JP2013152197A - 建物の地震被害損失の評価装置・評価方法・評価プログラム - Google Patents

建物の地震被害損失の評価装置・評価方法・評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を一つの情報処理機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なPC程度で行えるようにする。
【解決手段】 地震抽出手段1により、震源断層およびその地震の情報をデータベース9より抽出し、距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における加速度応答スペクトルを作成する。地盤増幅率計算手段2は、多層の地盤の情報から一様な表層地盤と基盤との2層にモデル化し、表層地盤固有の地震動増幅率を求める。応答解析手段7は、建物につきモデル化して耐力スペクトルを求め、前記加速度応答スペクトルと表層地盤増幅率とから地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から建物の応答変位,応答加速度を求める。損失・PML計算手段8は、応答解析結果を用いてPML値を計算する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、建物のPML値(予想最大損失率(額))を簡易に計算できる建物の地震被害損失の評価装置、評価方法、および評価プログラムに関する。
地震によるPML値(予想最大損失率(額))は、建物の設計や評価に重要な事項であり、その計算方法として、各種の論文や特許文献が提案されている。PML値の計算には、建設地の地盤や、その建設地に影響を及ぼすと想定される震源断層、地震による建物の変形等の応答、その応答による建物の損失の計算等が必要となる。震源断層のデータは、過去の地震の発生状況や調査結果等を踏まえ蓄積されている(非特許文献1)。また、地震による建物の変形等の応答の計算方法や、その応答による建物の損失の計算方法、PML値の計算方法について、個々には、詳細な計算が行える方法が提案されている。
例えば、個々の段階の計算を行う手段としては、建物の性能評価値に基づく改修費用評価方法(特許文献1)、地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム(特許文献2)、施工中建物の地震損失評価システム、・・・(略)・・・(特許文献3)、建築物評価システムおよび建築物評価方法(特許文献4)、建造物の構造選択支援システムおよび構造選択支援方法(特許文献5)が提案されている。
特許第3765007号公報 特許第4533369号公報 特許第4385774号公報 特許第4471104号公報 特許第4614165号公報
地震ハザードステーションJ−SHIS HP:http://www.j-shis.bosai.go.jp/ での2011.3.10 時点の公開データ 安中・山崎・片平,「気象庁87型強震記録を用いた最大地動及び応答スペクトル推定式の提案,第24回地震工学研究発表会講演論文集,pp.161-164 ,1997.7 社団法人日本道路協会,「道路橋示方書(・耐震設計編)・同解説」,1990 大崎順彦,「新・地震動のスペクトル解析入門」,1994 森井・林,「表層地盤の地震動増幅特性と入射地震動特性が木造建物応答に及ぼす影響」,日本建築学会構造系論文集・568 ,pp.75-82 ,2003.6 「改正建築基準法の構造関係規定の技術的背景」,ぎょうせい, 2001 Federal Emergency Management Agency of the United States,「HAZUS99 technical manual」,Washington D.C. NY,1999 坪田ほか,「マルチシナリオ地震モデルとキャパシティ・スペクトル法に基づく地震リスク評価の建築構造物への適用」,構造工学文集Vol.55B ,2009.3 吉田望,「地盤の地震応答解析入門」, 2005年5月
上記のように、地震動の算定方法、地盤増幅率の計算方法、地震による建物の変形等の応答の計算方法や、その応答による建物の損失の計算方法、PML値の計算方法について、個々には、詳細な計算が行える方法がある。しかし、これらの計算を一つのシステムで簡易に行える適切なシステムは、未だ、提案されていない。
PML評価は、一般的には、設計が終了した時点で、専門の第三者評価機関に委託する方法が取られている。従来のシステムでは、専門の業者を必要とするような、多大な計算を要するものや、個々の段階の計算を行うものしかないため、建物の構造設計の途中での見直しや、あるいは建物の営業先での建物構造の提案において、簡易にPML値を求めることができない。
また、簡易にPML値を求めるについても、多層の地盤に応じた表層地盤の地震動の増幅率を踏まえ、ある程度は精度が担保されたPML値を算出することが望まれる。しかし、このような多層の地盤を考慮してPML値を算出できる簡易な装置はない。
また、建物各層の荷重変形関係(構造計算結果)を踏まえた建物モデルを用いた応答解析を踏まえ、PML値を算出できる簡易な装置はない。
