JP2013156272A - ヘモグロビン類測定用カラム充填剤、ヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法、及び、液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定に用いられる、耐久性が高く、測定を高精度に行うことができるカラム充填剤を提供する。
【解決手段】非架橋性高分子粒子に、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、非イオン性の親水性架橋重合体に、非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させて得られた、ヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
【選択図】なし
【解決手段】非架橋性高分子粒子に、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、非イオン性の親水性架橋重合体に、非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させて得られた、ヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐久性が高く、ヘモグロビン類の測定を高精度に行うことができるヘモグロビン類測定用カラム充填剤に関する。また、本発明は、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法、及び、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いるヘモグロビン類の測定方法に関する。
ヘモグロビン類、なかでも糖化ヘモグロビン類の一種であるヘモグロビンA1cは、過去1〜2カ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映しているため、糖尿病のスクリーニング検査や糖尿病患者の血糖管理状態を把握するための検査項目として広く利用されている。ヘモグロビンA1cの測定方法として、精度が良く、短時間に測定できることから、特にHPLC法が用いられている。
臨床検査の分野においては、短時間にかつ高精度に測定できることが要求される。例えば、糖尿病患者のヘモグロビンA1c値の管理に用いられるためには、1試料当たり1〜2分での測定が可能であり、かつ、同時再現性試験のCV値が1.0%以下程度であることが必要とされる。
更に、低コストでの測定を可能とするためには、カラム耐久性が高い(カラム寿命が長い)ことも要求される。
更に、低コストでの測定を可能とするためには、カラム耐久性が高い(カラム寿命が長い)ことも要求される。
ヘモグロビンA1cを短時間かつ高精度に測定でき、低コストでの測定が可能でカラム耐久性の高いカラム充填剤には、測定対象となるヘモグロビン類の分離ピークがシャープであり、その状態を長期間にわたり維持することが必要とされる。分離ピークがブロード化すると、クロマトグラムが変形し、ヘモグロビンA1c値の測定精度を低下させ、カラム耐久性が短縮化する。
ヘモグロビンA1cを測定するためのカラム充填剤として、特許文献1及び特許文献2には、懸濁重合法により得られる、イオン交換基を有する架橋重合体が開示されている。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示されているカラム充填剤は、懸濁重合法により得られる架橋重合体であるため、粒度分布が不均一であるという問題があった。
粒度分布を均一にするためには、分級操作等を行う方法が一般的である。しかし、分級操作は煩雑であるうえにロスが非常に大きく、現行の分級操作では粒度分布幅の調整に限界がある。分級操作では、粒度分布の不均一さに由来する試料の拡散によるピークのブロード化を充分に抑制できない。
粒度分布を均一にするためには、分級操作等を行う方法が一般的である。しかし、分級操作は煩雑であるうえにロスが非常に大きく、現行の分級操作では粒度分布幅の調整に限界がある。分級操作では、粒度分布の不均一さに由来する試料の拡散によるピークのブロード化を充分に抑制できない。
粒度分布を均一にするためには、分散重合やシード重合等を用いて架橋重合体を得る方法も考えられる。しかし、ヘモグロビン類の測定に適した架橋重合体を分散重合やシード重合を用いて得ることは困難であった。
本発明は、耐久性が高く、ヘモグロビン類の測定を高精度に行うことができるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法、及び、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いるヘモグロビン類の測定方法を提供することを目的とする。
本発明1は、液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定に用いられるカラム充填剤であって、少なくとも、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を、上記単量体混合物は溶解するが上記単量体混合物を重合して得られた非イオン性の親水性架橋重合体は溶解しない溶媒中において、重合開始剤の存在下で分散重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、上記非イオン性の親水性架橋重合体に、上記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とにより製造されたものであり、上記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルであるヘモグロビン類測定用カラム充填剤である。
本発明2は、液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定に用いられるカラム充填剤であって、少なくとも、非架橋性高分子粒子に、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、上記非イオン性の親水性架橋重合体に、上記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とにより製造されたものであり、上記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルであるヘモグロビン類測定用カラム充填剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、特定の構造を有する単量体を含有する単量体混合物を重合して得られる、粒子径の均一な非イオン性の架橋性重合体を、イオン交換基を有する化合物と反応させることにより、粒度分布が均一化したヘモグロビン類測定用カラム充填剤を得ることができ、得られたカラム充填剤を用いることで、ヘモグロビン類の測定において高い測定精度及び高いカラム耐久性を発揮できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤は、非イオン性の親水性架橋重合体とイオン交換基とを有する化合物とを反応させて得られる。
上記非イオン性の親水性架橋重合体は、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を重合反応させて得られる。
上記非イオン性の親水性架橋重合体は、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を重合反応させて得られる。
上記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルである。
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
