JP2014210837A - インクジェット用水性インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】酸化チタンを顔料とした低粘度かつ保存安定性、顔料沈降性に優れたインクジェット用水性白インキを提供する。【解決手段】少なくとも酸化チタンと顔料分散樹脂と有機溶剤と水とを含有するインクジェット用水性白インキであって、前記顔料分散樹脂として少なくともα-オレフィンと(無水)マレイン酸とを共重合させた樹脂を使用することを特徴とするインクジェット用水性白インキ。さらに、前記α-オレフィンとして炭素数8以上のα-オレフィンを使用することが好ましい。有機溶剤として炭素数4〜8の1,2−アルカンジオールを含み、顔料分散樹脂がポリアルキレングリコール基を有するインクジェット用水性白インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、酸化チタンを顔料とした低粘度かつ保存安定性、顔料沈降性に優れたインクジェット用水性白インキに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点があるため、オフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用途においても、インクジェット技術の向上によりデジタル印刷の出力機としての利用が期待され、溶剤インキやUVインキによる非吸収性の基材(PVC, PETなどのプラスチック基材)に対しても印刷が可能な印刷機が実際に市販されてきた。しかし、近年、環境面への対応といった点から水性インキの需要が高まっている。
産業用途ではPETフィルムの様な透明の基材への印刷や有色基材への印刷も必要となってくる。これらの基材へプロセスカラーインキのみの印刷を行うと基材の色影響を受け発色性、視認性に劣る画像が得られる場合がある。これを解決するために白色インキを用いる方法が知られている。即ち、カラーインキで印刷する前に白色インキで印刷し、その上にカラーインキで画像を形成することで発色、視認性に優れた画像を得ることが可能となる。そのため、白色の水性インクジェット用インキの実用化が望まれていた。
白色顔料としては酸化チタン、中空粒子、有機白色顔料等が挙げられるが、コスト、隠蔽性の面から酸化チタンが用いられることが多い。しかし、酸化チタンを使用した場合においても十分な隠蔽性を発揮するためには多量の顔料をインキ中に含有させなければならない。顔料の増加に従ってインキ粘度も上昇してしまうため、十分な隠蔽性を出そうとするとインクジェットヘッドの吐出適性粘度から外れ、インクジェット用インキとして適さなくなることがある。また、高濃度化によるインキ安定性の低下も問題であり、インキに使用する溶剤の自由度も限定されていた。
特許文献1には無機リン酸化合物で酸化チタンの表面処理を行うことで、酸化チタンの分散性を向上させ、安定性に優れた酸化チタンの水性分散体が提示されている。しかし、この方法では安定性が不十分であり、プラスチック基材に印刷するために疎水性の高い溶剤を使用すると短期間で顔料の凝集が起こり、実用には不適であった。
特許文献2には酸化チタンの表面処理を行うことで分散樹脂の吸着を促し、分散安定性に優れた酸化チタンの水性分散体が提示されている。しかし、分散体の低粘度化に関する記載はなく、この分散体を使用した場合には十分な隠蔽性を発揮しつつ、低粘度なインクジェット用インキを作成することができないと考えられる。
特開2002-348513号公報 特開2011-225867号公報
本発明の目的は、酸化チタンを顔料とした低粘度かつ保存安定性、顔料沈降性に優れたインクジェット用水性白インキを提供することにある。
すなわち本発明は、少なくとも酸化チタンと顔料分散樹脂と有機溶剤と水とを含有するインクジェット用水性白インキであって、前記顔料分散樹脂として少なくともα-オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸とを共重合させた樹脂を使用することを特徴とするインクジェット用水性白インキに関する。
また本発明は、前記α-オレフィンとして炭素数8以上のα-オレフィンを使用することを特徴とする上記インクジェット用水性白インキに関する。
また本発明は、前記顔料分散樹脂がポリアルキレングリコール基を有することを特徴とする上記インクジェット用水性白インキに関する。
また本発明は、前記顔料分散樹脂として、重量比換算においてα-オレフィン由来の構造をマレイン酸および/または無水マレイン酸由来の構造よりも多く含む顔料分散樹脂を使用することを特徴とする上記インクジェット用水性白インキに関する。
また本発明は、前記有機溶剤として炭素数4〜8の1,2-アルカンジオールを含むことを特徴とする上記インクジェット用水性白インキに関する。
本発明により、酸化チタンを顔料とした低粘度かつ保存安定性、顔料沈降性に優れたインクジェット用水性白インキを提供することが可能となった。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明について説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは特に断らない限りそれぞれ「重量部」、「重量%」を表す。
