JP2013152879A - 負極活物質、リチウムイオン二次電池負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法 - Google Patents

負極活物質、リチウムイオン二次電池負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活物質と結着剤との濡れ性をよくし、電極の密着性の向上を実現するリチウムイオン電池を提供すること。
【解決手段】炭素材料および第1の被覆層を含む負極活物質であって、炭素材料の表面に第1の被覆層が形成され、第1の被覆層は、下記(式1)で示されるポリマーを含む負極活物質。
【化1】

(式1中、Z1とZ2は、重合性官能基の残基であり、Aは、極性の低い官能基を有する低極性官能基であり、Bは、極性の高い官能基を有する高極性官能基であり、xおよびyは、モル基準による比率である。)
【選択図】 図1

Description

本発明は、負極活物質、リチウムイオン二次電池負極、リチウムイオン二次電池およびそれらの製造方法に関する。
環境保護、省エネルギーの観点から、エンジンとモーターとを動力源として併用したハイブリッド自動車が開発、製品化されている。また、将来的には、燃料電池をエンジンの替わりに用いる燃料電池ハイブリッド自動車の開発も盛んになっている。
このハイブリッド自動車のエネルギー源として電気を繰り返し充電放電可能な二次電池は必須の技術である。なかでも、リチウムイオン二次電池は、その動作電圧が高く、高い出力を得やすい高エネルギー密度の特徴を有する電池であり、今後、ハイブリッド自動車の電源として益々重要性が増している。電気自動車へのハイブリッド自動車の用途では、高出力、高エネルギー密度および長寿命化が重要な課題である。高出力、高エネルギー密度化によって、大容量な活物質を用いることが必要である。しかしながら、大容量な活物質は充電時と放電時の活物質の体積の膨張率(放電時の体積を1とする)が大きい。何度も充放電を繰り返すと、活物質と活物質、および活物質と集電体をつないでいるバインダが破断する。また、活物質界面および集電体界面からバインダが剥離したりしてしまう。その結果、活物質が孤立してしまうため、電池容量が低下する。大容量な活物質を用いたリチウムイオン二次電池の長寿命化の課題の1つに電極の密着性の改善が挙げられる。
電極密着性の改善の1つの手段は活物質とバインダの濡れ性の改善である。その解決手段として界面活性の性質をもつ物質を電極に含み作製することである。長鎖アルキル基で一部置換した水溶性セルロース誘導体を電極に含む仕様が特許文献1に記載されている。電極のスラリー作製時に活物質、結着剤、アルキル基を一部置換した水溶性セルロース誘導体を一緒にいれる。混練後、集電体に塗工し、乾燥させて電極を作製する。
特許文献2では、炭素粒子の表面を予め水溶性ポリマーで被覆し、非水電解質電池の活物質として用いられた場合においても、非水溶媒や電解質塩を含有する非水電解質等と活物質表面との反応性が抑制される、という技術が開示されている。
特開2003−142102号公報 特開2002−246020号公報
特許文献1における電極形成技術では、黒鉛表面にアルキル基を一部置換した水溶性セルロース誘導体が被覆せず、負極活物質とバインダとの濡れ性は改善しない。その結果、バインダは凝集してしまい、負極の密着性は向上しない。従って、負極活物質とバインダとの濡れ性を向上させることが課題であった。また、特許文献2における水溶性ポリマー被覆では、負極活物質と結着剤との濡れ性が十分ではない。
本発明の目的は負極活物質とバインダとの濡れ性を向上させ、負極の結着性を向上させることである。
本発明は、例えば、以下の手段によって解決される。
炭素材料および第1の被覆層を含む負極活物質であって、炭素材料の表面に第1の被覆層が形成され、第1の被覆層は、下記(式1)で示されるポリマーを含む負極活物質。
(式1中、Z1とZ2は、重合性官能基の残基であり、Aは、アルキル基または芳香族官能基のいずれか一種以上であり、Bは、カルボキシル基、水酸基またはアルキレンオキシド基のいずれか一種以上であり、xおよびyは、モル基準による比率であり、0<x<1、0<y<1、x+y=1である。)
上記において、Bは、COONaやCOOK、COONH4のいずれか一種以上である負極活物質。
上記において、xを0.1以上0.9以上である負極活物質。
上記において、第1の被覆層の表面に第2の被覆層が形成され、第2の被覆層は、水溶性高分子を含み、水溶性高分子は、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩またはポリエチレンオキサイドのいずれか一種以上である負極活物質。
上記において、第1の被覆層に、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩またはポリエチレンオキサイドのいずれか一種以上が含まれる負極活物質。
上記において、炭素材料とポリマーの重量比が0.01以上1以下である負極活物質。
上記において、炭素材料と水溶性高分子の重量比が0.01以上1以下である負極活物質。
上記において、炭素材料は、炭素002面の面間隔d002が0.3345nm以上0.338nm未満である負極活物質。
