JP2013153607A - 入力される電流もしくは電力に応じてトルク指令を制限するモータ制御装置 - Google Patents

入力される電流もしくは電力に応じてトルク指令を制限するモータ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入力された交流を直流に変換して出力したのちさらにモータの駆動用の交流に変換してモータへ供給するモータ制御装置において、順変換器の交流側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐモータ制御装置を実現する。
【解決手段】モータ制御装置1は、入力された交流を直流に変換して出力する順変換器11と、順変換器11が出力した直流をモータ2の駆動用の交流に変換して出力する逆変換器12と、それを制御する逆変換器制御部14と、モータ2の動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部15と、を備え、逆変換器制御部14は、順変換器11に入力された交流電流もしくは交流電力が所定の範囲外にあるとき、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータ2が動作するよう逆変換器12により出力される交流を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力された交流を直流に変換して出力したのちさらにモータの駆動のための交流に変換してモータへ供給するモータ制御装置に関する。
工作機械システムにおいては、工作機械の駆動軸ごとにモータを有し、これらモータをモータ制御装置により駆動制御する。例えば、工具もしくはワークの回転にはスピンドルモータが用いられ、輪郭軌跡の制御にはサーボモータが用いられる。モータ制御装置は、工作機械の駆動軸を駆動する駆動軸数分のモータに対し、モータの速度、トルク、もしくは回転子の位置を指令し制御する。
モータ制御装置は、入力された交流を直流に変換して出力する順変換器と、順変換器が出力した直流をモータの駆動のための所望の周波数の交流に変換して出力する逆変換器と、当該逆変換器の交流側に接続されたモータについての、速度、トルク、もしくは回転子の位置などモータの動作に関するモータ動作指令を出力する数値制御部と、を備える。
逆変換器は、工作機械における複数の駆動軸に対応してそれぞれ設けられる各モータごとに駆動電力を供給してモータを駆動制御するために、モータの個数と同数個設けられる。各逆変換器には逆変換器制御部がそれぞれ内蔵されており、逆変換器制御部は、数値制御部が出力したモータ動作指令にしたがってモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御する。一方、順変換器は、モータ制御装置のコストや占有スペースを低減する目的で、複数の逆変換器に対して1個設けられることが多い。
大出力でモータを回転させたりする場合などのように、逆変換器からモータへ大容量の交流電力を供給する場合、順変換器から逆変換器へも大容量の電力を供給しなければならないので、順変換器の交流側に過大な電流が流れる可能性がある。例えば安全装置が取り付けられている場合は、順変換器の許容出力を超える出力が逆変換器側から要求されると、この安全装置が作動し、順変換器の交流入力側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐためモータ制御装置がアラーム停止する。
例えば空気調和機では、交流入力側に設けられた電源ブレーカが作動しないようにするために、空気調和機に入力される交流電流を抑えるような装置がいくつか提案されている。
例えば、入力された交流を直流に変換して出力したのち、さらに圧縮機の駆動のための交流に変換する回路を有する空気調和機において、入力される交流電流に関する制限値を設定し、入力される交流電流が制限値を超えたら、その差分だけ制限値を段階的に下げることにより、圧縮機の駆動のための交流の出力周波数を下げ、圧縮機を低能力状態で運転させることで、空気調和機に入力される交流電流を抑える技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
上述の特許文献1以外にも、入力された交流を直流に変換して出力したのちさらに圧縮機の駆動のための交流に変換する回路を有する空気調和機において、AC/DC変換回路の交流側の入力電流と直流側の出力電圧を監視し、直流側の出力電圧が下がったときに、DC/AC変換器が出力する交流の出力周波数を下げ、圧縮機を低い回転速度で運転することで、空気調和機に入力される交流電流を抑える技術がある(例えば、特許文献2および3参照。)。
上述の空気調和機以外の分野でも、交流側のモータによる過大なパワーの持ち出しに起因する電源側の過電流の発生を防ぐ装置が提案されている。例えば、電気自動車の分野では、直流電源側の許容負荷を超えるパワーの持ち出しをモータ側から要求されたときに、破綻しないようモータ出力に制限をかける技術が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平4−106348号公報 特公平7−10198号公報 特開2010−233304号公報 特許第411138号公報
モータ制御装置が上述のようにアラーム停止すると、このモータ制御装置が駆動制御するモータが組み込まれた工作機械の処理全体のみならず、加工製品にもその影響が広く及ぶ。例えば、アラーム停止したモータ制御装置を再起動するには、アラーム停止の原因となった事象をまずは取り除く必要があり、そして、アラーム停止により他の工作機械に何らかの問題が生じていないかあるいはアラーム停止により加工製品に欠陥が生じたかなどといった点検も必要であり、さらには、途中で停止した工具やワークを初期位置に戻すといった作業も必要になるなど、再起動に時間がかかり、時間的、経済的および人的な損害は甚大である。
このようなことから、モータ制御装置のアラーム停止を回避するために、従来は、モータ制御装置の設計の際、当該順変換器に接続される全ての逆変換器を最大出力で動作させた場合に当該順変換器が供給すべき電力を出力することができるような順変換器を選定していた。このようなやり方で順変換器を選定すれば、順変換器の出力が不足することはないので順変換器の交流入力側には許容量を超えた過大な電流が流れることはない。しかしながら、全ての逆変換器が同時に最大出力を出す運用がほとんどないと考えられる工作機械では、必要以上に順変換器の容量が大きくなり、設置スペースおよびコストの点で不利であるという問題がある。
これについては、全ての逆変換器が同時に最大出力を出すことはほとんどないと考えられる場合は、想定されるモータの運転状況から逆変換器に要求される最大出力を予測し、これら逆変換器がこの予測最大出力を出力することができるような順変換器を選定するといった対応が考えられる。しかしながら、この想定が誤っていたり、あるいは万一想定外のモータの運転状況が発生した場合には、選定した順変換器の許容出力を超えることがあり、順変換器の交流入力側に許容量を超えた過大な電流が流れてモータ制御装置がアラーム停止する可能性を排除することはできない。
また、上述の特許文献1〜3に記載された技術は、空気調和機に関するものであるが、空気調和機の交流入力側(すなわち順変換器の交流入力側)の電流のみならず、順変換器の直流出力側の電圧を監視しなければならないので、検出部に関する構成が複雑になり、設置スペースが大きくなり、コストも高くなる。また、上述の特許文献1〜3に記載された技術は交流出力側の出力周波数を下げることによってモータの回転速度を下げているが、工作機械システムにおいては、モータの回転速度を下げると工作精度を下げる結果となる。なお、上述の特許文献4に記載された技術は、直流電源を入力とするものであるので、入力された交流を直流に変換して出力したのちさらに交流に変換してモータを駆動するものには適用することはできない。
従って本発明の目的は、上記問題に鑑み、入力された交流を直流に変換して出力したのちさらにモータの駆動のための交流に変換してモータへ供給するモータ制御装置において、順変換器の交流側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐことができる、構造が容易で低コストおよび省スペースのモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を実現するために、本発明によれば、モータ制御装置は、入力された交流を直流に変換して出力する順変換器およびその制御部と、順変換器が出力した直流をモータの駆動のための交流に変換して出力する逆変換器およびその制御部と、モータの動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部と、を備え、逆変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御する。
本発明の第1の態様によれば、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果を逆変換器制御部へ通知する通知手段と、を有し、逆変換器制御部は、上記判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、数値制御部から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御する。
本発明の第2の態様によれば、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果を逆変換器制御部へ通知する通知手段と、を有し、逆変換器制御部は、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、判定手段による判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、数値制御部から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御する。
本発明の第3の態様によれば、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果を数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、数値制御部は、上記判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。
本発明の第4の態様によれば、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果を数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、数値制御部は、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、上記判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。
また、本発明の第5の態様によれば、モータ制御装置によりサーボモータおよびスピンドルモータを駆動制御する場合において、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、サーボモータの駆動のために設けられた逆変換器により出力される交流を制御するサーボモータ用逆変換器制御部およびスピンドルモータの駆動のために設けられた逆変換器により出力される交流を制御するスピンドルモータ用逆変換器制御部のうち、スピンドルモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御する。
