JP2013154946A - カップ型容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】片手による操作で内容物の注ぎ込みが行え、かつ、内容物を充填した容器との切り離しを可能とする使い勝手のよいカップ型容器を提案する。
【解決手段】底壁1と、この底壁1の縁部に連なる周壁2とを備え、これら底壁1、周壁2によって取り囲まれた内側空間を内容物の収容空間Mとするカップ型容器において、前記底壁1に、該底壁1を貫く開口端4aを有し該開口端4aを通してディスペンサーの注出ノズル9dを着脱自在に嵌合させる嵌合部4を設ける。そして、該嵌合部4には、内容物の吐出圧の上昇に伴って開放され、前記注出ノズル9dから排出される内容物を前記収容空間Mへと流し込む弁部5を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、環状周壁の上部開放端を飲み口とし、該周壁の下端に底壁を一体連結してその内側に内容物の収容空間を形成したカップ型容器に関するものである。
平坦な底壁と、この底壁の縁部に連なる周壁とを備え、それらによって取り囲まれた内側空間を内容物の収容空間とするカップ型容器は、飲料や薬液あるいは調味液を入れる容器として分野を問わず幅広く利用されている。
この種のカップ型容器は、内容物の充填された容器を傾け、その口頚部を通して内容物を注ぎ入れるようにしているのが普通である。ところで、近年、内容物を充填した容器の大型化に伴い片手で該容器を把持して内容物を注ぎ入れる動作が困難となりつつある。
とくに、薬液や調味液等の内容物をカップ型容器に注ぎ入れるに当たっては、内容物を充填した容器を一度だけ傾けて規定分量の内容物を注出するのは難しいのが現状である。
この点に関する先行技術として、例えば、特許文献1には、ディスペンサー(可動計量部C)の先端部に計量カップを取り付け、該ディスペンサーを上下に作動させるだけの操作によって容器内の内容物を計量カップ内に適量取り出すようにした、液体定量注出容器が開示されている。
特許第3667497号明細書
かかる液体定量注出容器においては、容器そのものを持ち上げて傾動させる面倒な動作を不要とする利点があるものの、ディスペンサーと計量カップが一体連結した構造からなっているため、計量カップ内の内容物を取り出すには、容器そのものを持ち上げて計量カップとともに傾動させる必要であり、使い勝手よいとはいえないものであって、未だ改善の余地が残されている。
本発明の課題は、容器内に充填された内容物を、該容器を傾動させることなしに、しかも、片手による操作で簡便に内容物を注ぎ込むことができるカップ型容器を提案するところにある。
本発明は、底壁と、この底壁の縁部に連なる周壁とを備え、これら底壁、周壁によって取り囲まれた内側空間を内容物の収容空間とするカップ型容器であって、前記底壁に、該底壁を貫く開口端を有し該開口端を通してディスペンサーの注出ノズルを着脱自在に嵌合可能とする嵌合部を設け、該嵌合部は、内容物の吐出圧の上昇に伴って開放され、前記注出ノズルから排出される内容物を前記収容空間へと流し込む弁部を有することを特徴とするカップ型容器である。
上記の構成からなるカップ型容器においては、
1)嵌合部を、収容空間内で前記底壁において起立する管状体と、この管状体の頂部に一体連結して該管状体と協働してその内側に注出ノズルの嵌合空間を形成する天板にて構成すること、
2)弁部を、前記嵌合部の側壁を少なくとも1箇所において切り込んだスリットにて構成すること、さらに、
3)弁部を、嵌合部の側壁に形成され、収容空間と嵌合空間とを相互につなぐ開孔と、該嵌合部の外表面に密着状態で覆い被さり、内容物の吐出圧の上昇に伴うそれそのものの弾性変形にて該嵌合部の外表面との相互間に隙間を形成して該開孔と収容空間を連通させる虫ゴムの如き弾性体にて構成すること、
が本発明の課題解決のための具体的手段として好ましい。
本発明のカップ型容器によれば、底壁に、該底壁を貫く開口端を有し該開口端を通してディスペンサーの注出ノズルを着脱自在に嵌合可能な嵌合部を設けるとともに、該嵌合部に、内容物の吐出圧の上昇に伴って開放され、前記注出ノズルから排出される内容物を前記収容空間へと流し込む弁部を形成したので、内容物を充填した容器を傾けるような動作を伴うことなしに片手で内容物を注ぎ込むことができる。また、嵌合部を起点にしてディスペンサーから切り離すことが可能であるため、注出された内容物を取り出すに当たっては内容物が充填された容器を傾動させる必要がない。