本発明では顔料分散樹脂としてα-オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸とを共重合させた樹脂を使用する。これを使用することで顔料分散液の粘度が非常に低くなり、インクジェット用インキとしたときに低粘度に仕上げることでき、吐出安定性を向上させることが可能であることを本発明者らは見出した。
α-オレフィンの具体例としては1-ブテン、イソブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン、1-オクテン、ジイソブチレン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、1-ドコセン、1-テトラコセン等のα-オレフィンが挙げられる。これらの中でも炭素数8以上のα-オレフィンが好ましい。炭素数8以上であるとインキの保存安定性が向上する。また、炭素数が大きくなりすぎると、インキの粘度が上昇してインキ吐出に悪影響を与える場合があるため、炭素数20以下であるものを使用することが好ましい。
本発明ではα-オレフィンを2種類以上混合して使用することも可能である。混合して使用することで樹脂の溶解性やガラス転移点などを、所望の性状へ合わせることが容易となる。
上記のα-オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸を、ラジカル開始剤、および連鎖移動剤を添加し、重合させることでα-オレフィン-無水マレイン酸樹脂とする。重合方法としては、例えば、液体のα-オレフィンモノマーに、無水マレイン酸、ラジカル開始剤及び連鎖移動剤を添加し、重合させる方法が好ましい。
樹脂中のα-オレフィン由来の構造とマレイン酸および/または無水マレイン酸由来の構造の比率としては、重量比換算においてα-オレフィン由来の構造が多いことが好ましい。α-オレフィン由来の構造を多くすることでインキの粘度安定性を向上させることができる。
得られたα-オレフィン-(無水)マレイン酸樹脂を酸、塩基で処理することで、無水マレイン酸部分を開環させ、α-オレフィン-マレイン酸樹脂とすることができる。この時にアルコールを共存させ、カルボン酸部位と反応させることでアルコール骨格を樹脂に導入することができる。
アルコールとしてはヒドロキシル基を有する化合物であれば何れも樹脂へ導入することが可能である。例えば、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール等によりアルキル基を導入したり、フェノール、ベンジルアルコール等により芳香環を導入したり、グリコールエーテル等によりポリアルキレングリコール基を導入したりすることができる。
ポリアルキレングリコール基を導入することで顔料の沈降を抑えることが可能であり、上記の手法によりポリアルキレングリコール基を導入するのが好ましい。ポリアルキレングリコール基を導入するために使用するアルコールとしてはジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジブロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
また、本発明では顔料分散樹脂へα-オレフィンと(無水)マレイン酸以外の重合性化合物を共重合させても良い。共重合させることが可能な重合性化合物としてはスチレンや(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエーテル等が挙げられる。
顔料分散樹脂の重量平均分子量は3000〜50000であることが好ましい。分子量3000以下では分散安定性が低下する場合があり、分子量50000以上では吐出に影響が出る場合がある。より好ましくは分子量5000〜30000であり、更に好ましくは分子量7000〜20000である。
本発明では顔料分散樹脂の酸価が50〜400mgKOH/gであることが好ましい。酸価が50mgKOH/gよりも小さいと樹脂が水に対し溶解しづらくなるため、分散体の粘度が高くなる。また、400mgKOH/gよりも大きい場合であっても樹脂間での相互作用が強まり、粘度が高くなる場合がある。顔料分散樹脂の酸価は、好ましくは100〜350mgKOH/gであり、更に好ましくは150〜300mgKOH/gである。
本発明の顔料分散樹脂は水への溶解度を上げるために、樹脂中の酸基を塩基で中和してあることが好ましい。塩基としてはアンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基や水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基等を使用することができる。
本発明の顔料分散体の酸化チタンと顔料分散樹脂の比率は2/1〜100/1であることが好ましい。顔料分散樹脂の比率が2/1よりも大きいと顔料分散体の粘度が高くなる傾向が見られる。また、100/1よりも小さいと分散性が低下し、安定性が低下する場合がある。酸化チタンと顔料分散樹脂の比率としてより好ましくは4/1〜50/1、更に好ましくは5/1〜25/1であり、最も好ましくは10/1〜20/1である。
本発明では白色顔料として酸化チタンを使用する。酸化チタン顔料は隠蔽性が高く、安価であるため広く使用される白色顔料である。本発明で用いられる酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型の何れも使用することができるが、印刷物の隠蔽性を上げるためにもルチル型を用いるのが好ましい。また、塩素法、硫酸法等いずれの方法で製造したものでも良いが、塩素法にて製造された酸化チタンを使用した方が、白色度が高く好ましい。
