JP2003329538A - 車両用衝突試験装置及び方法 - Google Patents

車両用衝突試験装置及び方法

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JP2003329538A JP2002133564A JP2002133564A JP2003329538A JP 2003329538 A JP2003329538 A JP 2003329538A JP 2002133564 A JP2002133564 A JP 2002133564A JP 2002133564 A JP2002133564 A JP 2002133564A JP 2003329538 A JP2003329538 A JP 2003329538A
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Yoriaki Ito
順紀 伊藤
Junichi Aiki
純一 合木
Yukichi Ishida
雄吉 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用衝突試験装置及び方法において、車両
を壁などに直接衝突させることなく高精度な衝突試験を
実施可能とする。 【解決手段】 車両10を搭載する移動台車14をガイ
ドレール12に沿って移動自在に支持し、この移動台車
14に制動装置としてのエアシリンダ15を装着する一
方、移動台車14を押出可能な押出装置としての油圧シ
リンダ19を設置し、制御装置23は、エアシリンダ1
5による制動力と油圧シリンダ19による押出力を制御
して移動台車14に対して予め設定された所定の試験加
速度Gを付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を実際に衝突
させて破損することなく所定の荷重を付与することで衝
突試験を行う車両用衝突試験装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な車両用衝突試験は、車両を所定
の軌道に沿って移動可能な台車上に固定すると共にこの
車両にダミー人形を乗せ、この状態で台車を所定の速度
で移動して壁や別の車両に衝突させることで、車両の破
損状態や衝撃吸収力、ダミー人形が受けるダメージなど
を測定しており、この測定結果に基づいて車両の安全性
を検討している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した車
両用衝突試験では、試験を実施するごとに車両を破損さ
せることから試験コストが増加してしまう。また、車両
を壁などに直接衝突させることから壁を強固に製造する
必要があり、この点でも試験コストが増加してしまう。
そこで、車両を壁などに直接衝突させずに車両に対して
模擬的な衝突荷重を付与して衝突試験を行うことが行わ
れている。
【0004】このような車両用衝突試験では、車両を所
定の軌道に沿って移動可能な台車上に固定すると共にこ
の車両にダミー人形を乗せ、この状態で台車を所定の加
速度で押し出すことで、実際の衝突力と同じ衝撃を車両
に作用させている。ところで、車両衝突時に、車両に
は、前進方向と同方向の正の荷重と共に前進方向とは逆
方向の負の荷重が作用している。そのため、前述した車
両用衝突試験方法では、台車の押し出しにより車両に正
の荷重を作用させることはできるものの、負の荷重を作
用させることはできず、実際の衝突試験に近い高精度な
試験を実施することはできなかった。
【0005】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、車両を壁などに直接衝突させることなく高精度
な衝突試験を実施可能とした車両用衝突試験装置及び方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明の車両用衝突試験装置は、車両を搭
載して所定の軌道に沿って移動自在に支持された移動台
車と、該移動台車を制動可能な制動装置と、前記移動台
車を押出可能な押出装置と、前記制動装置による制動力
及び前記押出装置による押出力を制御して前記移動台車
に対して予め設定された所定の加速度を付与する制御装
置とを具えたことを特徴とするものである。
【0007】請求項2の発明の車両用衝突試験装置で
は、前記制御装置は、前記制動装置による制動力を一定
とし、前記所定の加速度に該制動装置による一定の制動
力を付与して前記押出装置による押出力を設定すること
を特徴としている。
【0008】請求項3の発明の車両用衝突試験装置で
は、所定の加速度は時間の経過とともに変化する波形で
あり、前記制御装置は前記制動装置による制動力を負の
最大加速度に応じて設定したことを特徴としている。
【0009】請求項4の発明の車両用衝突試験方法は、
車両を搭載して軌道上に支持された移動台車に所定の制
動力を付与した状態で該移動台車を押し出すことで、前
記車両に対して押出方向における正の加速度及び負の加
速度を連続的に付与することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1に本発明の一実施形態に係る車両用衝
突試験装置の概略平面視、図2に本実施形態の車両用衝
突試験装置の概略側面視、図3に図1のIII−III断面、
図4に本実施形態の車両用衝突試験装置における車両に
付与する加速度を表すグラフを示す。
【0012】本実施形態の車両用衝突試験装置におい
て、図1乃至図3に示すように、架台11上には所定長
