JP2013157852A - ディザ制御回路及び音声出力システム - Google Patents

ディザ制御回路及び音声出力システム Download PDF

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Abstract

【課題】歪率を改善することが可能なディザ制御回路及び音声出力システムを提供すること。
【解決手段】ディザ制御回路70は、ディザ信号を発生させるディザ発生回路71と、入力信号のレベルを検出するレベル検出回路72と、レベル検出回路72の検出結果に応じて係数を制御する係数制御回路73と、ディザ発生回路71から出力されるディザ信号に係数制御回路73から出力される係数を乗算する乗算器74を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、ディザ制御回路及び音声出力システムに関する。
従来より、ΔΣDAC(Digital Analog Converter)を含むシステムが知られている。例えば、特許文献1には、デルタシグマ変調器とアナログLPF(Low Pass Filter)を備えたDACが開示されている。デルタシグマ変調器は、入力されたデジタルオーディオ信号について1ビット化を行い、デジタル信号に変換して出力する。アナログLPFは、デルタシグマ変調器から出力されたデジタル信号をアナログのオーディオ信号に変換する。このアナログのオーディオ信号がDACの出力となる。
特開2011−019209号公報
しかしながら、従来のΔΣDACを含むシステムによると、歪率が悪化してしまう場合があった。歪率とは、信号の歪みの程度を表す値であり、高調波成分全体の基本波成分に対する比で表される。歪率が悪化するのは、DACアナログ部を制御するパルス信号(DACアナログ部の入力信号)の立上がりと立下がりの非対称性によって、パルス密度に誤差が生じることが原因であると考えられる。
すなわち、図10(a)は、従来のΔΣDACを含むシステムの入力信号の波形を示している。符号101はフルスケール付近を意味し、符号102はゼロクロス付近を意味している。図10(b)(c)は、DACアナログ部を制御するパルス信号の波形を示すグラフである。図10(b)は、フルスケール付近101のパルス信号を示し、図10(c)は、ゼロクロス付近102のパルス信号を示している。
パルス信号は、図10(b)(c)に示すように、立上がりと立下がりで非対称となっている。フルスケール付近101では、図10(b)に示すように、パルス信号の変化量が少ないため、レベル変換誤差が小さい。一方、ゼロクロス付近102では、図10(c)に示すように、パルス信号の変化量が多いため、レベル変換誤差が大きい。そのため、入力レベルを小さくしていくと、次第にゼロクロス付近102のレベル変換誤差が歪として見えてくるようになり、ダイナミックレンジを悪化させていると考えられる。
本発明の目的は、歪率を改善することが可能なディザ制御回路及び音声出力システムを提供することにある。
本発明の一態様によれば、ディザ信号を発生させるディザ発生回路と、入力信号のレベルを検出するレベル検出回路と、前記レベル検出回路の検出結果に応じて係数を制御する係数制御回路と、前記ディザ発生回路から出力されるディザ信号に前記係数制御回路から出力される係数を乗算する乗算器とを備えるディザ制御回路が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、入力信号に所定のオーディオ信号処理を施すオーディオ処理回路と、前記入力信号のサンプリング周波数の所定倍の周波数でデータをオーバーサンプリングするオーバーサンプリングフィルタと、前記入力信号のレベルに応じてディザ信号を生成するディザ制御回路と、前記入力信号に前記ディザ信号を付加する付加回路と、前記ディザ信号が付加された入力信号にデジタル−アナログ変換処理を施すデジタル−アナログ変換回路とを備える音声出力システムが提供される。
本発明によれば、歪率を改善することが可能なディザ制御回路及び音声出力システムを提供することができる。
