JP2013156039A - 自動車衝突模擬試験装置及び自動車衝突模擬試験の制御方法 - Google Patents

自動車衝突模擬試験装置及び自動車衝突模擬試験の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】供試体のピッチング変位の再現性を向上する自動車衝突模擬試験装置及び自動車衝突模擬試験の制御方法を提供する。
【解決手段】自動車衝突模擬試験装置は、水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体を搭載可能なスレッドと、スレッドに向けて加速度を与えてスレッドを移動させるスレッド加速装置と、供試体のスレッドの移動方向後方にピッチング変位を与える第1鉛直駆動アクチュエータと、ピッチング変位を与える第1鉛直駆動アクチュエータの上昇動作を制御すると共に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体の下降状態を模擬するために第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作を制御する制御装置と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、自動車を破壊することなく衝突時に客室に発生する加速度を再現し、二次衝突による乗員の傷害度合いを再現する自動車衝突模擬試験装置に関するものである。
一般に、自動車の衝突試験は、クラッシュ量や客室の残存空間量などの物理量と乗員傷害値とを評価するための実車衝突試験があるが、実車にダミーを乗せて所定速度でバリヤに衝突させる方法は破壊試験であり、非常にコストを要する。そのため、ダミーやエアバッグ等を搭載したホワイトボディ、模擬車体等(以下、「供試体」という)を台車上に取付け、この台車に対して実車衝突時とほぼ同様の加速度を与えることで、供試体に作用する衝撃度を非破壊的に再現して乗員傷害値を評価し、エアバッグなどの安全装置を開発するための自動車衝突模擬試験が行われる。
このような自動車衝突模擬試験装置としては、例えば、下記特許文献1及び特許文献2に記載されたものがある。この特許文献1に記載された自動車衝突模擬試験装置では、供試体を搭載可能なスレッドに自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータと、供試体にピッチング動作を与えるピッチング装置とが記載されている。
特開2006−138700号公報 特開2009−204394号公報
特許文献1及び特許文献2に記載の自動車衝突模擬試験装置では、供試体を搭載可能なスレッドに自動車衝突時の加速度を加える。従来、自動車衝突模擬試験装置は、この加速度が加わりスレッドの速度が増加している間、供試体が上昇するピッチング状態を再現していれば十分であると考えられていた。しかしながら、スレッドが水平方向に減速している、いわゆるリバウンド領域においても、乗員に対してピッチング変位が影響を及ぼすおそれがある。このため、自動車衝突模擬試験装置は、リバウンド領域における供試体のピッチング変位の状態も再現することがより望ましい。
本発明は上述した課題を解決するものであり、供試体のピッチング変位の再現性を向上する自動車衝突模擬試験装置及び自動車衝突模擬試験の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、自動車衝突模擬試験装置は、水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体を搭載可能なスレッドと、前記スレッドに向けて加速度を与えて前記スレッドを移動させるスレッド加速装置と、前記供試体の前記スレッドの移動方向後方にピッチング変位を与える第1鉛直駆動アクチュエータと、前記ピッチング変位を与える前記第1鉛直駆動アクチュエータの上昇動作を制御すると共に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて前記供試体の下降状態を模擬するために前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作を制御する制御装置と、を含むことを特徴とする。
この構成により、スレッドに自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に生じる鉛直方向の供試体の姿勢を再現すると共に、スレッドが水平方向に減速している、いわゆるリバウンド領域における鉛直方向逆向きの供試体のピッチング変位の状態も再現することができる。このため、自動車衝突模擬試験装置は、スレッドの移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1鉛直駆動アクチュエータは、前記スレッドが水平方向の移動中、かつ前記供試体の高さが最高点に達した以後において、前記供試体のピッチング変位を低減するように下降動作を行っていることが好ましい。
この構成により、スレッドに自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に上昇した供試体が着地する際に生じる供試体への衝撃を低減することができる。また、供試体は、上昇した供試体が着地する際に生じる供試体への衝撃を低減するダンパ等の緩衝機構を省くことができる。その結果、緩衝機構のペイロードが低減し、自動車衝突模擬試験装置は、実車衝突試験により近似した供試体で試験することができる。このため、自動車衝突模擬試験装置は、スレッドの移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1鉛直駆動アクチュエータよりも前記スレッド加速装置寄りに配置される第2鉛直駆動アクチュエータをさらに含み、前記制御装置は、前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作後に、前記第1鉛直駆動アクチュエータ及び前記第2鉛直駆動アクチュエータを制御して前記供試体の姿勢を水平とする制御を行うことが好ましい。
この構成により、スレッドに自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に上昇した供試体が着地するまでの供試体の姿勢を実車衝突試験の実車の姿勢により近似させることができる。このため、自動車衝突模擬試験装置は、スレッドの移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1鉛直駆動アクチュエータの昇降に応じて上下する昇降レールと、前記供試体と連結され、かつ前記昇降レールを移動するスライダと、をさらに含み、前記昇降レールは、前記スレッドの移動方向後方の前記昇降レールの後端に連続して、かつ前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作中において前記スライダが移動する延長レールが付加されていることが好ましい。
