以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図である。
図において、1は画像形成装置であり、画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cと、定着装置としての定着器30とを有する。なお、画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cを統合的に説明する場合には、画像形成ユニット26として説明する。
ここで、前記画像形成装置1は、例えば、プリンタ、ファクシミリ機、複写機等であり、電子写真方式によって、印刷用紙、封筒、OHP(Over Head Projector)シート、ロール紙等の媒体上に白黒やカラーの画像を形成するようになっている。そして、前記画像形成ユニット26は媒体上にトナー像を形成し、前記定着器30は前記トナー像を媒体に定着させる。なお、前記画像形成装置1は、モノクロ画像を形成するものであっても、カラー画像を形成するものであってもよいが、ここでは、タンデム式のカラーの印刷装置であるものとして説明する。この場合、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応する画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cが、媒体の搬送方向(図における左方向)に沿って順次並ぶように配設される。
そして、20は画像形成装置1本体の下部に配設された媒体収容部であり、該媒体収容部20は、媒体としての単票(カットシート)101を収容するための媒体カセット22を備える。単票101は、媒体カセット22から給紙ローラ23によって1枚ずつ繰り出され、媒体搬送路18に送り込まれ、レジストローラ24に送られ、停止させられた状態のレジストローラ24によって搬送が一旦停止させられる。レジストローラ24は、単票101の進行方向先端を検知し、一旦、前記単票101を停止させた後、画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cの画像形成タイミングに合わせて前記単票101を送り出す。なお、該単票101は、媒体搬送路18に沿って、矢印で示される方向に搬送される。
続いて、レジストローラ24が回転させられると、単票101は搬送ベルトユニット10の搬送ベルト12に送られる。該搬送ベルト12に送られた単票101は、図示されない吸着装置によって静電荷が付与され、搬送ベルト12に静電気力によって吸着された後、搬送ベルト12によって搬送される。その間に、画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cでは、感光体ドラム61の表面にLEDヘッド(Light Emitting Diode)28K、28Y、28M及び28Cによって形成された静電潜像が現像装置63によって現像され、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成される。
そして、該ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が、転写ローラ27K、27Y、27M及び27Cの静電気力によって感光体ドラム61の表面から単票101に転写され、カラーのトナー像が形成される。カラーのトナー像が転写された単票101は、その後、定着器30に送られ、該定着器30の加熱ローラと加圧ローラとの間を通過し、その間にカラーのトナー像が単票101に定着され、カラー画像が記録される。そして、カラー画像が記録された単票101は、排出ローラ31によって搬送され、画像形成装置1本体の上部に形成されたスタッカ32上に排出される。なお、LEDヘッド28K、28Y、28M及び28C並びに転写ローラ27K、27Y、27M及び27Cを統合的に説明する場合には、それぞれ、LEDヘッド28及び転写ローラ27として説明する。
前記画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cは、いずれも、トナー担持体及び像担持体としての感光体ドラム61と、該感光体ドラム61を一様に、かつ、均一に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ62と、感光体ドラム61の表面において前記LEDヘッド28K、28Y、28M及び28Cによって形成された静電潜像を現像して各色のトナー像を形成する現像装置63と、感光体ドラム61の表面に残留した不要なトナーを除去する図示されないクリーニング部とを有する。前記現像装置63は、感光体ドラム61に接触させて配設されたトナー担持体としての現像ローラ65と、該現像ローラ65にトナーを供給するトナー供給ローラ66とを備える。
なお、前記各画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cの上方には、露光装置としてのLEDヘッド28K、28Y、28M及び28Cが、感光体ドラム61の表面に対向して配設される。
また、前記搬送ベルトユニット10は、トナー担持体及び搬送部材としてのエンドレスの搬送ベルト12と、第1のローラとしての駆動ローラRaと、第2のローラとしての従動ローラRbと、4本の転写ローラ27K、27Y、27M及び27Cと、前記従動ローラRbの下方に配設されている廃トナーボックス部11とを有する。そして、前記搬送ベルト12は、駆動ローラRaと従動ローラRbとの間に張設され、図示されないベルト駆動モータによって駆動されることにより走行する。なお、前記搬送ベルトユニット10の転写ローラ27K、27Y、27M及び27Cは、前記画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cの下方に、対向して配設されている。
さらに、駆動ローラRaの近傍には、色ずれに関する情報を検出する図示されない画像検出センサが配設されている。該画像検出センサは、画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cによって搬送ベルト12上に形成されたトナー像から成る色ずれ補正用の評価パターンを、光学的に検出する。なお、前記画像検出センサは、発光素子と受光素子とを有する。前記発光素子は、搬送ベルト12上に形成された色ずれ補正用の評価パターンに光を照射する。また、前記受光素子は、評価パターンからの反射光を検出し、反射光の強度に応じた電圧信号を出力する。
ここでは、説明の都合上、媒体が単票101である場合についてのみ説明したが、媒体が単票101以外のものである場合、例えば、ロール紙等の長尺のものである場合も、同様である。長尺の媒体は、例えば、所定の長さ毎に形成された折り目で折りたたむことによって、単票101と同様に、媒体カセット22に収容して給紙することができる。
次に、前記搬送ベルトユニット10の構成について詳細に説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルトユニットを示す斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルトユニットから廃トナーボックス部を取り外した状態を示す斜視図、図4は本発明の第1の実施の形態における廃トナーボックス部から取り外したトナー滞留部材を示す斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における図2におけるA−A断面でありトナー滞留部材の作用を示す要部断面図である。
