以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1、図2を参照して説明する。この遊技機1は、図1および図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10と、裏機構盤102等を主要部としている。また、本体枠3は、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410および演出ボタン基板228が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
図1および図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
発射ハンドル9は、その後方の発射装置ユニット(図示を省略)に接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、遊技領域11に発射するためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
次に、遊技盤10の構成について図3を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12および内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技球が転動可能な遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、2個の普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、第1始動入賞装置17Aと、第2始動入賞装置17Bと、下部装置ユニット30Uと、左下表示装置50と、2個の一般入賞装置40、41と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、演出表示装置27と、ステージ部材21pとを備えている。また、メイン役物装置20左側部には、遊技球が進入可能な進入口(図示省略)が形成され、遊技領域11を流下する遊技球が進入口に入球すると、メイン役物装置20内部のステージ部材21p上に遊技球が誘導される。
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20内部のステージ部材21p上に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する第1始動入賞装置17Aが位置している。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60における第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(演出図柄の変動表示および停止表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、第1特別図柄と第2特別図柄を表示するための表示装置を構成し、演出表示装置27が演出図柄を表示するための表示装置を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の演出図柄や背景図柄(絵柄)を表示可能である。従って、表示画面27aは、演出図柄表示部と背景図柄表示部とを兼用している。図4に示すように、表示画面27a(演出図柄表示部27a、背景図柄表示部27a)には、3つの演出図柄27b〜27dと所定の背景図柄27hとが表示される。この図では、演出図柄27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで停止表示されている。演出図柄27b〜27dは、変動表示が開始すると、縦方向、横方向、斜方向のうち、予め定められた方向にスクロール表示される。このように演出図柄表示部では、「演出図柄」を用いた演出表示(変動表示および停止表示)がなされる。また、表示画面27aには、背景を示す背景図柄が、演出図柄と重畳して、又は演出図柄が表示されていない部分に単独で、表示されている。
普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位と、メイン役物装置20の右側方に位置する部位とに配設されている。また、これらの普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート検出スイッチ16sが配設されている。そして、普通図柄作動ゲート検出スイッチ16sにより遊技球が検出されると、左下表示装置50において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の当り表示(普通図柄用のランプ装置の点灯)または外れ表示(普通図柄用のランプ装置の消灯)がなされる。そして、普通図柄の当り表示がなされると、第2始動入賞装置17Bに設けられる普通電動役物が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。普通図柄の詳細については後述する。
第1始動入賞装置17Aは、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設され、上方に遊技球を受入可能な受入口(第1始動口)を有するポケット形状を備えている。第1始動口は、受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。第1始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1始動口を通じて、第1始動入賞装置17Aに入球する確率が高くされている。
第2始動入賞装置17Bは、メイン役物装置20の右側方に位置する部位であって、普通図柄作動ゲート16の下方に位置する部位に配設される。そして、入口側部分に普通電動役物を備えている。この普通電動役物は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口(第2始動口)となっている。一対の翼片部は、普通電動役物ソレノイド17cの作動によって開閉動作し、この開閉動作により第2始動口の大きさが変化し遊技球の入球可能性が変化する。このため、第2始動口は、一対の翼片部(単に「可動部材」ともいう)の開閉動作によって遊技球の入球可能性が変化する可変式の始動口として構成されている。なお、この一対の翼片部が左右に開いた(可動部材が開放位置にある)開放状態では、第2始動口が拡大され、第2始動口に対する遊技球の入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が立設して閉じた(可動部材が閉鎖位置にある)閉鎖状態では、第2始動口に対する遊技球の入球可能性が開放状態に比べて低い状態(入球可能性がゼロの状態としてもよい)となる。
また、第1始動入賞装置17Aの内部には、第1始動口への遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ17Asが配設されている。また、第2始動入賞装置17Bの内部には、第2始動口への遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ17Bsが配設されている。つまり、第1始動口に入球した遊技球と、第2始動口に入球した遊技球とは、各々異なる検出スイッチにより検出される。
下部装置ユニット30Uは、遊技領域11のうちで、第1始動入賞装置17Aの右側方から下方に至る部位に配設されている。この下部装置ユニット30Uは、中大入賞装置31と、右大入賞装置35と、右下表示装置60とを一体化した装置ユニットである。また、下部装置ユニット30Uは、遊技盤本体10Aの表裏を貫通する取付孔(図示せず)を用いて、遊技盤本体10Aに装着されている。なお、本実施例と異なり、中大入賞装置31と、右大入賞装置35と、右下表示装置60を別体の装置として構成することもできる。
下部装置ユニット30Uは、図5に示すように、遊技盤10の前面(盤面)に装着されるベース基板30Bを備える。このベース基板30Bは、正面形状が略L字形状の板状体で構成され、遊技盤10における第1始動入賞装置17Aの右側方から下方に至る部位に配設される。つまり、ベース基板30Bは、ベース基板30Bの後方に突出する構成を遊技盤10に形成される取付孔(図示せず)に挿入し、ベース基板30Bの周縁部が遊技盤10の前面部にビス止めされることで、遊技盤10に固定されている。また、ベース基板30Bにおいて、第1始動入賞装置17Aの真下に位置する部位に、中大入賞装置31が配設され、第1始動入賞装置17Aの右側方に位置する部位に、右大入賞装置35が配設される。
右大入賞装置35は、図5に示すように、遊技球が受け入れ可能に開口される右大入賞口35aと、右大入賞口35aを開放・閉鎖するための開閉板35bと、この開閉板35bを駆動するための右大入賞口ソレノイド35cと、右大入賞口35aへの遊技球の入球を検出するための右大入賞口検出スイッチ35sと、を備える。また、開閉板35bは、その下端部が、「ベース基板30Bにおける右大入賞口35aの下端側を構成する部位」に軸支されることで、前方に傾動可能に構成されている。また、開閉板35bは正面形状が略矩形とされるとともに、略リブ状の落下防止壁36、38を左右両端から後方に突出させている。これらの落下防止壁36、38は、開閉板35bが前傾姿勢となったときに、開閉板35bの後面部上に到達した遊技球が、この後面部の左右に落下することを防止する機能を有する。なお、右大入賞口検出スイッチ35sは「フォトセンサ」で構成され、遊技球の通過を検出すると、後述する主制御部200Aに検出信号を送信する。
開閉板35bが起立姿勢(閉鎖姿勢)となると、この開閉板35bが右大入賞口35aを閉鎖するため、右大入賞装置35への遊技球の入球が不可能となる。一方、図5に示すように、開閉板35bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢(開放姿勢)となると、右大入賞口35aが開放されると共に、開閉板35bの後面部(背面部)が、右大入賞口35a方向に下り傾斜となる誘導面を構成する。つまり、開閉板35bの後面部(背面部)が、「遊技領域11を流下して右大入賞装置35の周囲へ到達した遊技球」を右大入賞口35aに誘導する誘導面を構成する。なお、右大入賞装置35には、右大入賞口ソレノイド35cが配設されており、開閉板35bが起立姿勢(閉鎖状態)にあるときに、右大入賞口ソレノイド35cを駆動(通電)すると、開閉板35bの姿勢が前傾姿勢(開放状態)に変更される。そして、右大入賞口ソレノイド35cの駆動を停止(通電を停止)すると、起立姿勢(閉鎖状態)に戻される。
尚、右大入賞口35aが、本発明の「第1の大入賞口」に相当する。
次に、中大入賞装置31について説明する。中大入賞装置31は、図5〜図8に示すように、遊技球が受け入れ可能に開口される中大入賞口31aと、中大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための中大入賞口ソレノイド31cと、中大入賞口31aに入球した遊技球が通過可能な特定領域300と、遊技球が特定領域300を通過したこと検出する特定領域検出スイッチ300sと、中大入賞口31aに入球した遊技球が通過可能な非特定領域301と、遊技球が非特定領域301を通過したこと検出する非特定領域検出スイッチ301sと、中大入賞口31aに入球した遊技球を特定領域300と非特定領域301のいずれかに振り分ける振分部400と、振分部400を駆動させるための振分ソレノイド401(振分駆動部)と、を備える。また、開閉板31bは、その下端部が「ベース基板30Bにおける中大入賞口31aの下端側を構成する部位」に軸支されることで、前方に傾動可能に構成されている。また、開閉板31bは、正面形状が略矩形とされるとともに、右大入賞装置35と同様にリブ状の落下防止壁(図示を省略)を左右両端から後方に突出させている。なお、各種の検出スイッチ(特定領域検出スイッチ300s、非特定領域検出スイッチ301s)は、各々「フォトセンサ」で構成され、遊技球の通過を検出すると、後述する主制御部200Aに検出信号を送信する。
開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが中大入賞口31aを閉鎖するため、中大入賞装置31への遊技球の入球が不可能となり、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、中大入賞口31aが開放される。また、開閉板31bの後面部(背面部)が「遊技領域11を流下し、中大入賞装置31の周囲へ到達した遊技球」を中大入賞口31aに誘導する誘導面を構成する。なお、中大入賞装置31には、中大入賞口ソレノイド31cが配設されており、開閉板31bが起立姿勢(閉鎖状態)にあるときに、中大入賞口ソレノイド31cを駆動(通電)すると、開閉板31bの姿勢が前傾姿勢(開放状態)に変更される。そして、中大入賞口ソレノイド31cの駆動を停止(通電を停止)すると、起立姿勢(閉鎖状態)に戻される。
尚、中大入賞口31aが、本発明の「第2の大入賞口」に、特定領域300が本発明の「特定領域」に、振分部400(400a、400b、400c)が本発明の「入球阻止部材」に相当する。
次に、中大入賞装置31内における振分部400の動作について説明する。図6〜8は、開閉板31bを排除した中大入賞装置31の内部構造を示す断面図であり、開閉板31bの姿勢が前傾姿勢(開放状態)にあるときには、当該内部構造を前方から遊技者が視認可能とされている。振分部400は、図6〜8に示すように、可動ガイド部材400aと、固定ガイド部材400bと、可動ガイド部材回動支点400cとから構成されている。そして、固定ガイド部材400bの上方には、遊技球が通過可能な特定領域300が形成され、固定ガイド部材400bの下方には、非特定領域301が形成されている。また、特定領域300を通過した遊技球が転動する通路上には、特定領域検出スイッチ300sが配設され、非特定領域301を通過した遊技球が転動する通路上には、非特定領域検出スイッチ301sが配設される(図示省略)。
可動ガイド部材400aと固定ガイド部材400bは、中大入賞口31aから入球した遊技球を特定領域300または非特定領域301に誘導するためのものであり、各々板状体であって、左方から右方に向けて傾斜し、少なくとも遊技球1個が通過可能の幅を有して構成されている。そして、固定ガイド部材400bは、図6に示すように、平面視すると台形状を呈しており、上部を転動する遊技球を奥側の特定領域300に誘導可能に若干手前側から奥側に傾斜して設けられている。また、可動ガイド部材400aは、平面視すると逆台形状を呈しており、左端部に設けられる可動ガイド部材回動支点400cを軸心として上下方向に向けて傾動可能(回動可能)に構成されている。また、中大入賞口31aから入球した遊技球は、固定ガイド部材400bの前方に設けられる透明の進入防止壁400dにより、固定ガイド部材400b上に直接誘導されることが阻止され、中大入賞口31aに入球した遊技球は全て可動ガイド部材400a上を介して、可動ガイド部材400aの姿勢によって、特定領域300或いは非特定領域301に誘導されるように構成されている。なお、進入防止壁400dは、透過性を有する部材によって形成されているため、遊技球が固定ガイド部材400b上に誘導されたか否か(遊技球の行方)は前方から遊技者が視認可能な構成となっている。