なお、本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の本発明に用いられるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)−ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール−ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の本発明に用いられるアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)−ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール−ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、ウレタン(メタ)ジアクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−5−メチル−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,11−ジ(メタ)アクリロキシ−4,8−ジオキサウンデガン−2,6,10−トリオール等が挙げられる。
上記分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非イオン性の架橋性単量体としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、アルキロールアルカン(メタ)アクリレート類が好適であり、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、及び、アルキロールアルカン(メタ)アクリレート類がより好適である。
上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。なかでも、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、及び、2級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好適であり、水酸基、エポキシ基、及び、グリシジル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることがより好適である。
上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としては、具体的には例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジアミノプロピル(メタ)アクリレート、シアノ(メタ)アクリレート、エチルアクリレート等が挙げられる。
上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体の配合量は特に限定されないが、上記非イオン性の架橋性単量体100重量部に対して、好ましい下限は10重量部、好ましい上限は100重量部である。上記非イオン性の親水性単量体の配合量が10重量部未満であると、反応性官能基量が少なくなるため、後述のイオン交換基の導入量が減少し、充分なイオン交換反応が行われない場合がある。上記非イオン性の親水性単量体の配合量が100重量部を超えると、重合反応の途中で凝集することがある。
上記単量体混合物は、更に、非イオン性の非架橋性単量体を含有してもよい。
上記単量体混合物が上記非イオン性の非架橋性単量体を含有することにより、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤の化学的性能を変化させて、ピークの分離状態を適宜変えることができる。
上記単量体混合物が上記非イオン性の非架橋性単量体を含有することにより、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤の化学的性能を変化させて、ピークの分離状態を適宜変えることができる。
上記非イオン性の非架橋性単量体は特に限定されないが、(メタ)アクリル酸エステルであることが好適であり、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル類、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキル類は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの非イオン性の非架橋性単量体は、単独で用いてもよいし、複数を併用して用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキル類は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
上記ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類は特に限定されず、例えば、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの非イオン性の非架橋性単量体は、単独で用いてもよいし、複数を併用して用いてもよい。
上記非イオン性の非架橋性単量体の配合量は特に限定されないが、上記非イオン性の架橋性単量体100重量部に対して、好ましい上限は30重量部である。上記非架橋性単量体の配合量が30重量部を超えると、得られるカラム充填剤の耐圧性や耐膨潤性が低下することがある。上記非架橋性単量体の配合量のより好ましい上限は20重量部である。
本発明1のヘモグロビン類測定用カラム充填剤における上記非イオン性の親水性架橋重合体を得る重合反応は、上記単量体混合物は溶解するが得られる非イオン性の親水性架橋重合体は溶解しない溶媒に、上記単量体混合物を溶解し、重合開始剤の存在下で重合を行う分散重合反応である。
上記溶媒は、上記単量体混合物が溶解し、得られる非イオン性の親水性架橋重合体が溶解しない液体であれば特に限定されず、上記単量体混合物の種類により適宜選択される。なかでも、アルコール類、アセトン、アセトニトリル、芳香族炭化水素類等の有機溶媒類が好適である。
上記アルコール類は特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素類は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記溶媒は、上記単量体混合物が溶解し、得られる非イオン性の親水性架橋重合体が溶解しない液体であれば特に限定されず、上記単量体混合物の種類により適宜選択される。なかでも、アルコール類、アセトン、アセトニトリル、芳香族炭化水素類等の有機溶媒類が好適である。
上記アルコール類は特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素類は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
加温、放射線照射等によって上記重合開始剤がラジカルを発生する条件にすることにより、上記重合反応を行うことができる。
上記重合開始剤は特に限定されず、水溶性又は油溶性の公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
上記過硫酸塩は特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2−アゾビスイソブヒロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる
上記重合開始剤は特に限定されず、水溶性又は油溶性の公知のラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、過硫酸塩、有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
上記過硫酸塩は特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2−アゾビスイソブヒロニトリル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる
上記重合開始剤の配合量は特に限定されないが、単量体混合物100重量部に対して、好ましい下限は0.001重量部、好ましい上限は5重量部である。上記重合開始剤の配合量が0.001重量部未満であると、重合反応が不充分となる場合や、重合反応に長時間要することがある。上記重合開始剤の配合量が5重量部を超えると、急激な反応の進行により、凝集物が発生することがある。
なお、上記重合開始剤は、上記単量体混合物に溶解させて用いることが好ましい。
