JP2011209040A - ヘモグロビン類測定用カラム充填剤、ヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン測定用カラム充填剤を提供する。また、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法を提供する。
【解決手段】液体クロマトグラフィーによりヘモグロビン類を測定するために用いられるカラム充填剤であって、平均粒径値が1〜30μmであり、粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つ以上存在し、かつ、前記度数分布のピークのうち、最大粒径を示すピークの粒径値が、最小粒径を示すピークの粒径値の1.1〜3.0倍であるヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
【選択図】なし
【解決手段】液体クロマトグラフィーによりヘモグロビン類を測定するために用いられるカラム充填剤であって、平均粒径値が1〜30μmであり、粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つ以上存在し、かつ、前記度数分布のピークのうち、最大粒径を示すピークの粒径値が、最小粒径を示すピークの粒径値の1.1〜3.0倍であるヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン類測定用カラム充填剤に関する。また、本発明は、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法に関する。
臨床検査の分野においては、糖尿病診断の指標としてヘモグロビンA1cの測定が汎用的に行なわれている。ヘモグロビンA1cは、液体クロマトグラフィー、免疫法、酵素法等により測定されているが、なかでも液体クロマトグラフィーは精度が良く、短時間に測定できるため、特に糖尿病患者のヘモグロビンA1c値の管理に用いられている。
液体クロマトグラフィーでヘモグロビンA1cを測定する際、ヘモグロビンA1cを短時間かつ高精度に測定でき、しかもカラム耐久性を高くする(カラム寿命を長くする)ために、カラム充填剤に必要な要件の1つは、測定初期において分離性能が良いこと、及び圧力の変動が少ないことである。測定初期の分離性能が悪いと、測定値が変化しやすく、ヘモグロビンA1c値の測定精度が低下する。また、圧力が変動すると、得られるクロマトグラムが変形してヘモグロビンA1c値の測定精度が低下する。その結果、カラム耐久性が低くなり、カラム寿命が短くなる。
このような測定値の変動を抑制し、カラム寿命を長くする方法としては、カラム充填剤に用いられる充填剤粒子の粒径を小さくし、より均一にする方法が挙げられる。例えば、特許文献1には、粒径が3〜4μmの微小な充填剤を用いてヘモグロビン類を測定する方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている方法により得られたカラムは、カラム圧力が3.9〜5.9MPaと大きいため、耐圧性に優れた装置を必要とするという問題がある。
特許文献2には、シード重合法を用いて粒径の揃った充填剤粒子を調製する方法が開示されている。特許文献2に開示されている方法で調製した充填剤粒子を用いた場合、優れた分離性能を示すことができるとされている。しかしながら、通常、シード重合法では平均粒径値が最大でも5μm程度の粒子しか得られないため、充填剤粒子として用いた場合、カラム圧力が増大する。また、調製方法が煩雑であり、製造再現性が悪いという問題がある。
臨床検査の現場においては、ヘモグロビンA1c等のヘモグロビン類を、短時間で高精度に測定したいという強い要望がある。従って、ヘモグロビン類を測定するための、液体クロマトグラフィーに用いられるカラム充填剤としては、簡便に調製でき、より高い分離性能とより長いカラム寿命を有するものが要望されている。
本発明は、ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法を提供することを目的とする。
本発明は、液体クロマトグラフィーによりヘモグロビン類を測定するために用いられるカラム充填剤であって、平均粒径値が1〜30μmであり、粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つ以上存在し、かつ、上記度数分布のピークのうち、最大粒径を示すピークの粒径値が、最小粒径を示すピークの粒径値の1.1〜3.0倍であるヘモグロビン類測定用カラム充填剤である。
また、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法も本発明の1つである。
更に、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法も本発明の1つである。
以下に本発明を詳述する。
また、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法も本発明の1つである。
更に、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法も本発明の1つである。
以下に本発明を詳述する。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤(以下、単に充填剤ともいう)は、粒子状の充填剤からなる。