また、本発明の第6の態様によれば、工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータと輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータとを用いて切削加工を行う工作機械におけるモータ制御装置は、入力された交流を直流に変換して出力する順変換器と、順変換器が出力した直流をスピンドルモータの駆動のための交流に変換して出力するスピンドルモータ用逆変換器およびその制御部と、順変換器が出力した直流をサーボモータの駆動のための交流に変換して出力するサーボモータ用逆変換器およびその制御部と、スピンドルモータおよびサーボモータの動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部と、を備え、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、非切削加工中は、スピンドルモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でスピンドルモータが動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器により出力される交流を制御し、切削加工中は、サーボモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令でサーボモータが動作するよう、サーボモータ用逆変換器により出力される交流を制御する。
上述の第6の態様においては、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果を数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、数値制御部は、上記判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でスピンドルモータが動作するよう、スピンドルモータに対するモータ動作指令を変更してスピンドルモータ用逆変換器制御部へ出力し、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令でサーボモータが動作するよう、サーボモータに対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部へ出力するようにしてもよい。
また、上述の第6の態様においては、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果を数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、数値制御部は、通知された検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でスピンドルモータが動作するよう、スピンドルモータに対するモータ動作指令を変更してスピンドルモータ用逆変換器制御部へ出力し、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令でサーボモータが動作するよう、サーボモータに対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部へ出力するようにしてもよい。
また、上述の第6の態様においては、モータ制御装置は、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部を備え、順変換器制御部は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果をスピンドル用逆変換器制御部および数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、通知された判定結果が、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、スピンドルモータ用逆変換制御部が、数値制御部から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でスピンドルモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御し、切削加工中は、数値制御部が、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令でサーボモータが動作するよう、サーボモータに対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部へ出力するようにしてもよい。
本発明によれば、入力された交流を直流電力に変換して出力したのち、さらにモータの駆動のための交流に変換してモータへ供給するモータ制御装置において、順変換器の交流入力側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐことができる、構造が容易で低コストおよび省スペースのモータ制御装置を実現することができる。
本発明によれば、モータ制御装置は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器により出力される交流を制御するので、順変換器の交流入力側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐことができる。すなわち、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるときは、予めモータ動作指令で規定されていた正常時のトルク指令よりも制限されたトルク指令(すなわち正常時のトルク指令よりも低いトルク値のトルク指令)でモータが動作するよう制御するので、モータの消費電力が減少し、この結果、逆変換器側から要求される電力が減少するので、順変換器に入力される交流の電流もしくは電力も減少する。
したがって、本発明によれば、例えば大出力でモータを回転させたりするなどのように逆変換器からモータへ大容量の交流電力を供給する場合に、順変換器の許容出力を超える出力が逆変換器側から要求される状況になっても、順変換器の交流入力側には許容量を超えた過大な電流は流れないので、モータ制御装置がアラーム停止することはない。このため、モータ制御装置が駆動制御するモータが組み込まれた工作機械の処理が停止することはなく、工作機械の利用効率を高めることができる。また、モータ制御装置の設計の際に、モータ制御装置のアラーム停止を回避するために過度に出力が大きい順変換器を選定する必要がなくなり、設置スペースおよびコストの点でも有利である。
上述のように、本発明の第1の態様によれば、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部に、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果を逆変換器制御部へ通知する通知手段と、が設けられる。また、本発明の第2の態様によれば、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部に、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果を逆変換器制御部へ通知する通知手段と、が設けられ、また、逆変換器制御部に、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段が設けられる。また、本発明の第3の態様によれば、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部に、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果に基づき、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果を数値制御部へ通知する通知手段がと、が設けられる。また、本発明の第4の態様によれば、順変換器により出力される直流を制御する順変換器制御部に、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、検出手段による検出結果を数値制御部へ通知する通知手段と、が設けられ、また、数値制御部は、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段が設けられる。このように、本発明の第1〜第4の態様によるモータ制御装置は、構造が容易であり、低コストおよび省スペースで実現できる。例えば特許文献1〜3に記載された技術と比較しても、本発明の第1〜第4の態様は検出部が少ない点で有利である。
また、本発明の第5の態様によれば、モータ制御装置によりスピンドルモータおよびサーボモータを駆動制御する場合は、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、スピンドルモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でスピンドルモータが動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器により出力される交流を制御するので、輪郭軌跡の制御には関係しないスピンドルモータの回転トルクの大きさを制限することになり、したがって輪郭軌跡の制御の形状精度に影響を与えずに本発明による上述の効果を享受することができる。
また、本発明の第5の態様によっても、本発明の第1〜第4の態様のような検出手段、判定手段および通知手段を設けることで、構造が容易であり、低コストおよび省スペースのモータ制御装置を実現することができる。
また、本発明の第6の態様によれば、工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータと輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータとを用いて切削加工を行う工作機械において、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、非切削加工中は、スピンドルモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限された指令トルク(すなわち正常時のトルク指令よりも低いトルク値のトルク指令)でスピンドルモータが動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器により出力される交流を制御し、切削加工中は、サーボモータ用逆変換器制御部が、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令(すなわち正常時の回転速度よりも低い回転速度)でサーボモータが動作するよう、サーボモータ用逆変換器により出力される交流を制御するので、切削加工中でもスピンドルモータがトルク不足で停止することはなく、本発明による上述の効果を享受することができる。
なお、上述のように、特許文献1〜3に記載された技術は、監視結果に基づき、圧縮機に向けて出力される交流(すなわち逆変換器の交流出力)の周波数を下げることで、空気調和機を低能力状態で運転するものであるので、圧縮機の動作状態を積極的に制御するものではないが、本発明は、モータの動作状態に応じて、トルクもしくは回転速度を制御するので、よりきめ細かな制御を実現することができる。また、本発明の第5および第6の態様によれば、スピンドルモータおよびサーボモータを有する工作機械システムにおいて、上述の特許文献1〜3に記載された技術のようにスピンドルモータを駆動するための交流の出力周波数すなわち回転速度および出力トルクを下げるものではないので、切削動作自体に影響を与えることはない。