なお、上記重合開始剤は、上記単量体混合物に溶解させて用いることが好ましい。
また、重合に際しては、必要に応じて、重合体にマクロポアを形成するための多孔質化剤、重合反応を制御するための各種連鎖移動剤、懸濁粒子を安定化されるための分散剤等の公知の各種添加剤を添加してもよい。
上記イオン交換基を有する化合物は、上記非イオン性の親水性架橋重合体と反応することで、上記非イオン性の親水性架橋重合体にイオン交換基を導入する役割を有する。
上記イオン交換基は、公知のイオン交換性を有する官能基を指し、カチオン交換基であってもよいし、アニオン交換基であってもよい。
上記カチオン交換基は特に限定されず、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
上記アニオン交換基は特に限定されず、例えば、3級アミノ基、4級アンモニウム基等が挙げられる。
なかでも、ヘモグロビンA1cの分離については、カチオン交換基であることが好適であり、特にスルホン酸基であることが好適である。
なお、上記イオン交換基を末端に有していれば、上記イオン交換基に付随する構造は特に限定されない。例えば、本明細書における「カルボキシル基」とは、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基等、カルボキシル基が結合する全ての官能基類を指す。
上記カチオン交換基は特に限定されず、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
上記アニオン交換基は特に限定されず、例えば、3級アミノ基、4級アンモニウム基等が挙げられる。
なかでも、ヘモグロビンA1cの分離については、カチオン交換基であることが好適であり、特にスルホン酸基であることが好適である。
なお、上記イオン交換基を末端に有していれば、上記イオン交換基に付随する構造は特に限定されない。例えば、本明細書における「カルボキシル基」とは、カルボキシエチル基、カルボキシプロピル基等、カルボキシル基が結合する全ての官能基類を指す。
本発明2のヘモグロビン類測定用カラム充填剤では、本発明1における上記重合反応によって得られる非イオン性の親水性架橋重合体の代わりに、上記重合反応と同様の単量体混合物及び重合開始剤を用い、以下の方法で行われる重合反応によって得られる非イオン性の親水性架橋重合体を用いる。すなわち、非架橋性高分子粒子に上記単量体混合物を吸収させ、重合開始剤の存在下にて重合することで、非イオン性の親水性架橋重合体が得られる。
上記非架橋性高分子は、下記単量体混合物を吸収できるものであれば、低架橋性高分子からなるものであってもよい(以下、上記非架橋性高分子及び低架橋性高分子の両者を、単に非架橋性高分子ともいう)。
上記非架橋性高分子は、非架橋性単量体を重合して得られる高分子を意味し、上記低架橋性高分子は、非架橋性単量体と少量の架橋性単量体とを共重合して得られる高分子を意味する。
なお、上記低架橋高分子において、原料となる架橋性単量体の含有量は特に限定されないが、上記非架橋性単量体100重量部に対して、好ましい上限は10重量部である。
上記非架橋性高分子は、非架橋性単量体を重合して得られる高分子を意味し、上記低架橋性高分子は、非架橋性単量体と少量の架橋性単量体とを共重合して得られる高分子を意味する。
なお、上記低架橋高分子において、原料となる架橋性単量体の含有量は特に限定されないが、上記非架橋性単量体100重量部に対して、好ましい上限は10重量部である。
上記の非架橋性高分子は、(メタ)アクリレート類の単独重合体又は共重合体であることが好ましい。これらの非架橋性高分子を構成する単量体は、(メタ)アクリレート類である上記非イオン性の非架橋性単量体又は上記非イオン性の架橋性単量体が用いられる。
上記非架橋性高分子粒子に上記単量体混合物を吸収させる方法は特に限定されず、例えば、上記非架橋性高分子粒子を単量体混合物溶液に浸漬する方法等が挙げられる。上記非架橋性高分子粒子に上記単量体混合物を吸収させる際に、有機溶媒等を添加すると、吸収効率が増大する場合がある。また、上記非架橋性高分子粒子に上記単量体混合物を吸収させる際に、上記単量体混合物と共に、本発明1と同様の重合開始剤を吸収させることもできる。
上記単量体混合物を吸収した非架橋性高分子粒子を、必要に応じて添加される分散剤等の各種の添加剤が添加された水、有機溶媒、又は、これらの混合物等の分散媒に分散させ、上記重合開始剤の存在下で加温等により重合反応を行うことにより、非イオン性の親水性架橋重合体が得られる。この際の添加剤としては、本発明1と同様の添加剤を用いることができる。
上記のいずれかの方法により得られた非イオン性の親水性架橋重合体に、該非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させることにより、本発明のカラム充填剤が得られる。
上記非イオン性の親水性架橋重合体にイオン交換基を有する化合物を反応させる方法は、公知の化学反応による技術を用いることができる。下記に例示する方法は全て公知の化学反応であり、上記非イオン性の親水性架橋重合体の分解等の反応を伴わない条件であれば、公知の反応を限定なく用いることができる。
上記非イオン性の親水性重合体の非イオン性の親水性基が水酸基である場合、例えば、ブロモエタンスルホン酸ナトリウム等のハロゲン化エタンスルホン酸や、クロロ酢酸ナトリウム等のハロゲン化酢酸等を、上記イオン交換基を有する化合物として用いれば、これらの化合物を水酸化アルカリ水溶液中で反応させることにより、上記非イオン性の親水性重合体に上記イオン交換基を導入することができる。
上記非イオン性の親水性重合体の非イオン性の親水性基が水酸基である場合、例えば、イオン交換基を有するアルデヒド化合物を上記イオン交換基を有する化合物として用いれば、酸触媒下にてアセタール反応をさせることにより、上記非イオン性の親水性重合体に上記イオン交換基を導入することができる。
上記非イオン性の親水性重合体の非イオン性の親水性基が水酸基である場合、例えば、トリカルバニル酸、ブタンテトラカルボン酸等の多官能カルボン化合物を上記イオン交換基を有する化合物として用いれば、水酸基の脱水反応によるエステル化反応をさせることにより、上記非イオン性の親水性重合体に上記イオン交換基を導入することができる。
上記非イオン性の親水性重合体の非イオン性の親水性基が水酸基である場合、例えば、1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン等を上記イオン交換基を有する化合物として用いれば、これらの化合物を水酸化アルカリ水溶液中又は水酸化アルカリの有機溶媒溶液中で反応させることにより、上記非イオン性の親水性重合体にスルホン酸基を導入することができる。
上記非イオン性の親水性重合体の非イオン性の親水性基がエポキシ基、グリシジル基、又は、アミノ基である場合、例えば、非イオン性の親水性重合体に、エピクロルヒドリンやトリグリシジルエーテル等のエポキシ化合物を水酸化アルカリ水溶液中又は水酸化アルカリの有機溶媒溶液中で反応させてエポキシ化した後、硫酸ナトリウムやタウリン、グリコール酸等のカチオン交換基を有する化合物を反応させる方法や、三フッ化ホウ素エーテラートを結合した後、亜硫酸ナトリウム水溶液中で加熱処理する方法等により上記非イオン性の親水性重合体に上記イオン交換基を導入することができる。同様に、水酸化アルカリ水溶液中又は水酸化アルカリの有機溶媒溶液中に塩酸2−クロロトリエチルアミン水溶液を添加することにより、3級アミノ基を導入することができる。
なお、上記非イオン性の親水性架橋重合体がエポキシ基やグリシジル基を有する場合には、そのままイオン交換基を有する化合物と反応させてもよい。
なお、上記非イオン性の親水性架橋重合体がエポキシ基やグリシジル基を有する場合には、そのままイオン交換基を有する化合物と反応させてもよい。
本発明のカラム充填剤の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は50μmである。上記平均粒子径が上記範囲外であると、ヘモグロビン類のピークがブロードになり易くなり、特に長期間使用した場合のブロード化現象が顕著になって測定精度が低下することがある。上記非イオン性の親水性架橋重合体の平均粒子径のより好ましい下限は1μm、より好ましい上限は20μmである。