図に示されるように、搬送ベルトユニット10は、搬送ベルト12と、フレーム72と、廃トナーボックス部11とを有し、該廃トナーボックス部11はフレーム72の一部に嵌(は)め込まれて固定されている。そして、前記廃トナーボックス部11は、廃トナーを収容するための廃トナーケース81と廃トナーケースカバー82とを有する。
また、71は、搬送ベルト12上の残留トナー75を掻(か)き取って除去するためのブレード部材としてのクリーニングブレードである。該クリーニングブレード71は、搬送ベルト12の下面に先端を押し当てた状態で配設され、廃トナーボックス部11に固定されている。なお、フィルム73は、掻き取られた残留トナー75が飛散することを防止する。そして、前記クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーとして廃トナーケース81内に収容される。
さらに、90は、トナーを滞留させるトナー滞留部材であり、例えば、ウレタンフォーム(スポンジ)等から成る柔軟性及び摺(しゅう)動性に優れた部材であり、搬送ベルト12上の残留トナー75を一時的に滞留させるためのものである。前記トナー滞留部材90は、搬送ベルト12の走行方向、すなわち、搬送方向においてクリーニングブレード71の上流に配置され、搬送ベルト12の下面に当接するように廃トナーケースカバー82の上面に配置されている。なお、97はトナーが滞留するトナー滞留面である。
トナー担持体としての搬送ベルト12の表面に付着した不要な残留トナー75は、搬送ベルト12の表面にカウンタ方向に当接したクリーニングブレード71によって掻き取られる。そして、クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーボックス部11に廃トナーとして回収された後に、廃棄される。
なお、クリーニングブレード71によって残留トナー75が掻き取られるとき、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との当接面にはトナーが付着するが、この付着したトナーには、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を軽減する作用がある。すなわち、トナーは、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との間の当接面において、潤滑剤として機能する。そのため、本実施の形態においては、クリーニングブレード71に積極的にトナーを付着させることを目的に、画像形成を行わないときに、帯状のトナー像としての後述されるまぶしトナー像103を搬送ベルト12上に形成する。前記まぶしトナー像103は、色ずれ補正用の評価パターンであってもよい。
次に、まぶしトナー像103の形成について詳細に説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルト表面にまぶしトナー像が形成されている状態を示す図である。
図6は、搬送ベルト12の表面にまぶしトナー像103が付着している状態を仮想的に表した説明図である。なお、この図は、搬送ベルト12、媒体及びまぶしトナー像103の幅の相対関係を説明するものであり、搬送ベルト12の搬送方向における媒体とまぶしトナー像103との位置関係を説明するものではない。すなわち、まぶしトナー像103が単票101間に形成されることを規定するものではない。図において、101Cは本実施の形態における使用可能な最大幅の単票101が位置する部分を示している。
単票101は、その表面に記録画像としてのトナー像が形成され、搬送ベルト12によって矢印12Aで示される搬送方向に向けて搬送される。そして、まぶしトナー像103は、画像形成を行わないときに、搬送ベルト12上に、幅103Aで形成される。なお、まぶしトナー像103は、前記幅103Aが、搬送ベルト12の幅12Bよりも狭く、画像形成装置1で使用可能な最大の単票101の幅101Aよりも広くなるように形成される。
また、トナー滞留部材90の幅は、まぶしトナー像103の幅103Aと同じかそれ以上であることが望ましい。
また、まぶしトナー像103は、4つの画像形成ユニット26K、26Y、26M及び26Cのうちのいずれを使用して形成してもよいが、イエローのトナー像を作成するための画像形成ユニット26Yを使用して形成することが望ましい。これは、搬送ベルト12に形成されたまぶしトナー像103を、クリーニングブレード71が除去しきれず、除去することができなかった残留トナー75が次の画像形成動作に係る媒体の裏面に付着した場合でも、印刷結果として目立たないためである。クリーニングブレード71の捲れを防止するためには、例えば、まぶしトナー像103の形成を所定枚数の画像形成動作が行われた後、定期的に実行することが望ましい。まぶしトナー像103の形成は、印刷ジョブの実行中において搬送される単票101間に形成されるものではなく、印刷の累積枚数に基づいて印刷ジョブが実行されていないとき、すなわち、印刷ジョブの間に行われる。
ここでは、説明の都合上、媒体が単票101である場合についてのみ説明したが、まぶしトナー像103の形成は、媒体が単票101以外のものである場合、例えば、ロール紙等の長尺のものである場合にも、同様に行われる。
次に、前記廃トナーボックス部11の変形例について説明する。
図7は本発明の第1の実施の形態における廃トナーボックス部の第1の変形例を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における廃トナーボックス部の第2の変形例を示す図である。
図2〜5に示される例において、トナー滞留部材90は、搬送ベルト12の幅方向のほぼ全域に亘(わた)って延在するように一体的に形成されている。この場合、トナー滞留部材90のトナー滞留面97が搬送ベルト12の表面に当接しているので、少なからず、搬送ベルト12の走行負荷となってしまう。
そこで、図7に示されるように、トナー滞留部材90を2つの部材90A及び90Bから構成されるようにしてもよい。この場合、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、搬送ベルト12の下面に当接するように、廃トナーケースカバー82の上面に配置されている。
また、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、媒体幅方向に関して、最も使用される頻度の高いサイズの媒体の両端部に跨(またが)るように配置されている。そのため、同じ幅の媒体を連続して印刷するときに特に発生しやすいクリーニングブレード71の捲れや損傷を効果的に防止することができる。
また、図8に示されるように、トナー滞留部材90A及び90Bの位置を、媒体の幅方向に関して、調整することができるようにしてもよい。トナー滞留部材90A及び90Bは、シャフトクランプ115A及び115Bを有するとともに、廃トナーケースカバー82の一部に形成されたガイド部82Aに保持されている。
そして、111は、トナー滞留部材90A及び90Bを移動させるためのドライブギヤであり、ドライブシャフト112の端部に固定されている。該ドライブシャフト112は、シャフト軸にスパイラル状の溝112A及び112Bが形成されたシャフトであり、廃トナーケース81の一部に形成されたシャフト軸受部83に、軸受カラー114を介して保持されている。