本発明の第1の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第3の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第3の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第4の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第4の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第5の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第5の実施例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施例の第2の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例の第2の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。 本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置内のスピンドルモータ用逆変換器制御部の動作フローを示すフローチャートである。 本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。
以下図面を参照して、本発明による逆変換機制御部を有するモータ制御装置について、第1〜第6の実施例を挙げて説明する。しかしながら、本発明は、図面又は以下に説明される実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。
図1は、本発明の第1の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。以降、異なる図面において同じ参照符号が付されたものは同じ機能を有する構成要素であることを意味するものとする。
本発明の第1の実施例および後述する本発明の第2〜6の実施例では、これら実施例に共通の構成要素として、モータ制御装置1は、三相の交流入力電源10から入力された交流を直流に変換して出力する順変換器11と、順変換器11が出力した直流をモータ2の駆動のための交流に変換して出力する逆変換器12と、モータ2の動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部15と、逆変換器12内に設けられ、モータ動作指令にしたがってモータ2が動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する逆変換器制御部14と、順変換器11内に設けられ、順変換器11により出力される直流を制御する順変換器制御部13と、を備える。そして、逆変換器制御部14は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する。
このように、本発明の第1〜第6の実施例によれば、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、予めモータ動作指令内のトルク指令で規定されていた正常時の回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するので、モータ2の消費電力が減少する。
このように、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるときは、数値制御部15が本来指令していた動作レベル(回転トルク)よりも低い動作レベル(回転トルク)でモータ2は動作するようになる。トルク指令の制限は、例えば、数値制御部15が本来指令していたトルク指令に、上限値を設けてこれを超える分をカットしたり、あるいは0%より大きく100%未満の比率を乗算したりすることにより実現すればよい。
本発明の第1の実施例では、上述のモータ動作指令の制限を実現するために、図1に示すように、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段22と、判定手段22による判定結果を逆変換器制御部14へ通知する通知手段23と、を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、順変換器11の交流入力側に設置された電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、順変換器11の交流入力側に設置された電流検出器により検出された交流電流および電圧検出器により検出された交流電圧から交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と逆変換器制御部14との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記判定結果は、この通信路を経て逆変換器制御部14へ伝送される。
逆変換器制御部14は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータ2が動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する。これにより、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるときは、予めモータ動作指令で規定されていた正常時のトルクよりも低いトルクでモータ2が動作するよう制御するので、モータ2の消費電力が減少し、この結果、逆変換器12側から要求される電力も減少するので、順変換器11に入力される交流の電流もしくは電力も減少する。つまり、本発明によれば、例えば大出力でモータを回転させるなどのように逆変換器からモータへ大容量の交流電力を供給する場合に、順変換器の許容出力を超える出力が逆変換器側から要求される状況になっても、順変換器の交流側に許容量を超えた過大な電流は流れないので、モータ制御装置がアラーム停止することはない。
図2は、本発明の第1の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS101において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS102において、順変換器制御部13内の判定手段22は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。次いでステップS103において、順変換器制御部13内の通知手段23は、判定手段22による判定結果を逆変換器制御部14へ通知する。次いでステップS104において、逆変換器制御部14は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS105において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS106へ進み、逆変換器制御部13は、予めモータ動作指令で規定されていたトルクよりも低いトルクでモータ2が動作するよう、数値制御部15から受信したモータ動作指令であるトルク指令を制限する。ステップS107では、逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
図3は、本発明の第2の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第2の実施例によるモータ制御装置1の構成要素のうち、順変換器11、逆変換器12および数値制御部15は、図1を参照して説明した本発明の第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。また、本発明の第2の実施例により得られる効果も、上述の第1の実施例と同様であるので、ここでは、第1の実施例と異なる部分について説明する。
本発明の第2の実施例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果を逆変換器制御部へ通知する通知手段23と、を設け、逆変換器制御部14には、上記検出結果を用いて、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段31を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、電流検出器により検出された交流電流と電圧検出器により検出された交流電圧とから交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と逆変換器制御部14との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記検出結果は、この通信路を経て逆変換器制御部14へ伝送される。逆変換器制御部14は、判定手段31による判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータ2が動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する。これにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
図4は、本発明の第2の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS201において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS202において、順変換器制御部13内の通知手段23は、検出手段21による検出結果を逆変換器制御部14へ通知する。次いでステップS203において、逆変換器制御部14は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS204において、逆変換器制御部14は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS205において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS206へ進み、逆変換器制御部13は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するよう、数値制御部15から受信したモータ動作指令であるトルク指令を制限する。ステップS207では、逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
図5は、本発明の第3の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第3の実施例によるモータ制御装置1の構成要素のうち、順変換器11、逆変換器12および逆変換器制御部14は、図1を参照して説明した本発明の第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。また、本発明の第3の実施例により得られる効果も、上述の第1の実施例(および第2の実施例)と同様である。
本発明の第3の実施例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段22と、判定手段22による判定結果を数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、電流検出器により検出された交流電流と電圧検出器により検出された交流電圧とから交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記判定結果は、この通信路を経て数値制御部15へ伝送される。
