JP2013155331A - 非水系染料インク - Google Patents

非水系染料インク Download PDF

Info

Publication number
JP2013155331A
JP2013155331A JP2012017964A JP2012017964A JP2013155331A JP 2013155331 A JP2013155331 A JP 2013155331A JP 2012017964 A JP2012017964 A JP 2012017964A JP 2012017964 A JP2012017964 A JP 2012017964A JP 2013155331 A JP2013155331 A JP 2013155331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
dye
inorganic particles
dyes
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012017964A
Other languages
English (en)
Inventor
Masakatsu Arai
正勝 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2012017964A priority Critical patent/JP2013155331A/ja
Publication of JP2013155331A publication Critical patent/JP2013155331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】発色性が良好で、鮮やかな色の印刷物を得ることができる非水系染料インクを提供する。
【解決手段】無機粒子、染料、非水系溶剤を含み、無機粒子は、非水系溶剤との屈折率の差が0.05以内である、非水系染料インクである。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水系染料インクに関する。
インクジェット記録方式は、流動性の高いインクジェットインクを微細なヘッドノズルからインク粒子として噴射し、上記ノズルに対向して置かれた用紙等の記録媒体に画像を記録するものであり、低騒音で高速印字が可能であることから、近年急速に普及している。
溶剤からみると、インクは大きく、水系タイプインクと非水系タイプインクに分けられる。揮発性溶剤を主体とする溶剤系インクや不揮発性溶剤を主体とするオイル系インクのように、インク用溶媒として水を使用しない非水系インクは、水系インクに比べ乾燥性が良く、印刷適性にも優れている。
非水系インクの色材としては、染料と顔料を使用することができるが、染料を用いる場合、発色が良いといった利点がある。また、蛍光染料を用いることで蛍光色のインクを提供することができる。
非水系タイプのインクでは、油溶性染料が用いられるところ、この油溶性染料は、用紙に印刷した際に非水系溶剤とともに用紙内部に引き込まれやすい傾向がある。その結果、裏抜け(印刷物の裏面にインクが浸透する現象)が発生しやすく、発色性が低下し、くすんだ色を呈することがある。特に、蛍光染料を用いた場合には、裏抜けがより発生しやすい。
一方、特許文献1には、平板インキに適した蛍光油性インキにおいて、蛍光染料で染色されたシアノ基及びカルボキシル基含有のビニル共重合体(A)粒子からなる蛍光顔料(I)が含有され、この蛍光顔料(I)の平均粒径が0.1〜1.5μmであることが提案されている。このように、顔料インクで蛍光強度を得るには、顔料の平均粒径を比較的大きくしなければならない。顔料の平均粒径が大きいと、顔料が沈降して、貯蔵安定性が低下することがある。さらに、インクジェット印刷方法の場合では、インクジェットヘッドから吐出させるには顔料の平均粒子径が大きすぎて、吐出安定性が低下することがある。
特許文献2には、顔料、分散剤、水、蛍光染料で染着され平均粒子径が50〜200nmの樹脂微粒子(A)、及びオルガノポリシロキサン系界面活性剤を含むインクジェット用インクが提案されている。特許文献2によれば、水性の顔料系インクの彩度を補うために、染着された樹脂微粒子を添加することで、彩度を向上することができる。しかし、特許文献2のインクは水性インクであって、裏抜けを防止するために染着された樹脂微粒子を用いることは開示されていない。そして、非水系の染料インクにおいて、彩度を得ようと染着された樹脂微粒子を添加すると、樹脂微粒子が膨潤して、粘度上昇等のように品質が低下することがある。
特開2005−54110号公報 特開2008−231211号公報
本発明の目的としては、発色性が良好で、鮮やかな色の印刷物を得ることができる非水系染料インクを提供することである。
本発明の一側面としては、無機粒子、染料、非水系溶剤を含み、前記無機粒子は、前記非水系溶剤との屈折率の差が0.05以内である、非水系染料インクである。
