JP2013157149A - 密閉型電池 - Google Patents

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浩二 高畑
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章浩 落合
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Abstract

【課題】 電池特性の低下を抑えつつ、過充電時には過充電抑制剤を確実に反応させることができる密閉型電池を提供する。
【解決手段】 密閉型電池1は、電池ケース80内に、正極板20を有する電極体10と、電解液50と、電池ケースと電極体との間に介在し、過充電となった電極体の膨張による押圧で、電解液中に過充電抑制剤42を供給する供給手段40とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、過充電時に以降の過充電を抑制する過充電抑制剤を備える密閉型電池(以下、単に電池ともいう)に関する。
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両や、ノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、充放電可能な電池が利用されている。
このような電池として、例えば、特許文献1には、重合電位が満充電時の正極の電位よりも高い芳香族モノマー添加剤(過充電抑制剤)を配合した電解質(電解液)と、電池の内圧が上昇した場合に電池の通電を遮断する過充電保護装置とを備える電池が開示されている。
特開平9−171840号公報
しかしながら、上述の特許文献1の電池では、過充電時に以降の過充電を確実に抑制すべく、電解液中に含まれる芳香族モノマー添加剤(過充電抑制剤)の量を多くしすぎると、電池の特性が低下(例えば、低温時の電池において抵抗が増大)する場合がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、電池特性の低下を抑えつつ、過充電時には過充電抑制剤を確実に反応させることができる密閉型電池を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、電池ケース内に、正極板を有する電極体と、電解液と、上記電池ケースと上記電極体との間に介在し、過充電となった上記電極体の膨張による押圧で、上記電解液中に過充電抑制剤を供給する供給手段と、を備える密閉型電池である。
上述の密閉型電池は、上述した供給手段を備える。このため、電解液中に予め十分な量の過充電抑制剤を含ませておく必要がなく、過充電抑制剤の添加による電池特性の低下を抑えた電池とすることができる。一方で、過充電時には、過充電抑制剤が電解液に供給されるので、この過充電抑制剤を確実に反応させることができる。
従って、さらにこのような過充電抑制剤の反応によって、電極体への通電を妨げる手段、または、通電による電極体内での電池反応を妨げる手段を備える電池においては、それ以降の電池への過充電を確実に抑制することができる。
なお、電池ケースの形状としては、例えば、矩形箱形状(直方体形状)、円筒形状など適宜の形状を採用しうる。
また、「過充電抑制剤」は、電極体の正極板に生じる正極電位が自身の反応電位以上となった場合に、過充電の抑制に寄与する現象(例えば、ガス発生や皮膜形成)を起こす反応が生じる物質である。なお、「正極電位」とは、電極体の正極板の電位をいう。また「反応電位」とは、酸化分解反応など、過充電抑制剤の反応が生じ始める正極電位の値をいう。
このような過充電抑制剤としては、例えば、ビフェニル(BP)及びその誘導体(フッ素置換体など)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)やt−ブチルベンゼンなどのアルキルベンゼン及びその誘導体(フッ素置換体など)、フルオロベンゼン、ジフェニルジスルフィドなどのベンゼン環を有する芳香族化合物や、炭酸リチウムやシュウ酸リチウムやメチルフェニルカーボネートやジフェニルカーボネートなど、反応(例えば、酸化分解反応のみや、酸化分解反応及び重合反応)により気体(ガス)を発生する物質が挙げられる。また、BP、CHB、tert−アミルベンゼンなど、反応により皮膜を生成する物質も挙げられる。なお、過充電抑制剤としては、その反応電位が、満充電のときの正極電位(正極満充電電位)よりも高いものも、正極満充電電位以下のものも用いることができる。
また、過充電抑制剤の反応によって生じる現象としては、例えば、酸化分解反応あるいは酸化分解反応及び重合反応によるガスの発生、酸化分解反応及び重合反応による皮膜の形成などが挙げられる。過充電抑制剤の反応に伴う現象がガス発生である場合、例えば、電池ケースの内圧上昇により電極体への通電を制限する手段(例えば、圧力型通電遮断機構など)を電池に備えておき、この手段をガス発生による内圧上昇で作動させて、電極体への通電を妨げ、以降の過充電を抑制するというように、現象を利用することができる。また、例えば、発生したガスにより、電極体中の正極板(正極活物質層)とセパレータとの間、或いは、負極板(負極活物質層)とセパレータとの間に、ガス層(ガス介在領域,ガス咬み)を形成させて、電極体内での電池反応を妨げ、以降の過充電を抑制するというように、現象を利用することもできる。そのほか、反応に伴う現象が皮膜形成である場合には、例えば、電極体中の正極板(正極活物質層)上あるいは負極板(負極活物質層)上に皮膜を形成させて、電極体内での電池反応を妨げ、以降の過充電を抑制するというように、現象を利用することができる。
