JP2013153398A - 超音波振動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超音波振動の伝搬時間を正確に測定できる超音波振動体を提供すること。
【解決手段】 超音波振動体1の炭素繊維複合材料2側をステンレス容器6の側面に接触媒質であるシリコン系グリースを介して接触させた。なお、超音波振動体1の中心軸位置をステンレス容器6の底面から高さ約40mmにする。次に超音波振動体1の圧電素子3に印加電圧が2MHz、10Vp−pのsin波パルスを印加する。その結果、超音波は、炭素繊維複合材料2、ステンレス容器6を伝搬し、純水9に伝搬し、対向するステンレス容器6の内面でほとんどが反射して再び純水9中に伝搬し、ステンレスを伝搬し炭素繊維複合材料2を伝搬し圧電素子3に伝搬する。前記圧電素子3に伝搬した超音波振動により、圧電素子3に電圧が発生し、受信波形が得られる。
【選択図】図5

Description

本発明は、超音波振動体に関するものである。超音波振動体は、超音波レベル計、超音波厚さ計、超音波濃度計、超音波魚群探知機そして超音波流量計などの計測器で用いられる。
超音波振動の伝播時間を測定することによる計測器において、超音波レベル計は、容器内の液面の位置を測定する。超音波厚さ計は、対象物の厚さを測定する。超音波濃度計は対象物の濃度を測定する。超音波魚群探知機は海水中の対象物の位置を測定する。そして超音波流量計は流体の流量を測定する。
特許文献1は、受信感度の感度を示すS/Nを上げ、トリガのかけ易さを示す波形の立ち上がり特性を良好にする超音波流量計の構成を説明している。整合層の厚さを、整合層の音速(m/s)と超音波の周波数(Hz)から求められる整合層材料の波長λ(m)の0.18λ以上で0.22λ以下、好ましくは0.2λとすると記載されている。
特許文献2は、トリガ法と相関法を併用した伝搬時間差式の超音波流量計について記述してある。その中で、トリガ法は、受信波形から直接時間差を求めるという点から、高精度な計測が可能であるという反面、流体に異物や気泡などが混入し、受信波形が乱れた場合に計測ができなくなりやすいという欠点がある。しかし、相関法は両波形を相関した波形から求めているため、ある程度の異物や気泡などが混入しても計測可能であるが、トリガ法ほどの精度が得られないという欠点を持つと記載ある。
特許文献3、特許文献4は、繊維複合材料中の高弾性繊維の配向方向の音響振動を抑制し、該高弾性繊維と直交する方向の音響振動を優先的に伝達する圧電振動体について記載されている。
特開2001−330485号公報 特開2010−38667号公報 特開平7−284198号公報 WO2004/075753号公報
超音波便覧編集委員会、「超音波便覧」、丸善株式会社、平成11年8月、p346−347
しかし振動損失の小さい(機械的品質係数の大きい)材料、例えばステンレスのような金属材料では、特許文献1に記述された方法では、受信する超音波振動の立ち上がりが十分ではない。
また、特許文献2のトリガ法と相関法を併用した伝搬時間差式を併用する方式においても受信波形の立ち上がりが悪いと、常に相関法を用いることになり精度の高い伝播時間差を求められないという問題点がある。
さらに、整合特性の最も良好である材料の1つである整合材料である繊維複合材料を、超音波の伝搬方向に繊維複合材料中の繊維を直交する方向に繊維を配置する方法を用いても受信波形の立ち上がりが十分でない場合もあり、そして超音波伝搬損失が大きく、十分な感度が取れないという問題点がある。
そこで、受信波形の立ち上がり特性を向上させるため、繊維複合材料の使用する方法を従来の方法と異ならせることにより上記の問題点を解決する方法を考案した。
本発明は、樹脂もしくは樹脂の炭素化物からなる母材中に引張り弾性率が100GPa以上の複数の高弾性繊維がそれぞれ同一方向に配向し、その高弾性繊維の配向方向が圧電素子との接合面に垂直である繊維複合材料と圧電素子を接合してなる超音波振動体とするものである。
本発明はまた、円柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維を配向させ、柱方向の長さを直径より大きくする超音波振動体とするものである。
本発明はまた、多角形柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維を配向させ、柱方向の長さを多角形の辺の長さより大きくする超音波振動体とするものである。
本発明はまた、円柱状の繊維複合材料に柱方向に繊維を配向させ、柱方向の長さを直径以下で0.2mmより長くする超音波振動体とするものである。