本発明の充填剤の平均粒径値の下限は1μm、上限は30μmである。充填剤の平均粒径値が1μm未満であると、溶離液をカラムに流すために必要となる圧力が増大し、液体クロマトグラフィーの装置に耐圧性付与のための特殊な部品等が必要となる。充填剤の平均粒径値が30μmを超えると、カラム内の空隙率が増大し、試料が拡散しやすくなり、ピークがブロード化すること等により測定精度が低下する。本発明の充填剤の平均粒径値の好ましい下限は2μm、好ましい上限は25μmであり、より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、本明細書において上記平均粒径値は、個数カウント法の原理に基づく粒度分布測定装置により得られた測定結果によるものである。ただし、他の測定原理に基づく測定装置であっても、個数カウント法の原理との相関又はキャリブレーションが成されている装置であれば用いることができ、このような装置としては、例えば、遠心沈降法、動的光散乱法、レーザー回折光散乱法、超音波減衰法、キャピラリー法、コールター法等の公知の原理に基づく装置等が挙げられる。
本発明の充填剤の平均粒径値の下限は1μm、上限は30μmである。充填剤の平均粒径値が1μm未満であると、溶離液をカラムに流すために必要となる圧力が増大し、液体クロマトグラフィーの装置に耐圧性付与のための特殊な部品等が必要となる。充填剤の平均粒径値が30μmを超えると、カラム内の空隙率が増大し、試料が拡散しやすくなり、ピークがブロード化すること等により測定精度が低下する。本発明の充填剤の平均粒径値の好ましい下限は2μm、好ましい上限は25μmであり、より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は20μmである。
なお、本明細書において上記平均粒径値は、個数カウント法の原理に基づく粒度分布測定装置により得られた測定結果によるものである。ただし、他の測定原理に基づく測定装置であっても、個数カウント法の原理との相関又はキャリブレーションが成されている装置であれば用いることができ、このような装置としては、例えば、遠心沈降法、動的光散乱法、レーザー回折光散乱法、超音波減衰法、キャピラリー法、コールター法等の公知の原理に基づく装置等が挙げられる。
本発明の充填剤は、粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピーク(以下、単に粒度分布のピークともいう)が2つ以上存在する。上記粒度分布のピークが2つある充填剤の粒度分布図の一例を図1に示す。図1は、一般的な粒度分布測定装置を用いて測定を行った際に得られる度数分布図であり、図1において、グラフの横軸は粒径値、縦軸は各粒径値における度数を示している。図1では、約14μmのところにピーク11があり、約10μmのところにピーク12がある。
本発明の充填剤は、上記粒度分布のピークを2つ〜4つ有することが好ましく、2つ有することがより好ましい。
なお、本明細書において上記ピークとは、隣接する左右の測定点よりも度数の大きい測定点を意味する。即ち、上記粒度分布のピークとは、図1のような粒度分布を示すグラフにおける各山の頂点のことである。
本発明の充填剤は、上記粒度分布のピークを2つ〜4つ有することが好ましく、2つ有することがより好ましい。
なお、本明細書において上記ピークとは、隣接する左右の測定点よりも度数の大きい測定点を意味する。即ち、上記粒度分布のピークとは、図1のような粒度分布を示すグラフにおける各山の頂点のことである。
本発明の充填剤において、上記粒度分布のピークのうち、最小粒径を示すピークの粒径値に対する最大粒径を示すピークの粒径値の比率(最大粒径を示すピークの粒径値/最小粒径を示すピークの粒径値、以下、ピークの粒径値の倍率ともいう)の下限は1.1、上限は3.0である。例えば、図1の場合、図中のピーク11が最大粒径を示すピーク、ピーク12が最小粒径を示すピークである。ピークの粒径値の倍率が1.1未満の場合、これらのピークを有する充填剤は単一ピークを有する充填剤と同等の挙動を示す。即ち、平均粒径値が小さい場合は圧力が高くなり、平均粒径値が大きい場合は分離性能が悪化する。ピークの粒径値の倍率が3.0を超える場合は、粒度分布幅が広くなりすぎて、分離性能が悪化する。ピークの粒径値の倍率の好ましい下限は1.2、好ましい上限は2.5である。
なお、本明細書において上記粒度分布は、個数カウント法(単一粒子光学検知法)の原理に基づく粒度分布測定装置により得られた体積分布の測定結果によるものである。ただし、他の測定原理に基づく測定装置であっても、個数カウント法の原理との相関又はキャリブレーションが成されている装置であれば用いることができ、このような装置としては、例えば、遠心沈降法、動的光散乱法、レーザー回折光散乱法、超音波減衰法、キャピラリー法、コールター法等の公知の原理に基づく装置等が挙げられる。
なお、本明細書において上記粒度分布は、個数カウント法(単一粒子光学検知法)の原理に基づく粒度分布測定装置により得られた体積分布の測定結果によるものである。ただし、他の測定原理に基づく測定装置であっても、個数カウント法の原理との相関又はキャリブレーションが成されている装置であれば用いることができ、このような装置としては、例えば、遠心沈降法、動的光散乱法、レーザー回折光散乱法、超音波減衰法、キャピラリー法、コールター法等の公知の原理に基づく装置等が挙げられる。
本発明の充填剤を製造する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、粒度分布が単一ピークを有する2種以上の充填剤を、上述した条件に適合するように混合する方法、複数のピークを有する充填剤を重合により得る方法等が挙げられる。