負極集電体と、上記のいずれかの負極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される負極合剤層と、を含むリチウムイオン二次電池用負極。
上記のいずれかの負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池。
炭素材料および第1の被覆層を含む負極活物質の製造方法であって、炭素材料の表面に第1の被覆層が形成され、第1の被覆層は、下記(式1)で示されるポリマーを含み、
(式1中、Z1とZ2は、重合性官能基の残基であり、Aは、極性の低い官能基を有する低極性官能基であり、Bは、極性の高い官能基を有する高極性官能基であり、xおよびyはモル基準による比率である。)低極性官能基Aおよび重合性官能基を含むモノマーと、高極性官能基Bおよび重合性官能基を含むモノマーと、の共重合によりポリマーが作製される負極活物質の製造方法。
本発明によれば、負極活物質とバインダとの濡れ性を向上し、負極の密着性を向上させることができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施の形態に係る負極活物質材料の構成の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る負極活物質材料の構成の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る負極活物質材料の構成の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る捲回型電池の片側断面図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<負極活物質>
図1に負極活物質材料の構成の図を示す。本発明の一実施形態における負極活物質200は炭素材料1の表面に第1の被覆層2を1層設ける。
炭素材料1としては、黒鉛、非晶質炭素などを用いることができる。天然黒鉛、天然黒鉛に乾式のCVD(Chemical Vapor Deposition)法や湿式のスプレイ法で形成される被膜を形成した複合炭素質材料、エポキシやフェノール等の樹脂原料若しくは石油や石炭から得られるピッチ系材料を原料として焼成して造られる人造黒鉛を用いることができる。本発明の一実施形態を適用する上で、非晶質炭素より体積膨張率が大きい黒鉛の方が、効果が大きい。炭素質材料の中では、炭素002面の面間隔d002の広い材料が急速充放電や低温特性に優れ、好適である。
本発明の一実施形態における炭素材料1は、炭素002面の面間隔d002が0.3345nm以上0.338nm未満である黒鉛材料であるのが望ましい。更に、電極を構成するには黒鉛質、非晶質、活性炭などの導電性の高い炭素質材料を混合しても良い。または、黒鉛質材料として、以下(1)〜(3)に示す特徴を有する材料を用いても良い。
(1)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm-1の範囲にあるピーク強度(ID)とラマン分光スペクトルで測定される1580〜1620cm-1の範囲にあるピーク強度(IG)との強度比であるR値(ID/IG)が、0.2以上0.4以下
(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm-1の範囲にあるピークの半値幅Δ値が、40cm-1以上100cm-1以下
(3)X線回折における(110)面のピーク強度(I(110))と(004)面のピーク強度(I(004))との強度比X値(I(110)/I(004))が0.1以上0.45以下
これらの炭素材料1にまず、ポリマーを含む第1の被覆層2で部分的または全体を被覆する。第1の被覆層2に以下のポリマーのみが含まれていても良い。
ポリマーは、炭素とバインダの濡れ性を向上させるため、極性の高い材料と極性の低い材料を併せ持った界面活性剤がよい。例えば、(式1)に示す一般式で示す材料である。
(式1)中、Z1とZ2は重合性官能基の残基であり、Aは極性の低い官能基を有する低極性官能基であり、Bは極性の高い官能基を有する高極性官能基である。官能基Aは水に溶けないか溶けにくく、官能基Bは水に溶けるか溶けやすい。低極性官能基、高極性官能基はIRによって計測される。例えば、xがフェニル基の場合、700、750cm-1付近(ベンゼン環の面外変角振動)、1450、1600cm-1付近(ベンゼン環の骨格振動)に特徴的な吸収ピークがみられる。yがカルボキシル基の場合、1700−1725cm-1に特徴的な吸収ピーク(C=O伸縮振動)がみられる。
重合性官能基としては重合反応を起こすものであれば特に限定されないが、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基などがあげられ、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などの不飽和二重結合を有する有機基が好適である。(式1)中にこれらの重合性官能基を一種単独または二種以上用いてもよい。官能基Aおよび重合性官能基を有するモノマーAと、官能基Bおよび重合性官能基を有するモノマーBと、が共重合して(式1)のポリマーが作製される場合、モノマーA中の重合性官能基の残基Z1およびモノマーB中の重合性官能基の残基Z2は、ポリマー中の官能基Aおよび官能基Bの極性に影響を与えることは少ない。