本発明はまた、多角形柱状の繊維複合材料の柱方向に繊維を配向させ、柱方向の長さを多角形の辺の長さ以下にして、0.2mmより長くする超音波振動体とするものである。
本発明はまた、高弾性繊維が炭素繊維もしくは炭素含有繊維とする超音波振動体とするものである。
本発明の超音波振動体によれば、受信波形の立ち上がりが急峻であり、かつ超音波振動の伝搬損失が小さいためトリガ法を用いて伝搬時間差を高精度に測定できる。
本発明による超音波振動体を評価する構成である。 図1の超音波振動体を伝搬した超音波の受信波形である。 図2の受信波形から求めた音速である。 図1の構成において超音波振動体の長さと検出電圧の関係を示すグラフである。 ステンレス容器に超音波振動子を取り付けた平面図である。 図5の側面図である。 炭素繊維複合材料を用いた超音波振動子を示す平面図である。 図7でのA−A線での断面を示す図である。 図5の構成での受信波形である。 PFA容器に本発明の超音波振動体を用いた超音波振動子を取付けたことを示す断面図である。 図10での構成においての受信波形である。 曲がった超音波振動体を示す斜視図である。 傾斜した超音波振動体を示す斜視図である。
本発明の形態である基本的な構成を図1の斜視図を用いて説明する。本発明は図1(a)の構成であるが、比較のため図1(b)、図1(c)そして図(d)の構成についても説明する。図1(a)は、炭素繊維複合材料2の超音波伝搬方向の両側にエポキシ樹脂7により圧電素子3a、3b直径10mmそして厚さ1mmを接着する。炭素繊維複合材料2は長さ40mm、幅10mmそして高さ10mmである。そして炭素繊維複合材料2の超音波伝搬方向と同じ方向(図中の2点鎖線)に炭素繊維を配向させている。
図中に記した座標軸X、Y、Zを用いて図1(a)を説明する。炭素繊維複合材料2のX方向の長さは40mm、Y方向の長さが10mmそしてZ方向の長さは10mmである。そして炭素繊維複合材料2のX方向の両側にエポキシ樹脂7により圧電素子3a、3b直径10mmそして厚さ1mmを接着する。炭素繊維複合材料2の炭素繊維はX方向に配向している。
前記圧電素子3は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。そして両面に銀電極を焼付けにより設けている。また銀電極面に垂直である方向に分極されている。
ここで炭素繊維複合材料2中の超音波伝搬を観察する方法について説明する。まず圧電素子3aに2MHz、10Vp−pのサイン波パルスを印加する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維方向と同じ方向に超音波は伝搬し、圧電素子3bに伝搬し、圧電効果により電圧を発生させる。この電圧をオシロスコープにより測定することにより波動を観察する。そして図2(a)に観察した波形を示す。ここでは最大電圧が2波目であり約1.12Vp−pであった。
X、Y、Zを用いて図1(b)を説明する。炭素繊維複合材料2のX方向の長さは40mm、Y方向の長さが10mmそしてZ方向の長さは10mmである。そして炭素繊維複合材料2のX方向の両側にエポキシ樹脂7により圧電素子3a、3b直径10mmそして厚さ1mmを接着する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維はY方向に配向している。超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中の炭素繊維の配向方向とは直交している。[0025]
前記圧電素子3は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。そして両面に銀電極を焼付けにより設けている。また銀電極面に垂直である方向に分極されている。
ここで炭素繊維複合材料2中の超音波伝搬を観察する方法について説明する。まず圧電素子3aに2MHz、10Vp−pのサイン波パルスを印加する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維方向と直交する方向に超音波は伝搬し、圧電素子3bに伝搬し、圧電効果により電圧を発生させる。この電圧をオシロスコープにより測定することにより波動を観察する。そして図2(b)に観察した波形を示す。ここでは最大電圧が3波目であり約0.039Vp−pであった。
X、Y、Zを用いて図1(c)を説明する。炭素繊維複合材料2のX方向の長さは40mm、Y方向の長さが10mmそしてZ方向の長さは10mmである。そして炭素繊維複合材料2のX方向の両側にエポキシ樹脂7により圧電素子3a、3b直径10mmそして厚さ1mmを接着する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維はX方向とY方向の2方向に配向している。超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中のX方向に配向した炭素繊維の配向方向は同じであり、超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中のY方向に配向した炭素繊維の配向方向とは直交している。