本発明の充填剤の素材としては、シリカ系、セラミックス系、ガラス系等の無機系素材、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー等の有機合成系素材等、公知の充填剤の素材を用いることができる。なかでも、有機合成系素材を用いることが好ましく、アクリル系ポリマーを主成分とすることがより好ましい。
なお、本明細書において「アクリル系」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有することを意味し、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
なお、本明細書において「アクリル系」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有することを意味し、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」を意味する。
上記アクリル系ポリマーを素材とした場合の充填剤の製造方法としては、アクリル系モノマーを公知の重合法により重合する方法を用いることができる。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類等の、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋性のアクリル系モノマー等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、上記架橋性のアクリル系モノマーを重合する方法や、上記架橋性のアクリル系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の非架橋性のアクリル系モノマーとを共重合する方法等により調製することができる。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類等の、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋性のアクリル系モノマー等が挙げられる。
上記アクリル系ポリマーは、上記架橋性のアクリル系モノマーを重合する方法や、上記架橋性のアクリル系モノマーと、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の非架橋性のアクリル系モノマーとを共重合する方法等により調製することができる。
本発明の充填剤は、イオン交換基を有することが好ましい。
上記イオン交換基としては、カチオン交換基であることが好ましく、スルホン酸基であることがより好ましい。上記イオン交換基を有する充填剤は、例えば、充填剤の主成分を上記アクリル系ポリマーとする場合、アクリル系モノマーとイオン交換基を有する単量体とを重合してアクリル系ポリマーを調製する方法、アクリル系ポリマーを調製した後にイオン交換基を導入する方法等、公知の方法により調製することができる。
上記イオン交換基としては、カチオン交換基であることが好ましく、スルホン酸基であることがより好ましい。上記イオン交換基を有する充填剤は、例えば、充填剤の主成分を上記アクリル系ポリマーとする場合、アクリル系モノマーとイオン交換基を有する単量体とを重合してアクリル系ポリマーを調製する方法、アクリル系ポリマーを調製した後にイオン交換基を導入する方法等、公知の方法により調製することができる。
本発明の充填剤を用いれば、液体クロマトグラフィーによって種々のヘモグロビン類を測定することができる。具体的には、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いれば、液体クロマトグラフィーにより、ヘモグロビンA0、ヘモグロビンA1c、ヘモグロビンF(胎児性ヘモグロビン)やヘモグロビンA2を測定することができる。本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法もまた、本発明の一つである。
更に、本発明の充填剤を用いれば、一般に異常ヘモグロビンと呼ばれるヘモグロビン類の一部を測定することもできる。本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビンの測定方法もまた、本発明の一つである。
本発明のヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビンの測定方法により測定できる異常ヘモグロビン類としては、例えば、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE等が挙げられる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いて液体クロマトグラフィーによりヘモグロビンA1c等のヘモグロビン類の測定を行なう場合には、溶離液送液用のポンプ、サンプラ、検出器等を備えた公知の液体クロマトグラフィーシステムに、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を充填したカラムを接続し、血液試料中のヘモグロビン類の測定を行なうことができる。
更に、本発明の充填剤を用いれば、一般に異常ヘモグロビンと呼ばれるヘモグロビン類の一部を測定することもできる。本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビンの測定方法もまた、本発明の一つである。