数値制御部15は、上記判定結果が、順変換器1に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限された(すなわち低い値の)トルク指令でモータ2が動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。このモータ動作指令に基づいて逆変換器制御部14は、逆変換器12が出力する交流を制御することにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
図6は、本発明の第3の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS301において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS302において、順変換器制御部13内の判定手段22は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。次いでステップS303において、順変換器制御部13内の通知手段23は、判定手段22による判定結果を数値制御部15へ通知する。次いでステップS304において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS305において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS306へ進み、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するよう、モータ動作指令を変更する。次いでステップS307において、数値制御部15はトルク指令を逆変換器制御部14へ出力する。すなわち、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲内にあることを示す場合は、正常時のトルク指令を出力し、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、上記のように制限されたトルク指令を出力する。次いでステップS308において、逆変換器制御部14は、通信路を介して数値制御部15からトルク指令を受信する。ステップS309では、逆変換器制御部14は、モータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
図7は、本発明の第4の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第4の実施例によるモータ制御装置1の構成要素のうち、順変換器11、逆変換器12および逆変換器制御部14は、図1を参照して説明した本発明の第1の実施例と同様であるので、説明は省略する。また、本発明の第4の実施例により得られる効果も、上述の第1の実施例(ならびに第2および第3の実施例)と同様である。
本発明の第4の実施例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果を数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、電流検出器により検出された交流電流と電圧検出器により検出された交流電圧とから交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記検出結果は、この通信路を経て数値制御部15へ伝送される。
数値制御部15は、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段41を有する。数値制御部15は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限された(すなわち低い値の)トルク指令でモータが動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に基づいて、逆変換器12が出力する交流を制御することにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
図8は、本発明の第4の実施例によるモータ制御装置の動作フローを示すフローチャートである。
ステップS401において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS402において、順変換器制御部13内の通知手段23は、通信路を介して検出手段21による検出結果を数値制御部15へ通知する。次いでステップS403において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS404において、順変換器制御部13内の判定手段41は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS405において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS406へ進み、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するよう、モータ動作指令を変更する。次いでステップS407において、数値制御部15はトルク指令を逆変換器制御部14へ出力する。すなわち、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲内にあることを示す場合は、正常時のトルク指令を出力し、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、上記のように正常時のときよりも低いトルク指令を出力する。次いでステップS408において、逆変換器制御部14は、通信路を介して数値制御部15からトルク指令を受信する。ステップS409では、逆変換器制御部14は、モータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
次に説明する本発明の第5および第6の実施例は、上述の第1〜第4の実施例によるモータ制御装置を工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータと輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータとを用いて切削加工を行う工作機械におけるモータ制御装置に適用したものである。なお、ここでは、1個のスピンドルモータおよび1個のサーボモータをモータ制御装置で駆動制御する場合について説明するが、スピンドルモータおよびサーボモータの各個数はあくまでも一例であり、本発明を限定するものではない。
図9は、本発明の第5の実施例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第5の実施例および後述する本発明の第6の実施例では、工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータ2−1と輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータ2−2とを用いて切削加工を行う工作機械におけるモータ制御装置1は、これら実施例に共通の構成要素として、交流入力電源10から入力された交流を直流に変換して出力する順変換器11と、順変換器11が出力した直流をスピンドルモータ2−1の駆動のための交流に変換して出力するスピンドルモータ用逆変換器12−1と、順変換器11が出力した直流をサーボモータ2−2の駆動のための交流に変換して出力するサーボモータ用逆変換器12−2と、スピンドルモータ2−1およびサーボモータ2−2の動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部15と、スピンドルモータ用逆変換器12−1内に設けられ、モータ動作指令にしたがってスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御するスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1と、サーボモータ用逆変換器12−2内に設けられ、モータ動作指令にしたがってサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ用逆変換器12−2により出力される交流を制御するサーボモータ用逆変換器制御部14−2と、順変換器11内に設けられ、順変換器11により出力される直流を制御する順変換器制御部13と、を備える。
本発明の第5の実施例では、上述した第3の実施例の場合と同様、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段22と、判定手段22による判定結果を数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、電流検出器により検出された交流電流と電圧検出器により検出された交流電圧とから交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記判定結果は、この通信路を経て数値制御部15へ伝送される。
数値制御部15は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、スピンドルモータ2−1の駆動のために設けられたスピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御するスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1およびサーボモータ2−2の駆動のために設けられたサーボモータ用逆変換器12−2により出力される交流を制御するサーボモータ用逆変換器制御部14−2のうち、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いトルク指令でモータが動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御する。ここで、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合にスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1において出力されるトルク指令は、本発明の第3の実施例のように数値制御部15においてトルク指令を変更する形式としてもよく、あるいは本発明の第1の実施例のように数値制御部15から受信したトルク指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1において制限するようにしてもよい。
図10は、本発明の第5の実施例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。本発明の第5の実施例によるモータ制御装置1内の順変換器制御部13の動作については図6に示した第3の実施例において説明したとおりであるので説明は省略する。
ステップS501において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS502において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS503へ進み、そうではない場合はステップS504へ進む。ステップS503において、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更する。ステップS504では、各モータ動作指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1およびサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、受信したモータ動作指令に従い、スピンドルモータ用逆変換器12−1内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力し、サーボモータ用逆変換器制御部14−2は、受信したモータ動作指令に従い、サーボモータ用逆変換器12−2内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