前記圧電素子は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。そして両面に銀電極を焼付けにより設けている。また銀電極面に垂直である方向に分極されている。
ここで炭素繊維複合材料2中の超音波伝搬を観察する方法について説明する。まず圧電素子3aに2MHz、10Vp−pのサイン波パルスを印加する。炭素繊維複合材料2中に超音波は伝搬し、圧電素子3bに伝搬し、圧電効果により電圧を発生させる。この電圧をオシロスコープにより測定することにより波動を観察する。そして図2(c)に観察した波形を示す。ここでは最大電圧が5波目であり約0.146Vp−pであった、また波形が乱れているが、これは炭素繊維複合材料2中の炭素繊維の配向方向が、超音波の伝搬方向と同じ方向に配向しているものと、直交しているものが存在することによるものであると考えられる。
X、Y、Zを用いて図1(d)を説明する。炭素繊維複合材料2のX方向の長さは40mm、Y方向の長さが10mmそしてZ方向の長さは10mmである。そして炭素繊維複合材料2のX方向の両側にエポキシ樹脂7により圧電素子3a、3b直径10mmそして長さ1mmを接着する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維はY方向とZ方向の2方向に配向している。超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中のY、Z方向に配向した炭素繊維の配向方向とは直交している。
前記圧電素子は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。そして両面に銀電極を焼付けにより設けている。また銀電極面に垂直である方向に分極されている。
ここで炭素繊維複合材料2中の超音波伝搬を観察する方法について説明する。まず圧電素子3aに2MHz、10Vp−pのサイン波パルスを印加する。炭素繊維複合材料2中の炭素繊維方向と直交方向に超音波は伝搬し、圧電素子3bに伝搬し、圧電効果により電圧を発生させる。この電圧をオシロスコープにより測定することにより波動を観察する。そして図2(d)に観察した波形を示す。ここでは最大電圧が3波目であり約0.051Vp−pであった。
ここで、炭素繊維複合材料2の材料物性を表1に示す。一方向とあるのは炭素繊維複合材料2中に炭素繊維がX方向にだけ配置しているものである。直交とあるのは、炭素繊維複合材料2中に炭素繊維がY方向とZ方向にだけ配置しているものである。
Figure 2013153398
図2(a)、図2(b)、図2(c)そして図2(d)より超音波の伝播時間と音速、そして受信波形で最大ピークを持つ受信波数とそのピーク値を表2にまとめた。受信波形を10波以下としたのは、トリガ法と関連するものである。なお、音速は例えば図2(a)の構成において炭素繊維複合材料2の長さを5mm、10mm、20mm、30mmを追加して伝播時間を測定して図3のグラフを作成し、直線回帰式を求めることにより算出した。
伝搬時間の測定法にトリガ波を用いてゼロクロス点を測定することによりnsオーダーまで精密に伝播時間を測定されると非特許文献1に記載されている。
Figure 2013153398
ここでULとは図1(a)の構成、UTは図1(b)の構成、LTは図1(c)の構成、TTは図1(d)の構成を示すものである。
以上の結果より、超音波振動の減衰の小さい材料は炭素繊維の方向が超音波伝搬方向と同じものであり、炭素繊維の配向方向が超音波伝搬方向に直交するものは、減衰が大きくなる。したがって、超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中の炭素繊維の配向方向が同じであるときだけが超音波振動の減衰の小さい材料になる。
また炭素繊維は、炭素繊維複合材料2中では、連続であることが望ましい。なぜなら、連続でない場合、樹脂が炭素繊維の間に入り込み、超音波振動を減衰させる。
ここで受信波形の立ち上がりを受信波形のピークの最大である波数で表現する。表2で示すように超音波伝搬方向と炭素繊維複合材料2中の炭素繊維の配向方向が同じであるとき、2波目のピークの電圧値が最大である。他のUT、TTは、3波目であり、LTが5波目である。LTは炭素繊維複合材料2中に超音波伝搬方向と同じ方向に配向した繊維と直交する方向に配向した繊維がある。これにより伝搬経路が複雑になり受信波形が乱れたと考えられる。10波目までに最大のピークがないということは、立ち上がりの悪い波形であるので、10波目までに最大のピークがない波形は、トリガ法を用いることができないと判断することができる。