可動ガイド部材400aは、中大入賞装置31に配設される振分ソレノイド401を駆動(通電)すると、下方の駆動後位置に向けて傾動する。そして、この状態では、中大入賞口31aから入球した遊技球は、可動ガイド部材400a上を転動して固定ガイド部材400bの下方に位置する非特定領域301に誘導される状態(図7に示す状態)となる(非特定領域誘導状態)。また、振分ソレノイド401の駆動を停止(通電を停止)すると、可動ガイド部材400aは、固定ガイド部材400bと連なる一通路を構成する駆動前位置に復帰する。そして、この状態では、中大入賞口31aから入球した遊技球は、可動ガイド部材400a及び固定ガイド部材400b上を転動して特定領域300に誘導される状態(図8に示す状態)となる(特定領域誘導状態)。すなわち、中大入賞装置31内に進入した遊技球は、振分部400による振分により、特定領域300と非特定領域301のいずれか一方に誘導されることとなる。なお、本実施例では、振分ソレノイド401の通電と通電停止を、当該遊技機1の電源投入時から常時一定のタイミング(2s毎)で交互に行っている。このため、中大入賞装置31が閉鎖状態或いは開放状態とされている間にも、遊技球を特定領域300に誘導する経路(通電)と、遊技球を非特定領域301に誘導する経路(通電停止)とが2秒毎に切り替わることとなる。この結果、中大入賞口31aの開放タイミングおよび中大入賞口31aへの入球タイミングによって、遊技球が特定領域300に誘導される場合と、非特定領域301に誘導される場合とが生ずることとなる。この「入球タイミングによって遊技球が特定領域300に誘導されるか否かが分かれる」ことが、本発明の「特定領域を通過するか否かの抽選」に相当する。また、振分ソレノイド401の駆動(通電、通電停止)を制御する制御部(主制御部)が、本発明の「入球阻止部材位置制御手段」に相当する。
なお、何れの大入賞装置(右大入賞装置35、中大入賞装置31)においても、対応する大入賞口(右大入賞口35a若しくは中大入賞口31a)に入球した遊技球は、各種検出スイッチ(右大入賞口検出スイッチ35s、特定領域検出スイッチ300s、非特定領域検出スイッチ301s)に検出された後、図示しない所定の排出経路を通じて遊技機1の機外に排出される。
次に、右下表示装置60について説明する。右下表示装置60は、図10に示すように、第1特別図柄表示部62Aと、第2特別図柄表示部62Bと、大当り態様表示部63とを備える。図10及び図11に示すように、第1特別図柄表示部62Aは、上段3個のLED62a〜62c(第1特別図柄)を用いて構成され、第2特別図柄表示部62Bは、下段3個のLED62d〜62f(第2特別図柄)を用いて構成される。そして、第1特別図柄表示部62Aでは、「第1始動口検出スイッチ17Asでの遊技球の入球検出(以下、「第1始動口への遊技球入球」という。)に伴う第1特別図柄当否判定の結果の表示」を実行し、第2特別図柄表示部62Bでは、「第2始動口検出スイッチ17Bsでの遊技球の入球検出(以下、「第2始動口への遊技球入球」という。)に伴う第2特別図柄当否判定の結果の表示」を実行する(本実施例では、対応するLEDの点灯表示を実行)。
例えば、図11に示すように、この「第1始動口への遊技球入球を起因とする第1特別図柄当否判定に関する結果の表示」を行う際には、該結果表示(確定表示)に先行して「3個のLED62a〜62c」を順次点灯させる変動表示(第1特別図柄の変動表示)を実行する。そして、この変動表示を終了すると、「第1特別図柄の当否判定に関する結果の表示」として、第1特別図柄表示部62Aにおいて3個のLED62a〜62cの全てを所定の態様で点灯・消灯表示させる停止表示(第1特別図柄の停止表示)が実行される。特別図柄の詳細については後述する。
大当り態様表示部63は、3個のLED63a、63b、63cを用いて構成され、主に、「第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りである場合、それに基づいて発生する大当り遊技の種類(後述するラウンド数等)」を表示するために用いられる。つまり、第1特別図柄表示部62Aと第2特別図柄表示部62Bのいずれについても当り特別図柄が停止表示されない場合には、3個のLED63a、63b、63cは消灯状態とされる。そして、第1特別図柄表示部62Aと第2特別図柄表示部62Bのいずれかにて当り特別図柄が停止表示された場合には、実行される大当り遊技の種類(後述するラウンド数等)に応じてLED63a、63b、63cの何れか(1個、2個、又は3個)を点灯させる。
次に、左下表示装置50について説明する。左下表示装置50は、中大入賞装置31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図9に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、第1特別図柄保留表示部53と、第2特別図柄保留表示部54と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄表示部56は、2個のLEDにより構成され、普通図柄作動ゲート16内の普通図柄作動ゲート検出スイッチ16sにより遊技球の通過が検出されることで、普通図柄の変動表示および停止表示が行われる。普通図柄は、普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート検出スイッチ16sが配設されている。普通図柄の変動表示は、2個のLEDを交互に点灯表示することで行われ、普通図柄の停止表示(確定表示)は、2個のLEDを同時に点灯または消灯することで行われる。そして、普通図柄が当り普通図柄(2個のLEDの点灯)で停止表示すると、第2始動入賞装置17Bに設けられる普通電動役物が開放駆動し、一対の翼片部(可動部材)が所定時間(例えば、0.5秒)開放状態に制御される。普通図柄が外れ普通図柄(2個のLEDの消灯)で停止表示すると、普通電動役物が開放駆動することはなく、一対の翼片部(可動部材)は閉鎖状態のまま維持される。
ここで、普通図柄について説明する。本実施例では、普通図柄当否判定用乱数が用意されており、この普通図柄当否判定用乱数は、普通図柄作動ゲート検出スイッチ16sにより遊技球の通過が検出された際に取得される。そして、取得した普通図柄当否判定用乱数は、普通図柄当否判定に用いられる。普通図柄当否判定用乱数には、予め当り値が設定されており、取得した普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は、当り普通図柄(当り表示)に決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部56で停止表示される普通図柄は外れ普通図柄(外れ表示)に決定される。
なお、本実施例では、一対の翼片部(可動部材)の開放頻度を向上させる開放時間延長機能が設けられ、開放時間延長機能の作動時は、開放時間延長機能の非作動時(通常時)に比べ、普通図柄表示部56で当り普通図柄が停止表示される確率が高く(確率変動機能)、当り普通図柄が停止表示されたときに一対の翼片部が開放状態となる開放時間が長時間に設定されている。また、本実施例では、開放時間延長機能の作動時は、普通図柄が変動表示する時間(普図変動時間)が通常時に比べ短く設定されている(変動時間短縮機能)。これにより、本実施例では、開放時間延長機能の作動時は、開放時間延長機能、確率変動機能及び変動時間短縮機能の各作用が相俟って、第2始動口が開放状態となる割合が高くなり、遊技球が入球する可能性が通常時に比べて向上するものとなっている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、普通図柄表示部56において、当該通過に伴う普通図柄当否判定の結果の表示と、これに先行する普通図柄の変動表示(本実施例では、2個のLEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。なお、普通図柄の保留は、普通図柄作動ゲート16の通過により取得され、未だ判定がなされていない普通図柄当否判定用乱数を、主制御部200のRAMの所定領域に記憶することで実現される。
第1特別図柄保留表示部53は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「第1特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「第1始動口に入球したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、第1特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、なお、第1始動口検出スイッチ17Asで遊技球の入球が検出されたが(第1始動口に入球したが)、後述する第1特別図柄表示部62Aにおいて、当該検出に伴う第1特別図柄当否判定の結果表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。なお、第1特別図柄の保留は、第1始動口への入球により取得され、未だ判定がなされていない第1当否判定用乱数および第1当り図柄決定用乱数(後述する)を、主制御部200のRAMの所定領域に記憶することで実現される。
第2特別図柄保留表示部54は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「第2特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「第2始動入賞装置17Bに入球したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、第2特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、第2始動口検出スイッチ17Bsで遊技球の入球が検出されたが(第2始動口に入球したが)、後述する第2特別図柄表示部62Bにおいて、当該検出に伴う第2特別図柄当否判定の結果表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。なお、第2特別図柄の保留は、第2始動口への入球により取得され、未だ判定がなされていない第2当否判定用乱数および第2当り図柄決定用乱数(後述する)を、主制御部200のRAMの所定領域に記憶することで実現される。
各保留表示部(普通図柄保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54)においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が低確率状態(後述する)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が高確率状態(後述する)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技状態が高確率状態となっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄当否判定の結果として当りが得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が高確率状態になったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。
2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41の内部には、遊技球の入球を検出するための検出スイッチ40s、41sが配設されている。
図3に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図12を参照して説明する。遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図7において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検出スイッチが設けられている。
次に、図13を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「演出図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、「主に演出図柄の表示制御を司る演出制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。尚、払出制御部240A及び遊技球払出装置109は、本発明の「賞球排出手段」に相当する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図22および図23中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図22においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート検出スイッチ16s、第1始動口検出スイッチ17As、第2始動口検出スイッチ17Bs、一般検出スイッチ40s、41s、中大入賞口検出スイッチ31s、右大入賞口検出スイッチ35s、特定領域検出スイッチ300s、非特定領域検出スイッチ301s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、中大入賞口ソレノイド35c、右大入賞口ソレノイド35c、振分ソレノイド401、左下表示装置50、右下表示装置60に各種駆動信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226および演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンドを受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
払出制御部240Aには、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LEDやランプ類4b〜4fの点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
演出図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4Gの駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED4b〜4h、4G等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