本発明の非水系染料インクによれば、発色性が良好で、鮮やかな色の印刷物を提供することができる。
本発明の一実施形態による非水系染料インク(以下、単に「インク」という場合がある)は、無機粒子、染料、非水系溶剤を含み、無機粒子は、非水系溶剤との屈折率の差が0.05以内であることを特徴とする。この非水系染料インクは、発色性が良好で、鮮やかな色の印刷物を提供することができる。
印刷物の発色性は、明度と彩度から評価することができる。印刷物の発色性は、彩度が高く鮮やかなものが好まれる。また、印刷物の画像濃度は、明度が低いと高くなるが、明度が低くなると彩度が低下しやすい。そこで、同じ明度または低い明度で画像濃度の低下を防ぎながら、彩度が高く鮮やかな色が望まれる。
ここで、明度L及び彩度Cは、国際照明委員会によるCIE(1976)L*a*b*色空間の規定に従う。彩度Cは、以下の式によって表される。
彩度C={(a+(b1/2
式中、a,bは、それぞれL*a*b*表色系の色座標a,bである。
明度及び彩度は、例えば、日本電色工業株式会社製「Spectro Color Meter SE2000」を用いて、測定することができる。
本実施形態によるインクでは、無機粒子が含まれることで、インクが記録媒体に塗布されると、インク中の無機粒子が記録媒体表面上に留まり、この無機粒子が記録媒体表面上で染料を保持して、染料が記録媒体内部に浸透することを防ぐことができる。これによって、発色性が良好で、鮮やかな色の印刷物を提供することができる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナホワイト、水酸化アルミニウム、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、カオリン、マイカ等を用いることができる。
無機粒子としては、シリカを用いることが好ましく、粉末シリカ及びコロイダルシリカのいずれでも使用することができる。粉末シリカとしては、例えば、EVONIK社製AEROSIL R711、90、OX 50、東ソー・シリカ株式会社製E−200A、E−220A、K−500、E−1009、E−1011、E−1030、E−150J、E−170等を使用することができる。コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業株式会社製スノーテックスS、OS、XS、OXS、20、30、40、50、O、AK、O−40、CM、20L、C、ZL、XL、N、扶桑化学工業株式会社製クォートロン PL−1、PL−3、PL−7、PL−20、三興コロイド化学株式会社製シリカロイド、シリカロイド−LL、シリカロイド−A等を使用することができる。これらは、単独で、又は組み合わせて使用することができる。
無機粒子は、非水系溶剤との屈折率の差が0.05以内である。非水系溶剤との屈折率の差が小さいことで、無機粒子自体の発色性が抑えられて、染料の発色性を高めることができる。無機粒子及び非水系溶剤の屈折率は、それぞれ、無機粒子と非水系溶剤との屈折率の差が小さければ特に限定されない。
ここで、無機粒子の屈折率は、JIS K7142 B法によって測定することができる。また、非水系溶剤の屈折率は、屈折計によって測定することができる。
無機粒子の平均粒子径としては、10μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以下であり、さらに好ましくは6μm以下である。これによって、無機粒子が記録媒体表面上に均一に分散して塗布されて、染料の発色性を向上させることができる。また、無機粒子のインク中での分散安定性が高まり、インクの貯蔵安定性を向上することができる。さらに、インクジェット印刷方法では、ノズルの目詰まりを防止することができる。一方、無機粒子の平均粒子径の下限値は特に制限されないが、例えば0.1μm以上とすることができる。
無機粒子の配合量は、無機粒子が記録媒体表面に一定量以上で留まって染料の発色性を向上させるために、インク全量に対し1.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは1.5質量%以上であり、さらに好ましくは4.0質量%以上である。一方、無機粒子が過剰になると無機粒子自体の色相を呈して染料の発色性が低下することがあり、また、インク粘度が上昇することがあるため、無機粒子は、インク全量に対し20.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは15.0質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、一層好ましくは5.0質量%以下である。
無機粒子は、質量比で、蛍光染料1に対し、0.5〜15であることが好ましく、より好ましくは1.0〜10.0であり、さらに好ましくは2〜4である。この範囲で、好ましい染料の発色性及びインク粘度を得ることができる。
