以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚または2枚に設定され、規定投入数に応じて有効ラインが設定される。例えば、規定投入数が3枚である場合には、図2(A)に示すように、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって有効ラインL1が設定される。また例えば、規定投入数が2枚である場合には、図2(B)に示すように、前述の有効ラインL1の他に、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段によって有効ラインL2が設定され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの上段によって有効ラインL3が設定され、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段によって有効ラインL4が設定される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、ストップボタンB1〜B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図3は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が存在し、遊技状態に応じて規定投入数が設定される。具体的には、遊技状態がボーナス状態である場合には、規定投入数が2枚に設定され、遊技状態がボーナス状態とは異なる場合、すなわち遊技状態が通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、あるいはボーナス成立状態のいずれかである場合には、規定投入数が3枚に設定される。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段191に、図4に示すような6種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルFが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、正解ベル、不正解ベルA、不正解ベルB、不正解ベルC、不正解ベルD、不正解ベルE、不正解ベルF、不正解ベルG、不正解ベルH、スイカ、特殊ベルが用意されており、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEにおける打順ベル1〜打順ベル6やJAC1〜JAC6は、1回の内部抽選で複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられていることを意味する。
打順ベル1〜打順ベル6について図5(A)を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1は、正解ベル、不正解ベルA、不正解ベルB、不正解ベルC、および不正解ベルDが重複して当選することを示している。また打順ベル2は、正解ベル、不正解ベルE、不正解ベルF、不正解ベルG、および不正解ベルHが重複して当選することを示している。また打順ベル3は、正解ベル、不正解ベルA、不正解ベルC、不正解ベルF、および不正解ベルHが重複して当選することを示している。また打順ベル4は、正解ベル、不正解ベルB、不正解ベルD、不正解ベルE、および不正解ベルGが重複して当選することを示している。また打順ベル5は、正解ベル、不正解ベルA、不正解ベルC、不正解ベルE、および不正解ベルGが重複して当選することを示している。また打順ベル6は、正解ベル、不正解ベルB、不正解ベルD、不正解ベルF、および不正解ベルHが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル1〜打順ベル6において正解ベルと4種類の不正解ベルとが重複して当選し、正解ベルと重複して当選する不正解ベルの組合せが互いに異なっている。
またJAC1〜JAC6について図5(B)を参照しながら具体的に説明すると、JAC1は、上記の打順ベル1を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。またJAC2は、上記の打順ベル2を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。またJAC3は、上記の打順ベル3を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。またJAC4は、上記の打順ベル4を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。またJAC5は、上記の打順ベル5を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。またJAC6は、上記の打順ベル6を構成する小役に加えて特殊ベルが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、JAC1〜JAC6において正解ベルと4種類の不正解ベルと特殊ベルが重複して当選し、正解ベルおよび特殊ベルと重複して当選する不正解ベルの組合せが互いに異なっている。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、制御リプレイA、制御リプレイBが用意されており、内部抽選テーブルBにおける打順リプレイ1〜打順リプレイ3は、1回の内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類のリプレイが対応づけられていることを意味する。
打順リプレイ1〜打順リプレイ3について図5(C)を参照しながら具体的に説明すると、打順リプレイ1は、通常リプレイ、昇格リプレイ、および転落リプレイが重複して当選することを示している。また打順リプレイ2は、昇格リプレイ、転落リプレイ、および制御リプレイAが重複して当選することを示している。また打順リプレイ3は、昇格リプレイ、転落リプレイ、および制御リプレイBが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順リプレイ1〜打順リプレイ3において昇格リプレイおよび転落リプレイとその他のリプレイとが重複して当選し、昇格リプレイおよび転落リプレイと重複して当選するリプレイの種類が互いに異なっている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルEおよび内部抽選テーブルFでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、上記したように6種類の遊技状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、第1リールR1〜第3リールR3のうち、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンの押下された時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(0ms〜190msに対応する引き込み範囲)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補について、小役について予め定められている配当に応じて優先度が求められ、配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように5コマ分の停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベル1〜打順ベル6のいずれかが当選した場合に、正解ベルと、4種類の不正解ベルとが重複して当選するが、各小役の配当はいずれも同一であるため、各小役が同一の優先順位で扱われ、正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度と不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度とは同一の優先度となる。
また本実施形態では、JAC1〜JAC6のいずれかが当選した場合に、正解ベルおよび4種類の不正解ベルに加えて、特殊ベルが重複して当選するが、特殊ベルはボーナス状態でのみ抽選対象となり、ボーナス状態では正解ベルおよび不正解ベルの配当が変更されて、各小役の配当はいずれも同一になるため、各小役が同一の優先順位で扱われ、正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度と、特殊ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度とは同一の優先度となる。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