また、電解液中に供給される過充電抑制剤の態様としては、例えば、粉末や液状など過充電抑制剤のみの態様や、過充電抑制剤を溶媒に溶解(あるいは混合)した液体の態様が挙げられる。なお、液体の態様とする場合、電解液と同じ溶媒に過充電抑制剤を溶解(あるいは混合)したものとしても、電解液とは異なる溶媒に溶解(あるいは混合)したものとしても良い。
また、「供給手段」としては、例えば、液状の過充電抑制剤又は過充電抑制剤を含む液体を含浸(保持)させた、スポンジ状の樹脂材、不織布からなる保持部材が挙げられる。このような供給手段を用いた場合、過充電時の電極体の膨張による押圧によって、この保持部材から過充電抑制剤を滲出させて、電解液中に供給する。また、例えば、袋状やカプセル状の容器内に、液状の過充電抑制剤又は過充電抑制剤を含む液体を収容し、電極体で容器を押圧すると、容器が損壊して収容した液状の過充電抑制剤等が電解液に供給されるように構成されたものも挙げられる。
また、「電解液中に過充電抑制剤を供給する」手法としては、例えば、電極体に含浸された電解液に、拡散により或いは注入により、過充電抑制剤やこれを含む液体を供給する手法が挙げられる。また、電池ケース内のうち、電極体の外部に貯留され、電極体の正極板の一部及び負極板の一部がそれぞれ接触している貯留電解液に、過充電抑制剤あるいはこれを含む液体を滴下あるいは注入して供給する手法も挙げられる。
また、電解液は、供給手段が保持する過充電抑制剤と同種または異種の過充電抑制剤を、当初(供給手段が過充電抑制剤を供給する前)から含んでいても良く、含んでいなくとも良い。但し、当初から含んでいる場合には、電解液に含まれている過充電抑制剤は、その反応電位が正極満充電電位を超える過充電抑制剤に限られる。
さらに、上述の密閉型電池であって、前記正極板の正極電位が前記過充電抑制剤の反応電位以上となった場合に、上記正極電位によって上記過充電抑制剤に生じる反応により、以降の前記電極体への通電を、または、通電による上記電極体内での電池反応を妨げる妨害手段を備える密閉型電池とすると良い。
上述の密閉型電池は、上述の妨害手段を備えるため、過充電となり正極電位が反応電位以上となると、電解液中にある過充電抑制剤の反応によって、それ以降の電池への過充電を確実に抑制することができる。
なお、「妨害手段」は、過充電抑制剤に生じる反応によって、この反応以降に、電極体への通電を妨げる手段、又は、通電による電極体内での電池反応を妨げる手段である。このうち通電を妨げる妨害手段としては、例えば、過充電抑制剤に生じる反応で発生したガスによって電池ケースの内圧が作動圧以上になった場合に作動して、電極体への通電を遮断する圧力型通電遮断機構など、電極体への通電を制限する手段が挙げられる。また、電池反応を妨げる妨害手段としては、例えば、過充電抑制剤に生じる反応により正極板(正極活物質層)上あるいは負極板(負極活物質層)上に皮膜が形成される構造に正極板等を配置した電極体や、正極板(正極活物質層)とセパレータとの間あるいは負極板(負極活物質層)とセパレータとの間に、ガス層(ガス介在領域,ガス咬み)が形成される構造に正極板等を配置した電極体が挙げられる。
さらに、上述の密閉型電池であって、前記過充電抑制剤は、前記正極電位が前記反応電位以上の値となった場合に、前記反応によるガスを発生するガス発生剤であり、前記妨害手段は、上記ガスの発生に伴う前記電池ケースの内圧上昇により、前記電極体への通電を遮断する圧力型通電遮断機構である密閉型電池とすると良い。
上述の電池では、正極電位が反応電位以上となった場合にガス発生剤(過充電抑制剤)を反応させて、以降の電池への過充電を確実に抑制できる。
なお、ガス発生剤としては、例えば、BP及びその誘導体、CHBやt−ブチルベンゼンなどのアルキルベンゼン及びその誘導体、フルオロベンゼン、ジフェニルジスルフィドなどのベンゼン環を有する芳香族化合物や、炭酸リチウムや、シュウ酸リチウムなどが挙げられる。
また、圧力型通電遮断機構は、電池ケースの内圧が作動圧以上となった場合に、電極体を流れる電流の遮断を行う機構であり、各種の構造を採用できる。これに加えて、電流の遮断と共に、電池ケース内のガスを電池の外部に放出して内圧を低下させる機構をも有するものを採用することもできる。
さらに、上述のいずれかの密閉型電池であって、前記供給手段は、前記過充電抑制剤を前記正極電位から絶縁した状態に保持してなる密閉型電池とすると良い。
上述の電池では、供給手段に保持されている過充電抑制剤が、電池の通常使用時に正極電位の影響を受けないので、正極電位による変質を防止できる。従って、電池の過充電時には、変質していない過充電抑制剤を電解液中に供給できる。