この構成により、試験時間が長くなり、供試体の下降状態を模擬するために第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作時間が長くなった場合でも、長さを調整した延長レールを付加するだけで対応することができる。その結果、昇降レールを改造するだけで、自動車衝突模擬試験装置の使用を継続することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、自動車衝突模擬試験の制御方法は、水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体を搭載可能なスレッドの移動中にピッチング動作を与える自動車衝突模擬試験の制御方法であって、前記供試体の前記スレッドの移動方向後方にピッチング変位を増加させた後に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて前記ピッチング変位を低減するように第1鉛直駆動アクチュエータを制御することを特徴とする。
この方法により、スレッドに自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に生じる鉛直方向の供試体の姿勢を再現すると共に、スレッドが水平方向に減速している、いわゆるリバウンド領域における鉛直方向逆向きの供試体のピッチング変位の状態も再現することができる。このため、自動車衝突模擬試験の制御方法は、スレッドの移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
本発明によれば、供試体のピッチング変位の再現性を向上する自動車衝突模擬試験装置及び自動車衝突模擬試験の制御方法を提供することができる。
図1は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置を表す概略図である。 図2は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置を模式的に表す概略側面図である。 図3は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置における制御ブロックを表すブロック図である。 図4は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作を模式的に表す概略側面図である。 図5は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作中の供試体の状態を説明するための説明図である。 図6は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作中の供試体の高さを説明するための説明図である。 図7は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作を模式的に表す概略側面図である。 図8は、実施形態2に係る自動車衝突模擬試験装置の動作中の供試体の高さを説明するための説明図である。 図9は、実施形態3に係る自動車衝突模擬試験装置を模式的に表す概略側面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置を表す概略図である。図2は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置を模式的に表す概略側面図である。本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、図1及び図2に示すように、供試体1を搭載可能なスレッド2と、スレッド加速装置11と、供試体1にピッチング動作を与えるピッチング装置21とを備えている。床面GSには、所定間隔を有して左右一対のレール3が前後方向に沿って付設されている。ピッチング装置21は、レール3の下方の空間であるピットP内に配置されている。
供試体1は、スレッド2上に搭載されることから、この供試体1である自動車の前方(図2にて、左方向)をスレッド2の前方とし、供試体1である自動車の後方(図2にて、右方向)をスレッド2の後方として説明する。また、供試体1である自動車の側方、つまり、左右方向をスレッド2の側方、つまり、左右方向として以下説明する。
なお、供試体1は、ホワイトボディであり、シート、ステアリング、エアバッグ、ダミー1aを含むものであるが、ホワイトボディ、シート、ステアリング、エアバッグ、ダミー1aを単体で供試体と称する場合もある。
図1及び図2に示すように、スレッド2は、所定厚さを有する板材を有する骨組材であって、平面視が前後方向(図2において、左右方向)に長い矩形状をなしている。そして、スレッド2は、下面に固定されたスライダ22を介してレール3に沿って前後移動自在に支持されている。
スライダ22は、例えばレール3を挟み込むように接している。また、スレッド2は、スレッド加速装置11側の前端部に、縦フレーム23を備えている。縦フレーム23は、スレッド加速装置11から遠い側である縦フレーム23の後面に、左右一対の上下ガイドレール24を備えている。上下ガイドレール24は、前後方向の移動が規制された状態で、上下方向に摺動可能な支持ブラケット25が嵌装されている。
また、スレッド2は、スレッド2の上方に、供試体1を搭載した上側スレッド4を備えている。上側スレッド4は、前端部にスレッド2の支持ブラケット25とピン26を介して連結する連結ブラケット27を備えている。したがって、上側スレッド4は、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に上下回動可能に支持され、前端部側が支持ブラケット25により上下ガイドレール24に対して上下摺動可能に支持されている。なお、図2に示すように、スレッド加速装置11から加速度を受け離れる発射以前における床面GSからのピン26の高さ、つまり初期高さを発射前高さHSとする。
上側スレッド4は、スレッド加速装置11から離れる方向(X方向)に対して直交する方向(横方向)にそれぞれ張り出して前後に配置される左右一対の前方支持脚5及び後方支持脚6を備えている。しかも、後方支持脚6は、前方支持脚5よりも外側に張り出して設けられている。なお、後方支持脚6は、前方支持脚5よりも内側に張り出して設けられていてもよい。