次に、特別図柄と大当り遊技の関係について説明する。前述したように、本実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄の2つの特別図柄が設けられており、それに伴い、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部62A(3個のLED62a〜62c)と、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部62B(3個のLED62d〜62f)とが設けられている。第1特別図柄表示部62Aでは、第1始動口に遊技球が入球することにより第1特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に第1特別図柄が当り特別図柄(LED62a〜62cのいずれかが点灯)あるいは外れ特別図柄(LED62a〜62cの全てが点灯)で停止表示される。同様に、第2特別図柄表示部62Bでは、第2始動口に遊技球が入球することにより第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間経過後に第2特別図柄が当り特別図柄(LED62d〜62fのいずれかが点灯)あるいは外れ特別図柄(LED62d〜62fの全てが点灯)で停止表示される。そして、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が停止して当り特別図柄が停止表示されると、右大入賞装置35または中大入賞装置31が開放状態となる大当り遊技を実行する。大当り遊技が実行されると、右大入賞装置35または中大入賞装置31が開放状態になって遊技球が入球可能となり、該入球に応じた賞球が払い出されるため、開放する大入賞装置により異なるものの、大当り遊技中は、通常遊技中よりも多くの賞球獲得が見込める期間となっている。本実施例では、右大入賞装置35への1個の入球に対し10個の賞球が払い出され、中大入賞装置31への1個の入球に対し2個の賞球が払い出される設定とされている。すなわち、中大入賞装置31が開放状態となる場合より、右大入賞装置35が開放状態となる場合の方が、多くの賞球を獲得可能とされている。従って、賞球を多く獲得するという側面においては、右大入賞装置35が中大入賞装置31よりも有利な大入賞装置とされている。なお、本実施例では、複数の当り特別図柄が設定されており、停止表示された当り特別図柄の種類に応じて、その後に実行される大当り遊技(当り遊技)の実行態様が異なるように制御される。
本実施例では、遊技球が第1始動口に入球した際に、第1当否判定用乱数(1〜300の乱数値)および第1当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)が取得される。また、遊技球が第2始動口に入球した際に、第2当否判定用乱数(1〜300の乱数値)および第2当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)が取得される。この取得された各種乱数(乱数値)は、主制御部200のRAMの所定領域(第1特別図柄保留記憶領域、第2特別図柄保留記憶領域)に前述した「第1特別図柄の保留」、「第2特別図柄の保留」として記憶される。
第1当否判定用乱数と第2当否判定用乱数は、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定に用いられる。第1当否判定用乱数と第2当否判定用乱数には、予め当り値(例えば「1」)が設定されており、取得した当否判定用乱数(第1当否判定用乱数または第2当否判定用乱数)が当り値と一致する場合に当りと判定される。第1特別図柄当否判定は、第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は、第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。
第1当否判定用乱数が当り値と一致する場合には、第1特別図柄表示部62Aで停止表示する第1特別図柄の当り特別図柄を複数種類の当り特別図柄のいずれかに決定する「第1当り図柄決定処理」が行われる。第1当り図柄決定処理では、取得した第1当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)に対応付けられる一の当り特別図柄が決定される。なお、第1当否判定用乱数が当り値と一致しない場合には、外れと判定され、第1特別図柄表示部62Aで停止表示される第1特別図柄として、予め定められた一の外れ特別図柄に決定される。
同様に、第2当否判定用乱数が当り値と一致する場合には、第2特別図柄表示部62Bで停止表示する第2特別図柄の当り特別図柄を複数種類の当り特別図柄のいずれかに決定する「第2当り図柄決定処理」が行われる。第2当り図柄決定処理では、第1当り図柄決定処理と同様に、取得した第2当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)に対応付けられる一の当り特別図柄が決定される。なお、第2当否判定用乱数が当り値と一致しない場合には、外れと判定され、第2特別図柄表示部62Bで停止表示される第2特別図柄として、予め定められた一の外れ特別図柄に決定される。
次に、図14、図15を用いて、本実施例で実行される各種の大当り遊技と当り特別図柄の対応関係を説明する。図14は、第1当り図柄決定処理(第1特別図柄の当り特別図柄を決定する処理)で用いられる第1当り図柄決定用テーブルを概念的に記したものである。図14には、第1当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)に対応付けられる「当り特別図柄A」、「当り特別図柄B」、「当り特別図柄C」、「当り特別図柄D」、「当り特別図柄E」、「当り特別図柄F」、「当り特別図柄G」が記載され、各当り特別図柄の停止表示態様(「停止図柄態様」ともいう)と、各当り特別図柄の停止表示を契機に実行される大当り遊技の実行態様と、各大当り遊技後の遊技進行態様との対応関係が記されている。
第1当り図柄決定用乱数が「1〜29」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Aの停止表示(LED62aのみが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Aの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「15ラウンド大当り遊技A(以下、ラウンドを「R」と記載する)」が対応付けられている。この「15R大当り遊技A」は、右大入賞装置35の開放動作が、所定のインターバル(例えば、1秒の閉鎖)を挟みつつ14回(14ラウンド分)繰り返された後、通常よりも長いインターバル(例えば、4秒の閉鎖)を経て、中大入賞装置31の開放動作が、1回(1ラウンド分)行われるタイプの大当り遊技である。そして、各ラウンドで右大入賞装置35または中大入賞装置31が開放状態となる開放限度時間は各々「25秒」に設定されている。また、開放限度時間とは別に、各ラウンドには「入球限度数(本実施例では10個)」が規定されており、開放限度時間に達する前に入球限度数の遊技球入球が検出された場合には、右大入賞装置35または中大入賞装置31は閉鎖状態となり、1回のラウンドが終了する。なお、本実施例では、中大入賞装置31または右大入賞装置35が25秒の開放動作を行う場合には、遊技球発射を継続していれば入球限度数(10個)の遊技球入球が容易となるように遊技盤面上の釘配置等がなされている。
また、15R大当り遊技Aの終了後は、前述した開放時間延長機能が作動する。開放時間延長機能の作動期間は、15R大当り遊技Aの実行中に確率変動機能の作動条件が成立するか否かによって、「100回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」または「10000回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」が設定される。
ここで、本実施例における確率変動機能の作動条件について説明する。先ず、本実施例の「確率変動機能」は、特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定)にて当否判定用乱数(第1当否判定用乱数、第2当否判定用乱数)が当り値と一致する確率を10倍に向上させる機能である。具体的には、当否判定用乱数(第1当否判定用乱数、第2当否判定用乱数)に対する当り値が設定された当否判定テーブルとして、所定の当り値(本実施例では「1」)が設定された低確率判定テーブルと、低確率判定テーブルの10倍の個数の当り値(本実施例では「1」〜「10」)が設定されている高確率判定テーブルとが設けられ、確率変動機能が作動していない「低確率状態」では、低確率判定テーブルを用いて特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定)が行われる。一方、確率変動機能が作動している「高確率状態」では、高確率判定テーブルを用いて特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定)が行われることで、低確率状態よりも当りと判定される可能性が高くなる。このため、高確率状態では、低確率状態よりも大当り遊技の実行可能性が高まることとなる。
そして、本実施例では、大当り遊技実行中に遊技球が特定領域300を通過することで(特定領域検出スイッチ300sに検出されることで)、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動開始するように設定されている。つまり、本実施例では、内部に特定領域300を有する中大入賞装置31内に入球した遊技球のうち、少なくとも1個の遊技球が特定領域300を通過することで、確率変動機能の作動条件が成立することとされている。また、中大入賞装置31内に入球した遊技球の全てが特定領域300を通過しなかった場合(特定領域300を通過した遊技球が0個の場合)には、確率変動機能の作動条件が成立しない。なお、本実施例では、遊技球を特定領域300に誘導する経路と、遊技球を非特定領域301に誘導する経路とを切り換える振分ソレノイド401の駆動(通電と通電停止)を、当該遊技機1の電源投入時から常時一定のタイミング(2秒毎)で交互に行っている。このため、中大入賞装置31が閉鎖状態或いは開放状態とされている間にも、遊技球を特定領域300に誘導する経路と、遊技球を非特定領域301に誘導する経路とが2秒毎に切り替わり、中大入賞口31aの開放タイミングおよび中大入賞口31aへの入球タイミングによって、確率変動機能が作動する場合と確率変動機能が作動しない場合とが生ずることとなる。
また、確率変動機能は、大当り遊技終了後に行われる第1特別図柄当否判定および第2特別図柄当否判定が「10000回」行われるまで作動を継続するように設定されている。本実施例では、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定で当りと判定される確率は、低確率状態(確率変動機能が作動していない状態)で「1/300」とされ、高確率状態(確率変動機能が作動している状態)で「1/30」とされている。このため、「10000回」の作動継続期間を有する確率変動機能は、実質的に、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定で当りと判定されるまで継続することとなる。なお、大当り遊技実行中に遊技球が特定領域300を通過することなく終了した場合は、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動することはなく、大当り遊技終了後は低確率状態となる。
図14に戻って、15R大当り遊技Aが実行される場合には、最終ラウンド(15R目)にて中大入賞装置31が開放状態となるため、確率変動機能が作動するか否かが15R目に決定されることとなる。15R大当り遊技Aでは、15R目に中大入賞装置31が25秒間に亘り開放状態となるため、中大入賞口31aへの入球限度数の遊技球の入球が容易であり、入球限度数の遊技球入球に伴い、遊技球が特定領域300を通過する確率は比較的高くなるように構成されている。そして、15R大当り遊技Aの実行中に遊技球が特定領域300を通過した場合は、15R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能の作動とともに、開放時間延長機能(10000回)が作動することとなる。また、15R大当り遊技Aの実行中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、15R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
なお、前述したとおり、右大入賞装置35への入球による賞球数(1個の入球に対して10球)は、中大入賞装置31への入球による賞球数よりも多く設定されている(1個の入球に対して2球)。一方、中大入賞装置31に入球した場合には、当該入球した遊技球によって特定領域300を通過するかどうかの振分抽選が実行される。従って、中大入賞装置31が開放する場合には、獲得できる賞球数は少ないものの、大当り遊技終了後に、確率変動機能が作動する可能性がある。右大入賞装置35には、特定領域が設けられていないため、入球としても、確率変動機能が作動することはない。従って、15R大当り遊技Aは、遊技球を可能な限り(14ラウンド分)多く獲得できるとともに、確率変動機能の作動の可能性(15ラウンド目)も有する当りとなっている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「30〜49」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Bの停止表示(LED62a、62bが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Bの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「15R大当り遊技B」が対応付けられている。この「15R大当り遊技B」は、右大入賞装置35の開放動作が、1秒のインターバルを挟みつつ10回(10ラウンド分)繰り返された後、長時間(4秒)のインターバルを経て、中大入賞装置31の開放動作が5回(5ラウンド分)行われるタイプの大当り遊技であり、入球限度数は15R大当り遊技Aと同数(10個)が規定されている。
また、15R大当り遊技Bの実行中(11〜15Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、15R大当り遊技Aの終了後と同様に、15R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、15R大当り遊技Bの実行中(11〜15Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、15R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
このように、15R大当り遊技Bでは、右大入賞装置35の開放回数(10ラウンド)が、15R大当り遊技Aよりも少なく、中大入賞装置31の開放回数(5ラウンド)が、15R大当り遊技Aよりも多いため、15R大当り遊技Aと比較して、獲得できる賞球数は少ないが、確率変動機能が作動する可能性は高いものとされている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「50〜59」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Cの停止表示(LED62a、62b、62cの全てが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Cの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「10大当り遊技A」が対応付けられている。この「10R大当り遊技A」は、右大入賞装置35の開放動作が、1秒のインターバルを挟みつつ9回(9ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技であり、1〜9R目に右大入賞装置35が開放状態となる開放限度時間は「25秒」に設定されている。しかしながら、10R目に中大入賞装置31が開放状態となる開放限度時間は「5秒」に設定されている。このため、10R大当り遊技Aでは、10R目において、中大入賞口31aに入球限度数(10個)の遊技球が入球することは困難となり、特定領域300を遊技球が通過する可能性が低くなる。このため、中大入賞装置31の開放ラウンドは、15R大当り遊技Aと同じ1ラウンドであるが、10R大当り遊技Aは、15R大当り遊技Aに比べて、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動する可能性が低い大当り遊技であるといえる。