本発明の酸化チタンの分散粒子径は、顔料の沈降性、印刷物の隠蔽性の観点から100〜400nmであることが好ましい。粒径が100nm以下であれば、酸化チタンの沈降は起こりづらくなるが、隠蔽性が低下し白インキとしての実用性が低下する。一方400nm以上では隠蔽性は十分ではあるが、沈降が起こりやすくなり、プリンタ内での流路のつまりや、不吐出を生じさせる原因となる。酸化チタンの平均粒子径としてより好ましくは150〜350nmであり、更に好ましくは200nm〜300nmである。
本発明ではインキ中の顔料濃度を5〜25%にすることが好ましい。顔料濃度が5%よりも少ない場合は、一度の印刷では十分な隠蔽性が得られないことがある。一方、25%よりも高い場合ではインキの粘度が高くなり、インクジェットヘッドからの吐出が困難となり、長期の印字安定性が低下する場合がある。インキ中の顔料濃度として更に好ましくは8%〜20%であり、最も好ましくは10%〜15%である。
本発明のインクジェット用インキでは有機溶剤を使用することで、基材に対するインキの濡れ性を向上させ、良好な画質の印刷物を得ることができる。有機溶剤としてはアルカンジオール系溶剤やアルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤を好適に使用することができる。
アルカンジオール系溶剤としては1, 2-プロパンジオール、1, 3-プロパンジオール、1, 2-ブタンジオール、1, 3-ブタンジオール、1, 4-ブタンジオール、1, 2-ペンタンジオール、1, 5-ペンタンジオール、1, 2-ヘキサンジオール、1, 6-ヘキサンジオール、2-メチル-2, 4-ペンタンジオール等が挙げられる。これらの中でも1, 2-プロパンジオール、1, 2-ブタンジオール、1, 2-ペンタンジオール、1, 2-ヘキサンジオールといった1, 2-アルカンジオールを使用すると基材への濡れ性を向上させ、印刷品質を向上させることができるため好ましい。更には炭素数4〜6の1,2-アルカンジオールを使用することが好ましい。
アルキレングリコールアルキルエーテル系溶剤としてはジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジブロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールブチルメチルエーテル等が挙げられる。これらの中でもアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノールが更に好ましい。
また、その他の有機溶剤もインキの保湿性や基材への浸透性を調整するために使用することができる。その他の有機溶剤としては、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-メチルオキサゾリジノン、N-エチルオキサゾリジノン、γ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンなどの複素環化合物が挙げられる。
有機溶剤はインキ中に10〜40%含まれることが好ましい。10%よりも少ない場合は基材に対するインキの濡れ性が不十分となり、基材によってはハジキ等の不具合が生じる場合がある。また、40%よりも多い場合は粘度が高くなり、インクジェットヘッドからの吐出が困難となり、長期の印字安定性が低下する場合がある。更に好ましくは15〜35%含まれることが好ましい。
印刷物の耐性を高めるために、本発明ではバインダー樹脂を更に添加することもできる。水性インキのバインダー樹脂としては大別して水溶性樹脂と樹脂微粒子が知られているが、一般に樹脂微粒子は水溶性樹脂と比較して高分子量であり、高い耐性を実現することができる。また、樹脂微粒子はインキ粘度を低くすることができ、より多量の樹脂をインキ中に配合することができることから、インクジェットインキの耐性を高めるのに適している。樹脂の種類としてはアクリル系、ウレタン系、スチレンブタジエン系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系等が挙げられる。インキの安定性、印刷物の耐性の面を考慮するとアクリル系の樹脂微粒子を使用することが望ましい。
バインダー樹脂のガラス転移点温度(Tg)を高くすることで耐擦性、耐薬品性等の耐性を向上させることが可能であり、好ましくは50〜120℃、より好ましくは80〜100℃の範囲とするのが良い。50℃よりも低い場合には十分な耐性が得られず、実用にて印刷物からインキ塗膜が剥がれる場合がある。また、120℃よりも高い場合には塗膜が非常に硬くなり、印刷物を折り曲げた際に印刷面にワレ、ヒビが生じる場合がある。
上記したようなバインダー樹脂のインキ中における含有量は、固形分でインキの全重量の2%以上、30%以下の範囲であり、より好ましくは3%以上、20%以下の範囲であり、特に好ましくは6%以上、15%以下の範囲である。
また、印刷物の画質を向上させるために界面活性剤を更に添加することができる。界面活性剤としてはシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレンジオール系界面活性剤等が挙げられる。中でも印字安定性の面からもシリコン系の界面活性剤を使用することが好ましい。界面活性剤の含有量としてはインキの全重量の0.05%以上、5%以下の範囲が好ましい。より好ましくは0.1%以上、3%以下の範囲である。