この発明の目的は、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を一つの情報処理機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度の情報処理機器で簡単に行える建物の地震被害損失の評価装置、評価方法、および評価プログラムを提供することである。
この発明の他の目的は、建物各層の荷重変形関係を踏まえた建物モデルを用いた応答解析が行えて、より精度の良いPML値が簡易に求められるようにすることである。
この発明の建物の地震被害損失の評価装置は、入力部1と、地震抽出手段5と、地盤増幅率計算手段6と、応答解析手段7と、損失・PML計算手段8と、出力部4を一つの情報処理機器11に備える。
前記入力部1は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付ける。
前記地震抽出手段5は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成する。
前記地盤増幅率計算手段5は、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求める。
前記応答解析手段7は、多層からなる建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトル(実施形態のデマンドスペクトルが該当)を求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求める。
前記損失・PML計算手段8は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算する。
前記出力部4は前記損失・PML計算手段8の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する。
なお、前記「一つの情報処理機器」とは、パーソナルコンピュータ等の機器のハードウェアを言い、機器本体の他に、USBメモリやハードディスクドライブ等の周辺機器が接続されたものを含む。
この構成によると、地盤増幅率計算手段6は、入力された多層の地盤の情報から、建設地の地盤を表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤を一様な地質の1層または複数層の層構成とし、表層地盤固有の地震動増幅率を求める。このように表層地盤を一様な1層または複数層の層構成としてモデル化し、表層地盤固有の地震動増幅率を求めるため、多層の地盤に応じた表層地盤増幅率を簡単な演算で求めることができる。そのため、応答解析手段での応答解析、および損失・PML計算手段でのPML値の計算を簡易に比較的精度良く行うことができる。
このように、地盤増幅率計算手段6が多層の地盤に応じた表層地盤増幅率を簡単な演算で求めることができるため、地盤増幅率計算手段6が簡易な構成で済み、そのため、地震抽出手段5、地盤増幅率計算手段6、応答解析手段7、および損失・PML計算手段8を含む評価装置を、ノート型等パーソナルコンピュータ等の一般的な一つの情報処理機器に設けることができる。
また、それぞれ前記処理を行う地震抽出手段5、地盤増幅率計算手段6、応答解析手段7、および損失・PML計算手段8を一つの情報処理機器に備えるため、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を1か所で纏めて行え、しかも多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した比較的精度の良いPML値の計算が行える。
前記地盤増幅率計算手段6が、表層地盤を全体が一様な1層としてモデル化するものである場合は、より一層簡素な構成の評価装置となる。1層の地盤モデルであっても、十分に実用可能な程度のPML値を算出することができる。
前記地盤増幅率計算手段6は、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤を構成する第i層(iは自然数)の層厚、せん断波速度、密度をそれぞれhi ,Vs ,ρp として、1層にモデル化した表層地盤の層厚h ,Vs ,ρ を次式により求めた値とし、
Figure 2013152197

表層地盤増幅率の計算には、重複反射理論に基づく伝達関数を用いるようにしても良い。
この構成の場合、多層の地盤に応じた表層地盤増幅率を簡単な演算で求めることが実現できる。
前記地盤増幅率計算手段6は、入力された多層の地盤を、粘性土と砂質土とに分類し、粘性土と砂質土の割合で、1層または複数層にモデル化された表層地盤の歪依存特性を定めるものとしても良い。
土質を粘性土と砂質土との種類し、その割合で1層にモデル化するため、モデル化の演算が簡易に行える。
この発明において、前記応答解析手段7は、前記モデル化による建物のモデル化を、建物の各層の荷重と変形の関係から1質点系に集約したモデルとするものであっても良い。