本実施の形態に係る音声出力システムの構成を例示する模式的ブロック図。 本実施の形態に係るオーバーサンプリング時の演算タイミングを例示する図。 本実施の形態に係るΔΣDACの構成を例示する模式的回路ブロック図。 本実施の形態に係るディザ制御回路の構成を例示する模式的回路ブロック図。 本実施の形態に係るシーケンスの説明図であって、(a)小信号域、中信号域、大信号域の説明図、(b)シーケンスの状態遷移図、(c)ヒステリシスを持たせた場合の説明図。 本実施の形態に係る音声出力システムの動作を例示するタイミングチャートであって、(a)入力信号、(b)シーケンス、(c)ディザ信号。 本実施の形態に係る音声出力システムの他の動作を例示するタイミングチャートであって、(a)入力信号、(b)シーケンス、(c)ディザ信号。 ディザ信号のON/OFF時の特性の違いを例示するグラフであって、(a)出力信号の大きさ(縦軸)と周波数(横軸)との関係を示すグラフ、(b)歪率(縦軸)と入力信号の大きさ(横軸)との関係を示すグラフ。 本実施の形態に係る音声出力システムの他の構成を例示する模式的ブロック図。 従来の課題の説明図であって、(a)従来のΔΣDACを含むシステムの入力信号の波形を示すグラフ、(b)従来のDACアナログ部を制御するパルス信号のフルスケール付近を示すグラフ、(c)従来のDACアナログ部を制御するパルス信号のゼロクロス付近を示すグラフ。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各構成部品の厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[実施の形態]
以下、図1〜図9を用いて実施の形態を説明する。
本実施の形態に係る音声出力システムは、入力信号に所定のオーディオ信号処理を施すオーディオDSP(Digital Signal Processor)10と、入力信号のサンプリング周波数の8倍の周波数でデータをオーバーサンプリングする8倍オーバーサンプリングフィルタ20と、入力信号のレベルに応じてディザ信号を生成するディザ制御回路70と、入力信号にディザ信号を付加する加算器30と、ディザ信号が付加された入力信号にデジタル−アナログ変換処理を施すΔΣDAC40,DACアナログ部60とを備える。
また、ディザ制御回路70は、入力信号が大信号域P3、中信号域P1,P2、小信号域P0のいずれのレベルに属するかを検出し、中信号域P1,P2に属する入力信号にだけディザ信号が付加されるように制御しても良い。
また、ディザ制御回路70は、大信号域P3または小信号域P0から中信号域P1,P2にシーケンスが移る場合、ディザ信号が徐々に大きくなるようにソフト遷移させ、中信号域P1,P2から大信号域P3または小信号域P0にシーケンスが移る場合、ディザ信号が徐々に小さくなるようにソフト遷移させても良い。
また、ディザ制御回路70は、各ソフト遷移に要する時間t11,t12,t13,t14が個別に設定されていても良い。
また、ディザ制御回路70は、中信号域P1,P2から大信号域P3にシーケンスが移る場合のソフト遷移に要する時間t14が他のソフト遷移に要する時間t11,t12,t13に比べて短く設定されていても良い。
また、ディザ制御回路70は、大信号域P3の状態において中信号域P2の入力信号を所定時間連続して検出したら大信号域P3から中信号域P2にシーケンスを移し、中信号域P1,P2の状態において小信号域P0の入力信号を所定時間連続して検出したら中信号域P1,P2から小信号域P0にシーケンスを移しても良い。
また、ディザ制御回路70は、小信号域P0の状態において中信号域P1の入力信号を検出したら直ちに小信号域P0から中信号域P1にシーケンスを移し、小信号域P0または中信号域P1,P2の状態において大信号域P3の入力信号を検出したら直ちに小信号域P0または中信号域P1,P2から大信号域P3にシーケンスを移しても良い。
また、ディザ制御回路70は、8倍オーバーサンプリングフィルタ20と並列に接続されていても良い。
(音声出力システムの構成)
図1は、本実施の形態に係る音声出力システムの構成を例示する模式的ブロック図である。この音声出力システムは、図1に示すように、オーディオDSP10と、8倍オーバーサンプリングフィルタ20と、加算器30と、ΔΣDAC40と、64bitシフトレジスタ50と、DACアナログ部60と、ディザ制御回路70とを備えている。