ドライブシャフト112のスパイラル状の溝112A及び112Bには、トナー滞留部材90A及び90Bのシャフトクランプ115A及び115Bが各々螺(ら)合している。また、前記スパイラル状の溝112A及び112Bは、互いに逆方向に形成されている。そのため、ドライブギヤ111を、例えば、矢印111aで示される方向に回転させると、トナー滞留部材90Aは、シャフトクランプ115Aとともに、矢印115aで示される方向に移動し、同時に、トナー滞留部材90Bは、シャフトクランプ115Bとともに、矢印115bで示される方向に移動する。
したがって、使用される媒体の幅に合わせて、2つのトナー滞留部材90A及び90Bを任意の位置に移動させることができる。例えば、使用される媒体の幅の情報に基づいて、図示されない駆動源によってドライブギヤ111を所定量駆動すると、ドライブシャフト112の回転に伴いトナー滞留部材90A及び90Bは、矢印115a及び115bで示される方向に所定量移動する。これにより、トナー滞留部材90A及び90Bを任意の位置に移動させることができる。
なお、その他の点の構成については、図2〜5に示される例と同様であるので、その説明を省略する。
次に、前記画像形成装置1を制御する制御装置の構成について説明する。
図9は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
図に示されるように、画像形成装置1は、LAN(Local Area Network)、イントラネット、通信ケーブル等の通信回線38を介して、パーソナルコンピュータ、サーバ等の上位装置39と通信可能に接続されている。また、画像形成装置1は、データ受信部33、データ解析部34、制御部41、画像形成部44及びイメージデータバッファ46を有する。
そして、前記データ受信部33は、通信回線38を介して上位装置39から印刷ジョブデータを受信し、データ解析部34に転送する。
該データ解析部34は、印刷画像データ作成部35及び媒体長取得部36を有する。そして、該媒体長取得部36は、データ受信部33が受信した印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から、単票101等の媒体の搬送方向長、すなわち、媒体長を取得する。また、前記印刷画像データ作成部35は、印刷ジョブデータを解析して印刷画像データを作成し、該印刷画像データをイメージデータバッファ46に格納する。そして、印刷画像データの格納が終了すると、前記データ解析部34は、制御部41に対し、取得した媒体長と「格納終了」とを送信する。
前記制御部41は、画像形成装置1が備える各部材の動作を統合的に制御する。また、前記制御部41は、滞留トナー量算出部42、まぶしトナー像作像部としての帯画像作像部43及び滞留トナー残量記憶部47を有する。そして、前記制御部41は、データ解析部34から「格納終了」を受信すると、イメージデータバッファ46から印刷画像データを読み出して画像形成部44に送信し、LEDヘッド28等を制御して当該印刷画像を形成させる。
また、前記滞留トナー残量記憶部47には、まぶしトナー像103を形成することによってトナー滞留部材90に供給され、該トナー滞留部材90によって滞留されているトナーの量、すなわち、滞留トナー残量が格納されている。ここで、滞留トナー残量とは、ページに換算された数値、すなわち、基準ページの枚数分に換算して得られた数値である。具体的に、論理出力枚数1枚あたり(基準ページ)に必要な滞留トナーの量をAとすると、実際に必要な滞留トナーの量を値Aで割った値が、滞留トナー残量となる。論理出力枚数1枚あたりに必要な滞留トナー量Aは、あらかじめ画像形成装置1に記憶されている。
滞留トナー量算出部42は、滞留トナー残量記憶部47に格納されている値と画像形成部44から受信する論理出力枚数とに基づいて、滞留トナー残量を算出する。
具体的に、滞留トナー残量記憶部47に格納されている値をB、画像形成部44から受信する論理出力枚数をC枚とすると、滞留トナー残量は、
滞留トナー残量〔枚〕=B〔枚〕−C〔枚〕
となる。
必要に応じて、滞留トナー量算出部42は、まぶしトナー像103を形成することによってトナー滞留部材90にトナーを供給することを決定する。また、滞留トナー量算出部42は、データ解析部34から、長尺の媒体を使用する旨の指定、すなわち、長尺指定を受信した場合、まぶしトナー像103を形成することによってトナー滞留部材90に補充することが必要となるトナーの量、すなわち、トナー補充量を算出する。なお、該トナー補充量は、帯画像作像部43に伝達される。
該帯画像作像部43は、受信したトナー補充量に対応する量のトナーを供給することができるまぶしトナー像103を形成するための帯画像データを作成し、画像形成部44に送信する。
該画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を形成して該トナー像を単票101等の媒体上に転写させる。すなわち、印刷を行わせる。また、前記画像形成部44は、論理出力枚数算出部45を有し、制御部41から印刷画像データ及び帯画像データを受信し、論理出力枚数を制御部41に送信する。なお、画像形成部44は、制御部41から印刷画像データを受信した場合には、トナー像を単票101等の媒体上に転写させ、制御部41から帯画像データを受信した場合には、トナー像を、媒体上でなく、搬送ベルト12上に転写させ、帯画像としてのまぶしトナー像103を形成する。
論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算し、論理出力枚数とする。例えば、基準となるサイズがA4ヨコ印刷であれば、A3の単票101の1枚の論理出力枚数は2枚、B4(257〔mm〕×364〔mm〕)であれば、論理出力枚数は1.73枚となる。
次に、前記構成の画像形成装置1の動作について説明する。
図10は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1は、上位装置39から印刷ジョブデータを受信すると、印刷データ準備処理を実行し、前記印刷ジョブデータから印刷画像データを作成する。この場合、データ解析部34が、前記印刷ジョブデータから印刷画像データを作成するとともに、前記印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長を抽出する。そして、データ解析部34は、制御部41に対して媒体長と印刷画像化完了とを送信する。
前記制御部41は、データ解析部34から媒体長と印刷画像化完了とを受信すると、前記印刷ジョブデータの媒体設定で指定された媒体が第1の設定長さ以上の長尺のものであるか否か、すなわち、長尺指定であるか否かを判断する。
そして、長尺指定である場合、画像形成装置1は、長尺印刷処理を実行して処理を終了する。また、制御部41が長尺指定であるか否かを判断して長尺指定でない場合、前記印刷ジョブデータの媒体設定で指定された媒体が単票101であると考えられるので、画像形成装置1は、単票印刷処理を実行して処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 画像形成装置1は印刷データ準備処理を実行し、制御部41に対して媒体長と印刷画像化完了とを送信する。