また、本発明によるカップ型容器によれば、嵌合部を、収容空間内で前記底壁において起立する管状体と、この管状体の頂部に一体連結して該管状体と協働してその内側に注出ノズルの嵌合空間を形成する天板にて構成したため、カップ型容器そのものを一部材で構成することができ、構造の簡素化が可能となる。
また、本発明によるカップ型容器によれば、弁部を、前記嵌合部の側壁を少なくとも1箇所において切り込んだスリットにて構成したため、内容物の吐出圧が上昇するとき以外に該スリットが開放することがなく、内容物の漏れを確実に回避することができる。
また、本発明によるカップ型容器によれば、弁部を、嵌合部の側壁に形成され、収容空間と嵌合空間とを相互につなぐ開孔と、該嵌合部の外表面に密着状態で覆い被さり、内容物の吐出圧の上昇に伴うそれそのものの弾性変形にて該嵌合部の外表面との相互間に隙間を形成して該開孔と収容空間を連通させる虫ゴムの如き弾性体にて構成したため、内容物の吐出圧が上昇するとき以外に開孔と収容空間とが連通することはく、注ぎ込まれた内容物を収容空間に確実に保持することができる。
本発明に従うカップ型容器の実施の形態を断面について模式的に示した図である。 押圧ヘッド式のディスペンサーを備えた容器の構成を示した図である。 押圧ヘッド式のディスペンサーを備えた容器において内容物を注出している状況を示した図である。 本発明に従うカップ型容器に内容物を注ぎ入れる要領説明図である。 本発明に従うカップ型容器に内容物を注ぎ入れる要領説明図である。 本発明に従うカップ型容器の他の実施の形態を示した図である。
以下、図面を用いて本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明に従うカップ型容器(合成樹脂等で成形される)の実施の形態を模式的に示した図である。
図における符号1は、カップ型容器の底壁である。この底壁1は、例えば、平面形状になる円形になるものが適用されるが、その形状についてはとくに限定されない。また、2は、底壁1の縁部に一体的に連なる周壁、3は、周壁2の上端部に水平配置にして設けられたフランジである。
本発明に従うカップ型容器は、底壁1と周壁2によって取り囲まれた内側空間を内容物の収容空間Mとするものであって、フランジ3が設けられた上部開放端が飲み口となる。
また、4は、底壁1の中央部に設けられた嵌合部である。この嵌合部4は、底壁1の部位においてそれを貫く開口端4aが形成されている。この開口端4aを通して後述するディスペンサーの注出ノズルを着脱自在に嵌合することができるようになっており、収容空間M内で該底壁1において起立する先端先細り形状をなす管状体4bと、この管状体4bの頂部に一体連結してその内側に嵌合空間Kを形成する天板4cから構成されている。
また、5は、内容物の吐出圧の上昇に伴って開放され、注出ノズルから排出される内容物を収容空間Mへと流し込む弁部である。この弁部5は、その外観斜視図を図1に示すように、嵌合部4の側壁(管状体4bの壁部)を少なくとも1箇所において切り込んだスリットからなるものを例として示してある。
図2は、本発明に従う上記構成のカップ型容器に適用して好適な押圧ヘッド式のディスペンサーを、内容物を充填した容器(ボトル)の口頚部に装着した状態で示した図である。
同図における符号6は、内容物を充填した容器(ボトル)、7は、容器6の口頚部にねじあるいはアンダーカットの如き係合手段にて着脱自在に固定保持されるベースキャップ、8は、ベースキャップ7に吊り下げ保持され、容器6内に充填された内容物を吸引管を通して吸引するとともに、吸引された内容物をシリンダー内で加圧、圧縮して注出ノズルより排出するポンプ機構、9は、ポンプ機構8の中空ステム(図示しないスプリングの如き弾性部材にて支持されている)につながりベースキャップ7の上部において上下方向に往復移動可能な押圧ヘッドである。
この押圧ヘッド9は、ベースキャップ7の上部に位置する天板9aと、この天板9aの縁部につながり、ベースキャップ7の周壁7aを取り囲む凹所を形成する周壁9bと、ベースキャップ7の天面に当接して押圧ヘッド9の下限の位置決めを行うストッパー9cから構成されており、天板9aにはその中央部において起立する注出ノズル9dが設けられている(ノズル内には逆止弁が配置されている)。
かかるディスペンサーにおいては、押圧ヘッド9が、ポンプ機構8内に配置された弾性部材により中空ステムを介して弾性支持されているため、その初期姿勢は、図2に示す如く、該押圧ヘッド9の移動可能範囲の最上限に位置している。この状態で図3に示す如く押圧ヘッド9を押し込むと、ポンプ機構8のシリンダー内でピストンが下方に向けて移動し、これによりシリンダー内に存在する内容物が加圧、圧縮されることとなり、加圧、圧縮された内容物は、中空ステムの内部通路を経て注出ノズル9dのノズル孔9dから外界へと排出される。
