JP2013155118A - 芳香族チオ(メタ)アクリレート類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用する(メタ)アクリロイルハライドの純度を97.5%以上に規定する。
【選択図】なし
Description
(1)(メタ)アクリロイルハライドの純度
製造例において、(メタ)アクリロイルハライドの純度(%)は、高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と略記する。)による定量分析法(内部標準物質:モノクロロベンゼン)において、秤量した(メタ)アクリロイルハライドを、エタノール中でエチルエステル化して得られるエチル(メタ)アクリレートとして定量し、以下の式に従って(メタ)アクリロイルハライドの純度に変換することにより求めた。
実施例において、芳香族チオ(メタ)アクリレート類の純度はHPLCによる面積百分率(面積%)により求めた。
実施例において、芳香族チオ(メタ)アクリレート類の色相はハーゼン単位色数試験方法(JIS K0071)に従って測定した。測定試料の調製方法は以下の通りである。
芳香族チオ(メタ)アクリレート類が常温で固体の場合:芳香族チオ(メタ)アクリレート類60gにトルエン60gを加えて十分に溶解させた溶液を試料とする。
芳香族チオ(メタ)アクリレート類が常温で液体の場合:芳香族チオ(メタ)アクリレート類をそのまま試料とする。
2リットル容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、4,4’−チオジベンゼンチオール250.4g(1.0モル)およびモノクロロベンゼン800gを仕込み、液温を60℃に昇温した。次いで液温を60〜65℃に保ちながら、17重量%水酸化ナトリウム水溶液658.8g(2.8モル)に水素化ホウ素ナトリウム1.9g(0.05モル)を溶解した水溶液を1時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を分液し、4,4’−チオジベンゼンチオールのナトリウム塩の溶液910.6g(水層)を得た。
1リットル容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、15重量%水酸化ナトリウム水溶液640g(2.4モル)および水素化ホウ素ナトリウム2.3g(0.06モル)を仕込んだ。次いで液温を25〜30℃に保ちながらチオフェノール220.4g(2.0モル)を1時間かけて滴下した後、同温度で1時間攪拌して、チオフェノールのナトリウム塩水溶液862.7gを得た。
1リットル容の四つ口フラスコに市販のメタクリロイルクロリド(東京化成)522.7g(5.0モル)を仕込み、減圧度500〜200mmHg、釜内温度70〜80℃、塔頂温度60〜70℃の条件下の減圧蒸留により、392.0g(3.75モル)のメタクリロイルクロリドを得た。得られたメタクリロイルクロリドの純度は99.5%であり、仕込み量に対する回収率は75.0%であった。また、蒸留前のメタクリロイルクロリドの純度は92.2%であった。
製造例3と同様にして、減圧蒸留により、412.9g(3.95モル)のメタクリロイルクロリドを得た。得られたメタクリロイルクロリドの純度は98.6%であり、仕込み量に対する回収率は79.0%であった。
製造例3と同様にして、減圧蒸留により、423.4g(4.05モル)のメタクリロイルクロリドを得た。得られたメタクリロイルクロリドの純度は97.5%であり、仕込み量に対する回収率は81.0%であった。
製造例3と同様にして、減圧蒸留により、445.3g(4.26モル)のメタクリロイルクロリドを得た。得られたメタクリロイルクロリドの純度は97.0%であり、仕込み量に対する回収率は85.2%であった。
1リットル容の四つ口フラスコに市販のアクリロイルクロリド(東京化成)452.6g(5.0モル)を仕込み、減圧度500〜200mmHg、釜内温度50〜60℃、塔頂温度40〜50℃の条件下の減圧蒸留により、381.0g(4.21モル)のアクリロイルクロリドを得た。得られたアクリロイルクロリドの純度は98.6%であり、仕込み量に対する回収率は84.2%であった。また、蒸留前のアクリロイルクロリドの純度は96.1%であった。
製造例7と同様にして、減圧蒸留により、408.2g(4.51モル)のアクリロイルクロリドを得た。得られたアクリロイルクロリドの純度は97.0%であり、仕込み量に対する回収率は90.2%であった。
3リットル容の四つ口フラスコに、製造例3において得られた純度99.5%のメタクリロイルクロリド230.0g(2.2モル)、n−ヘプタン450g、シクロヘキサン900gおよびp−メトキシフェノール2.0gを仕込み、5℃に冷却した。この溶液に、5℃に冷却した製造例1において得られた4,4’−チオジベンゼンチオールのナトリウム塩水溶液910.6g(4,4’−チオジベンゼンチオール1.0モル相当)を5分で添加した。このとき反応溶液温度は5℃から43℃まで上昇した。その後55〜60℃で1時間攪拌した。
実施例1において、純度99.5%のメタクリロイルクロリドに代えて、製造例4において得られた純度98.6%のメタクリロイルクロリドを使用した以外は実施例1と同様にして、白色のS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)323.6g(0.84モル)を得た。
実施例1において、純度99.5%のメタクリロイルクロリドに代えて、製造例5において得られた純度97.5%のメタクリロイルクロリドを使用した以外は実施例1と同様にして、白色のS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)313.5g(0.81モル)を得た。
