以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図である。
図において、1は画像形成装置であり、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKと、定着装置としての定着器30とを有する。ここで、前記画像形成装置1は、例えば、プリンタ、ファクシミリ機、複写機等であり、電子写真方式によって、印刷用紙、封筒、OHP(Over Head Projector)シート等の媒体上に白黒やカラーの画像を形成するようになっている。そして、前記画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKは媒体上にトナー像を形成し、前記定着器30は前記トナー像を媒体に定着させる。なお、前記画像形成装置1は、モノクロ画像を形成するものであってもよく、カラー画像を形成するものであってもよいが、ここでは、タンデム式のカラーの印刷装置であるものとして説明する。この場合、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(BK)の各色に対応する画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKが、媒体の搬送方向(図における左方向)に沿って順次並ぶように配設される。
そして、20は画像形成装置1本体の下部に配設された媒体収容部であり、該媒体収容部20は、媒体としての用紙を収容するための媒体カセット22を備える。用紙は、媒体カセット22から給紙ローラ23によって1枚ずつ繰り出され、レジストローラ24に送られ、停止させられた状態のレジストローラ24によって搬送が一旦(たん)停止させられる。
続いて、レジストローラ24が回転させられると、用紙は搬送ベルトユニット10の搬送ベルト12に送られる。該搬送ベルト12に送られた用紙は、図示されない吸着装置によって静電荷が付与され、搬送ベルト12に静電気力によって吸着された後、搬送ベルト12によって搬送される。その間に、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKでは、感光体ドラム61の表面にLEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKによって形成された静電潜像が現像装置63によって現像され、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が形成される。
そして、該シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が、転写ローラ27C、27M、27Y及び27BKの静電気力によって感光体ドラム61の表面から用紙に転写され、カラーのトナー像が形成される。カラーのトナー像が転写された用紙は、その後、定着器30に送られ、該定着器30を構成する加熱ローラ30aと加圧ローラ30bとの間を通過し、その間にカラーのトナー像が用紙に定着され、カラー画像が記録される。そして、カラー画像が記録された用紙は、排出ローラ31によって搬送され、画像形成装置1本体の上部に形成されたスタッカ32上に排出される。また、媒体センサ43a、43b、43c及び43dは、用紙の搬送路に沿って配設され、用紙の通過を検知する。
前記画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKは、いずれも、トナー担持体及び像担持体としての感光体ドラム61と、該感光体ドラム61を一様に、かつ、均一に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ62と、感光体ドラム61の表面において前記LEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKによって形成された静電潜像を現像して各色のトナー像を形成する現像装置63と、感光体ドラム61の表面に残留した不要な図示されないトナーを除去するクリーニング部64とを有する。前記現像装置63は、感光体ドラム61に接触させて配設されたトナー担持体としての現像ローラ65と、該現像ローラ65にトナーを供給するトナー供給ローラ66とを備える。
なお、前記各画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKの上方には、露光装置としてのLEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKが、感光体ドラム61の表面に対向して配設される。
また、前記搬送ベルトユニット10は、トナー担持体及び搬送部材としてのエンドレスの搬送ベルト12と、第1のローラとしての駆動ローラRaと、第2のローラとしての従動ローラRbと、4本の転写ローラ27C、27M、27Y及び27BKと、前記従動ローラRbの下方に配設されている廃トナーボックス部11とを有する。そして、前記搬送ベルト12は、駆動ローラRaと従動ローラRbとの間に張設され、後述されるベルト駆動モータ49によって駆動されることにより走行する。なお、前記搬送ベルトユニット10の転写ローラ27C、27M、27Y及び27BKは、前記画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKの下方に、対向して配設されている。
さらに、駆動ローラRaの近傍には、色ずれに関する情報を検出する画像検出センサ33が配設されている。該画像検出センサ33は、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKによって搬送ベルト12上に形成されたトナー像から成る色ずれ補正用の評価パターンを、光学的に検出する。なお、前記画像検出センサ33は、発光素子と受光素子とを有する。前記発光素子は、搬送ベルト12上に形成された色ずれ補正用の評価パターンに光を照射する。また、前記受光素子は、評価パターンからの反射光を検出し、反射光の強度に応じた電圧信号を出力する。