ポリマーの数平均分子量は、100以上500000以下、好ましくは、1000以上10000以下である。ポリマーの数平均分子量が高いと被覆層の抵抗が高くなる。一方、ポリマーの数平均分子量が低い場合、負極活物質材料の表面に付けた被覆材料がとれてしまい、溶媒中に離散しやすくなると考えられる。ポリマーの数平均分子量は、GPC(Gel permeation Chromatography)で測定される。
(式1)に官能基Aが存在することにより、第1の被覆層2と炭素材料1との吸着性が向上する。官能基Aとして、例えば、アルキル基、芳香族官能基などのいずれか一種以上が挙げられる。
芳香族官能基として、Huckel則を満たす炭素数20以下の官能基を用いることが望ましい。例えば、フェニル基やビフェニル基、ならびにその縮合体であるナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ナフタセン基、ピセン基、ペリレン基、ペンタフェン基、ペンタセン基、アセナフチレン基などがあげられる。(式1)中にこれらの置換基を一種単独または二種以上用いてもよい。特に、負極のバインダとしてスチレン系の材料を用いる場合、スチレン系の材料と同じような物質を用いた方が、バインダとの吸着が良くなるので、フェニル基を用いるのが望ましい。
アルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。(式1)中にこれらの置換基を一種単独または二種以上用いてもよい。特に、(式1)の構造において界面活性的な効果が向上するC1021〜C2041を用いることが望ましい。
(式1)に官能基Bが存在することにより、第1の被覆層2と極性の高いバインダとの親和性・吸着性が向上する。官能基Bは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、またはアルキレンオキシド基(−C2n2nO)mRのいずれか一種以上を用いることが望ましい。カルボキシル基は−COONaや−COOK、−COONH4など、HをNa+、K+、NH4 +などのイオンと置換したものでもよい。−COOHや−OHは解離すると酸性に成りやすいが、Na+、K+、NH4 +は中性になりやすい。第1の被覆層2がスラリー作製中で溶けだしてもスラリーのPHが酸性を示すとバインダが分解する可能性があり、電極作製時に電極性能を落としてしまう可能性がある。このため、第1の被覆層2が水中で再溶解し解離する場合は、酸性より中性を示した方がいいと考えられる。アルキレンオキシド基の中でもエチレンオキシド基(−CHCHO)nRがのぞましく(−CHCHO)nRにおいて、nは、2以上15以下であることが望ましい。Rは、アルキル基、HまたはCH3のいずれか一種以上である。nが2より小さいと、官能基Bにおいて極性が低くなり、(式1)において界面活性効果が低くなる。nが15より大きいと、官能基Bの極性が低下し、極性の高いバインダと吸着しにくくなる。
(式1)において、xおよびyはモル基準による比率を表わす。xおよびyは、百分率(単位はmol%)で表わすことができる。0<x<1、0<y<1、x+y=1である。xは0.1以上0.9以下であり、yは1−xであることが望ましい。xを0.1以上0.9以上にすることで、極性の大きい材料であるバインダと極性の小さい炭素材料1との結着を向上させることができる。モル基準による比率は、1H−NMR、1C−NMRで定量可能である。例えば、xがフェニル基の場合、1H−NMRの化学シフトδ=7〜7.5付近に特徴的なピーク(1モルあたりのH数5)が見られ、yがカルボキシル基の場合、1H−NMR化学シフトδ=10〜15に特徴的なピーク(1モルあたりのH数1)が見られる。ピーク面積はモル数に比例するため、δ=7〜7.5、δ=10〜15の面積比率をとると、モル比を算出できる。
負極活物質200を構成する炭素材料1とポリマーの重量比が0.01以上1以下であることが望ましい。0.01より小さい場合は炭素材料1に十分な被覆されず、炭素材料1表面の濡れ性が上がらない。このため、バインダの分散が向上できない。また、1より大きい場合は抵抗が上がってしまい、電池特性が低下する。負極活物質200を構成する炭素材料1とポリマーの重量比は、1H−NMR、1C−NMRで定量可能である。
<第1の被覆層2の合成方法>
重合は従来から知られているバルク重合、溶液重合および乳化重合のいずれによってもよい。また、重合方法は特に限定されないが、ラジカル重合が好適に用いられる。重合に際しては、重合開始材を用いても用いなくてもよく、取り扱いの容易さの点からラジカル重合開始剤を用いるのが望ましい。
ラジカル重合剤を用いてモノマーAとモノマーBとを共重合させる重合方法は、通常使われている温度範囲および重合時間で行うことができる。重合開始剤の配合量は、重合性化合物に対し、0.1〜20wt%であり、好ましくは0.3〜5%である。ラジカル重合開始剤としては、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tブチルペルオキシド、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウロイル、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化カリウム、過酸化水素/鉄(II)塩、過硫酸/亜硫酸塩/亜硫酸水素ナトリウム、セリウム塩/アルコール、BPO/N,N−ジメチルアニリン、トリエチルボラン−酸素、過酸化水素−アルキル化金属などが用いられている。
