JP2013155803A - 摺動式等速自在継手 - Google Patents

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照司 高根
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Abstract

【課題】 内部部品の軸方向変位によりその内部部品が突状部と干渉した時に突状部の弾性変形を抑制し、内部部品のスライドオーバーを確実に防止する。
【解決手段】 一端に開口部11を有するカップ状をなし、軸方向に延びるトラック溝12が内周面の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材10と、その外側継手部材10のトラック溝12に転動自在に挿入されたローラ30を介して外側継手部材10との間で角度変位を許容しながらトルクが伝達されるトリポード部材20とを備え、ローラ30およびトリポード部材20を含む内部部品60が外側継手部材10に軸方向摺動自在に収容され、外側継手部材10の開口部11を閉塞するブーツ50の大径端部51を開口部11の外周面に装着した摺動式等速自在継手であって、ブーツ50の大径端部51の内周面に、内部部品60の軸方向変位を規制する突状部54を設けると共に、その突状部54の内部部品60との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材90を付設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車、航空機、船舶や各種産業機械の動力伝達系において使用され、例えば4WD車やFR車などで使用されるドライブシャフトやプロペラシャフト等に組み込まれて駆動側と従動側の二軸間で軸方向変位および角度変位を許容する摺動式等速自在継手に関する。
自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達するドライブシャフトやプロペラシャフト等に組み込まれる等速自在継手には、固定式等速自在継手と摺動式等速自在継手の二種がある。これら両者の等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。
自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトは、エンジンと車輪との相対的位置関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要があるため、一般的に、エンジン側(インボード側)に摺動式等速自在継手を、駆動車輪側(アウトボード側)に固定式等速自在継手をそれぞれ装備し、両者の等速自在継手をシャフトで連結した構造を具備する。
このドライブシャフトに組み付けられる摺動式等速自在継手の一つに、トルク伝達部材としてローラを用いたローラタイプのトリポード型等速自在継手(TJ)がある。また、他の摺動式等速自在継手には、トルク伝達部材としてボールを用いたボールタイプのダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)がある。
例えば、トリポード型等速自在継手は、一端に開口部を有するカップ状をなし、内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝が形成されると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面が形成された外側継手部材と、径方向に突出した三本の脚軸を有するトリポード部材と、そのトリポード部材の脚軸に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されてローラ案内面に沿って案内されるローラとで主要部が構成されている。
この種の等速自在継手は、トリポード部材およびローラからなる内部部品が外側継手部材に軸方向摺動自在に収容された構造を具備する。また、トリポード部材の軸孔にはシャフトの一端がスプライン嵌合により連結され、このシャフトの他端には、固定式等速自在継手の内側継手部材がスプライン嵌合により連結されている。さらに、この等速自在継手では、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材の開口部とシャフトとの間に樹脂製あるいはゴム製の蛇腹状ブーツを装着した構造が一般的である。
この種のトリポード型等速自在継手を自動車に組み付けるに際しては、このトリポード型等速自在継手をエンジン側(インボード側)に組み付けた後、固定式等速自在継手を駆動車輪側(アウトボード側)に組み付けるのが一般的である。その駆動車輪側では、固定式等速自在継手にハブベアリングを組み付け、ナックルにより車体の懸架装置に組み付けるが、固定式等速自在継手にハブベアリングを組み付けた時点では、ハブベアリングおよびナックルを車体の懸架装置に組み付けていないため、前述のトリポード型等速自在継手には、固定式等速自在継手、ハブベアリングおよびナックルからなる大きな荷重がスライドアウト方向へかかる場合がある。