さらに、上述のいずれかの密閉型電池であって、前記過充電抑制剤は、正極満充電電位よりも高い反応電位を有する密閉型電池とすると良い。
上述の電池では、正極電位が正極満充電電位以下の場合に過充電抑制剤の反応を生じることがない。一方、正極電位が正極満充電電位を超え、さらに反応電位以上となった場合に、過充電抑制剤を確実に反応させることができる。
なお、上述のような過充電抑制剤としては、例えば、満充電状態での正極満充電電位が約4.1〜4.2V vs.Li/Li+であるリチウムイオン二次電池においては、例えば、BP及びその誘導体、CHBやt−ブチルベンゼンなどのアルキルベンゼン及びその誘導体、フルオロベンゼン、ジフェニルジスルフィドなどのベンゼン環を有する芳香族化合物や、炭酸リチウムやシュウ酸リチウムなど、反応電位が正極満充電電位よりも高く、反応してガスを発生する物質が挙げられる。また、例えば、BP、CHBなど、反応電位が正極満充電電位よりも高く、反応して皮膜を生成する物質も挙げられる。
さらに、上述のいずれかの密閉型電池であって、前記供給手段は、前記過充電抑制剤を含む液体を保持し、前記押圧により上記液体を滲出するスポンジ状保持部材を有する密閉型電池とすると良い。
上述の電池において供給手段は、上述のスポンジ状保持部材を有する。このため、電池の通常使用時には液体を保持できる一方、過充電時には電極体の膨張による押圧で容易に圧縮されて、保持している液体を確実に滲出することができる。また、この電池では、電解液中に過充電抑制剤を含む液体を供給するので、供給された過充電抑制剤が電解液中に混合しやすく、過充電抑制剤を電極体の正極板に速やかに到達させることができる。
さらに、上述のいずれかの密閉型電池であって、前記電池ケースは、前記電極体の外部に、前記電解液の一部である貯留電解液を保持してなり、上記電極体は、負極板を有し、前記正極板の一部及び上記負極板の一部がそれぞれ、上記貯留電解液に接触してなり、前記供給手段は、前記過充電抑制剤を上記貯留電解液中に供給する第1供給手段である密閉型電池とすると良い。
上述の電池では、過充電時に、貯留電解液を通じて確実に過充電抑制剤を正極板に接触させることができる。
さらに、上述のいずれかの密閉型電池であって、前記電池ケースは、矩形箱形状をなし、平板状の第1壁部を含み、上記電極体は、上記第1壁部の内表面と対向する平面状の対向面を有し、上記第1壁部と上記対向面との間に、前記供給手段を配置してなる密閉型電池とすると良い。
上述の電池では、過充電による電極体の膨張時に、第1壁部の内表面と対向面との間に供給手段を確実に挟ませ圧縮させることができる。従って、電池の過充電時には、供給手段から過充電抑制剤を電解液中に確実に供給することができる。
実施形態にかかる電池の斜視図である。 実施形態にかかる電池の断面図である。 実施形態にかかる電池の断面図(図2のA−A断面)である。 実施形態にかかる電池が過充電状態のときの説明図である。 実施形態にかかる電池の部分拡大断面図(図2のB部)である。 実施形態の通電遮断機構の説明図である。 過充電試験における内圧の経時変化を示すグラフである。
(実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態にかかる電池1について説明する。この電池1は、扁平捲回型の電極体10と、この電極体10に含浸させた電解液50と、これら電極体10及び電解液50を収容する電池ケース80とを備える。さらに、電極体10をなす正極板20(後述)と導通し、電池ケース80の外部まで延出する正極端子構造体60と、電極体10をなす負極板30(後述)と導通し、電池ケース80の外部まで延出する負極端子構造体70とを備える密閉型のリチウムイオン二次電池である(図1参照)。このうち正極端子構造体60は、電池ケース80の内圧Piが作動圧Pfを超えた場合に、電極体10への通電を遮断する通電遮断機構62(後述)を含む。
また、この電池1は、電池ケース80と電極体10との間の位置に、ビフェニル(BP)42を含む溶液41を保持する保持部材40を備えている。
これらのうち、矩形箱形状の電池ケース80は、有底矩形箱形状のケース本体部材81、及び、矩形板状の封口蓋88からなる。このうち、封口蓋88は、ケース本体部材81の開口を閉塞して、このケース本体部材81に溶接されている。また、ケース本体部材81は、封口蓋88と対向する平板状の底部82、及び、この底部82の四方の縁から、この底部82の垂直方向にそれぞれ立ち上がる平板状の第1壁部83、第2壁部84、第3壁部85及び第4壁部86からなる(図1参照)。なお、図1に示すように、第1壁部83及び第2壁部84が互いに対向し合い、また、第3壁部85及び第4壁部86が互いに対向し合う。
また、電池ケース80は、図2,3に示すように、底部82を含む下部80Bに、電極体10(正極板20及び負極板30)に接する貯留電解液52(後述)を保持している。
また、負極端子構造体70は、銅からなり、主として電池ケース80の内部に位置する負極内部端子部材71、同じく銅からなり、電池ケース80の外部に位置する負極外部端子部材78、及び、絶縁性樹脂のガスケット79からなる(図2参照)。
