JP2013155117A - スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スフィンゴ糖脂質について、それを安定に溶解する水溶液或いは乳化水溶液とし、かかる水溶液或いは乳化水溶液を皮膚のみならず消化管粘膜に適用することにより、生体内吸収性を良好ならしめ、内因性セラミドを生成・増加させ、その結果、効率よく皮膚のバリア機能、或いは水分保持(水分蒸散防御)機能を発揮させ、皮膚の保湿を確保する、スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液を提供すること。
【解決手段】 スフィンゴ糖脂質を溶解した水溶液若しくは乳化水溶液であって、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなることを特徴とする、前記スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液であり、さらに界面活性剤を添加してなるスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液に係わり、詳細には、皮膚及び腸管吸収性を促進させた安定なスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液に関する。
近年、皮膚最外層に存在する角質層の構造とその保湿機能が明らかになるにつれて、スフィンゴ糖脂質(グルコシルセラミド:GlcCer)やセラミドを配合した化粧料が種々提案されてきている(例えば、特許文献1)。
角質細胞間脂質の主成分であるセラミドは、皮膚においてはバリア機能、水分保持(水分蒸散防御)機能等の重要な働きをしており、皮膚に適用して皮膚からの水分の蒸散を防ぐと共に、皮膚に保湿効果をもたらす作用を有する内因性セラミドである。
これまでに、これらスフィンゴ糖脂質やセラミドの有する特性を考慮し、これら物質を、例えばリポソームに内包させ化粧料として使用する検討も行われている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
更には、リポソーム化したグルコシルセラミドを皮膚に適用し、皮膚中の美白効果の検討も行われてきている(例えば、特許文献4)。
しかしながら、スフィンゴ糖脂質等の細胞間脂質は、優れたバリア効果を示すものの、他の油性基剤との相溶性があまり高く無く、安定な製剤化がし難いといった問題点があった。
さらに、皮膚に塗布した場合、バリア効果による皮膚からの水分蒸散防御作用は期待できるものの、角質細胞間に滞留・存在させ、その状態での保水機能を期待することはできなかった。
また、これらスフィンゴ糖脂質やセラミドをリポソームに内包して配合する技術についても、製剤中にリポソームが安定した状態で保持されにくく、リポソームを皮膚に適用したとしても、必ずしも角質層の有する保水機能や水分蒸散防御機能を効率良く再現させるものではなく、化粧料としては未だ不十分なものであった。
さらに最近では、セラミドをナノサイズ化して水溶性分散液とした製剤も開発されており、かかる製剤は、セラミドの皮膚への浸透性を高めることにより、角質層の有する保水機能や水分蒸散防御機能を向上させるものであるといわれている(特許文献5〜8)。
上記の検討は、いずれも皮膚への適用により、皮膚のバリア効果の増強、或いは角質層の有する保水機能や水分蒸散防御機能の再現を目的としたものであって、スフィンゴ糖脂質やセラミドを皮膚の適用した場合に、皮膚中に内因性セラミドを生成・増加させる点については一切検討されていない。
本発明者等は、これまでに、スフィンゴ糖脂質やセラミドを皮膚へ適用した場合に、皮膚中に内因性セラミドが生成・増加されるか否かの検討を積極的に行ってきている。
その検討の結果、具体的にはセラミドの前駆体であるスフィンゴミエリエンであるスフィンゴリン脂質をリポソームとして皮膚に適用し、皮膚中に内因性セラミドが生成・増加されることを新規に見出してきている。
更に、セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドであるスフィンゴ糖脂質をリポソームに内包させるか、或いはナノ分散水溶液として、皮膚に適用した場合に、皮膚中の内因性セラミドを生成・増加させることができるか否かを検討し、その結果、グルコシルセラミドであるスフィンゴ糖脂質を効率よくナノリポソームに内包させることができ、かつ、かかるナノリポソームが物理化学的に安定なものであって、皮膚に適用した場合に、効率よく皮膚中に内因性セラミドを生成・増加させることができることを確認し、さらに、ナノ分散水溶液にあっても、同様に皮膚に適用した場合には、効率よく皮膚中に内因性セラミドを生成・増加させることができることを確認し、その点については、既に特許出願を完了している(特許文献9)。