本発明のヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビンの測定方法により測定できる異常ヘモグロビン類としては、例えば、ヘモグロビンS、ヘモグロビンC、ヘモグロビンD、ヘモグロビンE等が挙げられる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いて液体クロマトグラフィーによりヘモグロビンA1c等のヘモグロビン類の測定を行なう場合には、溶離液送液用のポンプ、サンプラ、検出器等を備えた公知の液体クロマトグラフィーシステムに、本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を充填したカラムを接続し、血液試料中のヘモグロビン類の測定を行なうことができる。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いた液体クロマトグラフィーに用いられる溶離液としては、公知の塩化合物を含む緩衝液類や有機溶媒類を用いることが好ましく、具体的には例えば、有機酸、無機酸、及び、これらの塩類、アミノ酸類、グッドの緩衝液等が挙げられる。
上記有機酸は特に限定されず、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記無機酸は特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は特に限定されず、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
また、上記緩衝液には、他に一般に添加される物質、例えば、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物等を適宜添加してもよい。
上記有機酸は特に限定されず、例えば、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
上記無機酸は特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸等が挙げられる。
上記アミノ酸類は特に限定されず、例えば、グリシン、タウリン、アルギニン等が挙げられる。
また、上記緩衝液には、他に一般に添加される物質、例えば、界面活性剤、各種ポリマー、親水性の低分子化合物等を適宜添加してもよい。
ヘモグロビンA1cの測定を行う際の上記緩衝液の塩濃度の好ましい下限は10mmol/L、好ましい上限は1000mmol/Lである。緩衝液の塩濃度が10mmol/L未満であると、イオン交換反応が行なわれず、ヘモグロビン類を分離することができなくなることがある。緩衝液の塩濃度が1000mmol/Lを超えると、塩が析出してシステムに悪影響を及ぼすことがある。
本発明のヘモグロビン類測定用カラム充填剤は、充填剤粒子の平均粒径値が1〜30μmであり、粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つ以上存在し、上記度数分布のピークのうち、最大粒径を示すピークの粒径値が、最小粒径を示すピークの粒径値の1.1〜3.0倍である。
2つ以上のピークを有することで、粒度分布幅が広くても良好な分離性能を実現できる。また、長期間の使用においても圧力上昇を抑制できる。その結果、高精度な測定及びカラム耐久性能の向上が可能となる。特に、ヘモグロビンA1cの測定において、高精度測定及びカラム耐久性の向上が達成される。
つまり、本発明によれば、ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することができる。また、本発明によれば、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
2つ以上のピークを有することで、粒度分布幅が広くても良好な分離性能を実現できる。また、長期間の使用においても圧力上昇を抑制できる。その結果、高精度な測定及びカラム耐久性能の向上が可能となる。特に、ヘモグロビンA1cの測定において、高精度測定及びカラム耐久性の向上が達成される。
つまり、本発明によれば、ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することができる。また、本発明によれば、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
(製造例1)
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100g、及び、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100gを含有する単量体混合物に、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた混合物を、4重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液2Lに分散させ、羽根長60mmの撹拌羽根を用いて350rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で80℃に加温して1時間重合反応を行なった。1時間後に反応系にアクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸(東亞合成社製)80gを溶解した水溶液200mLを添加して更に80℃で1時間重合反応を行った。