本実施形態のインクは、無機粒子を安定して分散させるために、分散剤をさらに含んでもよい。分散剤としては、例えば、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等が挙げられる。
高分子系分散剤としては、例えば、以下の商品名で販売されているものが挙げられる:ソルスパース5000(フタロシアニンアンモニウム塩系)、11200(ポリアミド系)、13940(ポリエステルアミン系)、17000、18000(脂肪酸アミン系)、22000、24000、及び28000(いずれも日本ルーブリゾール社製);エフカ400、401、402、403、450、451、453(変性ポリアクリレート)、46、47、48、49、4010、及び4055(変性ポリウレタン)(いずれもEfka CHEMICALS社製);デモールP、EP、ポイズ520、521、530、及びホモゲノールL−18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤)(いずれも花王株式会社製);ディスパロンKS−860、KS−873N4(高分子ポリエステルのアミン塩)(いずれも楠本化成株式会社製);ディスコール202、206、OA−202、及びOA−600(多鎖型高分子非イオン系)(いずれも第一工業製薬株式会社製);ANTARON V216(ビニルピロリドン−ヘキサデセンコポリマー)(アイエスピー・ジャパン社製)。なかでも、ポリアミド系分散剤が好ましい。
分散剤の配合量は、無機粒子を十分にインク中に分散可能な量であればよく、例えば1〜20質量%の範囲で適宜調整することができ、より好ましくは5〜15質量%である。
本実施形態によるインクは、いかなる染料を用いても、発色性を良好にし、鮮やかな色を提供することができる。染料としては、インク中で溶解可能または分散可能であれば、水溶性染料及び油溶性染料のいずれであってもよい。
水溶性染料としては、例えば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち、水溶性の染料及び還元等により水溶性にされた染料を用いることができる。具体的には、水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、ローダミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料、メチレンブルー等を挙げることができる。
油溶性染料としては、例えば、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料、金属フタロシアニン染料等の油溶性染料を挙げることができる。
染料としては、非水系溶剤に対して溶解性が高いことで発色性がより優れることから、油溶性染料であることが好ましい。
また、蛍光染料は比較的に裏抜けしやすく発色性が低下することがあるが、このような蛍光染料に対して本実施形態によるインクは有効である。
蛍光染料としては、例えば、カラーインデックスナンバー(以下、「C.I.」で示す。)Basic Yellow 1、同40、C.I.Basic Red 1、同13、C.I. Basic Violet 7、同10、C.I. Basic Orange 22、C.I. Basic Blue 7、C.I. Basic Green 1、C.I. Acid Yellow 3、同7、C.I. Acid Red 52、同77、同87、同92、C.I. Acid Blue 9、C.I. Disperse Yellow 121、同82、同83、C.I. Disperse Orange 11、C.I. Disperse Red 58、C.I. Disperse Blue 7、C.I. Direct Yellow 85、C.I. Direct Orange 8、C.I. Direct Red 9、C.I. Direct Blue 22、C.I. Direct Green 6、C.I. Fluorescent Brightening Agent 55、C.I. Fluorescent Brightening Whitex WS 52、C.I. Fluorescent 162、同112、C.I. Solvent Yellow 44、C.I. Solvent Red 49、C.I. Solvent Blue 5、C.I. Solvent Pink、及びC.I. Solvent Green 7等が挙げられる。
蛍光染料の市販品としては、例えば、Aizen Spilon C−GNHnew、Aizen Spilon Red C−BH、Aizen Spilon S.P.T. Blue26、Aizen Spilon S.P.T. Blue121(いずれも保土ヶ谷化学工業株式会社製)、OIL BLUE 613、WATER RED 27、OIL BLACK HBB(いずれもオリエント化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