本発明者等は更に検討を加えた結果、グルコシルセラミドであるスフィンゴ糖脂質については、ナノサイズ化することなく、セラミドを溶解した水溶液若しくは乳化水溶液であって、添加したセラミドに対して特定量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなるセラミド水溶液若しくは乳化水溶液が、安定な水溶液であって、皮膚に適用した場合には、効率よく皮膚中に内因性セラミドを生成・増加させることができることを確認して、本願発明を完成させるに至った。
特開2003−81809号公報 再公表WO2004/009041号 特開2009−102257号公報 特開2006−328026号公報 特開2009−269888号公報 特開2010−083801号公報 特開2010−083802号公報 特開2010−090092号公報 特願2011−046243明細書
すなわち本発明は、セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドである米ぬか、米胚芽等の植物素材由来のスフィンゴ糖脂質について、それを安定に溶解する水溶液或いは乳化水溶液とし、かかる水溶液或いは乳化水溶液を皮膚のみならず消化管粘膜に適用することにより、生体内吸収性を良好ならしめ、内因性セラミドを生成・増加させ、その結果、効率よく皮膚のバリア機能、或いは水分保持(水分蒸散防御)機能を発揮させ、皮膚の保湿を確保する、スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するための本発明は、その基本的態様として、スフィンゴ糖脂質を溶解したスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液であって、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなることを特徴とする、前記スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
具体的には、スフィンゴ糖脂質が植物由来のスフィンゴ糖脂質、具体的には、米糠、米胚芽及び/又はこれら由来のスフィンゴ糖脂質である前記のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
より具体的には、スフィンゴ糖脂質がβ−グルコシルセラミドである前記のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
さらに具体的には、スフィンゴ糖脂質を溶解した水溶液に添加する脂肪酸および/またはその塩が、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノレン酸、ステアリン酸から選択される脂肪酸および/またはその塩である前記のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
また本発明は、非イオン性界面活性剤を更に添加してなるスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液であり、係る非イオン性界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステルであるスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
本発明により、スフィンゴ糖脂質を安定に溶解する水溶液若しくは乳化水溶液が提供され、かかる水溶液若しくは乳化水溶液を、皮膚を始めとし消化管粘膜に適用することによりスフィンゴ糖脂質が生体内に効率よく吸収され、その結果皮膚中において内因性セラミドに変換され、皮膚中に内因性セラミドが生成・増加されることが判明した。
したがって、本発明により、効果的に皮膚のバリア機能を向上させることができ、皮膚からの水分蒸散が防止され、保湿性に富んだ皮膚状態が保持されるスフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液が提供される。
本発明が提供するスフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液は、今後有効な化粧料の開発、或いは機能性補助健康食品の開発に結びつく可能性があり、その点で、極めて特異的なものである。
本発明は上記したように、その基本的態様は、スフィンゴ糖脂質(グルコシルセラミド)の水溶液或いは乳化水溶液であって、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなることを特徴とする、前記スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液である。