さを有する左右一対のガイドレール(軌道)12が敷設
されており、このガイドレール12にはガイド部材13
を介して移動台車14が移動自在に支持されている。こ
の移動台車14は試験車両10を搭載し、図示しない固
定具によりこの試験車両10を一体の位置決め可能とな
っている。また、移動台車14には、ガイドレール12
に対してこの移動台車14を制動可能な制動装置として
の複数のエアシリンダ15が装着されており、各エアシ
リンダ15の駆動ロッドの先端部にはガイドレール12
を押圧する押圧板16が取付けられている。そして、こ
の各エアシリンダ15には着脱自在な連結ホース17を
介してコンプレッサ18が連結されている。従って、コ
ンプレッサ18を駆動して圧縮エアを連結ホース17を
介して各エアシリンダ15に供給し、所定圧のエアをこ
のエアシリンダ15に封入することで、押圧板16がガ
イドレール12を押圧して所定の制動力を発揮させるこ
とができる。
【0013】架台11の一端部には移動台車14を押出
可能な押出装置としての複数の油圧シリンダ19が設置
されており、各油圧シリンダ19の駆動ロッドの先端部
には移動台車14を押し出す押出部材20が取付けられ
ている。そして、この各油圧シリンダ19には油タンク
21及びポンプユニット22が連結されている。従っ
て、ポンプユニット22によって油タンク21の圧油を
各油圧シリンダ19に供給、あるいは各油圧シリンダ1
9に供給した圧油を排出することで駆動ロッドを伸長
し、押出部材20を介して移動台車14を押し出すこと
ができる。
【0014】制御装置23は前述したコンプレッサ18
及びポンプユニット22を駆動制御可能であり、コンプ
レッサ18を駆動制御してエアシリンダ15による移動
台車14の制動力を調整することができると共に、ポン
プユニット22を駆動制御して油圧シリンダ19による
移動台車14の押出力を調整することができる。
【0015】この場合、油圧シリンダ19による移動台
車14の押出力は、車両10の前進方向と同方向の正の
荷重であり、エアシリンダ15による移動台車14の制
動力は、車両10の前進方向とは逆方向の負の荷重であ
る。従って、制御装置23は油圧シリンダ19による正
の荷重とエアシリンダ15による負の荷重の合力を車両
10に加速度として付与する。
【0016】ここで、上述した本実施形態の車両用衝突
試験装置による衝突試験方法について説明する。
【0017】本実施形態の車両用衝突試験装置では、車
両10を壁に直接衝突させずに車両10に対して模擬的
な衝突荷重を付与して衝突試験を行うものであり、車両
10のどの程度の衝突荷重を付与するかを予め設定して
おく。本実施形態では、図4のグラフに実線で表す試験
加速度G(衝突荷重)を車両10に付与する場合につい
て説明する。
【0018】制御装置23にはこの図4のグラフに示す
経過時間tに対する試験加速度Gのグラフ(波形)が入
力されており、このグラフに基づいて油圧シリンダ19
による移動台車14の押出力と、エアシリンダ15によ
る移動台車14の制動力を設定する。この場合、衝突試
験中において、制御装置23は、ポンプユニット22に
よる油圧シリンダ19の供給油圧を調整することで、移
動台車14の押出力を調整することができるが、エアシ
リンダ15と連結ホース17(コンプレッサ18)とは
切り離されているためにエアシリンダ15による移動台
車14の制動力を調整することはできず、エアシリンダ
15による移動台車14の制動力を一定とする。
【0019】即ち、図4に示すように、経過時間tに対
する試験加速度Gにて、最小値(負の加速度の最大値)
を−G1 とすると、移動台車14に対してこの−G1
り大きい−G2 が作用するようにエアシリンダ15の押
圧力を設定しておく。そして、油圧シリンダ19の押出
力を、試験加速度Gにエアシリンダ15の押圧力に相当
する加速度G2 を加算した加速度G3 が作用するように
設定しておく。
【0020】従って、図1及び図2に示すように、ま
ず、移動台車14をガイドレール12の一端部に位置さ
せて車両10を搭載して固定し、次に、制御装置23
は、コンプレッサ18を駆動して圧縮エアを連結ホース
17を介して各エアシリンダ15に供給し、予め設定さ
れた所定圧のエアをこのエアシリンダ15に封入するこ
とで、移動台車14に対して−G2 が作用するようにエ
アシリンダ15の押圧力を設定する。そして、この状態
で、制御装置23は、ポンプユニット22によって油タ
ンク21の圧油を各油圧シリンダ19に供給(あるいは
各油圧シリンダ19に供給した圧油を排出)することで
駆動ロッドを伸長し、押出部材20を介して移動台車1
4を押し出す。
【0021】このとき、各油圧シリンダ19は、試験加
速度Gに加速度G2 を加算した加速度G3 で移動台車1
4を押し出すが、エアシリンダ15により加速度−G2
に相当する制動力が移動台車14に付与しているため、
移動台車14は試験加速度Gて押し出されることとな
り、予め設定された所定の衝突荷重を車両10に付与す
ることができる。
【0022】また、常時、移動台車14に負の加速度−
2 が作用するようにエアシリンダ15を作動させてお
り、油圧シリンダ19の押出力(押出加速度G3 )を減
少することで、移動台車14を介して予め設定された所
定の衝突反力を車両10に付与することができる。
【0023】このように本実施形態の車両用衝突試験装
置及び方法にあっては、車両10を搭載する移動台車1
4をガイドレール12に沿って移動自在に支持し、この
移動台車14に制動装置としてのエアシリンダ15を装
