「+1」される(S306a)。
ここで、本遊技機1は始動入賞装置として、第1始動入賞装置17aと第2始動入賞装置17bとを備えるとともに、第1始動入賞装置17aに対応する第1特別図柄(以下「特図1」ともいう。)と、第2始動入賞装置17bに対応する第2特別図柄(以下「特図2」ともいう。)とを備える。そして、第1始動入賞装置17aへの始動入賞に基づく判定用乱数と、第2始動入賞装置17bへの始動入賞に基づく判定用乱数とが記憶された状況の下では、後者が優先的に処理される(後述する。)。
また、図36〜図42においては、CPU201によって行われる処理のうち、「第1始動入賞装置17aに遊技球が入賞することに起因して実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞することに起因して実行する各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関して、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
S306aの処理において取得される判定用乱数としては、(a)第1当否判定、つまり第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図1大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1大当り抽選乱数」という。)、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図1図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示画面27aで実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第1始動入賞装置17aへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図1小当り抽選」という。)を行う場合、S306aの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図1小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図1小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
また、第2始動入賞装置17bに遊技球が入賞したと判断されると(S302b;YES)、「第2始動入賞装置17dに対応する特別図柄の保留数(以下、「第2保留数」という。)」が所定個数未満(本実施例は4個未満)であるか否かが判断される(S304b)。このS304bの処理において、所定個数未満と判断されると(S304b;YES)、第2始動入賞装置17bに関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに「第2保留数」が「+1」される(S306b)。この後、S308以降の処理に移行する。
S306bの処理において取得される判定用乱数としては、(a)第2当否判定、つまり第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して実行される大当り抽選(以下、「特図2大当り抽選」という。)に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2大当り抽選乱数」という。)、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「特図2図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置27の表示画面27aにおいて実行される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。なお、本実施例と異なり、第2始動入賞装置17bへの遊技球の入賞に起因して小当り抽選(以下、「特図2小当り抽選」という。)を行う場合、S306bの処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)には、「特図2小当り抽選」に際して用いる抽選用乱数(以下、「特図2小当り抽選乱数」という。)が含まれる。
S308の処理では、図37に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図38のS356の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段」が作動中であることを示すフラグである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か、つまり、第1特別図柄及び第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と、「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから最も古い判定用乱数を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数は、S304bで取得したものであって、特図2大当り抽選乱数や特図2図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、図39に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した特図2大当り抽選乱数」とを用いて当否判定が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2始動入賞装置17b(普通電動役物)の開放延長機能を作動させる場合と、変動短縮機能及び開放延長機能を作動させない場合とがある(後述する。)。
S324又はS326の処理で行われる当否判定の結果が大当りである場合には(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、第2特別図柄に関する変動開始処理(以下、「特図2図柄変動開始処理」という。)に移行する(図37のS500b)。また、当否判定の結果が外れである場合には(S330;NO)、「外れフラグ」、つまり「大当りを生じなかったことを示すフラグ」をセット(ONに設定)した後(S339)、第2当否判定処理(S320b)を終了し、特図2図柄変動開始処理に移行する(S500b)。なお、第1特別図柄に関する当否判定処理(S320a;第1当否判定処理)は、RAM202の所定アドレスから最も古い判定用乱数(S306aで取得した特図1大当り抽選乱数)を読み出して(S316a)、図39に従って同様に行われる。なお、S316aで読み出す判定用乱数は、S304aで取得したものであって、特図1大当り抽選乱数や特図1図柄決定乱数やリーチ乱数が含まれる。
特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、図40に示すように、先ず、第2当否判定処理(S320b)の結果に基づいて、変動パターンを設定する処理(S510、S540)を行う。すなわち、S502の処理にて、第2当否判定処理(S320b)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して大当り時変動設定処理を行い、第2当否判定処理(S320b)の結果が「外れ」であると判断されると(S502;NO)、S540に移行して外れ時変動設定処理を行う。
なお、以下の説明において、「確変フラグ」は、遊技モード(遊技状態)を高確率モードに設定するためのフラグで、このフラグがONの場合に、遊技モード(遊技状態)が高確率モードであること、つまり、高確率遊技実行手段(確率変動手段)が作動するモードであることを示すものである。また、「変動短縮フラグ」は、遊技モード(遊技状態)を変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)に設定するためのフラグで、このフラグがONの場合に、遊技モード(遊技状態)が変動短縮モードであることを示すものである。また、「開放延長フラグ」は、遊技モード(遊技状態)を開放延長モード(可変式の始動入賞装置の開放時間を長くするモード)に設定するためのフラグで、このフラグがONの場合に、遊技モード(遊技状態)が開放延長モードであることを示すものである。更に、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すものである。そして、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード(高確率短縮変動モード)」および「通常確率開放延長モード(通常確率短縮変動モード)」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。