得られた重合体粒子を洗浄した後、粒度分布測定装置(パーティクルサイジングシステム社製、「アキュサイザー780」)により、平均粒径値及び粒度分布を測定した。光源としては半導体レーザーを、センサとしてはLE400−05を用い、120秒間測定を行って体積分布表示(128分割表示)を行い、平均粒径値を算出した。その結果、平均粒径値は3.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100g、及び、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100gを含有する単量体混合物に、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク社製)1.0gを溶解した。得られた混合物を、4重量%のポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、「ゴーセノールGH−20」)水溶液2Lに分散させ、羽根長60mmの撹拌羽根を用いて350rpmで攪拌しながら、窒素雰囲気下で80℃に加温して1時間重合反応を行なった。1時間後に反応系にアクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸(東亞合成社製)80gを溶解した水溶液200mLを添加して更に80℃で1時間重合反応を行った。
得られた重合体粒子を洗浄した後、粒度分布測定装置(パーティクルサイジングシステム社製、「アキュサイザー780」)により、平均粒径値及び粒度分布を測定した。光源としては半導体レーザーを、センサとしてはLE400−05を用い、120秒間測定を行って体積分布表示(128分割表示)を行い、平均粒径値を算出した。その結果、平均粒径値は3.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
(製造例2)
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから250rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は10.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから250rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は10.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
(製造例3)
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから150rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は15.5μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから150rpmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は15.5μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
(製造例4)
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから150rpmに変更し、更に撹拌羽根の羽根長60mmを50mmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は23.8μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから150rpmに変更し、更に撹拌羽根の羽根長60mmを50mmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は23.8μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
(製造例5)
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから100rpmに変更し、更に撹拌羽根の羽根長60mmを40mmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は35.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
製造例1における撹拌時の回転数を350rpmから100rpmに変更し、更に撹拌羽根の羽根長60mmを40mmに変更したこと以外は、製造例1と同様に操作し、得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布を測定した。その結果、平均粒径値は35.2μm、粒度分布は単一ピーク状であった。
製造例1〜5で得られた重合体粒子の平均粒径値及び粒度分布ピーク数を表1に示す。
(実施例1〜4及び比較例1〜5)
製造例1〜5で得られた重合体粒子を単独で、又は、表2に示した混合比で混合して、実施例1〜4、及び、比較例1〜5の9種類のカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒径値、粒度分布ピークの数、各ピークのうち、最小粒径を示すピークの粒径値、最大粒径を示すピークの粒径値、及び、ピークの粒径値の倍率を表2に示す。
製造例1〜5で得られた重合体粒子を単独で、又は、表2に示した混合比で混合して、実施例1〜4、及び、比較例1〜5の9種類のカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤の平均粒径値、粒度分布ピークの数、各ピークのうち、最小粒径を示すピークの粒径値、最大粒径を示すピークの粒径値、及び、ピークの粒径値の倍率を表2に示す。
