JP2013153029A - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の汚染を低減して処理の歩留まりを向上できるプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】真空容器内の下方に配置された試料台の上方の前記処理室内の空間に処理用ガスを供給する供給管路と連結されて連通した不活性ガスの供給経路と、この不活性ガスの供給経路上に配置されこの供給経路を開閉するバルブ及び前記不活性ガスの流量を調節する調節器とを備え、試料の処理の終了に際して前記処理用ガスの供給管路に前記不活性ガスを供給してこの供給管路内の圧力を前記処理用ガスと前記供給管路の内壁を構成する材料との化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板状の試料を処理するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に係り、特に真空容器内部に配置された処理室内に処理用のガスをガス配管を通して供給し処理室内に形成したプラズマを用いて試料をエッチング処理するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法に関する。
半導体デバイスの製造には、プラズマを用いたプラズマ処理装置が広く用いられている。特に、エッチング処理装置では、真空容器内部に配置した処理室内において半導体ウエハが台上に保持され、処理室内に半導体ウエハの上面に予め形成された半導体回路を構成するための薄膜の膜構造の材料の加工に適した処理用ガスが供給されつつ、処理室内に電界または磁界が供給されて処理用ガスの粒子が励起されてプラズマが形成され、膜構造はその上部に配置されたマスクに沿って処理される。
このような半導体ウエハ上の膜構造の処理を行う工程では、半導体回路構造を形成する珪素(以下、Siと表現する)化合物やアルミニウム(以下、Alまたはアルミと表現することがある)合金等に対して反応性の高い物質、例えばハロゲン系の元素を含むガスが用いられることが一般的である。このようなガスを真空容器内部の処理室に供給するガスの供給経路は、ガスと接する部材、特にガス導入経路に使用される部材であるガス供給配管に耐食性に優れた材料、例えば塩素またはこの化合物を組成の元素として含むガスを供給する管路の内壁にはステンレス鋼(SUS316L)が一般に用いられてきた。
一方、このような従来のエッチング装置では、供給用の配管に使用されるステンレス鋼は、これを構成する鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)の元素が処理用ガスと相互反応を生起し、これにより形成された物質がガスの流れに乗って流れ処理室内に持ち込まれて、試料の上面に付着したり、ガスとしてその上面の周囲に残留したりして、試料あるいはこれが搬送される経路上に配置された部材や搬送用のロボットの表面が汚染されてしまうという問題が生じていた。
このような問題に対して、従来のプラズマ処理装置では、反応性が大きな処理用のガスが接する部材の表面には、材料の表面にクロム不動態皮膜を形成したものが用いられてきた。このような従来の技術としては、ステンレス鋼基材の表面に、クロム酸化物、すなわち、クロム(VI)酸化物(CrO3)を化学変化させることにより、クロム(III)酸化物(Cr23)の微細な粒子からなる硬質皮膜を形成するものが知られており、このような技術の例として特許文献1,2,3,4が知られている。
特開昭59−9171号公報 特開昭61−52374号公報 特開昭63−126682号公報 特開昭63−317680号公報
しかしながら、上記の従来の技術では次の点について、考慮が不十分であり問題が生じていた。すなわち、上記の配管の内側壁といった高反応性を有するガスに面する部材の表面に形成されるクロム酸化物等の不動態皮膜は、プラズマ処理装置が運転される際に様々に変化する動作の条件の全てに対して十分な耐腐食性能、不動性を有していなかった。
例えば、上記のガスに面する部材の基質材料(ステンレス鋼)は、試料の処理の温度や圧力といった処理の条件は、試料の表面の処理対象の膜構造に応じて換えられるものであり、このような条件の一部では部材の表面に形成された皮膜の物質が気化、遊離して、処理室内に流入し試料表面に付着してしまうという問題が生じていた。特に、発明者らの検討によれば、塩素または塩化物を含む物質のガスを処理に用いた場合や三フッ化塩素ガスなどのハロゲン系化合物を含むガスを用いて処理室内にプラズマを形成し処理室の内壁に付着した生成物、付着物を取り除く、所謂クリーニングを施したような場合に、配管の内表面を構成する金属の成分による試料の汚染が増大するという知見が得られた。
上記の問題点が生じる点について、上記従来の技術では考慮されていなかった。本発明の目的は、試料の汚染を低減して処理の歩留まりを向上できるプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法を提供することにある。
上記目的は、内部に処理用ガスが供給されてプラズマが形成される処理室と、処理室内に処理用ガスが供給される供給管路と連結されて連通した不活性ガスの供給経路を備え、処理室内での半導体ウエハ等の試料の処理の終了に際して処理用ガスの供給管路に不活性ガスを供給してこの供給管路内の圧力を処理用ガスと供給管路の内壁を構成する材料との化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法により達成される。