本発明においては、使用されるスフィンゴ糖脂質としては、セラミドの前駆体であり、特にその由来が限定されるものではなく、あらゆるスフィンゴ糖脂質を使用することができる。
そのなかでも、スフィンゴ糖脂質として、植物素材由来の糖脂質であり、例えば米糠、米胚芽及び/又はこれら由来のスフィンゴ糖脂質が挙げられる。
そのなかでも、好ましくは、スフィンゴ糖脂質がβ−グルコシルセラミドである。
このような植物素材由来のスフィンゴ糖脂質、例えば、米糠、米胚芽及び/又はこれら由来のスフィンゴ糖脂質、より好ましくは、スフィンゴ糖脂質がβ−グルコシルセラミド(β−GlcCer)としては、例えば、特開2010−270104号公報に記載する、米糠、米胚芽及び/又はこれら由来の素材を有機溶媒抽出して得たスフィンゴ糖脂質含有粗製画分を、クロマトグラフィー及び/又は再結晶により分画したスフィンゴ糖脂質精製画分からなるスフィンゴ糖脂質を挙げることができる。
また、これらのスフィンゴ糖脂質は、ヒト型セラミドの前駆体であるのがより好ましいものである。
本発明にあっては、このスフィンゴ糖脂質、例えばグルコシルセラミドを安定に含有する水溶液或いは乳化水溶液であるが、かかる水溶液或いは乳化水溶液は、スフィンゴ糖脂質を溶解した水溶液であって、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなるスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液であり、例えば、溶解した溶液の調製等は、一般的な加熱・攪拌、超音波処理、高圧乳化法等により調製することができ、透明な水溶液或いは乳濁状の水溶液であってもよい。
本発明にあっては、添加する脂肪酸および/またはその塩としては、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノレン酸、ステアリン酸から選択される脂肪酸および/またはその塩を挙げることができ、なかでもオレイン酸および/またはその塩、特にオレイン酸および/またはそのナトリウム塩が好ましい結果を与えた。
かかる脂肪酸および/またはその塩の添加量は、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量であり、好ましくは1〜10倍量添加するのがよい。添加量が0.1倍量未満であると、目的とするスフィンゴ糖脂質を溶解した透明な水溶液或いは乳濁状の水溶液を安定な状態で得ることができず、また、20倍量を超えて添加すると、より強い乳化状態が生じ、目的とする透明な溶液とすることが困難となる。
これまで提案されているスフィンゴ糖脂質のリポソーム、或いはナノ分散液は、スフィンゴ糖脂質を平均粒子径が1〜100nm程度になるようナノサイズ化して用い、その皮膚吸収性を確保しているが、本発明にあっては、スフィンゴ糖脂質はナノサイズ化する必要はなく、水溶液若しくは乳化水溶液中に溶解されたスフィンゴ糖脂質が生体内に吸収され、その結果内因性セラミドを生成・増加させ、皮膚保湿機能が得られる点で、極めて特異的なものである。
また、本発明にあっては、脂肪酸および/またはその塩とともに非イオン性界面活性剤を更に添加した場合には、スフィンゴ糖脂質の粘膜吸収性が更に高まり、内因性セラミドの生成・増加が得られることが判明した。
そのような非イオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられ、なかでも、太陽化学(株)から食品用添加剤として提供されている「サンソフトA」を好ましく使用することができる。
この「サンソフトA」は、ポリグリセリン脂肪酸エステルエステルであり、当該脂肪酸としては、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等が該当する。
その添加量は、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜10倍量である。
本発明により提供されるスフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液について、その皮膚吸収性を検討するべく、三次元培養表皮モデルを用いた皮膚への適用の検討を行った。すなわち、本発明のスフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液を三次元培養表皮モデルとともに培養し、一定期間培養後、表皮モデルから脂質を抽出し、高性能薄層クロマトグラフィーで分離し、セラミドの定量を行ったところ、内因性セラミド量の生成・増加が認められた。
このことから、培養表皮中でセラミドの前駆体であるスフィンゴ糖脂質(グルコシルセラミド)からセラミドが生成され、皮膚中において内因性セラミドが生成・増加されていることが判明した。