また、10R大当り遊技Aの実行中(10Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、10R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、10R大当り遊技Aの実行中(10Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、10R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(30回)が作動することとなる。
このように、10R大当り遊技Aでは、右大入賞装置35の開放回数(10ラウンド)が、15R大当り遊技Aよりも少なく設定され、中大入賞装置31の開放回数(1ラウンド)は、15R大当り遊技Aと同じであるが、開放時間が短く設定されている。従って、10R大当り遊技Aは、「確率変動機能の作動条件が成立する可能性(特定領域300を遊技球が通過する可能性)」および「確率変動機能の作動条件が成立しなかった場合の開放時間延長機能の作動期間」のいずれも15R大当り遊技Aに比べて不利に設定されており、10R大当り遊技Aは、15R大当り遊技Aに比べて不利な大当り遊技であるといえる。
また、第1当り図柄決定用乱数が「60〜64」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Dの停止表示(LED62cが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Dの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「10R大当り遊技B」が対応付けられている。この「10R大当り遊技B」は、右大入賞装置35の開放動作が、1秒のインターバルを挟みつつ5回(5ラウンド分)繰り返された後、長時間(4秒)のインターバルを経て、中大入賞装置31の開放動作が5回(5ラウンド分)行われるタイプの大当り遊技であり、入球限度数は15R大当り遊技Aと同数(10個)が規定されている。
また、10R大当り遊技Bの実行中(6〜10Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、15R大当り遊技Aの終了後と同様に、10R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、15R大当り遊技Bの実行中(11〜15Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、10R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
このように、10R大当り遊技Bでは、右大入賞装置35の開放回数(5ラウンド)が、15R大当り遊技Bよりも少なく、中大入賞装置31の開放回数(5ラウンド)が、15R大当り遊技Bと同じため、15R大当り遊技Bと比較して、獲得できる賞球数は少ないが、確率変動機能が作動する可能性は同程度とされている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「65〜79」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Eの停止表示(LED62bが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Eの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「5R大当り遊技A」が対応付けられている。この「5R大当り遊技A」は、右大入賞装置35の開放動作が、1秒のインターバルを挟みつつ5回(5ラウンド分)繰り返されるタイプの大当り遊技であり、入球限度数は15R大当り遊技Aと同数(10個)が規定されている。
この5R大当り遊技Aは、中大入賞装置31が開放状態となる機会がないため、特定領域300を遊技球が通過する可能性がゼロである。このため、5R大当り遊技Aの終了後には、確率変動機能が作動することがない。また、5R大当り遊技の終了後には、低確率状態にて開放時間延長機能(30回)が作動する。このように、5R大当り遊技Aは、ある程度(5ラウンド分)の賞球を獲得することができるものの、確率変動機能が作動することがなく、開放時間延長機能の作動期間が最も短期間に設定されるため、他の大当り遊技に比べて不利な大当り遊技に設定されている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「80〜89」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Fの停止表示(LED62b、62cが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Fの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「2R大当り遊技A」が対応付けられている。この「2R大当り遊技A」は、中大入賞装置31の開放動作が、1秒のインターバルを挟みつつ2回(2ラウンド分)繰り返されるタイプの大当り遊技であり、入球限度数は15R大当り遊技Aと同数(10個)が規定されている。
この2R大当り遊技Aは、右大入賞装置35が開放状態となる機会がないため、多量の賞球を獲得することはできないが、2R大当り遊技Aの実行中(1〜2Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、2R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、2R大当り遊技Aの実行中(1〜2Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、2R大当り遊技Aの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(50回)が作動することとなる。このように、2R大当り遊技Aは、多量の賞球を得することができないが、確率変動機能が作動する可能性は、15R大当り遊技Aよりも高く設定されているため、大当り遊技終了後に高確率状態となった際の、次の大当りに期待をすることができる。
また、第1当り図柄決定用乱数が「90〜99」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Gの停止表示(LED62a、62cが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Gの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「2R大当り遊技B」が対応付けられている。この「2R大当り遊技B」は、右大入賞装置35の開放動作が、1回(1ラウンド分)実行された後、長時間(4秒)のインターバルを経て、中大入賞装置31の開放動作が1回(1ラウンド分)実行されるタイプの大当り遊技であり、入球限度数は15R大当り遊技Aと同数(10個)が規定されている。
また、2R大当り遊技Bの実行中(2Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、2R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、2R大当り遊技Bの実行中(2Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、2R大当り遊技Bの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(50回)が作動することとなる。
このように、2R大当り遊技Bでは、右大入賞装置35の開放回数(1ラウンド)が、他の大当り遊技(右大入賞装置35の開放がない2R大当り遊技A)よりも少なく、中大入賞装置31の開放回数(5ラウンド)が、15R大当り遊技Bと同じため、15R大当り遊技Bと比較して、獲得できる賞球数は少ないが、確率変動機能が作動する可能性は同程度とされている。
次に、図15を用いて、第2当り図柄決定処理(第2特別図柄の当り特別図柄を決定する処理)で用いられる第2当り図柄決定用テーブルについて説明する。図15は、第2当り図柄決定用テーブルを概念的に記したものである。図15には、第2当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)に対応付けられる「当り特別図柄H」、「当り特別図柄I」、「当り特別図柄J」、「当り特別図柄K」、「当り特別図柄L」が記載され、図14と同様に、各当り特別図柄の停止表示態様(停止図柄態様)と、各当り特別図柄の停止表示を契機に実行される大当り遊技の実行態様と、各大当り遊技後の遊技進行態様との対応関係が記されている。
第2当り図柄決定用乱数が「0〜29」のいずれかに一致する場合は、第2当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Hの停止表示(LED62dのみが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Hの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述の「15R大当り遊技A」が対応付けられている。15R大当り遊技Aの実行態様の詳細および15R大当り遊技Aの終了後の遊技進行態様は、前述した第1当り図柄決定用テーブルでの説明と同じであるため説明を省略する。
第2当り図柄決定用乱数が「30〜59」のいずれかに一致する場合は、第2当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Iの停止表示(LED62d、62eが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Iの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述の「15R大当り遊技B」が対応付けられている。15R大当り遊技Bの実行態様の詳細および15R大当り遊技Bの終了後の遊技進行態様は、前述した第1当り図柄決定用テーブルでの説明と同じであるため説明を省略する。
第2当り図柄決定用乱数が「60〜79」のいずれかに一致する場合は、第2当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Jの停止表示(LED62fが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Jの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述の「10R大当り遊技B」が対応付けられている。10R大当り遊技Bの実行態様の詳細および10R大当り遊技Bの終了後の遊技進行態様は、前述した第1当り図柄決定用テーブルでの説明と同じであるため説明を省略する。
第2当り図柄決定用乱数が「80〜89」のいずれかに一致する場合は、第2当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Kの停止表示(LED62e、62fが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Kの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述の「2R大当り遊技A」が対応付けられている。2R大当り遊技Aの実行態様の詳細および2R大当り遊技Aの終了後の遊技進行態様は、前述した第1当り図柄決定用テーブルでの説明と同じであるため説明を省略する。
第2当り図柄決定用乱数が「90〜99」のいずれかに一致する場合は、第2当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Lの停止表示(LED62d、62fが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Lの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述の「2R大当り遊技B」が対応付けられている。2R大当り遊技Bの実行態様の詳細および2R大当り遊技Bの終了後の遊技進行態様は、前述した第1当り図柄決定用テーブルでの説明と同じであるため説明を省略する。
なお、本実施例の第1当り図柄決定処理では、図14から明らかなように、確率変動機能の作動契機とならない、又は、確率変動機能を作動させることが困難な、5R大当り遊技A及び10R大当り遊技Aが存在する。一方、第2当り図柄決定処理では、図15から明らかなように、当り特別図柄H〜Lに第2当り図柄決定用乱数が対応付けられ、確率変動機能の作動契機とならない、又は確率変動機能を作動させることが困難な、5R大当り遊技A及び10R大当り遊技Aが設定されることがない。このため、開放時間延長機能が作動していない状態(第1特別図柄の変動表示が主の状態)では、確率変動機能の作動契機となる大当り遊技(15R大当り遊技A、B等)の実行可能性は低く、開放時間延長機能が作動している状態(第2特別図柄の変動表示が主の状態)では、確率変動機能の作動契機となる大当り遊技の実行可能性が高いゲーム性が実現可能となる。
また、本実施例では、15R大当り遊技Aまたは15R大当り遊技Bの実行中に発生する「4秒のインターバル」中に特殊な予告演出を行うこととしている。すなわち、中大入賞装置31が開放状態となる最終回のラウンド(15R目)が発生する直前のインターバル中(4秒の閉鎖中)に、「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」を、演出表示装置27での表示を用いて遊技者に予告として報知することとしている。これにより、中大入賞装置31が開放状態となるラウンド中に、遊技球が中大入賞口31aに入球するか否か、および中大入賞口31aに入球した遊技球の行方(特定領域を通過するか否か)を遊技者が見逃すことを抑止し、大当り遊技中の遊技興趣を向上させることができる。また、確率変動機能が作動する可能性が異なる大当り遊技によって(例えば、15R大当り遊技Aと15R大当り遊技B)、予告演出の種類を相違させることもでき、例えば、15R大当り遊技Aでは4秒のインターバル中に「確変チャンス!!」の表示を行う予告演出を実行し、15R大当り遊技Bでは4秒のインターバル中に「確変大チャンス!」の表示を行う予告演出を実行する。これにより、これから発生するラウンドにおける確率変動機能の作動が決定される期待度を示すことができ、以降のラウンドを迎える遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。これら予告演出の実行制御は、主制御部200から送信されるラウンド関連コマンド(各ラウンドの開始、終了を示すコマンド)に基づいてサブ制御部220Aによって行われるように構成されている。