スレッド加速装置11は、供試体1に自動車衝突時の加速度を加えるために、スレッド2に向けて加速度を与えてスレッド2を移動させる。つまり、スレッド加速装置11は、出没可能なピストン11aを含み、図示しない加速度制御システムにより制御される油圧装置などでピストン11aを駆動する。スレッド加速装置11は、ピストン11aが作動してスレッド2を水平方向に打ち出すことができる。加速度を与えられたスレッド2は、レール3に沿ってスレッド加速装置11から離れる方向(X方向)に移動する。
上述したように、スレッド2と上側スレッド4とは、ピン26を介して互いに拘束されている。このため、スレッド加速装置11によるX方向の加圧力Fは、スレッド2から上側スレッド4に伝達されるとともに、供試体1に伝達されることになる。
ピッチング装置21は、移動中の供試体1にピッチング動作を与えることができる。ピッチング装置21は、後方鉛直加振機である第1鉛直駆動アクチュエータ10及び前方鉛直加振機である第2鉛直駆動アクチュエータ9を備えている。第2鉛直駆動アクチュエータ9は、第1鉛直駆動アクチュエータ10よりもスレッド加速装置11寄りに配置されている。
上述したレール3の左右両側には、レール3と平行な一対の前方昇降レール7が設けられている。また、レール3の左右両側には、レール3と平行な一対の後方昇降レール8が設けられている。本実施形態において、後方昇降レール8は、前方昇降レール7よりもスレッド加速装置11から離れる方向(X方向)に配置されている。また、後方昇降レール8は、X方向に対して直交する方向(横方向)にそれぞれ張り出して、前方昇降レール7よりも外側となる位置に配置されている。
前方昇降レール7には、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動可能となっている。また、後方昇降レール8には、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動可能となっている。シュー5a及びシュー6aは、スライダであって上述したそれぞれ前方昇降レール7及び後方昇降レール8を挟み込むように当接する。このためシュー5a及びシュー6aは、上下方向及び左右方向の移動が規制される。その結果、前方昇降レール7及び後方昇降レール8の高さ(昇降)に応じて、前方支持脚5及び後方支持脚6は上下する。
第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9は、それぞれ油圧シリンダなどの流体シリンダであり、ピッチング装置21の設置箇所に設けられたピットP内に配置されている。第1鉛直駆動アクチュエータ10は、左右一対の後方昇降レール8を鉛直方向(Z方向)に昇降することのできるアクチュエータである。第2鉛直駆動アクチュエータ9は、前方昇降レール7を鉛直方向(Z方向)に昇降することのできるアクチュエータである。
また、第1鉛直駆動アクチュエータ10は、左右一対の後方昇降レール8のそれぞれを鉛直方向(Z方向)に昇降することのできる複数のアクチュエータとしてもよい。この場合、左右の第1鉛直駆動アクチュエータ10は互いに同期して駆動され、左右の後方昇降レール8は同じ高さに設定されている。また、第2鉛直駆動アクチュエータ9は、左右一対の前方昇降レール7のそれぞれを鉛直方向(Z方向)に昇降することのできる複数のアクチュエータとしてもよい。この場合、左右の第2鉛直駆動アクチュエータ9は互いに同期して駆動され、左右の前方昇降レール7は同じ高さに設定されている。
また、第1鉛直駆動アクチュエータ10は、第1流体シリンダ10bと、第1流体シリンダ10b内を鉛直方向(Z方向)に昇降する第1シリンダピストン10aと、第1流体シリンダ10b内の流体量を調整する第1サーボ弁10Sとを含む。同様に、第2鉛直駆動アクチュエータ9は、第2流体シリンダ9bと、第2流体シリンダ9b内を鉛直方向(Z方向)に昇降する第2シリンダピストン9aと、第2流体シリンダ9b内の流体量を調整する第1サーボ弁10Sとを含む。
ピッチング装置用油圧装置60は、収容タンク61、供給ポンプ62、冷却装置63を含む。収容タンク61は、配管64を介して第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sに連結されており、作動油を供給可能である。収容タンク61は、配管64を介して第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sに連結されており、排出される作動油を第1流体シリンダ10b及び第2流体シリンダ9bから配管65を通して回収可能である。
制御装置31は、第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sを制御する。制御装置31は、操作信号を信号ラインi9及び信号ラインi10を介して送出し、第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sの開閉制御、開度調整制御を実行する。第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9は、第1流体シリンダ10b及び第2流体シリンダ9b内の油圧(流体)の給排により第1シリンダピストン10a及び第2シリンダピストン9aを移動させる。
制御装置31は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを含んでいるコンピュータシステムである。制御装置31には、表示装置と、入力装置とが付随していてもよい。制御装置31には、記憶部を有し、実車衝突試験データ及び実車衝突試験データに基づくピッチング装置21の動作手順を含むコンピュータプログラム等が記憶されている。ここで、制御装置31の記憶部は、RAMのような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブあるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。上記コンピュータプログラムは、制御装置31へすでに記録されているコンピュータプログラムとの組み合わせによって、動作手順を実行するものであってもよい。また、この制御装置31は、コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、ピッチング装置21の動作手順を実行するものであってもよい。