比較例1及び比較例2は、製造例1で得られた重合体粒子及び製造例4で得られた重合体粒子をそれぞれ単独で用いたため、粒度分布ピークを一つしか有さなかった。比較例3はピークの粒径値の倍率が1.04と低く、比較例4はピークの粒径値の倍率が3.11と高いものであった。また、比較例5は平均粒径値が31.2μmと大きいものであった。
<評価>
実施例及び比較例の充填剤を、内径4.6mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビン測定用カラムを得た。これらのカラムを用いて、以下の評価を行った
実施例及び比較例の充填剤を、内径4.6mm、長さ30mmのステンレス製カラムに充填し、ヘモグロビン測定用カラムを得た。これらのカラムを用いて、以下の評価を行った
(1)カラム圧力の測定
ヘモグロビン測定用カラムを、液体クロマトグラフィーシステム(島津製作所社製、「LC−10A」)に接続した。溶離液として200mmol/Lのリン酸緩衝液(pH5.3)を流速1.0mL/分で送液して圧力表示値を読み取った。結果を表3に示す。
ヘモグロビン測定用カラムを、液体クロマトグラフィーシステム(島津製作所社製、「LC−10A」)に接続した。溶離液として200mmol/Lのリン酸緩衝液(pH5.3)を流速1.0mL/分で送液して圧力表示値を読み取った。結果を表3に示す。
表3より、平均粒径値がほぼ同等の実施例3と比較例3、及び、実施例4と比較例2において、いずれも実施例の充填剤を用いた方が低圧化していることが分かる。また、比較例1の充填剤を用いた場合は圧力値が非常に大きくなった。
(2)健常人血の測定
実施例1の充填剤を用いて、健常人血の測定を行った。
測定試料として、フッ化ナトリウム採血した健常人血を、0.05%のTritonX−100(Sigma−Aldrich社製)を含むリン酸緩衝液(pH6.8)により200倍に溶血希釈したものを用いた。溶離液Aとして200mmol/Lのリン酸緩衝液(pH5.3)、及び、溶離液Bとして400mmol/Lのリン酸緩衝液(pH7.5)の2種の溶離液を用い、流速1.0mLで送液して溶離液Aから溶離液Bへのステップワイズグラジエント法により分離し、415nmの吸光度を測定した結果、図2のクロマトグラムを得た。図2中、1がヘモグロビンA1c、2がヘモグロビンA0である。実施例1の充填剤を用いた場合、ヘモグロビンA1cと他のヘモグロビン分画とが短時間内に良好に分離された。実施例2〜4の充填剤を用いた場合でも実施例1と同様の良好なクロマトグラムが得られた。また、圧力値が非常に大きいものとなった比較例1の充填剤を用いた場合でも実施例1と同様に良好なクロマトグラムが得られた。一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図3に示したように分離が悪いものとなった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様に分離が悪いものとなった。
実施例1の充填剤を用いて、健常人血の測定を行った。
測定試料として、フッ化ナトリウム採血した健常人血を、0.05%のTritonX−100(Sigma−Aldrich社製)を含むリン酸緩衝液(pH6.8)により200倍に溶血希釈したものを用いた。溶離液Aとして200mmol/Lのリン酸緩衝液(pH5.3)、及び、溶離液Bとして400mmol/Lのリン酸緩衝液(pH7.5)の2種の溶離液を用い、流速1.0mLで送液して溶離液Aから溶離液Bへのステップワイズグラジエント法により分離し、415nmの吸光度を測定した結果、図2のクロマトグラムを得た。図2中、1がヘモグロビンA1c、2がヘモグロビンA0である。実施例1の充填剤を用いた場合、ヘモグロビンA1cと他のヘモグロビン分画とが短時間内に良好に分離された。実施例2〜4の充填剤を用いた場合でも実施例1と同様の良好なクロマトグラムが得られた。また、圧力値が非常に大きいものとなった比較例1の充填剤を用いた場合でも実施例1と同様に良好なクロマトグラムが得られた。一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図3に示したように分離が悪いものとなった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様に分離が悪いものとなった。
(3)修飾ヘモグロビン類の測定
上記(2)における健常人血の代わりに、修飾ヘモグロビン類を含む試料を人為的に調製して測定し、修飾ヘモグロビン類とヘモグロビンA1cとの分離性能を評価した。
修飾ヘモグロビン類を含む試料としては、レイバイルヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を、公知の方法により調製した。
即ち、試料Lは、健常人血に、グルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血に、アセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血に、シアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
得られた修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)と、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血(非修飾品)とを、実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、上記(2)と同様の方法によって測定し、ヘモグロビンA1cの測定値を比較した。分離性能は、修飾ヘモグロビン類を含む試料のヘモグロビンA1c値から非修飾品のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより評価した。結果を表4に示す。