次に、前記画像形成装置1を制御する制御装置の構成について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
図に示されるように、画像形成装置1は制御部44を有し、該制御部44は、前記画像検出センサ33及び媒体センサ43a〜43dに加えて、コマンド/画像処理部42に接続されている。該コマンド/画像処理部42は、インターフェイス41を介して上位装置から入力されたコマンド及び画像データを処理する。
また、前記制御部44は、LED制御部45、高圧制御部46及びヒータ47に接続され、これらを制御する。そして、前記LED制御部45は、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKが備えるLEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKを制御する。
さらに、前記制御部44は、加熱ローラ30a及び加圧ローラ30bを回転駆動する定着モータ48と、駆動ローラRaを回転駆動するベルト駆動モータ49と、給紙ローラ23等を回転駆動する搬送モータ50と、各画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKが備える感光体ドラム61を回転駆動するドラムモータ51C、51M、51Y及び51BKとを制御する。
また、前記制御部44は、画像処理される画像データのページ数をカウントするページカウンタ44aを内部に備えている。コマンド/画像処理部42では画像データがページ単位に処理されて印刷データが生成される。すると、前記ページカウンタ44aは、画像データがページ処理される毎にそのカウント値をインクリメントする。そして、前記制御部44は、ページカウンタ44aによるページ数のカウント値に基づいて、搬送ベルト12上に、後述されるまぶしトナー像103や色ずれ補正用の評価パターンを形成する時期を判断する。
次に、前記搬送ベルトユニット10の構成について詳細に説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルトユニットを示す斜視図、図5は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルトユニットから廃トナーボックス部を取り外した状態を示す斜視図、図6は本発明の第1の実施の形態における廃トナーボックス部から取り外したトナー滞留部材を示す斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態における図4におけるA−A断面でありトナー滞留部材の作用を示す要部断面図である。
図に示されるように、搬送ベルトユニット10は、搬送ベルト12と、フレーム72と、廃トナーボックス部11とを有し、該廃トナーボックス部11はフレーム72の一部に嵌(は)め込まれて固定されている。そして、前記廃トナーボックス部11は、廃トナーを収容するための廃トナーケース81と廃トナーケースカバー82とを有する。
また、71は、搬送ベルト12上の残留トナー75を掻き取って除去するためのブレード部材としてのクリーニングブレードである。該クリーニングブレード71は、搬送ベルト12の下面に先端を押し当てた状態で配設され、廃トナーボックス部11に固定されている。なお、フィルム73は、掻き取られた残留トナー75が飛散することを防止する。そして、前記クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーとして廃トナーケース81内に収容される。
さらに、90は、トナーを滞留させるトナー滞留部材であり、例えば、ウレタンフォーム(スポンジ)等から成る柔軟性及び摺(しゅう)動性に優れた部材であり、搬送ベルト12上の残留トナー75を一時的に滞留させるためのものである。前記トナー滞留部材90は、搬送ベルト12の走行方向、すなわち、搬送方向においてクリーニングブレード71の上流に配置され、搬送ベルト12の下面に当接するように廃トナーケースカバー82の上面に配置されている。なお、97はトナーが滞留するトナー滞留面である。
前記搬送ベルト12の表面に付着した不要な残留トナー75は、搬送ベルト12の表面にカウンタ方向に当接したクリーニングブレード71によって掻き取られる。そして、クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーボックス部11に廃トナーとして回収された後に、廃棄される。
なお、クリーニングブレード71によって残留トナー75が掻き取られるとき、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との当接面にはトナーが付着するが、この付着したトナーには、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を軽減する作用がある。そのため、本実施の形態においては、クリーニングブレード71に積極的にトナーを付着させることを目的に、ページカウンタ44aによるページ数のカウント値に基づいて、画像形成を行わないときに、まぶしトナー像103を搬送ベルト12上に形成する。
次に、まぶしトナー像103の形成について詳細に説明する。
図8は本発明の第1の実施の形態における搬送ベルト表面にまぶしトナー像が形成されている状態を示す図である。
図8は、搬送ベルト12の表面にまぶしトナー像103が付着している状態を仮想的に表した説明図である。なお、この図は、搬送ベルト12、用紙及びまぶしトナー像103の幅の相対関係を説明するものであり、搬送ベルト12の搬送方向における用紙とまぶしトナー像103との位置関係を説明するものではない。すなわち、まぶしトナー像103が用紙間に形成されることを規定するものではない。図において、101及び102は本実施の形態における使用可能な最大幅の用紙が位置する部分を示している。