外れ時変動設定処理(S540)においては、図42に示すように、先ず、変動開始時の遊技モード(遊技状態)に応じて変動パターンテーブルを振り分ける処理を行う。つまり、確変フラグおよび変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S544;YES、S546;YES)、つまり、遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」である場合には、図45の「高確率・短縮(確変時外れ)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S548)。
また、確変フラグがセット(ONに設定)され、変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S544;YES、S546;NO)、つまり、遊技機1の遊技モードが「高確率通常変動モード」である場合には、図45の「高確率・通常(潜伏時外れ)」と表記された欄の変動パターンテーブルがセットされる(S550)。
更に、確変フラグが解除(OFFに設定)され、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S544;NO、S552;YES)、つまり、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮動モード」である場合には、図45の「低確率・短縮(時短時外れ)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる(S554)。
また、確変フラグおよび変動短縮フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S544;NO、S552;NO)、つまり、遊技機1の遊技モードが「低確率通常変動モード」である場合には、S316bの処理(図37を参照)で読み出した判定用乱数に含まれるリーチ乱数に基づいて、リーチ演出の実行有無を判断する。そして、リーチ演出を行わない場合には、図45の「低確率・通常(通常時外れ)」と表記された欄のうち「リーチ演出なし」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルがセットされ(S556)、リーチ演出を行う場合には、図45の同欄のうち「リーチ演出あり」と表記された部分に対応する変動パターンテーブルがセットされる(S556)。
ここで、図43〜図45に示す変動パターンテーブルには「変動パターン決定乱数の値」に対応付けて変動パターンが設定されている。また、図43〜図45には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。但し、図45に示すように、外れ用の変動パターンテーブルのうち、高確率短縮変動モードで用いられるものと、高確率通常変動モードで用いられるものと、低確率短縮変動モードで用いられるものには、ただ1通りの変動パターン(パターンP、S、T)のみが記憶されている。つまり、変動パターン決定乱数の値が幾つであっても、高確率短縮変動モード若しくは低確率短縮変動モードにおいては「1秒の変動時間」を特定する変動パターンP、Tが設定され、高確率通常変動モードにおいては「2秒の変動時間」を特定する変動パターンSが設定される。また、後述するように、確変時に使用される2R大当り用の変動パターンテーブルにおいても、ただ1通りの変動パターンのみが記憶されている(後述する)。
また、短縮変動モードで用いられる変動パターンテーブルに基づく変動パターンによって特定される変動時間は、通常変動モードで用いられる変動パターンテーブルに基づく変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」であって遊技モードが「低確率通常変動モード」である場合に選択される変動パターンが特定する変動時間は、特別図柄に関する保留数と、リーチ表示の有無を考慮してその長短が決定される。つまり、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。また、通常、特別図柄の保留数が少ない場合(例えば、「ゼロ」若しくは「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、「2」〜「4」の場合)には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。なお、本実施例で述べる各変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
図42に戻って更に説明すると、外れ時変動設定処理(S540)において、変動パターンテーブルがセットされた後、変動パターン決定乱数が取得される(S560)。そして、S548、S550、S554若しくはS556の処理でセットした変動パターンテーブルと、S560の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)する(S584)。このS584の処理の後、CPU201は図柄決定乱数を取得し(S586)、停止図柄を設定する処理を行うと(S588)、図40のS590の処理に移行する。ここで、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては、S588の処理で第2の特別図柄表示部62bに停止表示される「外れ図柄」を決定し、特図1図柄変動開始処理(S500a)では、S588の処理で第1の特別図柄表示部62aに停止表示される「外れ図柄」を決定する。また、図柄決定乱数はS586の処理を実行する時点で発生させてもよいし、S306b若しくはS306aの処理(図36参照)で発生させてもよい。
一方、大当り時変動設定処理(S510)では、図41に示すように、先ず、S306bの処理(図36を参照)において取得した特図2図柄決定乱数を読み出し(S512)、その読み出した乱数を用いた抽選(特図2当り図柄決定抽選)を行うことによって第2特別図柄表示部62bに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する(S514)。そして、S514の処理で決定された大当り図柄の態様等を考慮して選択される変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。なお、特図1図柄変動開始処理(S500a)においては、S306aの処理(図36を参照)において取得した特図1図柄決定乱数を読み出し(S512)、その読み出した乱数を用いた抽選(特図1当り図柄決定抽選)を行うことによって第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)する(S514)。そして、決定された大当り図柄の態様等を考慮して選択される変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
大当り時変動設定処理(S510)において、S512およびS514の処理に基づき、発生させる大当りが「15R確変大当り」若しくは「15R通常大当り」と判断される場合には(S516;NO)、「15R大当り用の変動パターンテーブル」のうち、大当り発生時の遊技モード(遊技状態)に対応するものをセットした後(S534)、S536の処理に移行する。
ここで、S534の処理は以下のように行われる。つまり、遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」である場合には、図43の「高確率・短縮(確変時15R大当り)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技モードが「高確率通常変動モード」である場合には、図43の「高確率・通常(潜伏時15R大当り)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる。更に、遊技機1の遊技モードが「低確率通常変動モード」である場合には、図43の「低確率・通常(通常時15R大当り)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」である場合には、図43の「低確率・短縮(時短時15R大当り)」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる。