上記(2)における健常人血の代わりに、修飾ヘモグロビン類を含む試料を人為的に調製して測定し、修飾ヘモグロビン類とヘモグロビンA1cとの分離性能を評価した。
修飾ヘモグロビン類を含む試料としては、レイバイルヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を、公知の方法により調製した。
即ち、試料Lは、健常人血に、グルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血に、アセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血に、シアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
得られた修飾ヘモグロビン類を含む試料(試料L、試料A、試料C)と、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血(非修飾品)とを、実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、上記(2)と同様の方法によって測定し、ヘモグロビンA1cの測定値を比較した。分離性能は、修飾ヘモグロビン類を含む試料のヘモグロビンA1c値から非修飾品のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより評価した。結果を表4に示す。
表4に示した実施例1〜4、及び、比較例1のΔ値は0.2%以下であり、これらの充填剤を用いた場合、修飾ヘモグロビン類が含まれる試料においても、正確にヘモグロビンA1cが測定できることがわかる。一方、比較例2〜5の充填剤を用いた場合では、修飾ヘモグロビン類が存在すると、ヘモグロビンA1c値が大きく変動し、ヘモグロビンA1c値を正確に測定することができなかった。
(3)異常ヘモグロビン類の測定
実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、異常ヘモグロビンとしてヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)の測定を行った。
実施例1の充填剤を用いて測定した結果、得られたクロマトグラムを図4に示す。図4中、1はヘモグロビンA1c、2はヘモグロビンA0、3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、4はヘモグロビンS、5はヘモグロビンCを示す。実施例1の充填剤においては、異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離することができた。実施例2〜4及び比較例1の充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図5に示したように異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様にヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。
実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、異常ヘモグロビンとしてヘモグロビンS及びヘモグロビンCを含む試料(ヘレナ研究所社製、「AFSCヘモコントロール」)の測定を行った。
実施例1の充填剤を用いて測定した結果、得られたクロマトグラムを図4に示す。図4中、1はヘモグロビンA1c、2はヘモグロビンA0、3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、4はヘモグロビンS、5はヘモグロビンCを示す。実施例1の充填剤においては、異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを良好に分離することができた。実施例2〜4及び比較例1の充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。
一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図5に示したように異常ヘモグロビン類であるヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様にヘモグロビンS及びヘモグロビンCを分離することはできなかった。
(4)ヘモグロビンA2の測定
実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、ヘモグロビンA2を含む試料として、A2コントロール(レベル2)(バイオラッド社製)を測定した。
実施例1の充填剤を用いて測定して得られたクロマトグラムを図6に示す。図6中、1はヘモグロビンA1c、2はヘモグロビンA0、3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、6はヘモグロビンA2を示す。実施例1の充填剤を用いた場合、ヘモグロビンA2を良好に分離することができた。実施例2〜4及び比較例1の充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図7に示したようにヘモグロビンA2を分離することはできなかった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様にヘモグロビンA2を分離することはできなかった。