そして本実施形態では、図6に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄「BL」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」、およびチェリー図柄「CH」が配列されており、特にベル図柄「BL」については、第1リールR1〜第3リールR3の外周面において4コマ以内の間隔で配列されている。このため、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にベル図柄「BL」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図6に示すように、第1リールR1および第2リールR2の外周面に対して、リプレイ図柄A「PRA」およびリプレイ図柄B「RPB」がベル図柄「BL」に隣接して配列され、第3リールR3の外周面に対して、リプレイ図柄A「PRA」およびリプレイ図柄B「RPB」がベル図柄「BL」に対して1コマの間隔を空けて配列されている。このため、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にリプレイ図柄A「RPA」あるいはリプレイ図柄B「PRB」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図6に示すように、第2リールR2の外周面に対して、チェリー図柄「CH」がベル図柄「BL」に隣接して配列されている。このため、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にチェリー図柄「CH」を表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図6に示すように、第3リールR3の外周面に対して、スイカ図柄A「WMA」およびスイカ図柄B「WMB」がベル図柄「BL」に隣接して配列されている。このため、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上にスイカ図柄A「WMA」あるいはスイカ図柄B「WMB」のいずれかを表示させることができるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、図6に示すように、第3リールR3の外周面に対して、BAR図柄「BAR」がベル図柄「BL」に隣接して配列されている。
そして内部抽選で打順ベル1〜打順ベル6のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、各打順ベルに含まれる小役の配当が同一であるためにストップボタンB1〜B3の押下順序によって優先順位が設定され、図7(A)に示すように、打順ベル1〜打順ベル6のそれぞれに正解打順と不正解打順が設定されている。そして本実施形態では、打順ベル1〜打順ベル6のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図7(B)に示すように正解ベルが入賞し、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図7(C)に示すように4種類の不正解ベルのいずれかが入賞する場合と、図7(D)に示すようにいずれの小役も入賞せずにRT変動ブランクが表示されるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
なお本実施形態では、正解ベルが有効ラインL1において入賞すると、図7(B)に示すように、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段からなる無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示され、不正解ベルが有効ラインL1において入賞すると、図7(C)に示すように、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの上段からなる無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
また内部抽選でJAC1〜JAC6のいずれかが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、各JACに含まれる小役の配当が同一であるため、ストップボタンB1〜B3の押下態様に関わらずに特殊ベルの入賞が優先され、さらに第2リールR2における特殊ベルの入賞形態を構成する図柄であるチェリー図柄「CH」の表示位置がストップボタンB1〜B3の押下順序によって決定され、図8(A)に示すように、JAC1〜JAC6のそれぞれに正解打順と不正解打順が設定されている。そして本実施形態では、JAC1〜JAC6のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(B)に示すように、第2リールR2の中段にチェリー図柄「CH」を表示させて3つの有効ラインL1,L2,L4において特殊ベルが重複して入賞し、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(C)に示すように、第2リールR2の上段にチェリー図柄「CH」を表示させて1つの有効ラインL3において特殊ベルが単独で入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
なお本実施形態では、3つの有効ラインL1,L2,L4において特殊ベルが重複して入賞する場合には、第1リールR1および第3リールR3のそれぞれの下段にベル図柄「BL」を表示させて第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの下段にベル図柄「BL」が揃って表示されるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されており、1つの有効ラインL3において特殊ベルが単独で入賞する場合には、第1リールR1および第3リールR3の中段にベル図柄「BL」を表示させて第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段にベル図柄「BL」が揃って表示されるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
また内部抽選で打順リプレイ1〜打順リプレイ3のいずれかが当選した場合に参照される内部抽選テーブルでは、ストップボタンB1〜B3の押下順序によって優先順位が設定され、図9(A)に示すように、打順リプレイ1〜打順リプレイ3のそれぞれに正解打順と不正解打順が設定されている。そして本実施形態では、打順リプレイ1〜打順リプレイ3のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図9(B)に示すように、昇格リプレイの入賞が優先され、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図9(C)に示すように、転落リプレイの入賞が優先されるように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
なお本実施形態では、昇格リプレイが有効ラインL1において入賞すると、図9(B)に示すように、第1リールR1の下段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の上段からなる無効ラインに通常リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示され、転落リプレイが有効ラインL1において入賞すると、図9(C)に示すように、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの下段からなる無効ラインに通常リプレイの入賞形態を示す図柄組合せが表示されるようになっている。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図10〜図12に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、制御リプレイA、制御リプレイB、正解ベル、不正解ベルA〜不正解ベルH、スイカ、特殊ベルの入賞の有無やRT変動ブランクの表示の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役(正解ベル、不正解ベルA〜不正解ベルH、スイカ、特殊ベル)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイ(通常リプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ、制御リプレイA、制御リプレイB)が入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合やRT変動ブランクが表示された場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている規定投入数に応じた配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。なお複数の有効ラインにおいて別々の小役が入賞した場合や1種類の小役が複数の有効ラインにおいて入賞した場合には、有効ライン毎に入賞した小役の配当に基づくメダルの払出数を決定し、その合計が遊技におけるメダルの払出数として決定される。ただし本実施形態では、1回の遊技でのメダルの払出数に上限(例えば、15枚)が設けられており、払出数の合計が上限を超える場合には、上限に相当する数を遊技におけるメダルの払出数として決定する。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図13に示すように、通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは第1リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された場合には第1リプレイタイム状態へ移行し、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、リプレイの当選確率が約1/7.2に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。また本実施形態では、通常状態では規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されると、有効ラインL1のみが有効化される。
