JP2009204395A - 自動車衝突シミュレータの構成機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも大きな水平加速度を得ることが可能な自動車衝突シミュレータの構成機器を提供する。
【解決手段】下側ガイドレール3に前後摺動可能に支持される下側スレッド2と、下側スレッド2の上方に位置して供試体1を搭載し、後端側が上下回動可能に支持され、かつ前端側が上下摺動可能に支持される上側スレッド4と、自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータ11とを備え、アクチュエータ11により下側スレッド2を下側ガイドレール3に沿って後方へ打ち出すことで下側スレッド2を介して供試体1に自動車衝突時の加速度を加えるとともに、ピッチング動作を与えるようにした自動車衝突シミュレータの構成機器であるピッチング装置21において、下側ガイドレール3は、打ち出し領域Aと制動領域Bとを有しており、打ち出し領域Aの下側ガイドレール3に摩擦係数を低下させる表面処理加工を施している。
【選択図】図1
【解決手段】下側ガイドレール3に前後摺動可能に支持される下側スレッド2と、下側スレッド2の上方に位置して供試体1を搭載し、後端側が上下回動可能に支持され、かつ前端側が上下摺動可能に支持される上側スレッド4と、自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータ11とを備え、アクチュエータ11により下側スレッド2を下側ガイドレール3に沿って後方へ打ち出すことで下側スレッド2を介して供試体1に自動車衝突時の加速度を加えるとともに、ピッチング動作を与えるようにした自動車衝突シミュレータの構成機器であるピッチング装置21において、下側ガイドレール3は、打ち出し領域Aと制動領域Bとを有しており、打ち出し領域Aの下側ガイドレール3に摩擦係数を低下させる表面処理加工を施している。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に自動車の衝突試験をシミュレーションによって行う自動車衝突シミュレータの構成機器に関する。
近年、ダミー人形、エアバッグ等を設置したホワイトボディ、模擬車体等(以下、供試体という)をスレッド(台車)上に載置して取付け、当該スレッドに自動車衝突時の加速度を加えて、実車衝突時の状態に近い状態を供試体に与える自動車衝突シミュレータが提案されている。
このような自動車衝突シミュレータとしては、例えば、特許文献1(特開2006−138700号公報)に開示されているものがある。
このような自動車衝突シミュレータとしては、例えば、特許文献1(特開2006−138700号公報)に開示されているものがある。
上記特許文献1に開示された自動車衝突シミュレータは、図3及び図4に示すように、供試体1に自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータ11と、供試体1にピッチング動作を与えるピッチング装置21とを備えている。アクチュエータ11は、出没可能なピストン11aを有し、該ピストン11aが作動して下側スレッド2を水平方向に打ち出すように構成されており、図示しない加速度制御システムにより制御される油圧装置などで駆動されるようになっている。
下側スレッド2は、上下及び左右方向の移動が規制された状態で、前後方向に延在する左右一対の下側ガイドレール3に前後摺動可能に支持されており、該下側ガイドレール3は、ピッチング装置21に水平に敷設されている。このため、下側スレッド2には、下側ガイドレール3を挟み込むように係合するシュー22が取付けられている。また、下側スレッド2のアクチュエータ11側の前端部には、縦フレーム23が固定して設けられ、該縦フレーム23の後面には、左右一対の上下ガイドレール24が取付けられている。上下ガイドレール24には、前後及び左右方向の移動が規制された状態で、上下方向に摺動可能な支持ブラケット25が嵌装されている。
下側スレッド2は、上下及び左右方向の移動が規制された状態で、前後方向に延在する左右一対の下側ガイドレール3に前後摺動可能に支持されており、該下側ガイドレール3は、ピッチング装置21に水平に敷設されている。このため、下側スレッド2には、下側ガイドレール3を挟み込むように係合するシュー22が取付けられている。また、下側スレッド2のアクチュエータ11側の前端部には、縦フレーム23が固定して設けられ、該縦フレーム23の後面には、左右一対の上下ガイドレール24が取付けられている。上下ガイドレール24には、前後及び左右方向の移動が規制された状態で、上下方向に摺動可能な支持ブラケット25が嵌装されている。