実施例及び比較例で調製した充填剤を用いて、ヘモグロビンA2を含む試料として、A2コントロール(レベル2)(バイオラッド社製)を測定した。
実施例1の充填剤を用いて測定して得られたクロマトグラムを図6に示す。図6中、1はヘモグロビンA1c、2はヘモグロビンA0、3はヘモグロビンF(胎児性Hb)、6はヘモグロビンA2を示す。実施例1の充填剤を用いた場合、ヘモグロビンA2を良好に分離することができた。実施例2〜4及び比較例1の充填剤を用いた場合でも、ほぼ同様の分離性能を示した。一方、比較例2の充填剤を用いた場合は、図7に示したようにヘモグロビンA2を分離することはできなかった。比較例3〜5の充填剤を用いた場合も比較例2と同様にヘモグロビンA2を分離することはできなかった。
(5)カラム耐久性の評価
上記(2)〜(4)の評価において、ヘモグロビン類の分離性能が良好であった実施例2、4、及び比較例1の充填剤を用いて、同一の健常人血試料を繰り返し測定し、圧力値及びヘモグロビンA1c値の推移を確認した。それぞれの結果を図8及び図9に示す。
実施例2、及び4の充填剤を用いた場合は、圧力値は安定であった。比較例1では、圧力上昇が大きく、測定回数が1000回未満で10MPaを超え、1000回を過ぎると圧力上限を超えて測定不能となった。
ヘモグロビンA1c値(HbA1c(%))は、実施例2、及び、実施例4の充填剤を用いた場合は2000回測定しても安定していた。一方、比較例1の充填剤を用いた場合では圧力上昇に伴ってHbA1c値も上昇し、正確な測定ができなくなり、カラム寿命が短いことが確認された。
実施例の充填剤は、圧力値が低く、かつ、安定した状態で、比較例1のような微小粒径の充填剤の同等の分離性能を持ち、また、その高分離性を長期間に亙って維持できることがわかった。
上記(2)〜(4)の評価において、ヘモグロビン類の分離性能が良好であった実施例2、4、及び比較例1の充填剤を用いて、同一の健常人血試料を繰り返し測定し、圧力値及びヘモグロビンA1c値の推移を確認した。それぞれの結果を図8及び図9に示す。
実施例2、及び4の充填剤を用いた場合は、圧力値は安定であった。比較例1では、圧力上昇が大きく、測定回数が1000回未満で10MPaを超え、1000回を過ぎると圧力上限を超えて測定不能となった。
ヘモグロビンA1c値(HbA1c(%))は、実施例2、及び、実施例4の充填剤を用いた場合は2000回測定しても安定していた。一方、比較例1の充填剤を用いた場合では圧力上昇に伴ってHbA1c値も上昇し、正確な測定ができなくなり、カラム寿命が短いことが確認された。
実施例の充填剤は、圧力値が低く、かつ、安定した状態で、比較例1のような微小粒径の充填剤の同等の分離性能を持ち、また、その高分離性を長期間に亙って維持できることがわかった。
本発明によれば、ヘモグロビン類を短時間で高精度に測定することができ、かつ、カラム寿命を向上させることのできるヘモグロビン類測定用カラム充填剤を提供することができる。また、本発明によれば、該ヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いたヘモグロビンA1cの測定方法、並びに、ヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法を提供することができる。
1 ヘモグロビンA1c
2 ヘモグロビンA0
3 ヘモグロビンF(胎児性Hb)
4 ヘモグロビンS
5 ヘモグロビンC
6 ヘモグロビンA2
11 最大粒径を示すピーク
12 最小粒径を示すピーク
2 ヘモグロビンA0
3 ヘモグロビンF(胎児性Hb)
4 ヘモグロビンS
5 ヘモグロビンC
6 ヘモグロビンA2
11 最大粒径を示すピーク
12 最小粒径を示すピーク
Claims (5)
- 液体クロマトグラフィーによりヘモグロビン類を測定するために用いられるカラム充填剤であって、
平均粒径値が1〜30μmであり、
粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つ以上存在し、かつ、
前記度数分布のピークのうち、最大粒径を示すピークの粒径値が、最小粒径を示すピークの粒径値の1.1〜3.0倍である
ことを特徴とする、ヘモグロビン類測定用カラム充填剤。 - 粒度分布を測定した際に得られる度数分布のピークが2つであることを特徴とする、請求項1記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
- アクリル系ポリマーを主成分とすることを特徴とする、請求項1又は2記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤。
- 請求項1、2又は3記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1cの測定方法。
- 請求項1、2又は3記載のヘモグロビン類測定用カラム充填剤を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィーによるヘモグロビンA1c及び異常ヘモグロビン類の測定方法。
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- 2010-03-29 JP JP2010075716A patent/JP2011209040A/ja active Pending
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