JP2004161655A - セラミド類含有乳化物の製造方法、および乳化物 - Google Patents

セラミド類含有乳化物の製造方法、および乳化物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明のセラミド類含有乳化物の製造方法は、炭素数12〜32の脂肪酸を含む油性基材を70〜95℃に加熱して溶融し、該温度の保持下に、該油性基材にセラミド類を添加して溶解させ、該セラミド類が溶解した油性基材に、界面活性剤が溶解された水性溶液を別途調製して添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いで調製されたW/Oエマルジョンにさらに界面活性剤が溶解された水性溶液を添加して、該W/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させることを特徴としている。
【効果】本発明の方法によれば、セラミド類を高い濃度で乳化物中に含有させることができ、しかもこのセラミド類を高濃度で含有する乳化物の安定性が高い。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、生体皮膚の角質層などに存在するセラミドあるいはセラミド類似化合物などのセラミド類が安定に存在する乳化物を製造する方法、および該方法によって得られるセラミド類含有乳化物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
セラミドは生体の皮膚の角質層に存在する化合物であり、一般に以下に示す式(I)で表されるようにスフィンゴシンあるいはその類似塩基のN−アシル誘導体であり、生体の水分保持に必要な脂質バリアーを構築し、維持するために重要な役割を果たしている。
【0003】
【化1】
Figure 2004161655
【0004】
このセラミドは上記式(I)で示されるように両親媒性物質であり、同一分子内に疎水基と親水基とを有する化合物である。このセラミドには、生体の皮膚角質層に含有される天然セラミドのほかに、この天然セラミドに類似した構造を有する化合物があり、これらは同様に生体の水分保持に必要な脂質バリアーを構築し維持することから、セラミド類として同等に使用されている。以下本発明において、特に限定せずに「セラミド類」と記載する場合には、天然セラミドおよびこの類似化合物を含むものとする。
【0005】
このようなセラミド類は、上記のように生体の水分保持をするために脂質バリヤー形成剤になることから、乳化物に配合して使用することが考えられる。
しかしながら、このセラミド類は、融点が80℃付近にあり、室温で固体である。一般に、室温で固体の成分を水に分散させてクリームあるいは乳液を製造する場合には、この固体成分に有する溶解性により、水相あるいは油相のいずれかの相に溶解させ、この水相および油相を多量の界面活性剤を用いて乳化させる方法が採用されている。ところが、セラミド類は、長鎖アルキル基を有すると共に、水酸基などの親水性基の両者を有し、融点が高いことから、水性溶媒、油剤のいずれにも溶解しにくく、上記一般的な固体成分の乳化方法を採用しても、一旦乳化されたセラミド類が経時的に固化しやすく、また、分離しやすいという特性を有している。従って、セラミド類が上述のように優れた生体に対するバリヤーを有しているにも拘わらず、化粧品のモイスチャー成分あるいは皮膚のケアー成分としては有効には使用されていない。
【0006】
なお、特表平9−505065号公報、特開平11−130651号公報、特公平8−18948号公報、特公平6−86373号公報などには、セラミドを水系分散剤に分散させた化粧品組成物などが開示されているが、いずれもセラミド類の安定性に関してはさらに改良の余地があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、セラミド類を含有し、このセラミド類が経時的に分離することなく安定に分散させることができる乳化物の製造方法、および該方法によって得られるセラミド類含有乳化物を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明のセラミド類含有乳化物の製造方法は、炭素数12〜32の脂肪酸を含む油性基材を70〜95℃に加熱して溶融し、該温度の保持下に、該油性基材にセラミド類を添加して溶解させ、該セラミド類が溶解した油性基材に、界面活性剤が溶解された水性溶液を別途調製して添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いで調製されたW/Oエマルジョンにさらに界面活性剤が溶解された水性溶液を添加して、該W/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させることを特徴としている。
【0009】
本発明のセラミド類含有乳化物の製造方法は、セラミド類の融点以上に加熱した油性基材にセラミド類を熱時溶解させると共に、この油性基材に好適なW/Oエマルジョンを形成可能な界面活性剤を配合し、セラミド類が析出しないようにセラミド類の融点以上の温度にこの油性基材の温度を維持した状態で、所定の界面活性剤が溶解された水性溶媒を攪拌下に加えてW/Oエマルジョンを調製する。そして、ここで使用される油性基材としては、セラミド類の有する鎖状構造の炭素数に対応させて炭素数12〜32の脂肪酸を含有するものを使用する。
【0010】
このようなW/Oエマルジョンは、セラミド類の融点以上の温度に維持してセラミド類を溶融しながら油性基材に溶解すると共に、この油性基材が、セラミド類に近似した炭素数を有する脂肪酸を主成分として含有していることから、一旦融解して油性基材に溶解されたセラミド類は析出しにくい。
このようにしてW/Oエマルジョンを形成した後、さらに界面活性剤を含有する水性溶液を、熱時、攪拌下に添加して、形成されているW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させる。そして、このときまでエマルジョンの温度をセラミド類が析出しないように、セラミド類の融点以上の温度に保持する。
【0011】
こうしてW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させた後、攪拌下にエマルジョンの温度を室温付近まで下げることにより、経時的に安定なセラミド類含有乳化物を得ることができる。
【0012】
【発明の具体的な説明】
次に本発明のセラミド類を含有する乳化物の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るセラミド類含有乳化物の製造方法は、
炭素数12〜32の脂肪酸を含む油性基材を70〜95℃に加熱して溶融し、該温度の保持下に、該油性基材にセラミド類を添加して溶解させ、
該セラミド類が溶解した油性基材に、界面活性剤が溶解された水性溶液を別途調製して添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いで
調製されたW/Oエマルジョンにさらに界面活性剤が溶解された水性溶液を添加して、該W/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させる
ことを特徴としている。
【0013】
このようなセラミド類含有乳化物の製造方法を、セラミド類含有クリーム、セラミド類含有乳液を例にとって具体的に説明する。
セラミド類含有クリームの製造方法
セラミド類含有クリームの製造方法は、セラミド類を油性基材に安定に溶解した後、このセラミド類が溶解された油性基材に乳化剤が溶解された水性溶液を少量添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いでこのW/Oエマルジョンにさらに乳化剤が溶解された水性溶液を添加して形成されたW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変える方法である