以上のように超音波伝搬の損失の小さいことと受信波形の立ち上がりの両者が良好であるのは、異方性のある繊維複合材料中の炭素繊維が超音波伝搬方向だけに配向しているものだけであることがわかる。
そして、炭素繊維複合材料2の形状においては、円柱である場合は、直径より長さが大きいことが望ましい。これは、基本振動を長さ方向の振動モードにするためである。こうすることで炭素繊維複合材料2の特徴を繊維方向と形状によるものとを一致させることでさらにその特徴を強めることができる。また多角形柱状の場合は、最大の辺の長さより、柱の長さを大きくすることにより基本振動を柱の長さ方向の振動モードにする。さらに多角形柱状の場合、四角形以上は対角線での最大の長さより、柱の長さを大きくすることにより、より確実に基本振動を柱の長さ方向の振動モードにすることができる。
図4は、図1の構成での超音波伝搬長さと検出電圧の関係を示すが、ULは、炭素繊維複合材料2の長さが10mm以上になると他のUT、LT、TTと比較して、2倍以上の検出電圧が得られ、さらに長くなると他との差が大きくなる。これは、材料の伝搬損失に形状の効果が付加されたものによると考える。
そこで、炭素繊維複合材料2の形状の影響が、円柱の場合は、柱の長さと直径の大きさが等しい位置を境界にして異なると考えられる。多角形柱の場合は辺の長さまたは対角線の長さと柱の長さが等しい位置を境界にして異なると考えられる。つまり円柱の場合は、柱の長さが直径の大きさより大きいと柱の長さ方向の振動が基本モードになるため、超音波は柱の長さ方向により伝搬する。そして柱方向に配向した炭素繊維を持つので炭素繊維複合材料2の柱方向の振動損失は小さくなる。以上の2点の相乗効果によりこの構成だけがきわめて優れた超音波振動子となると考えられる。
円柱の長さが直径の大きさ以下である場合、基本振動モードは、径方向の振動であり炭素繊維の方向とは直交する。したがって炭素繊維の効果のみが強く現れると考えられる。炭素繊維は高弾性である効果より波形の立ち上がりが良くなることが考えられる。
多角形柱の場合にも同様であり、柱の長さが辺または対角線の大きさより大きい場合は、伝搬波形も良好そして受信感度も高くなると考えられる。柱の長さが辺または対角線の大きさ以下であるときは、高弾性繊維の効果で波形の立ち上がりが良くなることが考えられる。
次に、圧電素子3と炭素繊維複合材料2を接合した超音波振動子からステンレスへの超音波伝搬特性について説明する。通常、伝搬特性を向上させるために整合層は伝搬する振動の波長の1/4の長さに設定する。しかし、ここでは整合という概念を用いないで、超音波を伝搬させる新しい概念によるものであるから超音波振動子を構成する炭素繊維複合材料2の長さを0.21mmから40mmまでの広い範囲の波形と感度を観察する。
図5の平面図、図6の側面図を用いて説明する。ステンレス容器6の寸法は、内側が長さ100mm、幅70mmそして高さが100mmであり、そしてステンレス容器6の厚みは6mmである。また純水9が容器の底から約80mmの高さの位置まである。
図7の平面図と図7のA−A線での断面を示す図8を用いて超音波振動体1を説明する炭素繊維複合材料2は10mm角、長さ0.21mmから40mmまでのものである。また炭素繊維は面に垂直方向であり長さ方向に配向させている。つまり超音波伝播方向と同じ方向に炭素繊維は配向したものである。そして炭素繊維複合材料2の一方の面にエポキシ樹脂7により圧電素子3を接合し、超音波振動体1を構成する。
圧電素子3は直径10mmで厚さが1mmであり、材料は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。炭素繊維複合材料2と圧電素子3を図7、図8のようにそれぞれの面の中心を一致させエポキシ樹脂7により接合する。炭素繊維複合材料2と圧電素子3を接合した構成は超音波振動体1となる。
上記に説明した超音波振動体1の炭素繊維複合材料2側をステンレス容器6の側面に接触媒質であるシリコン系グリースを介して接触させた。なお、超音波振動体1の中心軸位置をステンレス容器6の底面から高さ約40mmにする。
次に超音波振動体1の圧電素子3に印加電圧が2MHz、10Vp−pのsin波パルスを印加する。その結果、超音波は、炭素繊維複合材料2、ステンレス容器6を伝搬し、純水9に伝搬し、対向するステンレス容器6の内面でほとんどが反射して再び純水9中に伝搬し、ステンレスを伝搬し炭素繊維複合材料2を伝搬し圧電素子3に伝搬する。