着する一方、移動台車14を押出可能な押出装置として
の油圧シリンダ19を設置し、制御装置23は、エアシ
リンダ15による制動力と油圧シリンダ19による押出
力を制御して移動台車14に対して予め設定された所定
の試験加速度Gを付与するようにしている。
【0024】従って、油圧シリンダ19は移動台車14
に対して正の加速度を付与し、エアシリンダ15は移動
台車14に対して負の加速度を付与することとなり、車
両10を壁などに直接衝突させることなく、車両10に
対して衝突荷重と衝突反力を適正に作用させることがで
き、高精度な衝突試験を実施することができる。
【0025】なお、上述した実施形態では、試験加速度
Gにおける最大の負の加速度−G1に対して、エアシリ
ンダ15の押圧力をこの−G1 より大きい−G2 が作用
するように設定したが、エアシリンダ15の押圧力をこ
の−G1 と同様に設定してもよい。また、エアシリンダ
15の押圧力(負の加速度−G2 を一定としたが、エア
シリンダ15とコンプレッサ18を常時接続とすること
で、試験中に可変としてもよい。
【0026】更に、移動台車14を制動可能な制動装置
としてエアシリンダ15を適用し、移動台車14を押出
可能な押出装置として油圧シリンダ19を適用したが、
これらの気候に限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明した
ように請求項1の発明の車両用衝突試験装置によれば、
車両を搭載する移動台車を所定の軌道に沿って移動自在
に支持し、この移動台車を制動可能な制動装置を設ける
と共に、移動台車を押出可能な押出装置を設け、制御装
置が制動装置による制動力及び押出装置による押出力を
制御して移動台車に対して予め設定された所定の加速度
を付与するので、押出装置は移動台車に対して正の加速
度を付与し、制動装置は移動台車に対して負の加速度を
付与することとなり、車両を壁などに直接衝突させるこ
となく、車両に対して衝突荷重と衝突反力を適正に作用
させることができ、高精度な衝突試験を実施することが
できる。
【0028】請求項2の発明の車両用衝突試験装置によ
れば、制御装置は、制動装置による制動力を一定とし、
所定の加速度に制動装置による一定の制動力を付与して
押出装置による押出力を設定するので、制動装置の制御
を容易として装置の簡素化及び制御性を向上することが
できる。
【0029】請求項3の発明の車両用衝突試験装置によ
れば、所定の加速度を時間の経過とともに変化する波形
とし、制御装置は制動装置による制動力を負の最大加速
度に応じて設定したので、制動装置の制動力を最小限に
抑制して押出装置による無駄な押出力の発生を防止する
ことで、衝突試験の試験効率を向上することができる。
【0030】請求項4の発明の車両用衝突試験方法によ
れば、車両を搭載して軌道上に支持された移動台車に所
定の制動力を付与した状態で移動台車を押し出すこと
で、車両に対して押出方向における正の加速度及び負の
加速度を連続的に付与するようにしたので、車両を壁な
どに直接衝突させることなく、車両に対して衝突荷重と
衝突反力を適正に作用させることができ、高精度な衝突
試験を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用衝突試験装置
の概略平面図である。
【図2】本実施形態の車両用衝突試験装置の概略側面図
である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】本実施形態の車両用衝突試験装置における車両
に付与する加速度を表すグラフである。
【符号の説明】
10 車両 12 ガイドレール(軌道) 14 移動台車 15 エアシリンダ(制動装置) 19 油圧シリンダ(押出装置) 23 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 雄吉 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を搭載して所定の軌道に沿って移動
    自在に支持された移動台車と、該移動台車を制動可能な
    制動装置と、前記移動台車を押出可能な押出装置と、前
    記制動装置による制動力及び前記押出装置による押出力
    を制御して前記移動台車に対して予め設定された所定の
    加速度を付与する制御装置とを具えたことを特徴とする
    車両用衝突試験装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記制御装置は、前
    記制動装置による制動力を一定とし、前記所定の加速度
    に該制動装置による一定の制動力を付与して前記押出装
    置による押出力を設定することを特徴とする車両用衝突
    試験装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、所定の加速度は時間
    の経過とともに変化する波形であり、前記制御装置は前
    記制動装置による制動力を負の最大加速度に応じて設定
    したことを特徴とする車両用衝突試験装置。
  4. 【請求項4】 車両を搭載して軌道上に支持された移動
    台車に所定の制動力を付与した状態で該移動台車を押し
    出すことで、前記車両に対して押出方向における正の加
    速度及び負の加速度を連続的に付与することを特徴とす
    る車両用衝突試験方法。
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