大当り時変動設定処理(S510)において、S512およびS514の処理に基づき、発生させる大当りが「2R確変大当り」であると判断される場合には(S516;YES)、そのときに「確変フラグ」がセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S520)、解除(OFFに設定)されている場合には(S520;NO)、「通常時の2R大当り用の変動パターンテーブル」のうち、大当り発生時の遊技状態に対応するものをセットした後(S522)、S536の処理に移行する。
ここで、S522の処理は以下のように行われる。つまり、遊技機1の遊技モードが「低確率通常変動モード」である場合には、図44(a)の「低確率・通常」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされ、遊技機1の遊技状態が「低確率短縮変動モード」である場合には、図44(a)の「低確率・短縮」と表記する欄の変動パターンテーブルがセットされる。
S516において、「確変フラグ」がセット(ONに設定)されていると判断される場合(S520;YES)、つまり、ST期間中に「2R確変大当り」を発生させることが決定された場合には、その時点の確変カウンタの値に応じた変動パターンテーブルをセットする処理を行う(S526、S530、S552)。ここで、確変カウンタとは、大当り確率が高確率となった後(高確率モードとなった後)に、大当りを発生することなく実行された図柄変動遊技の累積実行回数、すなわち「ST期間中に行われた図柄変動遊技の累積実行回数」を示すものであり、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定の領域に設けられている。なお、本実施例では、15R確変大当りを契機とする第1大当り遊技を終了するか、2R確変大当りを契機とする第2大当り遊技を終了すると、確変カウンタに上限回数「78」がセットされる。そして、図柄変動遊技を実行する毎に確変カウンタの値が「−1」され、その値が「ゼロ」になると次回の図柄変動遊技は低確率状態(低確率モード)で実行される。また、本実施例では、ST回数(ST期間中の図柄変動遊技の累積実行回数)が「+1」されると、確変カウンタの値は「−1」される関係にあり、「ST=1」のときに「確変カウンタ=78」となり、「ST=78」のときに「確変カウンタ=1」となる。
S520の処理で「確変フラグ」がセット(ONに設定)されていると判断されると(S520;YES)、確変カウンタの値が「75〜78」であるか否かを判断する(S524)。つまり、「ST=1」〜「ST=4」の間に「2R確変大当り」が発生したか否かを判断し(S524)、肯定的な判断がなされる場合には(S524;YES)、図44(b)に示す「第1確変時用の変動パターンテーブル」をセットした後(S526)、S536,S538の処理に移行する。ここで、「第1確変時用の変動パターンテーブル」には、ただ1通りの変動パターン(変動パターンA)のみが記憶されている。よって、S536の処理で取得する変動パターン決定乱数の値が幾つであっても、S538の処理では「1秒の変動時間」を特定する変動パターンAが設定される。
S524の処理で否定的な判断がなされる場合には(S524;NO)、確変カウンタの値が「39〜74」であるか否かを判断する(S528)。つまり、「ST=5」〜「ST=40」の間に「2R確変大当り」が発生したか否かを判断し(S528)、肯定的な判断がなされる場合には(S524;NO、S528;YES)、図44(b)に示す「第2確変時用の変動パターンテーブル」をセットした後(S530)、S536,S538の処理に移行する。ここで、「第2確変時用の変動パターンテーブル」にも、ただ1通りの変動パターン(変動パターンB)のみが記憶されている。よって、S536の処理で取得する変動パターン決定乱数の値が幾つであっても、S538の処理では「20秒の変動時間」を特定する変動パターンBが設定される。
S528の処理で否定的な判断がなされる場合には(S524;NO、S528;NO)、確変カウンタの値が「1〜38」ということになる。つまり、「ST=41」〜「ST=78」の間に「2R確変大当り」が発生したこととなり、この場合には、図44(b)に示す「第3確変時用の変動パターンテーブル」をセットした後(S532)、S536,S538の処理に移行する。ここで、「第3確変時用の変動パターンテーブル」にも、ただ1通りの変動パターン(変動パターンC)のみが記憶されている。よって、S536の処理で取得する変動パターン決定乱数の値が幾つであっても、S538の処理では「60秒の変動時間」を特定する変動パターンCが設定される。
以上のようにして何れかの変動パターンテーブルをセットしたら、変動パターン決定乱数を取得する(S536)。そして、S522、S526、S530、S532若しくはS534の処理でセットした変動パターンテーブルと、S536の処理で取得した乱数値とを用いて変動パターンを設定(決定)した後(S538)、図40のS590の処理に移行する。
図40に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄(特図2)の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、CPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。そして、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34の遊技制御処理に復帰する。
ここで、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、図33に示したように、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、特別図柄を停止表示させる図柄が当り図柄(大当り図柄)であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で停止するのか外れ図柄で停止するのか、更には大当り図柄で停止する場合、その大当り図柄が何れであるかを知ることができる。つまり、特図2図柄変動開始処理(S500b)においては図12に示す大当りの種類を知ることができ、後述する特図1図柄変動開始処理(S500a)においては図11に示す大当りの種類を知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して疑似図柄の表示制御信号を出力し、疑似図柄の変動表示や停止表示等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図37に戻り、「第2特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、RAM202の所定アドレスから最も古い判定用乱数を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図24の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理も、S320bと同様に図37に従って行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)も、S500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に図40に従って行われる。つまり、S320aの第1当否判定処理では、図39に示すフロー図に従って第1当否判定が実行され、S500aの特図1図柄変動開始処理では、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づき、変動パターンを設定する処理や、第1特別図柄表示部62aに停止表示される図柄を設定する処理等を行った後(S510、S540)、S590、S592の処理が実行される。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図37参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図34に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図34に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図38のS352)。