本発明の方法で使用されるセラミド類には、天然セラミドの他、フィトスフィンゴキシ含有セラミド、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、N−アシルスルファイゴシン含有セラミド、スフィンゴミエリン、スフィンゴエミリンのアルカリ性加水分解により得られる合成セラミド、セレブロシドの酸性加水分解によって得られる合成セラミドなどの合成セラミド、セラミド類似化合物がある。本発明の方法は、上記のようなセラミド類に有効である。上記のようなセラミド類は、70〜95℃の範囲内に融点を有しているものが多い。本発明で使用可能なセラミド類の具体的な例としては、N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミドを挙げることができる。
【0014】
そして、本発明の方法で使用される油性基材は、上記のような化学構造を有するセラミド類が溶解しやすいようにするためには、油性基材中にセラミド類の主鎖の炭素数に近似した炭素数を有する油剤が含有されていることが好ましい。
本発明のセラミド類含有クリームを形成する油性基材としては、鉱物油剤、動植物油剤を使用することができる。鉱物油剤としては通常は炭素数15以下のパラフィン系化合物(例:流動パラフィンなどの常温(15〜25℃)で液状の油剤;固形パラフィン、ワセリンなどの常温で固体状または半固形状の油剤)が使用される。また、油性基材として動植物油を使用する場合には、オリーブ油、アボガド油、アーモンド油、カカオ油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、卵黄油、スクワラン、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、落花生油、コメ油、ハッカ油、ホホバ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、大豆油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、パーム油、ヤシ油、パーム核油、スクワラン等の常温で液状の油剤;
ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャデリラロウ、牛脂、蜜ロウ、木ロウ、綿ロウ等の常温で固体状または半固形状の油剤を使用することができる。
【0015】
これらの油剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。このような油剤を組み合わせて用いることにより、セラミド類含有クリームを調製するのが容易となり、さらに、非常にきめが細かく、かつ使用感がよいセラミド類含有クリームを得ることができる。また、具体的には、植物性油脂としてオリーブ油を使用し、動物性油脂としてスクワランを使用し、鉱物性油脂としてワセリンを使用してセラミド類含有クリームを調製することが好ましい。オリーブ油は、炭素数18付近にある脂肪酸のトリグリセリドが主成分であり、セラミド類を均一に溶解する油性基材として適している。また、スクワランは、皮膚に対して優れたモイスチャー効果を有しており、さらにセラミド類に対する溶解性も良好である。
【0016】
上記のような油性基材は、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内の量で使用される。この油性基材には、イソステアリン酸コレステリルなどのエステル化合物および/またはイソステアリルグリセリルエーテルなどのエーテル化合物を配合することが好ましい。これらの化合物を配合することにより油性基材に対するセラミド類の溶解性およびクリームにしたときのセラミド類の経時的な安定性が著しく向上する。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの化合物を、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。
【0017】
上記のような油性基材には、さらに、炭素数12〜32、好ましくは炭素数14〜30の脂肪酸を添加する。このような脂肪酸の例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、アラキン酸等、またはこれらの誘導体を挙げることができる。このような脂肪酸を、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。これらの脂肪酸は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0018】
また、本発明で使用される油性基材には高級アルコールを配合することが好ましい。ここで使用される高級アルコールとしては、通常は炭素数10〜32、好ましくは炭素数14〜30の脂肪族アルコールが望ましい。このような高級アルコールの例としては、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノールおよびオクチルドデカノールを挙げることができる。このような高級アルコールを、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。これらの高級アルコールは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0019】
また、この油性基材には、少量の水性媒体を添加したときに、W/Oエマルジョンを形成可能なように乳化剤を添加することが好ましい。ここで油相に添加される乳化剤は、ノニオン系の界面活性剤である。このような乳化剤の例としては、自己乳化型モノステアリン酸グリセリンなどのグリセリン部分エステル、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどのソルビトールのエステル化物などのエステルを挙げることができる。これらの乳化剤は、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜15重量部、好ましくは0.2〜10重量部の範囲内の量で配合することにより、形成されるW/Oエマルジョンの安定性が良好になる。
【0020】
また、本発明で使用される油性基材中にはコレステリン(コレステロール、およびコレステロールの誘導体を含む)を配合することが好ましい。コレステリンの融点は148℃と本発明でセラミド類含有クリームを製造する際の温度よりも高い融点を有するが、上述のような脂肪酸などを含有する油性基材中にコレステリンは安定に溶解する。このコレステリンを使用することによりクリーム中におけるセラミド類の分散安定性が向上すると共に、このコレステリンはステリンの一種であり、肌に対して優れた保護効果を有している。このようなコレステリンは、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲内量で配合される。
【0021】
また、本発明のクリームの製造方法において、上記のような油性基材には、親油性の防腐・防黴剤、親油性の薬効成分などを配合することができる。
本発明では、上記のような油性基材を加熱して液状にして緩やかに攪拌しながら、エステル類、エーテル類、脂肪酸、高級アルコールなどを加えて、均一な油相を形成する。このときの加熱温度は、通常はセラミド類の融点以上の温度であり、この油相の温度は、75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に制御される。
【0022】