オーディオDSP10は、デジタル信号を入力して、例えばゲインコントロールやトーンコントロールなどのオーディオ信号処理を施し、PCM(Pulse Code Modulation)方式のデジタルオーディオ信号を生成して8倍オーバーサンプリングフィルタ20に出力する。
8倍オーバーサンプリングフィルタ20は、デジタル信号をオーバーサンプリングして加算器30に出力する。具体的には、オリジナルの入力信号のサンプリング周波数fsの8倍の周波数(8fs)でデータをサンプリングして、例えば、48kHzまたは44.1kHzのサンプリング周波数を384kHzまたは352.8kHzのPWM周波数に変換する。
8倍オーバーサンプリングフィルタ20は、2倍×3段で構成されたFIR(Finite Impulse Response:有限インパルス応答)フィルタを含む。各FIRフィルタは、入力した信号(オリジナル)のサンプリング周波数の2倍の周波数でサンプリングする。ここで、8倍オーバーサンプリングフィルタ20における1fs期間の8倍オーバーサンプリング処理は、図2に例示するようなA〜Nまでの演算タイミングにより実現される。各演算タイミングA〜Nは、以下のように演算動作を行う。
演算タイミングA:2倍オーバーサンプリング1回目(2fs)
演算タイミングB:2倍オーバーサンプリング2回目(2fs)
演算タイミングC:2倍オーバーサンプリング1回目(4fs)
演算タイミングD:2倍オーバーサンプリング2回目(4fs)
演算タイミングE:2倍オーバーサンプリング3回目(4fs)
演算タイミングF:2倍オーバーサンプリング4回目(4fs)
演算タイミングG:2倍オーバーサンプリング1回目(8fs)
演算タイミングH:2倍オーバーサンプリング2回目(8fs)
演算タイミングI:2倍オーバーサンプリング3回目(8fs)
演算タイミングJ:2倍オーバーサンプリング4回目(8fs)
演算タイミングK:2倍オーバーサンプリング5回目(8fs)
演算タイミングL:2倍オーバーサンプリング6回目(8fs)
演算タイミングM:2倍オーバーサンプリング7回目(8fs)
演算タイミングN:2倍オーバーサンプリング8回目(8fs)
ディザ制御回路70は、オーディオDSP10から出力されたデジタルオーディオ信号のレベルに応じてディザ信号を生成し、加算器30に出力する。ディザ制御回路70の詳細については後述する。
加算器30は、8倍オーバーサンプリングフィルタ20から出力されたデジタルオーディオ信号にディザ制御回路70から出力されたディザ信号を加算(付加)してΔΣDAC40に出力する。
ΔΣDAC40は、デルタシグマ(ΔΣ)型のDACのデジタル部であり、図3に示すように、例えば5個の積分器41〜45と、量子化器46とを備えている。積分器41〜45は、デジタル信号に1サンプリング周期前のデジタル信号を加算することでデジタル信号の積分値を出力する。量子化器46は、積分値を1ビットで量子化してパルス信号を出力する。すなわち、積分値が正の数である場合は0を出力し、負の数である場合は1を出力するようになっている。ここでは、ΔΣDAC40は、オリジナルの入力信号のサンプリング周波数fsの128倍の周波数(128fs)で動作しているものとする。
64bitシフトレジスタ50は、ΔΣDAC40から出力されたデジタル信号を一時的に記憶する。DACアナログ部60は、DACのアナログ部であり、64bitシフトレジスタ50に記憶されたデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。
(ディザ制御回路の構成)
既に説明した通り、従来は、ΔΣDACを含むシステムにおいて、歪率が悪化してしまう場合があった。具体的には、入力信号の大きさが−30dBから−70dB程度のとき、歪率が悪化してしまう。そこで、本実施の形態では、入力信号を大信号域(0dB〜−10dB)P3、中信号域(−10dB〜−80dB)P1,P2、小信号域(−80dB以下)P0に分け、中信号域P1,P2にだけディザ信号を付加するようにしている。大信号域P3でディザ信号を付加しない理由は、付加しなくても歪率が悪化しないことと、付加するとオーバーフローするからである。小信号域P0でディザ信号を付加しない理由は、付加するとS/Nが悪化するからである。