図38のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、つまり、「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ、つまり、現在の遊技状態(遊技モード)を示すデータがセットされる。また、「確変フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が高確率モード(確率変動手段が作動するモード)にあることを示すフラグであり、「変動短縮フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が変動短縮モード(図柄変動表示の実行時間が短くなる可能性が高くなるモード)にあることを示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は遊技機1の遊技モード(遊技状態)が開放延長モード(本実施例の第2始動入賞装置17bのような「可変式の始動入賞装置」の開放時間を長くするモード)にあることを示すフラグである。
S354の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S356)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。なお、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセットするタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「大当り遊技開始指定コマンド(図中、開始Cと表記)を送信する。
更に、S356の処理に続いて、発生した大当りの態様に応じて大当り遊技の実行パターンをセットする処理を行う(S358)。つまり、「15R通常大当り」若しくは「15R確変大当り」が発生した場合には、第1大当り遊技を実行するための実行パターンをセットし、「2R確変大当り」が発生した場合には、第2大当り遊技を実行するための実行パターンをセットする。
S358の処理に続いてS360以降の処理に移行する。ここで、S356の処理で「大当り遊技フラグ」がセット(ONに設定)されると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」がONとなっている間(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S360以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S360の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S360)、セットされていない場合は(S360;NO)、そのままS364の処理に移行し、セットされている場合は(S360;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S362)、S364の処理に移行する。そして、S364の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S344;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、S364の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S364;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S366、S368)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図34の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理(図46)が開始され、大当り遊技が実行される。
次に、図38のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S370)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S370;NO)、 S398の処理に移行する。
一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S370;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「高確率短縮変動モード」若しくは「高確率通常変動モード」である場合(高確率モードである場合)には、確変カウンタの値を「−1」した後(S372)、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S374)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S374;NO)、S398の処理に移行する。
これに対して、S374の処理で確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S374;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S376)と、現在の遊技モードを示すモード指定コマンド(遊技状態指定コマンド)をサブ制御基板220に送信する処理(S378)とを行った後、S398の処理に移行する。ここで、前述のように、「ST=74」の図柄変動遊技(ST期間中の74回目の図柄変動遊技)が終了すると、本遊技機1の遊技モードは「高確率通常変動モード」に移行するため、確変カウンタの値が4以下の値である場合には、本遊技機1の遊技モードは「高確率通常変動モード」である。従って、S374の処理で、確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S374;YES)、遊技機1の遊技モードが「高確率通常変動モード」から「低確率通常変動モード」に切り換わるため、S378の処理においては、遊技モードが「低確率通常変動モード」であることを示す「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
S398の処理では、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合には、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮しつつ実行する特別図柄の変動回数の上限回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると次回の特別図柄の変動において短縮変動は行われない。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り換わるか、高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り換わることになる。つまり、「15R通常大当り」の発生を契機とする第1大当り遊技が終了した後の低確率短縮変動モードにおいて、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になると、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り換わる。また、「15R確変大当り」の発生を契機とする第1大当り遊技が終了した後の高確率短縮変動モードや、「2R確変大当り」の発生を契機とする第2大当り遊技が終了した後の高確率短縮変動モードにおいて、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になると、遊技機1の遊技モードが高確率短縮変動モードから高確率通常変動モードに切り換わる。