ピッチング装置21の動作手順は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション、あるいは制御用コンピュータ等のコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。また、このプログラムは、ハードディスク等の記録装置、フレキシブルディスク(FD)、ROM、CD−ROM、MO、DVD、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
なお、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線網を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
図3は、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100におけるピッチング装置21の動作手順を実行する制御ブロック図である。本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、ピストン11aの前端を接して配置された停止状態のスレッド2に対し、目標加速度(スレッド2及び供試体1の前方向としては減速加速度)を与えるべく、図示しない加速度制御システムにより油圧装置が制御され、スレッド加速装置11のピストン11aが作動してスレッド2を後方に打ち出す。自動車衝突模擬試験装置100は、ピストン11aが自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。同時に、制御装置31は、第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sを制御する。
制御装置31は、図3に示すピッチング動作を与える目標波形G、目標波形Zを、実車衝突試験で得られたピッチング動作データに基づいて作成して記憶している。目標波形Gは、縦軸に水平方向の加速度Gをとり、横軸に時間tをとった波形である。目標波形Gは、縦軸に鉛直方向の変位Zをとり、横軸に時間tをとった波形である。目標波形G、目標波形Zは、目標波形生成ブロックB1において、車種、衝突条件ごとに実車衝突試験データに基づくプログラムにより生成される。このため、自動車衝突模擬試験装置100は、車種、衝突条件に即しているピッチング動作の模擬を加えた非破壊衝突試験が繰返し可能となる。
制御装置31は、入力信号生成のブロックB2において、目標波形生成ブロックB1に基づいて第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sを制御する制御信号Wを生成する。制御装置31は、後述する誤差演算のブロックB6によりフィードバックされた偏差Wがある場合、制御信号Wと偏差Wとを加算点で差をとり、制御信号Wとする。制御装置31は、偏差Wがない場合、制御信号Wを制御信号Wとする。
制御装置31は、アクチュエータ制御のブロックB3において、制御信号Wによりスレッド加速装置11のピストン11aが作動してスレッド2を後方に打ち出し、第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9を制御する。制御装置31は、水平方向の加速度を供試体1に与え、かつ供試体1をピッチング動作させ、水平方向の加速度の制御波形G及びピッチング変位の制御波形Zを生じさせる。
次に、制御装置31は、比較ブロックB4において、目標波形G及び水平方向の加速度の制御波形Gを記憶し、目標波形G及び水平方向の加速度の制御波形Gを比較演算する。また、制御装置31は、比較ブロックB4において、目標波形Z及びピッチング変位の制御波形Zを記憶し、目標波形Z及びピッチング変位の制御波形Zを比較演算する。制御装置31は、精度判定ブロックB5において、目標波形G及び水平方向の加速度の制御波形Gの間の差または目標波形Z及びピッチング変位の制御波形Zの間の差の少なくとも1つが閾値を超える場合(B5、No)、誤差演算ブロックB6に進む。誤差演算ブロックB6において、制御装置31は、目標波形G及び水平方向の加速度の制御波形Gの間の差または目標波形Z及びピッチング変位の制御波形Zの間の差の少なくとも1つから、偏差Wを演算する。
また、制御装置31は、精度判定ブロックB5において目標波形G及び水平方向の加速度の制御波形Gの間の差と、目標波形Z及びピッチング変位の制御波形Zの間の差とが閾値以下である場合(B5、Yes)、結果記憶ブロックB7において制御波形G及び制御波形Zを記憶する。
以上説明したように、制御装置31は、実車衝突試験で得られたデータに基づいて少なくとも第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作及び下降動作を制御する。次に、図1、図2及び図4から図7を用いて、第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作及び下降動作について、詳細に説明する。図4は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作を模式的に表す概略側面図である。図5は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作中の供試体の状態を説明するための説明図である。図6は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作中の供試体の高さを説明するための説明図である。図7は、実施形態1に係る自動車衝突模擬試験装置のピッチング動作を模式的に表す概略側面図である。
まず、図2に示すように、自動車衝突模擬試験装置100は、ピストン11aの前端を接して配置された停止状態のスレッド2に対し、目標加速度(スレッド2及び供試体1の前方向としては減速加速度)を与えるべく、図示しない加速度制御システムにより油圧装置が制御され、スレッド加速装置11のピストン11aが作動してスレッド2を後方に打ち出す。自動車衝突模擬試験装置100は、自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。同時に、制御装置31は、第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sを制御する。