用紙は、その表面に記録画像としてのトナー像が形成され、搬送ベルト12によって矢印12Aで示される用紙の搬送方向に向けて搬送される。そして、まぶしトナー像103は、画像形成を行わないときに、搬送ベルト12上に、幅103Aで形成される。なお、まぶしトナー像103は、前記幅103Aが、搬送ベルト12の幅12Bよりも狭く、画像形成装置1で使用可能な最大の用紙の幅101Aよりも広くなるように形成される。
また、トナー滞留部材90の幅は、まぶしトナー像103の幅103Aと同じかそれ以上であることが望ましい。
なお、まぶしトナー像103の用紙搬送方向における長さについては、ここでは定義しないこととする。なぜならば、まぶしトナー像103の用紙搬送方向における長さの最適値は、各種の画像形成装置における搬送ベルト表面とクリーニングブレードとの摩擦負荷の違い、用紙搬送速度等によって相違し、各画像形成装置毎に適宜設定されるものであるからである。
また、まぶしトナー像103は、4つの画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKのうちのいずれを使用して形成してもよいが、イエローのトナー像を作成するための画像形成ユニット26Yを使用して形成することが望ましい。これは、搬送ベルト12に形成されたまぶしトナー像103を、クリーニングブレード71が除去しきれず、除去することができなかった残留トナー75が次の画像形成動作に係る用紙の裏面に付着した場合でも、印刷結果として目立たないためである。クリーニングブレード71の捲れを防止するためには、例えば、まぶしトナー像103の形成を所定枚数の画像形成動作が行われた後、定期的に実行することが望ましい。まぶしトナー像103の形成は、印刷ジョブの実行中において搬送される用紙間に形成されるものではなく、印刷の累積枚数に基づいて印刷ジョブが実行されていないとき、すなわち、印刷ジョブの間に行われる。
次に、前記構成の画像形成装置1の動作について説明する。まず、トナー滞留部材90に残留トナー75を滞留させる動作について説明する。
まず、画像形成装置1の電源が投入され、初期動作の後に印刷が開始されると、搬送ベルト12は、図8において矢印12Aで示される用紙搬送方向に走行する。前述のように、搬送ベルト12の表面には、まぶしトナー像103が残留トナー75として付着している。
そして、搬送ベルト12の下面には、搬送ベルト12に付着している残留トナー75を、一時的に滞留するためのトナー滞留部材90が搬送ベルト12に当接して配置されている。そのため、該搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90を通過するとき、残留トナー75はトナー滞留部材90のトナー滞留面97に一時的に滞留することとなる。
一方、印刷によって搬送ベルト12が用紙の搬送方向に走行し続けるとき、トナー滞留部材90のトナー滞留面97に滞留していた残留トナー75は、トナー滞留部材90を擦り抜けて、再び搬送ベルト12の表面に付着して、搬送ベルト12の表面とともに搬送方向下流に移動する。
したがって、トナー滞留部材90のトナー滞留面97では、搬送ベルト12の表面に付着した残留トナー75の回収と搬送ベルト12の表面への残留トナー75の供給とが繰り返し行われることとなる。
また、搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90を通過するとき、一部の残留トナー75はトナー滞留部材90に滞留せず、該トナー滞留部材90を擦り抜けて搬送ベルト12の表面とともに搬送ベルト走行方向、すなわち、搬送方向下流に移動する。しかし、搬送方向下流にはクリーニングブレード71が配置されているため、前記トナー滞留部材90を擦り抜けた残留トナー75は、クリーニングブレード71によって掻き取られる。
この場合、クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーケース81内に落ち、廃トナーとして収納され、廃トナーボックス部11内に配設された図示されない攪拌(かくはん)バーによって、廃トナーケース81内の奥に送り込まれる。
なお、クリーニングブレード71によって搬送ベルト12上の残留トナー75が掻き取られるとき、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との当接面に残留トナー75が付着するが、付着した残留トナー75は、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を軽減する作用があるため、クリーニングブレード71の捲れを抑制する。
したがって、トナー滞留部材90のトナー滞留面97から搬送ベルト12の表面への残留トナー75の供給が連続して行われれば、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷は安定し、クリーニングブレード71に捲れが生じることはない。
なお、搬送ベルト12は、消耗品であるため、印刷動作を繰り返すことによって、用紙の吸着機能及びトナーの転写機能が低下する。したがって、トナー滞留部材90の寿命は、搬送ベルト12の寿命と同じであることが望ましく、搬送ベルトユニット10として定期交換される。
次に、まぶしトナー像103を形成する動作について説明する。
図9は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1の電源が投入され、画像形成装置1は初期動作を開始して搬送ベルト12が回転を始める。
続いて、制御部44は、あらかじめ内部のメモリに格納されているまぶしトナー像形成用の印刷データを使用して搬送ベルト12上にまぶしトナー像103を形成する。そして、ページカウンタ44aをクリアする。