このような状態になると、トリポード型等速自在継手の内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーが生じることがある。このようなスライドオーバー時には、内部部品のローラが傾いた状態になったりすることで内部部品を外側継手部材に挿入し直すことが困難となる。そこで、従来では、このスライドオーバーを防止するため、以下のような抜け止め機構が採用されている。
その抜け止め機構の具体例としては、外側継手部材の開口部内周面に環状凹溝を設け、その環状凹溝にサークリップを嵌着した構造がある(例えば、特許文献1参照)。このような構造とすることにより、内部部品の軸方向変位時、その内部部品のローラがサークリップと干渉することでローラの軸方向変位量を規制するようにしている。
実開平10−194号公報 特開2009−63045号公報
ところで、前述の特許文献1で開示された従来の等速自在継手では、ローラの軸方向変位量を規制するサークリップを外側継手部材に組み付けるため、外側継手部材の開口部内周面に環状凹溝を形成しなければならず、外側継手部材の開口部内周面を旋削加工する必要があり、また、サークリップも必要となることから、旋削加工による加工工数および部品点数の増加により製品のコストアップを招くことになる。さらに、環状凹溝を形成する分だけ外側継手部材の軸方向寸法を長くする必要があり、その分、外側継手部材の大型化および重量の増大を招くことにもなる。
そこで、本出願人は、従来の等速自在継手における加工工数および部品点数の増加により製品のコストアップを招くことを回避し、軽量コンパクトな等速自在継手を提供するため、外側継手部材の開口部を閉塞するブーツに抜け止め機構を設けたトリポード型等速自在継手を先に提案している(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示された等速自在継手は、ブーツの端部の内周面に、内部部品の軸方向移動を規制する突状部を設けた構造を具備する。この場合、等速自在継手が作動して内部部品が外側継手部材の開口側へ軸方向変位した際、ブーツの端部の内周面に設けた突状部が内部部品のローラと干渉する。これにより、内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを未然に防止するようにしている。
しかしながら、この等速自在継手では、内部部品の軸方向移動を規制する突状部をブーツの端部の内周面に一体的に形成していることから、その突状部も樹脂製あるいはゴム製となる。そのため、内部部品が外側継手部材の開口側へ軸方向変位した際、突状部が内部部品と干渉した時にその内部部品が突状部を押圧する力でもってその突状部が大きく弾性変形する可能性がある。このように突状部が大きく弾性変形すると、内部部品のローラが突状部を乗り越えて内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーが発生するおそれがある。
そこで、本発明は前述の改善点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、内部部品の軸方向変位によりその内部部品が突状部と干渉した時に突状部の弾性変形を抑制し、その内部部品のスライドオーバーを確実に防止し得る摺動式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、一端に開口部を有するカップ状をなし、軸方向に延びるトラック溝が内周面の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材と、その外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入された転動体を介して外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルクが伝達される内側継手部材とを備え、転動体および内側継手部材を含む内部部品が外側継手部材に軸方向摺動自在に収容され、外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を開口部の外周面に装着した摺動式等速自在継手であって、ブーツの端部の内周面に、内部部品の軸方向変位を規制する突状部を設けると共に、その突状部の内部部品との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材を付設したことを特徴とする。
本発明では、ブーツの端部の内周面に、内部部品の軸方向変位を規制する突状部を設けたことにより、内部部品の軸方向変位時、その内部部品が突状部と干渉することで内部部品の軸方向変位量を規制することによって、その内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを防止する。特に、この摺動式等速自在継手をドライブシャフトとして自動車に組み付けるに際して、固定式等速自在継手、ハブベアリングおよびナックルからなる大きな荷重が摺動式等速自在継手のスライドアウト方向にかかった場合に有効で、この等速自在継手の組み付け性が向上する。一方、従来のような環状凹溝形成のための外側継手部材の旋削加工が不要となってコスト低減が図れる。また、環状凹溝形成がないため、その分、外側継手部材の軸方向寸法を短くすることができて外側継手部材の軽量コンパクト化が図れる。