このうち、ガスケット79は、負極外部端子部材78及び負極内部端子部材71と電池ケース80との間に介在し、これらを絶縁している。また、負極内部端子部材71は、電池ケース80内で、負極板30の負極リード部38fに接合している一方、電池ケース80の封口蓋88を貫通して、負極外部端子部材78及びガスケット79を封口蓋88にかしめると共に、負極外部端子部材78に導通している。
一方、正極端子構造体60は、主として電池ケース80の内部に位置する正極内部端子構造体61、アルミニウムからなり電池ケース80の外部に位置する正極外部端子部材68、及び、絶縁性樹脂のガスケット69からなる(図2参照)。
このうち、正極内部端子構造体61は、図2,5に示すように、通電遮断機構62、かしめ部材67及び包囲部材66を有する。通電遮断機構62は、いずれもアルミニウムからなる、正極集電部材63と、平板状のダイヤフラム64と、矩形凹状の中継部材65とを有する。また、包囲部材66は、樹脂(ポリエチレン)からなり、正極集電部材63の次述する本体部63Xを包囲する。なお、この包囲部材66に設けた貫通孔66Hを通じて、電池ケース80の内圧Piがダイヤフラム64にかかる。
また、かしめ部材67は、封口蓋88を貫通してかしめ変形されて、中継部材65、正極外部端子部材68及びガスケット69を封口蓋88に結合している。かつ、これと共に、中継部材65と正極外部端子部材68とを電気的に導通している。
通電遮断機構62のうち正極集電部材63は、図2,5に示すような、矩形板状の本体部63Xと、この本体部63Xから図2,5中、下方に延出している帯板状の集電部63Yとからなる。このうち、集電部63Yは、正極板20の正極リード部28fに接合している(図2参照)。また、本体部63Xには、この本体部63X自身を貫通する2つの貫通孔63H,63Hが形成されている。さらに、図2,5に示すように、この本体部63Xを包囲部材66で包囲した状態で、2つの貫通孔63H、63Hの間には、本体部63Xの一部である露出部63Aが包囲部材66から露出している。
また、中継部材65は、その周縁部65Eにおいて、ダイヤフラム64の周縁部64Eと気密に接合している。これにより、中継部材65とダイヤフラム64とかしめ部材67とは空間Cを形成している(図5参照)。なお、本実施形態では、この空間Cは、かしめ部材67の貫通孔67Hを通じて、電池ケース80の外部と連通しているため、この空間C内は大気圧になっている。
また、ダイヤフラム64は、上述した正極集電部材63の本体部63X側に突出して、正極集電部材63の露出部63Aに当接する接触部64Aと、U字状に屈曲してなり、包囲部材66の貫通孔66Hよりも外側で接触部64Aを環状に囲む屈曲部64Dとを有する(図5,6参照)。なお、このダイヤフラム64のうち、接触部64Aを含む、屈曲部64Dに囲まれた部位は、屈曲部64Dの変形により、図5,6中、上方向に移動可能となっている。
なお、本実施形態にかかる電池1では、電池ケース80の内圧Piが高くなった場合に、通電遮断機構62は自身を流れる電流を遮断する。具体的には、例えば、電池1への過充電により、電池ケース80の内圧Piが上昇して作動圧Pf以上となった場合を考える。この場合、図6に示すように、包囲部材66の貫通孔66Hと正極集電部材63における本体部63Xの貫通孔63Hを通じて、ダイヤフラム64には、図6中、下方から電池1の内圧Piがかかる。この内圧Piが作動圧Pfを超えた場合(Pi>Pf)には、空間Cとの気圧差により、ダイヤフラム64が、図6中、上方へ持ち上がる。これにより、ダイヤフラム64の接触部64Aが、正極集電部材63の露出部63Aから離間するので、(正極外部端子部材68)−(かしめ部材67)−(中継部材65)−(ダイヤフラム64)−(正極集電部材63)の経路で電極体10に流れる電流が遮断されて、電池1の充電(過充電)が停止される。
一方、電極体10は、帯状の正極板20及び負極板30が、ポリエチレンからなる帯状のセパレータSPを介して扁平形状に捲回されてなる(図1参照)。なお、この電極体10の正極板20は前述した正極内部端子構造体61(正極集電部材63)と、負極板30は前述した負極内部端子部材71とそれぞれ接合している(図2参照)。
電極体10の正極板20は、帯状の正極箔(図示しない)のうち、一方辺に沿う正極リード部28fを残して、その両面に正極活物質層(図示しない)を担持してなる。また、負極板30は、正極板20と同様、帯状の負極箔(図示しない)のうち、一方辺に沿う負極リード部38fを残して、その両面に負極活物質層(図示しない)を担持してなる。
電極体10は、前述した電池ケース80の第1壁部83の内表面83Aと対向する平面状の対向面10Fを有している(図3参照)。なお、本実施形態にかかる電池1は、この対向面10Fと第1壁部83の内表面83Aとの間に、後述する保持部材40を配置している(図3参照)。
また、電解液50は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比でEC:DMC:EMC=3:4:3に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加し、Liイオンを1.1mol/lの濃度とした有機溶液である。
