JP2013158286A - メントールを含む新規清涼菓子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物の打錠品からなるメントールの再結晶化を防止した清涼菓子であって、少なくとも外表面2を含む表層3に液状あるいは固体状の食用油脂成分4が含有されており、そして表層3に存在するメントール5は食用油脂成分4中に溶存して含有されていることを特徴とするメントールを含む新規清涼菓子1により課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
このような性質を持ったメントールは、例えば、メントールを含む結晶性糖質粉末を打錠して打錠品を調製する際に、60℃程度の圧縮熱が発生し、メントールの一部が溶融する。その溶融したメントールは、打錠品の表面にしみ出て、その後圧縮熱がさめた際に時間経過とともに再結晶し、打錠品の表面または包装容器内で綿状または、針状結晶となる。
メントールを含む結晶性糖質粉末を打錠して打錠品を包装すると、包装内で温度変化により気化したメントールが再結晶することが知られている。
再結晶化した綿状あるいは針状のメントールの結晶は、菓子などの製品の見栄えを著しく損なうことが知られている。
本発明の第2の目的は、そのようなメントールを含む新規清涼菓子を容易に経済的に製造することができる製造方法を提供することである。
少なくとも外表面を含む表層に液状あるいは固体状の食用油脂成分が含有されており、そして前記表層に存在するメントールは前記食用油脂成分中に溶存して含有されていることを特徴とするメントールを含む新規清涼菓子である。
(1)結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物を調製する。
(2)調製した原料組成物を造粒方式あるいは直打方式によって打錠して成型された錠剤からなる打錠品を調製する。
(3)調製した打錠品を、食用油脂成分からなる溶液中に浸漬して、打錠品中に前記溶液を必要量制御して浸透させる。
(4)工程(3)において前記溶液を浸透させた打錠品を取り出し、その表面に付着した前記溶液を除去する。
(5)工程(4)において打錠品の表面に付着した前記溶液を除去した打錠品を静置して、未だ表面に残留する前記溶液を打錠品中に浸透させる。
(6)必要に応じて密封包装する。
少なくとも外表面を含む表層に液状あるいは固体状の食用油脂成分が含有されており、そして前記表層に存在するメントールは前記食用油脂成分中に溶存して含有されていることを特徴とするメントールを含む新規清涼菓子であり、
従来にない構成を有し、メントール含有量が全体の0.5〜3質量%であってもメントールの再結晶化を防止できる上、専用機を用いたりせず、煩雑な工程を経ることなく、容易に経済的に製造できるという顕著な効果を奏する。
専用機を用いたりせず、煩雑な工程を経ることなく、容易に経済的に製造できるという顕著な効果を奏する。
図1は本発明のメントールを含む新規清涼菓子の一実施形態の断面説明図である。
図1に示すように、結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物の打錠品からなる、本発明のメントールを含む新規清涼菓子1は、その少なくとも外表面2を含む表層3に液状あるいは固体状の食用油脂成分4が含有されており、そして表層3に存在するメントール5は食用油脂成分4中に溶存して含有されていることを特徴とするものである。
図1中の6は、食用油脂成分4が含まれていない部分を示す。
後述するように、本発明においては、食用油脂成分4からなる溶液中に浸漬して、打錠品中に前記溶液を必要量制御して浸透させるが、本発明で使用する食用油脂成分4は、常温で液状のものでも、あるいは固体状のものでもよいので、例えば常温で液状の食用油脂成分4を使用した場合は、常温において浸透させることができ、浸透工程完了後は、少なくとも外表面2を含む表層3に含有されるメントール5は液状の食用油脂成分4中に溶解した状態にあることになる。
本発明においては、以上の状態をまとめて、メントール5が液状あるいは固体状の食用油脂成分4中に溶存した状態にあると定義する。
本発明のメントールを含む新規清涼菓子の製造方法は、下記の工程(1)〜(6)を含むことを特徴とする。
まず、工程(1)において、結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物を調製する。結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分とする以外に、下記各成分の中から選択される成分を必要量配合して原料組成物とすることもできる。
どのような特徴を有する新規清涼菓子を製造するのかによって各成分の配合量は当然異なるものであり、望みの製品が得られるように予めテストするなどして決めることができる。
これらは単独で使用することもできるが、2つ以上の混合物を使用することもできる。
これらは単独で用いることもできるが、2つ以上を組み合わせて用いることもできる。
これらは単独で用いることもできるが、2つ以上を組み合わせて用いることもできる。
食用油脂成分は常温で液状のものでも、あるいは固体状のものでもよく、これらの2種以上の混合物であってもよい。
本発明の新規清涼菓子を次のようにして作った。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