この様に、本実施例の当り遊技の実行態様においては、所定の上限ラウンド数(15ラウンド)内で、まず多量の賞球を獲得可能な右大入賞装置35の開放が実行され、右大入賞装置35の開放が終了した後に、確変抽選(確率変動機能を作動するかどうかの抽選)を実行可能な中大入賞装置31の開放が実行される(右大入賞装置35の開放、中大入賞装置31の開放の順)。すなわち、大当り遊技の開始後に中大入賞装置31が開放した場合には、その後、右大入賞装置35が開放することはなく、多量の賞球を獲得する機会は終了する。そして、中大入賞装置31の開放により、確率変動機能が作動するかどうかの抽選(振分抽選)が実行される。
また、図14及び図15の例にはないが、右大入賞装置35の開放が上限ラウンド数(15ラウンド)まで継続した場合には、当該大当り遊技は、中大入賞装置31を開放状態とすることなく終了することとなる。また、本実施例では、大当り遊技が、上限ラウンド数(15ラウンド)に到達する前に終了する態様もあるので(10ラウンド当り遊技、5ラウンド当り遊技、2ラウンド当り遊技)、遊技者の大当り遊技実行中の興趣が冷めることはない。遊技者は、常に緊張感をもって、ラウンドの進行を見守ることとなる。
具体的に、遊技者は、大当り遊技が実行されている間、中大入賞装置31が開放する態様が発生すること(特定領域を遊技球が通過すること)に期待しつつ、且つ多量の賞球を獲得することに期待している。すなわち、大当り遊技が上限ラウンド数まで発生し、且つできるだけ多くの賞球を獲得し、且つ特定領域を通過することを望んでいる(15R大当り遊技Aの発生)。然しながら、確率変動機能を作動させることが困難な大当り遊技の実行態様が存在するため(10R大当り遊技Aや5R大当り遊技A)、早めに中大入賞装置31を開放状態として、特定領域を通過させることで、早く安心感を得たい(高確率遊技の確保)と感じる遊技者もいる。遊技者によって、大当り遊技実行中の期待内容は異なるが、本実施例の様に、大入賞装置の開放順序を右大入賞装置35、中大入賞装置31の順とし、異なるラウンド数の当り遊技を設定することで、を多種多様の遊技者の大当り遊技中における興趣を高めることができる。
次に、演出表示装置27で表示される演出図柄について説明する。演出表示装置27の表示領域には、3桁の演出図柄27b〜27dを表示する演出図柄表示部27aが設けられている。演出図柄表示部27aには、「1」〜「9」からなる演出図柄27b〜27d(演出図柄は、数字に限らず、図形、文字、キャラクタ、又はそれらの組合せであってもよい)をそれぞれ表示可能であり、これらの演出図柄27b〜27dが上下方向(縦方向)に変動表示するように設定されている。演出図柄27b〜27dは、第1特別図柄表示部62Aの第1特別図柄または第2特別図柄表示部62Bの第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して変動表示及び停止表示される。
演出図柄27b〜27dは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの停止図柄(当り特別図柄、外れ特別図柄)で停止表示すると、該停止図柄に応じた図柄(当り演出図柄、外れ演出図柄)で演出図柄は停止表示される。演出図柄では、「3桁同一の演出図柄の停止表示」が当りを示す演出図柄に対応し、「それ以外の演出図柄(つまり、3桁同一とならないバラケ目)の停止表示」が外れを示す演出図柄に対応している(図4はハズレ演出図柄を停止)。なお、3桁同一の演出図柄(当りに対応する演出図柄)の停止表示については、当り特別図柄A〜Lのいずれの場合にも停止表示可能であり、「3桁同一の演出図柄」を確認しただけでは、後に実行される大当り遊技の種別が判別できないように構成されている。
尚、演出表示装置27において、当りを示す演出図柄を停止表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において、外れを示す演出図柄を停止表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合と、リーチ表示を行う場合とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27に表示される演出図柄のうち2桁の演出図柄を同一図柄で停止させ、他の1桁の演出図柄を変動中とすることを内容とする表示である。
演出図柄の変動態様(演出パターン)および停止図柄の決定は、主制御部200から送信される変動パターン指定コマンドおよび停止情報指定コマンドに基づいてサブ制御部220Aによって行われるように構成されている。ここで、主制御部200からサブ制御部220Aに向けて送信される変動パターン指定コマンドは、第1、第2特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、第1、第2特別図柄の変動表示時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御部200は、第1、第2特別図柄当否判定の結果に応じて第1、第2特別図柄の変動パターンをランダムに(乱数抽選により)決定する。そして、主制御部200により決定された変動パターンに基づき、サブ制御部220Aが、演出図柄表示装置27で表示される演出図柄の演出パターンを決定する。また、主制御部200からサブ制御部220Aに向けて送信される停止情報指定コマンドは第1、第2特別図柄の停止図柄(当り特別図柄、外れ特別図柄)を示すコマンドである。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図16は、主制御部200の制御下で行われるメインジョブの一例である。図16に示すメインジョブは、主制御基板200に実装されたCPU201が、図示しないROM(CPU201の内蔵ROMまたは主制御基板200に実装されるROM)に格納されたプログラムに従って実行するもので、電源投入処理(S100)の後、遊技開始処理(S200)、普通図柄遊技処理(S300)、普通電動役物遊技処理(S400)、特別図柄遊技処理(S500)、大当り遊技処理(S600)の各処理が、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理(S50)は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理(S100)に移るようになっている。
電源投入処理(S100)は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理(S200)では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球払出制御等が行われる。
普通図柄遊技処理(S300)では、まず、普通図柄当否判定を行って、普通図柄表示部56にて普通図柄を当り普通図柄で停止表示させるか、外れ普通図柄で停止表示させるかを決定する。ここで、前述したように、本実施例における普通図柄当否判定は、第2始動口に遊技球が入球する可能性を高める開放時間延長機能の作動状態に応じて、当りとなる確率が異なっており、開放時間延長機能の作動時の方が、開放時間延長機能の非作動時に比べ当りとなる確率が高くなっている。
普通図柄当否判定の結果が得られたら、普図変動時間を設定し、設定した普図変動時間に従って普通図柄の変動表示を開始する。そして、設定した普図変動時間が経過すると、予め決定しておい停止図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄が当り普通図柄で停止表示された場合には、普通電動役物(普通電動役物ソレノイド17c)の作動を開始させる(普通電動役物を開放駆動させる)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り普通図柄の表示態様で停止表示された場合には、普通電動役物を開放駆動させる処理を行う。普通電動役物が開放駆動すると、一対の翼片部が開放状態となり、第2始動口に遊技球が入球し易くなる。
普通電動役物遊技処理(S400)では、普通電動役物が開放駆動する時間(開放時間)が所定時間を経過したか否かを判定し、所定時間が経過していない場合には、第2始動口に規定数の入球があったか否かを判定する。第2始動口に規定数の入球があったと判定されるか、所定時間が経過していると判定された場合には、普通電動役物の開放駆動を停止し、一対の翼片部が閉鎖状態となって、第2始動口に遊技球が入球困難となる。なお、本実施例では、開放時間延長機能の作動状態に応じて、普通電動役物が開放駆動する時間(開放時間)を異ならせている。具体的には、開放時間延長機能が作動していない状態では、所定時間として「0.5秒」を設定し、開放時間延長機能が作動している状態では、所定時間として「3秒」を設定することとしている。
次に、特別図柄遊技処理(S500)を図17〜図19のフローチャートに基づいて説明する。まず、図17に示すように始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理(S501)について図19のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口への遊技球入球が検出されたか否かを判定し(S501a)、第1始動口28への遊技球入球が検出されていないと判定された場合には(S501a:NO)。S501dの処理に移行する。一方、第1始動口への遊技球入球が検出されたと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄に係る保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄に係る保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501b:NO)、S501dの処理に移行し、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄に関連する各種乱数(第1当否判定用乱数、第1当り図柄決定用乱数)を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501c)。これにより、第1特別図柄に係る保留数が1増加する。
次に、第2始動口への遊技球入球が検出されたか否かを判定し(S501d)、第2始動口への遊技球入球が検出されていないと判定された場合には(S501d:NO)。始動口入賞処理を終了する。一方、第2始動口への遊技球入球が検出されたたと判定された場合には(S501d:YES)、第2特別図柄に係る保留数が4未満であるか否かを判定する(S501e)。この結果、第2特別図柄に係る保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501e:NO)、始動口入賞処理を終了し、第2特別図柄に係る保留数が4未満であると判定された場合には(S501e:YES)、第2特別図柄に関連する各種乱数(第2当否判定用乱数、第2当り図柄決定用乱数)を取得して記憶する(S501f)。これにより、第2特別図柄に係る保留数が1増加する。
次に、図17に戻り、大当り遊技中であるか否かを判定する(S502)。この判定は、後述する「大当り遊技フラグ」がONであるか否かによって判定される。この結果、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S502:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S502:NO)、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であるか否かを判定する(S503)。
この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。ここで、特別図柄の停止表示時間とは、停止表示された特別図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、特別図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄に係る保留数がゼロであるか否かを判定する(S506)。この結果、第2特別図柄に係る保留数がゼロであると判定された場合には(S506:YES)、第1特別図柄に係る保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
そして、第1特別図柄に係る保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄に係る保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S508)。
一方、S506の判定処理で第2特別図柄に係る保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S509)。つまり、S506の判定処理で第2特別図柄に係る保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第1特別図柄に係る保留数がゼロでなくても(1以上であっても)第2特別図柄の変動表示処理が実行される。これにより、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄よりも優先して行われることとなり、S506の判定処理によって第2特別図柄の優先変動機能が実現される。
ここで、第1特別図柄変動表示処理(S508)と第2特別図柄変動表示処理(S509)を図20のフローチャートに基づいて説明する。第1特別図柄変動表示処理と第2特別図柄変動表示処理は、「第1特別図柄」と「第2特別図柄」の部分が異なっている以外は同一内容の処理であり、図20における「特別図柄」が、第1特別図柄変動表示処理では「第1特別図柄」となり、第2特別図柄変動表示処理では「第2特別図柄」となる。ここでは、第1特別図柄変動表示処理(S508)について説明し、第2特別図柄変動表示処理(S509)の説明を省略する。
まず、主制御部200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶されている第1当否判定用乱数を読み出し(S508a)、第1特別図柄当否判定を行う(S508b)。第1特別図柄当否判定では、当り値が設定された当否判定テーブルに第1当否判定用乱数を照合して、「当り(当り値と第1当否判定用乱数が一致)」と「外れ(当り値と第1当否判定用乱数が不一致)」のいずれかを判定する。本実施例では、当否判定テーブルとして、所定の当り値が設定された低確率判定テーブルと、低確率判定テーブルの10倍の個数の当り値が設定されている高確率判定テーブルとが設けられ、確率変動機能が作動していない状態(低確率状態)では、低確率判定テーブルを用いて第1特別図柄当否判定を行い、確率変動機能が作動している状態(高確率状態)では、高確率判定テーブルを用いて第1特別図柄当否判定を行う。
次に、開放時間延長機能の作動中か否かを判定する(S508c)。この結果、開放時間延長機能の作動中であると判定された場合には(S508c:YES)、開放時間延長機能作動時の第1特別図柄の変動パターン設定処理を行う(S508d)。開放時間延長機能作動時の第1特別図柄の変動パターン設定処理では、第1特別図柄の変動表示時間として開放時間延長機能非作動時よりも短い変動表示時間(例えば2秒)が規定される「短変動パターン」が設定される。一方、開放時間延長機能の作動中でないと判定された場合には(S508c:YES)、開放時間延長機能非作動時の第1特別図柄の変動パターン設定処理を行う(S508e)。開放時間延長機能非作動時の第1特別図柄の変動パターン設定処理では、第1特別図柄の変動表示時間として開放時間延長機能作動時よりも長い変動表示時間(例えば10秒)が規定される「通常変動パターン」が設定される。