ステップS2 制御部41はデータ解析部34から媒体長と印刷画像化完了とを受信する。
ステップS3 制御部41は指定された媒体が長尺指定であるか否かを判断する。指定された媒体が長尺指定である場合はステップS4に進み、指定された媒体が長尺指定でない場合はステップS5に進む。
ステップS4 画像形成装置1は長尺印刷処理を実行して処理を終了する。
ステップS5 画像形成装置1は単票印刷処理を実行して処理を終了する。
次に、前記印刷データ準備処理の動作について説明する。
図11は本発明の第1の実施の形態における印刷データ準備処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、データ受信部33は、上位装置39から印刷ジョブデータを受信すると、該印刷ジョブデータをデータ解析部34に転送する。
すると、該データ解析部34の媒体長取得部36は、前記印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長を読み出す。また、前記データ解析部34の印刷画像データ作成部35は、前記印刷ジョブデータを解析して印刷画像データを作成し、該印刷画像データをイメージデータバッファ46に格納する。
そして、前記印刷画像データのイメージデータバッファ46への格納が終了すると、データ解析部34は、制御部41に対して、媒体長としての媒体設定と印刷画像化完了とを送信して、印刷データ準備処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 データ受信部33は上位装置39から印刷ジョブデータを受信する。
ステップS1−2 データ受信部33は印刷ジョブデータをデータ解析部34に転送する。
ステップS1−3 媒体長取得部36は印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長を読み出す。
ステップS1−4 印刷画像データ作成部35は印刷ジョブデータを解析して印刷画像データを作成し、イメージデータバッファ46に格納する。
ステップS1−5 データ解析部34は制御部41に対して、媒体長としての媒体設定と印刷画像化完了とを送信して、印刷データ準備処理を終了する。
次に、前記長尺印刷処理の動作について説明する。
図12は本発明の第1の実施の形態における長尺印刷処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。
続いて、画像形成装置1は、ループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、後述する動作を繰り返し行う。
この場合、制御部41は、イメージデータバッファ46から順次印刷画像データを読み出して、該印刷画像データを画像形成部44に転送する。すると、該画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を形成して該トナー像を媒体上に転写させて印刷を行わせる。すなわち、媒体に画像を形成する。また、論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算し、論理出力枚数を算出する。
そして、画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間前述の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、ループをエンドとする。これにより、画像の形成が終了する。
なお、このループの間に算出された論理出力枚数は、累計されていく。
すると、画像形成部44は、累計された論理出力枚数を制御部41に送信する。そして、該制御部41は、論理出力枚数を受信すると、滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量から差し引いて得た値で、滞留トナー残量を更新する。
続いて、制御部41は、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満であるか否かを判断する。そして、滞留トナー残量が所定値以上である場合、画像形成装置1は、そのまま、長尺印刷処理を終了する。また、滞留トナー残量が所定値未満である場合、画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給した後、長尺印刷処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS4−1 画像形成装置1はトナー滞留処理を実行する。
ステップS4−2 画像形成装置1は、ループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、ステップS4−2〜ステップS4−6の動作を繰り返し行う。
ステップS4−3 制御部41は、イメージデータバッファ46から順次印刷画像データを読み出して、画像形成部44に転送する。
ステップS4−4 画像形成部44は媒体に画像を形成する。
ステップS4−5 論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算し、論理出力枚数を算出する。
ステップS4−6 画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、ステップS4−2〜ステップS4−6の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、ループをエンドとする。
ステップS4−7 画像形成部44は、累計された論理出力枚数を制御部41に送信する。
ステップS4−8 制御部41は、滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量から差し引いて得た値で、滞留トナー残量を更新する。
ステップS4−9 制御部41は、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満であるか否かを判断する。滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満である場合はステップS4−10に進み、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値以上である場合は長尺印刷処理を終了する。
ステップS4−10 画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行して、長尺印刷処理を終了する。
次に、前記単票印刷処理の動作について説明する。
図13は本発明の第1の実施の形態における単票印刷処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
画像形成装置1は、ループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、後述する動作を繰り返し行う。
この場合、制御部41は、イメージデータバッファ46から1ページ分ずつ順次印刷画像データを読み出して、該印刷画像データを画像形成部44に転送する。すると、該画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を形成して該トナー像を媒体上に転写させて印刷を行わせる。すなわち、媒体に画像を形成する。また、論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算して、媒体1枚分の論理出力枚数を算出し、画像形成部44は、論理出力枚数を制御部41に送信する。