本発明の第5の実施例によれば、モータ制御装置1によりスピンドルモータ2−1およびサーボモータ2−2を駆動制御する場合は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低い値のトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御することで、輪郭軌跡の制御には関係しないスピンドルモータ2−1の回転トルクを制限するので、サーボモータ2で行う輪郭軌跡の制御の形状精度に影響を与えずに、本発明の第1〜第4の実施例による上述の効果を享受することができる。
図11は、本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第6の実施例の第1の具体例および後述する第2および第3の具体例によるモータ制御装置1では、非切削加工中に順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合は、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、予めモータ動作指令で指令されていた回転トルクよりも制限された(すなわち低い)回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御する。一方、切削加工中に順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合は、サーボモータ用逆変換器制御部14−2が、予めモータ動作指令で指令されていた回転速度よりも制限された回転速度でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ用逆変換器12−2により出力される交流を制御する。なお、回転速度指令の制限は、数値制御部15が本来指令していた回転速度指令に、上限値を設けてこれを超える分をカットしたり、あるいは0%より大きく100%未満の比率を乗算したりすることにより実現すればよい。
このように、本発明の第6の実施例の第1〜第3の具体例において、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合にモータ動作指令に規定された動作レベル(回転トルクもしくは回転速度)の制限を行うモータを、非切削加工中はスピンドルモータ2−1の回転トルクとし、切削加工中はサーボモータ2−2の回転速度(送り速度)としたのは次の理由による。すなわち、工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータ2−1と輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータ2−2とを用いて切削加工を行う工作機械において、重切削を行っている際に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合に仮にスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令の制限を行うと、トルク不足からスピンドルモータ2−1が停止してしまい、これ以上切削加工が継続できなくなる可能性がある。そこで、切削加工中に順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合には、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令を制限するのではなく、サーボモータ用逆変換器制御部14−2でサーボモータ2−2の送り速度についての指令すなわち回転速度指令を下げることで、切削加工中にスピンドルモータ2−1の切削負荷を下げ、モータが停止するような事態を回避しながら、順変換器の交流側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐ。一方、非切削加工中は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合にスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令を制限しても、加減速トルクが制限され、加減速時間が延びるなどの状況にはなるものの、それは加工には問題は生じない。
ここで、本発明の第6の実施例の第1の具体例では、図11に示すように、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段22と、判定手段22による判定結果を数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。順変換器制御部13と数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記判定結果は、この通信路を経て数値制御部15へ伝送される。
数値制御部15は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予めモータ動作指令で指令されていた回転トルクよりも制限された(すなわち低い)回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更してスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ出力し、切削加工中は、予めモータ動作指令で指令されていた回転速度よりも制限された回転速度でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。
図12は、本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置1内の順変換器制御部13の動作については図6に示した第3の実施例において説明したとおりであるので説明は省略する。
ステップS601において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS602において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS603へ進み、そうではない場合はステップS606へ進む。ステップS603において、数値制御部15は、現在、切削加工中にあるか否かを判定する。切削加工中である場合はステップS605へ進み、非切削加工中である場合はステップS604へ進む。ステップS604では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令されていた回転トルクよりも低い回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更する。ステップS605では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令されていた回転速度よりも低い回転速度でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更する。ステップS606では、各モータ動作指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1およびサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、受信したモータ動作指令に従い、スピンドルモータ用逆変換器12−1内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力し、サーボモータ用逆変換器制御部14−2は、受信したモータ動作指令に従い、サーボモータ用逆変換器12−2内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
上述の本発明の第6の実施例の第1の具体例では、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある判定手段22を順変換器制御部13内に設けたが、本発明の第6の実施例の第2の具体例では、この判定手段を、図7を参照して説明した本発明の第4の実施例のように数値制御部15内に設ける。図13は、本発明の第6の実施例の第2の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。
図13に示すように、本発明の第6の実施例の第2の具体例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果を数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。順変換器制御部13と数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記検出結果は、この通信路を経て数値制御部15へ伝送される。
数値制御部15は、上記検出結果を用いて、順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段41を有する。数値制御部15は、判定手段41による判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いのトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更してスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ出力し、また、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い値の回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。
図14は、本発明の第6の実施例の第2の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。本発明の第6の実施例の第2の具体例によるモータ制御装置1内の順変換器制御部13の動作については図8に示した第4の実施例において説明したとおりであるので説明は省略する。
ステップS701において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS702において、順変換器制御部13内の判定手段41は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS703において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS704へ進み、そうではない場合はステップS707へ進む。ステップS704において、数値制御部15は、現在、切削加工中にあるか否かを判定する。切削加工中である場合はステップS706へ進み、非切削加工中である場合はステップS705へ進む。ステップS705では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低い値のトルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更する。ステップS706では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い値の回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更する。ステップS707では、各モータ動作指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1およびサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、受信したモータ動作指令に従い、スピンドルモータ用逆変換器12−1内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力し、サーボモータ用逆変換器制御部14−2は、受信したモータ動作指令に従い、サーボモータ用逆変換器12−2内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