以上のようにして特別図柄の変動パターン設定処理(S508d、S508e)を終えると、図20のS508fの処理に移行し、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている第1当り図柄決定用乱数を読み出す(S508f)。
次に、特別図柄の停止図柄を決定する(S508i)。第1特別図柄が当り特別図柄で停止する場合(第1特別図柄当否判定の結果が当りの場合)は、第1当り図柄決定用テーブルと、S508fで読み出した第1当り図柄決定用乱数とを用いて、前述した第1当り図柄決定処理を行って第1特別図柄の当り特別図柄を決定する。また、第1特別図柄が外れ特別図柄で停止する場合(第1特別図柄当否判定の結果が外れの場合)は、S508fで読み出した第1当り図柄決定用乱数を用いることなく、一の外れ特別図柄(第1特別図柄表示部62AにおけるLED62a〜62cの全消灯)を決定する。なお、第2特別図柄が当り特別図柄で停止する場合(第2特別図柄当否判定の結果が当りの場合)は、第1特別図柄のときと同様に、第2当り図柄決定用テーブルと、S509fで読み出した第2当り図柄決定用乱数とを用いて、前述した第2当り図柄決定処理を行って第2特別図柄の当り特別図柄を決定する。
次に、S508d、S508eで設定された特別図柄の変動パターンおよびS508gで決定された特別図柄の停止図柄に従って、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄の変動表示を開始し(S508h)、これに付随して、図柄変動開始時コマンドとしての第1特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部220Aに送信する(S508i)。変動パターン指定コマンドは、S508d、S508eで設定された第1特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、第1特別図柄情報指定コマンドは、第1特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。この変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドをサブ制御部220Aに送信すると、これらコマンド(図柄変動開始時コマンド)を受信したサブ制御部220Aおよび演出表示制御部280の制御下で図柄変動演出(演出図柄の変動表示)が開始される。そして、第1特別図柄保留数を1減算する(S508j)。以上までが、第1特別図柄の変動表示を開始する際の処理である。
次に、図20に戻り、上記S503で特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(S510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動表示を停止し(S511)、特別図柄の変動表示が停止したことを示す図柄停止コマンドをサブ制御部220Aに送信し(S512)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S513)。
次に、特別図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、特別図柄の停止図柄が当り特別図柄であるか否かを判定する(図6(b)のS515)。この結果、特別図柄の停止図柄が当り特別図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当り終了時参照バッファに今回の当り特別図柄に対応する大当り遊技の種類(15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、10R大当り遊技A、10R大当り遊技B、5R大当り遊技A、2R大当り遊技A、2R大当り遊技B)と現在の遊技状態を示すフラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグ)の状態をセットする(S516)。
次に、大当り遊技が実行中であるか否かを示す「大当り遊技フラグ」をONにセットし(S518)、大当り遊技の実行パターンをセットする(S519)。大当り遊技の実行パターンとしては、今回の当り特別図柄に対応する大当り遊技の種類(15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、10R大当り遊技A、10R大当り遊技B、5R大当り遊技A、2R大当り遊技A、2R大当り遊技B)に基づく実行態様がセットされ、大当り遊技のラウンド数(15R、10R、5R又は2R)、各ラウンドの開放限度時間、各ラウンド間のインターバル時間等がセットされる。これにより、今回の当り特別図柄に対応する大当り遊技が実行可能となる。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S520)、確変フラグがONであると判定された場合は(S520:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S521)、S522の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S520:NO)、そのままS522の処理に移行する。なお、「確変フラグ」は、確率変動機能が作動しているか否か(高確率状態であるか否か)を示すフラグであり、ONにセットされることで確率変動機能が作動していることを示す。
S522の処理では、変動短縮フラグがONであるか否かを判定し、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S522:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了する。一方、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S522:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S523)、さらに開放延長フラグをOFFにセットする(S524)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能のすべてが作動を停止する。なお、「変動短縮フラグ」は、変動時間短縮機能が作動しているか否かを示すフラグであり、ONにセットされることで変動時間短縮機能が作動していることを示す。また、「開放延長フラグ」は、開放時間延長機能が作動しているか否かを示すフラグであり、ONにセットされることで開放時間延長機能が作動していることを示す。
次に、上記S515の判定処理で、停止表示された特別図柄の停止図柄が当り特別図柄でない(換言すると、外れ特別図柄である)と判定された場合には(S515:NO)、開放延長フラグがONであるか否かを判定する(S525)。この結果、開放延長フラグがONでないと判定された場合は(S525:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、開放延長フラグがONであると判定された場合は(S525:YES)、開放延長回数カウンタを1減算し(S526)、開放延長回数カウンタがゼロになったか否かを判定する(S528)。
そして、開放延長回数カウンタがゼロになっていないと判定された場合には(S528:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、開放延長回数カウンタがゼロになったと判定された場合には(S528:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S529)、開放延長フラグをOFFにセットする(S530)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動停止する。
次に、大当り遊技処理(S600)について図21のフローチャートに基づいて説明する。大当り遊技処理(S600)では、S519で設定された大当り遊技の実行パターンに従って右大入賞口35aと中大入賞口31aの開閉動作が制御される。まず、大当り遊技中であるか否か(大当り遊技フラグがONであるか否か)を判定する(S601)。この結果、大当り遊技中でない(大当り遊技フラグがOFFである)と判定された場合には(S601:NO)、大当り遊技処理を終了し、大当り遊技中である(大当り遊技フラグがONである)と判定された場合には(S601:YES)、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放タイミングであるか否かを判定し(S609)、開放タイミングである場合には(S609:YES)、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aを開放し(S610)、開放タイミングでない場合には(S609:NO)、一旦大当り遊技処理を終了する。なお、本実施例における開始タイミングは、1回のラウンドの開始タイミングと一致しており、「大当り遊技が開始されるとき」と「前回のラウンド終了後に計時されるインターバル時間が規定時間に達したとき」とが開放タイミングに設定されており、これら開放タイミングのいずれかに従って右大入賞口35aまたは中大入賞口31aが開放状態とされる。
S602で右大入賞口35aまたは中大入賞口31aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、開放中の大入賞口が「中大入賞口31a」であるか否かを判定する(S603)。この結果、開放中の大入賞口が「中大入賞口」であると判定された場合には(S603:YES)、遊技球が特定領域300を通過したか否かを判定する(S604)。遊技球が特定領域300を通過したか否かは、特定領域300に設けられる特定領域検出スイッチ300sからの検出信号の有無で判定される。S604で遊技球が特定領域300を通過したと判定された場合には(S604:YES)、遊技球が特定領域300を通過したか否かを示す特定領域通過フラグをONにセットしてS606の処理に移行する。また、遊技球が特定領域300を通過していないと判定された場合には(S604:NO)、特定領域通過フラグをONにセットせず(OFFのまま)、S606の処理に移行する。なお、本実施例では、15ラウンド中に複数個の遊技球が特定領域300を通過した場合に、遊技球が最初に特定領域300を通過した際に特定領域通過フラグがONにセットされるため、特定領域通過フラグがONにセットされている状態で遊技球が特定領域300を通過した際にはS604の判定を行わないこととしている。また、本実施例では、中大入賞口31aの開放中(中大入賞装置31の開放中)以外は、特定領域通過フラグをONにセットする処理が行われることはなく、中大入賞口31aの開放するラウンド以外のラウンドで特定領域300を遊技球が通過しても、この特定領域300の通過は無効とされる。これにより、特定領域300を不正に通過させる行為を防止することができる。また、前述した「5R大当り遊技A」では、中大入賞口31aが開放しないため、S603の処理が行われることはなく、大当り遊技が終了する。
S603の判定で開放中の大入賞口が「中大入賞口31a」でないと判定された場合(S603:NO)、またはS604での判定処理が行われた場合には、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの閉鎖タイミングであるか否かを判定する(S606)。この結果、閉鎖タイミング(ラウンドの終了タイミング)である場合には(S606:YES)、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放を終了して閉鎖状態とし(S607)、閉鎖タイミングでない場合には(S606:NO)、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放を継続する。なお、本実施例における閉鎖タイミングは、1回のラウンドの終了タイミングと一致しており、「右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放限度時間が経過したとき」と「右大入賞口35aまたは中大入賞口31aに入球限度数の遊技球が入球したとき」とが閉鎖タイミングに設定されており、これら閉鎖タイミングのうち先に達成されたタイミングで右大入賞口35aまたは中大入賞口31aが閉鎖状態とされる。
右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放が終了して閉鎖状態となると、今回の大当り遊技に設定されているラウンド数の残りがゼロであるか否かを判定する(S608)。本実施例では、S608の判定に先立って、右大入賞口35aまたは中大入賞口31aの開放が終了して閉鎖状態となると、ラウンド数を「1」減算する処理が行われる(図示省略)。そして、S608の判定では、減算後の残りのラウンド数がゼロであるか否かを判定し、残りのラウンド数がゼロでない場合には(S608:NO)、未だ大当り遊技が継続するものとして大当り遊技処理を一旦終了する。一方、残りのラウンド数がゼロである場合には(S608:YES)、大当り遊技フラグをOFFにセットして、後述の大当り遊技終了時処理(S700)に移行する。
次に、大当り遊技終了時処理(S700)について図22のフローチャートに基づいて説明する。まず、特定領域通過フラグがONであるか否かを判定する(S701)。特定領域通過フラグがONである場合には(S701:YES)、確変フラグをONにセットする(S702)。これにより、大当り遊技終了後に確率変動機能が作動開始する。また、確率変動機能の作動期間として「10000回」の特別図柄の変動表示をセットする(S702)。これにより、大当り遊技終了後に行われる特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定)が10000回に達するまで(実質的には次回当り判定されるまで)、確率変動機能を作動継続させることができる。そして、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONにセットし(S705、S706)、開放延長回数カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値(10000回)をセットする(S707)。これにより、大当り遊技終了後に変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。なお、本実施例では、特定領域通過フラグがONにセットされている場合には、開放延長回数カウンタに「10000」がセットされる。これにより、大当り遊技終了後に行われる特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定、第2特別図柄当否判定)が10000回に達するまで(実質的には次回当り判定されるまで)、変動時間短縮機能と開放時間延長機能を作動継続させることができ、確率変動機能と変動時間短縮機能と開放時間延長機能とを同時期に作動開始し、同時期に作動終了させることができる。