さらに、本発明では、突状部の内部部品との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材を付設したことにより、内部部品の軸方向変位によってその内部部品が突状部と干渉する時、内部部品が突状部を押圧する力でもってその突状部が弾性変形することを抑制することができる。このように補強部材により突状部の剛性を高くすることで、内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを確実に防止することができ、内部部品の抜け止め性能を向上させることができる。
本発明における突状部は、ブーツとの一体成形で形成されていることが望ましい。このようにすれば、突状部を容易に形成することができると共に、従来のようなサークリップが不要となって部品点数の削減が図れる。
本発明では、突状部の素材を樹脂あるいはゴムのうちから選択される一つとし、かつ、補強部材の素材を金属とすることが望ましい。このように、補強部材の素材を突状部の素材よりも硬質材料とすれば、内部部品の干渉時に突状部の弾性変形を確実に抑制することができる。
本発明における突状部は、ブーツの端部の内周面から内側へ向けて延びる延在部と、その延在部を軸方向で外側継手部材側に屈曲させて内部部品と干渉可能とした屈曲部とで構成されていることが望ましい。このような構造を採用すれば、延在部を外側継手部材の開口部の端面に当接させ、屈曲部を外側継手部材の開口部の内周面に当接させた構造となり、内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを確実に防止することができる。
本発明における突状部の屈曲部は、外側継手部材の開口部側から奥側へ向けて厚みが漸減する形状を有することが望ましい。このような形状にすれば、外側継手部材の奥側から開口部側へ向けて軸方向変位する内部部品を屈曲部で確実に受け止めることができる。
本発明における補強部材は、突状部の屈曲部の軸方向断面形状と合致した形状をなし、屈曲部に外嵌されている構造が望ましい。このような構造にすれば、内部部品の軸方向変位によりその内部部品が突状部と干渉する時、内部部品を補強部材に当接させることで突状部の弾性変形を確実に抑制することができる。
本発明における補強部材は、突状部の屈曲部の根元部位に形成された段差に引っ掛け係止することにより屈曲部に固定されている構造が望ましい。このような構造を採用すれば、補強部材を屈曲部に強固に固定することができ、その補強部材が屈曲部から脱落することを確実に防止することができる。
本発明における外側継手部材は、軸線方向に延びる三本のトラック溝が内周面に形成されると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面が形成され、内側継手部材は、先端がトラック溝内に挿入された三本の脚軸を有するトリポード部材であり、転動体は、脚軸に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝に挿入されてローラ案内面に沿って案内されるローラである構造が望ましい。つまり、このような構造を具備するローラタイプのトリポード型等速自在継手に適用可能である。この場合、本発明における突状部は、外側継手部材のトラック溝のローラ案内面と対応する部位に配置されていることが望ましい。このようにすれば、内部部品のローラを突状部に確実に干渉させることができる。
また、本発明における内側継手部材は、軸方向に延びる直線状トラック溝が外側継手部材のトラック溝と対をなして外周面の複数箇所に形成され、転動体は、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に配されたボールであり、外側継手部材の内周面と内側継手部材の外周面との間に介在してボールを保持するケージを備えた構造が望ましい。つまり、このような構造を具備するボールタイプのダブルオフセット型等速自在継手に適用可能である。この場合、本発明における突状部は、外側継手部材のトラック溝間と対応する部位に配置されていることが望ましい。このようにすれば、内部部品のケージを突状部に確実に干渉させることができる。
本発明によれば、ブーツの端部の内周面に、内部部品の軸方向変位を規制する突状部を設けたことにより、内部部品の軸方向変位時、その内部部品が突状部と干渉することで内部部品の軸方向変位量を規制することによって、その内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを防止することができる。一方、従来のような環状凹溝形成のための外側継手部材の旋削加工が不要となってコスト低減が図れる。また、環状凹溝形成がないため、その分、外側継手部材の軸方向寸法を短くすることができて外側継手部材の軽量コンパクト化が図れる。
さらに、突状部の内部部品との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材を付設したことにより、その補強部材で突状部の剛性を高くすることで、内部部品が外側継手部材の開口部から飛び出すスライドオーバーを確実に防止することができ、内部部品の抜け止め性能を向上させることができる。