該制御部41は、論理出力枚数を受信すると、滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量から差し引いて得た値で、滞留トナー残量を更新する。
続いて、制御部41は、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満であるか否かを判断する。そして、滞留トナー残量が所定値未満である場合、画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。また、滞留トナー残量が所定値以上である場合、画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行しない。
そして、画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間前述の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、ループをエンドとし、単票印刷処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS5−1 画像形成装置1は、ループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間ステップS5−1〜ステップS5−8の動作を繰り返し行う。
ステップS5−2 制御部41は、イメージデータバッファ46から印刷画像データを読み出して、画像形成部44に転送する。
ステップS5−3 画像形成部44は媒体に画像を形成する。
ステップS5−4 論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算して、媒体1枚分の論理出力枚数を算出し、画像形成部44は、論理出力枚数を制御部41に送信する。
ステップS5−5 制御部41は、滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量から差し引いて得た値で、滞留トナー残量を更新する。
ステップS5−6 制御部41は、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満であるか否かを判断する。滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値未満である場合はステップS5−7に進み、滞留トナー残量があらかじめ設定された所定値以上である場合はステップS5−8に進む。
ステップS5−7 画像形成装置1はトナー滞留処理を実行する。
ステップS5−8 画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、ステップS5−1〜ステップS5−8の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、ループをエンドとし、単票印刷処理を終了する。
次に、前記トナー滞留処理の動作について説明する。
図14は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルト表面に形成されるまぶしトナー像の例を示す図、図15は本発明の第1の実施の形態におけるトナー滞留処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
トナー滞留処理は、長尺物の印刷を行う前、及び、所定枚数の印刷を行った後の、種類の異なる2つのタイミングで実行される。
まず、制御部41は、長尺指定があるか否かを判断する。前述のように、制御部41は、データ解析部34から媒体長と印刷画像化完了とを受信すると、印刷ジョブデータの媒体設定で指定された媒体が長尺のものであるか否か、すなわち、長尺指定があるか否かを判断することができる。
そして、長尺指定がある場合、制御部41の滞留トナー量算出部42は、媒体長を基準ページの枚数Pnに換算する。例えば、媒体長が200〔m〕のロール紙を用いて超長尺印刷をする場合、基準ページがA4ヨコであるとすると、基準ページの枚数分に換算して得られる枚数Pnは、
Pn=200,000〔mm〕÷210〔mm〕=953(枚:小数点以下繰上げ)
となる。
続いて、滞留トナー量算出部42は、滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量を取得する。該滞留トナー残量は、ページ換算された数値、すなわち、基準ページの枚数分に換算して得られた数値Prであるとする。そして、滞留トナー量算出部42は、トナー補充量、すなわち、新規滞留トナー量を算出する。該新規滞留トナー量は、Pn−Prである。
続いて、滞留トナー量算出部42は、新規滞留トナー量がゼロより大きいか否か、すなわち、Pn−Pr>0であるか否かを判断する。そして、Pn−Pr>0である場合、トナー滞留部材90にトナーを補充することが必要であると考えられるので、帯画像作像部43は、トナー補充量に対応する量のトナーを供給することができるまぶしトナー像103を形成するための帯画像データを作成する。すなわち、新規滞留トナー量に対応する帯画像データを作成する。そして、滞留トナー量算出部42は、作成した帯画像データを画像形成部44に送信する。
すると、該画像形成部44は、搬送ベルト12に帯画像を形成し、トナー滞留処理を終了する。具体的には、画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を、媒体上でなく、搬送ベルト12上に転写させ、帯画像としてのまぶしトナー像103を形成する。
なお、長尺指定があるか否かを判断して、長尺指定がない場合、トナー補充量、すなわち、新規滞留トナー量は、あらかじめ定められた所定枚数分、例えば、A4ヨコ(210〔mm〕)が50枚分などであるので、滞留トナー量算出部42は、新規滞留トナー量=単位枚数とする。そして、帯画像作像部43は、新規滞留トナー量に対応する帯画像データを作成する。なお、以降の動作については、同様であるので、説明を省略する。
また、Pn−Pr>0であるか否かを判断して、Pn−Pr>0でない場合、すなわち、Pn−Prがゼロ又はマイナスである場合には、トナー滞留部材90にトナーを補充する必要がないので、そのまま、トナー滞留処理を終了する。
媒体が単票101である場合、搬送ベルト12の上には、図12(A)に示されるようなまぶしトナー像103が形成される。例えば、前記ステップS4−10又はステップS5−7の場合が、これに相当する。通常の印刷では、例えば、A4ヨコ50枚分の単票101に印刷を行う毎に、図12(A)に示されるようなまぶしトナー像103が形成される。
一方、媒体がロール紙等の長尺のものであって、前記ステップS4−1のように、長尺印刷処理において、あらかじめトナー滞留処理を実行してトナー滞留部材90にトナーを供給しておく場合、搬送ベルト12の上には、図12(B)に示されるようなまぶしトナー像103が形成される。例えば、A4ヨコ50枚分の単票101に印刷を行う毎に、図12(A)に示されるようなまぶしトナー像103を形成するように設定されている場合、縦200〔m〕のロール紙のような長尺の媒体に印刷を行うときには、搬送ベルト12に形成される帯画像の搬送方向長さが、