本発明のカラム充填剤の粒子径のCV値は特に限定されないが、好ましい上限は10%である。上記粒子径のCV値が10%を超えると、ヘモグロビン類のピークがブロードになり易くなり、特に長期間使用した場合のブロード化現象が顕著になって測定精度が低下することがある。上記粒子径のCV値のより好ましい上限は5%である。
なお、本明細書において粒子径のCV値とは、下記式(1)により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(σ/Dn)×100 (1)
上記式(1)中、σは粒子径の標準偏差を表し、Dnは平均粒子径を表す。
なお、本明細書において粒子径のCV値とは、下記式(1)により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(σ/Dn)×100 (1)
上記式(1)中、σは粒子径の標準偏差を表し、Dnは平均粒子径を表す。
ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を製造する方法であって、少なくとも、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を、上記単量体混合物は溶解するが上記単量体混合物を重合して得られた非イオン性の親水性架橋重合体は溶解しない溶媒中において、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、上記非イオン性の親水性架橋重合体に、上記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とを有するものであり、上記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルであるヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法もまた、本発明の1つである。
ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を製造する方法であって、少なくとも、非架橋性高分子粒子に非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、上記非イオン性の親水性架橋重合体に、上記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とを有するものであり、上記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、上記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルであるヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いる液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法もまた、本発明の1つである。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を充填したカラムを、溶離液送液用のポンプ、サンプラ、検出器等を備えた公知のHPLCシステムに接続し、血液試料を用いることで ヘモグロビンA1cの測定を行なうことができる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を充填したカラムを、溶離液送液用のポンプ、サンプラ、検出器等を備えた公知のHPLCシステムに接続し、血液試料を用いることで ヘモグロビンA1cの測定を行なうことができる。
本発明のヘモグロビンA1cの測定方法に用いる溶離液は特に限定されないが、公知の緩衝液を用いることが好ましい。
上記緩衝液は特に限定されず、例えば、有機酸及び有機酸の塩類、アミノ酸類、無機酸及びその塩類、グッドの緩衝液類等が挙げられる。
上記有機酸は特に限定されず、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は特に限定されず、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
上記無機酸は特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
また、上記緩衝液は、必要に応じて、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物等を適宜添加してもよい。
上記緩衝液は特に限定されず、例えば、有機酸及び有機酸の塩類、アミノ酸類、無機酸及びその塩類、グッドの緩衝液類等が挙げられる。
上記有機酸は特に限定されず、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は特に限定されず、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
上記無機酸は特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
また、上記緩衝液は、必要に応じて、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物等を適宜添加してもよい。
上記緩衝液の塩濃度は特に限定されないが、好ましい下限は10mmol/L、好ましい上限は1000mmol/Lである。上記緩衝液の塩濃度が10mmol/L未満であると、イオン交換反応が行なわれず、ヘモグロビン類を分離することができなくなることがある。上記緩衝液の塩濃度が1000mmol/Lを超えると、塩が析出しシステムに悪影響を及ぼすことがある。
本発明のヘモグロビンA1cの測定方法を用いれば、ヘモグロビンA1cに加えて、ヘモグロビンAo、ヘモグロビンA1a、ヘモグロビンA1b、ヘモグロビンF(胎児性ヘモグロビン)、ヘモグロビンA2等のヘモグロビン類を分離することができる。
また、上記のヘモグロビン類に加えて、異常ヘモグロビン類を測定することができる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いる液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法もまた、本発明の1つである。
上記異常ヘモグロビン類としては、具体的には例えば、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC等が挙げられる。
また、上記のヘモグロビン類に加えて、異常ヘモグロビン類を測定することができる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いる液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法もまた、本発明の1つである。
上記異常ヘモグロビン類としては、具体的には例えば、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC等が挙げられる。
本発明によれば、耐久性が高く、ヘモグロビン類の測定を高精度に行うことができるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することができる。また、本発明によれば、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法、及び、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いるヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)200g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.5μm、粒子径のCV値は1.3%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)200g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.5μm、粒子径のCV値は1.3%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