なお、この電解液50は、電極体10内に含浸された含浸電解液51と、図2,3に示すように、電極体10の外部のうち、電池ケース80の下部80Bに貯められている貯留電解液52とを含む。このうち貯留電解液52は、図3に示すように、電極体10(これをなす正極板20の一部及び負極板30の一部)と接しており、含浸電解液51と流通可能とされている。
また、ポリオレフィン系樹脂からなるスポンジ状で矩形板形状の保持部材40は、電池ケース80における第1壁部83の内表面83Aと電極体10の対向面10Fとの間に配置されている(図1,3参照)。具体的には、第1壁部83の内表面83Aに接着されている(図3参照)。
この保持部材40は、自身の内部に過充電抑制剤であるビフェニル(BP)42を含む溶液41を保持している。この溶液41は、具体的には、上述した電解液50と同様の有機溶液に、さらにBP42を4wt%溶解させた溶液である。図3に示すように、電極体10が過充電でない(満充電以下)の充電状態(SOC)では、この保持部材40が電極体10及び貯留電解液52から離間するように、電池ケース80、電極体10、保持部材40の各寸法が調整されて、保持部材40は、BP42を含む溶液41を正極板20の正極電位Vpから絶縁した状態で保持している。
但し、電池1は過充電状態になると、その電極体10が径方向外側に向けて膨張する。このため、電池1が過充電状態となると、図4に示すように、保持部材40は、膨張した電極体10の対向面10Fと第1壁部83の内表面83Aとの間に挟まれて、厚み方向(図4中、左右方向)に圧縮される。すると、BP42を含む溶液41が保持部材40から滲出し滴下あるいは流れ落ちて、貯留電解液52中に供給(混入)される(図4参照)。そして、この貯留電解液52を通じて、電極体10内の含浸電解液51中にも供給される。
なお、保持部材40から供給された電解液50中のBP42は、正極板20の正極電位Vpが反応電位Vr(=4.5V vs.Li/Li+)以上になると、酸化分解及び重合してガスを発生する。
具体的には、正極板20(正極活物質層21)の正極電位VpがBP42の反応電位Vr以上になると、電解液50に含まれるBP42のうち正極板20に接触したものが、分解(酸化分解)されてラジカルカチオンになる。さらに、このラジカルカチオン同士間で重合反応が進行し、正極板20に重合皮膜が生成されると共にプロトン(H+)が生成される。さらにプロトンは、電解液50を介して負極板30付近に移動して負極板30上で水素ガスとなり、電池ケース80内に充満する。
なお、上述したBP42の反応電位Vrは、本実施形態にかかる電池1の満充電(電池1の充電状態(SOC)がSOC100%)時の正極板20の正極満充電電位Vf(=4.1V vs.Li/Li+)よりも高い。このため、電池1が過充電状態となり、さらに正極電位VpがBP42の反応電位Vr以上となった場合に、保持部材40から供給されたBP42の酸化分解及び重合によりガスが発生する。すると、電池ケース80の内圧Piが上昇し、前述した通電遮断機構62の作動圧Pfを超えると、電極体10への通電が遮断される。
(確認試験)
ところで、本実施形態にかかる電池1の電池特性を確認するため、以下に示す試験を行った。
具体的には、まず、前述した電池1と同様の正極板20、負極板30、セパレータSPを円柱形状に捲回した電極体を、電解液50と共に電池ケースに収容して作製した18650型の電池(確認例1の電池)を用意した。なお、電池ケースのうち円筒状の壁部の内表面には、実施形態の電池1と同様にして、BP42を含む溶液41を保持したスポンジ状の保持部材40を接着して配置している。また、保持部材40と電極体との間には絶縁フィルム(図示しない)を介在させて、BP42を含む溶液41を正極板20の正極電位Vpから絶縁している。
上述した確認例1の電池をSOC40%に調整し、−30℃の温度環境下で、(株)東陽テクニカ製の電気化学インピーダンス測定装置(Solartron 1255B)を用いた交流インピーダンス法(周波数は10-4〜105Hzの範囲)により、電池のインピーダンスの値を測定した。なお、電池のインピーダンスの値は、交流インピーダンス法によって得られたナイキストプロットの半円の直径の大きさから求めた。
その他、確認例2及び比較例1〜3の各電池をそれぞれ用意した。このうち、確認例2の電池は、保持部材40と電極体との間に絶縁フィルム(図示しない)を介在させていない点でのみ、確認例1の電池とは異なる。この確認例2の電池は、保持部材40(BP42を含む溶液41)と電極体とが接する形態となっている。
また、比較例1〜3の電池はいずれも、保持部材(及び絶縁フィルム)を有していない点で、確認例1の電池とは異なる。さらに、比較例1の電池には、電解液として、BP42を2wt%含む電解液を用いた点で、また、比較例2の電池には、BP42を4wt%含む電解液を用いた点で、確認例1の電池とはそれぞれ異なる(表1参照)。なお、比較例3の電池は、確認例1及び確認例2の電池と同様、BP42を含まない電解液を用いている。
なお、確認例1及び確認例2の各電池内に存在するBP42の量は、比較例1の電池内、及び、比較例2の電池内にそれぞれ存在するBP42の量よりも少なくされている。