第1リプレイタイム状態は、RT変動ブランクを示す図柄組合せが表示されたことを契機として移行する遊技状態で、第1リプレイタイム状態からは第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、第1リプレイタイム状態において昇格リプレイが入賞した場合には第2リプレイタイム状態へ移行し、第1リプレイタイム状態において転落リプレイが入賞した場合には第3リプレイタイム状態へ移行し、第1リプレイタイム状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また第1リプレイタイム状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、リプレイの当選確率が約1/2.5に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。また本実施形態では、第1リプレイタイム状態では規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されると、有効ラインL1のみが有効化される。
第2リプレイタイム状態は、昇格リプレイが入賞したことを契機として移行する遊技状態で、第2リプレイタイム状態からは第1リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、第2リプレイタイム状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された場合には第1リプレイタイム状態へ移行し、第2リプレイタイム状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また第2リプレイタイム状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、リプレイの当選確率が約1/1.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。また本実施形態では、第2リプレイタイム状態では規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されると、有効ラインL1のみが有効化される。
第3リプレイタイム状態は、転落リプレイが入賞したことを契機として移行する遊技状態で、第3リプレイタイム状態からは第1リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、第3リプレイタイム状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された場合には第1リプレイタイム状態へ移行し、第3リプレイタイム状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また第3リプレイタイム状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。また本実施形態では、第3リプレイタイム状態では規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されると、有効ラインL1のみが有効化される。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、リプレイの当選確率が約1/7.1に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。また本実施形態では、ボーナス成立状態では規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当する3枚のメダルが投入されると、有効ラインL1のみが有効化される。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルFのうち、ビッグボーナス(BB)が内部抽選の対象から除外され、リプレイの当選確率が約1/3.0に設定され、かつ小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEよりも高く設定された内部抽選テーブルFを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。また本実施形態では、ボーナス状態において特殊ベルが抽選対象に加わっており、抽選対象となる小役の種類が通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、およびボーナス成立状態よりも多くなっている。すなわちボーナス状態では、他の遊技状態よりも抽選対象となる小役の種類が多くなっている点でも、他の遊技状態より遊技者に有利な遊技状態となっている。また本実施形態では、ボーナス状態では規定投入数が2枚に設定され、規定投入数に相当する2枚のメダルが投入されると、有効ラインL1〜L4が有効化される。
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、260枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出フラグ記憶手段196にATフラグを設定することにより演出状態をアシストタイム状態(AT状態:特別演出状態)に設定し、AT終了判定カウンタ198の記憶値に基づいてAT状態の終了条件を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いATフラグをクリアすることによってAT状態を終了させる制御を行う。
具体的に説明すると、演出制御手段180は、演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)が入賞すると、そのビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態での遊技において所定条件下でAT発生カウンタ197の記憶値をインクリメント更新し、AT発生カウンタ197の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、演出フラグ記憶手段196にATフラグを設定する。特に本実施形態では、演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態における内部抽選でJAC1〜JAC6に当選した場合に、ストップボタンB1〜B3が正解打順で押下されたことを条件にAT発生カウンタ197の記憶値に「1」を加算し、また演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態における内部抽選で通常リプレイあるいはスイカが当選した場合にはストップボタンB1〜B3の押下順序に関わらずにAT発生カウンタ197の記憶値に「2」を加算する。そして演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態が終了するまでにAT発生カウンタ197の記憶値がしきい値である「100」に達すると、AT状態への移行条件が成立したものと判断して演出フラグ記憶手段196にATフラグを設定する。そして本実施形態では、ATフラグが設定されたことを契機として、AT終了判定カウンタ198の記憶値にAT状態の終了条件となる遊技回数(例えば、50回)に相当する値(例えば、50)が設定される。なお本実施形態では、ボーナス状態において通常リプレイを抽選対象としているが、通常リプレイは、上述したようにAT発生カウンタ198の記憶値に値を加算する契機役となっている。そして通常リプレイは、メダルの獲得には影響しないため、入賞してもボーナス状態が終了に近づくことはない。すなわち本実施形態ではボーナス状態で抽選対象となっている通常リプレイはボーナス状態の終了を引き延ばしつつAT発生カウンタ198の記憶値に値を加算することができる役として機能している。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態においてAT発生カウンタ197の記憶値がしきい値に達した場合には、そのボーナス状態が終了するまでの遊技において内部抽選の結果に応じて上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選したことに基づいてAT終了判定カウンタ198の記憶値に所与の値を加算する。