このように、ブーツの端部の内周面に、内部部品の軸方向変位を規制する突状部を設けると共に、突状部の内部部品との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材を付設したことにより、内部部品の抜け止め性能が向上した、安価で軽量コンパクトな摺動式等速自在継手を提供できる。
本発明に係る摺動式等速自在継手の実施形態で、トリポード型等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。 ブーツ装着前の状態における図1のA矢視図である。 図1の内部部品が突状部と干渉した状態を示す平断面図である。 図1のブーツの大径端部を示す側面図である。 本発明に係る摺動式等速自在継手の他の実施形態で、ダブルオフセット型等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。 ブーツ装着前の状態における図5のB矢視図である。 図5の内部部品が突状部と干渉した状態を示す縦断面図である。 図5のブーツの大径端部を示す側面図である。 ブーツの大径端部の要部拡大断面図である。 補強部材を示す拡大斜視図である。
本発明に係る摺動式等速自在継手の実施形態を以下に詳述する。以下の実施形態では、シングルローラタイプのトリポード型等速自在継手を例示する。なお、本発明は、このシングルローラタイプ以外に、作動時の低振動化を可能としたダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手にも適用可能である。また、本発明は、トリポード型等速自在継手以外に、ボールタイプのダブルオフセット型等速自在継手のような他の摺動式等速自在継手にも適用可能である。
図1および図2はシングルローラタイプのトリポード型等速自在継手の基本構成を示し、図1は継手の軸線に対する縦断面図、図2はブーツ装着前の状態での継手のA矢視図である(但し、一つのローラ30のみを断面で示す)。この実施形態のトリポード型等速自在継手は、外側継手部材10と、内側継手部材であるトリポード部材20と、転動体であるローラ30とで主要部が構成されている。
外側継手部材10は、一端に開口部11を有するカップ状をなし、その底部中央に軸部13が一体的に形成されている。外側継手部材10の内周面には、軸方向に延びる三本の直線状トラック溝12が円周方向等間隔に形成される。各トラック溝12は、その内側両壁に互いに対向する一対のローラ案内面14を有する。ローラ案内面14は円弧状断面を有し、外側継手部材10の軸線方向に直線状に延びる。外側継手部材10の外周面は、軽量化のため、トラック溝12間と対応する部位が減肉されて凹部15が軸方向に形成されている。この外側継手部材10の内部には、トリポード部材20とローラ30からなる内部部品60が軸方向摺動自在に収容されている。
トリポード部材20は、円筒状をなすボス21の外周面に三本の脚軸22が円周方向等間隔(120°間隔)で放射状に一体形成されたものである。脚軸22は、その先端がトラック溝12の底部付近まで半径方向に延在し、その外周面は一般的に円筒面とされている。ボス21の軸孔にシャフト40の軸端がスプライン嵌合により連結され、環状のスナップリング41によりトリポード部材20に対して抜け止めされている。
外側継手部材10のトラック溝12のローラ案内面14と脚軸22の外周面との間に針状ころ31を介してローラ30が回転自在に配設される。ローラ30の外周面は縦断面円弧状とされ、ローラ案内面14とアンギュラ接触により二箇所で接触する場合と、サーキュラ接触により一箇所で接触する場合がある。一方、ローラ30の内周面は、円筒状に形成されている。このローラ30と脚軸22との間に、複数の針状ころ31が、保持器のない、いわゆる単列総ころ状態で配設されている。脚軸22の外周面は針状ころ31の内側転動面を構成し、ローラ30の内周面は針状ころ31の外側転動面を構成している。
これら針状ころ31は、脚軸22の付け根部に外嵌されたインナワッシャ32と半径方向内側で接すると共に、脚軸22の先端部に外嵌されたアウタワッシャ33と半径方向外側で接している。このアウタワッシャ33は、脚軸22の先端部に形成された環状溝23に丸サークリップ等の止め輪34を嵌合させることにより抜け止めされている。
この等速自在継手では、トリポード部材20の脚軸22と外側継手部材10のローラ案内面14とがローラ30を介して二軸の回転方向に係合することにより、駆動側から従動側へ回転トルクが等速で伝達される。また、ローラ30が脚軸22に対して回転しながらローラ案内面14上を転動することにより、外側継手部材10とトリポード部材20との間の相対的な軸方向変位や角度変位が許容される。
この種の等速自在継手は、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材10とシャフト40との間に、外側継手部材10の開口部11を閉塞するゴムまたは樹脂製のブーツ50を装着した構造を具備する。このように、外側継手部材10およびブーツ50の内部空間に潤滑剤を封入することにより、外側継手部材10に対してシャフト40が作動角をとりながら回転する動作時において、継手内部の摺動部位、つまり、外側継手部材10、トリポード部材20およびローラ30で構成される摺動部位での潤滑性を確保するようにしている。