前記圧電素子3に伝搬した超音波振動により、圧電素子3に電圧が発生し、図9で示す受信波形が得られる。図9aは炭素繊維複合材料2の厚さが0.21mmであり、図9bは0.43mm、図9cが40mmの受信波形を示す、そして図8dは炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3をステンレス容器6にシリコン系グリースを介して接触させたときの受信波形である。
実際に受信波形を観察したのは、炭素繊維複合材料2の厚さ、0.21mm、0.43mm、0.86mm、1.72mm、3.42mm、5.14mm、6.85mm、8.58mm、10.3mm、12.0mm、13.7mm、20mm、30mm、40mmの14種類である。それに炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3をステンレス容器6にシリコン系グリースを介して接触させたときの受信波形である。
炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3(直径10mm、厚さ1mm)をステンレス容器にシリコン系グリースを介して接触させたときの受信波形は、プラス側のピーク電圧は17.8mVであった。これと比較して炭素繊維複合材料2の厚さが0.21mmの受信波形はほぼ同じでありプラス側のピーク電圧は8.38mVであった。したがって厚さが0.21mmの炭素繊維複合材料2は、ほぼ負荷になっているだけであり超音波伝播体としては作用していない。超音波伝播体の作用とは、従来の材料に比較して受信波形の立ち上がりが良くなっていること、または受信感度が高くなっていること、あるいはもちろん両方でも良い。
炭素繊維複合材料2の厚さが0.43mmである受信波形は3波目にプラス側の第1のピーク電圧は15.8mVであり、7波目にプラス側の第2のピーク電圧は20.4mVである。厚さが0.43mmの炭素繊維複合材料2は、同等以上の受信電圧を持ち、トリガが可能なピークが3波目にある。したがって超音波振動体としての作用がある。
さらに炭素繊維複合材料2の長さが40mmの受信波形は、2波目にプラス側のピーク電圧があり、10.7mVである。波形はトリガ法に適している。SN比が良好であるため受信波形を増幅することによりさらに適した波形になる。受信電圧を上げる他の手段としては、駆動電圧を大きくする。例えば印加電圧を2MHz、30Vp−pのsin波パルスにすることである。
トリガ法に適しているとは、次に説明する状態である。前後の波より高い電圧値を持つ波のピーク電圧値が、前の波形より電圧値が大きさでだけでなく、ピーク電圧値と前の波の中で最も大きい電圧値との比較が重要である。トリガ法にとっては、前の波の電圧値をノイズと考えることができるのでSN比と同様の取り扱いができる。したがってピーク電圧値と前の波と比較した電圧比が大きいことの両方が望まれる。
そこで波形のSN比が高ければ、波形を電気的に増幅することにより、トリガ法に適した波形にすることができる。
比較のためにステンレス棒10mmφ長さ40mmの片方に端面に直径10mmで厚さが1mmの圧電素子3をエポキシ樹脂7で接合し、上と同様のことをして受信波形を観察したが、ステンレスを伝搬する大きなノイズのため小さな受信波形を確認できなかった。
さらに比較のためにアクリル棒10mmφ長さ40mmの片方に端面に直径10mmで厚さが1mmの圧電素子3をエポキシ樹脂7で接合し、上と同様のことをして受信波形を観察したが、アクリルを伝搬する低周波の大きな受信波形に非常に小さい信号となる波形が乗ってしまい、トリガ法を用いることができない。
したがって、炭素繊維複合材料2の長さが40mmの受信波形は、従来の材料に比較して受信波形の立ち上がりが良くなっていること、そして受信感度が高くなっていることから超音波振動体としての作用がある。
炭素繊維複合材料2の長さが40mmでも超音波の送受信に使用できるということは、例えば200℃の流体を収納する容器に接する超音波振動体1としては非常に有効である。容器に接する炭素繊維複合材料2の温度が200℃でも圧電素子3と接する炭素繊維複合材料2の温度はかなり低くなるので通常の圧電素子3を用いることができる。また圧電素子3の温度変化が小さくなるため測定精度を高めることができる。このような高温用途は、超音波流量計、超音波レベル計などがある。また、さらに高い温度で使用される場合は、炭素繊維複合材料2の母材である有機材料を不活性雰囲気で熱処理することにより炭素化または一部炭素化することにより炭素繊維複合材料2の耐熱性を高める。