続いて、制御部44は、上位装置からインターフェイス41を介してコマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信した場合、コマンド/画像処理部42は、受信したコマンドに基づいて画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。このとき、制御部44は、画像データの1ページの処理が終わるとページカウンタ44aを1つインクリメントする。コマンド及び画像データを受信しない場合は、コマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
続いて、制御部44は印刷処理を実行する。
続いて、制御部44は、印刷ジョブが終了、すなわち、すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。印刷ジョブが終了していない場合には、画像処理及び印刷処理を繰り返す。また、印刷ジョブが終了した場合は、制御部44があらかじめ内部のメモリに格納されている所定のページ数、例えば「100」と、印刷ジョブが終了した時点のページカウンタ44aのカウント値とを比較する。
そして、カウント値が所定のページ数を超えた場合は、搬送ベルト12上にまぶしトナー像103を形成する。このとき、既に次の受信データが受信されている場合は、図示されないデータ記憶部に受信データを一旦退避させておき、まぶしトナー像103の形成が終了した後、データ記憶部から読み出して画像処理を行う。また、カウント値が所定のページ数以下である場合は、次の受信データを受信する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 画像形成装置1の電源を投入する。
ステップS2 搬送ベルト12が回転を始める。
ステップS3 まぶしトナー像103を形成する。
ステップS4 ページカウンタ44aをクリアする。
ステップS5 コマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信した場合はステップS6に進み、コマンド及び画像データを受信していない場合はコマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
ステップS6 画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。
ステップS7 印刷処理を実行する。
ステップS8 すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。すべての画像データが印刷された場合はステップS9に進み、すべての画像データが印刷されていない場合はステップS6に戻る。
ステップS9 カウント値が所定のページ数を超えたか否かを判断する。カウント値が所定のページ数を超えた場合はステップS3に戻り、カウント値が所定のページ数を超えていない場合はステップS5に戻る。
このように、本実施の形態においては、搬送ベルト12の表面に付着した残留トナー75を掻き取るクリーニングブレード71を備えた搬送ベルトユニット10に、トナー滞留部材90が配置されている。これにより、搬送ベルト12の表面に付着した残留トナー75は、トナー滞留部材90のトナー滞留面97に一時的に滞留し、再び、搬送ベルト12の表面へ供給される。このように、残留トナー75のトナー滞留面97への滞留及び搬送ベルト12の表面への供給を繰り返し行うことを可能としたことによって、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との当接面に連続して残留トナー75を供給することが可能となる。これにより、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を安定させることができ、クリーニングブレード71に捲れが発生することがない画像形成装置1を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、トナー滞留部材90が廃トナーケース81に固着されている場合について説明したが、トナー滞留部材90は、廃トナーケース81から取り外すことができるものであってもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図10は本発明の第2の実施の形態における廃トナーボックス部からトナー滞留部材を取り外した状態の斜視図である。
前記第1の実施の形態において、トナー滞留部材90は、搬送ベルト12の幅方向のほぼ全域に亘(わた)って延在するように一体的に形成されている。この場合、トナー滞留部材90のトナー滞留面97が搬送ベルト12の表面に当接しているので、少なからず、搬送ベルト12の走行負荷となってしまう。
そこで、本実施の形態において、トナー滞留部材90は、図10に示されるように、2つのトナー滞留部材90A及び90Bから構成されるようになっている。そして、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、搬送ベルト12の下面に当接するように、廃トナーケースカバー82の上面に配置されている。なお、その他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、前記2つのトナー滞留部材90A及び90Bの配置について詳細に説明する。
図11は本発明の第2の実施の形態におけるトナー滞留部材の配置を説明する図である。
図11は、トナー滞留部材90A及び90Bの配置を説明するためのものであり、最も使用される頻度の高い用紙の幅と、色ずれ補正時に評価用のパターンが形成される領域の幅と、トナー滞留部材90A及び90Bが配置される領域の幅とを、搬送ベルト12上に仮想的に示した説明図である。なお、用紙への画像形成と評価用パターンの形成とは同時に行われるものではない。