こうして所定温度に加熱された油相に固体状であるセラミド類を添加する。この油相は、上記のようにほぼセラミド類の融点あるいはそれ以上に加熱されているので、少量ずつセラミド類を添加することにより、セラミド類は融解しながら油相に溶解して均一な油相を形成する。本発明において、セラミド類の配合量は、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部である。すなわち本発明の方法によれば、クリームの経時安定性が高く、両親媒性物質であるセラミド類を上記のような高い含有率で配合しても、経時的にセラミド類が分離しにくい安定なクリームを製造することができる。
【0023】
なお、油相に配合される固体成分であるコレステリン、薬効成分であるグリチルレチン酸ステアリルなどは、このセラミド類と共に油相に添加することが好ましい。
上記油相の調製の際には混合系は、加圧、常圧、減圧のいずれの圧力条件であってもよい。この油相の調製の際には発泡することがないことから、通常は常圧で各成分を混合する。このときの攪拌速度は低速で充分である。ただし、セラミド類を含む固体成分を添加する際には、こうした固形成分の溶解性を確保するために、ホモジナイザーのような高速攪拌装置を一時的に使用することが好ましい。
【0024】
こうして油相を調製した後に、本発明では次の工程に備えて、消泡剤を添加することが好ましい。このような消泡剤としては、こうした油性基材にある程度の可溶性を有するシリコン油を使用することが好ましい。このように消泡剤の一部は基油ともなるので、通常の消泡剤として使用される量よりも多量にシリコン油を使用することができ、クリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0025】
上記のような油相に添加される水相は、界面活性剤が溶解された水性溶液である。ここで使用される界面活性剤は、この水相を少量、上記油相に添加した際に油相に配合されている乳化剤と共同して安定なW/Oエマルジョンを形成すると共に、さらに水性溶液を添加することにより形成されたW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させて安定なクリームを形成し得る界面活性剤である。
【0026】
本発明において好適に使用することができる界面活性剤の例としては、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム等のアルキルメチルタウリン塩、
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂防酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウム等のグルタミン酸塩などを挙げることができる。これらの界面活性剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。このような界面活性剤は、クリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。本発明の方法において、油相に添加される乳化剤は、油材に対する溶解性を考慮してHLB値が比較的低いノニオン性界面活性剤が好適であるが、この水相に添加される界面活性剤にはこうした制約はなく、上記のようなアニオン性界面活性剤の他に、ノニオン性界面活性剤を使用することができる。たとえば、ツイーンTMあるいはスパンTMのようなノニオン性界面活性剤をHLB値の調整などを目的として添加することもできる。このような界面活性剤は、水に対して透明に溶解する。
【0027】
また、上記のような水相には、界面活性剤のほかに、水に溶解可能な他の成分を配合することができる。
ここで水相に添加する界面活性剤以外の成分の例としては、
グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール類;
フェニキシエタノール、パラオキシ安息香酸エステルなどのフェノール類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテルなどのハロゲン化ビスフェノール類、トリクロロカルバニリド、ハロカルバンなどのアミド類、塩化ベンザルコニウムなどの防菌・防黴剤;
カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルデキストラン塩、カルボマー、クインスシード、トラガントガム、ペクチン、アルギン酸塩、アクリル酸系ポリマーなどの増粘剤;
香料;染料;顔料;湿潤剤(例;上記の多価アルコールの他に、ヒアルロン酸ナトリウム、植物エキス(アロエ、海藻、カワラヨモギ、コンフリー、ブクリョウ、ボタン、メリッサ、モモ葉、ヨクイニン、マジョラム等)、PCAソーダ、コラーゲン、プラセンタエキス)などを挙げることができる。これらの多価アルコールおよび防菌・防黴剤、湿潤剤などは単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、これらの成分が単一の作用効果を有している必要はなく、例えば多価アルコールは湿潤剤として作用すると共に、可溶化剤としても機能し得る。
【0028】
例えば、上記のような多価アルコール類は、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は5〜40重量部、好ましくは10〜30重量部の範囲内の量で配合される。また、防菌・防黴剤は、同様に0.01〜5.0重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲内の量で配合される。
また、湿潤剤は、クリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部の量で配合される。
【0029】
なお、本発明の方法によれば、分散が非常に難しいセラミド類を高い含有率で配合することができるにも拘わらず、セラミド類の分散のために刺激性の高い低級アルコールを使用することは必ずしも必要ではなく、従って、本発明の製法によれば、得られるクリームを低刺激性にすることができる。
本発明の方法において、上記の成分を溶解する媒体は水であり、通常はイオン交換などによって精製した精製水が使用される。
【0030】
この水相を形成する水(好適には精製水)は、製造しようとするクリーム全量(100重量部)に対して、通常は20〜80重量部、好ましくは30〜70重量部の量で使用される。上記のような量の精製水に、上記水溶性成分を添加して溶解させる。
本発明のセラミド含有クリームの製造方法では、上記のようにして調製した油相に水相を添加してW/Oエマルジョンを調製する。
【0031】
このW/Oエマルジョンを調製する際には油相の温度を通常は75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に調整すると共に、水相の温度も通常は75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に調整して、両者の温度差を5℃以内に設定することが望ましい。
なお、このようにして油相および水相を形成した後、油相に水相を添加すると気泡が発生することから、両者の混合は減圧下に行うことが好ましい。
【0032】
上記のように温度が調整された油相を攪拌しながら、上記水相を少量づつ添加してW/Oエマルジョンを形成する。この際の水相の油相への添加は、系内が減圧に保持されていることから、水相を油相に吸引投入することが好ましい。このW/Oエマルジョンを形成する際には、油相を攪拌しながら、所定温度に加熱した水相を滴下する。このW/Oエマルジョン中において、セラミド類は安定であり、この段階でセラミド類はW/Oエマルジョンの油相から分離することはない。このように安定なW/Oエマルジョンを形成した後、さらに減圧下に攪拌を続けながら残余の水相を添加する。この残余の水相の添加によって、形成されていたW/Oエマルジョンは、O/Wエマルジョンに相転移する。こうして相転移してO/Wエマルジョンが形成された後も、このO/Wエマルジョンが安定するまで、通常は2〜30分間攪拌を続ける。この攪拌は、例えばホモジナイザーを用いて5〜20分程度、パドルを用いて5〜20分程度攪拌する。