これまでに提案されている先行技術は、例えばセラミドをナノサイズ化して水溶性分散液とした製剤、或いはナノリポソーム製剤であり、セラミドの皮膚への浸透性を高めることにより、角質層の有する保水機能や水分蒸散防御機能を向上させるものであるが、皮膚中に内因性セラミドを生成・増加させる点については一切検討されておらず、その点で、本発明は特異的なものといえる。
以下に、実施例に代え、スフィンゴ糖脂質としてβ−グルコシルセラミド(β−GlcCer)を用い、具体的なスフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液の調製、さらにヒト三次元培養皮膚モデルへの適用による内因性セラミド[セラミド2(Cer2)、セラミド3(Cer3)、セラミド5(Cer5)、セラミド6(Cer6)]の生成・増加の実際等を説明することにより、本発明をさらに詳細に説明する。
ただし、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない限り種々の変更が可能であり、その変更も本発明に包含されるものである点に留意すべきである。
以下の検討においては、スフィンゴ糖脂質としてβ−グルコシルセラミド(β−GlcCer)を用いた。このβ−グルコシルセラミド(β−GlcCer)は、具体的には、特開2010−270104号公報に記載する、米糠、米胚芽及び/又はこれら由来の素材を有機溶媒抽出して得たスフィンゴ糖脂質含有粗製画分を、クロマトグラフィー及び/又は再結晶により分画したスフィンゴ糖脂質精製画分からなるβ−グルコシルセラミド(β−GlcCer)である。
1:β−GlcCer含有水溶液の調製
<本発明のβ−GlcCer含有水溶液(本発明品)>
β−GlcCer(サイズの調整なし、すなわちナノサイズ化をしていない)に、界面活性剤であるグリセリン脂肪酸エステルを添加し乳化物とし、さらにオレイン酸ナトリウムを添加して加温・攪拌して乳化物とした。乳化物は更に高圧下で乳化する一般的な方法によって目的とする水溶液或いは乳化水溶液を調製した。
<比較対照のβ−GlcCer含有水溶液(比較品)>
上記の本発明のβ−GlcCer含有水溶液の調製において、オレイン酸ナトリウムを添加しない比較品A〜Dを同様に調製した。
ただし、比較品A〜Dにおいては、β−GlcCerについてナノサイズ化し、サイズ(粒子径)を調整したものを用いた。
比較品のβ−GlcCerのサイズ(平均サイズ)は、以下の通りである。
比較品A:100nm
比較品B:45nm
比較品C:100nm
比較品D:100nm
2.β−GlcCer含有ナノリポソームの調製
対照として、β−GlcCer含有ナノリポソームを調製した。
β−GlcCer含有ナノリポソームの調製は、一般的な薄膜法による調製により行った。具体的な組成は、β−GlcCer:ジミリストイルホスファチジルコリン:ジミリストイルホスファチジルグリセロール=4:4:1(モル比率)として調製した。
有機溶媒に溶解した脂質をナス型フラスコに測りとり、ロータリーエバポレータを用いて減圧下で溶媒を除去してフラスコに薄膜を作製した。リン酸緩衝整理食塩水(PBS)を加え、相転移温度以上の水浴で加温しながら機械的振動を与えて脂質を水和した。凍結融解後、100nmのポリカーボネート膜を5回通過させることによって粒子径の均一なリポソームを作製した。
上記で調製したβ−GlcCer含有水溶液(本発明品1〜3、及び比較品A〜D)の具体的配合を、下記表1に示した。
Figure 2013155117
注:サンソフトAは、グリセリン脂肪酸エステル(モノラウリン酸ペンタグリセリン:食品添加物/太陽化学社製)
2.培養皮膚への適用
<方法>
上記で得られたβ−GlcCer含有水溶液(本発明品1〜3、及び対照品A〜D)及びβ−GlcCer含有ナノリポソームのそれぞれを、ヒト3次元培養表皮モデル(Lab Cyte EPI-MODEL 12)を用い、7日間SPM−L適用で培養した。
培養後、培養液をクロロホルム:メタノール(2:1)にて抽出し、濃縮後、高性能薄層クロマトグラフィーで(High Performance Thin Layer Chromatography)にて、セラミドのタイプ別に分離し、ルミノイメージアナライザーシステム(LAS1000-plus;富士フイルム)により、密度から内因性セラミドとして、セラミド2(Cer2)、セラミド3(Cer3)、セラミド5(Cer5)、セラミド6(Cer6)を定量した。
なお、コントロールとして、β−GlcCerの無添加のものを置いた。
その結果を、下記表2及び表3に示した。
表2:オレイン酸ナトリウムの添加による内因性セラミドの生成の影響
Figure 2013155117
表3:オレイン酸ナトリウム及び非イオン界面活性剤(サンソフトA)の添加による内因性セラミドの生成の影響