このように建物の各層の荷重と変形の関係から1質点系に集約したモデルを応答解析に用いることで、建物各層の荷重変形関係を踏まえた応答解析が行え、より精度の良いPML値を簡易に求めることができる。
この発明の建物の地震被害損失の評価方法は、入力過程S1と、地震抽出過程S2と、地盤増幅率計算過程S3と、応答解析過程S4と、損失・PML計算過程S5と、出力過程S6とを1台の情報処理機器を用いて実行する。
前記入力過程S1は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付ける。
前記地震抽出過程S2は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成する。
前記地盤増幅率計算過程S3は、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求める。
前記応答解析過程S4は、多層からなる建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求める。
前記損失・PML計算過程S5は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算する。
前記出力過程S6は前記損失・PML計算過程S5の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する。
この評価方法によると、この発明の評価装置につき説明したと同様に、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を1台の情報強機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度の情報処理機器で簡単に行える。
なお、前記地震抽出過程S2と地盤増幅率計算過程S3とは、いずれを先に行っても、また並行して行っても良い。
この発明の建物の地震被害損失の評価プログラム100は、コンピュータに実行されるプログラムであって、入力手順R1と、地震抽出手順R2と、地盤増幅率計算手順R3と、応答解析手順R4と、損失・PML計算手順R5と、出力手順R6とを含む。
前記入力手順R1は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付ける。
前記地震抽出手順R2は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成する。
前記地盤増幅率計算手順R3は、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求める。
前記応答解析手順R4は、多層からなる建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求める。
前記損失・PML計算手順R5は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算する。
前記出力手順R6は前記損失・PML計算手順の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する。
この評価プログラム100によると、この発明の評価装置につき説明したと同様に、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を1台の情報強機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度のコンピュータで簡単に行える。
なお、前記地震抽出手順R2と地盤増幅率計算手順R3とは、いずれを先に行っても、また並行して行っても良い。
この発明の建物の地震被害損失の評価装置は、入力部と、地震抽出手段と、地盤増幅率計算手段と、応答解析手段と、損失・PML計算手段と、出力部を一つの情報処理機器に備え、前記入力部は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付け、前記地震抽出手段は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、前記地盤増幅率計算手段は、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、前記応答解析手段は、建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、前記損失・PML計算手段は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算するため、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を一つの情報処理機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度の情報処理機器で簡単に行える。