上乗せ抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を上乗せ抽選テーブル記憶手段199に記憶されている上乗せ抽選テーブルと比較して、比較結果に応じた値をAT終了判定カウンタ198の記憶値に加算する。具体的に説明すると、演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態においてAT発生カウンタ197の記憶値がしきい値に達した後の遊技において、内部抽選でJAC1〜JAC6のいずれかに当選し、かつストップボタンB1〜B3が正解打順で押下された場合に上乗せ抽選が行われる。また演出状態がAT状態とは異なる遊技において内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態においてAT発生カウンタ197の記憶値がしきい値に達した後の遊技において、内部抽選で通常リプレイやスイカが当選した場合にはストップボタンB1〜B3の押下順序に関わらずに上乗せ抽選が行われる。なお上乗せ抽選の当選確率は、抽選契機に応じて異なっていてもよく、例えば、内部抽選でスイカが当選した場合には、他の抽選契機よりも上乗せ抽選の当選確率が優遇されていてもよい。また上乗せ抽選に当選した場合に、AT終了判定カウンタ198の記憶値に加算される値は、固定値でも複数種類の値の中から上乗せ抽選によって決定される値であってもよい。また上乗せ抽選の抽選契機に応じてAT終了判定カウンタ198の記憶値に加算される値が異なるようにしてもよく、例えば、内部抽選でスイカが当選した場合には、他の抽選契機よりも大きい値が加算されやすくしてもよい。
また演出制御手段180は、AT状態での遊技が行われる毎にAT終了判定カウンタ198の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。なお本実施形態では、AT終了判定カウンタ198の記憶値のデクリメント更新は、第1リプレイタイム状態において昇格リプレイが入賞した遊技の次回の遊技(第2リプレイタイム状態の最初の遊技)から開始される。ただしAT終了判定カウンタ198の記憶値のデクリメント更新は、通常状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された遊技の次回の遊技(第1リプレイタイム状態の最初の遊技)から開始されるようにしてもよい。そしてAT終了判定カウンタ198の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、AT状態の終了条件が成立したものと判断して、演出フラグ記憶手段196に設定されているATフラグをクリアしてAT状態を終了させる制御を行う。なお本実施形態では、ビッグボーナス(BB)が当選した場合には、AT終了判定カウンタ198の更新中断条件が成立したと判断され、この場合には、演出状態をAT状態に維持しつつ、AT終了判定カウンタ198の記憶値に関するデクリメント更新を中断し、ボーナス状態の終了後に遊技状態が第2リプレイタイム状態に移行したことを契機にAT終了判定カウンタ198のデクリメント更新を再開させて未消化分の遊技を行わせる。なおビッグボーナス(BB)が当選した場合には、AT終了判定カウンタ198の記憶値がしきい値に達していなくても、演出フラグ記憶手段196に設定されているATフラグをクリアしてAT状態を終了させ、ビッグボーナス(BB)の当選に伴ってAT終了判定カウンタ199の記憶値を初期値(例えば、0)にリセットするようにしてもよい。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態である場合であって、遊技状態が通常状態ではない場合に、打順ベルが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して正解ベルの入賞を補助する第1入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第1入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態である場合に、打順リプレイが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して昇格リプレイの入賞を補助する第2入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第2入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。
また演出制御手段180は、演出状態がAT状態である場合であって、遊技状態がボーナス状態である場合に、JAC1〜JAC6が当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して特殊ベルの重複入賞(3つの有効ラインL1,L2,L4での入賞)を補助する第3入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。第3入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選したJACに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選したJACに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選したJACに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお演出状態がAT状態とは異なる遊技における内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)の入賞に伴って移行したボーナス状態では、JAC1〜JAC6が当選しても第3入賞補助演出は行われないようになっている。すなわち演出状態がAT状態である遊技における内部抽選でビッグボーナス(BB)が当選して、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、ボーナス状態において第3入賞補助演出が行われることによって、演出状態がAT状態とは異なる遊技における内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)が入賞した場合よりもメダルを獲得しやすくなっている。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、遊技状態が通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、およびボーナス成立状態である場合に、正解ベルと4種類の不正解ベルとを重複して当選させる当選態様として6種類の打順ベルを設定し、各打順ベルの当選時には、当選した打順ベルに応じた正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、正解ベルを必ず入賞させ、当選した打順ベルに応じた不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、4種類の不正解ベルのいずれかが入賞するか、いずれの役も入賞せずにRT変動ブランクを表示させる手法を採用している。以下では、図14〜図18を参照しながら、打順ベル1が当選した場合を例に取り、各リールの停止位置の決定手法について具体的に説明する。
まず内部抽選で打順ベル1が当選した遊技において、第1リールR1〜第3リールR3がそれぞれ回転している状態で、ストップボタンB1が押下された場合に、第1リールR1の押下検出位置が、図14(A)に示すように、16番のスイカ図柄A「WMA」が上段に表示され、15番のベル図柄「BL」が中段に表示され、14番のリプレイ図柄B「RPB」が下段に表示されている位置であったとすると、図14(A)に示す押下検出位置に対して、図14(B)〜図14(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして本実施の形態では、打順ベルの当選時には、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで図14(B)〜図14(F)のうち図14(F)に示す停止位置の候補は、正解ベルおよび不正解ベルA〜Dの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」が表示されており、他の停止位置の候補では打順ベル1に含まれるいずれの小役の入賞形態を構成する図柄も表示されていない。このため図14に示す例では、図14(F)に示す停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が1つに絞られたため、図14(F)に示す停止位置の候補が第1リールR1の停止位置として決定される。なお図14(F)に示す停止態様では、打順ベル1に含まれる正解ベルと4種類の不正解ベルの全ての入賞の可能性が残っている。