そして、404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図34の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モード若しくは高確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
E.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図34の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図46に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「第1大当り遊技」若しくは「第2大当り遊技」が実現される。なお、大当り遊技処理(S600)は、主制御基板200に搭載されたCPU201が「大当り遊技実行手段」として行う処理の具体例を構成する。
図46は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。各大当りラウンドが開始されると、前述のように、各大当りラウンドにおいて予定されている大入賞口31aの開放動作を完了するか、大入賞口31aへの遊技球の入球数が規定入賞数(10個)になると、当該「大当りラウンド」の終了条件が成立する。この後、所定の待機時間(例えば2秒)を経て、「大当り遊技の終了条件」が成立していなければ、次の「大当りラウンド」が開始される。そして、この「大当りラウンド」を所定回数(2回若しくは15回)繰り返すと大当り遊技を終了する。以下、図46〜図47を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技を開始すると(S602;YES)、先ず、「大当りラウンド」を実行中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは、「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態(図柄変動遊技状態)」では閉鎖状態を維持しており、大当り遊技の開始直後は、未だ「大当りラウンド」を実行していない。このため、大当り遊技の開始直後は「大当りラウンド」を実行中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当りラウンドの実行回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行して待機時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、「待機時間」は大入賞口31aが閉鎖状態を維持するとともに、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「インターバル演出」が実行される時間、つまり、「インターバル時間」であって、本実施例では2秒に設定している。ところが、大当り遊技が開始された直後は、大当りラウンドを実行していない状態となっているから、必然的に、待機時間が経過していると判断され(S614;YES)、大当りラウンドを開始させた後(S616)、図46に示した大当り遊技処理を一旦終了して図34の遊技制御処理に復帰する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド(ラウンド遊技)」を開始させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって、「ラウンド開始指定コマンド(図中、R開始Cと表記)」を送信する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図34に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図34に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図46に示す大当り遊技処理(S600)も、約4msec毎に繰り返して実行される。
そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると「当該大当りラウンドにおける開放動作」を完了したか否かが判断される(S606)。つまり、第1大当り遊技を実行している場合には、大入賞口31aの開放時間が30秒になったか否かが判断され、第2大当り遊技を実行している場合には、大入賞口31aの開放時間が0.2秒になったか否かが判断される。そして、S606の処理で肯定的な判断がされると、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図46に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。一方、S606の処理で否定的な判断がなされる場合は(S606;NO)、大入賞口31aに入賞した遊技球が規定入賞数に達しているか否かを判断する(S608)。
そして、遊技球の入賞数が規定入賞数に達した場合も(S608;YES)、当該大当りラウンドを終了した後(S610)、図46に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図34の遊技制御処理に復帰する。つまり、遊技球の入賞数が規定入賞数に達すると、大当りラウンドにおいて予定されている開放動作の完了を待たずに当該ラウンド遊技において開閉対象となっている大入賞口31aを閉鎖する。なお、主制御部200Aは、「大当りラウンド」、つまり「ラウンド遊技」を終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド(図中、R終了Cと表記)を送信する。
一方、当該大当りラウンドにおいて予定されている開放動作が完了せず(S606;NO)、しかも、入賞数が規定入賞数に達していない場合は(S608;NO)、大当りラウンドを継続させたまま、図46の大当り遊技処理を抜けて、図34の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合(S602;YES)、図34の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、S606の処理で肯定的な判断がなされるか、若しくは、S608の処理で肯定的な判断がなされる。こうして、1回の大当りラウンドを終了する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において「大当りラウンド」を実行中でないと判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、その大当り遊技中に実行した「大当りラウンド数」が、前述のS370の処理によって最終ラウンドとして設定されているラウンド数(2若しくは15)に達したか否かが判断される。そして、実行した「大当りラウンド」の回数(ラウンド数)が最終ラウンドのラウンド数に到達していなければ(S612;NO)、待機時間(2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、新たな大当りラウンドを実行する(S616)。
一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合は(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図34の遊技制御処理に復帰する。この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図47に示すように、大当り遊技フラグ(図38のS356を参照)を解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図38のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当りの種類に関する情報を取得し(S810)、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モードを設定する処理等を行う。なお、主制御部200Aは、S805の大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)する処理を契機として、サブ制御部220Aに向かって「大当り遊技終了指定コマンド(図中、終了Cと表記)」を送信する。