一方、S701で特定領域通過フラグがONでないと判定された場合には(S701:NO)、確変フラグをONにセットすることなく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONにセットし(S708、S709)、開放延長回数カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値(N回)をセットする(S710)。これにより、大当り遊技終了後に、確率変動機能が作動することなく、低確率状態で変動時間短縮機能と開放時間延長機能が作動開始する。なお、本実施例では、特定領域通過フラグがONでない場合には、直前に終了した大当り遊技の種類(14R大当り遊技、15R大当り遊技A、15R大当り遊技B)に対応させて、開放延長回数カウンタに「30」、「50」、「100」のいずれかがセットされる。これにより、特定領域300に遊技球が通過することなく終了した大当り遊技後には、確率変動機能は作動しないものの、終了した大当り遊技の種類に応じた期間に亘り変動時間短縮機能および開放時間延長機能が作動し、低確率状態でありながら、第2特別図柄の変動表示機会を通常時よりも増加させることができる。
以上説明した本実施例では、第1特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合よりも、第2特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合の方が、特定領域300を遊技球が通過する可能性のある大当り遊技の実行確率が高く設定されている。これにより、「第1特別図柄よりも第2特別図柄で大当り遊技が実行される場合の方が、特定領域300を遊技球が通過する可能性が高く、それに応じて確率変動機能の作動可能性が高まる」という新たな遊技性を実現することができ、第2特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合に、確率変動機能の作動に期待する遊技者の興趣を従来に比して向上させることができる。
また、第2特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合には、再度確率変動機能が作動する可能性を高く設定しているので、一旦、確率変動機能および開放時間延長機能が作動開始すると、第2特別図柄での図柄変動遊技の実行頻度が高まって、「多量の賞球を獲得可能」となる。これにより、第2特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合に、確率変動機能の作動継続と多量の賞球獲得に期待する遊技者の興趣を従来に比して向上させることができる。
また、本実施例では、各大当り遊技中に遊技球が特定領域300を通過せずに終了した場合であっても、各大当り遊技の終了後に予め対応付けられた期間に亘り、開放時間延長機能が作動する。具体的には、大当り遊技毎に設定される「遊技球が特定領域300を通過する可能性」が高くになるにつれて、開放時間延長機能の作動期間が長くなるように設定されている。このように、大当り遊技中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合であっても、その後に「第2特別図柄で当り特別図柄が停止表示され得る機会」を適宜発生させることで、遊技球が特定領域300を通過しなかったことによる興趣低下を軽減できる。また、遊技球が特定領域300を通過せずに終了した大当り遊技後に開放時間延長機能が作動することで、確率変動機能の作動開始或いは作動復帰に対する遊技者の期待感を高め、大当り遊技終了後の遊技者の興趣を従来に比して向上させることができる。さらに、大当り遊技終了後の開放時間延長機能の作動バリエーションを多彩にすることで、大当り遊技終了後における期待感に高低を生じさせることでき、当該遊技機を一層面白みのあるものにすることができる。
(他の実施形態1)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、10R大当り遊技Aと、10R大当り遊技Bとで中大入賞口装置31の開放時間を異ならせていたが、高確率状態の発生可能性(確率変動機能の作動可能性)に差を生じさせるための構成としては、他の構成を採用することとしてもよい。例えば、中大入賞口31aへの入球率を相違させる構成として、10R大当り遊技Bでは、中大入賞口装置31を25秒間開放し続ける開放パターンとし、10R大当り遊技Aでは、中大入賞口装置31を25秒間の間、開放と閉鎖をランダムで繰り返す開放パターンとする。このような構成でも、15R大当り遊技Aの方が15R大当り遊技Bよりも中大入賞口31aへの入球率(即ち、特定領域への通過率)が低下することとなり、上述した実施例と同等の効果を得ることができる。
また、上述した実施例では、遊技球を特定領域300に誘導する経路と、遊技球を非特定領域301に誘導する経路とを切り換える振分ソレノイド401の制御(通電と通電停止)を、当該遊技機1の電源投入時から常時一定のタイミング(2秒毎)で交互に行うこととしていた。しかしながら、振分ソレノイド401の駆動制御はこれに限定されず、中大入賞装置31が開放状態とされている間だけ、振分ソレノイド401を通電させる(中大入賞装置31が閉鎖状態とされている間には振分ソレノイド401を常時通電停止させる)ようにしてもよい。
また、振分ソレノイド401の他の駆動制御態様として、中大入賞装置31が開放状態となって、所定時間経過後(例えば、6秒)に振分ソレノイド401を通電させるようにしてもよい。この様にすれば、例え中大入賞装置31が開放状態となっても、開放状態となってから所定時間は、入球した遊技球が特定領域300を通過できなくすることができる。つまり、中大入賞装置31が開放してから所定時間は特定領域300への遊技球の通過が阻止される状態とされ、所定時間経過後は特定領域300への通過が許容される状態とされる。
従って、中大入賞装置31の開放態様(開放時間)として、所定時間経過前に中大入賞装置31が閉鎖状態となる態様のラウンドと、所定時間経過後に中大入賞装置31が閉鎖状態となる態様のラウンドと、の一方又は両方を含む当り遊技を設定することができる。これにより、例え、中大入賞装置31が開放するラウンドがあったとしても、特定領域300を通過させることができない(非常に困難な)ものがあるため、遊技者の当り遊技への興味を持続させ、興趣を高めることができる。この様にすることで、所定時間を6秒とした場合には、10R大当り遊技Aは、実質的に特定領域300への遊技球の通過ができない当り遊技となる。
また、特定領域300への遊技球の通過を許容する状態となる通電状態までの時間である所定時間を、複数設定してもよい。例えば、0秒、2秒、6秒、15秒、26秒の5種類から設定できるものとしてもよい。また所定時間の設定は、中大入賞装置31が開放状態となるラウンド毎に抽選で決定してもよいし、大当り遊技毎に予め定められていてもよい(例えば、15R大当り遊技Bの11〜13Rは15秒とし14〜15Rは0秒とする等)。
また、15R大当り遊技A中の15ラウンド目に中大入賞装置31が25秒間に亘って開放状態になる場合には、15ラウンド目の開始(中大入賞装置31の開放)と共に振分ソレノイド401を通電させ、その後は「4秒の通電」と「1秒の通電停止」とを繰り返し交互に行う第1駆動制御パターンとすることもできる。また、15R大当り遊技Bの11〜15ラウンドに中大入賞装置31が25秒間に亘って開放状態になる場合には、11〜15ラウンドの開始(中大入賞装置31の開放)と共に振分ソレノイド401を通電させ、その後は「1秒の通電」と「4秒の通電停止」とを繰り返し交互に行う第2駆動制御パターンとする。このような構成によると、15R大当り遊技Aと15R大当り遊技Bとで中大入賞装置31を開放状態とする開放時間が同一でありながら、遊技球を特定領域300に誘導する経路と、遊技球を非特定領域301に誘導する経路とを切り換える切換パターンが、15R大当り遊技Bよりも15R大当り遊技Aの方が遊技者に有利な構成になる。したがって、このような構成とすると、15R大当り遊技Bの方が15R大当り遊技Aよりも中大入賞装置31の開放回数(開放ラウンド)が多いものの、特定領域300を通過する可能性を同等とすしたり、逆に低下させたりすることができ、上述した実施例と同等の効果を得ることができる。
また、本実施例に関連する他の実施例(変形例)として次のような構成を採用してもよい。変形例の遊技機1は、第1当り図柄決定用テーブルが前述した実施例と異なり、遊技球が特定領域300を通過しなかった場合における開放時間延長機能の作動構成が異なるものである。なお、基本となる制御構成は、前述した実施例と同一であるため、以下では変更点のみ説明する。
図23は、変形例の第1当り図柄決定用テーブルを概念的に説明する説明図である。先ず、図23の第1当り図柄決定用テーブルについて説明する。
図23には、第1当り図柄決定用乱数(1〜100の乱数値)に対応付けられる変形例の「当り特別図柄A」、「当り特別図柄B」、「当り特別図柄C」が記載され、各当り特別図柄の停止表示態様と、各当り特別図柄の停止表示を契機に実行される大当り遊技の実行態様と、各大当り遊技後の遊技進行態様との対応関係が記されている。
第1当り図柄決定用乱数が「1〜20」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Aの停止表示(LED62aのみが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Aの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述した実施例の15R大当り遊技Aと同態様のラウンド数および中大入賞口31aの開放パターンが設定された「15R大当り遊技X」が対応付けられている。なお、変形例の15R大当り遊技Xの終了後は、前述した実施例と異なる態様で開放時間延長機能が作動する。つまり、開放時間延長機能の作動期間は、15R大当り遊技Xの実行中に「遊技球が特定領域300を通過するか否か」だけでなく、「特定領域300を通過した場合、何個の遊技球が特定領域を通過したか」の結果によって、「100回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」または「10000回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」が設定される。
具体的には、15R大当り遊技Xでの15ラウンド中に1個以上の遊技球が特定領域300を通過した場合であって、今回の15ラウンド内で特定領域300を通過した遊技球の通過個数が「3個以上」の場合には、15R大当り遊技Xの終了後に確率変動機能の作動とともに、開放時間延長機能(10000回)が作動することとなる。また、15R大当り遊技Xでの15ラウンド中に1個以上の遊技球が特定領域300を通過した場合であって、今回の15ラウンド内で特定領域300を通過した遊技球の通過個数が「3個より少ない個数(2個以下)」の場合には、15R大当り遊技Xの終了後に確率変動機能の作動とともに、開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。また、15R大当り遊技Xの実行中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、15R大当り遊技Xの終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。つまり、本変形例の15R大当り遊技Xでは、15ラウンド中に予め定められた予め定められた第1個数(3個以上)の遊技球が特定領域300を通過した場合には、15ラウンド中に第1個数の遊技球が特定領域300を通過しなかった場合に比べ、有利な態様で開放時間延長機能を作動させることとしている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「21〜40」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Bの停止表示(LED62bのみが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Bの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述した実施例の15R大当り遊技Bと同態様のラウンド数および中大入賞口31aの開放パターンが設定された「15R大当り遊技Y」が対応付けられている。なお、変形例の15R大当り遊技Yの終了後は、前述した実施例と異なる態様で開放時間延長機能が作動する。つまり、開放時間延長機能の作動期間は、15R大当り遊技Yの実行中に「遊技球が特定領域300を通過するか否か」だけでなく、「特定領域300を通過しなかった場合、何個の遊技球が非特定領域301を通過したか」の結果によって、「100回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」、「50回(第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数)」または「0回」が設定される。
具体的には、15R大当り遊技Yでの15ラウンド中に遊技球が特定領域300を通過した場合には、15R大当り遊技Yの終了後に確率変動機能の作動とともに、開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。また、15R大当り遊技Yでの15ラウンド中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合であって、今回の15ラウンド内で非特定領域301を通過した遊技球の通過個数が「1個以上」の場合には、15R大当り遊技Yの終了後に確率変動機能は作動しないものの、開放時間延長機能(10000回)が作動することとなる。また、15R大当り遊技Yでの15ラウンド中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合であって、今回の15ラウンド内で非特定領域301を通過した遊技球の通過個数が「1個未満(ゼロ)」の場合には、15R大当り遊技Yの終了後に確率変動機能および開放時間延長機能が作動しない。つまり、本変形例の大当り遊技Yでは、15ラウンド中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合において、当該15ラウンド中に遊技球が非特定領域301を通過した個数(言い換えれば、15ラウンド中に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合において中大入賞装置31に入球した遊技球数)が、予め定められた第2個数(1個)に達している場合には、第2個数に達していない場合に比べ、有利な態様で開放時間延長機能を作動させることとしている。
また、第1当り図柄決定用乱数が「41〜100」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Cの停止表示(LED62cのみが点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Cの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、前述した実施例の14R大当り遊技と同態様のラウンド数および中大入賞口31aの開放パターンが設定された「14R大当り遊技Z」が対応付けられている。なお、変形例の14R大当り遊技Zの終了後は、開放時間延長機能が作動しないように設定されている。