次に示す構成の負極活物質であれば、なおさら、負極活物質と結着剤との濡れ性が向上する。本発明の一実施形態に係る負極活物質200は、図2に示すよう炭素材料1に第1の被覆層2と第2の被覆層3が部分的または全体に被覆されて構成されている。
これらの炭素材料1にまず、第1の被覆層2の材料を用いて、部分的または全体に炭素材料1を被覆する。第1の被覆層2は炭素材料1とバインダの濡れ性を向上させるため、極性の高い材料と極性の低い材料を併せ持った界面活性剤がよい。界面活性剤として、例えば、(式1)に示す一般式で示す材料が望ましい。
図2の第1の被覆層2に用いられる(式1)において、xは0.5以上0.9以下であることが望ましい。xが少ないと第1の被覆層2の材料の極性が高くなり、第2の被覆層3を付ける際、溶媒に溶けてしまい、本発明の効果が低下する。xが少ないと水に溶けやすくなり、第1の被覆層2と第2の被覆層3が相溶すると考えられる。xの数値が大きいと水に溶けにくくなり、第1の被覆層2と第2の被覆層3が島状になり黒鉛に被覆すると考えられる。
第1の被覆層2の材料は、次に示すような溶媒中に分散または溶解させるのが望ましい。構成する溶媒としては、水、エタノール、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルフォスフォアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラメチルウレア、トリエチルフォスフェイト、トリメチルフォスフェイト等を用いることができる。また、これら溶媒は単独でも混合して用いても良い。
炭素材料1に第1の被覆層2を被覆させる方法は次のようにしてもよい。第1の被覆層2が分散または溶解している溶媒と同じ溶媒に炭素材料1と第1の被覆層2の材料を入れ、ペーストをつくる。その後、ペーストを乾燥させ、図2に示すような炭素材料1に第1の被覆層2が被覆された負極活物質200を得ることができる。完全に溶媒を飛ばした後、負極活物質200に第2の被覆層3をさらに被覆させる。
第2の被覆層3の材料はメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイドのいずれか一種のような極性の高い水溶性高分子である。極性の高いポリマーを被覆層に含めることでバインダと炭素材料1との濡れ性が向上する。第2の被覆層3を第1の被覆層2の表面に形成せずにスラリーに混合させた、スラリー作製時にCMCなどのバインダと被覆材とが反応し、黒鉛表面には被覆材がつかない可能性がある。よって、第2の被覆層3は、スラリーを作製する前に第1の被覆層2の表面に形成すことが望ましい。
第2の被覆層3の材料は水に分散または溶解させるのが望ましい。第1の被覆層2が分散または溶解している溶媒と同じ溶媒に第1の被覆層2を被覆された炭素材料1と第2の被覆層3の材料を入れ、ペーストをつくる。その後、ペーストを乾燥させ、図2に示すような炭素材料1に第2の被覆層3が被覆された負極活物質200を得ることができる。
負極活物質200を構成する炭素材料1と水溶性高分子の重量比が0.01以上1以下であることが望ましい。0.01より小さい場合は炭素材料1に十分な被覆されず、炭素材料1表面の濡れ性が上がらない。このため、バインダの分散が向上できない。また、1より大きい場合は抵抗が上がってしまい、電池特性が低下する。
負極活物質200に水溶性高分子が含まれる場合、図3のように炭素材料1の表面に(式1)で表されるポリマーおよび水溶性高分子を含む混合被覆層4を形成しても良い。
図3における負極活物質200は以下のようにして得られる。まず、(式1)で表わされるポリマーが分散または溶解している溶媒と同じ溶媒に炭素材料1と(式1)で示されるポリマーと水溶性高分子材料を入れ、ペーストをつくる。その後、ペーストを乾燥させ、図3に示すような炭素材料1に混合被覆層4が被覆された負極活物質200を得ることができる。
<負極>
負極は、上述の負極活物質を用いて、例えば、以下の方法により負極合剤層を形成することで作製することができる。
負極は、負極活物質、電子導電性材料及びバインダ樹脂から構成される負極合剤層が負極集電体上に塗布されることにより形成される。
なお、負極合剤層において、電子抵抗の低減のため更に導電剤を加えても良い。導電剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
バインダ樹脂としては、負極を構成する材料と負極集電体を密着させるものであればよく、例えば、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。バインダ樹脂溶液を構成する溶媒としては、水を用いることができる。また、これら溶媒は単独でも混合して用いても良い。
負極集電体としては、ステンレス鋼、銅、ニッケル、チタン等の金属箔あるいは金属メッシュ等を用いることができる。特に、銅が好ましく、耐熱性の高いジルコニアや亜鉛含有銅も好ましい。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池は、上記本発明一実施形態に係る負極を備えていればよく、その他の構成要素や構造については特に制限は無く、従来公知のリチウムイオン二次電池で適用されている各種構成要素、構造を採用することができる。