この発明の建物の地震被害損失の評価方法は、地震抽出過程と、地盤増幅率計算過程と、応答解析過程と、損失・PML計算過程と、出力過程とを1台の情報処理機器を用いて実行する評価方法であって、前記地震抽出過程は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、前記地盤増幅率計算過程は建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、前記応答解析過程は、建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、前記損失・PML計算過程は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算するため、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を一つの情報処理機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度の情報処理機器で簡単に行える。
この発明の建物の地震被害損失の評価プログラムは、コンピュータに実行されるプログラムであって、入力手順と、地震抽出手順と、地盤増幅率計算手順と、応答解析手順と、損失・PML計算手順と、出力手順とを含み、前記入力手順は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付け、前記地震抽出手順は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、前記地盤増幅率計算手順は、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、前記応答解析手順は、建物につき1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、前記損失・PML計算手順は、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きな地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算し、前記出力手順は前記損失・PML計算手順の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力するため、建設地の位置、多層の地盤の情報、建物構造の情報があれば、地震抽出からPML値の計算までの一連の計算を一つの情報処理機器で行え、また多層の地盤に応じた地震動の増幅特性を考慮した精度の良いPML値の計算を、一般的なパーソナルコンピュータ程度のコンピュータで簡単に行える。
この発明の一実施形態に係る建物の地震被害損失の評価装置の概略構成を示す説明図である。 同評価装置による評価方法の概略流れ図である。 同評価装置の概念構成を示すブロック図である。 同評価装置による地震動計算対象範囲の説明図である。 同評価装置による地盤のモデル化の説明図である。 同評価装置による建設地と震源断層の位置の座標変換の説明図である。 同評価装置による建設地と震源断層の距離計算の説明図でる。 同評価装置で用いる工学的基盤の応答スペクトルのグラフである。 同評価装置で用いる表層地盤の変位,加速度の説明図である。 同評価装置で用いる表層地盤による地震動増幅率のグラフである。 同評価装置で用いる建物各層の荷重変形関係のグラフである。 同評価装置で用いる建物各層の荷重変形関係のグラフである。 同評価装置で用いる建物の1質点系の加速度応答、変位応答のグラフである。 同評価装置で用いる建物の多質点系の層間変位と層せん断力の関係を示すグラフである。 同評価装置で抽出する地震とその地震で生じる建物の変位・加速度の関連を示す説明図である。 同評価装置の応答解析における耐力スペクトルと加速度応答の関係を示すグラフである。 同評価装置による損失、累積確率、PML値の関係を示すグラフである。 同評価装置による損失・PML計算過程における層間変形角と損傷確率の関係を示すグラフである。 同評価装置によるイベントツリー解析による損失計算の説明図である。 同評価装置による損失・PML計算過程における損失率と確率密度の関係の説明図である。 同評価装置による入力画面例の説明図である。 同評価装置による出力画面例の説明図である。 同評価装置のハードウエア構成の説明図である。 同評価装置を構成する建物の地震被害損失の評価プログラムの流れ図である。 同評価装置による地震被害損失の評価過程の流れ図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図25と共に説明する。この建物の地震被害損失の評価装置は、図23に示すように、コンピュータからなる情報処理機器11と、この情報処理機器11で実行される建物の地震被害損失の評価プログラム100とでなり、これら情報処理機器11のハードウェアおよびOS(オペレーションシステム)と評価プログラム100とで、図1および図3にブロックで示す各部1〜4,15や各手段5〜8を構成したものである。図23の情報処理機器11であるコンピュータは、例えばノート型またはディスクトップ型のPC(パーソナルコンピュータ)である。評価プログラム100は、例えば、市販の表計算フソトウェアの持つ機能で作成されたアプリケーションプログラムである。