得られたヘモグロビンA1c分離カラムを、HPLCシステム(島津製作所社製、「LC−10A」)に接続した。測定試料として、フッ化ナトリウム採血した健常人血液を0.05%のTritonX−100を含むリン酸緩衝液(pH6.8)により200倍に溶血希釈した試料を用いた。溶離液としては、200mmol/Lのリン酸緩衝液(溶離液A、pH5.3)、及び、400mmol/Lのリン酸緩衝液(溶離液B、pH7.5)の2種を用い、流速1.0mLで送液して溶離液Aから溶離液Bへのステップワイズグラジエント法により分離し、415nmの吸光度を測定して図1のクロマトグラムを得た。図1中、ピーク1がヘモグロビンA1c、ピーク2がヘモグロビンAoである。ヘモグロビンA1cが他のヘモグロビン分画と短時間内で良好に分離された。
(実施例2)
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)350gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(日本油脂社製)100gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.0μm、粒子径のCV値は1.1%であった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)350gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(日本油脂社製)100gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.0μm、粒子径のCV値は1.1%であった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
(実施例3)
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.3μmのポリメチルメタクリレート粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.2μm、粒子径のCV値は2.6%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.3μmのポリメチルメタクリレート粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.2μm、粒子径のCV値は2.6%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
(実施例4)
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製)5gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.27μmのメチルメタクリレート−トリエチレングリコールジメタクリレート共重合体粒子(架橋度5%)50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.0μm、粒子径のCV値は2.1%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製)5gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.27μmのメチルメタクリレート−トリエチレングリコールジメタクリレート共重合体粒子(架橋度5%)50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.0μm、粒子径のCV値は2.1%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図1と同様のクロマトグラムを得た。
(比較例1)
本比較例では、実施例2の充填剤を構成する単量体を用いて、従来技術である懸濁重合法により、架橋重合体を調製した後、イオン交換基を導入する方法の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(和光純薬工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(和光純薬工業社製)50gとを混合し、得られた混合物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、4%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液5Lに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、12時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、架橋重合体を得た。
得られた架橋重合体50gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は6.5μm、粒子径のCV値は15.3%であった。懸濁重合法を用いたため、均一な粒子径の充填剤は得られなかった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2のクロマトグラムを得た。図2中、ピーク1がヘモグロビンA1c、ピーク2がヘモグロビンAoである。実施例2のカラム充填剤を用いて得られたクロマトグラム(図1と同様)よりも測定時間を延長したにも関わらず、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
本比較例では、実施例2の充填剤を構成する単量体を用いて、従来技術である懸濁重合法により、架橋重合体を調製した後、イオン交換基を導入する方法の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてテトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300gと、非イオン性の非架橋性単量体としてエチレングリコールモノメタクリレート(和光純薬工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリシジルメタクリレート(和光純薬工業社製)50gとを混合し、得られた混合物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、4%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液5Lに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、12時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、架橋重合体を得た。
得られた架橋重合体50gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は6.5μm、粒子径のCV値は15.3%であった。懸濁重合法を用いたため、均一な粒子径の充填剤は得られなかった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2のクロマトグラムを得た。図2中、ピーク1がヘモグロビンA1c、ピーク2がヘモグロビンAoである。実施例2のカラム充填剤を用いて得られたクロマトグラム(図1と同様)よりも測定時間を延長したにも関わらず、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
(比較例2)
本比較例では、従来技術である懸濁重合法により、架橋性単量体とイオン交換基を有する単量体を共重合する方法、すなわち、実施例1における反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を用いた懸濁重合法の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gの混合物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、4重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液5Lに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、1時間重合反応を行なった。30℃に冷却した後、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)100gを反応系に添加し、再び80℃に加温して1時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、カラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は7.6μm、粒子径のCV値は21.3%であった。懸濁重合法を用いたため、均一な粒子径の充填剤は得られなかった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離は不良であった。