ブーツ50は、外側継手部材10の開口部11の外周面にブーツバンド71により締め付け固定された大径端部51と、トリポード部材20から延びるシャフト40の外周面にブーツバンド72により締め付け固定された小径端部52と、大径端部51と小径端部52とを繋ぎ、その大径端部51から小径端部52へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部53とで構成されている。
この実施形態の等速自在継手では、内部部品60の軸方向変位時、その内部部品60が外側継手部材10の開口部11から飛び出すスライドオーバーを防止するため、図1および図3に示すように、ブーツ50の大径端部51の内周面の所定箇所に、内部部品60の軸方向変位を規制する突状部54を設けた抜け止め構造を採用している。この内部部品60の抜け止め構造では、図4に示すように、ブーツ50の大径端部51の内周面の所定箇所、つまり、外側継手部材10のトラック溝12のローラ案内面14(図2参照)と対応する部位に突状部54を配設している。この突状部54は、トラック溝12のローラ案内面14から内側へ突出している。これにより、内部部品60の軸方向変位時に内部部品60のローラ30が突状部54に干渉可能となる。この突状部54は、ブーツ50との一体成形で形成されている。
この等速自在継手では、ブーツ50の大径端部51の内周面で外側継手部材10のトラック溝12のローラ案内面14と対応する部位に、外側継手部材10のトラック溝12のローラ案内面14から内側へ突出して内部部品60の軸方向変位を規制する突状部54を設けたことにより、内部部品60の軸方向変位時、その内部部品60のローラ30が突状部54と干渉することで内部部品60の軸方向変位量を規制することによって、その内部部品60が外側継手部材10の開口部11から飛び出すスライドオーバーを防止する。特に、この摺動式等速自在継手をドライブシャフトとして自動車に組み付けるに際して、固定式等速自在継手、ハブベアリングおよびナックルからなる大きな荷重が摺動式等速自在継手のスライドアウト方向にかかった場合に有効で、この等速自在継手の組み付け性が向上する。
以上の実施形態では、ローラタイプのトリポード型等速自在継手に適用した場合について説明したが、図5および図6に示すボールタイプのダブルオフセット型等速自在継手にも適用可能である。図5は継手の軸線に対する縦断面図、図6はブーツ装着前の状態での継手のB矢視図である。このダブルオフセット型等速自在継手は、図5および図6に示すように、外側継手部材110、内側継手部材120、転動体であるボール130およびケージ180で主要部が構成されている。
この等速自在継手は、一端に開口部111を有するカップ状をなしてその底部中央に軸部113が一体的に形成され、軸方向に延びる直線状トラック溝112が内周面の複数箇所に形成された外側継手部材110と、軸方向に延びる直線状トラック溝122が外側継手部材110のトラック溝112と対をなして外周面の複数箇所に形成された内側継手部材120と、外側継手部材110のトラック溝112と内側継手部材120のトラック溝122との間に配されたボール130と、外側継手部材110の内周面と内側継手部材120の外周面との間に介在してボール130を保持するケージ180とを備えた構造である。
なお、この実施形態では、6個ボールの等速自在継手を例示するが、8個ボールの等速自在継手にも適用可能であり、ボール130の個数は任意である。この外側継手部材110の内部には、内側継手部材120、ボール130およびケージ180からなる内部部品160が軸方向摺動自在に収容されている。また、内側継手部材120の軸孔にシャフト140の軸端がスプライン嵌合により連結され、環状のスナップリング141により内側継手部材120に対して抜け止めされている。
この種の等速自在継手は、継手内部に封入されたグリース等の潤滑剤の漏洩を防ぐと共に継手外部からの異物侵入を防止するため、外側継手部材110とシャフト140との間に、外側継手部材110の開口部111を閉塞するゴムまたは樹脂製のブーツ150を装着した構造を具備する。ブーツ150は、外側継手部材110の開口部111の外周面にブーツバンド171により締め付け固定された大径端部151と、内側継手部材120から延びるシャフト140の外周面にブーツバンド172により締め付け固定された小径端部152と、大径端部151と小径端部152とを繋ぎ、その大径端部151から小径端部152へ向けて縮径した伸縮自在な蛇腹部153とで構成されている。
この実施形態の等速自在継手では、内部部品160の軸方向変位時、その内部部品160が外側継手部材110の開口部111から飛び出すスライドオーバーを防止するため、図5および図7に示すように、ブーツ150の大径端部151の内周面の所定箇所に、内部部品160の軸方向変位を規制する突状部154を設けた抜け止め構造を採用している。この内部部品160の抜け止め構造では、図8に示すように、ブーツ150の大径端部151の内周面の所定箇所、つまり、外側継手部材110のトラック溝112間(図6参照)と対応する部位に突状部154を配設している。この突状部154は、トラック溝112間の内周面から内側へ突出している。これにより、内部部品160の軸方向変位時に内部部品160のケージ180が突状部154に干渉可能となる。この突状部154は、ブーツ150との一体成形で形成されている。