図において、104は画像形成装置1において最も頻繁に使用されるサイズの用紙、例えば、A4サイズの用紙が位置する部分を示している。用紙は、その表面に記録画像としてのトナー像が形成され、搬送ベルト12によって矢印12Aで示される用紙の搬送方向に向けて搬送される。
また、71A及び71Bは、搬送ベルト12上に形成される色ずれ補正の時の色ずれ補正画像領域であり、搬送ベルト12の幅12Bの内側で、また、画像形成装置1において使用可能な最大の用紙の幅101Aよりも外側に形成される。
2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、図11に示されるように配置される。この場合、トナー滞留部材90A及び90Bの外側端部間の幅90Cは、外側端部が色ずれ補正画像領域71A又は71Bよりも外側にあるように設定される。また、内側端部間の幅90Dは、最も使用される頻度の高い用紙の幅104Aよりも狭く設定される。これにより、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、色ずれ補正画像領域71A及び71Bと最も使用される頻度の高いサイズの用紙の両端とに跨(またが)る位置に配置される。
次に、色ずれ補正の基本動作について説明する。
この場合、制御部44は、LED制御部45及び高圧制御部46を動作させ、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKによって色ずれ補正用のトナー像を感光体ドラム61の表面に形成し、転写ローラ27C、27M、27Y及び27BKにより、搬送ベルト12の幅方向両端近傍に色ずれ補正用の評価パターンを順に転写する。そして、画像検出センサ33によって、搬送ベルト12上に形成された評価パターンを検出する。
シアントナーで形成されたパターンの光反射率、マゼンタトナーで形成されたパターンの光反射率、イエロートナーで形成されたパターンの光反射率、ブラックトナーで形成されたパターンの光反射率、及び、搬送ベルト12の表面の光反射率はそれぞれ異なる。そのため、画像検出センサ33は、搬送ベルト12上に形成された色ずれ補正用の評価パターンの位置及び色に応じた波形の電圧信号を出力する。
そして、制御部44は、画像検出センサ33から出力された電圧信号を受信し、受信した電圧信号に基づいて搬送ベルト12上に形成された各評価パターンのずれ量を検出し、検出されたずれ量に基づいて、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKにおけるトナー像形成のタイミングを調整する。
この調整は、画像形成ユニット26C、26M、26Y及び26BKの各LEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKによる静電潜像の形成のタイミングを調整することで行われる。すなわち、制御部44は、主走査方向(搬送ベルト12の幅方向)及び副走査方向(搬送ベルト12の進行方向)の各色のパターンのずれを補正するために、各LEDヘッド28C、28M、28Y及び28BKによる走査位置及び走査開始タイミングを調整する。
次に、本実施の形態における画像形成装置1の動作について説明する。まず、トナー滞留部材90A及び90Bに残留トナー75を滞留させる動作について説明する。
本実施の形態においては、色ずれ濃度補正に使用された残留トナー75を積極的に回収及び供給することを目的としている。そのため、搬送ベルト12に付着している残留トナー75を一時的に滞留するための2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、搬送ベルト12の下面に当接し、用紙幅方向に関しては、色ずれ補正画像領域71A及び71Bと最も使用される頻度の高いサイズの用紙の両端とに跨る位置に配置されている。そのため、搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90A及び90Bを通過するとき、残留トナー75はトナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97に一時的に滞留することとなる。
一方、印刷によって搬送ベルト12が用紙の搬送方向に走行し続けるとき、トナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97に滞留していた残留トナー75は、トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けて、再び搬送ベルト12の表面に付着して、搬送ベルト12の表面とともに搬送方向下流に移動する。
したがって、トナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97では、搬送ベルト12の表面に付着した残留トナー75の回収と搬送ベルト12の表面への残留トナー75の供給とが繰り返し行われることとなる。
また、搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90A及び90Bを通過するとき、一部の残留トナー75はトナー滞留部材90A及び90Bに滞留せず、該トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けて搬送ベルト12の表面とともに搬送ベルト走行方向、すなわち、搬送方向下流に移動する。しかし、搬送方向下流にはクリーニングブレード71が配置されているため、前記トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けた残留トナー75は、クリーニングブレード71によって掻き取られる。
この場合、クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーケース81内に落ち、廃トナーとして収納される。