押圧ヘッド9の押し込みにかかる力を取り除くと、弾性部材の復元力により該押圧ヘッド9は図2に示したような初期姿勢へと復帰し、このときシリンダー内でピストンが上方へと移動することとなり、これによりシリンダー内は負圧になり、吸引管を通して容器内の内容物の所定量がシリンダー内に吸引される。
上記のディスペンサーは、押圧ヘッド9の押し込みと押し込みにかかる力を解除する動作を繰り返すことにより容器内の内容物を連続的に排出することができるものである。
本発明に従うカップ型容器を用いて上掲図2、3に示したような構成からなるディスペンサーを備えた容器から内容物を注出するには、まず、図4に示すように、カップ型容器の嵌合部4をディスペンサーの注出ノズル9dに嵌合させる。
そして、次に、カップ型容器そのものを押し込む。かかる押し込み動作を繰り返し行うことにより、ディスペンサーの押圧ヘッド9は上下動することとなり、これにより図5に示すように、注出ノズル9dのノズル孔9dから排出された内容物は、弁部5を通って収容空間Mへと流れ込む。
このように、本発明に従うカップ型容器は、容器6内の内容物を片手により内容物を注ぎ込むことができるものであり、内容物が充填された容器6を持ち上げて傾動させるような動作は不要となる。カップ型容器は、それを上方に向けて引き上げるだけでディスペンサーの注出ノズル9dとの嵌合状態を解除することができる。
また、ディスペンサーの1回の押し込みによって排出される内容物の量を予め把握しておくことにより、定量注出が可能であって、使い勝手も著しく改善される。
図6は、本発明に従うカップ型容器の他の実施の形態を示した図である。この例は、弁部5を、嵌合部4の側壁に形成され、収容空間Mと、嵌合空間Kとを相互につなぐ少なくとも1つの開孔10(この例では、開孔10を向かい合わせてで2つ設けたものを例として示してある)と、該嵌合部4の密着状態で覆い被さり、内容物の吐出圧の上昇に伴う弾性変形にて該嵌合部の外表面との相互間に隙間を形成して該開孔10と収容空間Mとを連通させる環状の弾性体(虫ゴム等)11とによって構成したものである。
かかる構造の弁部を有するカップ型容器においては、環状の弾性体11が嵌合部4の管状体4bの周りに密着状態で覆い被さっているため、液密性をより一層高めることができる利点がある。なお、該環状の弾性体11については、この例では、上部が開放されたものとして示したが、嵌合部4の天板4cを覆う袋状の弾性体11を適用してもよい。
片手による押し込み操作でもって内容物の注ぎ込みが行え、内容物を充填した容器との切り離しを可能とした使い勝手のよいカップ型容器が提供できる。
1 底壁
2 周壁
3 フランジ
4 嵌合部
4a 開口端
4b 管状体
4c 天板
5 弁部
6 容器(ボトル)
7 ベースキャップ
8 ポンプ機構
9 押圧ヘッド
9a 天板
9b 周壁
9c ストッパー
9d 注出ノズル
10 開孔
11 環状の弾性体(虫ゴム等)
M 収容空間
N 注出ノズル

Claims (4)

  1. 底壁と、この底壁の縁部に連なる周壁とを備え、これら底壁、周壁によって取り囲まれた内側空間を内容物の収容空間とするカップ型容器であって、
    前記底壁に、該底壁を貫く開口端を有し該開口端を通してディスペンサーの注出ノズルを着脱自在に嵌合させる嵌合部を設け、
    該嵌合部は、内容物の吐出圧の上昇に伴って開放され、前記注出ノズルから排出される内容物を前記収容空間へと流し込む弁部を有することを特徴とするカップ型容器。
  2. 前記嵌合部は、前記収容空間内で前記底壁において起立する管状体と、この管状体の頂部に一体連結してその内側に前記注出ノズルの嵌合空間を形成する天板からなることを特徴とする請求項1に記載したカップ型容器。
  3. 前記弁部は、前記嵌合部の側壁を少なくとも1箇所において切り込んだスリットからなることを特徴とする請求項1または2に記載したカップ型容器。
  4. 前記弁部は、前記嵌合部の側壁に形成され、前記収容空間と前記嵌合空間とを相互につなぐ開孔と、該嵌合部の外表面に密着状態で覆い被さり、内容物の吐出圧の上昇に伴うそれそのものの弾性変形にて該嵌合部の外表面との相互間に隙間を形成して該開孔と前記収容空間を連通させる弾性体よりなることを特徴とする請求項1または2に記載したカップ型容器。
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