本発明の実施例1にかかるプラズマエッチング装置の縦断面図である。 エッチング処理時の動作の流れを示すタイミングチャートである。 エッチング処理時の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施例1においてメンテナンス時の装置停止時における不活性ガス封入動作の流れを示すフローチャートである。 鉄の塩化物の蒸気圧と温度の関係を示す図である。 本発明の実施例2にかかるプラズマエッチング装置の縦断面図である。 本発明の実施例2においてメンテナンス時の装置停止時における不活性ガス封入動作の流れを示すフローチャートである。
本発明の実施の形態を以下図面を用いて説明する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図1乃至5を用いて説明する。本実施例では、真空容器内部に配置された処理室内に電界と磁界とを供給してこれらの相互作用により処理室内に供給されたガスの原子、分子に電子サイクロトロン共鳴(ECR)を生起させてプラズマを形成して試料をエッチング処理するプラズマエッチング装置の例を示すが、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ発生等の他の結合によるプラズマを形成するプラズマ装置においても適用が可能である。
図1は、本発明の実施例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。本実施例のプラズマ処理装置100は、円筒形状を有する真空容器とこの上方または側周囲に配置され真空容器内部に電界または磁界を供給する電磁界発生器と真空容器下方に配置され真空容器内部からのガスを当該容器の外部に排出する排気装置とを備えている。
真空容器は、内部に処理室106を構成する空間を囲む導電性を有した金属を材料として構成され、処理室106の上部であって内部にプラズマが形成される空間である円筒形状の放電室を囲む側壁ブロック115と、この下方に連結されて配置され真空容器の下部を構成する下部容器124と、側壁ブロック115のリング状の上端部の上方で連結された円形状の石英を材料として構成された石英板103とを備えて構成されている。下部容器124は内部の中央部に試料台113が配置され、その下方の底面に処理室106内部と連通され処理室106内のガスやプラズマ、生成物の粒子が排出される開口125が備えられている。
石英板103の上方および側壁ブロック115の外側周囲の大気圧下には放電室または処理室106内に電界または磁界を供給する電磁界発生器が配置されている。電磁界発生器は、石英板103の上方から放電室内に予め定められた周波数の電界を供給するためのアンテナ123およびこれに供給される電力が伝達される伝播路111を備えている。
伝播路111の上端部は、整合器121を介して電源120に電気的に接続されており、電源120により形成された特定の周波数の電力が整合器121により整合された後に伝播路111を通りアンテナ123に印加されるように構成されている。また、伝播路111及び放電室の外周側を囲んでソレノイドコイル112が配置されている。
試料台113は、放電室または側壁ブロック115と中心の位置を合わせて配置された円筒形状を有した部材であり、内部に金属製の円板である基材と基材の内部に配置されて内部を温度が調節された冷媒が通流する冷媒流路を有している。基材の円形の上面には絶縁性材料から構成された皮膜が配置され、その上面は基板状の試料であるウエハWが載せられる円形の載置面を構成している。さらに、基材は電源120と異なる特定の範囲の周波数の高周波電力を形成する高周波電源122と電気的に接続されて、高周波電源122からの電力が印加される基材は試料Wを支持するとともに試料W上に電位を形成する電極である。
試料台113の直下方で下部容器124の内壁により囲まれた処理室106の底面には円形の開口125が配置されており、開口125は下部容器124下方にその底面に連結されて配置されたターボ分子ポンプ等の真空ポンプ108の入口と連通している。真空ポンプ108と開口125との間でこれらを連通する排気通路上には、回転して排気通路の開口、通路の流れ断面積を増減する複数枚のフラップから構成された回転バルブ109−1が配置され、開口125の上方でこれと試料台113の底面との間には、上下に移動して下端位置に移動した状態で開口125を気密に閉塞する円形の板部材により構成された蓋バルブ109−2が配置されている。本実施例では、円形の開口125の直径は試料台113の円筒形の径より小さくされており、蓋バルブ109−2の円形部分の直径も試料台113の円筒形の径より小さくされている。
側壁ブロック115の上端部には下部リング105が石英板103との間に挟まれて載せられており、側壁ブロック115、下部リング105、石英板103の各々の間は、Oリング等のシール部材を配置されて、真空容器外部と処理室106内部との間を気密に区画している。また、プラズマが形成される空間に面した側壁ブロック115の円筒形の内壁に沿ってこれを覆う円筒形の石英等の耐プラズマ性の高い部材から構成されたカバー116が配置されており、カバー116の内壁が形成されたプラズマに面することになる。
さらに、カバー116の上端部は外周側に水平方向(図上左右方向)に延在した板状のフランジ部を有し、このフランジ部の上面には石英製の円形の板状部材であるシャワープレート104がその外周縁部が載せられて、石英板103の下面との間にすき間を開けて保持されている。シャワープレート104は、放電室の天井面を構成して、中心部分であって試料台113の載置面の上方でこれに対向する円形の領域で載置面の径より大きな径の領域に相互に等距離に配置された複数の貫通孔を有している。