なお、クリーニングブレード71によって搬送ベルト12上の残留トナー75が掻き取られるとき、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との当接面に残留トナー75が付着するが、付着した残留トナー75は、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を軽減する作用があるため、クリーニングブレード71の捲れを抑制する。
ここで、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、用紙幅方向に関して色ずれ補正画像領域71A及び71Bに跨る位置に配置されているため、色ずれ濃度補正に使用された残留トナー75を積極的に回収及び供給することができる。色ずれ濃度補正はプリンタの電源ON/OFFやトップカバーの開閉、さらに、印刷枚数のカウント値等から定期的に実行される補正であるため、トナー滞留部材90に残留トナー75を定期的に供給することができる。
また、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、用紙幅方向に関して、最も使用される頻度の高いサイズの用紙の端部に跨るように配置されているため、同じ幅の用紙を連続して印刷するときに特に発生しやすいクリーニングブレード71の捲れを効果的に防止することができる。
このように、搬送ベルト12の表面の残留トナー75の供給を連続して行うことができるので、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷が安定し、クリーニングブレード71に捲れが発生することはない。
さらに、2つのトナー滞留部材90A及び90Bの幅を、必要最小限に設定しているので、搬送ベルト12の走行負荷を低く抑えることができる。
次に、色ずれ補正用の評価パターンを形成する動作について説明する。
図12は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1の電源が投入され、画像形成装置1は初期動作を開始して搬送ベルト12が回転を始める。
続いて、制御部44は、あらかじめ内部のメモリに格納されている色ずれ補正用の評価パターンの印刷データを使用して搬送ベルト12上に評価パターンを形成し、色ずれ補正を行う。そして、ページカウンタ44aをクリアする。
続いて、制御部44は、上位装置からインターフェイス41を介してコマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信した場合、コマンド/画像処理部42は、受信したコマンドに基づいて画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。このとき、制御部44は、画像データの1ページの処理が終わるとページカウンタ44aを1つインクリメントする。コマンド及び画像データを受信しない場合は、コマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
続いて、制御部44は、印刷処理を実行する。
続いて、制御部44は、印刷ジョブが終了、すなわち、すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。印刷ジョブが終了していない場合には、画像処理及び印刷処理を繰り返す。また、印刷ジョブが終了した場合は、制御部44があらかじめ内部のメモリに格納されている所定のページ数、例えば「100」と、印刷ジョブが終了した時点のページカウンタ44aのカウント値とを比較する。
そして、カウント値が所定のページ数を超えた場合は、搬送ベルト12上に色ずれ補正用の評価パターンを形成する。このとき、既に次の受信データが受信されている場合は、図示されないデータ記憶部に受信データを一旦退避させておき、色ずれ補正が終了した後、データ記憶部から読み出して画像処理を行う。また、カウント値が所定のページ数以下である場合は、次の受信データを受信する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 画像形成装置1の電源を投入する。
ステップS12 搬送ベルト12が回転を始める。
ステップS13 評価パターンを形成し、色ずれ補正を行う。
ステップS14 ページカウンタ44aをクリアする。
ステップS15 コマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信した場合はステップS16に進み、コマンド及び画像データを受信していない場合はコマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
ステップS16 画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。
ステップS17 印刷処理を実行する。
ステップS18 すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。すべての画像データが印刷された場合はステップS19に進み、すべての画像データが印刷されていない場合はステップS16に戻る。
ステップS19 カウント値が所定のページ数を超えたか否かを判断する。カウント値が所定のページ数を超えた場合はステップS13に戻り、カウント値が所定のページ数を超えていない場合はステップS15に戻る。
このように、本実施の形態においては、2つのトナー滞留部材90A及び90Bが、色ずれ補正画像領域71A及び71Bと最も使用される頻度の高いサイズの用紙の端部とに跨るように配置されている。これにより、色ずれ濃度補正に使用された残留トナー75を有効に回収及び供給することが可能となり、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を安定させるため、最も使用頻度の高いサイズの用紙(同じ幅の用紙)が連続して印刷された場合に特に発生しやすいクリーニングブレード71の捲れを防止することができる。