200,000〔mm〕÷210〔mm〕÷50〔枚〕≒19〔倍〕
であるから、図12(A)に示されるようなまぶしトナー像103の約19倍の面積のまぶしトナー像103を、図12(B)に示されるように、搬送ベルト12上に形成することになる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS4−1−1 制御部41は長尺指定があるか否かを判断する。長尺指定がある場合はステップS4−1−3に進み、長尺指定がない場合はステップS4−1−2に進む。
ステップS4−1−2 滞留トナー量算出部42は新規滞留トナー量=単位枚数とする。
ステップS4−1−3 滞留トナー量算出部42は媒体長を基準ページの枚数Pnに換算する。
ステップS4−1−4 滞留トナー量算出部42は滞留トナー残量記憶部47に記憶されている滞留トナー残量Phを取得する。
ステップS4−1−5 滞留トナー量算出部42は新規滞留トナー量Pn−Prを算出する。
ステップS4−1−6 滞留トナー量算出部42はPn−Pr>0であるか否かを判断する。Pn−Pr>0である場合はステップS4−1−7に進み、Pn−Pr>0でない場合はトナー滞留処理を終了する。
ステップS4−1−7 帯画像作像部43は新規滞留トナー量に対応する帯画像データを作成する。
ステップS4−1−8 滞留トナー量算出部42は作成した帯画像データを画像形成部44に送信する。
ステップS4−1−9 画像形成部44は、搬送ベルト12に帯画像を形成し、トナー滞留処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、媒体が長尺である場合には、画像形成の開始前に媒体長に適合した量のトナーをトナー滞留部材90に供給するようになっている。これにより、媒体の長さに関わらず、適切な量のトナーを搬送ベルト12とクリーニングブレード71とが当接する部分に供給することができる。したがって、クリーニングブレード71の捲れや損傷を確実に予防することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図16は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態において、データ解析部34は、印刷画像データ作成部35及び媒体長取得部36に加えて、媒体幅取得部37を有する。そして、該媒体幅取得部37は、データ受信部33が受信した印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から、単票101等の媒体の搬送方向に直交する方向の長さ、すなわち、媒体幅を取得する。そして、印刷画像データのイメージデータバッファ46への格納が終了すると、前記データ解析部34は、制御部41に対し、取得した媒体長及び媒体幅と「格納終了」とを送信する。
また、本実施の形態において、制御部41は、滞留トナー量算出部42、帯画像作像部43及び滞留トナー残量記憶部47に加えて、限界枚数記憶部48を有する。該限界枚数記憶部48には、トナー滞留部材90に貯留することができる最大量のトナーでサポートすることができる論理出力枚数の最大値が格納されている。
そして、滞留トナー量算出部42は、データ解析部34から、長尺の媒体を使用する旨の指定、すなわち、長尺指定を受信した場合、まぶしトナー像103を形成することによってトナー滞留部材90に補充することが必要となるトナーの量、すなわち、トナー補充量を算出する。なお、該トナー補充量は、帯画像作像部43に伝達される。
さらに、滞留トナー量算出部42は、データ解析部34から、超長尺の媒体を使用する旨の指定、すなわち、超長尺指定を受信した場合、限界枚数記憶部48に格納されているトナー量と論理出力枚数とを基準にして、トナー補充のタイミングを決定する。
なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における画像形成装置1の動作について説明する。
図17は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1は、上位装置39から印刷ジョブデータを受信すると、印刷データ準備処理を実行し、前記印刷ジョブデータから印刷画像データを作成する。この場合、データ解析部34が、前記印刷ジョブデータから印刷画像データを作成するとともに、前記印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長及び媒体幅を抽出する。そして、データ解析部34は、制御部41に対して媒体長及び媒体幅と印刷画像化完了とを送信する。
前記制御部41は、データ解析部34から媒体長及び媒体幅と印刷画像化完了とを受信すると、前記印刷ジョブデータの媒体設定で指定された媒体が第1の設定長さ以上の長尺のもの、すなわち、長尺指定であるか、媒体が単票101、すなわち、単票指定であるか、媒体が1回のトナー補充でクリーニングブレード71を保護し得る限度以上の長さの長尺のもの(例えば、まぶしトナー像103の搬送方向の長さが作成可能な長さを超えるもの)、すなわち、前記第1の設定長さより長い第2の設定長さ以上の長尺のものである超長尺指定であるかを判断する。なお、前記第1の設定長さ及び第2の設定長さは、画像形成装置1が有する図示されない操作部又は上位装置39が有する図示されない操作部からのユーザ入力により設定可能である。
そして、長尺指定である場合、画像形成装置1は、長尺印刷処理を実行して、処理を終了する。また、単票指定である場合、画像形成装置1は、単票印刷処理を実行して、処理を終了する。さらに、超長尺指定である場合、画像形成装置1は、超長尺印刷処理を実行して、処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 画像形成装置1は、上位装置39から印刷ジョブデータを受信すると、印刷データ準備処理を実行し、制御部41に対して媒体長及び媒体幅と印刷画像化完了とを送信する。
ステップS12 制御部41はデータ解析部34から媒体長及び媒体幅と印刷画像化完了とを受信する。
ステップS13 制御部41は媒体が長尺指定であるか、単票指定であるか、超長尺指定であるかを判断する。媒体が長尺指定である場合はステップS14に進み、媒体が単票指定である場合はステップS15に進み、媒体が超長尺指定である場合はステップS16に進む。
ステップS14 画像形成装置1は長尺印刷処理を実行して処理を終了する。
ステップS15 画像形成装置1は単票印刷処理を実行して処理を終了する。
ステップS16 画像形成装置1は超長尺印刷処理を実行して処理を終了する。
次に、前記印刷データ準備処理の動作について説明する。
図18は本発明の第2の実施の形態における印刷データ準備処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、データ受信部33は、上位装置39から印刷ジョブデータを受信すると、該印刷ジョブデータをデータ解析部34に転送する。
すると、該データ解析部34の媒体長取得部36は、前記印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長を読み出す。また、前記データ解析部34の媒体幅取得部37は、前記印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体幅を読み出す。