情報処理機器11は、CPU(中央処理装置)18、メモリ17、および大容量記憶手段16を有する情報処理機器本体12と、入力機器13と、出力機器14とで構成される。大容量記憶手段16は、ハードディスク、または導体メモリであるSSD(ソリッドステートドライブ)、またはUSBメモリ、またはこれらの組み合わせ等であり、評価プログラム100は大容量記憶手段16に記憶されている。入力機器13は、マウスやキーボード等のオペレータの作業によって入力を行う機器、および外部記憶装置や通信回線等と接続する入力用のインタフェース機器を示す。出力機器14は、液晶表示装置等の画面で表示する表示装置14a、印刷機器、および外部記憶装置や通信回線等と接続する出力用のインタフェース機器を代表して示している。この例では、入力機器13および出力機器14は、インターネット等の通信回線網に接続する通信手段19を含む。なお、情報処理機器本体12、入力機器13、および出力機器14は、1つの筐体に設けられていても、別体とされて配線で互いに接続されていても良い。
図1に概要を示すように、この評価装置は、入力部1、入力データ処理部2、演算処理部3、および出力部4を有する。演算処理部3は、地震抽出手段5、地盤増幅率計算手段6、応答解析手段7、および損失・PML計算手段8により構成される。
図2は、図1の演算処理部3の処理を示す流れ図である。図2における丸囲みの符号1〜4は、図1の地震抽出手段5、地盤増幅率計算手段6、応答解析手段7、損失・PML計算手段8に付した丸囲みの符号1〜4で示す手段で行う処理であることを示す。図2は入力情報の種類および各過程の処理結果の利用の関係が明確となるように各過程を図示している。各過程の詳細は図25に示す。
図3は、この建物の地震被害損失の評価装置の概念構成を示すブロック図である。入力部1は、入力機器13から入力された定められた情報を、入力データ記憶部15に記憶させる手段である。入力部1は、例えば図21に入力画面例を示すように、入力すべき情報が何であるかを示す文字,記号等の画像と、入力された内容がどのような内容であるかを示す画像とを表示した入力画面を、図3の出力機器14のうちの表示装置14aに表示させる機能を含む。入力部1への入力は、個々のデータを手入力を行うようにしても、また各データが纏められたファイルの形式で行うようにしても良い。
入力部1で入力させる定められた情報は、建物の建設地についての位置情報および地盤情報と、建物情報とがある。位置情報は、建設地の緯度と経度である。地盤情報は、建設地の多層の地盤の各層についての深さおよび土質等である。この実施形態では、地盤情報として前記各層の深さ(即ち層厚)、地質年代、土質、N値の情報としている。地盤情報は、建設地のボーリング等による地盤調査結果の情報である。地盤情報は、柱状図などを元に作成された多層の地盤モデルの形態であっても良い。建物情報は、建物の階数、構造形式、階高、地震力算定結果、保有水平耐力算定結果、部位や階ごとの再調達価格等である。
入力データ処理部2は、上記の地震被害損失の評価プログラム100の更新、すなわち演算処理部3や入力部1等の更新を行う手段であり、更新用プログラムが入力部1から入力されることで、更新対応部分の更新処理を行う。
入力データ記憶部15は、入力部1で入力されたデータを記憶しておく手段であり、図23の前記大容量記憶手段に設けられた記憶領域である。
出力部4は、図22に示す画面を表示装置14aに出力し、この画面の中で、損失・PML計算手段8の計算結果となるPML値や、イベントリスク曲線、計算対象範囲、建物損失に影響を与える地震のリスト等を表示する。
図3において、地震抽出手段5は、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層の震源データをデータベース9より抽出し、抽出した情報から建設地の地盤の基盤における震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成する手段である。地震抽出手段5は、前記の抽出を行う地震抽出部5aと、前記の加速度応答スペクトルを作成する基盤加速度応答スペクトル生成部5bとでなる。
建設地を基準とする対象範囲は、例えば、図4に示すように、建設地を中心とする定められた半径内である。この半径は、入力部1で任意に設定すれば良く、例えば300kmとされる。震源データは、震源断層の位置(緯度,経度で示される)や大きさ(長さ、幅)や角度(走向、傾斜)と、その地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さである。
震源断層のデータベース9は、例えば、インターネット上に公開されている地震ハザードステーション(特許文献1)の公開データであり、日本国全体などの範囲につき、震源断層の位置と、その震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ等の震源データが登録されている。震源断層のデータベース9は、この建物の地震被害損失の評価装置に組み込まれていてもよく、その場合、地震抽出手段5は、この組み込まれたデータベースを用い、建設地の位置の情報から対象範囲の震源断層についての震源データを抽出する。また、地震抽出手段5は、インターネット等の通信回線網を介してデータベース9にアクセスし、建設地の位置の情報から対象範囲の震源断層についての震源データを抽出するものであっても良い。