さらに、上述の確認例2及び比較例1〜3の各電池について、確認例1の電池と同様にして、低温における抵抗値をそれぞれ測定した。
そして、測定した各電池の抵抗値を比較例3の電池の抵抗値で割った百分率(比較例3の電池の抵抗値を基準(100%)としたときの比率(抵抗比))を表1に示す。
Figure 2013157149
表1によれば、比較例1及び比較例2の各電池の抵抗比はそれぞれ121%及び140%となった。このことから、電解液にBP42を含む電池では、低温における抵抗値が電解液にBP42を含まない電池より大きくなることが判る。しかも、電解液中のBP42の含有量が多いほど、低温における抵抗値が大きくなる。このことから、電解液中のBP42が低温の電池における抵抗を増大させる一因であることが判る。
一方、確認例1及び確認例2の各電池の抵抗比はそれぞれ100%に近い103%であり、電解液中にBP42を含まない確認例1,2及び比較例3の各電池の間では、低温における抵抗には違いが生じないことが判る。
また、前述した確認例1、確認例2及び比較例1〜3の各電池について、過充電をし続けた場合における電池の内圧Piの変化を調べた。
具体的には、まず、電池ケースの内圧Piを測るために電池ケース内に既知の圧力センサを予め配置した確認例1、確認例2及び比較例1〜3の各電池について、SOC90%にそれぞれ調整し、60℃の温度環境下で30日間静置する高温保持試験を行った。
上述の高温保持試験の後、各電池をそれぞれ満充電とし、さらに、過充電試験を行った。具体的には、25℃の温度環境下で、定電流(1C)で36分間、即ちSOC160%となるまで充電(過充電)操作を行った。そして、この過充電試験中の内圧Piの値の変化をそれぞれ観測した。この結果について図7のグラフに示す。
なお、この図7のグラフにおいて、確認例1の電池の測定結果は太線で、確認例2は細線で、比較例1は一点鎖線で、比較例2は二点鎖線で、比較例3は三点鎖線でそれぞれ示している。また、電池1における通電遮断機構62の作動圧Pfは破線で示している。
図7によれば、比較例1の電池では、過充電試験の開始から約12分経過した(SOC約120%になった)頃から、その内圧Piが上昇し始める。そして、開始から約34分経過後に、内圧Piが通電遮断機構62の作動圧Pfを超えた。また、比較例2の電池では、過充電試験の開始から約12分経過した(SOC約120%になった)頃から、その内圧Piが上昇し始めて、開始から約18分経過後に通電遮断機構62の作動圧Pfを超えた。また、比較例3の電池では、過充電試験の開始から約30分経過した(SOC約150%になった)頃から、その内圧Piが上昇し始める。しかし、試験中に(開始から約36分経過しても)内圧Piは通電遮断機構62の作動圧Pfを超えなかった。
一方、確認例1の電池は、過充電試験の開始から約12分経過した(SOC約120%になった)頃から内圧Piが上昇し始める。そして、開始から約16分経過(SOC約127%になった)頃から急激に上昇して、開始から約19分経過後に通電遮断機構62の作動圧Pfを超えた。
また、確認例2の電池は、確認例1の電池よりも内圧Piの上昇の開始時間が早いが、確認例1の電池とほぼ同じように内圧Piが上昇した。即ち、過充電試験の開始から約11分経過した(SOC約118%になった)頃から内圧Piが上昇し始め、開始から約15分経過(SOC約125%になった)頃から急激に上昇して、開始から約18分経過後に内圧Piが作動圧Pfを超えた。
比較例1,2の各電池では、過充電試験の開始から約12分経過した頃に内圧Piが上昇し始めている。このことから、試験開始から約12分経過した頃に、各電池の正極電位VpがBP42の反応電位Vrを超えたことが判る。
一方、確認例1,2の各電池でも、比較例1,2の各電池と同様、過充電試験の開始から約12分経過した頃に内圧Piが上昇し始めているので、試験開始から約12分が経過する前に、既に電極体が膨張した押圧によって保持部材40からBP42を含む溶液41が電解液に供給されていたことが判る。
また、各電池の内圧Piについてみると、確認例1及び確認例2の各電池の内圧Piは、比較例1の電池のそれよりも早く作動圧Pfに到達している。その一方、確認例1,2の各電池の内圧Piは、比較例2の電池よりも数分遅れて作動圧Pfに到達していた。
比較例1の電池では、高温保持試験中に正極電位Vpの影響を受けて、電解液中に含まれるBP42の多くが別の物質に変質したため、過充電試験時には、電解液中のBP42の量が少なくなり、BP42の分解反応及び重合反応によるガスの発生量を十分確保できなかったためと考えられる。
また、比較例2の電池でも、比較例1の電池と同様、高温保持試験中に電解液中のBP42の多くが変質したためと考えられる。