3リットル容の四つ口フラスコに、製造例5において得られた純度97.5%のメタクリロイルクロリド230.0g(2.2モル)、シクロヘキサン800gおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0gを仕込み5℃まで冷却した。この溶液に、5℃に冷却した製造例2において得られたチオフェノールのナトリウム塩水溶液862.7g(チオフェノール2.0モル相当)を5分で添加した。このとき反応溶液温度は5℃から41℃まで上昇した。その後55〜60℃で1時間攪拌した。
3リットル容の四つ口フラスコに、製造例7において得られた純度98.6%のアクリロイルクロリド199.1g(2.2モル)、シクロヘキサン800gおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール2.0gを仕込み5℃まで冷却した。この溶液に、5℃に冷却した製造例2において得られたチオフェノールのナトリウム塩水溶液862.7g(チオフェノール2.0モル相当)を5分で添加した。このとき反応溶液温度は5℃から41℃まで上昇した。その後55〜60℃で1時間攪拌した。
実施例1において、純度99.5%のメタクリロイルクロリドに代えて、製造例6において得られた純度97.0%のメタクリロイルクロリドを使用した以外は実施例1と同様にして、白色のS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)292.3g(0.76モル)を得た。
実施例1において、純度99.5%のメタクリロイルクロリドに代えて、市販の純度92.2%のメタクリロイルクロリド(東京化成)を使用した以外は実施例1と同様にして、微黄色のS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)201.4g(0.52モル)を得た。
実施例4において、純度97.5%のメタクリロイルクロリドに代えて、製造例6において得られた純度97.0%のメタクリロイルクロリドを使用した以外は実施例4と同様にして、液状のフェニルチオメタクリレート316.9g(1.78モル)を得た。
実施例5において、純度98.6%のアクリロイルクロリドに代えて、製造例8において得られた純度97.0%のアクリロイルクロリドを使用した以外は実施例5と同様にして、液状のフェニルチオアクリレート293.0g(1.78モル)を得た。
実施例1〜3ならびに比較例1および2で得られたS,S’−(チオジ−p−フェニレン)ビス(チオメタクリレート)を50℃の恒温槽中で30日間保存し、30日後のHPLC純度、色相(ハーゼン単位色数)を分析した結果を表2に示した。
Claims (3)
- 芳香族チオール類のアルカリ金属塩と、(メタ)アクリロイルハライドとを反応させて、芳香族チオ(メタ)アクリレート類を製造する方法において、(メタ)アクリロイルハライドの純度を97.5%以上に規定することを特徴とする芳香族チオ(メタ)アクリレート類の製造方法。
- 芳香族チオール類が、チオール基が置換または無置換の芳香環に直接結合している骨格をもつ芳香族チオール類である、請求項1に記載の芳香族チオ(メタ)アクリレート類の製造方法。
- 芳香族チオール類が、4,4’−チオジベンゼンチオールまたはチオフェノールである請求項1または2に記載の芳香族チオ(メタ)アクリレート類の製造方法。
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Citations (2)
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JPH06100528A (ja) * | 1992-09-17 | 1994-04-12 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 4,4’−ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドの製造方法 |
JP2003146967A (ja) * | 2001-11-13 | 2003-05-21 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 芳香族チオ(メタ)アクリレート類の製造方法 |
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Patent Citations (2)
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JPH06100528A (ja) * | 1992-09-17 | 1994-04-12 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 4,4’−ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィドの製造方法 |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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JPN6015028164; '塩化アクリロイル' 和光純薬工業株式会社 製品安全データシート , 20101215 * |
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