上述の本発明の第6の実施例の第1の具体例では、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある判定手段22による判定結果を通知手段23により数値制御部15へ通知したが、本発明の第6の実施例の第3の具体例では、この判定手段22による判定結果を、通知手段23により数値制御部15およびスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ通知する。この理由は次の通りである。工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータ2−1と輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータ2−2とを用いて切削加工を行う工作機械におけるモータ制御装置1においては、スピンドルモータ2−1を駆動する交流を供給するスピンドルモータ用逆変換器12−1の交流変換動作を制御するプログラムはスピンドルモータ用逆変換器12−1内のスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1に設けられている場合があり、サーボモータ2−2を駆動する交流を供給するサーボモータ用逆変換器12−2の交流変換動作を制御するプログラムは数値制御部15に設けられている場合がある。そこで、本発明の第6の実施例の第3の具体例では、判定手段22による判定結果を、通知手段23により数値制御部15およびスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ通知するようにする。これにより、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、切削加工中はスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1を介してスピンドルモータ2−1に対するトルク指令を制限し、非切削加工中は数値制御部15からサーボモータ2−2に対する回転速度に関する指令を制限する。
図15は、本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。図15に示すように、本発明の第6の実施例の第3の具体例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段22と、判定手段22による判定結果をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1および数値制御部15へ通知する通知手段23と、を設ける。順変換器制御部13とスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1および数値制御部15との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記判定結果は、この通信路を経てスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1および数値制御部15へ伝送される。
スピンドルモータ用逆変換制御部14−1は、通知された判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御する。また、数値制御部15は、通知された判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータに対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。
図16は、本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置内のスピンドルモータ用逆変換器制御部の動作フローを示すフローチャートである。また、図17は、本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置内の数値制御部の動作フローを示すフローチャートである。本発明の第6の実施例の第3の具体例によるモータ制御装置1内の順変換器制御部13の動作については図6に示した第3の実施例において説明したとおりであるので説明は省略する。
図16のステップS801において、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS802において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS803へ進み、そうではない場合はステップS805へ進む。ステップS803において、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、数値制御部15から得られる情報に基づき、現在、切削加工中にあるか否かを判定する。切削加工中である場合はステップS805へ進み、非切削加工中である場合はステップS804へ進む。ステップS804では、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、予めモータ動作指令で指令されていた回転トルクよりも低い回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、数値制御部15から受信したトルク指令を低い値に制限する。ステップS805では、スピンドルモータ2−1に対する各モータ動作指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ出力する。スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、受信したモータ動作指令に従い、スピンドルモータ用逆変換器12−1内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
図17のステップS901において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS902において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS903へ進み、そうではない場合はステップS905へ進む。ステップS903において、数値制御部15は、現在、切削加工中にあるか否かを判定する。切削加工中である場合はステップS904へ進み、非切削加工中である場合はステップS905へ進む。ステップS904では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い値の回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更する。ステップS905では、サーボモータ2−2に対する各モータ動作指令をサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。サーボモータ用逆変換器制御部14−2は、受信したモータ動作指令に従い、サーボモータ用逆変換器12−2内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
このように、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、非切削加工中は、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御し、切削加工中は、サーボモータ用逆変換器制御部14−2が、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ用逆変換器12−2により出力される交流を制御するので、切削加工中でもスピンドルモータ2−1がトルク不足で停止することなく、本発明の第1〜第4の実施例による上述の効果を享受することができる。また、本発明の第6の実施例においても、本発明の第1〜第4の実施例のような検出手段、判定手段および通知手段を設けることで、構造が容易であり、低コストおよび省スペースのモータ制御装置を実現することができる。
本発明は、工作機械の駆動軸ごとにモータを有する工作機械システムにおいて、これらモータ(スピンドルモータおよびサーボモータ)を、入力された交流を直流に変換する順変換器と、順変換器から出力された直流を各モータの駆動電力としてそれぞれ供給される交流に変換する逆変換器と、を有するモータ駆動装置で駆動する場合に適用することができる。また、本発明は、工作機械以外にも、その他の産業機械、あるいは各種ロボット内のモータを駆動するモータ駆動装置にも適用することができる。
1 モータ制御装置
2 モータ
2−1 スピンドルモータ
2−2 サーボモータ
10 交流入力電源
11 順変換器
12 逆変換器
12−1 スピンドルモータ用逆変換器
12−2 サーボモータ用逆変換器
13 順変換器制御部
14 逆変換器制御部
14−1 スピンドルモータ用逆変換器制御部
14−2 サーボモータ用逆変換器制御部
15 数値制御部
21 検出手段
22、31、41 判定手段
23 通知手段
特開平4−106348号公報 特公平7−10198号公報 特開2010−233304号公報 特許第4111138号公報
逆変換器制御部14は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータ2が動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する。これにより、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるときは、予めモータ動作指令で規定されていた正常時のトルクよりも低いトルクでモータ2が動作するよう制御するので、モータ2の消費電力が減少し、この結果、逆変換器12側から要求される電力も減少するので、順変換器11に入力される交流の電流もしくは電力も減少する。つまり、本発明によれば、例えば大出力でモータを回転させるなどのように逆変換器からモータへ大容量の交流電力を供給する場合に、順変換器の許容出力を超える出力が逆変換器側から要求される状況になっても、順変換器の交流側に許容量を超えた過大な電流は流れないので、モータ制御装置がアラーム停止することはない。
ステップS101において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS102において、順変換器制御部13内の判定手段22は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。次いでステップS103において、順変換器制御部13内の通知手段23は、判定手段22による判定結果を逆変換器制御部14へ通知する。次いでステップS104において、逆変換器制御部14は、順変換器制御部13から通信路を介して、判定手段22による判定結果を受信する。ステップS105において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS106へ進み、逆変換器制御部1は、予めモータ動作指令で規定されていたトルクよりも低いトルクでモータ2が動作するよう、数値制御部15から受信したモータ動作指令であるトルク指令を制限する。ステップS107では、逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