上記した染料は、いずれか1種が単独で用いられるほか、2種以上が組み合わせて使用されてもよい。
インク中の染料の含有量は、通常0.1〜10質量%であり、発色性とインク粘度の観点から1〜5質量%であることが好ましい。
無機粒子は染料によって着色されていることが好ましい。これによって、記録媒体表面上に無機粒子とともに染料が留まることを確実にし、染料の発色性を向上させることができる。
無機粒子の着色方法としては、特に限定されず、任意の方法によって行うことができる。例えば、無機粒子及び染料を溶剤とともに混合し、任意で一定期間保管して、溶剤を揮発させて乾燥することで、染料によって着色された無機粒子を得ることができる。ここで、溶剤としては、染料を溶剤に溶解させて無機粒子へ着色しやすくするために、水溶性染料を用いる場合は、水やエタノール等の水溶性溶剤を用いることが好ましく、油溶性染料を用いる場合は、後述する非水系溶剤を用いることが好ましい。また、無機粒子を着色後に乾燥することで、無機粒子と染料との結合性が高まり、インク中で染料が無機粒子から離脱することを防いで、発色性をより向上させることができる。
本実施形態において、非水系溶剤とは、非極性有機溶剤および極性有機溶剤であって、50%留出点が150℃以上の溶剤をいう。50%留出点は、JIS K0066「化学製品の蒸留試験方法」に従って測定される、質量で50%の溶剤が揮発したときの温度を意味する。安全性の観点からは、50%留出点が160℃以上、好ましくは230℃以上のものを用いることが好ましい。本実施形態において、非水系インクとしては、実質的に水を含まない非水系インクであり、具体的には、非水系インク中の水の量が5質量%以下であることが好ましい。
たとえば、非極性有機溶剤としては、脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤等を好ましく挙げることができる。脂肪族炭化水素溶剤、脂環式炭化水素系溶剤としては、例えば、JX日鉱石油株式会社製「テクリーンN−16、テクリーンN−20、テクリーンN−22、日石ナフテゾールL、日石ナフテゾールM、日石ナフテゾールH、0号ソルベントL、0号ソルベントM、0号ソルベントH、日石アイソゾール300、日石アイソゾール400、AF−4、AF−5、AF−6、AF−7」、Exxon社製「Isopar(アイソパー)G、IsoparH、IsoparL、IsoparM、ExxsolD40、ExxsolD80、ExxsolD100、ExxsolD130、ExxsolD140」等を好ましく挙げることができる。芳香族炭化水素溶剤としては、例えば、JX日鉱石油株式会社製「日石クリーンソルG」(アルキルベンゼン)、Exxon社製「ソルベッソ200」等を好ましく挙げることができる。
極性有機溶剤としては、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、高級脂肪酸系溶剤、エーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤を用いることができる。
より具体的には、ラウリル酸メチル、ラウリル酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソオクチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸ブチル、リノール酸メチル、リノール酸イソブチル、リノール酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、大豆油メチル、大豆油イソブチル、トール油メチル、トール油イソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、モノカプリン酸プロピレングリコール、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、フタル酸ジメチルなどのエステル系溶剤;
イソミリスチルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクタンジオールなどのアルコール系溶剤;
イソノナン酸、イソミリスチン酸、ヘキサデカン酸、イソパルミチン酸、オレイン酸、イソステアリン酸などの高級脂肪酸系溶剤;
ジエチルグリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、が好ましく挙げられる。
上記した非水系溶剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
非水系溶剤は、SP値が6.5〜11.0(cal/cm1/2であることが好ましく、より好ましくは、7.0〜10.0(cal/cm1/2であり、さらに好ましくは、8.0〜9.0(cal/cm1/2である。このような非水系溶剤は、染料を良好に溶解または分散させることができる。