図4は、本実施の形態に係るディザ制御回路70の構成を例示する模式的回路ブロック図である。この図に示すように、ディザ制御回路70は、ディザ発生回路71と、レベル検出回路72と、係数制御回路73と、乗算器74とを備えている。
ディザ発生回路71は、方形波のディザ信号を発生させて乗算器74に出力している。レベル検出回路72は、入力信号が大信号域P3、中信号域P1,P2、小信号域P0のいずれのレベルに属するかを検出して、その検出結果を係数制御回路73に出力する。係数制御回路73は、レベル検出回路72の検出結果に応じて係数を制御する。例えば、レベル検出回路72が中信号域P1,P2の入力信号を検出した場合、係数制御回路73は、係数1を乗算器74に出力する。また、レベル検出回路72が小信号域P0または大信号域P3の入力信号を検出した場合、係数制御回路73は、係数0を乗算器74に出力する。係数1はディザ信号ONに相当し、係数0はディザ信号OFFに相当する。乗算器74は、ディザ発生回路71からのディザ信号に係数制御回路73からの係数を乗算して出力する。
(ディザシーケンス)
図5(a)は、本実施の形態に係る小信号域P0、中信号域P1,P2、大信号域P3の説明図である。この図に示すように、中信号域P1,P2に属する入力信号にだけディザ信号を付加(ディザON)するようにしている。符合P1は、小信号域から中信号域に移った状態を意味し、符号P2は、大信号域から中信号域に移った状態を意味する。
大信号域P3とは、入力信号の大きさを3つのレベルに分類した場合の最も大きなレベルであり、ここでは0dB〜−10dBとする。中信号域P1,P2とは、入力信号の大きさを3つのレベルに分類した場合の真ん中のレベルであり、ここでは−10dB〜−80dBとする。小信号域P0とは、入力信号の大きさを3つのレベルに分類した場合の最も小さなレベルであり、ここでは−80dB以下とする。
もちろん、信号域の分類方法はこれに限定されるものではない。すなわち、歪率が悪化してしまう信号域にディザ信号が付加される構成であれば、他の分類方法を採用してもかまわない。
図5(b)は、本実施の形態に係るシーケンスの状態遷移図である。この図に示すように、レベル検出回路72が大信号域P3の状態において中信号域P2の入力信号を数十ms連続して検出したら、係数制御回路73は、大信号域P3から中信号域P2にシーケンスを移す。また、レベル検出回路72が中信号域P2の状態において小信号域P0の入力信号を数十ms連続して検出したら、係数制御回路73は、中信号域P2から小信号域P0にシーケンスを移す。
ここでは、数十ms連続して検出したときにシーケンスを移すこととしているが、シーケンスを移すタイミングはこれに限定されるものではない。すなわち、50ms,100ms,200ms,400ms等、コマンドで任意のタイミングを設定することが可能となっている。
一方、レベル検出回路72が小信号域P0の状態において中信号域P1の入力信号を検出したら、係数制御回路73は、直ちに小信号域P0から中信号域P1にシーケンスを移す。また、レベル検出回路72が大信号域P3の入力信号を検出したら、係数制御回路73は、どの状態からも大信号域P3に移す。言い換えると、レベル検出回路72が小信号域P0または中信号域P1,P2の状態において大信号域P3の入力信号を検出したら、係数制御回路73は、直ちに小信号域P0または中信号域P1,P2から大信号域P3にシーケンスを移すようになっている。
図5(c)は、ヒステリシスを持たせた場合の説明図である。すなわち、大信号域P3を0dB〜−10dB、中信号域P1,P2を−10dB〜−80dB、小信号域P0を−80dB以下としているが、−80dBまたは−10dBの信号を扱う際に、その信号がどの信号域にあたるかが不定になると考えられる。