本発明の第2の実施例では、順変換器制御部13に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段21と、検出手段21による検出結果を逆変換器制御部14へ通知する通知手段23と、を設け、逆変換器制御部14には、上記検出結果を用いて、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段31を設ける。検出手段21は、検出すべきものが交流電流である場合は、電流検出器により検出された交流電流をその検出結果とし、検出すべきものが交流電力である場合は、電流検出器により検出された交流電流と電圧検出器により検出された交流電圧とから交流電力を算出し、これを検出結果とする。順変換器制御部13と逆変換器制御部14との間には通信路が設けられ、順変換器制御部13内の通知手段23により出力された上記検出結果は、この通信路を経て逆変換器制御部14へ伝送される。逆変換器制御部14は、判定手段31による判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータ2が動作するよう、逆変換器12により出力される交流を制御する。これにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
ステップS201において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS202において、順変換器制御部13内の通知手段23は、検出手段21による検出結果を逆変換器制御部14へ通知する。次いでステップS203において、逆変換器制御部14は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS204において、逆変換器制御部14は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS205において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS206へ進み、逆変換器制御部1は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するよう、数値制御部15から受信したモータ動作指令であるトルク指令を制限する。ステップS207では、逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
数値制御部15は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限された(すなわち低い値の)トルク指令でモータ2が動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。このモータ動作指令に基づいて逆変換器制御部14は、逆変換器12が出力する交流を制御することにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
数値制御部15は、上記検出結果を用いて、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段41を有する。数値制御部15は、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限された(すなわち低い値の)トルク指令でモータが動作するよう、モータ動作指令を変更して出力する。逆変換器制御部14は、このモータ動作指令に基づいて、逆変換器12が出力する交流を制御することにより、上述の第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
ステップS401において、順変換器制御部13内の検出手段21は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力を検出する。次いでステップS402において、順変換器制御部13内の通知手段23は、通信路を介して検出手段21による検出結果を数値制御部15へ通知する。次いでステップS403において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS404において、数値制御部1内の判定手段41は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS405において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS406へ進み、数値制御部15は、予めモータ動作指令で指令された回転トルクよりも低い回転トルクでモータ2が動作するよう、モータ動作指令を変更する。次いでステップS407において、数値制御部15はトルク指令を逆変換器制御部14へ出力する。すなわち、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲内にあることを示す場合は、正常時のトルク指令を出力し、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、上記のように正常時のときよりも低いトルク指令を出力する。次いでステップS408において、逆変換器制御部14は、通信路を介して数値制御部15からトルク指令を受信する。ステップS409では、逆変換器制御部14は、モータ動作指令に従い、逆変換器12内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
本発明の第5の実施例によれば、モータ制御装置1によりスピンドルモータ2−1およびサーボモータ2−2を駆動制御する場合は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるとき、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低い値のトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御することで、輪郭軌跡の制御には関係しないスピンドルモータ2−1の回転トルクを制限するので、サーボモータ2−2で行う輪郭軌跡の制御の形状精度に影響を与えずに、本発明の第1〜第4の実施例による上述の効果を享受することができる。
図11は、本発明の第6の実施例の第1の具体例によるモータ制御装置を示すブロック図である。本発明の第6の実施例の第1の具体例および後述する第2および第3の具体例によるモータ制御装置1では、非切削加工中に順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合は、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1が、予めモータ動作指令で指令されていた回転トルクよりも制限された(すなわち低い)回転トルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御する。一方、切削加工中に順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合は、サーボモータ用逆変換器制御部14−2が、予めモータ動作指令で指令されていた回転速度よりも制限された回転速度でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ用逆変換器12−2により出力される交流を制御する。なお、回転速度指令の制限は、数値制御部15が本来指令していた回転速度指令に、上限値を設けてこれを超える分をカットしたり、あるいは0%より大きく100%未満の比率を乗算したりすることにより実現すればよい。
このように、本発明の第6の実施例の第1〜第3の具体例において、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合にモータ動作指令に規定された動作レベル(回転トルクもしくは回転速度)の制限を行うモータを、非切削加工中はスピンドルモータ2−1の回転トルクとし、切削加工中はサーボモータ2−2の回転速度(送り速度)としたのは次の理由による。すなわち、工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータ2−1と輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータ2−2とを用いて切削加工を行う工作機械において、重切削を行っている際に、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合に仮にスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令の制限を行うと、トルク不足からスピンドルモータ2−1が停止してしまい、これ以上切削加工が継続できなくなる可能性がある。そこで、切削加工中に順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合には、スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令を制限するのではなく、サーボモータ用逆変換器制御部14−2でサーボモータ2−2の送り速度についての指令すなわち回転速度指令を下げることで、切削加工中にスピンドルモータ2−1の切削負荷を下げ、モータが停止するような事態を回避しながら、順変換器11の交流側に許容量を超えた過大な電流が流れることを防ぐ。一方、非切削加工中は、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合にスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1でトルク指令を制限しても、加減速トルクが制限され、加減速時間が延びるなどの状況にはなるものの、それは加工には問題は生じない。
数値制御部15は、上記検出結果を用いて、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段41を有する。数値制御部15は、判定手段41による判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更してスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1へ出力し、また、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い値の回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。