このSP値は、溶解性パラメータであり、凝集エネルギーの変化で溶解性を求めようとするものである。液体の凝集エネルギーは、蒸発エンタルピーと等価であることから、モル蒸発熱ΔHVと分子容Vより、溶解性パラメータδは次式(1)のように定義することができる。この式を用いて、1モル体積の液体が蒸発するために必要な蒸発熱から、SP値を計算できる。
〔数1〕
δ(SP値)={(ΔHV−RT)/V}1/2 ・・・(1)
ここで、ΔHは蒸発熱を示し、Vは分子容である(「溶解性パラメータ適用事例集」(メカニズムと溶解性の評価・計算例等を踏まえて)、52〜54頁、(株)情報機構、2007年3月15日発行参照)。
この非水系溶剤のSP値が6.5(cal/cm1/2よりも低いと、染料の発色が損なわれることがある。また、この非水系溶剤のSP値が11.0(cal/cm1/2よりも高いと、裏抜けが発生することがある。
こうした溶解特性を満たす非水系溶剤であって、本発明に好ましく用いられるものとしては、上記した非水系溶剤の中でも、具体的には、次のものが挙げられる(括弧内は上記式(1)から求めたSP値の計算値)。オレイン酸メチル8.4(cal/cm1/2、パルミチン酸イソオクチル8.6(cal/cm1/2、ミリスチン酸イソプロピル8.1(cal/cm1/2等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態によるインクには、本発明の効果を阻害しない範囲内で、任意の成分を含むことができる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂、エチレン−酢ビ系樹脂、石油樹脂、クマロンインデン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、塩酢ビ系樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエステルポリアミン、ステアリルアミンアセテート等を含むことができる。
ノズルの目詰まり防止剤、酸化防止剤、導電率調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、酸素吸収剤などを適宜添加することもできる。これらの種類は、特に限定されることはなく、当該分野で使用されているものを用いることができる。
本実施形態によるインクの調製方法は特に限定されず、通常の方法によって調製することができる。例えば、無機粒子、染料及び非水系溶剤を含む成分を所定の配合比率で混合し攪拌することで、製造することができる。また、染料で着色した無機粒子を用いる場合は、無機粒子を染料で着色した後に、これに非水系溶剤を含む残りの成分を添加して、製造することができる。
本実施形態によるインクを用いた印刷方法は、特に限定されないが、インクジェット印刷方法を用いて行われることが好ましい。インクジェットプリンタは、ピエゾ方式、静電方式、サーマル方式など、いずれの方式のものであってもよい。インクジェット記録装置を用いる場合は、デジタル信号に基づいてインクジェットヘッドから本実施形態によるインクを吐出させ、吐出されたインク液滴を記録媒体に付着させるようにすることが好ましい。
インクジェット印刷方法に用いる場合、インクの粘度としては、インクジェット記録システムの吐出ヘッドのノズル径や吐出環境等によってその適性範囲は異なるが、一般に、23℃において5〜50mPa・sであることが好ましく、5〜30mPa・sであることがより好ましい。ここで粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける値を表す。
記録媒体としては、特に限定されず、普通紙、上質普通紙、インクジェット(IJ)紙、IJマット紙、記録媒体上にインク吸収溶液がコートされたコート紙、コート紙よりもインク吸収層の厚みが薄い微コート紙、光沢紙(フォト光沢用紙)、特殊紙、布等で使用することができる。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<インクの調製>
表1から表3に示す配合で、インク全量を30gにして調整後、50mlガラス瓶にジルコニアビーズ0.5mm80gと共に入れ、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製)で2時間分散した(分散条件:65Hz)。
実施例2では、着色済み無機粒子を使用した。着色済み無機粒子は、20gのAEROSIL R711と、10gのSPILON RED C−BHと、100gのエタノールと、10gのイオン交換水とを混合し、均一に攪拌し、60℃で4日間放置し、エタノール及び水を揮発させたものを用いた。この着色済み無機粒子を他の成分と混合して実施例2のインクを調整した。
Figure 2013155331
Figure 2013155331
Figure 2013155331
使用した成分は次の通りである。
フュームドシリカ:屈折率1.45、疎水性フュームドシリカ、平均一次粒子径12nm、AEROSIL R711、EVONIK社製