制御装置31は、以下の手順を実行する。制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作及び第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を行う(手順1)。この手順1において、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作として、第1サーボ弁10Sを制御し、上昇方向10Uの方向へ第1シリンダピストン10aを移動する。第1シリンダピストン10aを上昇方向10Uの方向へ移動する移動量に連動して、後方昇降レール8が鉛直方向(Z方向)に上昇する。これにより、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動しながら上昇し、回転基準位置6Qの位置も上昇する。ここで回転基準位置6Qは、後方支持脚6が上側スレッド4に取り付けられたピンなどの回転中心の位置である。
また、制御装置31は、第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作として、第2サーボ弁9Sを制御し、下方に第2シリンダピストン9aを移動する。第2シリンダピストン9aを下方に移動する移動量に連動し、前方昇降レール7が下降する。これにより、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動しながら下降し、回転基準位置5Qの位置も下降する。ここで、回転基準位置5Qは、前方支持脚5が上側スレッド4に取り付けられたピンなどの回転中心の位置である。
床面GSから回転基準位置5Qの位置までのピッチング変位HFとし、床面GSから回転基準位置6Qの位置までのピッチング変位HBとする。例えば、ピッチング変位HFは、上述した図2に示す発射前高さHSよりも低くなり、ピッチング変位HBは発射前高さHSよりも高くなる。その結果、上側スレッド4は、ピッチ角がつき、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に上昇するように回転する。
図5に示すように、自動車衝突模擬試験装置100では、供試体1を搭載可能なスレッド2に自動車衝突時の加速度を加える。スレッド2に加速度Gが加わりスレッド2の速度Vが増加している間、供試体1が上昇するピッチング変位である、供試体1のダミー1aの高さHを再現している。時間t1以後の、いわゆるリバウンド領域において、ピッチング変位である高さHが増加から減少に最高点で転じることになる。この最高点では、供試体の鉛直方向の速度は0となる。本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、計測開始から加速度計測時間t2まで加速度を計測する試験を行う。
図6において、曲線ZF1は、実車における前輪の回転中心高さを示し、曲線ZB1は、実車における後輪の回転中心高さを示す。図6に示す曲線ZF1の挙動からも分かるように、実車衝突では、衝突の衝撃で前輪が一旦下降するとともに、前輪の弾性力により一転、車体前方が上昇することがある。このため、制御装置31は、上述した手順1の処理後、実車衝突試験で得られたデータに基づいて第2鉛直駆動アクチュエータ9の上昇動作を制御する(手順2)。例えば、図6に示すように、ピッチング変位HFは、上述した時間t1となるまで、一度減少する(手順1)が、その後増加して、発射前高さHSよりも高くなる。なお、制御装置31は、手順1の処理後、実車衝突試験で得られたデータに基づいて手順2を省略し、次に示す手順3を処理してもよい。
次に、図5に示すように、時間t1以後において、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を行う(手順3)。制御装置31は、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体1の高さが最高点に達した後に、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を開始してもよい。また、制御装置31は、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体1の高さが最高点に達したと同時に第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を開始してもよい。つまり、第1鉛直駆動アクチュエータ10は、スレッド2が水平方向に移動中、かつ時間t1以後のリバウンド領域において、供試体1のピッチング変位HBを低減するように下降動作を行っていればよい。
以上説明したように、第1鉛直駆動アクチュエータ10は、スレッド2が水平方向に移動中、かつ供試体1の高さが最高点に達した以後において、供試体1のピッチング変位HBを低減するように下降動作を行う。これにより、供試体1に自動車衝突時の加速度を加えた直後に上昇した供試体1が着地する際に生じる供試体1への衝撃を低減することができる。また、供試体1は、上昇した供試体1が着地する際に生じる供試体1への衝撃を低減するダンパ等の緩衝機構を省くことができる。その結果、緩衝機構のペイロードが低減し、自動車衝突模擬試験装置100は、実車衝突試験により近似した供試体1で試験することができる。このため、自動車衝突模擬試験装置100は、スレッド2の移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
図7に示すように、制御装置31は、上述した手順3において、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作として、第1サーボ弁10Sを制御し、下降方向10Dの方向へ第1シリンダピストン10aを移動する。第1シリンダピストン10aを下降方向10Dの方向へ移動する移動量に連動して、後方昇降レール8が鉛直方向(Z方向)に下降する。これにより、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動しながら下降し、回転基準位置6Qの位置も下降する。例えば、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10により、自由落下よりも下降速度が速くなるように後方昇降レール8を引っ張ることができる。
手順3において、ピッチング変位HBは、ピッチング変位HFとピッチング変位HBとの差を縮める方向に変化する。その結果、上側スレッド4は、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に下降するように回転する。そして、図5に示すように、供試体1のダミー1aにおける鉛直方向(Z方向)の変位が再現される。このため、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、時間t1以降のリバウンド域と呼ばれる時間帯におけるピッチングの状態を再現することができる。