ステップS701において、数値制御部15は、順変換器制御部13から通信路を介して、検出手段21による検出結果を受信する。次いでステップS702において、数値制御部1内の判定手段41は、検出手段21による検出結果に基づき、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する。ステップS703において、上記判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、ステップS704へ進み、そうではない場合はステップS707へ進む。ステップS704において、数値制御部15は、現在、切削加工中にあるか否かを判定する。切削加工中である場合はステップS706へ進み、非切削加工中である場合はステップS705へ進む。ステップS705では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低い値のトルクでスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ2−1に対するモータ動作指令を変更する。ステップS706では、数値制御部15は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い値の回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更する。ステップS707では、各モータ動作指令をスピンドルモータ用逆変換器制御部14−1およびサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。スピンドルモータ用逆変換器制御部14−1は、受信したモータ動作指令に従い、スピンドルモータ用逆変換器12−1内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力し、サーボモータ用逆変換器制御部14−2は、受信したモータ動作指令に従い、サーボモータ用逆変換器12−2内のスイッチング素子のオンオフを制御するためのスイッチング信号を出力する。
スピンドルモータ用逆変換制御部14−1は、通知された判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、数値制御部15から出力されたモータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも低いトルク指令でスピンドルモータ2−1が動作するよう、スピンドルモータ用逆変換器12−1により出力される交流を制御する。また、数値制御部15は、通知された判定結果が、順変換器11に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、切削加工中は、予めモータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも低い回転速度指令でサーボモータ2−2が動作するよう、サーボモータ2−2に対するモータ動作指令を変更してサーボモータ用逆変換器制御部14−2へ出力する。
本発明は、工作機械の駆動軸ごとにモータを有する工作機械システムにおいて、これらモータ(スピンドルモータおよびサーボモータ)を、入力された交流を直流に変換する順変換器と、順変換器から出力された直流を各モータの駆動電力としてそれぞれ供給される交流に変換する逆変換器と、を有するモータ制御装置で駆動する場合に適用することができる。また、本発明は、工作機械以外にも、その他の産業機械、あるいは各種ロボット内のモータを駆動するモータ制御装置にも適用することができる。

Claims (10)

  1. 入力された交流を直流に変換して出力する順変換器と、
    前記順変換器が出力した直流をモータの駆動のための交流に変換して出力する逆変換器およびその制御部と、
    モータの動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部と、
    を備え、
    前記逆変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは交流が所定の範囲外にあるとき、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記逆変換器により出力される交流を制御することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記数値制御部により動作が指令されるモータは、サーボモータおよびスピンドルモータであり、
    前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、前記サーボモータの駆動のために設けられた前記逆変換器により出力される交流を制御するサーボモータ用の前記逆変換器制御部および前記スピンドルモータの駆動のために設けられた前記逆変換器により出力される交流を制御するスピンドルモータ用の前記逆変換器制御部のうち、前記スピンドルモータ用の逆変換器制御部が、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記逆変換器により出力される交流を制御する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を前記逆変換器制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記逆変換器制御部は、前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、前記数値制御部から出力された前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記逆変換器により出力される交流を制御する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果を前記逆変換器制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記逆変換器制御部は、前記検出結果を用いて、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、前記判定手段による判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、前記数値制御部から出力された前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記逆変換器により出力される交流を制御する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  5. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を前記数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記数値制御部は、前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合は、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記モータ動作指令を変更して出力する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果を前記数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記数値制御部は、前記検出結果を用いて、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令でモータが動作するよう、前記モータ動作指令を変更して出力する請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  7. 工具もしくはワークの回転を行うスピンドルモータと輪郭軌跡の制御に用いるサーボモータとを用いて切削加工を行う工作機械におけるモータ制御装置であって、
    入力された交流を直流に変換して出力する順変換器と、
    前記順変換器が出力した直流を前記スピンドルモータの駆動のための交流に変換して出力するスピンドルモータ用逆変換器およびその制御部と、
    前記順変換器が出力した直流を前記サーボモータの駆動のための交流に変換して出力するサーボモータ用逆変換器およびその制御部と、
    スピンドルモータおよびサーボモータの動作を指令するモータ動作指令を出力する数値制御部と、
    を備え、
    前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にある場合、非切削加工中は、前記スピンドルモータ用逆変換器制御部が、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令で前記スピンドルモータが動作するよう、前記スピンドルモータ用逆変換器により出力される交流を制御し、切削加工中は、前記サーボモータ用逆変換器制御部が、予め前記モータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令で前記サーボモータが動作するよう、前記サーボモータ用逆変換器により出力される交流を制御することを特徴とするモータ制御装置。
  8. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を前記数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記数値制御部は、前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令で前記スピンドルモータが動作するよう、前記スピンドルモータに対する前記モータ動作指令を変更して前記スピンドルモータ用逆変換器制御部へ出力し、切削加工中は、予め前記モータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令で前記サーボモータが動作するよう、前記サーボモータに対する前記モータ動作指令を変更して前記サーボモータ用逆変換器制御部へ出力する請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果を前記数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    前記数値制御部は、通知された前記検出結果を用いて、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段を有し、前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、予め前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令で前記スピンドルモータが動作するよう、前記スピンドルモータに対する前記モータ動作指令を変更して前記スピンドルモータ用逆変換器制御部へ出力し、切削加工中は、予め前記モータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令で前記サーボモータが動作するよう、前記サーボモータに対する前記モータ動作指令を変更して前記サーボモータ用逆変換器制御部へ出力する請求項7に記載のモータ制御装置。
  10. 前記モータ制御装置において、前記順変換器は順変換器制御部を備え、
    前記順変換器制御部は、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力を検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づき、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を前記スピンドル用逆変換器制御部および前記数値制御部へ通知する通知手段と、を有し、
    通知された前記判定結果が、前記順変換器に入力された交流の電流もしくは電力が所定の範囲外にあることを示す場合、非切削加工中は、前記スピンドルモータ用逆変換制御部が、前記数値制御部から出力された前記モータ動作指令で規定されていたトルク指令よりも制限されたトルク指令で前記スピンドルモータが動作するよう、前記逆変換器により出力される交流を制御し、切削加工中は、前記数値制御部が、予め前記モータ動作指令で規定されていた回転速度指令よりも制限された回転速度指令で前記サーボモータが動作するよう、前記サーボモータに対する前記モータ動作指令を変更して前記サーボモータ用逆変換器制御部へ出力する請求項7に記載のモータ制御装置。
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