炭酸マグネシウム:屈折率1.52、平均粒子径6.0μm、金星、神島化学工業株式会社製
カオリン:屈折率1.56、平均粒子径0.3μm、ASP072、BASF社製
SPILON RED C−BH:AIZEN COLOUR SPILON REDC−BH、有機溶剤可溶型染料(ベンジルアルコールに対する溶解度40(質量%)、フェニルグリコールに対する溶解度60(質量%))、蛍光色赤系染料、保土ヶ谷化学工業株式会社製
S.P.T. BLUE 121:AIZEN S.P.T. BLUE 121、有機溶剤可溶型染料(ベンジルアルコールに対する溶解度35(質量%)、フェニルグリコールに対する溶解度40(質量%))、青系染料、保土ヶ谷化学工業株式会社製
OIL BLUE 613:青系油溶性染料、オリエント化学工業株式会社製
S11200:ソルスパース11200、日本ルーブリゾール株式会社製
オレイン酸メチル:屈折率1.45、SP値8.4(cal/cm1/2、エキセパールM−OL、花王株式会社製
パルミチン酸イソオクチル:屈折率1.45、SP値8.6(cal/cm1/2、エキセパールEH−P、花王株式会社製
フタル酸ジメチル:屈折率1.52、昭和化学株式会社製
無機粒子の屈折率は、次のように測定した。まず、無機粒子を、粉末固体状で、温度23℃湿度50%の環境で88時間以上放置した。次に、少量のカーギル標準屈折液(モリテックス社製、「シリーズAA」および「シリーズA」、n=1.400〜1.458、n=1.460〜1.640、公差±0.0002)をスライドガラスに置き、その上に少量の無機粒子を置いた。試料をNa−D線(波長589nm)の照明下、倍率200倍の光学顕微鏡で観察すると、無機粒子と透明液体との屈折率差が小さくなるにつれて無機粒子の輪郭が薄くなり、同一屈折率においては輪郭が消失する。このときの標準屈折液の屈折率は、無機粒子の屈折率と一致するため、この値を無機粒子の屈折率として求めた。
非水系溶剤の屈折率の測定方法は、株式会社アタゴ製のデジタル屈折計RX−5000iを用いて20℃環境での屈折率を測定した。
<評価>
上記した各インクを用いて、明度、彩度及びインク粘度について評価を行った。結果を表1から表3に併せて示す。
(明度及び彩度の評価)
上記した各インクを普通紙(理想用紙薄口、理想科学工業株式会社製)にヘラ引きし、3分後、測色計(Spectro Color Meter SE2000、日本電色工業株式会社製)によって、明度L値、a値及びb値を測定し、彩度Cを下記式より求めた。
彩度C={(a+(b1/2
以下の基準で明度及び彩度を評価した。なお、同色の染料で比較するために、実施例1〜4、7〜8、比較例4では、比較例1を基準値とし、実施例5は比較例2を基準値とし、実施例6では比較例3を基準値とした。
「明度:L
AA:Lが基準値に対し3%以上低下した
A:Lが基準値に対し1%以上3%未満で低下した
B:Lが基準値に対し0.1%%以上1%未満で低下した
C:Lが基準値に対し0.1%未満で低下した、または上昇した
「彩度:C
AA:Cが基準値に対し15%以上上昇した
A:Cが基準値に対し5%以上15%未満で上昇した
B:Cが基準値に対し0.1%以上5%未満で上昇した
C:Cが基準値に対し0.1%未満で上昇した、または低下した
(インク粘度)
インクの粘度は、23℃において0.1Pa/sの速度で剪断応力を0Paから増加させたときの10Paにおける粘度であり、ハーケ社製応力制御式レオメータRS75(コーン角度1°、直径60mm)で測定した。以下の基準で粘度を評価した。
「粘度」
A:5mPa・s以上30mPa・s未満
B:30mPa・s以上50mPa・s未満
表1から表3に示す通り、各実施例のインクは、明度Lが低く、彩度Cが高いことから、濃度が高く、鮮やかな色を呈した。
実施例2では、着色済みの無機粒子を使用しており、より濃度が高く、鮮やかな色を呈した。実施例5及び6では、蛍光染料の種類が異なるが、それぞれ比較例2及び3に比べて、より濃度が高く、鮮やかな色を呈した。比較例4では、無機粒子と溶剤の屈折率の差が0.05超過であり、明度及び彩度が十分に得られなかった。

Claims (5)

  1. 無機粒子、染料、非水系溶剤を含み、前記無機粒子は、前記非水系溶剤との屈折率の差が0.05以内である、非水系染料インク。
  2. 前記無機粒子はシリカである、請求項1に記載の非水系染料インク。
  3. 前記無機粒子は前記染料によって着色されている、請求項1または2に記載の非水系染料インク。
  4. 前記無機粒子はインク全量に対し1質量%〜20質量%である、請求項1から3のいずれか1項に記載の非水系染料インク。
  5. 前記染料は油溶性染料である、請求項1から4のいずれか1項に記載の非水系染料インク。