この等速自在継手では、ブーツ150の大径端部151の内周面で外側継手部材110のトラック溝112間と対応する部位に、外側継手部材110のトラック溝112間の内周面から径方向内側へ突出して内部部品160の軸方向変位を規制する突状部154を設けたことにより、内部部品160の軸方向変位時、その内部部品160のケージ180が突状部154と干渉することで内部部品160の軸方向変位量を規制することによって、その内部部品160が外側継手部材110の開口部111から飛び出すスライドオーバーを防止する。特に、この摺動式等速自在継手をドライブシャフトとして自動車に組み付けるに際して、固定式等速自在継手、ハブベアリングおよびナックルからなる大きな荷重が摺動式等速自在継手のスライドアウト方向にかかった場合に有効で、この等速自在継手の組み付け性が向上する。
以下、前述した二つの実施形態、つまり、トリポード型等速自在継手およびダブルオフセット型等速自在継手について共通して説明する。これら二つの等速自在継手において、ブーツ50,150の大径端部51,151の内周面の所定箇所に、内部部品60,160の軸方向変位を規制する突状部54,154を設けたことにより、従来のような環状凹溝形成のための外側継手部材10,110の旋削加工が不要となってコスト低減が図れる。また、環状凹溝形成がないため、その分、外側継手部材10,110の軸方向寸法を短くすることができて外側継手部材10,110の軽量コンパクト化が図れる。さらに、突状部54,154は、ブーツ50,150との一体成形で形成されていることから、従来のようなサークリップが不要となって部品点数の削減が図れる。
前述の突状部54,154は、図3および図7に示すように、ブーツ50,150の大径端部51,151の内周面から内側に向けて延びる延在部54a,154aと、その延在部54a,154aを軸方向で外側継手部材側に屈曲させて内部部品60,160と干渉可能とした屈曲部54b,154bとで構成されている。このような構造を採用することにより、延在部54a,154aを外側継手部材10,110の開口部11,111の端面に当接させ、屈曲部54b,154bを外側継手部材10,110の開口部11,110の内周面に当接させた構造とし、内部部品60,160が外側継手部材10,110の開口部11,111から飛び出すスライドオーバーを確実に防止することができる。
また、この突状部54,154の屈曲部54b,154bは、外側継手部材10,110の開口部側から奥側へ向けて厚みが漸減する形状、例えばテーパ形状を有する。このような形状により、外側継手部材10,110の奥側から開口部側へ向けて軸方向変位する内部部品60,160を屈曲部54b,154bで確実に受け止めることができる。なお、屈曲部54b,154bの形状は、前述のテーパ形状に限らず、凸曲面形状あるいは凹曲面形状であってもよい。
ここで、これら二つの等速自在継手では、内部部品60,160の軸方向移動を規制する突状部54,154をブーツ50,150の大径端部51,151の内周面に一体的に形成していることから、その突状部54,154も樹脂製あるいはゴム製となる。そのため、内部部品60,160が外側継手部材10,110の開口側へ軸方向変位した際、突状部の屈曲部54b,154bが内部部品60,160と干渉した時にその内部部品60,160が屈曲部54b,154bを押圧する力でもってその屈曲部54b,154bが弾性変形する可能性がある。このような屈曲部54b,154bの弾性変形により、内部部品60,160が屈曲部54b,154bを乗り越えて内部部品60,160が外側継手部材10,110の開口部11,111から飛び出すスライドオーバーが発生するおそれがある。
そこで、前述した二つの実施形態における等速自在継手において、図9および図10に示すように、突状部54,154の内部部品60,160との干渉部位、つまり、屈曲部54b,154bに、その屈曲部54b,154bの変形を抑制する金属製の補強部材90,190を付設している。この補強部材90,190は、突状部54,154の屈曲部54b,154bの軸方向断面形状と合致した形状をなし、屈曲部54b,154bに外嵌されている。また、補強部材90,190は、その両端に形成された爪91,191を突状部54,154の屈曲部54b,154bの根元部位に形成された段差55,155に引っ掛け係止することにより屈曲部54b,154bに固定されている。この補強部材90,190は、厚さ0.15mm以上の金属製平板を軸方向断面V字状に折曲加工した形状を有する。このように補強部材90,190は平板状をなすことから、外側継手部材10のローラ案内面14、および外側継手部材110のトラック溝112間の内周面と線接触している。
以上のように、突状部54,154の屈曲部54b,154bに、その屈曲部54b,154bの変形を抑制する補強部材90,190を付設したことにより、内部部品60,160の軸方向変位によってその内部部品60,160が突状部54,154と干渉する時、内部部品60,160が突状部54,154を押圧する力でもってその突状部54,154が弾性変形することを抑制することができる。このように補強部材90,190により突状部54,154の剛性を高くすることで、内部部品60,160が外側継手部材10,110の開口部11,111から飛び出すスライドオーバーを確実に防止することができ、内部部品60,160の抜け止め性能を向上させることができる。