【0033】
この時点までエマルジョンは、75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内に保持されている。
こうして安定にO/Wエマルジョンが形成された後、緩やかに攪拌しながら、段階的にあるいは連続的にエマルジョンの温度を室温付近まで低下させる。
こうして得られたO/Wエマルジョンからなるクリームは、室温における粘度は、通常は10,000〜100,000mPa・sの範囲内、好ましくは30,000〜80,000mPa・sの範囲内にあり、非常にきめの細かいクリームとなる。
【0034】
なお、こうして得られたO/Wエマルジョンからなるセラミド類含有クリームは、室温に戻した後、減圧下に60メッシュ程度の濾過材を通過させた後、所定の容器に充填することにより、浮遊物をほぼ完全に除去することができ、クリームの使用感が向上する。
さらに、本発明のセラミド含有クリームは、そのpH値を5.0〜7.0の範囲内、好ましくは5.8〜6.3の範囲内の弱酸性領域のpH値を維持するように製造工程中のいずれかの段階でpH調整を行うことが可能である。人の皮膚は通常の場合弱酸性であり、上記のようにクリームのpH値を弱酸性に調整することにより、使用時の皮膚に対する刺激が低減される。従って、本発明のセラミド含有クリームは、肌の弱い乳幼児、高齢者、皮膚疾患を引き起こしやすい例えば過敏症の人が使用した場合であっても、このセラミド類含有クリームは好適に使用することができる。
【0035】
このようなpH値の調整には、必要により、クエン酸とクエン酸ナトリウム、乳酸と乳酸ナトリウムのような緩衝性を有する化合物を組み合わせて配合することができる。
そして、このクリームは室温でセラミド類などの分離は見られないのは勿論、このクリームについての安定性の判定は、−5℃と40℃との温度変化を繰り返す熱サイクルを3ヶ月間続けることにより、その長期安定性を確認することができるが、本発明の方法により製造されたクリームは、この促進試験によってもクリームは安定で、通常は、セラミド類の析出・分離などは観察されない。
【0036】
セラミド類含有乳液の製造方法
セラミド類含有乳液の製造方法は、セラミド類を油性基材に安定に溶解した後、このセラミド類が溶解された油性基材に乳化剤が溶解された水性溶液を少量添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いでこのW/Oエマルジョンにさらに乳化剤が溶解された水性溶液を添加して形成されたW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変える方法であり、基本的には、上述のセラミド類含有クリームの製造方法と同様である。
【0037】
このセラミド類含有乳液の製造において用いられる、セラミド類としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられるセラミド類と同様のものを使用することができる。
また、上記油性基材としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられるセラミド類と同様のものを使用することができる。上記の油剤は単独であるいは組み合わせて使用することができ、本発明では、常温で液状の油剤を単独であるいは組み合わせて使用することが好ましい。そのような油剤を用いることにより、セラミド類含有乳液を容易に調製することができ、さらに、乳化粒子の分散性に優れたセラミド類含有乳液を得ることができる。
【0038】
上記のような油性基材は、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は1〜30重量部、好ましくは2〜20重量部の範囲内の量で使用される。
この油性基材には、イソステアリン酸コレステリルなどのエステル化合物および/またはイソステアリルグリセリルエーテルなどのエーテル化合物を配合することが好ましい。これらの化合物を配合することにより油性基材に対するセラミド類の溶解性および乳液にしたときのセラミド類の経時的な安定性が著しく向上する。これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの化合物を、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。
【0039】
上記のような油性基材には、さらに、炭素数12〜32、好ましくは炭素数14〜30の脂肪酸を添加する。このような脂肪酸の例としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられる脂肪酸と同様のものを挙げることができる。このような脂肪酸を、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜3重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。これらの脂肪酸は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0040】
また、本発明で使用される油性基材には高級アルコールを配合することが好ましい。ここで使用される高級アルコールとしては、通常は炭素数10〜32、好ましくは炭素数14〜30の脂肪族アルコールが望ましい。このような高級アルコールの例としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられる高級アルコールと同様のものを挙げることができる。このような高級アルコールを、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部の範囲内の量で配合することにより、セラミド類の溶解安定性が著しく向上する。これらの高級アルコールは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0041】
また、この油性基材には、少量の水性媒体を添加したときに、W/Oエマルジョンを形成可能なように乳化剤を添加することが好ましい。ここで油相に添加される乳化剤は、ノニオン系の界面活性剤である。このような界面活性剤の例としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられる乳化剤と同様のものを挙げることができる。これらの乳化剤は、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜15重量部、好ましくは0.2〜10重量部の範囲内の量で配合することにより、形成されるW/Oエマルジョンの安定性が良好になる。
【0042】
また、本発明で使用される油性基材中にはコレステリン(コレステロール、およびコレステロールの誘導体を含む)を配合することが好ましい。コレステリンの融点は148℃と本発明でセラミド類含有乳液を製造する際の温度よりも高い融点を有するが、上述のような脂肪酸などを含有する油性基材中にコレステリンは安定に溶解する。このコレステリンを使用することにより乳液中におけるセラミド類の分散安定性が向上すると共に、このコレステリンはステリンの一種であり、肌に対して優れた保護効果を有している。このようなコレステリンは、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部の範囲内量で配合される。
【0043】