そこで、大信号域P3、中信号域P1,P2、小信号域P0を遷移する際にヒステリシスを持たせる。つまり、大信号域P3から中信号域P2に遷移する場合は−16dBを下回った時点で遷移し、中信号域P2から大信号域P3に遷移する場合は−10dBを超えた時点で遷移すると判定する。同様に、中信号域P1から小信号域P0に遷移する場合は−80dBを下回った時点で遷移し、小信号域P0から中信号域P1に遷移する場合は−74dBを超えた時点で遷移すると判定する。このようにヒステリシスを持たせた制御をすることで、上記のような場合でも判定が可能となる。
なお、大信号域P3を0dB〜−10dB未満、中信号域P1,P2を−10dB〜−80dB未満、小信号域P0を−80dB以下としてもよい。このように、各信号域で重なる部分を持たせない方法であれば、単純に判定することも可能である。
(音声出力システムの動作)
図6は、本実施の形態に係る音声出力システムの動作を例示するタイミングチャートである。ここでは、図6(a)に示すように、入力信号の大きさが大、中、小の順に変化する場合について説明する。
この場合、レベル検出回路72が大信号域P3の状態において中信号域P2の入力信号を数十ms連続して検出したら(t1)、係数制御回路73は、図6(b)に示すように、大信号域P3から中信号域P2にシーケンスを移す。具体的には、図6(c)に示すように、ディザ信号をOFFからONに遷移させる。また、レベル検出回路72が中信号域P2の状態において小信号域P0の入力信号を数十ms連続して検出したら(t2)、係数制御回路73は、図6(b)に示すように、中信号域P2から小信号域P0にシーケンスを移す。具体的には、図6(c)に示すように、ディザ信号をONからOFFに遷移させる。
このようなディザ信号のON/OFFはソフト遷移で行うのが望ましい。すなわち、図6(c)に示すように、大信号域P3から中信号域P2にシーケンスが移る場合、係数制御回路73は、ディザ信号をソフト遷移させてONにする。ここでいうソフト遷移とは、所定時間t11をかけて徐々にディザ信号を大きくすることをいう。また、中信号域P2から小信号域P0にシーケンスが移る場合、係数制御回路73は、ディザ信号をソフト遷移させてOFFにする。ここでいうソフト遷移とは、所定時間t12をかけて徐々にディザ信号を小さくすることをいう。
図7は、本実施の形態に係る音声出力システムの他の動作を例示するタイミングチャートである。ここでは、図7(a)に示すように、入力信号の大きさが小、中、大の順に変化する場合について説明する。
この場合、レベル検出回路72が小信号域P0の状態において中信号域P1の入力信号を検出したら(t3)、係数制御回路73は、図7(b)に示すように、直ちに小信号域P0から中信号域P1にシーケンスを移す。具体的には、図7(c)に示すように、ディザ信号をOFFからONに遷移させる。また、レベル検出回路72が中信号域P1の状態において大信号域P3を検出したら(t4)、係数制御回路73は、図7(b)に示すように、直ちに中信号域P1から大信号域P3にシーケンスを移す。具体的には、図7(c)に示すように、ディザ信号をONからOFFに遷移させる。
このようなディザ信号のON/OFFはソフト遷移で行うのが望ましい。すなわち、図7(c)に示すように、小信号域P0から中信号域P1にシーケンスが移る場合、係数制御回路73は、ディザ信号をソフト遷移させてONにする。ここでいうソフト遷移とは、所定時間t13をかけて徐々にディザ信号を大きくすることをいう。また、中信号域P1から大信号域P3にシーケンスが移る場合、係数制御回路73は、ディザ信号をソフト遷移させてOFFにする。ここでいうソフト遷移とは、所定時間t14をかけて徐々にディザ信号を小さくすることをいう。
係数制御回路73は、各ソフト遷移に要する時間(ソフト遷移時間)t11,t12,t13,t14がコマンドにより個別に設定されている。中信号域P1,P2から大信号域P3にシーケンスが移る場合のソフト遷移時間t14は、他のソフト遷移時間t11,t12,t13に比べて短く設定しておくのが望ましい。ソフト遷移時間t14が長くなるとオーバーフローする不具合があるため、これを確実に回避するためである。
(ディザ信号のON/OFF時の特性の違い)
図8は、ディザ信号のON/OFF時の特性の違いを例示するグラフである。