下部リング105には、処理室106内部に供給されるガスが内部を流れるパイプを含むガス配管102が連結された貫通孔を有し、処理室106内に供給されるガスは貫通孔を通って下部リング105を介して石英板103とシャワープレート104との間のすき間に導入される。ガス配管102の経路上には、当該ガス配管102内部の流路を開放または遮断するバルブ107が配置されており、処理室106内での処理の断続に応じてガス配管102の流路を開閉する。
ガス配管102は、バルブ107の上流側で複数のガスの導入経路であるガスライン101が合流する合流部を有している。本実施例の複数のガスライン101は、ガスライン101−1〜16までの16個のガスの経路を含み、各々が異なる元素、または組成(異なる種類)の物質のガスが通流する。各々のガスライン101−1〜16の複数を流れる異なる種類のガスは合流部において混合された処理ガスとなってガス配管102内を真空容器に向けて通流する。
各々のガスライン101−1〜16上には、内部を流れるガスの流量、速度を可変に増減する調節器であるマスフローコントローラ101−1b〜16bとその前後に各ラインを開放、閉塞するバルブ101−1a〜16a及び101−1c〜16cとが配置され、さらに上流側において各々ガス源に連結されている。なお、図示していないが、これらのマスフローコントローラ101−1b〜16b、バルブ101−1a〜16a及び101−1c〜16cは、その動作が制御器118により調節される。
また、カバー116の円筒形状部の下端の下方には、導電性の金属により構成された円筒形またはリング状の板部材から構成されたアース部材114が側壁ブロック115の内壁またはカバー116の下端部の内側壁面を覆って配置されている。アース部材114は側壁ブロック115または下部容器124と電気的に接続されるとともに接地されており、放電室内に形成されたプラズマまたは試料台113の電極に対して一定の電位となる電極として作用する。
このような構成のプラズマ処理装置100では、ウエハWの処理を行うに際して、下部容器124の側壁に配置された図示しない開口を通り、ウエハWが図示しない真空容器外部の搬送用のロボットに保持されて試料台113の載置面の上方まで搬送された後、載置面に載せ換えられて保持される。ウエハWの保持は、載置面を構成する絶縁性材料の皮膜の内部に配置された膜状の電極に直流電力が印加されて、絶縁性皮膜を挟んで生成された静電気による吸着力によって行われる。
搬送用のロボットのアーム上に保持され載せられてウエハWが通過して処理室106内に搬入された開口は、下部容器外部からこれを開閉する図示しないゲートバルブの閉塞の動作により外部から気密に区画される。この後、塩素、三塩化ホウ素などの塩素系の物質のガスを組成として含む処理用のガスが、ガス源からマスフローコントローラ101−1b〜16bのいずれかを介してガス配管102を通り、石英板103と石英製のシャワープレート104の間をすき間に導入されて当該すき間の空間内に拡散して充満した後に、シャワープレート104の貫通孔を通って処理室106内に上方から流入する。
処理室106に導入された処理用のガスは、放電室から試料台113の下方まで上下方向に移動した後に、真空ポンプ108の動作によって開口125から外部に排気される。排気されるガスの量、速度は、真空ポンプ108の回転数と回転バルブ109−1の回転角度に応じた開口の面積とにより変化する。
処理室106内部には試料台113上方の貫通孔からガスが供給されつつ下方の開口から真空ポンプ108によりガスが排出される。貫通孔からの処理用ガスの供給の量、速度と開口125からの排気の量、速度とのバランスにより、処理室106内部の圧力の値や真空度が調節される。処理室106内の圧力がその後に実施される処理の条件に適切な値にされた後、電源120から伝達された特定の周波数の電力が伝播路111を通りアンテナ123に供給され、アンテナ123からの電界が石英板103を通り抜け処理室106に導入される。また、ソレノイドコイル112により形成された磁場が処理室106内に導入されてガスが励起されてプラズマ110が試料台113上方の放電室内に形成される。
試料台113内の金属製の円板である基材に高周波電源122からの高周波電力が印加され、エッチング処理の対象のウエハWの上面上方にプラズマ110またはアース部材114との間で特定の値となるバイアス電位が形成される。バイアス電位とプラズマ110内部の電位との電位差によって、プラズマ110中の荷電粒子がウエハWの上面に向けて誘引されて、ウエハW上の処理対象の膜構造の異方性エッチングが開始される。
プラズマ110の発光の周波数スペクトルや強度とその変化を検知して、膜構造のエッチング処理の終点が検出されると、高周波電源122からのバイアス用の高周波電力の供給が停止されてウエハWの処理が終了する。この後、処理室106内が排気されつつ不活性ガスが導入されて処理室106内のガスが置換されると共に、処理中より高い真空度まで排気、減圧された後に、ウエハWの静電吸着が解除されてウエハWが真空搬送用のロボットにより真空容器外に搬出される。この際、未処理の別のウエハWがロボットに保持されている場合で、この後の処理室106内での当該ウエハWの処理が可能である場合には、当該未処理のウエハWが処理済のウエハWの搬出後直ぐに入れ換えられて搬入され、先に処理されたウエハWと同様に処理が行われる。
本実施例では、上記のプラズマ処理装置100の各部の動作は、制御器118により調節されている。すなわち、制御器118は、プラズマ処理装置100に配置された複数のセンサと通信手段により通信可能に接続され、センサからの出力を受信した制御器118は、内部に配置されたRAM等の記憶手段内に格納されたソフトウエアのアルゴリズムに基づいて、通信手段により通信可能に接続された電源120、整合器121、高周波電源122、ゲートバルブ、搬送用ロボット、真空ポンプ108、回転バルブ109−1、蓋バルブ109−2、マスフローコントローラ101−1b〜16b、119−1b、バルブ101−1a,1c〜16a,16c等の各部分の動作が制御器118内部に配置された演算器により算出され、同じく内部に配置されたインターフェースを介して各部に動作の指令信号が発信される。このような制御器118は、プラズマ処理装置100の内部に備えられてもよく、プラズマ処理装置100が設置された建屋内部の当該装置から遠隔された箇所に通信可能に配置されていても良い。