炭素繊維複合材料2の形状の作用を考えない10mm以下の長さで、炭素繊維複合材料2内の炭素繊維の効果により立ち上がり特性を改善できたことを確認した。その長さは0.42mmであったが、0.21mmでは確認できなかった。したがって形状の作用を考えない10mm以下の厚さで0.2mmより大きい長さが必要であることが明らかになった。
炭素繊維複合材料2の形状の作用を利用できると考える10mm以上の厚さで、炭素繊維複合材料2内の炭素繊維の効果により立ち上がり特性を改善できたこと、そして受信感度を高めることができることを確認した。その長さは40mmであった。上限は実際に使用するときの問題である。実際、炭素繊維複合材料2の長さを60mmにして同じように測定した結果、2波目にプラス側のピーク電圧があり、14.8mVである。波形は40mmよりさらによくなった。
さらに、超音波振動体1の炭素繊維複合材料2からPFAへの超音波伝搬特性について説明する。通常、伝搬特性を向上させるために整合層は伝搬する振動の波長の1/4の長さに設定する。しかし、ここでは整合という概念を用いないで、超音波を伝搬させる新しい概念によるものであるから、炭素繊維複合材料2の長さを0.21mmから40mmまでの広い範囲での波形と感度を観察する。
図10の断面図を用いて説明する。図10に示す全体をPFA容器8という。PFA(ポリテトラフルオロエチレン)製の円管の寸法は、内径が4mm、外径16mmそして超音波を送受信する長さが約60mmである。また超音波振動体1と流体との間のPFAの長さは3mmである。そして炭素繊維複合材料2と接する面の距離が92mmである。円管内の流体は純水9である。
そして、前記と同様に炭素繊維複合材料2は10mm角、厚さ0.21mmから40mmまでの長さである。また炭素繊維は超音波伝播方向と同じ方向に配向したものである。そして超音波振動体1は、炭素繊維複合材料2の一方の面にエポキシ樹脂7により圧電素子3を接合した。
圧電素子3は直径10mmで厚さが1mmであり、材料は鉛系の圧電セラミックであり、機械的品質係数Qmが約80のLowQ材である。図のように炭素繊維複合材料2と圧電素子3をエポキシ樹脂7により接合して超音波振動体1を作成した。
上記に説明した超音波振動体1をPFAに接触媒質であるシリコン系グリースを介して接触面を炭素繊維複合材料2として接触させた。
次に超音波振動体1の圧電素子3aに印加電圧が2MHz、10Vp−pのsin波パルスを印加する。その結果、超音波は、炭素繊維複合材料2、PFAを伝搬し、純水9に伝搬し、対向するPFA面伝搬し、炭素繊維複合材料2を伝搬し圧電素子3bに伝搬する。
前記圧電素子3bに伝搬した超音波振動により、圧電素子3bに電圧が発生し、図11で示す受信波形が得られる。図11aは炭素繊維複合材料2の厚さが0.21mmであり、図11bは0.43mm、図11cが40mm、そして図11dは炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3a、3bをPFAにシリコン系グリースを介して接触させたときの受信波形である。
ここで炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3a、3bをPFAにシリコン系グリースを介して接触させたときの受信波形において、7波目にプラス側のピークがあり電圧は7.10mVであった。これと比較して炭素繊維複合材料2の長さが0.21mmの受信波形はほぼ同じであるが4波目にプラス側のピークがあり、プラス側のピーク電圧は10.8mVであった。1波目からピーク電圧をもつ4波目の電圧の増加が緩やかであるためトリガ法には適さない波形である。長さ0.21mmの炭素繊維複合材料2は、少し改善されているが超音波伝播体としては目立った作用はしていない。
炭素繊維複合材料2の厚さが0.43mmの受信波形は、3波目にプラス側のピーク電圧に9.38mVを持つ。したがって厚さが0.43mmの炭素繊維複合材料2は、炭素繊維複合材料2を使用しないで直接圧電素子3a、3bをPFAにシリコン系グリースを介して接触させたときと同等以上の受信電圧を持ち、トリガが可能なピークが3波目にある。したがって超音波振動体としての作用がある。
炭素繊維複合材料2の長さが40mmの受信波形は、3波日にプラス側のピーク電圧があり、5.2mVである。波形はトリガ法に適している。SN比が良好であるため受信波形を増幅することによりさらに適した波形になる。受信電圧を上げる他の手段としては、駆動電圧を大きくする。例えば印加電圧を2MHz、30Vp−pのsin波パルスにすることである。
比較のためにステンレス棒10mmφ長さ40mmの片方に端面に直径10mmで厚さが1mmの圧電素子3をエポキシ樹脂7で接合し、上と同様のことをして受信波形を観察したが、ほとんど受信波形を確認できなかった。