<正極>
正極は、正極活物質、電子導電性材料及びバインダ樹脂から構成される正極合剤層が正極集電体であるアルミニウム箔上に塗布されることにより形成される。また、電子抵抗の低減のため更に正極合剤層に導電剤を加えても良い。
正極活物質は、組成式LiαMnxM1yM2z2(式中、M1は、Co、Niから選ばれる少なくとも1種、M2は、Co、Ni、Al、B、Fe、Mg、Crから選ばれる少なくとも1種であり、x+y+z=1、0<α<1.2、0.2≦x≦0.6、0.2≦y≦0.4、0.05≦z≦0.4)で表わされるリチウム複合酸化物が好ましい。また、その中でも、M1がNi又はCoであって、M2がCo又はNiであることがより好ましい。LiMn1/3Ni1/3Co1/32であればさらに好ましい。組成中、Niを多くすると容量が大きく取れ、Coを多くすると低温での出力が向上でき、Mnを多くすると材料コストを抑制できる。また、添加元素は、サイクル特性を安定させるのに効果がある。他に、一般式LiMxPO4(M:Fe又はMn、0.01≦X≦0.4)やLiMn1-xxPO4(M:Mn以外の2価のカチオン、0.01≦X≦0.4)である空間群Pmnbの対称性を有する斜方晶のリン酸化合物でも良い。特に、LiMn1/3Ni1/3Co1/32は、低温特性とサイクル安定性とが高く、ハイブリット自動車(HEV)用リチウム電池材料として好適である。
バインダ樹脂は、正極を構成する材料と正極用集電体を密着させるものであればよく、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、アクリロニトリル、エチレンオキシドなどの単独重合体又は共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどを挙げることができる。前記導電剤は、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンファイバー及び金属炭化物などのカーボン材料であり、それぞれ単独でも混合して用いても良い。
正極は、上述の、正極合剤層形成用の正極合剤含有組成物を用いて、例えば、上述の負極形成の方法と同じように形成できる。
本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池は、上記本発明一実施形態に係る正極および負極を備えていればよく、その他の構成要素や構造については特に制限は無く、従来公知のリチウムイオン二次電池で適用されている各種構成要素、構造を採用することができる。
<電解液>
電解液に用いる溶媒としては低温特性、負極電極上の被膜形成の観点からエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート(VC)を含むのがよい。
電解液に用いるリチウム塩としては、特に限定はないが、無機リチウム塩では、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiCl、LiBr等、また、有機リチウム塩では、LiB[OCOCF3]4、LiB[OCOCF2CF3]4、LiPF4(CF3)2、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2CF2CF3)2等を用いることができる。特に、民生用電池で多く用いられているLiPF6は、品質の安定性から好適な材料である。また、LiB[OCOCF3]4は、解離性、溶解性が良好で、低い濃度で高い導電率を示すので有効な材料である。
<セパレータ>
リチウムイオン二次電池に係るセパレータとしては、公知のリチウムイオン二次電池に使用されているセパレータを用いることができる。例えば、セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン製の微孔性フィルムや不織布などが挙げられる。電池の高容量化の観点からは、セパレータの厚みは、20μm以下とすることが好ましく、18μm以下とすることがより好ましい。このような厚みのセパレータを用いることで、電池の体積あたりの容量を大きくすることができる。しかし、セパレータを薄くしすぎると、取り扱い性が損なわれたり、正負極間の隔離が不十分となって短絡が生じ易くなったりするため、厚みの下限は10μmであることが好ましい。
以上より、本発明の一実施態様であるリチウムイオン二次電池は、電池の内部抵抗を低減したリチウムイオン二次電池を提供できるため、高出力が要求されるハイブリッド自動車の電源、自動車の電動制御系の電源やバックアップ電源として広く利用可能であり、鉄道、電動工具、フォークリフトなどの産業用機器の電源としても好適である。
電池の形状は、捲回円筒型、偏平長円形型、捲回角型、積層型などがあり、いずれの形状を選択してもよい。以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
<負極活物質>
負極活物質200の作製方法は次に示す方法で作製した。