なお、エッチング中の反応生成物がその表面に付着することを抑制するため、処理室106の側壁ブロック115は、その外周壁に沿って配置された図示しないヒータからの加熱により、当該内側表面が80〜100℃に温度調節されている。また、側壁ブロック115は直接プラズマ110に晒されないように覆うカバー116の表面も同じく80〜100℃にされている。
プラズマ110が生成されたエッチング処理中では、プラズマ110による入熱により、石英製のシャワープレート104および下部リング105は130℃程度に加熱され、さらに側壁ブロック115の温度が80〜100℃に温度調節されているために、処理室106付近に配置されたガス配管102及びこれに配置されたバルブ107は100℃またはこれに近い温度に維持される。
本実施例で処理用ガスとして用いられる塩素系のガスである三塩化ホウ素と、ステンレス鋼を構成するFe(酸化物として存在するためFe23)は以下のような化学反応を起こす。
Fe23(solid)+2BCl3(gas)⇒
2FeCl3(solid)+B23(Solid) …(1)
このような化学反応式(1)から、ガス配管表面には鉄の塩化物(Fe2Cl3)の固体が生成することが判る。このような反応において、熱力学計算に基づき平衡組成を計算すると、ガス配管102の温度が100℃の場合には、ガス配管102内の圧力が0.02Pa以下になると、FeCl3(solid)が気化することになる。気化したFeCl3がガス配管102を通り貫通孔から処理室106に導入されると、ウエハWの上面に固化して付着したり、Fe成分がウエハWの膜構造の材料と相互作用を生起して化合物を形成したりしてウエハWが汚染される虞がある。
一方、ウエハWの表面に堆積されて形成された複数の種類の異なる多層膜をエッチングする場合、各膜層を各々異なる条件でエッチング処理する必要がある。そのため、複数のステップを設けてウエハWをエッチング処理する。この際、ステップとステップの間で処理室106内及びガス配管102内を真空ポンプ108の動作により真空排気して、前ステップで用いた処理ガスや生成物を排気する。この際、処理室106内及びガス配管102内の圧力は0.02Pa以下となり、鉄の塩化物(Fe2Cl3)の固体が気化してFe2Cl3となり、処理室106に持ち込まれ、金属で汚染される虞がある。
本実施例では、ガスライン101とは別にAr、N2などの不活性ガスを供給するためのガスライン119が、ガスライン101と並列に配置されている。ガスライン119は、上流側でガス源と連結されると共に、下流端でガス配管102と連結されたガスの導入経路である。さらに、その経路上に配置された流量、速度を可変に増減するするマスフローコントローラ119−1b及びその前後に配置されたバルブ119−1a,1cの構成はガスライン101−1〜16と同じくされている。
ガスライン119からの不活性ガスは、上記の通り、処理の複数のステップ(工程)の間において、処理用ガスを切り替える場合に、その間に前の工程に用いられたガスを排気するために入れ換え用のガスとして供給されるとともに、処理前の高い真空度までの排気の動作や保守、点検の際に処理室106内部を大気に開放する前に処理室106内部の残留しているガスを排気する目的で、ガス配管102内に導入されて処理室106に通流する。マスフローコントローラ119−1bによる不活性ガスの流量、速度の調節は、ガス配管102内の圧力を検知する圧力計117からの出力に基づいて制御器118により調整される。
本実施例では、ガス配管102内の金属化合物の気化物が処理室106内へ流入することを低減するため、ウエハWの処理における複数のステップとステップとの間で処理室106内部を排気する際またはウエハWの処理を終えた後保守、点検のために、処理室106の内部に不活性ガスを導入する際に、ガス配管102内部の圧力を上記化合物の気化を抑制できる所定の圧力以上に設定する。特に、本実施例では、ガス配管102の内部の圧力を10Pa以上となるようマスフローコントローラ119−1bの動作を制御器118により調節する。
上記の調節は、ガス配管102内のガスの圧力を検知する圧力計117からの出力に基づいて制御器118が算出した指令信号に応じて行われる。このように、複数の処理のステップ同士の間に処理室106内に処理用ガスを供給するためのガス配管102を介して不活性ガスを供給することで、前のステップで使用した処理用のガスをガス配管102及び処理室106内から排出して不活性ガスに置換するとともに、不動態の化合物等ガス配管102の内表面の物質の気化を抑制して次の処理のステップに移行させる。
本実施例では、ガス配管102内の圧力を0.02Pa以上に保つために、圧力計117による圧力の測定やマスフローコントローラ119−1bによる流量の調節に高い精度と正確さが必要とされる。しかしながら、圧力計117、マスフローコントローラ119−1bには、通常、各々数%程度の誤差が生じる。また、ガス配管102、ガスライン101,119の長さやパイプの径等の形状により決定される配管内のコンダクタンスを考慮して、本実施例では上記内表面の物質の気化を抑制し汚染を低減する上ではガス配管102内の圧力を少なくとも10Pa以上に保つ必要があると判断した。