次に図15(A)に示すように第1リールR1が停止し、第2リールR2および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB2が押下された場合に、第2リールR2の押下検出位置が、図15(A)に示すように、16番のBAR図柄「BAR」が上段に表示され、15番のチェリー図柄「CH」が中段に表示され、14番のベル図柄「BL」が下段に表示されている位置であったとすると、図15(A)に示す押下検出位置に対して、図15(B)〜図15(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして第2リールR2についても、第1リールR1の場合と同様に、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで、図15(E)に示す停止位置の候補では中段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため不正解ベルAおよび不正解ベルBが入賞可能であり、図15(F)に示す停止位置の候補では中段にベル図柄「BL」が表示されているため正解ベルが入賞可能であり、他の停止位置の候補では、正解ベルおよび不正解ベルA〜Dをいずれも入賞させることができない。そして本実施の形態では、遊技状態が通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、およびボーナス成立状態である場合に規定投入数が3枚に設定され、図11に示すように、3枚投入時における正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBの配当はいずれも同一であることから、図15(E)および図15(F)に示す2種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第2リールR2の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここで打順ベル1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、正解打順では正解ベルの入賞が優先され、不正解打順では不正解ベルの入賞が優先されるように滑りコマ数が設定されており、図15に示す例では、ストップボタンB1に続いてストップボタンB2が2番目に押下されているため、正解打順であると判断されて正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示させるように停止位置が決定され、図15(F)に示す停止位置の候補が第2リールR2の停止位置として決定される。なお図15(F)に示す停止態様では、打順ベル1に含まれる正解ベルと4種類の不正解ベルのうち、正解ベルの入賞の可能性だけが残ることになる。
また内部抽選で打順ベル1が当選した遊技において、第1リールR1〜第3リールR3がそれぞれ回転している状態で、ストップボタンB2が押下された場合に、第2リールR2の押下検出位置が、図16(A)に示すように、16番のBAR図柄「BAR」が上段に表示され、15番のチェリー図柄「CH」が中段に表示され、14番のベル図柄「BL」が下段に表示されている位置であったとすると、図16(A)に示す押下検出位置に対して、図16(B)〜図16(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして第2リールR2が最初に停止する場合についても、第1リールR1が最初に停止する場合と同様に、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで、図16(E)に示す停止位置の候補では中段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため不正解ベルAおよび不正解ベルBが入賞可能であり、図16(F)に示す停止位置の候補では中段にベル図柄「BL」が表示されているため正解ベルが入賞可能であり、他の停止位置の候補では、正解ベルおよび不正解ベルA〜Dをいずれも入賞させることができない。そして本実施の形態では、遊技状態が通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、およびボーナス成立状態である場合に規定投入数が3枚に設定され、図11に示すように、3枚投入時における正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBの配当はいずれも同一であることから、図16(E)および図16(F)に示す2種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第2リールR2の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここで打順ベル1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、正解打順では正解ベルの入賞が優先され、不正解打順では不正解ベルの入賞が優先されるように滑りコマ数が設定されており、図16に示す例では、ストップボタンB2が最初に押下されているため、不正解打順であると判断されて不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示させるように停止位置が決定され、図16(E)に示す停止位置の候補が第2リールR2の停止位置として決定される。なお図16(E)に示す停止態様では、打順ベル1に含まれる正解ベルと4種類の不正解ベルのうち、不正解ベルAおよび不正解ベルBの入賞の可能性が残ることになる。
次に図17(A)に示すように第2リールR2が停止し、第1リールR1および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB3が押下された場合に、第3リールR3の押下検出位置が、図17(A)に示すように、16番のBAR図柄「BAR」が上段に表示され、15番のベル図柄「BL」が中段に表示され、14番のスイカ図柄B「WMB」が下段に表示されている位置であったとすると、図17(A)に示す押下検出位置に対して、図17(B)〜図17(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして第3リールR3についても、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで、図17(F)に示す停止位置の候補では中段にスイカ図柄A「WMA」が表示されているため不正解ベルAが入賞可能であり、他の停止位置の候補では、正解ベルおよび不正解ベルA〜Dをいずれも入賞させることができない。このため図17に示す例では、図17(F)に示す停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が1つに絞られたため、図17(F)に示す停止位置の候補が第3リールR3の停止位置として決定される。なお図17(F)に示す停止態様では、打順ベル1に含まれる正解ベルと4種類の不正解ベルのうち不正解ベルAの入賞の可能性だけが残ることになる。
そして図18(A)に示すように、正解打順に沿ってストップボタンB1,B2が押下されていた場合には、回転中の第3リールR3を停止させるべくストップボタンB3が押下されると、押下検出位置に関わらずにリプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、あるいはBAR図柄「BAR」のいずれかが中段に引き込まれて、図18(B)に示すように正解ベルが入賞するように第3リールR3の停止位置が決定される。なお本実施形態では、有効ラインL1において正解ベルが入賞すると、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段によって構成される無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
また図18(C)に示すように、不正解打順に沿ってストップボタンB2,B3が押下されていた場合には、回転中の第1リールR1を停止させるべくストップボタンB1が押下されると、第1リールR1の中段に不正解ベルAの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「PRA」を4コマ以内で引き込むことができる押下検出位置では図18(D)に示すように不正解ベルAが入賞するように第1リールR1の停止位置が決定され、第1リールR1の中段に不正解ベルAの入賞形態を構成するリプレイ図柄A「RPA」を4コマ以内で引き込むことができない押下検出位置では図18(E)に示すように第1リールR1の中段にベル図柄「BL」を表示させることにより有効ライン上にRT変動ブランクが表示されるように第1リールR1の停止位置が決定される。なお本実施形態では、有効ラインL1において不正解ベルが入賞すると、いずれの不正解ベルが入賞した場合であっても、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの上段によって構成される無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