低極性のモノマー剤はスチレン、高極性のモノマー剤はメタクリル酸ナトリウムを用いた。その2つのモノマーを溶媒のTHFに加えた。スチレンとメタクリル酸ナトリウムの比率は30%mol:70%molとした。その後、溶液をArで10分間、バブリングし、溶液中の溶残酸素を除去した。重合開始剤としてAIBNを全モノマーの重量に対して、2wt%加え、60℃にし、3時間加熱した。その後、溶媒のTHFを留去し、混合被覆層4の一材料としてのポリマーであるスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体を得た。合成したポリマーを1H−NMR測定したところ、二重結合に特有のシグナルが見られず、モノマーとして残存していないことが確認された。
前記のような方法で合成されたポリマーを被覆剤として用いた。なお、この被覆剤は水に分散されている。被覆方法は次に示すとおりである。炭素材料1である黒鉛とポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体、CMCを用い、乾燥時の固形分量を黒鉛:ポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体:CMC=98.5:1:0.5の比になるように、溶剤として水を用いてペーストを調製した。その後、ペーストを80℃で乾燥させ、図3に示すような炭素材料1に混合被覆層4が被覆された負極活物質200を得た。
<捲回型電池の作製>
以下に示す方法で、本実施例の捲回型電池を作製した。図4に捲回型電池の片側断面図を示す。
まず、負極活物質として上記の作製方法で作製した負極活物質、バインダとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて、乾燥時の固形分重量を、負極活物質:SBR:CMC=98:1.3:0.7の比の比となるように、溶剤として水を用いて、負極合剤層6のスラリーを調製した。
この負極合剤層6のスラリーを、負極集電体5となる銅箔に塗布した。その後、80℃にて乾燥して負極合剤層6を負極集電体5に形成した。
次に、正極活物質としてLiMn1/3Ni1/3Co1/32を用い、電子導電性材料としてカーボンブラック(CB1)と黒鉛(GF2)を用い、バインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用いて、乾燥時の固形分重量を、LiMn1/3Ni1/3Co1/32:CB1:GF2:PVDF=86:9:2:3の比となるように、溶剤としてNMP(N−メチルピロリドン)を用いて正極合剤層9のペーストを調製した。
この正極合剤層9のペーストを、正極集電体8となるアルミ箔に塗布し、80℃で乾燥して正極合剤層9を正極集電体8に形成した。
電解液として、溶媒を容積組成比EC:VC:DMC:EMC=19.8:0.2:40:40で混合したものを用い、リチウム塩としてLiPF6を1M溶解して電解液を作製した。
作製した電極間にセパレータ11を挟み込み、捲回群を形成し、負極電池缶17に挿入した。そして、負極の集電をとるためにニッケル製の負極リード13の一端を負極集電体5に溶接し、他端を負極電池缶17に溶接した。また、正極の集電をとるためにアルミニウム製の正極リード12の一端を正極集電体8に溶接し、他端を電流遮断溶接し、さらにこの電流遮断弁を介して正極電池蓋16と電気的に接続した。さらに電解液を注液し、かしめることで捲回型電池であるリチウムイオン二次電池100を作製した。
なお、図4において、14は正極絶縁材、15は負極絶縁材、18はガスケットである。
<電池特性評価>
<電池容量評価方法>
電池を定電流0.6Aで4.1Vまで充電し、定電圧4.1Vで電流値が20mAになるまで充電し、30分の運転休止の後、0.6Aで2.7Vまで放電した。この操作を2回繰り返した。次に、電池を4.1Vまで定電流0.6Aで充電し、30分放置し、電圧を測定した。測定結果を表1に示す。本実施例において、比較例1に対する容量比は100%であった。
<直流抵抗(DCR)評価方法>
放電DCR(Direct Current Resistance)評価は、電池を3.7Vまで定電流0.6Aで充電し、0.6Aで10s放電し、再度3.8Vまで定電流で充電し、1.8Aで10s放電し、再度3.7Vまで充電し、0.6Aで10s放電した。この際のI−V特性から、電池のDCRを評価した。測定結果を表1に示す。本実施例において、比較例1に対する直流抵抗比は105%であった。
<サイクル寿命方法>
電池を定電流0.6Aで4.1Vまで充電し、定電圧4.1Vで電流値が20mAになるまで充電し、30分の運転休止の後、1.8Aで2.7Vまで放電した。この操作を100回繰り返した。次に、電池を4.1Vまで定電流0.6Aで充電し、30分放置し、電圧を測定した。測定結果を表1に示す。本実施例において、初期容量100%のサイクル寿命は70%であった。
<負極活物質>
以下に示す方法で、本実施例の負極活物質200を作製した。負極活物質200の作製方法以外は実施例1と同様に作製し、捲回型電池を作製した。負極活物質200の作製方法は次に示す方法で作製した。
まず、炭素材料1に第1の被覆層2を被覆させた。第1の被覆層2の材料はポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体を用いた。ポリスチレンとポリメタクリル酸ナトリウムの比率は90%mol:10%molとした。尚、ポリスチレン−ポリメタクリル酸ナトリウム共重合体はNMP(N−メチルピロリドン)に分散されている。