常温で液状の食用油脂成分(理研ビタミン株式会社の商品アクターM−1:MCTオイル(Medium Chain Triglyceride:中鎖脂肪酸トリグリセライド。ココナツオイル、ヤシ油、牛乳、母乳などに含まれる炭素数6−12の脂肪酸からなるオイル)(以下、MCTオイルと称す)にタブレットを1秒間浸漬し、溶液から取り出し、その表面に付着した前記溶液を除去し、静置して、未だ表面に残留する溶液をタブレット中に浸透させた。
このタブレット中の表層にはMCTオイルがタブレット全体に対して1.0%含有されていた。
このタブレット50粒を容器に密封包装し、4℃で72時間保存し、タブレット表面にメントールの結晶が発生しないか目視で観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.5%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
溶液中にタブレットを1秒間浸漬し、タブレット中の表層にMCTオイルをタブレット全体に対して1.0%含有した以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか目視で観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを2.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
溶液中にタブレットを1秒間浸漬し、タブレット中の表層にMCTオイルをタブレット全体に対して1.0%含有した以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
溶液中にタブレットを3秒間浸漬し、タブレット中の表層にMCTオイルをタブレット全体に対して2.0%含有した以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.5%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
溶液中にタブレットを3秒間浸漬し、タブレット中の表層にMCTオイルをタブレット全体に対して2.0%含有した以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを2.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
溶液中にタブレットを3秒間浸漬し、タブレット中の表層にMCTオイルをタブレット全体に対して2.0%含有した以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットにはメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにもメントールの結晶が発生しなかった。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
MCTオイル中に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットには一部にメントールの結晶が発生した。
以上の結果を表1に示す。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを1.5%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
MCTオイル中に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットには全体的に著しくメントールの結晶が発生した。
以上の結果を表1に示す。
このタブレットにも全体的に著しくメントールの結晶が発生した。
以上の結果を表2に示す。
ソルビトールを基材とし、メントールを2.0%含むタブレットを常法にしたがって作成した。
MCTオイル中に浸漬しなかった以外は実施例1と同様にしてタブレット表面にメントールの結晶が発生しないか観察した。
このタブレットには全体的に著しくメントールの結晶が発生した。
以上の結果をまとめて表1に示す。
このタブレットにも全体的に著しくメントールの結晶が発生した。
以上の結果を表2に示す。
2 外表面
3 表層
4 食用油脂成分
5 メントール
6 食用油脂成分およびメントールが含まれていない部分
Claims (2)
- 結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物の打錠品からなるメントールの再結晶化を防止した清涼菓子であって、
少なくとも外表面を含む表層に液状あるいは固体状の食用油脂成分が含有されており、そして前記表層に存在するメントールは前記食用油脂成分中に溶存して含有されていることを特徴とするメントールを含む新規清涼菓子。 - 下記の工程(1)〜(6)を含むことを特徴とする請求項1記載のメントールを含む新規清涼菓子の製造方法。
(1)結晶性糖質粉末を主成分とし、メントールを必須成分として含有する原料組成物を調製する。
(2)調製した原料組成物を造粒方式あるいは直打方式によって打錠して成型された錠剤からなる打錠品を調製する。
(3)調製した打錠品を、食用油脂成分からなる溶液中に浸漬して、打錠品中に前記溶液を必要量制御して浸透させる。
(4)工程(3)において前記溶液を浸透させた打錠品を取り出し、その表面に付着した前記溶液を除去する。
(5)工程(4)において打錠品の表面に付着した前記溶液を除去した打錠品を静置して、未だ表面に残留する前記溶液を打錠品中に浸透させる。
(6)必要に応じて密封包装する。
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