地震抽出手段5の基盤加速度応答スペクトル生成部5bでは、地震抽出部5aで抽出した震源断層の位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の加速度応答スペクトルを作成する。
この距離計算、および加速度応答スペクトルの作成の具体例を説明する。
(1)建設地と震源断層の緯度経度を3次元直交座標に置換
図6に示すように、震源断層の断層原点Oを座標系の原点とし、Xを東方向、Y を北方向、Z を法線方向とした座標系で、建設地の位置を(x ,y ,z )で表す。この処理は、角震央距離から震央距離に変換するための係数p(地球の平均半径)を用いると、理科年表より以下の式で、断層原点の経度long、地理緯度lat2、建設地の経度long' 、地理緯度lat2` を座標系に変換できる。
なお、「震央距離」は、地球の大円に沿って測った、震央から観測点までの距離である。
「角震央距離」は角度のことであるため、次の計算式では角度に地球の平均半径を掛けて、長さの単位となる「距離」を求めている。震央距離の具体的は計算方法は、理科年表などに記載されている。
「角震央距離」は、震央及び観測点と地球の中心とを結ぶ直線の間の角度である。
=±arccos(sin(lat2)・sin(lat2)+cos(lat2)・cos(lat2) ・cos(long−long' ))・p
=±arccos(sin(lat2)・sin(lat2')+cos(lat2)・cos(lat2')・cos(long−long))・p
=d
ただし、
p=(a2 b)1/3 (赤道半径(a=6378.137 Km)および、極半径(b=6356.752
Km))
d:断層上端深さ
さらに、図6に示すように走行θ方向の座標変換、傾斜δ方向の座標変換により、X を断層幅方向、Y2 を断層長さ方向、Z を断層面の法線方向とした座標系で表す。
Figure 2013152197
(2)建設地(X 、Y 、Z )と対象範囲内の震源断層との距離を、図7のように計算する。
図7の領域(1)は震源断層面を表している。例えば、観測点が、領域(1)にある場合は、震源深さzが断層最短距離となり、領域(3)の上にある場合は、(x2-W)^2+(y2-D)^2+Z2^2の平方が断層最短距離となり、領域(4)の上にある場合は、(y2-D)^2+(Z2)^2の平方が断層最短距離となる。同図、計算式の違いにより、領域を分けている。なお、符号(1)〜は、図では丸囲みの数字で示している。
(3)距離減衰式を用い各震源断層より生じる基盤の加速度応答スペクトルを作成する。
図8に示すような工学的基盤における応答スペクトルは、例えば安中らの距離減衰式(非特許文献2)を用いる。周期T、減衰定数h=5%における工学的基盤面の地震動強さSab (T,h=5%)は以下の式より求められる。
log10 Sab (T,h=5%)
=Cm (T)M+Ch (T)H−Cd (T)log10 {R+0.344exp(0.653 M)}+C0 M:気象庁マグニチュード、H:断層中心深さ[km]、
R:断層最短距離[km]、
Cm (T),Ch (T),Cd (T),C0(T):回帰係数
なお、各回帰係数の数値は非特許文献2から読み取る等する。
「工学的基盤」は、建物の基礎として耐え得るような地盤〈N値50以上〉に相当するS波速度が300〜700m/s(およそ400m/s)の層を言う。
図1,図3の地盤増幅率計算手段6は、図3のように地盤モデル生成部6aと、表層地盤増幅率生成部6bとでなる。地盤モデル生成部6aは、建設地の地盤につき、図5に示すように、入力された多層の地盤(図5(A))の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化(図5(B))し、このモデルにおいて、表層地盤は構成層毎に一様な地質の1層構成とする。図5(B)は表層地盤を1層とした例であり、以下の説明は、1層の場合につき行う。表層地盤増幅率生成部6bは、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である地表層地盤増幅率を、定められた理論計算式に従って求める。
上記「基盤」は「工学的基盤」であり、上記工学的基盤の定義に該当する範囲で任意に定めた深さ位置を基盤の表面とした。基盤表面位置の定め方について、具体的には、例えば柱状図等からN値が50〜60以上で、支持層と考えることができる層とし、S波速度を計算すると、概ね工学的基盤(S波速度400m/s)に相当する。
地盤増幅率計算手段6は、上記のように、多数の多層の地盤の情報から、一様な表層地盤と基盤との2層の地盤モデルとするが、このとき、表層地盤を構成する各層のせん断波速度,密度を平均化する。なお、この平均化は、例えば非特許文献6に基づいて行う。また、この平均化の処理では、表層地盤を構成する各層の土質を粘性土と砂質土とに分類し、その割合に基づき、表層地盤の歪み依存特性(剛性低下率、および減衰係数)を設定する。