第1の被覆層2のポリマーは次のように得た。低極性のモノマー剤はスチレン、高極性のモノマー剤はメタクリル酸ナトリウムを用いた。その2つのモノマーを溶媒のTHFに加えた。スチレンとメタクリル酸ナトリウムの比率は90%mol:10%molとした。その後、溶液をArで10分間、バブリングし、溶液中の溶残酸素を除去した。重合開始剤としてAIBNを全モノマーの重量に対して、2wt%加え、60℃にし、3時間加熱した。その後、溶媒のTHFを留去し、ポリマーであるスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体を得た。合成したポリマーを1H−NMR測定したところ、二重結合に特有のシグナルが見られず、モノマーとして残存していないことが確認された。
第1の被覆層2で炭素材料1を被覆する方法は次に示すとおりである。炭素材料1とポリスチレン−ポリメタクリル酸ナトリウム共重合体を用い、乾燥時の固形分量を炭素材料:ポリスチレン−ポリメタクリル酸ナトリウム共重合体=99:1の比になるように、溶剤としてNMPを用いてペーストを調製した。その後、ペーストを80℃で乾燥させ、図3に示すような第1の被覆層2に被覆されたものを得た。
その後、第2の被覆層3を次に示すように炭素材料1に被覆させた。第2の被覆層3の材料はCMCを用いた。炭素材料1とCMCを用い、乾燥時の固形分量を炭素材料:CMC=99.5:0.5の比になるように、溶剤として水を用いてペーストを調製した。その後、ペーストを100℃で乾燥させ、図2に示すような第1の被覆層2が被覆された炭素材料1に第2の被覆層3が被覆された負極活物質200を得た。
本実施例において、比較例1に対する容量比は100%であった。本実施例において、比較例1に対する直流抵抗比は105%であった。本実施例において、初期容量100%のサイクル寿命は80%であった。
ポリメタクリル酸ナトリウムに含まれる高極性官能基はポリアリルアルコールに含まれる高極性官能基よりも親水性が高い。したがって、実施例3に比べ実施例2の方が負極活物質200とバインダとの濡れ性がよい。このため、負極活物質200とバインダとの密着性が向上し、サイクル特性も向上していると考えられる。
以下に示す方法で、本実施例の負極活物質200を作製した。負極活物質200の作製方法以外は実施例1と同様に作製し、捲回型電池を作製した。
負極活物質200の作製方法は次に示す方法で作製した。まず、炭素材料1に第1の被覆層1を被覆させた。第1の被覆層2の材料はポリスチレン−ポリアリルアルコール共重合体を用いた。ポリスチレンとポリアリルアルコールの比率は90%mol:10%molとした。尚、ポリスチレン−ポリアリルアルコール共重合体はNMP(N−メチルピロリドン)に分散されている。
第1の被覆層2のポリマーは次のように得た。低極性のモノマー剤はスチレン、高極性のモノマー剤はアリルアルコールを用いた。その2つのモノマーを溶媒のTHFに加えた。スチレンとアリルアルコールの比率は90%mol:10%molとした。その後、溶液をArで10分間、バブリングし、溶液中の溶残酸素を除去した。重合開始剤としてAIBNを全モノマーの重量に対して、2wt%加え、60℃にし、3時間加熱した。その後、溶媒のTHFを留去し、ポリマーであるスチレン−アリルアルコール共重合体を得た。合成したポリマーを1H−NMR測定したところ、二重結合に特有のシグナルが見られず、モノマーとして残存していないことが確認された。
第1の被覆層2で炭素材料1を被覆する方法は次に示すとおりである。炭素材料1とポリアリルアルコール共重合体を用い、乾燥時の固形分量を炭素材料:ポリスチレン−ポリアリルアルコール共重合体=99:1の比になるように、溶剤としてNMPを用いてペーストを調製した。その後、ペーストを80℃で乾燥させ、図3に示すような第1の被覆層2に被覆されたものを得た。
その後、第2の被覆層3を次に示すように炭素材料1に被覆させた。第2の被覆層3の材料はCMCを用いた。第1の被覆層2を被覆した炭素材料1とCMCを用い、乾燥時の固形分量を炭素材料:CMC=99.5:0.5の比になるように、溶剤として水を用いてペーストを調製した。その後、ペーストを100℃で乾燥させ、図2に示すような第1の被覆層2が被覆された炭素材料1に第2の被覆層3が被覆された負極活物質を得た。
本実施例において、比較例1に対する容量比は105%であった。本実施例において、比較例1に対する直流抵抗比は105%であった。本実施例において、初期容量100%のサイクル寿命は70%であった。
〔比較例1〕
以下に示す方法で、本比較例の負極7を作製した。負極7以外は実施例1と同様に作製し、捲回型電池を作製した。
負極活物質200として被覆処理をしていない黒鉛、バインダとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて、乾燥時の固形分重量を、負極活物質:SBR:CMC:ポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体=97:1.3:1.3:0.4の比となるように、溶剤として水を用いて、負極合剤層6のスラリーを調製した。