JP2012017964A 2012-01-31 2012-01-31 非水系染料インク Pending JP2013155331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017964A JP2013155331A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 非水系染料インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012017964A JP2013155331A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 非水系染料インク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013155331A true JP2013155331A (ja) 2013-08-15

Family

ID=49050844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012017964A Pending JP2013155331A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 非水系染料インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013155331A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52154409A (en) * 1976-06-16 1977-12-22 Minolta Camera Kk Ink for ink jetting
JPS6234969A (ja) * 1985-08-08 1987-02-14 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト グラビア及びフレキソ印刷インキの製造法
JP2004083862A (ja) * 2002-06-27 2004-03-18 Riso Kagaku Corp 非水系インク組成物及びその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52154409A (en) * 1976-06-16 1977-12-22 Minolta Camera Kk Ink for ink jetting
JPS6234969A (ja) * 1985-08-08 1987-02-14 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト グラビア及びフレキソ印刷インキの製造法
JP2004083862A (ja) * 2002-06-27 2004-03-18 Riso Kagaku Corp 非水系インク組成物及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5784954B2 (ja) 非水系顔料インク
JP5593024B2 (ja) 非水系顔料インク
JP5054938B2 (ja) 非水系顔料インク
JP6572548B2 (ja) 非水系インクジェットインク組成物
JP6641653B2 (ja) インクジェットインク
JP2014139298A (ja) インクジェット記録方法
JP2016196564A (ja) 非水系インクジェットインク組成物
JP2020079404A (ja) インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法
JP2017132907A (ja) インク組成物セット
JP2014210837A (ja) インクジェット用水性インキ
JP2022017300A (ja) 油性インクジェットインク
JP5186196B2 (ja) 非水系顔料インク
JP5792606B2 (ja) インクジェット用非水系染料インク
JP2005350493A (ja) 油性インクジェットインク
US8642695B2 (en) Non-aqueous pigment ink
JP2013155331A (ja) 非水系染料インク
JP5740151B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2011012149A (ja) インクジェット用非水系インクセット及びインクジェット記録方法
JP5878735B2 (ja) インクジェット用非水系顔料インク
JP6690122B2 (ja) インクジェットインク組成物
JP5422303B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2012161981A (ja) 非水系インク用後処理剤、インクセット、及び印刷方法
JP6897727B2 (ja) 非水系インクジェットインク組成物
JP5947506B2 (ja) 非水系顔料インク
JP2016124910A (ja) インクジェット用非水系インク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151124