図2は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置の処理の動作の流れを示すタイミングチャートである。本図では、ウエハWの任意の処理対象の膜構造を異なる処理の条件で行われるステップ1及びこれに続けて実施されるステップ2を含む複数の工程にわけてエッチング処理する場合の動作を示しており、これらは大きくわけてSTEP A,Bに分けられる。なお、これらの動作の間は真空ポンプ108による排気の動作が継続して行われている。
本図において、時刻t1において高周波電源122からの電力の供給が停止されてウエハWの処理が終了した後、時刻t2においてバルブ119−1a,1cが開放されて不活性ガスがガス配管102内に導入された結果処理室106内に不活性ガスが供給される。なお、ウエハWの処理中から時刻t1からt2までの間もガスライン101−1〜16の複数のラインから合流部を通りガス配管102内に導入される複数種類の処理用のガスの供給の動作は継続されている。本実施例では、ウエハWを処理中の処理室106内の圧力は数Pa〜0.数Paの範囲であり、処理用のガスが供給されている間は、ガス配管102内の圧力は貫通孔、下部リング105内のガス通路、ガス配管102のコンダクタンスのバランスにより、10Pa以上の圧力が維持されている。
時刻t2からバルブ119−1a,1cを開放した状態を維持して不活性ガスを処理室106内に供給し続け、時刻t3において制御器118からの指令信号に基づいて、処理ステップ1において用いられていた処理用のガスに対応するガスライン101の各ライン上のバルブが閉じられて処理ステップ1に用いられた処理ガスのガス配管102への供給が停止される。この時刻t3までの動作がSTEP Aのものである。
次に、バルブ119−1a,1cの開放が維持された状態で、処理室106内に不活性ガスを導入し続ける。これにより、処理ステップ1終了の後に処理室106内に残留していた処理用のガスが不活性ガスに押し出されるように開口125から真空ポンプ108の動作により排気されることで、処理室106内部のガスが置換される。
不活性ガスが供給される流量は、回転バルブ109−1を任意の開度に保った状態で圧力計117からの出力に基づいてガス配管102内の圧力が10Pa以上となるように、制御器118によりマスフローコントローラ119−1bによる調整が制御される。本図に示すように、バルブ119−1a,1cの開放後からガス配管102内の圧力は上昇し極大になった後に徐々に低下する。
この低下が0に漸減してガス配管102内の圧力が10Pa以上であって一定の値に到達したか当該値に到達したと見なせる程度に十分近似したものになったことが圧力計117からの出力により制御器118で検出されると、制御器118からの指令に応じて蓋バルブ109−2が閉じられる。この結果、処理室106内部はシャワープレート104の貫通孔を除き密閉されている。
その後、時刻t4からSTEP Bが開始される。時刻t4においてバルブ119−1a,1cが閉塞されて不活性ガスのガス配管102及び処理室106への供給が停止される。
時刻t5において、ガスライン101−1〜16のうちで処理ステップ2で用いられる種類に対応する各ライン上のバルブを開放して処理ガスをガス配管102内に供給し、蓋バルブ109−2を開けて処理ステップ2の処理ガスを処理室106内に通流させその内部の不活性ガスと処理用のガスとの置換が進められる。この際、制御器118からの指令信号に基づいて処理ステップ2に対応するガスライン上のマスフローコントローラと共に回転バルブ109−1の回転角度及び排気経路の開口面積が調節され処理室106内の圧力が所望の圧力に調圧される。
ガス配管102内の圧力は、処理室106内の圧力が処理ステップ2に適した値に調節されたことが検出された後、時刻t6において試料台113内の電極に処理ステップ2の条件に適した高周波電力が高周波電源122から供給されて当該処理ステップ2が開始される。なお、ガス配管102内の圧力はガスライン101からのガスの供給によって一端上昇した後に処理室106内の圧力が処理条件のものに調節されるに伴って漸減する。
処理ステップ1と同様に、処理ステップ2が終点に到達したことが制御器118により検出されると、試料台113への高周波電源122からの高周波電力の供給が停止され(時刻t7)た後、バルブ119−1a,1cが開放されて不活性ガスがガス配管102に供給される(時刻t8)。この際、STEP Aと同様にガス配管102内の圧力が10Pa以上となるようマスフローコントローラ119−1bによる流量、速度の調節がされる。
時刻t9において、ガスライン101の処理ステップ2に用いられた種類のガスに対応する各ライン上のバルブが閉塞されて処理ガスのガス配管102への供給が停止される。この際、不活性ガスはガス配管102に供給され続けている。ガス配管102内の圧力が漸減して10Pa以上であって一定の値に到達したか当該値に到達したと見なせる程度に十分近似したものになったことが圧力計17の出力から検出されると、バルブ107が閉塞されるとともにバルブ119−1a,1cが閉塞されてガス配管102への不活性ガスの供給が停止される。
ウエハWの処理のステップが3工程以上ある場合には、これらバルブ107を閉塞の代わりに蓋バルブ109−2を閉塞して次のステップに用いられる処理用のガスの供給の動作を、ステップの数だけ繰り返す。何れのステップ数であっても、ガス配管102内部特にバルブ107から上流側の経路での内部の圧力は10Pa以上の圧力が維持されている。
図3は、図2に示す動作の流れを示すフローチャートである。この図においては、ウエハWの表面上に上下に積層されて配置された複数の膜層の各々を異なる条件で連続的に(ウエハWを処理室106内に配置したまま)処理する際に各々の条件での処理ステップにおいて処理室106内の圧力の調節と処理との動作の流れを示している。