また、本発明の乳液の製造方法において、上記のような油性基材には、親油性の防腐・防黴剤、親油性の薬効成分などを配合することができる。
本発明では、上記のような油性基材を加熱して液状にして緩やかに攪拌しながら、エステル類、エーテル類、脂肪酸、高級アルコールなどを加えて、均一な油相を形成する。このときの加熱温度は、通常はセラミド類の融点以上の温度であり、この油相の温度は、75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に制御される。
【0044】
こうして所定温度に加熱された油相に固体状であるセラミド類を添加する。この油相は、上記のようにほぼセラミド類の融点あるいはそれ以上に加熱されているので、少量ずつセラミド類を添加することにより、セラミド類は融解しながら油相に溶解して均一な油相を形成する。本発明において、セラミド類の配合量は、得られるクリーム全量(100重量部)に対して、通常は0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜5.0重量部である。すなわち本発明の方法によれば、乳液の経時安定性が高く、両親媒性物質であるセラミド類を上記のような高い含有率で配合しても、経時的にセラミド類が分離しにくい安定な乳液を製造することができる。
【0045】
なお、油相に配合される固体成分であるコレステリンなどは、このセラミド類と共に油相に添加することが好ましい。
上記油相の調製の際には混合系は、加圧、常圧、減圧のいずれの圧力条件であってもよい。この油相の調製の際には発泡することがないことから、通常は常圧で各成分を混合する。このときの攪拌速度は低速で充分である。ただし、セラミド類を含む固体成分を添加する際には、こうした固形成分の溶解性を確保するために、ホモジナイザーのような高速攪拌装置を一時的に使用することが好ましい。
【0046】
こうして油相を調製した後に、本発明では次の工程に備えて、消泡剤を添加することが好ましい。このような消泡剤としては、こうした油性基材にある程度の可溶性を有するシリコン油を使用することが好ましい。このように消泡剤の一部は基油ともなるので、通常の消泡剤として使用される量よりも多量にシリコン油を使用することができ、乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
【0047】
上記のような油相に添加される水相は、界面活性剤が溶解され、さらに増粘剤により粘度が調節された水性溶液である。ここで使用される界面活性剤は、この水相を少量、上記油相に添加した際に油相に配合されている乳化剤と共同して安定なW/Oエマルジョンを形成すると共に、さらに水性溶液を添加することにより形成されたW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させて安定な乳液を形成し得る界面活性剤である。
【0048】
このような界面活性剤の例としては、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられる界面活性剤と同様のものを挙げることができる。これらの界面活性剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。このような界面活性剤は、乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。本発明の方法において、油相に添加される乳化剤は、油材に対する溶解性を考慮してHLB値が比較的低いノニオン性界面活性剤が好適であるが、この水相に添加される界面活性剤にはこうした制約はなく、上記のようなアニオン性界面活性剤の他に、ノニオン性界面活性剤を使用することができる。たとえば、ツイーンTMあるいはスパンTMのようなノニオン性界面活性剤をHLB値の調整などを目的として添加することもできる。このような界面活性剤は、水に対して透明に溶解する。
【0049】
また、本発明において好適に使用することができる増粘剤の例としては、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシメチルデキストラン塩、カルボマー、クインスシード、トラガントガム、ペクチン、アルギン酸塩、アクリル酸系ポリマー等を挙げることができる。これらの増粘剤は単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0050】
また、上記のような水相には、界面活性剤、増粘剤のほかに、上述したセラミド類含有クリームの製造において用いられる、多価アルコール類、防菌・防黴剤、香料、染料、顔料、湿潤剤、薬効成分などを挙げることができる。これらの多価アルコールおよび防菌・防黴剤、湿潤剤、薬効成分などは単独であるいは組み合わせて使用することができる。また、これらの成分が単一の作用効果を有している必要はなく、例えば多価アルコールは湿潤剤として作用すると共に、可溶化剤としても機能し得る。
【0051】
例えば、上記のような多価アルコール類は、得られる乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.1〜30重量部、好ましくは0.2〜20重量部の範囲内の量で配合される。また、防菌・防黴剤は、同様に0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲内の量で配合される。
また、湿潤剤は、乳液全量(100重量部)に対して、通常は0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の量で配合される。
【0052】
なお、本発明の方法によれば、分散が非常に難しいセラミド類を高い含有率で配合することができるにも拘わらず、セラミド類の分散のために刺激性の高い低級アルコールを使用することは必ずしも必要ではなく、従って、本発明の製法によれば、得られる乳液を低刺激性にすることができる。
本発明の方法において、上記の成分を溶解する媒体は水であり、通常はイオン交換などによって精製した精製水が使用される。
【0053】
この水相を形成する水(好適には精製水)は、製造しようとする乳液全量(100重量部)に対して、通常は20〜95重量部、好ましくは30〜90重量部の量で使用される。上記のような量の精製水に、上記水溶性成分を添加して溶解させる。
本発明のセラミド含有乳液の製造方法では、上記のようにして調製した油相に水相を添加してW/Oエマルジョンを調製する。
【0054】
このW/Oエマルジョンを調製する際には油相の温度を通常は75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に調整すると共に、水相の温度も通常は75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内の温度に調整して、両者の温度差を5℃以内に設定することが望ましい。
なお、このようにして油相および水相を形成した後、油相に水相を添加すると気泡が発生することから、両者の混合は減圧下に行うことが好ましい。
【0055】
上記のように温度が調整された油相を攪拌しながら、上記水相を少量づつ添加してW/Oエマルジョンを形成する。この際の水相の油相への添加は、系内が減圧に保持されていることから、水相を油相に吸引投入することが好ましい。このW/Oエマルジョンを形成する際には、油相を攪拌しながら、所定温度に加熱した水相を滴下する。このW/Oエマルジョン中において、セラミド類は安定であり、この段階でセラミド類はW/Oエマルジョンの油相から分離することはない。このように安定なW/Oエマルジョンを形成した後、通常は攪拌速度を上げ、さらに減圧下に攪拌を続けながら残余の水相を添加する。この残余の水相の添加によって、形成されていたW/Oエマルジョンは、O/Wエマルジョンに相転移する。こうして相転移してO/Wエマルジョンが形成された後も、このO/Wエマルジョンが安定するまで、通常は2〜30分間攪拌を続ける。この攪拌は、例えばホモジナイザーを用いて5〜20分程度、パドルを用いて5〜20分程度攪拌する。