続いて、前記データ解析部34の印刷画像データ作成部35は、前記印刷ジョブデータを解析して印刷画像データを作成し、該印刷画像データをイメージデータバッファ46に格納する。
そして、前記印刷画像データのイメージデータバッファ46への格納が終了すると、データ解析部34は、制御部41に対して、媒体長としての媒体設定と印刷画像化完了とを送信して、印刷データ準備処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11−1 データ受信部33は上位装置39から印刷ジョブデータを受信する。
ステップS11−2 データ受信部33は印刷ジョブデータをデータ解析部34に転送する。
ステップS11−3 媒体長取得部36は印刷ジョブデータに指定されている媒体設定から媒体長を読み出し、媒体幅取得部37は印刷ジョブデータに指定されている用紙設定から媒体幅を読み出す。
ステップS11−4 印刷画像データ作成部35は、前記印刷ジョブデータを解析して印刷画像データを作成し、イメージデータバッファ46に格納する。
ステップS11−5 データ解析部34は、制御部41に対して、媒体長としての媒体設定と印刷画像化完了とを送信して、印刷データ準備処理を終了する。
次に、前記超長尺印刷処理の動作について説明する。なお、長尺印刷処理及び単票印刷処理の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図19は本発明の第2の実施の形態における超長尺印刷処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1は、超長尺第1トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。
続いて、制御部41は、データ解析部34から受信した媒体長を基準となる論理ページの搬送方向長(基準長)で除して得られた値を、残余枚数の初期値とする。すなわち、残余枚数=媒体長/基準長、とする。
続いて、画像形成装置1は、第1のループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、後述する動作を繰り返し行う。
この場合、制御部41は、初期処理として、トナー滞留部材90に貯留されたトナーの消費量、すなわち、トナー消費論理枚数を0とする。該トナー消費論理枚数は、媒体に画像を形成するのに伴い、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算して算出される論理出力枚数の値だけ、加算されていく。
ところで、1回のトナー補充でクリーニングブレード71を保護することができるトナー論理枚数を限界枚数と定義すると、超長尺印刷においては、トナー消費論理枚数が限界枚数に達する毎に、まぶしトナー像103を形成することによってトナー滞留部材90にトナーを補充する必要があることになる。
そこで、画像形成装置1は、第2のループをスタートして、トナー消費論理枚数が限界枚数に達するまでの間、すなわち、トナー消費論理枚数が限界枚数未満の間、後述する動作を繰り返し行う。
この場合、制御部41は、イメージデータバッファ46から順次印刷画像データを読み出して、該印刷画像データを画像形成部44に転送する。すると、該画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を形成して該トナー像を媒体上に転写させて印刷を行わせる。すなわち、媒体に画像を形成する。また、論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算し、論理出力枚数を算出する。
続いて、制御部41は、残余枚数の値を1だけデクリメントする、すなわち、残余枚数を減算する。そして、制御部41は、トナー消費論理枚数の値を1だけインクリメントする、すなわち、トナー消費論理枚数を加算する。
なお、画像形成装置1は、トナー消費論理枚数が限界枚数未満の間、前述の動作を繰り返し行い、トナー消費論理枚数が限界枚数に達すると、第2のループをエンドとする。
続いて、画像形成装置1は、超長尺第2トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。
次に、制御部41は、再度、トナー消費論理枚数を0とし、以降の動作を繰り返す。
そして、画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、前述の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、第1のループをエンドとする。これにより、画像の形成が終了する。
続いて、画像形成装置1は、トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給した後、超長尺印刷処理を終了する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS16−1 画像形成装置1は超長尺第1トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。
ステップS16−2 制御部41は残余枚数=媒体長/基準長とする。
ステップS16−3 画像形成装置1は、第1のループをスタートして、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、ステップS16−3〜ステップS16−13の動作を繰り返し行う。
ステップS16−4 制御部41はトナー消費論理枚数を0とする。
ステップS16−5 画像形成装置1は、トナー消費論理枚数が限界枚数未満の間、ステップS16−5〜ステップS16−11の動作を繰り返し行う。
ステップS16−6 制御部41は、イメージデータバッファ46から順次印刷画像データを読み出して、印刷画像データを画像形成部44に転送する。
ステップS16−7 画像形成部44は、媒体に画像を形成する。
ステップS16−8 論理出力枚数算出部45は、印刷画像データの寸法を基準となるサイズに換算し、論理出力枚数を算出する。
ステップS16−9 制御部41は残余枚数を減算する。
ステップS16−10 制御部41はトナー消費論理枚数を加算する。
ステップS16−11 画像形成装置1は、トナー消費論理枚数が限界枚数未満の間、ステップS16−5〜ステップS16−11の動作を繰り返し行い、トナー消費論理枚数が限界枚数に達すると、第2のループをエンドとする。
ステップS16−12 画像形成装置1は超長尺第2トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給する。
ステップS16−13 画像形成装置1は、イメージデータバッファ46に印刷画像データがある間、ステップS16−3〜ステップS16−13の動作を繰り返し行い、イメージデータバッファ46に印刷画像データがなくなると、第1のループをエンドとする。
ステップS16−14 トナー滞留処理を実行し、トナー滞留部材90にトナーを供給した後、超長尺印刷処理を終了する。
次に、前記超長尺第1トナー滞留処理の動作について説明する。
図20は本発明の第2の実施の形態における超長尺第1トナー滞留処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