この図においては、試料台113の載置面上方にウエハWが載せられていない状態で下部容器124のゲートを図示しないゲートバルブで閉塞して密封する。その後に、上方の膜を処理する処理のステップ(ステップ1)での処理の条件を実現する上で、まず、ウエハWが試料台113上に保持された状態で真空ポンプ108の駆動による処理室106内の排気が行われる(ステップ301)。
この排気の工程では、通常、処理ステップ1での処理の際の圧力値よりも高い真空度の圧力値まで減圧されるように回転バルブ109−1の動作が調節される。すなわち、排気中にも処理室106内の圧力が上記所期の圧力に到達したかが検出されまで排気が継続され到達したことが制御器118に検出された場合には次のステップに進み処理ステップ1を開始する(ステップ302)。なお、このステップにおいて、高真空度まで到達した後に蓋バルブ119−2を閉じて排気を遮断して処理室106内の圧力の変化を検出して処理室106内外のシールの洩れの有無を検出(リークチェック)を行ってもよい。
その後、ゲートバルブが開放されて図示しない搬送ロボットのアーム上に保持されてウエハWが処理室106内に搬送され試料台113の載置面上に載せられ保持されて後、処理室106上方のシャワープレート104の複数の貫通孔から処理用のガスが導入される。導入されるガスは、処理ステップ1の処理に適した物質の量及びその組成となるようにガスライン101−1〜16から選択された少なくとも1つのガスラインから供給され、その流量、速度は当該ライン上のマスフローコントローラにより制御器118からの指令信号に基づいて調節され、ガスは当該ガスラインからこれまたはこれらが合流するガス配管102を通して処理室106内に供給される。
これとともに、開放された開口125下方の回転バルブ109−1の回転による排気流路の断面積の増減の調節により、真空ポンプ108による処理室106内の排気の量が調節され、これとシャワープレート104からの処理用のガスの流量、速度との比率に応じて処理室106内の圧力が処理ステップ1に適した所定の値に近接するように調節が行われる(ステップ303)。処理ステップ1に適した所期の圧力の値に到達したことが検出されるまで排気及び処理用ガスの供給が継続され、当該所期の圧力に到達したことが検出されると、処理室106内に電界及び磁界が供給されてプラズマ110が形成されて、試料台113に高周波電力が供給ステップ1の処理が開始される(ステップ304)。
ステップ1の処理の開始後、処理中に所定の間隔で処理の終点の到達が検出され判定される(ステップ305)。終点に到達していないと判定された場合には、ステップ304に戻り処理室内の圧力を調節しつつ処理を続行する。一方、処理の終点が判定された場合には、ガスライン119−1上のバルブ119−1a,1cを開いてガス配管102に不活性ガスを導入して処理室106内に不活性ガスを供給した後(ステップ306)、ガスライン101−1〜16の処理ステップ1に使用されていたガスライン上のバルブを閉じてガス配管102及び処理室106内への処理ガスの供給を停止する(ステップ307)。この際、バルブ107は開放された状態が維持される。
不活性ガスを供給する流量は、制御器118からの指令信号に応じて回転バルブ119−1をある一定の開度に保った状態でガス配管102内の圧力が10Pa以上となるようにマスフローコントローラ119−1bの動作が調節される(ステップ308)。図2で示した通り、ガス配管102内の圧力は一端上昇して漸減した後10Pa以上の任意の圧力で漸近し安定したか否かが検出され(ステップ309)、圧力が10Pa以上の値で安定したと判定されるまで不活性ガスの供給を継続する。一方、検出された場合には蓋バルブ109−2を閉じて処理室106と真空ポンプ108を遮断し(ステップ310)、不活性ガスの供給を停止する(ステップ311)。
処理室106と真空ポンプ108が遮断された状態で、ガスライン101−1〜16のうち処理ステップ2で用いられる種類のガスに対応するガスラインを開放して処理用のガスをガス配管102に供給し(ステップ312)、蓋バルブ109−2を開けて(ステップ313)、真空ポンプ108の動作により処理室106内を処理ステップ2の処理の条件に適した値になるように圧力が調節される(ステップ314)。
圧力が所期の値にされたことが検出されると、処理室106内に電界、磁界が供給されてプラズマ110が形成され試料台113に高周波電力が供給されて、ウエハWの処理ステップ2が開始される(ステップ315)。処理の開始後、処理中は所定の間隔で処理の終点に到達したか否かが検出される(ステップ316)。処理の終点に到達していないと判定された場合には処理が継続され、終点に到達したことが検出された場合にはステップ306と同様の動作により不活性ガスが処理室106内に供給される。以降、さらに処理すべき膜がある場合には、上記ステップを繰り返す。
図4は、図1に示す実施例に係るプラズマ処理装置のメンテナンス時の装置停止時における不活性ガス封入動作の流れを示すフローチャートである。この図において、本実施例では、任意のウエハWの処理が終了したことが検出された(ステップ401)後、蓋バルブ109−2が閉められ処理室106内と真空ポンプ108の入口との間が遮断されて処理室106内が、シャワープレート104の貫通孔を除き密閉される(ステップ402)。
その後、真空ポンプ108を停止させ(ステップ403)、ガスライン101−1〜16の全てのバルブ101−1a〜16aを開けた(ステップ404)後、ガスライン119−1のバルブ119−1aを開けて不活性ガスを処理室106及びガス配管102、ガスライン101−1〜16の全ての内部に供給する(ステップ405)。この際、バルブ101−1c〜16cを閉じておいてもよい。ガスライン101−1〜16、処理室106、ガス配管102内の圧力値が10Pa以上になって安定するまで不活性ガスの供給が継続され(ステップ406)、ガス配管102内の圧力値が10Pa以上になって安定したことが検出されるとバルブ119−1aが閉じられて不活性ガスの供給が停止される(ステップ407)。