さらに比較のためにアクリル棒10mmφ長さ40mmの片方に端面に直径10mmで厚さが1mmの圧電素子3をエポキシ樹脂7で接合し、上と同様のことをして受信波形を観察したが、ほとんど受信波形を確認できなかった。
したがって、炭素繊維複合材料2の長さが40mmの受信波形は、従来の材料に比較して受信波形の立ち上がりが良くなっていること、そして受信感度が高くなっていることから超音波振動体としての作用がある。
炭素繊維複合材料2の形状の作用を考えない10mm以下の長さで、炭素繊維複合材料2内の炭素繊維の効果により立ち上がり特性を改善できたことを確認した。その長さは0.42mmであったが、0.21mmでは十分に確認できなかった。したがって形状の作用を考えない10mm以下の厚さで0.2mmより大きい長さが必要であることが明らかになった。
炭素繊維複合材料2の形状の作用を利用できると考える10mm以上の厚さで、炭素繊維複合材料2内の炭素繊維の効果により立ち上がり特性を改善できたこと、そして受信感度を高めることができることを確認した。その長さは40mmであった。上限は実際に使用するときの問題である。
ここで炭素繊維複合材料2中の炭素繊維の配向方向は、超音波伝搬方向と同じであることが望ましいが、望ましい方向に対して5度以内なら誤差として許容されると考えられる。
また図12に示すように炭素繊維複合材料2の中心軸が直線状でなくても炭素繊維複合材料2の伝搬方向に図中の矢印で示すように繊維を配向させれば本発明の超音波振動体の効果が得られる。
引張り弾性率が100Gpaを超える高弾性繊維は、炭素繊維だけではなく例えばSiC繊維、アルミナ繊維、パラ系アラミド繊維、PBO繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維などある。したがって炭素繊維以外の複合材料も使用できる。
上記では圧電素子として圧電セラミックを用いたが、ニオブ酸リチウムなどのような圧電単結晶、PVDFのような有機圧電材料、圧電セラミックとプラスチックの複合圧電材料も使用できる。
また図13に示すように炭素繊維複合材料が傾斜していても図中の矢印で示すように繊維を配向させれば本発明の超音波振動体の効果が得られる。
また図5、図6に示した構成は、超音波レベル計として使用できる。
また図10に示した構成は、超音波流量計として使用できる。
以上述べたように本発明の超音波振動体を用いることで、トリガ法を用いて超音波の伝搬時間を高精度に測定できる。そして超音波の伝搬時間を測定する測定装置である超音波流量計、超音波レベル計、超音波濃度計などに好適に用いることができる。
1 超音波振動体
2 炭素繊維複合材料
3 圧電素子
4 炭素繊維
5 受信波形
6 ステンレス容器
7 エポキシ樹脂
8 PFA容器
9 純水
10 繊維の配向方向

Claims (6)

  1. 樹脂もしくは樹脂の炭素化物からなる母材中に引張り弾性率が100GPa以上の複数の高弾性繊維がそれぞれ同一方向に配向し、その高弾性繊維の配向方向が圧電素子との接合面に垂直である繊維複合材料と圧電素子を接合してなる超音波振動体。
  2. 円柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維が配向しており、柱方向の長さが直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動体。
  3. 多角形柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維が配向しており、柱方向の長さが多角形の辺の長さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動体。
  4. 円柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維が配向しており、柱方向の長さが直径以下で0.2mmより長いことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動体。
  5. 多角形柱状の繊維複合材料が柱方向に繊維が配向しており、柱方向の長さが多角形の辺の長さ以下であり、0.2mmより長いことを特徴とする請求項1、請求項2に記載の超音波振動体。
  6. 高弾性繊維が炭素繊維もしくは炭素含有繊維であることを特徴とする請求碩1に記載の超音波振動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015093012A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 三菱鉛筆株式会社 複合板とその製造方法

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