本発明では単色のみの使用ではなく、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のカラーインキを組み合わせたインキセットとしても利用することができる。インキセットとして使用する場合には、インキ間の組成を微調整し粘度や表面張力などを揃え、印刷時の基材上での濡れ広がりや乾燥性を全色で均一にすることで、印刷品質を更に向上させることができる。
本発明のインクジェット用インキを印刷する基材は特に限定されないが、上質紙、コート紙、アート紙、キャスト紙、合成紙の様な紙基材、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETの様なプラスチック基材、ステンレスなどの金属基材、ガラス、木材等が使用できる。これらの基材で白色でないものは先に白インキを印刷し、その後カラーインキを印刷することで印刷物の発色性を向上させることが可能となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
本発明で使用する顔料分散樹脂は公知の方法にて表1の重合性成分を共重合させ、その後、無水マレイン酸部を加水分解して開環させることで製造した。更に、顔料分散樹脂4, 5, 8に関しては得られた樹脂が有するマレイン酸由来のカルボン酸をアルコールによりエステル化を行った。重量平均分子量は何れも9000であった。
(実施例1)
顔料として酸化チタン(平均一次粒子径280m)を50部、顔料分散樹脂を5部、水45部をディスパーで予備分散した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行い、本発明の水性顔料分散体を得た。このとき、顔料と分散樹脂の不揮発分の比率は、顔料/分散樹脂(不揮発分) = 10/1となっている。
得られた水性顔料分散体を20部、定着樹脂(スチレンアクリル樹脂エマルジョン、Tg80℃、Nv.40%)を20部、有機溶剤としてプロピレングリコールを20部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを5部、水40部を混合容器へディスパーで撹拌を行いながら順次投入し、十分に均一になるまで撹拌を行い、インクジェット用白インキを作成した。このインキの粘度は4.5mPa・sであった。
(インクジェット用白インキの粘度測定)
得られたインクジェット用白インキの粘度をE型粘度計(東機産業社製TVE-20L)を用いて、25℃において回転数50rpmという条件で測定を行った。測定粘度が5mPa・s未満であれば○、5mPa・s以上であれば×と判定した。
(インキの保存安定性)
顔料分散体、インクジェット用インキを70℃の恒温器に保存し、経時促進させた後、経時前後でのインキの粘度変化を評価した。
◎:四週間保存後の粘度変化率が±10%未満
○:二週間保存後の粘度変化率が±10%未満
△:一週間保存後の粘度変化率が±10%未満
×:一週間保存後の粘度変化率が±10以上
(酸化チタンの沈降性)
作成したインクジェット用白インキを、側面が透明であるスクリュー管瓶(容量約20mL)に20mL取り分けたのち、25℃環境下に1日間静置した後のインク組成物を目視観察することで、顔料沈降性の評価を行った。このときの評価基準は以下の通りである。
◎:顔料が容器下部に沈降している様子が観察されない
○:顔料が容器下部に沈降している様子が観察されるが、スクリュー管瓶を3回振ることで、沈降していない状態に戻る
×:顔料が容器下部に沈降している様子が観察され、スクリュー管瓶を3回以上振っても、沈降していない状態に戻らない
(実施例2〜12, 比較例1〜3)
実施例1と同様にして表2記載の通り顔料分散樹脂、有機溶剤を変更してインキを作成し、評価を行った。
評価の結果、実施例ではα-オレフィンとマレイン酸とを共重合させた樹脂を分散樹脂として使用することで、インキが低粘度化し、保存安定性、顔料沈降性の良好なインキとすることが出来た。
Figure 2014210837
Figure 2014210837


Claims (5)

  1. 少なくとも、酸化チタンと顔料分散樹脂と有機溶剤と水とを含有するインクジェット用水性白インキであって、前記顔料分散樹脂として少なくともα-オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸とを共重合させた樹脂を使用することを特徴とするインクジェット用水性白インキ。
  2. α-オレフィンとして炭素数8以上のα-オレフィンを使用することを特徴とする、請求項1記載のインクジェット用水性白インキ。
  3. 前記顔料分散樹脂がポリアルキレングリコール基を有することを特徴とする、請求項1または2記載のインクジェット用水性白インキ。
  4. 顔料分散樹脂として、重量比換算においてα-オレフィン由来の構造をマレイン酸および/または無水マレイン酸由来の構造よりも多く含む顔料分散樹脂を使用することを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載のインクジェット用水性白インキ。
  5. 有機溶剤として炭素数4〜8の1,2-アルカンジオールを含むことを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載のインクジェット用水性白インキ。


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