また、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、必要最小限の幅となるように形成されているので、搬送ベルト12の走行負荷を低く抑えることができ、搬送ベルト12の性能低下を軽減させることが可能である。
なお、本実施の形態は、前記第1の実施の形態と同様の効果も奏するものである。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び効果についても、その説明を省略する。
図13は本発明の第3の実施の形態における搬送ベルトユニットから廃トナーボックス部を取り外した状態を示す斜視図、図14は本発明の第3の実施の形態における廃トナーボックス部におけるトナー滞留部材の取付状態を示す斜視図、図15は本発明の第3の実施の形態における廃トナーボックス部からトナー滞留部材を取り外した状態を示す斜視図、図16は本発明の第3の実施の形態における幅狭の用紙幅に合わせてトナー滞留部材を配置した状態を示す斜視図である。
前記第2の実施の形態において、トナー滞留部材90A及び90Bは最も使用される頻度の高いサイズの用紙の端部に跨るように配置されているが、頻繁に使用される用紙のサイズは、画像形成装置1のユーザによって相違する。
そこで、本実施の形態においては、トナー滞留部材90A及び90Bの位置を、用紙の幅方向に関して、調整することができるようになっている。
図15に示されるように、トナー滞留部材90Bは、トナー滞留パット92Bとトナー滞留パットホルダ91Bとを有する。そして、該トナー滞留パットホルダ91Bにはスライダ部93B及びシャフトクランプ保持部94Bが一体的に形成されており、スライダ部93Bは廃トナーケースカバー82の一部に形成されたガイド部82Aに保持され、また、シャフトクランプ保持部94Bはシャフトクランプ115Bを保持している。
なお、トナー滞留部材90Aも、詳細な図示は省略されているが、前記トナー滞留部材90Bと同様の構成を有し、シャフトクランプ115Aを保持している。
そして、111は、トナー滞留部材90A及び90Bを移動させるためのドライブギヤであり、ドライブシャフト112の端部に固定されている。該ドライブシャフト112は、シャフト軸にスパイラル状の溝112A及び112Bが形成されたシャフトであり、廃トナーケース81の一部に形成されたシャフト軸受部81A及び81Bに、軸受カラー113及び114を介して保持されている。
ドライブシャフト112のスパイラル状の溝112A及び112Bには、トナー滞留部材90A及び90Bのシャフトクランプ115A及び115Bが各々螺(ら)合している。また、前記スパイラル状の溝112A及び112Bは、互いに逆方向に形成されている。そのため、ドライブギヤ111を、例えば、矢印111aで示される方向に回転させると、トナー滞留部材90Aは、シャフトクランプ115Aとともに、矢印115aで示される方向に移動し、同時に、トナー滞留部材90Bは、シャフトクランプ115Bとともに、矢印115bで示される方向に移動する。
次に、本実施の形態における画像形成装置1の動作について説明する。まず、トナー滞留部材90A及び90Bに残留トナー75を滞留させる動作について説明する。
搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90A及び90Bを通過するとき、残留トナー75はトナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97に一時的に滞留することとなる。
一方、印刷によって搬送ベルト12が用紙の搬送方向に走行し続けるとき、トナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97に滞留していた残留トナー75は、トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けて、再び搬送ベルト12の表面に付着して、搬送ベルト12の表面とともに搬送方向下流に移動する。
したがって、トナー滞留部材90A及び90Bのトナー滞留面97では、搬送ベルト12の表面に付着した残留トナー75の回収と搬送ベルト12の表面への残留トナー75の供給とが繰り返し行われることとなる。
また、搬送ベルト12上に付着している残留トナー75がトナー滞留部材90A及び90Bを通過するとき、一部の残留トナー75はトナー滞留部材90A及び90Bに滞留せず、該トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けて搬送ベルト12の表面とともに搬送ベルト走行方向、すなわち、搬送方向下流に移動する。しかし、搬送方向下流にはクリーニングブレード71が配置されているため、前記トナー滞留部材90A及び90Bを擦り抜けた残留トナー75は、クリーニングブレード71によって掻き取られる。
この場合、クリーニングブレード71によって掻き取られた残留トナー75は、廃トナーケース81内に落ち、廃トナーとして収納される。
なお、クリーニングブレード71によって搬送ベルト12上の残留トナー75が掻き取られるとき、搬送ベルト12とクリーニングブレード71との当接面に残留トナー75が付着するが、付着した残留トナー75は、搬送ベルト12の表面とクリーニングブレード71との摩擦負荷を軽減する作用があるため、クリーニングブレード71の捲れを抑制する。
本実施の形態においては、色ずれ補正を行うとき、2つのトナー滞留部材90A及び90Bは、用紙幅方向に関して色ずれ補正画像領域71A及び71Bに跨る位置に移動させることができる。そのため、色ずれ濃度補正に使用された残留トナー75を積極的に回収及び供給することができる。色ずれ濃度補正はプリンタの電源ON/OFFやトップカバーの開閉、さらに、印刷枚数のカウント値等から定期的に実行される補正であるため、トナー滞留部材90に残留トナー75を定期的に供給することができる。