本比較例では、従来技術である懸濁重合法により、架橋性単量体とイオン交換基を有する単量体を共重合する方法、すなわち、実施例1における反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を用いた懸濁重合法の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gの混合物に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、4重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液5Lに溶解し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、1時間重合反応を行なった。30℃に冷却した後、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)100gを反応系に添加し、再び80℃に加温して1時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、カラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は7.6μm、粒子径のCV値は21.3%であった。懸濁重合法を用いたため、均一な粒子径の充填剤は得られなかった。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離は不良であった。
(比較例3)
本比較例では、実施例1における、非イオン性の親水性架橋重合体を構成する単量体を、本発明の範囲外のものに変更して得られた充填剤の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジビニルベンゼン(ナカライテスク社製)200gと、非イオン性の非架橋性単量体としてスチレン(新中村化学工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.2μm、粒子径のCV値は2.0%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
本比較例では、実施例1における、非イオン性の親水性架橋重合体を構成する単量体を、本発明の範囲外のものに変更して得られた充填剤の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジビニルベンゼン(ナカライテスク社製)200gと、非イオン性の非架橋性単量体としてスチレン(新中村化学工業社製)50gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の親水性架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の親水性架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は3.2μm、粒子径のCV値は2.0%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
(比較例4)
本比較例では、実施例1における反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)200g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gと、イオン交換基(スルホン酸基)を有する単量体として2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.5μm、粒子径のCV値は18.0%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
本比較例では、実施例1における反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)200g及びトリメチロールエタントリアクリレート(新中村化学工業社製)50gと、イオン交換基(スルホン酸基)を有する単量体として2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)50gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、24時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.5μm、粒子径のCV値は18.0%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
(比較例5)
本比較例では、実施例3における非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を、非架橋性高分子粒子に吸収させる単量体として用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、イオン交換基を有する単量体として2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.3μmのポリメチルメタクリレート粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、重合反応を行おうとしたが、重合反応中に凝集塊が発生し、重合体が粒子として得られなかった。
本比較例では、実施例3における非イオン性の親水性単量体の代わりに、イオン交換基を有する単量体を、非架橋性高分子粒子に吸収させる単量体として用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてトリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)20gと、イオン交換基を有する単量体として2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成化学社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.3μmのポリメチルメタクリレート粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、重合反応を行おうとしたが、重合反応中に凝集塊が発生し、重合体が粒子として得られなかった。
(比較例6)
本比較例では、実施例4におけるメチルメタクリレート−トリエチレングリコールジメタクリレート共重合体粒子の代わりにポリスチレンを非架橋性高分子粒子として用い、テトラエチレングリコールジメタクリレートの代わりにジビニルベンゼンを非イオン性の架橋性単量体としてとして用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジビニルベンゼン(新中村化学工業社製)20gと、非イオン性の非架橋性単量体としてスチレン(日本油脂社製)5gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.27μmのポリスチレン粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.0μm、粒子径のCV値は3.2%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