図8(a)は、出力信号の大きさ(縦軸)と周波数(横軸)との関係を示している。ここでいう出力信号は、DACアナログ部60からの出力信号である。ディザ信号がOFFの場合は、点線波形l1に示すように、2kHz、3kHz、4kHz等の高調波成分が大きくなっている。ディザ信号をONにすると、実線波形l2に示すように、これらの高調波成分が小さくなっていることが分かる。
図8(b)は、歪率(縦軸)と入力信号の大きさ(横軸)との関係を示している。歪率とは、信号の歪みの程度を表す値であり、高調波成分全体の基本波成分に対する比で表される。ディザ信号がOFFの場合は、点線波形l3に示すように、入力信号の大きさが−30dBから−70dB程度のとき、歪率が悪化してしまう。ディザ信号をONにすると、実線波形l4に示すように、歪率が改善されていることが分かる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、入力信号のレベルに応じてディザ信号を付加するようにしているので、ゼロクロス付近のパルス信号の変化量を少なくして歪率を改善することが可能である。また、ディザ信号のON/OFFをソフト遷移で行うので、ショック音が鳴らない。また、大信号域P3から中信号域P2に移るときと小信号域P0から中信号域P1に移るときとで異なるソフト遷移時間を設定することができる。また、中信号域P1,P2から小信号域P0に移るときと小信号域P0から中信号域P1に移るときとで異なるスレッショルトレベルを選択できるようにして、ヒステリシスを持たせることが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、歪率を改善することが可能なディザ制御回路及び音声出力システムを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明の一実施の形態を記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。例えば、図1では、ディザ制御回路70を8倍オーバーサンプリングフィルタ20と並列に接続した構成を例示したが、ディザ制御回路70を設ける場所はこれに限定されるものではない。すなわち、図9に示すように、ディザ制御回路70を8倍オーバーサンプリングフィルタ20の後段に設けることも可能である。ただし、8倍オーバーサンプリングフィルタ20で1ms分の遅延が生じるため、ディザ制御回路70は8倍オーバーサンプリングフィルタ20と並列に接続するのが望ましい。このようにすれば、8倍オーバーサンプリングフィルタ20の後段に設けた場合と比べてディザ制御回路70を1ms分だけフライングして動作させることができる。
本発明に係るディザ制御回路及び音声出力システムは、テレビ、ミニコンポ、ラジカセ、カーオーディオ等、音声を出力する機器全般に適用することができる。特に、歪率を改善することが必要な機器に適用すると効果的である。
10…オーディオ処理回路(オーディオDSP)
20…オーバーサンプリングフィルタ(8倍オーバーサンプリングフィルタ)
30…付加回路(加算器)
40…デジタル−アナログ変換回路(ΔΣDAC)
60…デジタル−アナログ変換回路(DACアナログ部)
70…ディザ制御回路
71…ディザ発生回路
72…レベル検出回路
73…係数制御回路
74…乗算器
P0…小信号域
P1,P2…中信号域
P3…大信号域
t11,t12,t13,t14…ソフト遷移に要する時間(ソフト遷移時間)

Claims (15)

  1. ディザ信号を発生させるディザ発生回路と、
    入力信号のレベルを検出するレベル検出回路と、
    前記レベル検出回路の検出結果に応じて係数を制御する係数制御回路と、
    前記ディザ発生回路から出力されるディザ信号に前記係数制御回路から出力される係数を乗算する乗算器と
    を備えることを特徴とするディザ制御回路。
  2. 前記レベル検出回路は、前記入力信号が大信号域、中信号域、小信号域のいずれのレベルに属するかを検出し、
    前記係数制御回路は、前記中信号域に属する入力信号にだけ前記ディザ信号が付加されるように制御することを特徴とする請求項1に記載のディザ制御回路。