また、使用される用紙の幅は、画像データのコマンドの一部として与えられるプリンタドライバ等、上位装置から情報を入手することができる。そして、使用される用紙の幅に合わせて、2つのトナー滞留部材90A及び90Bを任意の位置に移動させることができる。
なお、使用される用紙の幅の情報に基づいて、図示されない駆動源によってドライブギヤ111を所定量駆動すると、ドライブシャフト112の回転に伴いトナー滞留部材90A及び90Bは、矢印115a及び115bで示される方向に所定量移動する。これにより、トナー滞留部材90A及び90Bを任意の位置に移動させることができる。
次に、用紙のサイズに合わせてトナー滞留部材90A及び90Bを移動させる動作について詳細に説明する。
図17は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
まず、画像形成装置1の電源が投入され、画像形成装置1は初期動作を開始して搬送ベルト12が回転を始める。
続いて、制御部44は、あらかじめ内部のメモリに格納されている色ずれ補正用の評価パターンの印刷データを使用して搬送ベルト12上に評価パターンを形成し、色ずれ補正を行う。このとき、トナー滞留部材90A及び90Bは、色ずれ補正用の評価パターンが形成される位置にある。そして、ページカウンタ44aをクリアする。
続いて、制御部44は、上位装置からインターフェイス41を介してコマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信しない場合は、コマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
また、コマンド及び画像データを受信した場合、コマンド/画像処理部42は、受信したコマンドを解析し、制御部44は、コマンドの解析結果から、使用する用紙のサイズを判断する。
続いて、制御部44は、用紙のサイズに基づいてドライブギヤ111を駆動し、搬送ベルト12上における用紙の端部の位置に相当する領域に当接する位置にトナー滞留部材90A及び90Bを移動させる。すなわち、トナー滞留部材90A及び90Bを媒体のサイズに合わせて移動させる。
そして、コマンド/画像処理部42は、受信したコマンドに基づいて画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。このとき、制御部44は、画像データの1ページの処理が終わるとページカウンタ44aを1つインクリメントする。
続いて、制御部44は、印刷処理を実行する。
続いて、制御部44は、印刷ジョブが終了、すなわち、すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。印刷ジョブが終了していない場合には、画像処理及び印刷処理を繰り返す。また、印刷ジョブが終了した場合は、制御部44があらかじめ内部のメモリに格納されている所定のページ数、例えば「100」と、印刷ジョブが終了した時点のページカウンタ44aのカウント値とを比較する。
そして、カウント値が所定のページ数を超えた場合は、制御部44は、トナー滞留部材90A及び90Bを色ずれ補正用の評価パターンが形成される位置に移動させる。このとき、既に次の受信データが受信されている場合は、図示されないデータ記憶部に受信データを一旦退避させておき、色ずれ補正が終了した後、データ記憶部から読み出して画像処理を行う。また、カウント値が所定のページ数以下である場合は、次の受信データを受信する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 画像形成装置1の電源を投入する。
ステップS22 搬送ベルト12が回転を始める。
ステップS23 評価パターンを形成し、色ずれ補正を行う。
ステップS24 ページカウンタ44aをクリアする。
ステップS25 コマンド及び画像データを受信したか否かを判断する。コマンド及び画像データを受信した場合はステップS26に進み、コマンド及び画像データを受信していない場合はコマンド及び画像データを受信したか否かの判断を繰り返す。
ステップS26 使用する媒体のサイズを判断する。
ステップS27 トナー滞留部材90A及び90Bを媒体のサイズに合わせて移動させる。
ステップS28 画像データをページ単位に画像処理し、印刷可能なデータに変換する。
ステップS29 印刷処理を実行する。
ステップS30 すべての画像データが印刷されたか否かを判断する。すべての画像データが印刷された場合はステップS31に進み、すべての画像データが印刷されていない場合はステップS28に戻る。
ステップS31 カウント値が所定のページ数を超えたか否かを判断する。カウント値が所定のページ数を超えた場合はステップS32に進み、カウント値が所定のページ数を超えていない場合はステップS25に戻る。
ステップS32 トナー滞留部材90A及び90Bを色ずれ補正用の評価パターンが形成される位置に移動させ、ステップS23に戻る。
このように、本実施の形態においては、色ずれ補正を行うときにはトナー滞留部材90A及び90Bを色ずれ補正用の評価パターンが形成される領域に配置し、印刷が実行されるときにはトナー滞留部材90A及び90Bを印刷される用紙の端部に配置することができる。そのため、色ずれ補正に使用された残留トナーを有効に回収及び供給することができ、例えば、ロール状のラベル紙等のように、幅狭であったり用紙幅が不定形であったりする連続帳票状の長尺紙等の同じ幅の用紙が連続して印刷される場合に発生しやすいクリーニングブレード71の捲れを防止することができる。
なお、本実施の形態は、前記第1及び第2の実施の形態と同様の効果も奏するものである。
また、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。