また、下側スレッド2の上方には、供試体(ホワイトボディ、模擬車体等、ダミー人形1a、エアバッグ等を設置した場合も含む)1を搭載した上側スレッド4が配置されており、該上側スレッド4の前端部には、下側スレッド2の支持ブラケット25とピン26を介して連結する連結ブラケット27が取付けられている。したがって、上側スレッド4は、後端側が下側スレッド2に対してピン26を中心に上下回動可能に支持され、前端部側が支持ブラケット25により上下ガイドレール24に対して上下摺動可能に支持されている。しかも、下側スレッド2と上側スレッド4は、ピン26を介して中心線X方向が互いに拘束されているため、アクチュエータ11による中心線X方向の加圧力Fは、下側スレッド2から上側スレッド4に伝達されるとともに、供試体1に伝達されることになる。
さらに、上側スレッド4は、中心線X方向に対して直交する方向(横方向)にそれぞれ張り出して前後に配置される左右一対の前方支持脚5及び後方支持脚6を備えている。しかも、後方支持脚6は、前方支持脚5よりもさらに外側に張り出して設けられている。
一方、下側ガイドレール3の左右両側には、これと平行な前方昇降レール7及び後方昇降レール8が前後に設けられており、後方昇降レール8は、前方昇降レール7よりも外側となる位置に配置されている。前方昇降レール7には、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動可能に嵌装され、後方昇降レール8には、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動可能に嵌装されている。これらシュー5a,6aは、それぞれ昇降レール7,8を挟み込むように係合し、上下方向及び左右方向の移動が規制された状態で、前方支持脚5及び後方支持脚6が各昇降レール7,8に前後摺動可能に支持されている。
一方、下側ガイドレール3の左右両側には、これと平行な前方昇降レール7及び後方昇降レール8が前後に設けられており、後方昇降レール8は、前方昇降レール7よりも外側となる位置に配置されている。前方昇降レール7には、上側スレッド4の前方支持脚5の先端のシュー5aが摺動可能に嵌装され、後方昇降レール8には、上側スレッド4の後方支持脚6の先端のシュー6aが摺動可能に嵌装されている。これらシュー5a,6aは、それぞれ昇降レール7,8を挟み込むように係合し、上下方向及び左右方向の移動が規制された状態で、前方支持脚5及び後方支持脚6が各昇降レール7,8に前後摺動可能に支持されている。
4基の昇降レール7,8は、それぞれレール面を水平に維持するように案内される機構を備えており、左右の前方昇降レール7及び後方昇降レール8には、それぞれ油圧シリンダなどからなる前方鉛直加振機9及び後方鉛直加振機10が取付けられている。これら鉛直加振機9,10は、ピッチング装置21の設置箇所に設けられたピットP内に配置されており、図示しないピッチング装置用油圧装置及びピッチング制御装置によって駆動制御され、昇降レール7,8のそれぞれを昇降するように構成されている。また、左右の前方鉛直加振機9は互いに同期して駆動され、左右の前方昇降レール7は同じ高さに設定されている。同様に、左右の後方鉛直加振機10は互いに同期して駆動され、左右の後方昇降レール8は同じ高さに設定されている。
このように構成された自動車衝突シミュレータのピッチング装置21は、次のように作動する。先ず、アクチュエータ11のピストン11aの前端を接して配置された停止状態の下側スレッド2に対し、目標加速度(下側スレッド2及び供試体1の前方向としては減速加速度)を与えるべく、図示しない加速度制御システムにより油圧装置が制御され、アクチュエータ11のピストン11aが作動して下側スレッド2を後方に打ち出すことにより、自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。
それと同時に、図示しないピッチング制御装置とピッチング装置用油圧装置により、各前方鉛直加振機9及び後方鉛直加振機10が駆動され、所定のプログラムされた上下動作を上側スレッド4に与えると、該上側スレッド4に搭載された供試体1には、自動車衝突時の加速度と共に、当該衝突に伴うピッチング動作が付与されることになる。
なお、ピッチング動作を与えるプログラムは、実車衝突試験で得られたピッチング動作データに基づいて作成されており、車種、衝突条件ごとに実車衝突試験データに基づくプログラムを準備することで、自動車衝突シミュレータにおいて車種、衝突条件に即しているピッチング動作の模擬を加えた非破壊衝突試験が繰返し可能となる。