このように打順ベルの当選時には、正解打順に従ってストップボタンB1〜B3が押下されると、正解ベルが必ず入賞して4枚のメダルを獲得することができるが、不正解打順に従ってストップボタンB1〜B3が押下されると、いずれか1つのリール(正解打順において最初に停止させるべきリール)において入賞可能な不正解ベルの種類を予想して適切なタイミングでストップボタンを押下しなければ不正解ベルを入賞させることができず、不正解ベルに対応づけられている図柄の種類は各リールについて2種類ずつであるため、不正解打順では1/2の確率でしか入賞を達成することができないようになっている。
なお、各打順ベルについては、4種類の不正解ベルの組合せが互いに異なっているが、いずれの打順ベルが当選した場合であっても、正解打順によって最初に停止させるべきリールについては引き込み対象となる図柄が1種類となり、その他のリールについては引き込み対象となる図柄が2種類となるように不正解ベルの組合せが設定されている。そして第1リールR1および第2リールR2のリプレイ図柄A「PRA」およびリプレイ図柄B「RPB」は押下検出位置に関わらずにいずれか一方を必ず有効ライン上に引き込むことができるようになっており、また第3リールR3のスイカ図柄A「WMA」およびスイカ図柄B「WMB」についても押下検出位置に関わらずにいずれか一方を必ず有効ライン上に引き込むことができるようになっている。このため、いずれの打順ベルが当選した場合であっても、不正解打順でストップボタンが押下されると、正解打順において最初に停止させるべきであったリールとは異なるリールについては必ず不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を押下検出位置に関わらずに有効ライン上に引き込むことができるが、正解打順において最初に停止させるべきであったリールにおいて1種類しか引き込み対象となる図柄が存在しないために、そのリールを停止させる際に適切なタイミングでストップボタンを押下する必要がある。
また、各打順ベルに共通して含まれている正解ベルの入賞形態における第1リールR1の構成図柄であるリプレイ図柄A「RPA」およびリプレイ図柄B「RPB」は前述の通り押下検出位置に関わらずにいずれか一方を必ず有効ライン上に引き込むことができ、第2リールR2の構成図柄であるベル図柄「BL」も4コマ以内の間隔で配列されているため押下検出位置に関わらずに必ず有効ライン上に引き込むことができ、第3リールR3の構成図柄であるリプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、およびBAR図柄「BAR」も押下検出位置に関わらずにいずれか1種類を必ず有効ライン上に引き込むことができるようになっている。
従って、打順ベルの当選時には、第1リールR1〜第3リールR3のうち2つのリールにおいて押下検出位置に関わらずに、打順ベルに含まれる正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に引き込むことができる停止位置の候補と、打順ベルに含まれる4種類の不正解ベルのいずれかの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に引き込むことができる停止位置の候補とが必ず存在する。そして本実施の形態では、打順ベルの当選時には、配当の高い小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度を求めるロジック演算を行うため、打順ベルに含まれる各小役の優先順位が等しく扱われることにより、いずれの打順ベルが当選した場合であっても、正解打順あるいは不正解打順のいずれであるかに関わらず1番目に停止するリールあるいは2番目に停止するリールのいずれかについては最も優先度の高い停止位置の候補が複数存在して停止制御テーブルで停止位置を決定することになる。すなわち本実施の形態では、打順ベル1が当選した場合を例に取り説明をしたが、他の打順ベルが当選した場合でも図14〜図18に示した例と同様の手法によって停止位置を決定することができる。
また本実施の形態では、遊技状態がボーナス状態である場合に、正解ベルおよび4種類の不正解ベルとボーナス状態において新たに抽選対象として加わる特殊ベルを重複して当選させる当選態様として6種類のJACを設定し、さらに規定投入数を他の遊技状態とは異ならせることによって小役の配当と有効ラインの設定態様を変更し、各JACの当選時には、当選したJACに応じた正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊ベルを3つの有効ライン上で重複入賞させ、当選したJACに応じた不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、特殊ベルを1つの有効ライン上で単独入賞させる手法を採用している。以下では、図19〜図23を参照しながら、JAC1が当選した場合を例に取り、各リールの停止位置の決定手法について具体的に説明する。
まず内部抽選でJAC1が当選した遊技において、第1リールR1〜第3リールR3がそれぞれ回転している状態で、ストップボタンB1が押下された場合に、第1リールR1の押下検出位置が、図19(A)に示すように、2番のベル図柄「BL」が上段に表示され、1番のリプレイ図柄A「PRA」が中段に表示され、0番のスイカ図柄A「WMA」が下段に表示されている位置であったとすると、図19(A)に示す押下検出位置に対して、図19(B)〜図19(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして本実施の形態では、JACの当選時においても、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで特殊ベルの入賞形態は第1リールR1においていずれの図柄でも良いこととされているため、図19(B)〜図19(F)に示すいずれの停止位置の候補でも特殊ベルが入賞可能であり、また図19(B)に示す停止位置の候補では中段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBが入賞可能であり、図19(C)に示す停止位置の候補では下段にリプレイ図柄A「RPA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBが入賞可能であり、図19(F)に示す停止位置の候補では上段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBが入賞可能である。そして本実施の形態では、遊技状態がボーナス状態である場合に規定投入数が2枚に設定され、図11に示すように、2枚投入時における特殊ベル、正解ベル、不正解ベルA、および不正解ベルBの配当はいずれも同一であることから、図19(B)〜図19(F)に示す5種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第1リールR1の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここでJAC1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、正解打順および不正解打順のいずれにおいても特殊ベルの入賞が優先され、第1リールR1については、正解打順では下段にベル図柄「BL」が表示され、不正解打順では中段にベル図柄「BL」が表示されるように滑りコマ数が設定されており、図19に示す例では、ストップボタンB1が最初に押下されているため、正解打順であると判断されて下段にベル図柄「BL」を表示させるように停止位置が決定され、図19(D)に示す停止位置の候補が第1リールR1の停止位置として決定される。なお図19(D)に示す停止態様では、JAC1に含まれる特殊ベル、正解ベル、および4種類の不正解ベルのうち、特殊ベルの入賞の可能性だけが残ることになる。
次に図20(A)に示すように第1リールR1が停止し、第2リールR2および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB2が押下された場合に、第2リールR2の押下検出位置が、図20(A)に示すように、2番のチェリー図柄「CH」が上段に表示され、1番のベル図柄「BL」が中段に表示され、0番のリプレイ図柄A「RPA」が下段に表示されている位置であったとすると、図20(A)に示す押下検出位置に対して、図20(B)〜図20(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして第2リールR2についても、第1リールR1の場合と同様に、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで、図20(B)に示す停止位置の候補では上段にチェリー図柄「CH」が表示されているため特殊ベルが入賞可能であり、図20(C)に示す停止位置の候補では中段にチェリー図柄「CH」が表示されているため特殊ベルが入賞可能であり、他の停止位置の候補では、いずれの小役も入賞させることができない。このため図20に示す例では、図20(B)および図20(C)に示す2種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第2リールR2の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここでJAC1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、正解打順および不正解打順のいずれにおいても特殊ベルの入賞が優先され、第2リールR2については、正解打順では中段にチェリー図柄「CH」が表示され、不正解打順では上段にチェリー図柄「CH」が表示されるように滑りコマ数が設定されており、図20に示す例では、ストップボタンB1に続けてストップボタンB2が2番目に押下されているため、正解打順であると判断されて中段にチェリー図柄「CH」を表示させるように停止位置が決定され、図20(C)に示す停止位置の候補が第2リールR2の停止位置として決定される。なお図20(C)に示す停止態様では、JAC1に含まれる特殊ベル、正解ベル、および4種類の不正解ベルのうち、特殊ベルの入賞が確定する。