【0056】
この時点までエマルジョンは、75〜95℃の範囲内、好ましくは80〜90℃の範囲内に保持されている。
こうして安定にO/Wエマルジョンが形成された後、緩やかに攪拌しながら、段階的にあるいは連続的にエマルジョンの温度を室温付近まで低下させる。
こうして得られたO/Wエマルジョンからなる乳液は、通常は室温における粘度は、通常は3,000〜20,000mPa・s、好ましくは5,000〜12,000mPa・sの範囲内にある。
【0057】
なお、こうして得られたO/Wエマルジョンからなるセラミド類含有乳液は、室温に戻した後、減圧下に60メッシュ程度の濾過材を通過させた後、所定の容器に充填することにより、浮遊物をほぼ完全に除去することができ、乳液の使用感が向上する。
さらに、本発明のセラミド含有乳液は、そのpH値を4.5〜7.0の範囲内、好ましくは5.0〜6.0の範囲内の弱酸性領域のpH値を維持するように製造工程中のいずれかの段階でpH調整を行うことが可能である。人の皮膚は通常の場合弱酸性であり、上記のようにクリームのpH値を弱酸性に調整することにより、使用時の皮膚に対する刺激が低減される。従って、本発明のセラミド含有乳液は、肌の弱い乳幼児、高齢者、皮膚疾患を引き起こしやすい例えば過敏症の人が使用した場合であっても、このセラミド類含有乳液は好適に使用することができる。
【0058】
このようなpH値の調整には、必要により、クエン酸とクエン酸ナトリウム、乳酸と乳酸ナトリウムのような緩衝性を有する化合物を組み合わせて配合することができる。
そして、この乳液は室温でセラミド類などの分離は見られないのは勿論、この乳液についての安定性の判定は、−5℃と40℃との温度変化を繰り返す熱サイクルを3ヶ月間続けることにより、その長期安定性を確認することができるが、本発明の方法により製造された乳液は、この促進試験によっても乳液は安定で、通常は、セラミド類の析出・分離などは観察されない。
【0059】
【発明の効果】
本発明の製造方法によって得られたセラミド類含有乳化物は、セラミド類を加熱下に安定に油相に溶解させた後、界面活性剤が溶解された水性溶媒を添加してW/Oエマルジョンを一旦形成し、さらに界面活性剤が溶解された水性溶媒を添加することによりできたW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに相転換させることにより、安定に分散させることが非常に困難なセラミド類を安定に乳化物に含有させることができる。しかも本発明の方法によれば、安定な分散が非常に困難なセラミドを、乳化物全量(100重量部)に対して非常に高い含有率で安定に含有させることができる。
【0060】
このセラミド類は、皮膚に含有される両親媒性物質であり、皮膚に塗布することによって、皮膚角質層に吸収されて生体の水分保持に必要な脂質バリアーを構築し維持することができる。
しかも、セラミド類は、融点が80℃付近にあり、室温では固体であるが、本発明の方法により製造された乳化物では、セラミド類が油剤などと一体になってセラミド類が固体状に析出することがないので、本発明の乳化物は非常にきめが細かく、使用感がよい。
【0061】
また、本発明のセラミド類含有乳化物には、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、ビタミン類、抗生物質、ホルモン剤、殺菌剤などの薬効成分を配合することにより、薬用の乳化物として使用することができる。
さらに、本発明の方法により製造されたセラミド類含有乳化物は、セラミド類が皮膚を有効に被覆することから、皮膚の弱い乳幼児、高齢者、皮膚過敏症疾患を有する人に対しても安心して使用することができる。
【0062】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
【実施例1】
油性基材として、スクワラン:15kg(3.00重量%)、オリーブ油:15kg(3.00重量%)、イソステアリン酸コレステリル:5kg(1.00重量%)、イソステアリン酸グリセリルエーテル:5kg(1.00重量%)およびワセリン2.5kg(0.50重量%)を、500kgの内容物を収容可能な真空釜に入れ、パドルで15rpmの速度で攪拌しながら上記内容物を85℃に加熱した。
【0064】
これとは別に、ベヘニルアルコール:24kg(4.80重量%)、ステアリン酸:5kg(1.00重量%)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン:12kg(2.40重量%)、モノステアリン酸ソルビタン:12.50kg(2.50重量%)、パラオキシ安息香酸プロピル:0.50kg(0.10重量%)、パラオキシ安息香酸ブチル:0.50kg(0.10重量%)を正確に計量して、上記真空釜で85℃に加熱された油性基材に添加した。
【0065】
85℃に加熱しながら、パドルを用いた15rpmの攪拌速度での攪拌と、ホモジナイザーを用いた高速攪拌により上記の成分を均一に溶解させた。
次いで、この85℃に加熱された油相をパドルで15rpmの速度で攪拌しながら、セラミド類:15kg(3.00重量%)、コレステロール5kg(1.00重量%)、グリチルレチン酸ステアリル0.25kg(0.50重量%)を少量づつ添加してこれらの成分を油相に溶解させた。さらに、ホモジナイザーを用いて高速攪拌を適宜組み合わせることにより、上記固体成分を完全に油相に溶解させた。
【0066】
こうして固体成分を完全に油相に溶解させた後、メチルポリシロキサン:15.00kg(3.00重量%)を添加してパドルで15rpmの速度で5分攪拌した後、ホモジナイザーを用いて500rpmの速度で攪拌した。この油相の温度を85℃に維持した。
これとは別に、パルセーターを備えた400kgの溶解槽に80℃に加熱した精製水252.25kg(50.75重量%)をいれ、攪拌下に、濃グリセリン:50.00kg(10.00重量%)、ソルビット液:50.00kg(10.00重量%)、ヒアルロン酸ナトリウム1%水溶液:1.00kg(0.20重量%)、N−ラウロイル−N−メチルタウリンナトリウム:5.00kg(1.00重量%)、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム:5.00kg(1.00重量%)、フェノキシエタノール:2.50kg(0.50重量%)、パラオキシ安息香酸メチル:1.50kg(0.30重量%)、および、コンフリーエキス0.50kg(0.10重量%)を加えて800rpmで攪拌して均一な水溶液を得た。さらに、この水溶液を85℃に加熱した。
【0067】
上記調製し85℃に加熱されている油相が入っている真空釜の内圧を350mmHgに減圧し、パドルの攪拌速度を20rpm、ホモジナイザーの攪拌速度500rpmで攪拌しながら、上記のようにして調製した水溶液を毎分約9kgづつ5分かけて油相中に吸引投入して、W/Oエマルジョンを形成した。
次いで、ホモジナイザーによる攪拌速度を1000rpmに上げて、さらに残余の水溶液を20分以上かけて油相中に吸引投入してW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに相変換させた。
【0068】
水溶液全量を加えた後、エマルジョンの温度を85℃に維持しつつ、さらにパドルの攪拌速度を20rpmに設定し、ホモジナイザーの攪拌速度を2000rpmに設定して10分間攪拌した。