一方、確認例1及び確認例2の各電池では、高温保持試験の間、BP42は保持部材40に保持された溶液41中に存在していた。なお、確認例1の電池では、保持部材40と電極体との間に絶縁フィルムが介在する。このため、BP42を含む溶液41を正極電位Vpから絶縁することができ、BP42の変質を防止でき、BP42の酸化分解及び重合によるガスの発生量を十分確保できたと考えられる。一方、確認例2の電池では、保持部材40と電極体との間に絶縁フィルムを介在させず、保持部材40と電極体とが接していた。しかしながら、互いに接する保持部材40と電極体との間を自由に移動(拡散)できたBP42はわずかであり、ほとんどのBP42は保持部材40中に位置し、電極体中の正極板との接触がなかったため、比較例1の電池と比べると、BP42の変質をわずかに抑えることができ、ガスの発生量を確保できたと考えられる。
但し、確認例1の電池と確認例2の電池とを比較すると、確認例1の電池の内圧Piは、過充電試験の開始から約20分経過(SOC約133%になった)以降、確認例2の電池の内圧Piよりも高い値になっている。
これは、確認例2の電池では、絶縁フィルムがないために、高温保持試験中に、保持部材40内のBP42の一部が変質したのに対し、絶縁フィルムを有する確認例1の電池では、BP42の変質が防止され、より多くのガスを発生できたためと考えられる。
なお、確認例1の電池は、円筒型の電池ケース及び円筒型の電極体を用い、保持部材40と電極対との間に絶縁フィルムを介在させている点で、本実施形態にかかる電池1とは形態が異なる。しかし、電池ケースと電極体との間に保持部材40を配置している点、BP42を含む溶液41を保持した保持部材40を(確認例1の電池では絶縁フィルムで、電池1では離間により、)正極板20の正極電位Vpから絶縁している点が、実施形態の電池1と同じである。従って、前述した確認例1,2及び比較例1〜3の各電池を用いて行った確認試験(低温における抵抗値の測定試験及び過充電試験)の結果のうち、確認例1の電池に関する結果と同様な結果が、本実施形態にかかる電池1についても得られると考えられる。
以上の結果から、本実施形態にかかる電池1は、供給手段である保持部材40を備える。このため、電解液50中に予め十分な量のBP42を含ませておく必要がなく、このBP42の添加による電池特性の低下を抑えた電池1とすることができる。一方で、過充電時には、BP42が電解液50(貯留電解液52)に供給されるので、このBP42を確実に反応させることができる。
また、妨害手段である通電遮断機構62を備えるため、過充電となり正極電位Vpが反応電位Vr以上となると、電解液50中にあるBP42の反応によって、それ以降の電池1への過充電を確実に抑制することができる。
また、BP42はガス発生剤であり、通電遮断機構62はこのガス発生剤であるBP42からのガスの発生に伴う電池ケース80の内圧Piの上昇により、電極体10への通電を遮断する圧力型通電遮断機構である。このため、正極電位Vpが反応電位Vr以上となった場合にBP42を反応させて、以降の電池1への過充電を確実に抑制できる。
また、保持部材40は、前述したようにBP42を正極電位Vpから絶縁した状態で保持している(図3参照)。このため、この保持部材40に保持されているBP42(溶液41)は、電池1の通常使用時に正極電位Vpの影響を受けないので、正極電位Vpによる変質を防止できる。従って、電池1の過充電時には、変質していないBP42を確実に電解液50中に供給できる。
また、本実施形態にかかる電池1では、過充電抑制剤であるBP42が、前述した正極満充電電位Vfよりも高い反応電位Vrを有する。このため、正極電位Vpが正極満充電電位Vf以下の場合にBP42の反応を生じることがない。一方、正極電位Vpが正極満充電電位Vfを超え、さらに反応電位Vr以上となった場合に、BP42を確実に反応させることができる。
また、この電池1において保持部材40はスポンジ状の保持部材である。このため、電池1の通常使用時にはBP42を含む溶液41を保持できる一方、過充電時には電極体10の膨張による押圧で容易に圧縮されて、保持している溶液41を確実に滲出することができる。また、この電池1では、電解液50中にBP42を含む溶液41を供給するので、供給されたBP42が電解液50中に混合しやすく、BP42を電極体10の正極板20に速やかに到達させることができる。
また、この電池1では、電池ケース80が電極体10の外部に電解液50の一部の貯留電解液52を保持し、保持部材40が、BP42を貯留電解液52中に供給する。このため、この電池1では、過充電時に、電解液50のうちの貯留電解液52を通じて確実にBP42を正極板20に接触させることができる。
また、電池ケース80の第1壁部83の内表面83Aと電極体10の対向面10Fとの間に、保持部材40を配置している(図3参照)。このため、過充電による電極体10の膨張時に、第1壁部83の内表面83Aと対向面10Fとの間に保持部材40を確実に挟ませ圧縮させることができる。従って、電池1の過充電時には、保持部材40からBP42(溶液41)を電解液50中に確実に供給することができる。
次に、実施形態にかかる電池1の製造方法について説明する。
まず、それぞれ公知の手法で作製した帯状の正極板20と負極板30との間に、帯状のセパレータSPを介在させ、これらを捲回,圧縮して扁平捲回型の電極体10とした(図1参照)。
一方、それぞれ公知の手法で、前述した正極端子構造体60及び負極端子構造体70を封口蓋88に組み付けた。