それと同時に、図示しないピッチング制御装置とピッチング装置用油圧装置により、各前方鉛直加振機9及び後方鉛直加振機10が駆動され、所定のプログラムされた上下動作を上側スレッド4に与えると、該上側スレッド4に搭載された供試体1には、自動車衝突時の加速度と共に、当該衝突に伴うピッチング動作が付与されることになる。
なお、ピッチング動作を与えるプログラムは、実車衝突試験で得られたピッチング動作データに基づいて作成されており、車種、衝突条件ごとに実車衝突試験データに基づくプログラムを準備することで、自動車衝突シミュレータにおいて車種、衝突条件に即しているピッチング動作の模擬を加えた非破壊衝突試験が繰返し可能となる。
ところで、図3及び図4に示されるようなピッチング装置21を備えた従来の自動車衝突シミュレータにあっては、アクチュエータ11のピストン11aを作動させて下側スレッド2を後方に打ち出すことにより、自動車衝突時の水平加速度を供試体1に与えているので、車種、衝突条件などに応じて加速度を大きくしたい場合、下側スレッド2及び上側スレッド4を軽量化するか、あるいは、アクチュエータ11の打ち出し能力(加圧力F)を大きくする必要がある。
しかしながら、アクチュエータ11は、下側スレッド用に既にユーザへ納入されていることがあるので、納入後において打ち出し能力を大きくできないことが多いという問題点を有している。一方、下側スレッド2及び上側スレッド4には、使用上、一定以上の強度及び剛性が要求されているので、その軽量化にも限界ある。
しかしながら、アクチュエータ11は、下側スレッド用に既にユーザへ納入されていることがあるので、納入後において打ち出し能力を大きくできないことが多いという問題点を有している。一方、下側スレッド2及び上側スレッド4には、使用上、一定以上の強度及び剛性が要求されているので、その軽量化にも限界ある。
なお、衝突時の現象が起こる時間は非常に短い(約0.1秒)ことから、その間の下側スレッド2の移動距離は数m程度である。そのため、アクチュエータ11のピストン11aで後方に打ち出された下側スレッド2は、所定の加速度が得られた後に迅速に制動して停止する必要がある。迅速な制動が行われない場合には、下側スレッド2が摺動する下側ガイドレール3の寸法を長くしなければならないので、設置スペースが大きくなり、設置箇所が制限されてしまうという問題点を有している。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、アクチュエータの打ち出し能力向上及びスレッドの軽量化を行うことなく、従来よりも大きな水平加速度を得ることが可能な自動車衝突シミュレータの構成機器を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、前後方向に延在する下側ガイドレールに前後摺動可能に支持される下側スレッドと、該下側スレッドの上方に位置して供試体を搭載し、後端側が上下回動可能に支持され、かつ前端側が上下摺動可能に支持される上側スレッドと、自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータのピストンにより前記下側スレッドを前記下側ガイドレールに沿って後方へ打ち出すことで前記下側スレッドを介して前記上側スレッド上の前記供試体に自動車衝突時の加速度を加えるとともに、ピッチング動作を与えるようにした自動車衝突シミュレータの構成機器において、前記下側ガイドレールは、打ち出し領域と制動領域とを有しており、前記打ち出し領域の前記下側ガイドレールに摩擦係数を低下させる表面処理加工を施している。
この発明において、前記打ち出し領域は、前記下側ガイドレールの前端側から、前記ピストンのストローク長と前記下側スレッドの長さとを合わせた長さに位置しているのが好ましい。
上述の如く、本発明に係る自動車衝突シミュレータの構成機器は、前後方向に延在する下側ガイドレールに前後摺動可能に支持される下側スレッドと、該下側スレッドの上方に位置して供試体を搭載し、後端側が上下回動可能に支持され、かつ前端側が上下摺動可能に支持される上側スレッドと、自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータのピストンにより前記下側スレッドを前記下側ガイドレールに沿って後方へ打ち出すことで前記下側スレッドを介して前記上側スレッド上の前記供試体に自動車衝突時の加速度を加えるとともに、ピッチング動作を与えるようにしたものであって、前記下側ガイドレールは、打ち出し領域と制動領域とを有しており、前記打ち出し領域の前記下側ガイドレールに摩擦係数を低下させる表面処理加工を施しているので、アクチュエータの見かけの打ち出し力が大きくなり、従来と比べてより大きな水平加速度を得ることができる。