この負極合剤層6のスラリーを、負極集電体5となる銅箔に塗布した。その後、80℃にて乾燥して負極合剤層6を負極集電体5に形成した。
本比較例において、初期容量100%のサイクル寿命は65%であった。スラリー作製時にCMCとポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体とが反応し、黒鉛表面にポリスチレン−ポリアクリル酸ナトリウム共重合体が形成されていないことより、サイクル寿命が低下したものと考えられる。
〔比較例2〕
以下に示す方法で、本比較例の負極7を作製した。負極7以外は実施例1と同様に作製し、捲回型電池を作製した。
負極活物質200として被覆処理をしていない黒鉛、バインダとしてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)を用いて、乾燥時の固形分重量を、黒鉛:SBR:CMC=97.4:1.3:1.3の比となるように、溶剤として水を用いて、負極合剤層6のスラリーを調製した。
この負極合剤層6のスラリーを、負極集電体5となる銅箔に塗布した。その後、80℃にて乾燥して負極合剤層6を負極集電体5に形成した。
本比較例において、比較例1に対する容量比は100%であった。本実施例において、比較例1に対する直流抵抗比は110%であった。本実施例において、初期容量100%のサイクル寿命は67%であった。
1 炭素材料
2 第1の被覆層
3 第2の被覆層
4 混合被覆層
5 負極集電体
6 負極合剤層
7 負極
8 正極集電体
9 正極合剤層
10 正極
11 セパレータ
12 正極リード
13 負極リード
14 正極絶縁材
15 負極絶縁材
16 正極電池蓋
17 負極電池缶
18 ガスケット
100 リチウムイオン二次電池
200 負極活物質

Claims (11)

  1. 炭素材料および第1の被覆層を含む負極活物質であって、
    前記炭素材料の表面に前記第1の被覆層が形成され、
    前記第1の被覆層は、下記(式1)で示されるポリマーを含む負極活物質。
    (式1中、
    1とZ2は、重合性官能基の残基であり、
    Aは、アルキル基または芳香族官能基のいずれか一種以上であり、
    Bは、カルボキシル基、水酸基またはアルキレンオキシド基のいずれか一種以上であり、
    xおよびyは、モル基準による比率であり、0<x<1、0<y<1、x+y=1である。)
  2. 請求項1において、
    Bは、COONa、COOK、COONH4のいずれか一種以上である負極活物質。
  3. 請求項1または2において、
    xを0.1以上0.9以上である負極活物質。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1の被覆層の表面に第2の被覆層が形成され、
    前記第2の被覆層は、水溶性高分子を含み、
    前記水溶性高分子は、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩またはポリエチレンオキサイドのいずれか一種以上である負極活物質。
  5. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1の被覆層に、セルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩またはポリエチレンオキサイドのいずれか一種以上が含まれる負極活物質。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記炭素材料と前記ポリマーの重量比が0.01以上1以下である負極活物質。
  7. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記炭素材料と前記水溶性高分子の重量比が0.01以上1以下である負極活物質。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記炭素材料は、炭素002面の面間隔d002が0.3345nm以上0.338nm未満である負極活物質。
  9. 負極集電体と、
    請求項1乃至8のいずれかの負極活物質、電子導電性材料およびバインダ樹脂から構成される負極合剤層と、を含むリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 請求項1乃至8のいずれかの負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池。
  11. 炭素材料および第1の被覆層を含む負極活物質の製造方法であって、
    前記炭素材料の表面に前記第1の被覆層が形成され、
    前記第1の被覆層は、下記(式1)で示されるポリマーを含み、
    (式1中、
    1とZ2は、重合性官能基の残基であり、
    Aは、極性の低い官能基を有する低極性官能基であり、
    Bは、極性の高い官能基を有する高極性官能基であり、
    xおよびyはモル基準による比率である。)
    低極性官能基Aおよび重合性官能基を含むモノマーと、高極性官能基Bおよび重合性官能基を含むモノマーと、の共重合により前記ポリマーが作製される負極活物質の製造方法。
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