本比較例では、実施例4におけるメチルメタクリレート−トリエチレングリコールジメタクリレート共重合体粒子の代わりにポリスチレンを非架橋性高分子粒子として用い、テトラエチレングリコールジメタクリレートの代わりにジビニルベンゼンを非イオン性の架橋性単量体としてとして用いた例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジビニルベンゼン(新中村化学工業社製)20gと、非イオン性の非架橋性単量体としてスチレン(日本油脂社製)5gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてグリセリンメタクリレート(日本油脂社製)5gとを混合し、得られた混合物に重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(ナカライテスク社製)0.2gを添加して溶解し、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液1Lに微分散させた。
この溶液に、非架橋性高分子粒子として平均粒子径0.27μmのポリスチレン粒子50gを分散させた、0.3%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液200mLを添加した。更に4%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液300mLを添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃に加温し、10時間重合反応を行なった。得られた重合体をイオン交換水及びアセトンで洗浄することにより、非イオン性の架橋重合体を得た。
得られた非イオン性の架橋重合体50gを、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液100mLに分散させ、室温において、エピクロルヒドリン40gを添加し、5時間反応させた。得られたエポキシ化重合体40gを20重量%の硫酸ナトリウム水溶液に分散させ、80℃で20時間反応させた。得られた反応物をイオン交換水で洗浄し、スルホン酸基が導入されたカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒子径は4.0μm、粒子径のCV値は3.2%であった。
得られた充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製した。
実施例1と同様の方法により、健常人血液を測定したところ、図2と同様のクロマトグラムが得られ、ヘモグロビンA1cの分離が不良であった。
(比較例7)
本比較例では、実施例1における、非イオン性の親水性架橋重合体を構成する単量体を、本発明の範囲外のものに変更して得られた充填剤の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジエチレングリコールジビニルエーテル(和光純薬社製)300gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてアリルグリシジルエーテル(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、重合反応を行おうとしたが、重合反応中に凝集塊が発生し、重合体が粒子として得られなかった。
本比較例では、実施例1における、非イオン性の親水性架橋重合体を構成する単量体を、本発明の範囲外のものに変更して得られた充填剤の例を示す。
非イオン性の架橋性単量体としてジエチレングリコールジビニルエーテル(和光純薬社製)300gと、反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体としてアリルグリシジルエーテル(日本油脂社製)50gとを混合し、得られた混合物に、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬工業社製)1.0gを溶解した。得られた単量体混合物を、5Lのエチルアルコールに溶解させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃に加温し、重合反応を行おうとしたが、重合反応中に凝集塊が発生し、重合体が粒子として得られなかった。
(修飾ヘモグロビン類の分離性能評価)
得られたカラム充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製し、HPLCシステム(島津製作所社製、LC−10A)に接続した。
修飾ヘモグロビン類としては、レイバイルヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を、公知の方法により調製した。
すなわち、試料Lは、健常人血液にグルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血液にアセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血液にシアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
上記修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)、及び、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血液(非修飾品)を、実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて測定し、各カラム充填剤の分離性能を評価した。分離性能の評価は、修飾ヘモグロビン試料のヘモグロビンA1c値から非修飾品のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより行なった。得られたΔ値を表1に示す。
得られたカラム充填剤を、内径3mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビンA1c分離カラムを調製し、HPLCシステム(島津製作所社製、LC−10A)に接続した。
修飾ヘモグロビン類としては、レイバイルヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を、公知の方法により調製した。
すなわち、試料Lは、健常人血液にグルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血液にアセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血液にシアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
上記修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)、及び、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血液(非修飾品)を、実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて測定し、各カラム充填剤の分離性能を評価した。分離性能の評価は、修飾ヘモグロビン試料のヘモグロビンA1c値から非修飾品のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより行なった。得られたΔ値を表1に示す。
表1より、実施例で得られたカラム充填剤を用いた場合のΔ値はいずれも0.2%以下であり、修飾ヘモグロビン類が含まれる試料においても、正確にヘモグロビンA1cが測定できることが判った。一方、比較例のカラム充填剤を用いた場合では、修飾ヘモグロビンが存在すると、ヘモグロビンA1c値が大きく変動し、ヘモグロビンA1c値を正確に測定することができなかった。
(異常ヘモグロビン類の分離性能評価)
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、異常ヘモグロビンとしてヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)の測定を行った。