次に、S820の処理において、今回の大当りが「通常大当り」であると判断される場合には(S820;NO)、変動短縮カウンタに「50」をセットする処理(S821)と、変動短縮フラグをセットする処理(S832)と、開放延長フラグをセットする処理(S836)とを行う。そして、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S840)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
また、今回の大当りが「確変大当り」である場合は(S820;YES)、確変カウンタに「78」をセットする処理(S822)と、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S824)とを行った後、今回の大当りが「2R確変大当り」であるか否かを判断する(S826)。そして、今回の大当りが「2R確変大当り」でない場合には(S826;NO)、今回の大当りは「15R確変大当り」ということになるので、この場合は変動短縮カウンタに「74」をセットする処理(S830)と、変動短縮フラグをセットする処理(S832)と、開放延長フラグをセットする処理(S836)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S840)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
一方、今回の大当りが「2R確変大当り」である場合には(S826;YES)、その大当り発生時に開放延長手段が作動していたか否かを判断する(S828)。そして、今回の2R確変大当りの発生時に開放延長手段が作動していた場合、すなわち、2R確変大当り発生時の遊技モードが「開放延長モード」であった場合には(S828;YES)、変動短縮カウンタに「74」をセットする処理(S830)と、変動短縮フラグをセットする処理(S832)と、開放延長フラグをセットする処理(S836)とを行う。更に、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S840)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。
これに対して、今回の大当りが「2R確変大当り」であるとともに(S826;YES)、その大当り発生時に開放延長手段が作動していなかった場合、すなわち、2R確変大当り発生時の遊技モードが「通常開放モード」であった場合には(S828;NO)、大当り遊技終了後における遊技機1の遊技モードが「高確率通常変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S840)、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。つまり、高確率通常モード(潜伏確変状態)で「2R確変大当り」を発生した場合や低確率通常モードで「2R確変大当り」が発生した場合には、大当り遊技終了後に「潜伏確変状態」となる。
(7)演出制御処理(S900)
次に、図48を用いて、サブ制御基板220のCPU220aが、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222の図示しないCPU)と協働して行う「演出制御処理(S900)」の概要について説明する。なお、図48には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。
この演出制御処理(S900)では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間、図柄変動演出処理(S1100)、大当り遊技演出処理(S1500)などの主要な処理が繰り返し実行される。尚、図35の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図48のフロー図に従ってサブ制御処理について説明する。なお、図柄変動演出処理(S1100)と、大当り遊技演出処理(S1500)はサブ制御基板220のCPU220aが演出表示実行手段として行う処理の具体例を構成する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
図柄変動演出処理(S1100)においては、図49に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1105;YES)、S1110以降の処理に移行する。ここで、S1105の処理で受信するコマンドは、変動パターン指定コマンド(CHP)及び特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)である。このため、サブ制御部220Aは、受信した「変動パターン指定コマンド」や「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定(S320a,S320b)の結果や、発生させる大当りの種類を判断することができる。
そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1110;YES)、その大当りが「2R確変大当り」であるか否かを判断する(S1115)。そして、「2R確変大当り」でない場合には(S1115;NO)、今回の大当りは「15R確変大当り」または「15R通常大当り」ということになるので、この場合は、受信した「変動パターン指定コマンド」および「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、「15R大当り用の演出パターン(15R大当り時の図柄変動演出の実行パターン)」と「疑似図柄および補助図柄(第4図柄)の大当り図柄」をセットする処理を行った後(S1155)、S1160の処理に移行する。
ここで、「15R大当り用の演出パターン(15R大当り時の図柄変動演出の実行パターン)」によって、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)で実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の態様等が決定される。また、「大当り図柄」として「大当りを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。更に、疑似図柄に関する演出表示の実行態様や停止図柄の態様の他に、その他の演出要素に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる。つまり、疑似図柄以外の表示演出要素(背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像)に関する演出態様、音声演出要素に関する演出態様、発光演出要素に関する演出態様が選択・セットされる。また、補助図柄の変動表示態様や停止表示態様が選択・セットされる。
S1115の処理の結果、今回の大当りが「2R確変大当り」であると判断された場合には(S1115;YES)、受信した変動パターン指定コマンドによって特定される変動パターンに基づき(S1130、S1140、S1150)、「2R大当り用の演出パターン(2R大当り時の図柄変動演出の実行パターン)」等を決定する処理を行った後(S1135、S1143、S1152、S1157)、S1160の処理に移行する。
具体的には、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、変動パターンA(確変時2R確変大当り変動パターンA;図44(b)参照)が特定されていると判断される場合には(S1130;YES)、簡易演出パターンをセットする処理を行った後(S1135)、S1160の処理に移行する。ここで、「変動パターンA」は、前述のように、「ST=1」〜「ST=4」の間に「2R確変大当り」が発生する場合に設定される変動パターンであり、この変動パターンAによって「1秒の変動時間」が特定される。また、簡易演出パターンに基づく演出表示は、表示画面27aに3桁の疑似図柄を表示することなく行われるもので、当否判定の結果を示す図柄としては「補助図柄(第4図柄)」のみが表示される。