また内部抽選でJAC1が当選した遊技において、第1リールR1〜第3リールR3がそれぞれ回転している状態で、ストップボタンB2が押下された場合に、第2リールR2の押下検出位置が、図21(A)に示すように、2番のチェリー図柄「CH」が上段に表示され、1番のベル図柄「BL」が中段に表示され、0番のリプレイ図柄A「RPA」が下段に表示されている位置であったとすると、図21(A)に示す押下検出位置に対して、図21(B)〜図21(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして第2リールR2が最初に停止する場合についても、第1リールR1が最初に停止する場合と同様に、配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで、図21(B)に示す停止位置の候補では上段にチェリー図柄「CH」が表示されているため特殊ベルが入賞可能であるとともに中段にベル図柄「BL」が表示されているため正解ベルが入賞可能であり、図21(C)に示す停止位置の候補では中段にチェリー図柄「CH」が表示されているため特殊ベルが入賞可能であり、図21(E)に示す停止位置の候補では上段にリプレイ図柄B「RPB」が表示されているため不正解ベルCおよび不正解ベルDが入賞可能であり、図21(F)に示す停止位置の候補では上段にベル図柄「BL」が表示されているため正解ベルが入賞可能であるとともに中段にリプレイ図柄B「RPB」が表示されているため不正解ベルCおよび不正解ベルDが入賞可能であり、他の停止位置の候補では、いずれの小役も入賞させることができない。そして本実施の形態では、遊技状態がボーナス状態である場合に規定投入数が2枚に設定され、図11に示すように、2枚投入時における特殊ベル、正解ベル、不正解ベルC、および不正解ベルDの配当はいずれも同一であることから、図21に示す例では、図21(B)、図21(C)、図21(E)、および図21(F)に示す4種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第2リールR2の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここでJAC1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、前述したように第2リールR2については、正解打順では中段にチェリー図柄「CH」が表示され、不正解打順では上段にチェリー図柄「CH」が表示されるように滑りコマ数が設定されており、図21に示す例では、ストップボタンB2が最初に押下されているため、不正解打順であると判断されて上段にチェリー図柄「CH」を表示させるように停止位置が決定され、図21(B)に示す停止位置の候補が第2リールR2の停止位置として決定される。なお図21(B)に示す停止態様では、JAC1に含まれる特殊ベル、正解ベル、および4種類の不正解ベルのうち、特殊ベルおよび正解ベルの入賞の可能性が残されていることになる。
次に図22(A)に示すように第2リールR2が停止し、第1リールR1および第3リールR3が回転している状態で、ストップボタンB1が押下された場合に、第1リールR1の押下検出位置が、図22(A)に示すように、2番のベル図柄「BL」が上段に表示され、1番のリプレイ図柄A「RPA」が中段に表示され、0番のスイカ図柄A「WMA」が下段に表示されている位置であったとすると、図22(A)に示す押下検出位置に対して、図22(B)〜図22(F)に示す5種類の停止位置の候補が存在する。
そして、この場合においても配当が高い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように押下検出位置に対する5種類の停止位置の候補についての優先度を求めるロジック演算が行われる。ここで特殊ベルの入賞形態は第1リールR1においていずれの図柄でも良いこととされているため、図22(B)〜図22(F)に示すいずれの停止位置の候補でも特殊ベルが入賞可能であり、また図22(B)に示す停止位置の候補では中段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベルが入賞可能であり、図22(C)に示す停止位置の候補では下段にリプレイ図柄A「RPA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベルが入賞可能であり、図22(F)に示す停止位置の候補では上段にリプレイ図柄A「PRA」が表示されているため特殊ベルに加えて正解ベルが入賞可能である。そして本実施の形態では、遊技状態がボーナス状態である場合に規定投入数が2枚に設定され、図11に示すように、2枚投入時における特殊ベルおよび正解ベルの配当はいずれも同一であることから、図22(B)〜図22(F)に示す5種類の停止位置の候補についての優先度が最も高くなる。するとロジック演算の結果に基づいて最も優先度高い停止位置の候補が複数存在することになるため、第1リールR1の停止位置については停止制御テーブルを参照して決定することになる。
ここでJAC1の当選時に参照される停止制御テーブルでは、正解打順および不正解打順のいずれにおいても特殊ベルの入賞が優先され、第1リールR1については、正解打順では下段にベル図柄「BL」が表示され、不正解打順では中段にベル図柄「BL」が表示されるように滑りコマ数が設定されており、図22に示す例では、ストップボタンB2に続けてストップボタンB1が2番目に押下されているため、不正解打順であると判断されて中段にベル図柄「BL」を表示させるように停止位置が決定され、図22(C)に示す停止位置の候補が第1リールR1の停止位置として決定される。なお図22(C)に示す停止態様では、JAC1に含まれる特殊ベル、正解ベル、および4種類の不正解ベルのうち、特殊ベルおよび正解ベルの入賞の可能性が残ることになる。
そして図23(A)に示すように、正解打順に沿ってストップボタンB1,B2が押下されていた場合には、回転中の第3リールR3を停止させるべくストップボタンB3が押下されると、押下検出位置に関わらずにベル図柄「BL」が下段に引き込まれて、図23(B)に示すように第3リールR3の停止位置が決定され、特殊ベルが3つの有効ラインL1,L2,L4において重複入賞する。なお本実施形態では、有効ラインL1,L2,L4において特殊ベルが重複入賞する際には、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの下段によって構成される無効ラインにベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
また図23(C)に示すように、不正解打順に沿ってストップボタンB1,B2が押下されていた場合には、回転中の第3リールR3を停止させるべくストップボタンB3が押下されると、押下検出位置に関わらずにベル図柄「BL」が中段に引き込まれて、図23(D)に示すように第3リールR3の停止位置が決定され、特殊ベルが1つの有効ラインL3において単独入賞する。なお本実施形態では、有効ラインL3において特殊ベルが単独入賞する際には、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1にベル図柄「BL」が揃って表示されるようになっている。
このようにJACの当選時には、正解打順に従ってストップボタンB1〜B3が押下されると、配当が5枚の特殊ベルが必ず3つの有効ラインにおいて重複入賞して15枚のメダルを獲得することができるが、不正解打順に従ってストップボタンB1〜B3が押下されると、配当が5枚の特殊ベルが必ず1つの有効ラインにおいて単独入賞して5枚のメダルしか獲得できないようになっている。
なお特殊ベルは、第1リールR1および第3リールR3について、いずれの図柄が表示されても入賞が可能な役であり、第2リールR2については、入賞形態を構成するチェリー図柄「CH」が押下検出位置に関わらずに任意の表示位置に引き込むことができるようになっている。また特殊ベルと重複して当選する正解ベルや不正解ベルはいずれも配当が特殊ベルと同一の配当になっているため、これらの小役を同一の優先順位で扱うことができる。すなわち本実施の形態では、JAC1が当選した場合を例に取り説明をしたが、JAC2〜JAC6が当選した場合でも同様の手法によって停止位置を決定することができる。