補強部材90,190の素材(金属)を突状部54,154の素材(ゴムまたは樹脂)よりも硬質材料としたことにより、内部部品60,160の干渉時に突状部54,154の弾性変形を確実に抑制することができる。また、補強部材90,190は、突状部54,154の屈曲部54b,154bの軸方向断面形状と合致した形状をなし、屈曲部54b,154bに外嵌されていることから、内部部品60,160の軸方向変位によりその内部部品60,160が突状部54,154と干渉する時、内部部品60,160を補強部材90,190に当接させることで突状部54,154の弾性変形を確実に抑制することができる。さらに、補強部材90,190は、その両端に形成された爪91,191を突状部54,154の屈曲部54b,154bの段差55,155に引っ掛け係止することにより屈曲部54b,154bに固定されていることにより、補強部材90,190を屈曲部54b、154bに強固に固定することができ、その補強部材90,190が屈曲部54b,154bから脱落することを確実に防止することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
10,110 外側継手部材
11,111 開口部
12,112 トラック溝
14 ローラ案内面
20,120 内側継手部材(トリポード部材)
22 脚軸
30,130 転動体(ローラ、ボール)
50,150 ブーツ
51,151 端部(大径端部)
54,154 突状部
54a,154a 延在部
54b、154b 屈曲部
55,155 段差
60,160 内部部品
90,190 補強部材

Claims (8)

  1. 一端に開口部を有するカップ状をなし、軸方向に延びるトラック溝が内周面の円周方向複数箇所に形成された外側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入された転動体を介して前記外側継手部材との間で角度変位を許容しながらトルクが伝達される内側継手部材とを備え、前記転動体および内側継手部材を含む内部部品が前記外側継手部材に軸方向摺動自在に収容され、前記外側継手部材の開口部を閉塞するブーツの端部を前記開口部の外周面に装着した摺動式等速自在継手であって、
    前記ブーツの端部の内周面に、前記内部部品の軸方向変位を規制する突状部を設けると共に、前記突状部の内部部品との干渉部位に、その干渉部位の変形を抑制する補強部材を付設したことを特徴とする摺動式等速自在継手。
  2. 前記突状部は、ブーツとの一体成形で形成されている請求項1に記載の摺動式等速自在継手。
  3. 前記突状部の素材を樹脂あるいはゴムのうちから選択される一つとし、かつ、前記補強部材の素材を金属とした請求項1又は2に記載の摺動式等速自在継手。
  4. 前記突状部は、ブーツの端部の内周面から内側へ向けて延びる延在部と、その延在部を軸方向で外側継手部材側に屈曲させて前記内部部品と干渉可能とした屈曲部とで構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
  5. 前記突状部の屈曲部は、外側継手部材の開口部側から奥側へ向けて厚みが漸減する形状を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
  6. 前記補強部材は、前記突状部の屈曲部の軸方向断面形状と合致した形状をなし、前記屈曲部に外嵌されており、前記突状部の屈曲部の根元部位に形成された段差に引っ掛け係止することにより前記屈曲部に固定されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
  7. 前記外側継手部材は、軸線方向に延びる三本のトラック溝が内周面に形成されると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面が形成され、前記内側継手部材は、先端が前記トラック溝内に挿入された三本の脚軸を有するトリポード部材であり、前記転動体は、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に挿入されて前記ローラ案内面に沿って案内されるローラであり、前記突状部は、前記外側継手部材のトラック溝のローラ案内面と対応する部位に配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
  8. 前記内側継手部材は、軸方向に延びる直線状トラック溝が前記外側継手部材のトラック溝と対をなして外周面の複数箇所に形成され、前記転動体は、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に配されたボールであり、前記外側継手部材の内周面と内側継手部材の外周面との間に介在して前記ボールを保持するケージを備え、前記突状部は、前記外側継手部材のトラック溝間と対応する部位に配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の摺動式等速自在継手。
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