実施例1で得られたカラム充填剤を用いて測定し、得られたクロマトグラムを図3に示す。図3中、ピーク1はヘモグロビンA1c、ピーク2はヘモグロビンAo、ピーク3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、ピーク4はヘモグロビンS、ピーク5はヘモグロビンCを示す。図3より、実施例1で得られたカラム充填剤を用いて異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離することができた。実施例2、3及び4で得られたカラム充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例のカラム充填剤を用いて測定した場合、ヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、異常ヘモグロビンとしてヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)の測定を行った。
実施例1で得られたカラム充填剤を用いて測定し、得られたクロマトグラムを図3に示す。図3中、ピーク1はヘモグロビンA1c、ピーク2はヘモグロビンAo、ピーク3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、ピーク4はヘモグロビンS、ピーク5はヘモグロビンCを示す。図3より、実施例1で得られたカラム充填剤を用いて異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離することができた。実施例2、3及び4で得られたカラム充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例のカラム充填剤を用いて測定した場合、ヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。
(ヘモグロビンA2の分離性能評価)
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、ヘモグロビンA2を含む試料としてA2コントロール(レベル2)(バイオラッド社製)を測定した。
実施例1で得られたカラム充填剤を用いて測定し、得られたクロマトグラムを図4に示す。図4中、ピーク1はヘモグロビンA1c、ピーク2はヘモグロビンAo、ピーク3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、ピーク6はヘモグロビンA2を示す。図4より、実施例1で得られたカラム充填剤を用いてヘモグロビンA2を良好に分離することができた。実施例2、3及び4で得られたカラム充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例のカラム充填剤を用いて測定した場合、ヘモグロビンA2を分離することはできなかった。
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、ヘモグロビンA2を含む試料としてA2コントロール(レベル2)(バイオラッド社製)を測定した。
実施例1で得られたカラム充填剤を用いて測定し、得られたクロマトグラムを図4に示す。図4中、ピーク1はヘモグロビンA1c、ピーク2はヘモグロビンAo、ピーク3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、ピーク6はヘモグロビンA2を示す。図4より、実施例1で得られたカラム充填剤を用いてヘモグロビンA2を良好に分離することができた。実施例2、3及び4で得られたカラム充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例のカラム充填剤を用いて測定した場合、ヘモグロビンA2を分離することはできなかった。
(カラム耐久性の評価)
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、同一の健常人血液試料を連続測定し、ヘモグロビンA1c値の推移を確認した。結果を図5に示す。
実施例で得られたカラム充填剤では、3000回測定においても測定値が変化しなかったが、比較例のカラム充填剤を用いた場合は、測定値が低下し、カラム寿命が短いことが確認された。
実施例及び比較例で得られたカラム充填剤を用いて、同一の健常人血液試料を連続測定し、ヘモグロビンA1c値の推移を確認した。結果を図5に示す。
実施例で得られたカラム充填剤では、3000回測定においても測定値が変化しなかったが、比較例のカラム充填剤を用いた場合は、測定値が低下し、カラム寿命が短いことが確認された。
本発明によれば、耐久性が高く、ヘモグロビン類の測定を高精度に行うことができるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することができる。また、本発明によれば、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法、及び、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いるヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
Claims (4)
- 液体クロマトグラフィーによるヘモグロビン類の測定に用いられるカラム充填剤であって、
少なくとも、非架橋性高分子粒子に、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、
前記非イオン性の親水性架橋重合体に、前記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とにより製造されたものであり、
前記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、前記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルである
ことを特徴とするヘモグロビン類測定用カラム充填剤。 - ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を製造する方法であって、
少なくとも、非架橋性高分子粒子に、非イオン性の架橋性単量体と反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体とを含有する単量体混合物を吸収させた後、重合開始剤の存在下で重合することにより非イオン性の親水性架橋重合体を得る工程と、
前記非イオン性の親水性架橋重合体に、前記非イオン性の親水性架橋重合体が有する反応性官能基と反応するイオン交換基を有する化合物を反応させてカラム充填剤を得る工程とを有するものであり、
前記非イオン性の架橋性単量体は、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、及び、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類からなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステルであり、かつ、前記反応性官能基を有する非イオン性の親水性単量体は、水酸基、エポキシ基、グリシジル基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、及び、アルデヒド基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルである
ことを特徴とするヘモグロビン類測定用カラム充填剤の製造方法。 - 請求項1記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法。
- 請求項1記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法。
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JP2004083561A (ja) * | 2002-04-11 | 2004-03-18 | Mitsubishi Chemicals Corp | リポ蛋白質分離用イオン交換体及びそれを用いたリポ蛋白質の分離方法 |
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Patent Citations (3)
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