次いで、真空釜の圧力を減圧にしたまま、パドルの攪拌速度を20rpmにして85℃のエマルジョンを0.5〜1.0℃/分の速度で45℃にまで冷却した。45℃にまで冷却した後、真空釜の圧力を700mmHgまで再び減圧した後、パドルの攪拌速度を20rpmに設定して攪拌下に0.5〜1.0℃/分の速度で25℃まで冷却した。
【0069】
こうして得られたセラミド類含有クリームをサインポンプを用いて真空釜から抜き出した。なお、この抜き取りの際に、クリームを60メッシュのストレーナーを通過させて、塊状物などを除去した。
得られたクリームは、25℃における粘度が50,000mPa・sの白色粘稠な乳濁物であり、わずかに特有のにおいがある。また、このクリームのpH値は6.3であった。
【0070】
このセラミド類含有クリームは、安定性が高く、40℃および5℃に3ヶ月保存してもセラミド類などの分離あるいは析出は観察されなかった。さらに、このセラミド類含有クリームを−5℃〜40℃のサイクル(1サイクル48時間)に3ヶ月保持したが、セラミド類の分離あるいは析出、クリームの油水分離などは生じなかった。
【0071】
このクリームは、細胞間脂質であるセラミドを高濃度(上記実施例では3重量%)で含有し、さらに、スクワラン、ヒアルロン酸、アミノ酸系乳化剤のような生体関連成分を用いて調製することができるので、肌に対して非常にやさしく、肌のコンディショニングに適している。特に、本発明の製造方法で得られたクリームは、健康な人は勿論、肌の抵抗力の弱い乳幼児、高齢者、皮膚過敏症の人が使用しても刺激が少なく安心して使用することができる。本発明の製造方法で得られたクリームはセラミド類を高含有率で含有することから、継続して使用することにより、肌を整え、皮膚を健やかに保ち、皮膚に潤いを与えて皮膚の乾燥を防止して皮膚を保護することができる。
【0072】
また、グリチルレチン酸誘導体のような薬用成分を安定に配合することができるので、薬用クリームの基材として使用することもできる。
【0073】
【実施例2〜5】
実施例1において、表1に示すように組成を変えてセラミド類含有クリームを調製した。これらはいずれもセラミド類が安定に分散しており、セラミド類の析出あるいは分離はみられなかった。
【0074】
【実施例6】
油性基材として、スクワラン:4.5kg(1.50重量%)、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン:1.8kg(0.60重量%)、パルミチン酸イソプロピル:4.5kg(1.50重量%)、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン:3kg(1.00重量%)、イソステアリン酸コレステリル:0.9kg(0.30重量%)、およびイソステアリン酸グリセリルエーテル:0.3kg(0.10重量%)を、500kgの内容物を収容可能な真空釜に入れ、パドルで20rpmの速度で攪拌しながら上記内容物を85℃に加熱した。
【0075】
次いで、この85℃に加熱された油相をパドルで20rpmの速度で攪拌しながら、ベヘニルアルコール:2.4kg(0.80重量%)、ステアリン酸:0.6kg(0.20重量%)、パラオキシ安息香酸プロピル:0.30kg(0.10重量%)、パラオキシ安息香酸ブチル:0.30kg(0.10重量%)、セラミド類:9kg(3.00重量%)、コレステロール0.60kg(0.20重量%)を少量づつ添加してこれらの成分を油相に溶解させた。さらに、ホモジナイザーを用いて高速攪拌を適宜組み合わせることにより、上記固体成分を完全に油相に溶解させた。
【0076】
こうして固体成分を完全に油相に溶解させた後、メチルポリシロキサン:3.00kg(1.00重量%)を添加してパドルで25rpm、ホモジナイザーを用いて500rpmで5分攪拌した。この油相の温度を85℃に維持した。
これとは別に、パルセーターを備えた500kgの溶解槽に常温の精製水237.10kg(79.03重量%)を入れ、攪拌下に、カルボキシビニルポリマー0.30kg(0.10重量%)を加えて、常温で1,000rpm1時間攪拌して均一な水溶液を得た。さらに、この水溶液を85℃に加熱した。
【0077】
さらに、上記調製した85℃に加熱されている水溶液に、濃グリセリン:9.00kg(3.00重量%)、パラオキシ安息香酸メチル:0.90kg(0.30重量%)、精製水10.00kg(3.33重量%)にN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム:0.60kg(0.20重量%)を溶解させて得られた水溶液、精製水10.00kg(3.33重量%)にグリチルリチン酸ジカリウム:0.30kg(0.10重量%)を溶解させて得られた水溶液、フェノキシエタノール:0.30kg(0.10重量%)、および、マジョラムエキス0.30kg(0.10重量%)を加えて1000rpmで攪拌して均一な水溶液を得た。
【0078】
上記調製した85℃に加熱されている油相が入っている真空釜の内圧を350mmHgに減圧し、パドルの攪拌速度を25rpm、ホモジナイザーの攪拌速度1000rpmで攪拌しながら、上記のようにして調製した水溶液を毎分約9kgづつ5分かけて油相中に吸引投入して、W/Oエマルジョンを形成した。
次いで、ホモジナイザーによる攪拌速度を1500rpmに上げて、さらに残余の水溶液を20分以上かけて油相中に吸引投入してW/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに相変換させた。
【0079】
水溶液全量を加えた後、エマルジョンの温度を85℃に維持しつつ、さらにパドルの攪拌速度を25rpmに設定し、ホモジナイザーの攪拌速度を2500rpmに設定して10分間攪拌した。
次いで、真空釜の圧力を減圧にしたまま、パドルの攪拌速度を20rpmにして85℃のエマルジョンを0.5〜1.0℃/分の速度で45℃にまで冷却した。45℃にまで冷却した後、真空釜の圧力を700mmHgまで再び減圧した後、攪拌下に0.5〜1.0℃/分の速度で25℃まで冷却した。
【0080】
こうして得られたセラミド類含有乳液をサインポンプを用いて真空釜から抜き出した。なお、この抜き取りの際に、乳液を60メッシュのストレーナーを通過させて、塊状物などを除去した。
得られた乳液は、25℃における粘度が10,000mPa・sである白色の乳化液体であり、わずかに特有のにおいがある。また、この乳液のpH値は5.2であった。
【0081】
このセラミド類含有乳液は、安定性が高く、40℃および5℃に3ヶ月保存してもセラミド類などの分離あるいは析出は観察されなかった。さらに、このセラミド類含有乳液を−5℃〜40℃のサイクル(1サイクル48時間)に3ヶ月保持したが、セラミド類の分離あるいは析出、乳化物の油水分離などは生じなかった。
【0082】
この乳液は、細胞間脂質であるセラミドを高濃度(上記実施例では3重量%)で含有し、さらに、スクワラン、ヒアルロン酸、アミノ酸系乳化剤のような生体関連成分を用いて調製することができるので、肌に対して非常にやさしく、肌のコンディショニングに適している。特に、本発明の製造方法で得られた乳液は、健康な人は勿論、肌の抵抗力の弱い乳幼児、高齢者、皮膚過敏症の人が使用しても刺激が少なく安心して使用することができる。本発明の製造方法で得られた乳液はセラミド類を高含有率で含有することから、継続して使用することにより、肌を整え、皮膚を健やかに保ち、皮膚に潤いを与えて皮膚の乾燥を防止して皮膚を保護することができる。
【0083】
また、グリチルリチン酸誘導体のような薬用成分を安定に配合することができるので、薬用乳液の基材として使用することもできる。
【0084】
【比較例1】
実施例1において、表1に示すように組成を変えたところ、エマルジョンの変換が安定に行われず、得られたクリームの安定性が悪く、セラミド類が析出した。
【0085】
【比較例2】