Figure 2013155117
上記の表2及び表3の結果から、β−GlcCer含有ナノリポソームの適用により、セラミド5(Cer5)が増加しており、粒子径100nmのβ−GlcCe含有水溶液においても、セラミド5(Cer5)が増加していた。
更に、本発明のオレイン酸ナトリウムを添加した本発明品1では、セラミド3(cer3)、セラミド5(Cer5)、セラミド6(Cer6)が顕著に増加していた。
オレイン酸ナトリウムに加えさらにグリセリン脂肪酸エステルを添加した本発明のβ−GlcCer含有水溶液(本発明品1〜3)においては、ナノリポソームやナノサイズ水溶液よりも、セラミド5(Cer5)、セラミド6(Cer6)が顕著に増加していた。
以上の結果より、β−GlcCer含有ナノリポソームやナノサイズ水溶液よりも、本発明の水溶液を適用した場合の方がセラミド量は顕著に増加しており、オレイン酸ナトリウムを用いた本発明の優位性が良く理解できる。
これらの結果から見ると、オレイン酸ナトリウムによって培養皮膚中にβ−GlcCerが効率的に浸透したことにより、内因性セラミドが生成したものと考えられる。
以上記載のように、本発明により、スフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液を、皮膚を始めとし消化管粘膜に適用することにより生体内に効率よく吸収され、その結果、皮膚中の内因性セラミドが生成・増加されることが判明した。
この皮膚中の内因性セラミドを生成・増加させることにより、効果的に皮膚のバリア機能が増強させるものであって、その結果、皮膚からの水分蒸散が防止され、保湿性に富んだ皮膚状態が保持されることとなる。
本発明が提供する、スフィンゴ糖脂質の水溶液或いは乳化水溶液は、今後極め有効な化粧料を開発していく上で、一つの指針を与えるものであり、その産業上の利用性は多大なものである。
注:サンソフトAは、グリセリン脂肪酸エステル(モノラウリン酸ペンタグリセリン:食品添加物/太陽化学社製)
2.培養皮膚への適用
<方法>
上記で得られたβ−GlcCer含有水溶液(本発明品1〜3、及び対照品A〜D)及びβ−GlcCer含有ナノリポソームのそれぞれを、ヒト3次元培養表皮モデル(Lab Cyte EPI-MODEL 12)を用い、7日間SPM−L適用で培養した。
培養後、培養表皮を取り出し、クロロホルム:メタノール(2:1)にて抽出し、濃縮後、高性能薄層クロマトグラフィーで(High Performance Thin Layer Chromatography)にて、セラミドのタイプ別に分離し、ルミノイメージアナライザーシステム(LAS1000-plus;富士フイルム)により、密度から内因性セラミドとして、セラミド2(Cer2)、セラミド3(Cer3)、セラミド5(Cer5)、セラミド6(Cer6)を定量した。
なお、コントロールとして、β−GlcCerの無添加のものを置いた。

Claims (7)

  1. スフィンゴ糖脂質を溶解した水溶液若しくは乳化水溶液であって、スフィンゴ糖脂質に対して0.1〜20倍量の脂肪酸および/またはその塩を添加してなることを特徴とする、前記スフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  2. スフィンゴ糖脂質が植物素材由来のスフィンゴ糖脂質である請求項1に記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  3. 植物素材由来のスフィンゴ糖脂質が、米糠、米胚芽及び/又はこれら由来のスフィンゴ糖脂質である請求2に記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  4. スフィンゴ糖脂質がβ−グルコシルセラミドである請求項1に記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  5. 脂肪酸および/またはその塩が、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノレン酸、ステアリン酸から選択される脂肪酸および/またはその塩である請求項1に記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  6. 非イオン性界面活性剤を更に添加してなる、請求項1〜5の何れかに記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
  7. 非イオン性界面活性剤が、グリセリン脂肪酸エステルである、請求項6に記載のスフィンゴ糖脂質水溶液若しくは乳化水溶液。
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