次に、制御装置31は、第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を行う(手順4)。制御装置31は、上述した時間t1よりも前に、第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を開始してもよく、時間t1と同時に第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を開始してもよい。また、上述したように手順2の処理を省略した場合、制御装置31は、手順4の処理をしなくてもよい。
また、制御装置31は、前記第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9を制御して供試体1の姿勢を水平とする制御を行うことが好ましい。この構成により、供試体1に自動車衝突時の加速度を加えた直後に上昇した供試体1が着地するまでの供試体1の姿勢を実車衝突試験の実車の姿勢により近似させることができる。このため、自動車衝突模擬試験装置100は、スレッド2の移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
図7に示すように、制御装置31は、第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を行うと、前方昇降レール7が鉛直方向(Z方向)に下降する。これにより、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動しながら下降し、回転基準位置5Qの位置も下降する。
制御装置31は、上述した手順4の処理後、実車衝突試験で得られたデータに基づいて第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を制御し、ピッチング変位HFとピッチング変位HBとの値を同じとし、供試体1を水平となるように制御する。供試体1を水平でない場合、制御装置31は、処理を手順3に戻し、第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9の下降動作を継続する。供試体1を水平である場合、制御装置31は、処理を終了し、第1鉛直駆動アクチュエータ10及び第2鉛直駆動アクチュエータ9の動作を停止する。
これにより、シュー5aが前方昇降レール7を通過し、シュー6aが後方昇降レール8を通過する姿勢が安定し、供試体1の着地の衝撃を緩和することができる。供試体1が着地する場合のピッチング変位HFまたはピッチング変位HBは、発車前高さHSよりも低いことがより好ましい。これにより、供試体1の損傷を低減することができる。その結果、供試体1を繰り返し使用することができる。例えば、図6に示すように、制御装置31は、加速度計測時間t2を超えた時間t3においてピッチング変位HF及びピッチング変位HBを一致させる。これにより、床面GS近傍の着地レベルによる衝撃を試験結果として取り込むおそれを低減することができる。
上述したように、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体1を搭載可能なスレッド2と、スレッド2に向けて加速度を与えて、スレッド2を移動させるスレッド加速装置11と、供試体1におけるスレッド2の移動方向後方にピッチング変位HBを与える第1鉛直駆動アクチュエータ10と、第1鉛直駆動アクチュエータ10を制御する制御装置31とを含む。制御装置31は、ピッチング変位HBを与える第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作を制御すると共に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体1の下降状態を模擬するために第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を制御する。
また、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験の制御方法は、水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて、供試体1が搭載されたスレッド2の移動中にピッチング動作を与える自動車衝突模擬試験の制御方法である。自動車衝突模擬試験の制御方法は、供試体1におけるスレッド2の移動方向(X方向)後方にピッチング変位HBを増加させた後に、実車衝突試験で得られたデータに基づいてピッチング変位HBを低減する。その結果、図6に示す計測開始から加速度計測時間t2までの実車の挙動である曲線ZB1を模擬することができる。
本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100及び制御方法は、供試体1に自動車衝突時の加速度を加えた直後に生じる鉛直方向(Z方向)のピッチング変位を再現すると共に、リバウンド領域のピッチング変位も再現することができる。このため、上述した自動車衝突模擬試験装置100及び制御方法は、スレッド2の移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る自動車衝突模擬試験装置100について説明する。実施形態2において、自動車衝突模擬試験装置100は、第2鉛直駆動アクチュエータ9を動作させない。図8は、実施形態2に係る自動車衝突模擬試験装置の動作中の供試体の高さを説明するための説明図である。以下の説明においては、上述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
まず、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、ピストン11aの前端を接して配置された停止状態のスレッド2に対し、目標加速度(スレッド2及び供試体1の前方向としては減速加速度)を与えるべく、図示しない加速度制御システムにより油圧装置が制御され、スレッド加速装置11のピストン11aが作動してスレッド2を後方に打ち出す。自動車衝突模擬試験装置100は、自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。同時に、制御装置31は、第1サーボ弁10S及び第2サーボ弁9Sを制御する。制御装置31は、以下の手順を実行する。制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作を行う(手順11)。