したがって、本発明の構成機器によれば、同一の打ち出し能力を持つアクチュエータでも、適用車種や衝突条件などに応じて、自動車衝突時の水平方向の動きを高精度に再現できる。また、アクチュエータの打ち出し能力を上げずに済むので、コスト低減を図ることができる。さらに、下側スレッド及び上側スレッドの軽量化を行う必要がないので、下側スレッド及び上側スレッドに十分な強度及び剛性を持たせることができる。
また、本発明において、前記打ち出し領域は、前記下側ガイドレールの前端側から、前記ピストンのストローク長と前記下側スレッドの長さとを合わせた長さに位置しているので、下側スレッドに対する必要な制動領域は確保されている。したがって、下側ガイドレールの長さを大きくする必要がなく、設置スペースも従来のままで良いので、様々な車種や衝突条件に対応することが可能となり、汎用性に優れている。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自動車衝突シミュレータの構成機器であるピッチング装置の概略側面図、図2は、本発明の実施形態に係る下側スレッドと下側ガイドレールとの係合状態を示す正面図である。なお、図3及び図4に示す従来例と同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
下側スレッド2は、図1に示すように、前後方向に長く、前後左右の周囲がフレームで囲まれた平面視で略長方形状に形成されており、左右両側が下側ガイドレール3に載置され、前後方向に沿って摺動可能に支持されている。しかも、下側スレッド2の前後左右の下部には、図2に示すように、下側ガイドレール3を挟み込むように係合するシュー22が取付けられており、下側スレッド2は、シュー22によって三方から囲まれ、上下方向及び左右方向の移動が規制(拘束)された状態で、下側ガイドレール3上を前後方向に摺動するようになっている。
また、本発明の実施形態に係る下側ガイドレール3は、図1に示すように、アクチュエータ11のピストン11aで後方に打ち出された下側スレッド2が滑って摺動する打ち出し領域Aと、摺動する下側スレッド2に制動を加える制動領域Bとを有している。
打ち出し領域Aは、下側ガイドレール3のアクチュエータ11側に位置する前端側から、ピストン11aのストローク長Lpと、下側スレッド2の前後方向の長さLsとを合わせた長さに位置している。制動領域Bは、打ち出し領域Aより後方に位置している。
打ち出し領域Aは、下側ガイドレール3のアクチュエータ11側に位置する前端側から、ピストン11aのストローク長Lpと、下側スレッド2の前後方向の長さLsとを合わせた長さに位置している。制動領域Bは、打ち出し領域Aより後方に位置している。
打ち出し領域Aの下側ガイドレール3の上下面及び外側側面には、摩擦係数を低下させて摺動性の向上を図る表面処理加工が施されている。この表面処理加工の一例としては、リン酸被膜やサンドブラストなどで表面を粗らし、その後にデフリック処理を行ってレール表面にデフリック皮膜を形成する加工法が挙げられる。
一方、制動領域Bの下側ガイドレール3の上下面及び外側側面には、上記した表面処理加工が施されていない。なお、下側スレッド2の下部には、図示しないブレーキ装置が設けられ、下側ガイドレール3の所定位置には、ブレーキシュー3aが設けられている。
一方、制動領域Bの下側ガイドレール3の上下面及び外側側面には、上記した表面処理加工が施されていない。なお、下側スレッド2の下部には、図示しないブレーキ装置が設けられ、下側ガイドレール3の所定位置には、ブレーキシュー3aが設けられている。
このように構成された本発明の実施形態に係る自動車衝突シミュレータのピッチング装置21は、次のように作動する。
前述したと同様に、下側ガイドレール3上に載置された停止状態の下側スレッド2に対し、目標加速度を与えるべく、アクチュエータ11のピストン11aが作動して下側スレッド2を後方に打ち出すことにより、自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。それと同時に、各前方鉛直加振機9及び後方鉛直加振機10が駆動され、所定のプログラムされた上下動作を上側スレッド4に与えると、該上側スレッド4に搭載された供試体1には、自動車衝突時の加速度と共に、当該衝突に伴うピッチング動作が付与されることになる。
この際、図1に示すように、アクチュエータ11による下側スレッド2への加圧力Fに対して上側スレッド4から前方へ向かう反対向きの慣性力Kが発生し、上側スレッド4の前端部側を中心にして下向きの回転モーメントMが下側スレッド2に作用し、下側スレッド2の前後部を介して下方及び上方の反力Nが下側ガイドレール3に発生するとともに、前方へ向かう摩擦力Foが発生する。本実施形態のピッチング装置21の下側ガイドレール3においては、打ち出し領域Aに表面処理加工が施されて摩擦係数が下げられているため、打ち出し領域Aの摩擦力Foが小さく、下側スレッド2が下側ガイドレール3上を滑らかに摺動することになる。そして、目標とする自動車衝突時の加速度とピッチング動作が供試体1に付与された後、下側スレッド2が制動領域Bの下側ガイドレール3上を摺動すると、下側スレッド2に所定の制動力が加えられ、停止することになる。