次に、ガスライン101−1〜16のバルブ101−1a〜16aが閉じられて、不活性ガスがガスライン101−1〜16内、ガス配管102内及び処理室106内に充填して、その内部の圧力を内表面の材料の化合物の気化圧力値以上の値に保つことで内表面の金属成分の気化が低減される。これにより、処理室106内へのガス供給の経路を構成する金属材料の成分の流入が抑制されてウエハWの汚染が低減される。
図5は、鉄の塩化物の蒸気圧と温度の関係を示すグラフである。横軸に系の温度、縦軸に塩化鉄の蒸気圧である。
曲線501は、処理圧力付近でもっとも安定な鉄の塩化物の固体(FeCl3)と、もっとも安定な気体分子(Fe2Cl6)の熱力学定数から、平衡組成の計算により求めた。鉄の塩化物の蒸気圧は、120℃付近では、エッチング処理圧力(0.1〜3Pa)の1/10以下であるが200℃では、エッチング処理圧力の50〜100倍であり、120〜200℃の間で大きく増加することがわかる。これは、ステンレス製部品から出てくる鉄成分の量と対応しており、ステンレス部材の温度を高くとも120℃以下に保つことが汚染低減には重要であることを示している。
曲線502は圧力計・マスフローコントローラの精度、配管内のコンダクタンスを考慮し、鉄の塩化物の気化を防止するために設けた閾値である。ガス配管内の圧力を曲線502以上の圧力に保つことで、被エッチング処理基板の金属汚染を低減する。
〔変形例〕
図6は、図1に示した実施例の変形例に係るプラズマ処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。本例と図1に示す実施例との相違点は、本例がガス配管102上のガスライン101−1〜16またはガスライン119−1との合流部とバルブ107との間に、粗引きポンプ603の入口と一端部が連結されたバイパスライン601との連結部を備え、ガスライン101−1〜16及びガスライン119−1の各々が当該バイパスライン601に連結されたガスのパージ用の経路であるパージ用ライン101−1d〜16d、119−1dを備えた点にある。
このような、バイパスライン601上で粗引きポンプ603の入口との間には、当該バイパスライン601内の流路またはガスの通流を開放、閉塞するバルブ602が配置されている。粗引きポンプ603は、通常、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ108の排気口と連結された排気ポンプであってターボ分子ポンプでは排気の効率が低いか排気できない相対的に高い圧力の範囲での処理室106内の排気を行うことができ、ターボ分子ポンプ及び粗引きポンプの上下流に直列に連結した組合せを備えたことでプラズマ処理装置100は処理室106内部を大気圧から高い真空度の減圧状態まで効率的に排気することができる。
本例では、プラズマ処理装置100の処理室106内でのウエハWの処理が終了したことが検出されウエハWが処理室106外に搬出された後に、処理室106内の圧力を大気圧まで上昇させて内部を開放(大気開放)して処理室106内部を保守、点検する場合等であって、処理室106内に処理用または不活性ガスを供給しない場合に、バイパスライン601、ガスライン101−1〜16、ガス配管102内に不活性ガスを供給するものを示している。このようなプラズマ処理装置100の保守、点検等メンテナンスを行う際の動作の流れを図7を用いて説明する。
図7は、図6に示す変形例に係るプラズマ処理装置のメンテナンスの際の不活性ガスの導入の動作の流れを示すフローチャートである。本例において、処理室106内での所定の枚数のウエハWの処理が終了したことが制御器118により検出されると(ステップ701)、蓋バルブ109−2が閉じられて処理室106内と真空ポンプ108を遮断して開口125が気密に閉塞されシャワープレート104の貫通孔を除き処理室106内が密閉される(ステップ702)。この後に、処理室106内の圧力の変化を検出して処理室106の密封の可否、洩れの有無の確認を行ってもよい。
その後、バルブ107が閉じられ(ステップ703)、ガスライン101−1〜16のバルブ101−1a〜16aが開放される(ステップ704)、この際にバルブ101−1c〜16c及びバルブ119−1a,1cは閉じられた状態であってもよい。この場合にはバルブ101−1c〜16cの下流側のガスライン101−1〜16内の処理用の各種ガスは各ラインが備えるパージ用ライン101−1d〜16dまたはバイパスライン601を介して粗引きポンプ603の入口へ流入して排気される。
次に、バルブ119−1a,1cが開放されてガス配管102、ガスライン101−1〜16、バイパスライン601各々の内部に不活性ガスが導入され、不活性ガスはバイパスライン601を通り粗引きポンプ603に流入して排出される(ステップ705)。これらのガス経路の内部の圧力が10Pa以上の値にされていることが検出されるまで不活性ガスの供給が継続される。図1の実施例と同様に、ガス配管102、ガスライン101−1〜16、パイパスライン601の内部の圧力はこれらに不活性ガスが供給された初期には一端上昇した後に漸減して特定の値に近接する。不活性ガスの流量は、制御器118からの指令信号に基づいて、上記特定の値が10Pa以上となるようにマスフローコントローラ119−1bの動作によって調節される(ステップ706)。