図4に示すように、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作を行うと、後方昇降レール8が鉛直方向(Z方向)に上昇する。これにより、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動しながら上昇し、回転基準位置6Qの位置も上昇する。これにより、上側スレッド4は、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に上昇するように回転する。
図8において、曲線ZF2は、実車における前輪の回転中心高さを示し、曲線ZB2は、実車における後輪の回転中心高さを示す。図8に示す曲線ZF2の挙動からも分かるように、実車衝突では、衝突の衝撃で前輪が一旦下降することがある。
本実施形態の制御装置31は、手順11において第2鉛直駆動アクチュエータ9の動作をさせていないが、上側スレッド4は、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に上昇するように回転するので、前方昇降レール7が下降する。このため、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動しながら下降し、回転基準位置5Qの位置も下降する。
次に、図5に示す時間t1以後において、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を行う(手順12)。制御装置31は、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体1の高さが最高点に達した後に、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を開始してもよい。また、制御装置31は、実車衝突試験で得られたデータに基づいて供試体1の高さが最高点に達したと同時に第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を開始してもよい。つまり、第1鉛直駆動アクチュエータ10は、スレッド2が移動中、かつ時間t1以後のリバウンド領域において、供試体1のピッチング変位HBを低減するように下降動作を行っていればよい。
これにより、スレッド2に自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に上昇した供試体1が着地する際に生じる供試体1への衝撃を低減することができる。また、供試体1は、上昇した供試体1が着地する際に生じる供試体1への衝撃を低減するダンパ等の緩衝機構を省くことができる。その結果、緩衝機構のペイロードが低減し、自動車衝突模擬試験装置100は、実車衝突試験により近似した供試体1で試験することができる。このため、自動車衝突模擬試験装置100は、スレッド2の移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。
図7に示すように、制御装置31は、手順12において第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を行うと、後方昇降レール8が鉛直方向(Z方向)に下降する。これにより、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動しながら下降し、回転基準位置6Qの位置も下降する。例えば、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10により、後方昇降レール8を自由落下よりも下降速度が速くなるように引っ張ることができる。
ピッチング変位HBは、ピッチング変位HFとピッチング変位HBとの差を縮める方向に変化する。その結果、上側スレッド4は、後端側がスレッド2に対してピン26を中心に下降するように回転する。このため、本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、時間t1以降のリバウンド域と呼ばれる時間帯におけるピッチングの状態を再現することができる。
図7に示すように、制御装置31は、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を行うと、後方昇降レール8が前方昇降レール7に揃うように鉛直方向(Z方向)に下降する。これにより、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動しながら下降し、回転基準位置5Qの位置も下降することもある。
制御装置31は、上述した手順12の処理の後、実車衝突試験で得られたデータに基づいて第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を制御し、ピッチング変位HFとピッチング変位HBとの値を同じとし、供試体1を水平となるように制御する。供試体1を水平でない場合制御装置31は、処理を手順12に戻し、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を継続する。供試体1を水平である場合、制御装置31は、処理を終了し、第1鉛直駆動アクチュエータ10の動作を停止する。
これにより、シュー5aが前方昇降レール7を通過し、シュー6aが後方昇降レール8を通過する姿勢が安定し、供試体1の着地の衝撃を緩和することができる。供試体1が着地する場合のピッチング変位HFまたはピッチング変位HBは、発車前高さHSよりも低いことがより好ましい。これにより、供試体1の損傷を低減することができる。その結果、供試体1を繰り返し使用することができる。本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、計測開始から加速度計測時間t2まで加速度を計測する試験を行う。例えば、図8に示すように、制御装置31は、加速度計測時間t2を超えた時間t3においてピッチング変位HF及びピッチング変位HBを一致させる。これにより、床面GS近傍の着地レベルによる衝撃を試験結果として取り込むおそれを低減することができる。