実施例1において、油相の温度をセラミド類の融点以下である68℃にしてセラミド類を油剤中に分散させた以外は同様にしてセラミド含有クリームを製造したが、クリームの経時安定性が悪く、セラミド類が析出した。
【0086】
【表1】
Figure 2004161655

Claims (22)

  1. 炭素数12〜32の脂肪酸を含む油性基材を70〜95℃に加熱して溶融し、該温度の保持下に、該油性基材にセラミド類を添加して溶解させ、該セラミド類が溶解した油性基材に、界面活性剤が溶解された水性溶液を別途調製して添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いで調製されたW/Oエマルジョンにさらに界面活性剤が溶解された水性溶液を添加して、該W/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させることを特徴とするセラミド類含有乳化物の製造方法。
  2. 上記油性基材に、水性媒体の添加によって、該油性基材のW/Oエマルジョンを形成可能な乳化剤を添加することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  3. 上記油性基材中に、イソステアリン酸コレステリルおよび/またはイソステアリルグリセリルエーテルを配合することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  4. 上記炭素数12〜32の脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸およびアラキン酸等よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の脂肪酸であることを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  5. 上記油性基材が、オリーブ油、アボガド油、アーモンド油、カカオ油、ツバキ油、パーシック油、ヒマシ油、ミンク油、卵黄油、ワセリン、スクワラン、流動パラフィン、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャデリラロウ、ナタネ油、ゴマ油、ヒマワリ油、落花生油、コメ油、ハッカ油、ホホバ油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、大豆油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、綿実油、パーム油、牛脂、蜜ロウ、木ロウ、綿ロウ、ヤシ油、パーム核油、固形パラフィンおよびスクワランよりなる群から選ばれる少なくとも1種類の油剤を含有することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  6. 上記油性基材中に、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタンおよびモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のエステルを配合することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  7. 上記油性基材中に、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水添ラノリンアルコール、ヘキシルデカノールおよびオクチルデカノール、ミリスチルアルコールおよびホホバアルコールよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の高級アルコールを配合することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  8. 上記水性溶液中に、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のアルキルメチルタウリン塩、および/またはN−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸二ナトリウム、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂防酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸カリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種類のグルタミン酸塩を配合することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  9. 上記油性基材の温度に略一致するように加熱した水性溶液を、攪拌下に油性基材に添加してW/Oエマルジョンを形成し、次いで該W/Oエマルジョンに、同様に加熱した上記水性溶液を攪拌下に添加してO/Wエマルジョンを形成することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  10. 上記油性基材に、界面活性剤が溶解された水性溶液を200mmHg(0.26気圧)〜400mmHg(0.53気圧)の減圧下に添加することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  11. 上記界面活性剤が溶解された水性溶液中に多価アルコールを配合することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  12. 上記W/Oエマルジョンを75〜90℃の温度で調製した後、該W/OエマルジョンをO/Wエマルジョンに変化させる際の温度を75〜90℃の範囲内に調整し、次いで、該O/Wエマルジョンの温度が室温付近に至るまで攪拌を継続することを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  13. 上記セラミド含有乳化物中に薬効成分が配合されていることを特徴とする請求項第1項記載のセラミド類含有乳化物の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の方法により製造され得ることを特徴とするセラミド類含有乳化物。
  15. 上記セラミド類含有乳化物が、セラミド類含有クリームであることを特徴とする請求項14に記載のセラミド類含有乳化物。
  16. 上記セラミド類含有クリームの室温(25℃)で測定した粘度が、10,000〜100,000mPa・sであることを特徴とする請求項15に記載のセラミド類含有乳化物。
  17. 上記セラミド類含有クリーム中における水分含有率が、30〜70重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項15に記載のセラミド類含有乳化物。
  18. 上記セラミド類含有クリームのpH値が、5.0〜7.0の範囲内にあることを特徴とする請求項15に記載のセラミド類含有乳化物。
  19. 上記セラミド類含有乳化物が、セラミド類含有乳液であることを特徴とする請求項14に記載のセラミド類含有乳化物。
  20. 上記セラミド類含有乳液の室温(25℃)で測定した粘度が、3,000〜20,000mPa・sであることを特徴とする請求項19に記載のセラミド類含有乳化物。
  21. 上記セラミド類含有乳液中における水分含有率が、30〜90重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項19に記載のセラミド類含有乳化物。
  22. 上記セラミド類含有乳液のpH値が、4.0〜7.0の範囲内にあることを特徴とする請求項19に記載のセラミド類含有乳化物。
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