上記10Pa以上の特定の値に圧力が安定したことが検出されると、制御器118からの指令に応じてバルブ602が閉じられる(ステップ707)とともに、バルブ119−1aが閉じられて不活性ガスの導入が停止される(ステップ708)。さらに、ガスライン101−1〜16上のバルブ101−1a〜16aが閉じられる(ステップ708)。
このようにして、バイパスライン601、ガス配管102、ガスライン101−1〜16内に不活性ガスが供給されて充填され、その圧力がこれらのガス経路を構成する流路の内表面の材料とガスとの化合物の気化が生じる圧力より高いものに維持されつつ、大気開放を行ってメンテナンスを実施することができる。これにより、メンテナンス後に開始されるウエハWの処理の際のウエハWの汚染、特にガス経路を構成する流路の内表面の金属の材料の成分による汚染が低減される。
なお、上記実施例、変形例でのガス配管102上のバルブ107は、放電室の近傍に配置されており、下部リング105のガス配管102との連結部とバルブ107との間のガス配管102の部分は側壁ブロック115外壁面上でこれに沿って配置されている。特に、側壁ブロック115を温度調節するためのヒータからの加熱を受ける箇所に配置されており、上記の通りプラズマ処理装置100の運転中は100℃前後またはこれ以上の温度に維持されている。このことにより、バルブ107から下部リング105までの間のガス配管102の内部において、上記化合物の気化が抑制されウエハWの汚染が低減される。
以上の通り、本発明の実施の例によれば、ウエハWの汚染が低減され処理の歩留まりを向上させたプラズマ処理装置またはプラズマ処理方法が実現できる。
100 プラズマ処理装置
101、101−1〜16、119−1 ガスライン
102 ガス配管
103 石英板
104 シャワープレート
105 下部リング
106 処理室
107 バルブ
108 真空ポンプ
109−1 回転バルブ
109−2 蓋バルブ
110 プラズマ
111 伝播路
112 ソレノイドコイル
113 試料台
114 アース部材
115 側壁ブロック
116 カバー
117 圧力計
118 制御器
120 電源
121 整合器
122 高周波電源
123 アンテナ
124 下部容器
125 開口

Claims (6)

  1. 真空容器内に配置され内部に処理用ガスが供給されてプラズマが形成される処理室と、この処理室内の下方に配置され処理対象の膜層が上面に配置された試料が載置される試料台と、前記試料台の上方の前記処理室内の空間に前記処理用ガスが流入する貫通孔が配置されたシャワープレートと、前記処理用ガスが供給される供給管路と連結されて連通した不活性ガスの供給経路と、この不活性ガスの供給経路上に配置されこの供給経路を開閉するバルブ及び前記不活性ガスの流量を調節する調節器とを備え、
    前記試料の処理の終了に際して前記処理用ガスの供給管路に前記不活性ガスを供給してこの供給管路内の圧力を前記処理用ガスと前記供給管路の内壁を構成する材料との化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理装置。
  2. 真空容器内に配置され内部に処理用ガスが供給されてプラズマが形成される処理室と、この処理室内の下方に配置され処理対象の膜層が上面に配置された試料が載置される試料台と、前記処理室の試料台の下方に配置されこの処理室内のガスが排出される排気口と、前記試料台の上方の前記処理室内の空間に処理用ガスが流入する貫通孔が配置されたシャワープレートと、前記処理用ガスが供給される供給管路と連結されて連通した不活性ガスの供給経路と、この不活性ガスの供給経路上に配置されこの供給経路を開閉する第1のバルブ及び前記不活性ガスの流量を調節する調節器とを備え、
    前記試料の処理が終了して前記試料が搬出された後、前記排気口及び前記供給管路上でこの供給管路の前記真空容器との接続部と前記不活性ガスの供給経路の連結する部分との間に配置された第2のバルブを閉じて、前記処理用ガスの供給管路に前記不活性ガスを供給してこの供給管路内の圧力を前記処理用ガスと前記供給管路の内壁を構成する材料との化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2に記載のプラズマ処理装置であって、
    前記調節器が前記不活性ガスの供給経路上の前記バルブの上流側に配置され、前記調節器及びバルブが検知された前記処理用ガスの供給管路の温度に基づいて設定された前記化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理装置。
  4. 真空容器内の処理室内に配置された試料台上に処理対象の膜層が上面に配置された試料を載置し、前記処理室内の前記試料台の上方の空間に処理用ガスを供給して、この空間内にプラズマを形成して前記試料を処理するプラズマ処理方法であって、
    前記試料の処理の終了に際して、前記処理用ガスが供給される供給管路と連結されて連通した不活性ガスの供給経路から前記処理用ガスの供給管路に前記不活性ガスを供給してこの供給管路内の圧力を前記処理用ガスと前記供給管路の内壁を構成する材料との化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理方法。
  5. 請求項4に記載のプラズマ処理方法であって、
    この不活性ガスの供給経路上に配置されこの供給経路を開閉するバルブ及び前記不活性ガスの流量を調節する調節器を用いて前記供給管路内の圧力を前記化合物が気化する圧力よりも高い圧力に維持するプラズマ処理方法。
  6. 請求項4または5に記載のプラズマ処理方法であって、
    検知された前記処理用ガスの供給管路の温度に基づいて設定された前記化合物が気化する圧力より高い圧力に維持するプラズマ処理方法。
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