本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100及び制御方法は、スレッド2に自動車衝突時の水平方向の加速度を加えた直後に生じる鉛直方向(Z方向)のピッチング変位を再現すると共に、リバウンド領域のピッチング変位も再現することができる。このため、上述した自動車衝突模擬試験装置100及び制御方法は、スレッド2の移動時におけるピッチング動作の再現性を向上することができる。本実施形態に係る自動車衝突模擬試験装置100は、図8に示すように、計測開始から加速度計測時間t2までの実車の挙動を模擬することができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る自動車衝突模擬試験装置100について説明する。実施形態3において、自動車衝突模擬試験装置100は、第1鉛直駆動アクチュエータ10が昇降させる後方昇降レール8の長さを延長する延長レールを備えている。図9は、実施形態3に係る自動車衝突模擬試験装置を模式的に表す概略側面図である。以下の説明においては、上述した実施形態と同じ構成要素には同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
上述したように、シュー6aは後方昇降レール8を通過する場合、第1鉛直駆動アクチュエータ10の昇降に応じて上下する。供試体1のピッチング動作となる第1鉛直駆動アクチュエータ10の上昇動作で加える加速度は大きいので、後方昇降レール8も反力を受ける。このため、後方昇降レール8は、剛性の高い金属を厚くする必要がある。これに対して、供試体1の下降状態を模擬するために第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作を制御する場合、第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作で加える加速度は、上昇動作で加える加速度よりも小さくてもよい。
後方昇降レール8は、後方昇降レール8が上昇しながらシュー6aが移動する上昇領域では、剛性を高めたレールとし、後方昇降レール8が下降しながらシュー6aが移動する下降領域では上昇領域と比較して、上昇領域の剛性以下とするレールとすることができる。この構造により、後方昇降レール8は、安価に製造することができる。
例えば、図9に示すように、後方昇降レール8は、後方昇降レール8の後方端面8eに支持部材8bで支持された延長レール8aを付加してもよい。延長レール8aは、下降しながらシュー6aが移動するレールである。延長レール8aは、後方昇降レール8の剛性以下とすることで、安価とすることができる。また、自動車衝突模擬試験装置100は、試験時間が長くなり、供試体1の下降状態を模擬するために第1鉛直駆動アクチュエータ10の下降動作時間が長くなった場合でも、長さを調整した延長レール8aを付加するだけで対応することができる。前方昇降レール7も後方昇降レール8と同様に、延長レールを付加してもよい。
なお、上述した実施形態1から実施形態3に係る自動車衝突模擬試験装置100は、自動車を破壊することなく衝突時に客室に発生する加速度を再現し、二次衝突による乗員の傷害度合いを再現することができる。また、実施形態1から実施形態3に係る自動車衝突模擬試験装置100は、ピッチング動作と共に水平面内の回転運動を伴うヨーイング用スレッドなどを使用した自動車衝突模擬試験装置にも適用することができる。
1 供試体
1a ダミー
2 スレッド
3 レール
4 上側スレッド
5 前方支持脚
5a シュー
5Q 回転基準位置
6 後方支持脚
6a シュー
6Q 回転基準位置
7 前方昇降レール
8 後方昇降レール
8a 延長レール
8e 後方端面
8b 支持部材
9S サーボ弁
9a シリンダピストン
9 鉛直駆動アクチュエータ
9b 流体シリンダ
10S サーボ弁
10a シリンダピストン
10 鉛直駆動アクチュエータ
10D 下降方向
10U 上昇方向
10b 流体シリンダ
11 スレッド加速装置
11a ピストン
21 ピッチング装置
22 スライダ
23 縦フレーム
24 上下ガイドレール
25 支持ブラケット
26 ピン
27 連結ブラケット
31 制御装置
60 ピッチング装置用油圧装置
61 収容タンク
62 供給ポンプ
63 冷却装置
64、65 配管
100 自動車衝突模擬試験装置
HB、HF ピッチング変位

Claims (5)

  1. 水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体を搭載可能なスレッドと、
    前記スレッドに向けて加速度を与えて前記スレッドを移動させるスレッド加速装置と、
    前記供試体の前記スレッドの移動方向後方にピッチング変位を与える第1鉛直駆動アクチュエータと、
    前記ピッチング変位を与える前記第1鉛直駆動アクチュエータの上昇動作を制御すると共に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて前記供試体の下降状態を模擬するために前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作を制御する制御装置と、
    を含むことを特徴とする自動車衝突模擬試験装置。
  2. 前記第1鉛直駆動アクチュエータは、前記スレッドが水平方向の移動中、かつ前記供試体の高さが最高点に達した以後において、前記供試体のピッチング変位を低減するように下降動作を行っていることを特徴とする請求項1に記載の自動車衝突模擬試験装置。
  3. 前記第1鉛直駆動アクチュエータよりも前記スレッド加速装置寄りに配置される第2鉛直駆動アクチュエータをさらに含み、
    前記制御装置は、前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作後に、前記第1鉛直駆動アクチュエータ及び前記第2鉛直駆動アクチュエータを制御して前記供試体の姿勢を水平とする制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車衝突模擬試験装置。
  4. 前記第1鉛直駆動アクチュエータの昇降に応じて上下する昇降レールと、前記供試体と連結され、かつ前記昇降レールを移動するスライダと、をさらに含み、
    前記昇降レールは、前記スレッドの移動方向後方の前記昇降レールの後端に連続して、かつ前記第1鉛直駆動アクチュエータの下降動作中において前記スライダが移動する延長レールが付加されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の自動車衝突模擬試験装置。
  5. 水平な前後方向に沿って移動自在に支持されて供試体を搭載可能なスレッドの移動中にピッチング動作を与える自動車衝突模擬試験の制御方法であって、
    前記供試体の前記スレッドの移動方向後方にピッチング変位を増加させた後に、実車衝突試験で得られたデータに基づいて前記ピッチング変位を低減するように第1鉛直駆動アクチュエータを制御することを特徴とする自動車衝突模擬試験の制御方法。
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