超長尺第1トナー滞留処理は、超長尺の媒体への印刷を行う前のタイミングで実行される。
まず、制御部41の滞留トナー量算出部42は、限界枚数記憶部48を参照し、限界枚数に相当する滞留トナー量Pmを取得する。また、滞留トナー量算出部42は、滞留トナー残量記憶部47を参照し、滞留トナー残量Prを取得する。そして、滞留トナー量算出部42は、トナー補充量、すなわち、新規滞留トナー量を算出する。該新規滞留トナー量は、Pm−Prである。
続いて、帯画像作像部43は、トナー補充量に対応する量のトナーを供給することができるまぶしトナー像103を形成するための帯画像データを作成する。すなわち、新規滞留トナー量に対応する帯画像データを作成する。そして、滞留トナー量算出部42は、作成した帯画像データを画像形成部44に送信する。
すると、該画像形成部44は、搬送ベルト12に帯画像を形成し、超長尺第1トナー滞留処理を終了する。具体的には、画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を、媒体上でなく、搬送ベルト12上に転写させ、帯画像としてのまぶしトナー像103を形成する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS16−1−1 滞留トナー量算出部42は、限界枚数記憶部48を参照し、限界枚数に相当する滞留トナー量Pmを取得する。
ステップS16−1−2 滞留トナー量算出部42は、滞留トナー残量記憶部47を参照し、滞留トナー残量Prを取得する。
ステップS16−1−3 滞留トナー量算出部42は、新規滞留トナー量=Pm−Prを算出する。
ステップS16−1−4 帯画像作像部43は、新規滞留トナー量に対応する帯画像データを作成する。
ステップS16−1−5 滞留トナー量算出部42は、作成した帯画像データを画像形成部44に送信する。
ステップS16−1−6 画像形成部44は、搬送ベルト12に帯画像を形成し、超長尺第1トナー滞留処理を終了する。
次に、前記超長尺第2トナー滞留処理の動作について説明する。
図21は本発明の第2の実施の形態における搬送ベルト表面に形成されるまぶしトナー像の例を示す図、図22は本発明の第2の実施の形態における超長尺第2トナー滞留処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
超長尺印刷処理においては、超長尺の媒体の全長に相当する長い距離に亘ってクリーニングブレード71を当接させ続けて搬送ベルト12をクリーニングすることになるので、潤滑剤として機能するトナーが多量に必要とされる。そのため、まぶしトナー像103を1回形成しただけでは、十分な量のトナーをトナー滞留部材90に供給することができない。しかし、媒体への印刷の途中で、搬送ベルト12の幅全体に広がるまぶしトナー像103を搬送ベルト12上に形成することはできない。
そこで、2回目以降に形成するまぶしトナー像103であって、超長尺の媒体への印刷の途中で形成するまぶしトナー像103、つまり、超長尺第2トナー滞留処理で形成されるまぶしトナー像103は、図21に示されるように、搬送ベルト12上の媒体の外縁に対応する位置に形成される。より詳細には、搬送ベルト12上であって媒体が載置される箇所の左右外側の辺縁領域であって、最もクリーニングブレード71が捲れたり損傷を受けたりしやすい位置である媒体の左右境界近傍の位置に形成される。つまり、搬送ベルト12上における媒体幅の外側であって媒体の側縁に近接した位置に形成される。なお、前記まぶしトナー像103は、前記第1の実施の形態で説明したような、又は、前記超長尺第1トナー滞留処理で形成されるような媒体の幅方向に延在する帯画像でなく、媒体の搬送方向に延在する帯画像としての外縁帯画像である。
超長尺第2トナー滞留処理では、まず、制御部41は、当該印刷ジョブで画像形成が終わっていない部分の論理枚数に対応する値である残余枚数を取得するとともに、媒体幅取得部37を参照して媒体幅を取得する。
続いて、滞留トナー量算出部42は、限界枚数記憶部48を参照し、限界枚数を取得し、残余枚数が限界枚数より大きいか否かを判断する。そして、残余枚数が限界枚数より大きい場合、トナーを供給することができる最大量が限界枚数なので、滞留トナー量算出部42は、限界枚数を目標枚数に設定する。すなわち、目標枚数=限界枚数、とする。一方、残余枚数が限界枚数より大きくない場合、滞留トナー量算出部42は、残余枚数を目標枚数に設定する。すなわち、目標枚数=残余枚数、とする。
続いて、帯画像作像部43は、トナー補充量に対応する量のトナーを供給することができるまぶしトナー像103を形成するための外縁帯画像データを作成する。すなわち、目標枚数に対応する外縁帯画像データを作成する。そして、滞留トナー量算出部42は、作成した外縁帯画像データを画像形成部44に送信する。
すると、該画像形成部44は、搬送ベルト12に外縁帯画像を形成し、超長尺第2トナー滞留処理を終了する。具体的には、画像形成部44は、画像形成ユニット26、搬送ベルトユニット10等の動作を制御し、トナー像を、媒体上でなく、搬送ベルト12上に転写させ、外縁帯画像として、図21に示されるようなまぶしトナー像103を形成する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS16−12−1 制御部41は、印刷ジョブで画像形成が終わっていない部分の論理枚数に対応する値である残余枚数を取得するとともに、媒体幅取得部37を参照して媒体幅を取得する。
ステップS16−12−2 滞留トナー量算出部42は、残余枚数が限界枚数より大きいか否かを判断する。残余枚数が限界枚数より大きい場合はステップS16−12−3に進み、残余枚数が限界枚数より大きくない場合はステップS16−12−4に進む。
ステップS16−12−3 滞留トナー量算出部42は目標枚数=限界枚数とする。
ステップS16−12−4 滞留トナー量算出部42は目標枚数=残余枚数とする。
ステップS16−12−5 帯画像作像部43は目標枚数に対応する外縁帯画像データを作成する。
ステップS16−12−6 滞留トナー量算出部42は作成した外縁帯画像データを画像形成部44に送信する。
ステップS16−12−7 画像形成部44は搬送ベルト12に外縁帯画像を形成し、超長尺第2トナー滞留処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、媒体が超長尺媒体である場合には、画像形成中に外縁帯画像を形成してトナーをトナー滞留部材90に供給するようになっている。これにより、媒体が1回のトナー補充でクリーニングブレード71を保護し得る限度以上の長さの超長尺のものであっても、トナーを搬送ベルト12とクリーニングブレード71とが当接する部分に供給することができる。したがって、クリーニングブレード71の捲れや損傷を確実に予防することができる。
なお、前記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成装置1が印刷装置(プリンタ)である場合について説明したが、MFP(Multi Function Printer:複合型プリンタ)、ファクシミリ機、複写装置等のように、画像を形成する機能を有する装置であれば、いかなる装置であってもよい。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。