また、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、変動パターンB(確変時2R確変大当り変動パターンB;図44(b)参照)が特定されていると判断される場合には(S1130;NO、S1140;YES)、リーチありの演出パターンをセットする処理と、「当否判定の結果が外れの場合にセットされる疑似図柄の停止図柄」と同様の疑似図柄の停止図柄をセットする処理とを行った後(S1143)、S1160の処理に移行する。ここで、「変動パターンB」は、前述のように、「ST=5」〜「ST=40」の間に「2R確変大当り」が発生する場合に設定される変動パターンであり、この変動パターンBによって「20秒の変動時間」が特定される。また、この場合、表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)では、疑似図柄や背景図柄等を用いたリーチ演出が行われるともに、当否判定の結果を示す疑似図柄の停止図柄(この場合は外れ図柄と同様の停止図柄)が表示される。また、S1143の処理においては、当否判定の結果が「2R確変大当り」であることを示す「補助図柄(第4図柄)」が設定される。
更に、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、変動パターンC(確変時2R確変大当り変動パターンC;図44(b)参照)が特定されていると判断される場合には(S1130;NO、S1140;NO、S1150;YES)、巻き戻し演出パターンをセットする処理と、「当否判定の結果が外れの場合にセットされる疑似図柄の停止図柄」と同様の疑似図柄の停止図柄をセットする処理とを行った後(S1152)、S1160の処理に移行する。ここで、「変動パターンC」は、前述のように、「ST=41」〜「ST=78」の間に「2R確変大当り」が発生する場合に設定される変動パターンであり、この変動パターンCによって「60秒の変動時間」が特定される。また、この場合、表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)では、疑似図柄や背景図柄等を用いた巻き戻し演出が行われるともに、当否判定の結果を示す疑似図柄の停止図柄(この場合は外れ図柄と同様の停止図柄)が表示される。また、S1152の処理においては、当否判定の結果が「2R確変大当り」であることを示す「補助図柄(第4図柄)」が設定される。
また、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、通常時2R大当り変動パターン(図44(a)参照)が特定されていると判断される場合には(S1130;NO、S1140;NO、S1150;NO)、通常確率時の2R大当り用の演出パターンをセットする処理と、「当否判定の結果が外れの場合にセットされる疑似図柄の停止図柄」と同様の疑似図柄の停止図柄をセットする処理とを行った後(S1157)、S1160の処理に移行する。この場合、2R確変大当り発生時における遊技モードは「低確率通常変動モード」若しくは「低確率短縮変動モード」であり、表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)では、疑似図柄や背景図柄等を用いた図柄変動演出が行われるともに、当否判定の結果を示す疑似図柄の停止図柄(この場合は外れ図柄と同様の停止図柄)が表示される。また、S1157の処理においては、当否判定の結果が「2R確変大当り」であることを示す「補助図柄(第4図柄)」が設定される。
一方、当否判定の結果が外れである場合(S1110;NO)、「外れ演出設定処理(S1120)」を行った後、S1160の処理に移行する。この外れ演出設定処理(S1120)が起動すると、図50に示すように、「ST=1」〜「ST=4」の間に外れが発生したか否かを判断し(S1122)、肯定的な判断がなされる場合には(S1122;YES)、簡易演出パターンをセットする処理を行った後(S1124)、S1160の処理に移行する。ここで、「15R確変大当りの発生」若しくは「開放延長モードでの2R確変大当りの発生」を契機とするST期間(以下、「第1タイプのST期間」という。)では、「ST=1」〜「ST=4」の間、遊技機1の遊技モードが高確率短縮変動モードであるため、この間に「外れ」が発生する場合に設定される変動パターンは、前述のように「1秒の変動時間」を特定する変動パターンTとなる(図45を参照)。また、「通常開放モードでの2R確変大当りの発生」を契機とするST期間(以下、「第2タイプのST期間」という。)では、「ST=1」〜「ST=4」の間、遊技機1の遊技モードが高確率通常変動モードであるため、この間に「外れ」が発生する場合に設定される変動パターンは、前述のように「2秒の変動時間」を特定する変動パターンSとなる(図45を参照)。また、S1124の処理で設定する簡易演出パターンに基づく演出表示も、表示画面27aに3桁の疑似図柄を表示することなく行われ、当否判定の結果を示す図柄としては「補助図柄(第4図柄)」のみが表示される。
一方、S1122の処理にて否定的な判断がなされる場合には(S1122;NO)、「ST=5」〜「ST=78」の間に外れが発生したか否かを判断し(S1126)、肯定的な判断がなされる場合には(S1126;YES)、短時間演出パターンをセットする処理を行った後(S1127)、図49のS1160の処理に移行する。ここで、「第1タイプのST期間」において、「ST=5」〜「ST=74」の間は遊技機1の遊技モードが高確率短縮変動モードであるため、この間に「外れ」が発生する場合に設定される変動パターンは、前述のように「1秒の変動時間」を特定する変動パターンTとなる(図45を参照)。また、「第1タイプのST期間」において、「ST=75」〜「ST=78」の間は遊技機1の遊技モードが高確率通常変動モードであり、「第2タイプのST期間」において、「ST=5」〜「ST=78」の間は遊技機1の遊技モードが高確率通常変動モードであるため、これらの間に「外れ」が発生する場合に設定される変動パターンは、前述のように「2秒の変動時間」を特定する変動パターンSとなる(図45を参照)。そして、S1127の処理を受けて、表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)では、疑似図柄や背景図柄等を用いた図柄変動演出が行われるともに、当否判定の結果が外れであることを示す疑似図柄の停止図柄(外れ図柄)が表示される。また、S1124およびS1127の各処理においては、当否判定の結果が「外れ」であることを示す「補助図柄(第4図柄)」が設定される。
更に、S1122およびS1126の処理で否定的な判断がなされる場合には(S1122;NO、S1126;NO)、通常確率モードで外れが発生したということになるので、この場合には、外れ演出用の演出パターンと、疑似図柄および補助図柄の停止図柄(外れ図柄)を選択(決定)してセットする処理を行った後(S1129)、図49のS1160の処理に移行する。この場合、表示画面27a(疑似図柄表示領域27bおよび背景表示領域27c)では、疑似図柄や背景図柄等を用いた図柄変動演出が行われるともに、当否判定の結果が外れであることを示す疑似図柄の停止図柄(外れ図柄)が表示される。また、S1129の処理においては、当否判定の結果が「外れ」であることを示す「補助図柄(第4図柄)」が設定される。このS1129の処理で設定される「外れ演出用の演出パターン」によって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の実行態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等(つまり、図柄変動演出の演出パターン)が決定される。また、「外れ図柄」として、「外れを確定表示する疑似図柄」の具体的な態様が決定される。
また、S1127およびS1129の処理では、疑似図柄に関する演出表示の実行態様や停止図柄の態様の他に、その他の演出要素に関する演出態様や補助図柄に関する表示態様等が選択・セットされる。つまり、疑似図柄以外の表示演出要素(背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像)に関する演出態様、音声演出要素に関する演出態様、発光演出要素に関する演出態様が選択・セットされる。また、補助図柄の変動表示態様や停止態様が選択・セットされる。