以上に述べたように本実施の形態では、通常状態等(通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、第3リプレイタイム状態、ボーナス成立状態)では、正解打順を予想させる小役の組合せとして打順ベルを用意し、ボーナス状態では通常状態等よりも小役の種類を増加させることができることを利用して特殊ベルを新たに抽選対象として追加して、正解打順を予想させる小役の組合せとしてJACを用意し、遊技状態に応じて打順ベルとJACという小役の組合せを使い分けることにより、停止位置の決定に関するアルゴリズムを遊技状態に応じて変化させている。
また本実施の形態では、ボーナス状態において新たに抽選対象に加わる特殊ベルが第2リールR2の停止態様によって入賞が確定する小役であって、ボーナス状態では、通常状態とは有効ラインの設定態様が異なり、第2リールR2に関して3つの有効ラインを構成する中段と1つの有効ラインを構成する上段とが有効ライン上の表示位置として設定され、通常状態等で打順ベルが当選した場合には、打順ベルに含まれる正解ベルおよび4種類の不正解ベルの配当が同一であることに基づいて各々の優先順位を等しいものと扱い、正解打順である場合には正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置を優先し、不正解打順である場合には不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置を優先し、ボーナス状態でJACが当選した場合には、正解打順である場合には第2リールR2においてチェリー図柄「CH」を中段に表示することによって特殊ベルを3つの有効ラインにおいて重複入賞させ、不正解打順である場合には第2リールR2においてチェリー図柄「CH」を上段に表示することによって特殊ベルを1つの有効ラインにおいて単独入賞させるようにしている。
このため本実施の形態によれば、通常状態等、およびボーナス状態のいずれにおいても正解打順を予想してより良い利益を得るという共通の遊技性を提供しつつ、通常状態等では正解打順と不正解打順とで小役の入賞率が異なることによって小役の入賞または取りこぼしが発生するという遊技性を提供するのに対して、ボーナス状態では必ず小役が入賞するが正解打順と不正解打順とでメダルの払出数が異なるという通常状態等とは異なる遊技性を提供することができ、遊技の単調化を防止することができる。また本実施の形態では、ボーナス状態においてJACが当選した場合には第2リールR2におけるチェリー図柄「CH」の表示位置をストップボタンB1〜B3の押下順序に応じて変更するだけで特殊ベルが入賞する有効ラインの数を変更することができる。また本実施の形態では、ボーナス状態では、不正解打順であっても規定投入数以上のメダルが払い出されるようになっているため、不正解打順でストップボタンB1〜B3を押下してしまった場合であっても遊技者が手持ちのメダルを減らすことはなく、通常状態等に対するボーナス状態の優位性を担保することができる。
また本実施の形態では、通常状態等とボーナス状態とにおいて規定投入数を異ならせることによって有効ラインの設定態様が異なるため、リールの停止態様に関して遊技状態に応じた豊富なバリエーションを持つことができる。
また本実施の形態では、ボーナス状態において正解ベルや不正解ベルの配当が特殊ベルの配当と同数に変更されることによって、ボーナス状態において特殊ベル、正解ベル、および不正解ベルを含むJACが当選した場合に、各々の配当が特殊ベルの配当と同数であることに基づいて、各小役の優先順位を等しいものと扱うことによって特殊ベルが優先的に入賞するように回転中のリールの停止位置を決定している。すなわち本実施の形態によれば、通常状態において抽選対象として設定されている正解ベルや不正解ベルを特殊ベルの入賞態様を変更するための役として機能させることができ、ボーナス状態において特殊ベル以外の小役を追加しなくても特殊ベルの当選態様について豊富なバリエーションを持たせることができるようになる。
また本実施の形態では、演出状態がAT状態とは異なる遊技における内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)が入賞すると、ボーナス状態においてJAC1〜JAC6のいずれかが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されたことに基づいてAT発生カウンタ198の記憶値を更新し、AT発生カウンタ198の記憶値がしきい値に達したことに基づいてAT状態への移行が確定するようになっている。このため、ボーナス状態においてJAC1〜JAC6が当選した場合にメダルの獲得の面だけではなく、演出状態をAT状態へ移行させるためにも、ボーナス状態において正解打順を予想して停止操作を行う目的を遊技者に与えることができる。
また本実施の形態では、ボーナス状態においてAT発生カウンタ198の記憶値がしきい値に達すると、ボーナス状態が終了するまでの遊技においてAT終了判定カウンタ198の記憶値に値を上乗せすることができる上乗せ抽選を受けることができるようになっている。このためボーナス状態においてAT発生カウンタ198の記憶値が早期にしきい値に達したほうが上乗せ抽選を受けることができる機会を多く得ることができるようになっている。ただしボーナス状態はメダルの払出数の合計によって終了するため、不正解打順で特殊ベルを入賞させてしまうと、その分だけボーナス状態の終了が近づくため、遊技者にとってはできるだけ無駄なメダルの獲得を避けるべく、ボーナス状態において正解打順を予想しながら遊技を行うことについての強い動機付けを与えることができる。
また本実施の形態では、演出状態がAT状態である遊技における内部抽選で当選したビッグボーナス(BB)が入賞すると、ボーナス状態においてJAC1〜JAC6のいずれかが当選した場合に、正解打順を報知する第3入賞補助演出が行われるようになっている。このため、演出状態がAT状態であるか否かに応じてボーナス状態の遊技で遊技者が得られるメダルの獲得数を変化させることができる。すなわち演出状態がAT状態である場合にビッグボーナス(BB)を当選させると、演出状態がAT状態ではない場合にビッグボーナス(BB)を当選させた場合よりもボーナス状態でのメダルを獲得しやすくすることができる。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施形態では、ボーナス状態において正解ベルや不正解ベルの配当を特殊ベルの配当と同一となるように設定した場合について説明をしたが、ボーナス状態において正解ベルや不正解ベルの配当が特殊ベルの配当よりも低くなっていてもよい。このようにすれば、ボーナス状態においてJACが当選した場合には、JACに含まれる特殊ベル、正解ベル、および不正解ベルのうち配当の高い特殊ベルの入賞が最も優先順位が高く扱われることになるため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また上記実施形態では、通常状態等とボーナス状態とにおいて規定投入数が異なり、規定投入数に応じて有効ラインの設定態様が異なる場合について説明したが、規定投入数が変更されても有効ラインの設定態様が変わらないようにしてもよい。すなわち通常状態等とボーナス状態とにおいて有効ラインの設定態様が同一であってもよい。
また上記実施形態では、ボーナス状態におけるJAC当選時に特殊ベルが入賞すると、正解打順および不正解打順のいずれの場合であっても、ベル図柄「BL」が直線状に揃って表示されるように停止位置が決定されていたが、正解打順である場合にはベル図柄「BL」が直線状に揃って表示され、不正解打順である場合にはベル図柄「BL」が直線状に揃って表示されることがないようにしてもよい。このようにすれば、ボーナス状態においてベル図柄「BL」が直線状に揃って表示される場合には15枚のメダルの払い出しがあることを遊技者にわかりやすくすることができる。なおボーナス状態におけるJAC当選時に特殊ベルが入賞しても正解打順および不正解打順のいずれの場合においてもベル図柄「BL」が直線状に揃って表示されることがないように停止位置を決定するようにしてもよい。
上記実施形態では、ボーナス状態における小役の組合せであるJAC1〜JAC6を、特殊ベルと通常状態等において抽選対象となる打順ベルと同じ正解ベルおよび不正解ベルの組合せとによって設定した場合について説明したが、JAC1〜JAC6に含まれる正解ベルおよび不正解ベルの組合せは、通常状態等における打順ベルの場合とは異なっていてもよい。このときJAC1〜JAC6のいずれかにおいて特殊ベルが正解ベルのみと重複する組合せや特殊ベルが不正解ベルのみと重複する組合せなどが存在していてもよい。
また上記実施形態では、ボーナス状態において通常リプレイを抽選対象として設定したが、ボーナス状態では全てのリプレイが抽選対象から除外されていてもよい。このようにすれば、ボーナス状態を速やかに消化させることができる。
また上記実施形態では、ボーナス状態において第2リールR2に関して1つの有効ラインのみを構成する表示位置と3つの有効ラインを構成する表示位置とを設けた場合について説明をしたが、特定リールの停止態様によって小役が入賞する有効ラインの数が異なるようになっていれば、例えば、第2リールR2に関して2つの有効ラインを構成する表示位置と3つの有効ラインを構成する表示位置を設けて正解打順では不正解打順よりも多くの有効ライン上で小役が入賞するようになっていれば有効ラインの設定態様は上記実施形態の場合に限られず任意に定めることができる。