そして、電極体10の正極板20(正極リード部28f)に正極内部端子構造体61(正極集電部材63)を、負極板30(負極リード部38f)に負極内部端子部材71をそれぞれ溶接した。
一方、ケース本体部材81の第1壁部83の内表面83Aに保持部材40を接着する。接着した後、シリンジを用いて、BP42を予め溶解した溶液41を保持部材40に注液する。
その後、封口蓋88、正極端子構造体60及び負極端子構造体70と一体の電極体10をケース本体部材81内に収容し、レーザ溶接を用いて、ケース本体部材81と封口蓋88とを隙間なく接合する。
その後、図示しない注液孔から電池ケース80内に電解液50を注入して、電極体10に電解液50を含浸させ、さらに電極体10の外部に貯留電解液52を貯留させた。なお、貯留電解液52と保持部材40とが離間するように、電解液50の注液量を調整する。
その後、注液孔を封止して、本実施形態にかかる電池1が完成する(図1参照)。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、供給手段の保持部材に過充電抑制剤であるBPを溶解させた溶液を保持させた。しかし、粉末や液状など過充電抑制剤のみを供給手段に保持させても良い。また、過充電抑制剤として反応電位が正極満充電電位よりも高いBPを用いたが、反応電位が正極満充電電位以下の過充電抑制剤を用いても良い。
また、実施形態では、電解液に、供給手段(保持部材40)が保持する過充電抑制剤(BP42)と同種または異種の過充電抑制剤を当初(供給手段が過充電抑制剤を供給する前)には含んでいないものとした。しかし、当初から電解液に供給手段が保持する過充電抑制剤と同種(または異種)の過充電抑制剤を含んでいても良い。但し、この場合には、電解液に含まれている過充電抑制剤は、その反応電位が正極満充電電位を超える過充電抑制剤に限られる。
1 電池(密閉型電池)
10 電極体
10F 対向面
20 正極板
30 負極板
40 保持部材(供給手段,スポンジ状保持部材,第1供給手段)
41 溶液(液体)
42 ビフェニル(過充電抑制剤)
50 電解液
51 含浸電解液
52 貯留電解液
62 通電遮断機構(妨害手段,圧力型通電遮断機構)
80 電池ケース
83 第1壁部
83A (第1壁部の)内表面
Pi 内圧
Vf 正極満充電電位
Vp 正極電位
Vr 反応電位

Claims (8)

  1. 電池ケース内に、
    正極板を有する電極体と、
    電解液と、
    上記電池ケースと上記電極体との間に介在し、過充電となった上記電極体の膨張による押圧で、上記電解液中に過充電抑制剤を供給する供給手段と、を備える
    密閉型電池。
  2. 請求項1に記載の密閉型電池であって、
    前記正極板の正極電位が前記過充電抑制剤の反応電位以上となった場合に、上記正極電位によって上記過充電抑制剤に生じる反応により、以降の前記電極体への通電を、または、通電による上記電極体内での電池反応を妨げる妨害手段を備える
    密閉型電池。
  3. 請求項2に記載の密閉型電池であって、
    前記過充電抑制剤は、
    前記正極電位が前記反応電位以上の値となった場合に、前記反応によるガスを発生するガス発生剤であり、
    前記妨害手段は、
    上記ガスの発生に伴う前記電池ケースの内圧上昇により、前記電極体への通電を遮断する圧力型通電遮断機構である
    密閉型電池。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の密閉型電池であって、
    前記供給手段は、
    前記過充電抑制剤を前記正極電位から絶縁した状態に保持してなる
    密閉型電池。
  5. 請求項1〜請求項4に記載の密閉型電池であって、
    前記過充電抑制剤は、
    正極満充電電位よりも高い反応電位を有する
    密閉型電池。
  6. 請求項1〜請求項5に記載の密閉型電池であって、
    前記供給手段は、
    前記過充電抑制剤を含む液体を保持し、前記押圧により上記液体を滲出するスポンジ状保持部材を有する
    密閉型電池。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の密閉型電池であって、
    前記電池ケースは、
    前記電極体の外部に、前記電解液の一部である貯留電解液を保持してなり、
    上記電極体は、
    負極板を有し、
    前記正極板の一部及び上記負極板の一部がそれぞれ、上記貯留電解液に接触してなり、
    前記供給手段は、
    前記過充電抑制剤を上記貯留電解液中に供給する第1供給手段である
    密閉型電池。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の密閉型電池であって、
    前記電池ケースは、
    矩形箱形状をなし、平板状の第1壁部を含み、
    上記電極体は、
    上記第1壁部の内表面と対向する平面状の対向面を有し、
    上記第1壁部と上記対向面との間に、前記供給手段を配置してなる
    密閉型電池。
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