図49に戻り、S1160の処理においてサブ制御部220Aは、S1124(図50)、S1127(図50)、S1129(図50)、S1135、S1143、S1152、S1157若しくはS1157の処理で決定した演出パターン、疑似図柄の停止図柄(但し、非設定の場合もある。)および補助図柄(第4図柄)の停止図柄等を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の変動表示(図柄変動演出)を開始させる(S1160)。
そして、図51に示すように、サブ制御部220Aが、主制御部200Aから送信される図柄停止コマンドを受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における図柄変動演出(疑似図柄や補助図柄の変動表示)を終了させる(S1170)。
b.大当り遊技演出処理(S1500)
大当り遊技演出処理(S1500)は、本遊技機1が大当り遊技を行うときになされるものである。この大当り遊技演出処理(S1500)では、大当り遊技演出の開始タイミングが到来すると(S1502;YES)、S1504以降の処理が実行される。ここで、大当り遊技演出の開始タイミングは、サブ制御部220Aが「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると到来する。ここで、本遊技機1においては、大当りを生ずると、主制御部200Aからサブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドが送信される。つまり、主制御部200Aは、「大当り遊技フラグ」をセット(ONに設定)するとともに大当り遊技の実行パターンをセットすることを契機として(図38のS356、S358)、サブ制御部220Aに大当り遊技開始指定コマンドを送信する(図38の「開始C」を参照)。
S1504の処理では、発生した大当り(今回の大当り)が「2R確変大当り」であるか否かが判断され(S1504)、「2R確変大当り」でない場合には(S1504;NO)、大当りの種別(15R通常大当り、15R確変大当り)に応じた大当り遊技演出を実行した後、大当り遊技演出処理(S1500)を終了する。また、発生した大当りが「2R確変大当り」であり(S1504;YES)、その大当りが確変中(ST期間中)に生じたものでない場合には(S1506;NO)、大当りの種別(2R確変大当り)に応じた大当り遊技演出を実行した後、大当り遊技演出処理(S1500)を終了する。
具体的には、サブ制御部220Aが「大当り遊技開始指定コマンド」を受信すると、そのコマンドの受信に基づき演出表示装置27等でファンファーレ演出を実行する。その後、サブ制御部220Aは、ラウンド開始指定コマンドを受信する度に、そのコマンドの受信に基づき演出表示装置27等でラウンド演出を実行する。つまり、大当りが発生した場合、主制御部200Aは大当り遊技開始指定コマンドを送信した後、「大当りラウンドを開始させるタイミング」で「ラウンド開始指定コマンド」をサブ制御部220Aに送信する(図47の「R開始C」を参照)。これにより、サブ制御部220Aは「第1ラウンドの開始を指定するラウンド開始指定コマンド」を受信することになるため、そのコマンドの受信に基づき表示画面27aで「1ラウンドであることを示す演出」を行う。
また、前述のように、主制御部200Aは、大当りラウンドを終了させるタイミングでサブ制御部220Aに向かって「ラウンド終了指定コマンド」を送信する(図47の「R終了C」を参照)。そして、サブ制御部220Aは、この「ラウンド終了コマンド」を受信すると、実行中のラウンド演出を終了するとともに、演出表示装置27等において「インターバル演出」を開始する。
更に、サブ制御部220Aは、後続する「ラウンド開始指定コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を終了して「ラウンド演出」を開始し、後続する「ラウンド終了コマンド」を受信する毎に「インターバル演出」を開始する。このように「ラウンド演出」は、「インターバル演出」を挟みつつ最終ラウンドに係る「ラウンド演出」を行うまで繰り返される。
このように大当り遊技演出を実行するなか、最終ラウンドが終了するタイミングで主制御部200Aからサブ制御部220Aに向かって「大当り遊技終了指定コマンド」が送信されると(図48の「終了C」を参照)、サブ制御部220Aは、その「大当り遊技終了指定コマンド」を受信する。そして、「大当り遊技終了指定コマンド」を受信したサブ制御部220Aは、そのコマンドの受信に基づき演出表示装置27等でエンディング演出を実行した後、大当り遊技演出(S1500)を終了する。
また、発生した大当り(今回の大当り)が「2R確変大当り」であって(S1504;YES)、その大当りが確変中(ST期間中)に生じたものである場合には(S1506;YES)、図53に示す「確変中2R演出処理(S1550)」を実行した後、大当り遊技演出処理(S1500)を終了する。
図53に示すように「確変中2R演出処理(S1550)」では、確変中(ST期間中)における「2R確変大当り」の発生時期、すなわち「2R確変大当り発生時のST回数」に応じて演出内容を振り分けることを行う。つまり、「ST=1」〜「ST=4」の間に「2R確変大当り」が生じた場合には(S1555;YES)、大当り遊技演出として前述の「確変チャンスモード突入演出」を実行する(S1560)。この「確変チャンスモード突入演出」は、「2R確変大当り」を発生させる際に図柄変動演出として実行される「確変チャンスモード突入演出」と連続して行われるものであり、この「確変チャンスモード突入演出」によって「2R確変大当り」が発生したと認識することは、遊技者にとって困難となる。
また、「ST=5」〜「ST=40」の間に「2R確変大当り」が生じた場合には(S1555;NO、S1565;YES)、大当り遊技演出として「リーチ発展演出(スーパーリーチ演出)」を実行する(S1570)。この「リーチ発展演出」は、「リーチ外れ」の状態で終了した図柄変動演出に対する「再変動演出」に相当する演出である。この場合、図柄変動演出を「リーチ外れ」の状態で終了させて遊技者を一旦落胆させたところで、「リーチ発展演出(再変動演出)」を開始させる。このため、リーチ発展演出が開始されると、遊技者の視線は演出表示装置27に集中し易くなり、大入賞装置31に対する遊技者の視線は排除される可能性が高くなる。従って、この「リーチ発展演出」の実行中に第2大当り遊技が行われていると認識することは、遊技者にとって困難となる。
更に、「ST=41」〜「ST=78」の間に「2R確変大当り」が生じた場合には(S1555;NO、S1565;NO)、大当り遊技演出として前述の「巻き戻し演出」を実行する(S1575)。この「巻き戻し演出」は、「ST=41」〜「ST=78」の間に「2R確変大当り」を発生させる場合に図柄変動演出として実行される「巻き戻し演出」と連続する状態で行われる。そして、この「巻き戻し演出」に対面した遊技者は、「ST期間」が再度開始されることを認識することができる。
(8)実施例の効果
本遊技機1では、ST期間を「ST=1」〜「ST=4」の期間(以下、「期間A」という。)と、「ST=5」〜「ST=40」の期間(以下、「期間B」という。)と、「ST=41」〜「ST=78」の期間(以下、「期間C」という。)との、3つの期間に区分けする。そして、「期間A」若しくは「期間B」にて「2R確変大当り」に当選した場合には、当該「当選」に係る図柄変動演出および大当り遊技演出として、遊技者が「2R確変大当り」の発生を認識することが困難となる演出表示を行う。つまり、「2R確変大当り」が発生しても遊技者がメリットを感じることのできない期間においては、遊技者が「2R確変大当り」の発生を認識することが困難となる演出表示を行う。
一方、「期間C」にて「2R確変大当り」に当選した場合には、当該「当選」に係る図柄変動演出および大当り遊技演出として、遊技者が「2R確変大当り」の発生を認識することが容易となる演出表示を行う。つまり、「2R確変大当り」の発生に関し、遊技者がメリットを感じることのできる期間においては、遊技者が「2R確変大当り」の発生を認識することが容易となる演出表示を行う。
このように、本遊技機1によると、ST期間中において「2R確変大当り」に当選したことに伴う遊技演出を、その当選タイミングに応じた内容、つまり、遊技者心理を考慮した内容で適切に行うことができる。従って、「2R確変大当り」が発生し得る回数切り確変機(ST機)において、遊技興趣の維持や向上を図ることができる。