なお、変形例の第2当り図柄決定用テーブルは、前述した実施例と同一のもの(図15参照)を使用する。つまり、変形例において、第2特別図柄で当り特別図柄が停止表示される際には、前述した実施例と同一の当り特別図柄H〜Lが停止表示され、各当り特別図柄に応じて大当り遊技が実行される。そして、この場合には、「特定領域300を通過した場合、何個の遊技球が特定領域を通過したか」の結果や、「特定領域300を通過しなかった場合、何個の遊技球が非特定領域301を通過したか」の結果等が参照されずに、開放時間延長機能の作動態様が決定される。このため、変形例では、各図柄決定用テーブルに基づく開放時間延長機能の作動態様を比較すると、第2当り図柄決定用テーブルの方が第1当り図柄決定用テーブルよりも長期の開放時間延長機能の作動条件が成立し易く構成されていることから、第2当り図柄決定用テーブルの方が第1当り図柄決定用テーブルよりも遊技者にとって有利であると言える。
次に、変形例における大当り遊技終了時処理について、図24のフローチャートに基づいて説明する。図24は、前述した実施例の大当り遊技終了時処理(図22参照)とS807、S810以外の箇所は一致するため、S807、S810のみについて説明する。
S807は、S801で特定領域通過フラグがONであると判定された場合に、確率変動機能の設定を経て移行する処理である。この処理では、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONにセットした後(S805、S806)、開放延長回数カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値P(10000回または100回)をセットする(S707)。本変形例では、特定領域通過フラグがONである場合には、直前に終了した大当り遊技の種類(15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、15R大当り遊技X、15R大当り遊技Y)と、特定領域300を遊技球が通過した通過個数(特定領域通過個数)に基づいて、開放延長回数カウンタに「10000」と「100」のいずれかをセットする。
具体的には、本変形例では、15R大当り遊技Xと15R大当り遊技Yとにおける15ラウンド目に中大入賞装置31に入球した遊技球が、特定領域300と非特定領域301の何れを通過したかを監視するとともに、各領域を各々何個の遊技球が通過したかをカウント(計数)する「通過数カウント機能」が設けられている。そして、直前に終了した大当り遊技が「15R大当り遊技X」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた特定領域300の通過個数が「3以上」であるか否かを判定し、「3以上」である場合には、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Pとして、開放延長回数カウンタに「10000」をセットする。一方、通過数カウント機能によりカウントされた特定領域300の通過個数が「3以上」でない場合(2以下である場合)には、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Pとして、開放延長回数カウンタに「100」をセットする。なお、通過数カウント機能は、特定領域検出スイッチ300sと非特定領域検出スイッチ301sからの検出信号に基づいて主制御基板200のCPU201がカウントすることによって実現される。
また、直前に終了した大当り遊技が「15R大当り遊技Y」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた特定領域300の通過個数を参酌することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Pとして、開放延長回数カウンタに「100」をセットする。また、直前に終了した大当り遊技が「15R大当り遊技A」、「15R大当り遊技B」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた特定領域300の通過個数を参酌することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Pとして、開放延長回数カウンタに「10000」をセットする。
また、S810は、S801で特定領域通過フラグがONでないと判定された場合に、確率変動機能の設定を行わずに移行する処理である。この処理では、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONにセットした後(S808、S809)、開放延長回数カウンタに変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間を定めるための値Q(0回、50回、100回)をセットする(S810)。本変形例では、特定領域通過フラグがONでない場合には、直前に終了した大当り遊技の種類(15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、15R大当り遊技X、15R大当り遊技Y、14R大当り遊技Z)と、非特定領域301を遊技球が通過した通過個数(非特定領域通過個数)に基づいて、開放延長回数カウンタに「0」と「50」と「100」のいずれかをセットする。
具体的には、直前に終了した大当り遊技が「15R大当り遊技Y」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた非特定領域301の通過個数が「1以上」であるか否かを判定し、「1以上」である場合には、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Qとして、開放延長回数カウンタに「50」をセットする。一方、通過数カウント機能によりカウントされた非特定領域301の通過個数が「1以上」でない場合(ゼロである場合)には、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Qとして、開放延長回数カウンタに「0」をセットする。
また、直前に終了した大当り遊技が「15R大当り遊技X」、「15R大当り遊技A」、「15R大当り遊技B」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた非特定領域301の通過個数を参酌することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Qとして、開放延長回数カウンタに「100」をセットする。また、直前に終了した大当り遊技が「14R大当り遊技」である場合には、通過数カウント機能によりカウントされた特定領域300の通過個数を参酌することなく、変動時間短縮機能および開放時間延長機能の作動期間Qとして、開放延長回数カウンタに「0」をセットする。
このように、変形例では、各大当り遊技の実行中に、遊技球が特定領域300を通過したか否かの結果だけでなく、「遊技球が特定領域300を通過した場合、或いは遊技球が特定領域300を通過しなかった場合における中大入賞装置31に対する詳細な入球態様」に基づいて、開放時間延長機能の作動態様を決定することとしている。これにより、各種の大当り遊技中において、「中大入賞装置31に対する遊技球の入球結果」に遊技者を一層注目させることができ、遊技者の興趣を従来に比して向上させることができる。さらに、大当り遊技終了後の開放時間延長機能の作動バリエーションを多彩にすることで、大当り遊技終了後における期待感に高低を生じさせることでき、当該遊技機を一層面白みのあるものにすることができる。
また、上述した実施例および変形例では、開放延長機能と確率変動機能とが作動している状態において、開放時間延長機能の作動回数が限度回数に達して開放延長機能が終了し、確率変動機能だけが作動継続する状態(所謂、電サポなし確変状態)が生じ得る。この電サポなし確変状態では、開放時間延長機能が作動していない為、主に第1特別図柄での図柄変動遊技が進行し、第1特別図柄で当り特別図柄が停止表示する可能性が高いものとなる。
そこで、上述した実施例および変形例における他の実施形態として、電サポなし確変状態にて第1特別図柄の停止表示を契機に大当り遊技が実行される際には、通常の状態(開放延長機能および確率変動機能が作動していない状態)と異なる特殊な図柄決定テーブルを用いることとしてもよい。例えば、電サポなし確変状態にて第1特別図柄が当り特別図柄で停止表示される際には、図15の第2当り図柄決定用テーブルに基づいて当り特別図柄を決定するようにしてもよい。これにより、電サポなし確変状態では通常の状態よりも、「15R大当り遊技A」、「15R大当り遊技B」が実行され易くなり、確率変動機能および開放時間延長機能を高確率で作動継続させることが可能となる。これにより、第1特別図柄での当り特別図柄の停止表示を契機として大当り遊技が実行される場合であっても、そのときの遊技状態に応じて遊技者の興趣を向上させることができる。
(他の実施形態2)
また、上記した実施例では、大当り遊技における2個の大入賞装置の開放順序を、最初に右大入賞装置、次に中大入賞装置としたが、図25に示すように、開放順序を逆にしたり(中大入賞装置→右大入賞装置)、開放後に閉鎖状態とした一方の大入賞装置を他方の大入賞装置の開放・閉鎖後に再度開放状態としたりしてもよい(中大入賞装置→右大入賞装置→中大入賞装置→中大入賞装置)。
具体的に、第1当り図柄決定用乱数が「0〜29」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Aの停止表示(LED62aのみ点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Aの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「15R大当り遊技」が対応付けられている。この「15R大当り遊技」は、右大入賞装置35の開放動作が、所定のインターバル(例えば、1秒の閉鎖、「短時間インターバル」ともいう)を挟みつつ5回(5ラウンド分)繰り返された後、通常よりも長いインターバル(例えば、4秒の閉鎖、「長時間インターバル」ともいう)を経て、中大入賞装置31の開放動作が、5回(5ラウンド分)行われる。続いて長時間インターバルを経て、再度右大入賞装置35が短時間インバーバルを挟みつつ5回(5ラウンド分)繰り返されるタイプの大当り遊技であり、開放限度時間は「25秒」に設定されている。
また、15R大当り遊技の実行中(6〜10Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、15R大当り遊技の終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、15R大当り遊技の実行中(6〜10Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、15R大当り遊技の終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
このように、15R大当り遊技では、最初に右大入賞装置35が5回開放し(5ラウンド)、次に中大入賞装置31が5回開放し(5ラウンド)、再度右大入賞装置35が5回開放することとなる。また、各大入賞装置31、35に設定されている賞球数や構造については、上記実施例と同様とされているので、遊技者は、右大入賞装置35が開放状態となる場合には、内部に特定領域がないため、多量の賞球数を獲得することを期待し、中大入賞装置31が開放状態となる場合には、多量の賞球数を獲得することは見込めないので、遊技球が特定領域300を通過することを期待することとなる。
また、第1当り図柄決定用乱数が「30〜79」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Bの停止表示(LED62bのみ点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Bの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「10R大当り遊技」が対応付けられている。この「10R大当り遊技」は、中大入賞装置31の開放動作が、短時間インターバルを挟みつつ3回(3ラウンド分)繰り返された後、長時間インターバルを経て、右大入賞装置35の開放動作が1回(1ラウンド分)実行される。その後、長時間インターバルを経て、中大入賞装置31の開放動作が1回(1ラウンド分)実行された後、長時間インターバルを経て右大入賞装置の開放動作が短時間インターバルを挟みつつ2回(2ラウンド分)実行される。その後、長時間インターバルを経て、中大入賞装置31の開放動作が1回実行された後、長時間インターバルを経て、右大入賞装置35の開放動作が短時間インターバルを挟みつつ2回実行されるタイプの大当り遊技である。また、開放限度時間は、4ラウンド目と5ラウンド目が「5秒」に設定され、その他のラウンドは「25秒」に設定されている。
また、10R大当り遊技の実行中(1〜3、5、8Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、10R大当り遊技の終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、15R大当り遊技の実行中(1〜3、5、8Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、10R大当り遊技の終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
このように、10R大当り遊技では、右大入賞装置35と中大入賞装置31とが交互に開放して、合計すると右大入賞装置35が5回(5ラウンド分)、中大入賞装置31が5回(5ラウンド分)開放することとなる。
また、第1当り図柄決定用乱数が「80〜99」のいずれかに一致する場合は、第1当り図柄決定処理にて「当り特別図柄Cの停止表示(LED62cのみ点灯する停止表示態様)」が決定される。当り特別図柄Cの停止表示を契機に実行される大当り遊技には、「5R大当り遊技」が対応付けられている。この「5R大当り遊技」は、中大入賞装置31の開放動作が、1回(1ラウンド分)実行された後、長時間インターバルを経て、右大入賞装置35の開放動作が、4回(4ラウンド分)行われるタイプの大当り遊技である。また、1ラウンド目の開放限度時間は「5秒」に設定され、2〜5ラウンド目の開放限度時間は「25秒」に設定されている。従って、「5R大当り遊技」では、特定領域300に遊技球を通過させることが困難なものとなっている。
また、5R大当り遊技の実行中(1Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過(振分抽選に当選)した場合は、5R大当り遊技の終了後に確率変動機能と開放時間延長機能が作動することとなる。また、5R大当り遊技の実行中(1Rの実行中)に遊技球が特定領域300を通過しなかった場合は、5R大当り遊技の終了後に確率変動機能は作動せず、低確率状態にて開放時間延長機能(100回)が作動することとなる。
このように、5R大当り遊技では、最初に中大入賞装置31が1回開放し(1ラウンド)、次に中大入賞装置35が4回開放する(4ラウンド)。
また、長時間インターバル中においては、上記実施例と同様に、特定領域300を通過する可能性やどの程度の量の賞球を獲得できるか等を表示することができる。また、本実施例では、開放状態となる大入賞装置が切り換わる際には、長時間インターバルを設定することとしたが、短時間インターバルと同じ時間としてもよいし、短時間インターバルよりも更に短いインターバルとしてもよい。