  3. 前記係数制御回路は、前記大信号域または前記小信号域から前記中信号域にシーケンスが移る場合、前記ディザ信号が徐々に大きくなるようにソフト遷移させ、前記中信号域から前記大信号域または前記小信号域にシーケンスが移る場合、前記ディザ信号が徐々に小さくなるようにソフト遷移させることを特徴とする請求項2に記載のディザ制御回路。
  4. 前記係数制御回路は、各ソフト遷移に要する時間が個別に設定されていることを特徴とする請求項3に記載のディザ制御回路。
  5. 前記係数制御回路は、前記中信号域から前記大信号域にシーケンスが移る場合のソフト遷移に要する時間が他のソフト遷移に要する時間に比べて短く設定されていることを特徴とする請求項4に記載のディザ制御回路。
  6. 前記係数制御回路は、前記大信号域の状態において前記中信号域の入力信号を所定時間連続して検出したら前記大信号域から前記中信号域にシーケンスを移し、前記中信号域の状態において前記小信号域の入力信号を所定時間連続して検出したら前記中信号域から前記小信号域にシーケンスを移すことを特徴とする請求項2に記載のディザ制御回路。
  7. 前記係数制御回路は、前記小信号域の状態において前記中信号域の入力信号を検出したら直ちに前記小信号域から前記中信号域にシーケンスを移し、前記小信号域または前記中信号域の状態において前記大信号域の入力信号を検出したら直ちに前記小信号域または前記中信号域から前記大信号域にシーケンスを移すことを特徴とする請求項2に記載のディザ制御回路。
  8. 入力信号に所定のオーディオ信号処理を施すオーディオ処理回路と、
    前記入力信号のサンプリング周波数の所定倍の周波数でデータをオーバーサンプリングするオーバーサンプリングフィルタと、
    前記入力信号のレベルに応じてディザ信号を生成するディザ制御回路と、
    前記入力信号に前記ディザ信号を付加する付加回路と、
    前記ディザ信号が付加された入力信号にデジタル−アナログ変換処理を施すデジタル−アナログ変換回路と
    を備えることを特徴とする音声出力システム。
  9. 前記ディザ制御回路は、前記入力信号が大信号域、中信号域、小信号域のいずれのレベルに属するかを検出し、前記中信号域に属する入力信号にだけ前記ディザ信号が付加されるように制御することを特徴とする請求項8に記載の音声出力システム。
  10. 前記ディザ制御回路は、前記大信号域または前記小信号域から前記中信号域にシーケンスが移る場合、前記ディザ信号が徐々に大きくなるようにソフト遷移させ、前記中信号域から前記大信号域または前記小信号域にシーケンスが移る場合、前記ディザ信号が徐々に小さくなるようにソフト遷移させることを特徴とする請求項9に記載の音声出力システム。
  11. 前記ディザ制御回路は、各ソフト遷移に要する時間が個別に設定されていることを特徴とする請求項10に記載の音声出力システム。
  12. 前記ディザ制御回路は、前記中信号域から前記大信号域にシーケンスが移る場合のソフト遷移に要する時間が他のソフト遷移に要する時間に比べて短く設定されていることを特徴とする請求項11に記載の音声出力システム。
  13. 前記ディザ制御回路は、前記大信号域の状態において前記中信号域の入力信号を所定時間連続して検出したら前記大信号域から前記中信号域にシーケンスを移し、前記中信号域の状態において前記小信号域の入力信号を所定時間連続して検出したら前記中信号域から前記小信号域にシーケンスを移すことを特徴とする請求項9に記載の音声出力システム。
  14. 前記ディザ制御回路は、前記小信号域の状態において前記中信号域の入力信号を検出したら直ちに前記小信号域から前記中信号域にシーケンスを移し、前記小信号域または前記中信号域の状態において前記大信号域の入力信号を検出したら直ちに前記小信号域または前記中信号域から前記大信号域にシーケンスを移すことを特徴とする請求項9に記載の音声出力システム。
  15. 前記ディザ制御回路は、前記オーバーサンプリングフィルタと並列に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の音声出力システム。
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