前述したと同様に、下側ガイドレール3上に載置された停止状態の下側スレッド2に対し、目標加速度を与えるべく、アクチュエータ11のピストン11aが作動して下側スレッド2を後方に打ち出すことにより、自動車衝突時を模擬(シミュレート)する加速度を供試体1に与える。それと同時に、各前方鉛直加振機9及び後方鉛直加振機10が駆動され、所定のプログラムされた上下動作を上側スレッド4に与えると、該上側スレッド4に搭載された供試体1には、自動車衝突時の加速度と共に、当該衝突に伴うピッチング動作が付与されることになる。
この際、図1に示すように、アクチュエータ11による下側スレッド2への加圧力Fに対して上側スレッド4から前方へ向かう反対向きの慣性力Kが発生し、上側スレッド4の前端部側を中心にして下向きの回転モーメントMが下側スレッド2に作用し、下側スレッド2の前後部を介して下方及び上方の反力Nが下側ガイドレール3に発生するとともに、前方へ向かう摩擦力Foが発生する。本実施形態のピッチング装置21の下側ガイドレール3においては、打ち出し領域Aに表面処理加工が施されて摩擦係数が下げられているため、打ち出し領域Aの摩擦力Foが小さく、下側スレッド2が下側ガイドレール3上を滑らかに摺動することになる。そして、目標とする自動車衝突時の加速度とピッチング動作が供試体1に付与された後、下側スレッド2が制動領域Bの下側ガイドレール3上を摺動すると、下側スレッド2に所定の制動力が加えられ、停止することになる。
以上、本発明の実施形態のピッチング装置21によれば、打ち出し領域Aの下側ガイドレール3のみに表面処理加工が施されて摩擦係数が下げられているため、アクチュエータ11の見かけの打ち出し力が大きくなる。したがって、同一能力のアクチュエータ11を使用し、かつ十分な強度及び剛性を有する下側スレッド2及び上側スレッド4を使用しても、従来と比べてより大きな水平加速度が得られることになり、適用車種や衝突条件などに応じて、低コストで自動車衝突時の水平方向の動きを高精度に再現することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 供試体
2 下側スレッド
3 下側ガイドレール
4 上側スレッド
11 アクチュエータ
11a ピストン
21 ピッチング装置
A 打ち出し領域
B 制動領域
Lp ピストンのストローク長
Ls 下側スレッドの長さ
2 下側スレッド
3 下側ガイドレール
4 上側スレッド
11 アクチュエータ
11a ピストン
21 ピッチング装置
A 打ち出し領域
B 制動領域
Lp ピストンのストローク長
Ls 下側スレッドの長さ
Claims (2)
- 前後方向に延在する下側ガイドレールに前後摺動可能に支持される下側スレッドと、該下側スレッドの上方に位置して供試体を搭載し、後端側が上下回動可能に支持され、かつ前端側が上下摺動可能に支持される上側スレッドと、自動車衝突時の加速度を加えるアクチュエータとを備え、前記アクチュエータのピストンにより前記下側スレッドを前記下側ガイドレールに沿って後方へ打ち出すことで前記下側スレッドを介して前記上側スレッド上の前記供試体に自動車衝突時の加速度を加えるとともに、ピッチング動作を与えるようにした自動車衝突シミュレータの構成機器において、前記下側ガイドレールは、打ち出し領域と制動領域とを有しており、前記打ち出し領域の前記下側ガイドレールに摩擦係数を低下させる表面処理加工を施したことを特徴とする自動車衝突シミュレータの構成機器。
- 前記打ち出し領域は、前記下側ガイドレールの前端側から、前記ピストンのストローク長と前記下側スレッドの長さとを合わせた長さに位置していることを特徴とする請求項1に記載の自動車衝突シミュレータの構成機器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008045821A JP2009204395A (ja) | 2008-02-27 | 2008-02-27 | 自動車衝突シミュレータの構成機器 |
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- 2008-02-27 JP JP2008045821A patent/JP2009204395A/ja active Pending
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