歪依存特性とは、土質材料が振動などを受けた場合に歪が生じ(非線形化)、その歪量γに応じた剛性G及び減衰hの変化を示したもので非特許文献9で挙げられているように複数提案されている。後述の段落〔0044〕のh−γ曲線や、〔数4〕のh(γ)、段落〔0018〕のG(γ)/Goが歪依存特性に該当する。提案されている歪依存特性の多くは、粘性土と砂質土に分けて設定されている。そこでこの実施形態の評価装置で入力した多層の地盤を、粘性土と砂質土に分類し、その割合を用いて1層地盤の歪依存特性と作成している。
地盤増幅率計算手段6の具体的処理例を説明する。
(1)表層地盤のモデル化
表層地盤における第i層の層厚・せん断波速度・密度をそれぞれh ・Vs ・ρ とすると、1層に縮約された表層地盤(等価表層地盤と呼ぶ)の層厚hE ・せん断波速度VsE ・密度ρE は以下の式で求められる。
Figure 2013152197
(2)重複反射理論に基づく伝達関数を用いた地盤増幅率の計算
図9に示すような表層地盤の地震動増幅率Gsは、重複反射理論に基づく伝達関数を用いる。非線形時の複素円振動数p、インピーダンス比α、h−γ曲線より求められるhs(γ)を用いると、以下の式で求められる。
Figure 2013152197

ここで、T:周期、
γ:一次固有周期TS でのせん断ひずみ
HS :表面地盤の層厚
VS (γ):せん断ひずみγに応じた表面地盤のS波速度(m/s)
歪依存特性(せん断ひずみγと剛性低下率G/Goの関係より、弾性時の表層地盤のS波速度Vs0を用いて、次の式で表される。
VS (γ)=Vs0・√G(γ)/Go
hs(γ):せん断ひずみγに応じた減衰係数
VSB:基盤のS波速度(m/S)
複素円振動数p、インピーダンス比αは、〔数4〕のp(T,γ)、α(γ)の式より求める。h-γ曲線は、先の歪依存特性のことで、hs(γ)が得られる。
なお、表層基盤の増幅率については、例えば、柴田明徳氏の「最新耐震構造解析」を参考に計算できる。
ここでは、せん断ひずみを求める、例えば森井らにより提案されている手法(非特許文献5)を用いる。図10に示す減衰定数の増大による加速度応答スペクトルの低減率Fh を用いれば、基盤の加速度応答スペクトルSaeB は以下の式で求められる。
Figure 2013152197
ここで、等価減衰定数heSは、1質点系の伝達関数の振幅の最大値1/(2heS)と表層地盤の1次固有周期TS における増幅率GS1を等値して、以下のように表される。
he(γ)=1/(2・GS1(γ))
S1(γ)=G (TS ,γ)=1/(1.57・hS (γ)+α0 ・√G(γ)/G0 ) α0 =ρ ・Vs/ρ ・Vs (=インピーダンス比)
非線形時の1次固有周期TS に対応するせん断ひずみγを与えることで、周期TS における基盤の加速度応答スペクトルSaeB (T=T)を算定することができる。基盤の加速度応答スペクトルをSaB(T=T )とおき、せん断ひずみγを新たにγ・Sa/Sae 等と修正して再度、Sae (T=T )を算定する。以上を繰り返して、Sa=Sae となるような、せん断ひずみγを求める。
図1,図3の応答解析手段7は、図3のように建物モデル・耐力スペクトル生成部7aと、地表面応答スペクトル生成部7bと、応答変位・応答加速度計算部7cとでなる。建物モデル・耐力スペクトル生成部7aは、多層からなる建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求める。地表面応答スペクトル生成部7bは、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求める。応答変位・応答加速度計算部7cは、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求める。
応答解析手段7は、上記の処理において、地震毎に地表面での地震動評価結果の不確実性を考慮し、応答(Sa−Sd)スペトクルを作成する。震源を特定できない地震については、定められた計算対象範囲で、マグニチュードや断層最短距離を平均するなど、統計的処理する。
また、上記耐力スペクトルを求めるについては、構造計算結果、例えば建物各層の荷重変形関係を踏まえ、耐力スペクトルを作成する。
建物各層の荷重変形を作成する際の構造計算結果の入力方法は、例えば次の3種類から選択して入力可能とする。
・ プッシュオーバー(PushOver)解析結果の直接入力(推奨)。
・ 降伏点(Q,δ)(耐力、変位)の入力。
・ 保有耐力の余裕度などの入力
これら3種類の入力方法のうち、プッシュオーバー(PushOver)解析結果の直接入力が最も好ましい。
応答解析の手順の概略は次の通りである。上記3種の入力方法の中から任意の方法を選んで構造計算結果を入力する。多質点系から1質点系モデルに変換する。応答スペクトル法による地震応答解析を実施し、一質点系モデルの応答変位,応答加速度を求める。
応答解析手段7の具体的処理例を説明する。
(1)建物各層の荷重変形関係を作成
以下の3種類の中の任意の方法で各層の荷重変形関係を作成可能としている。
・ プッシュオーバー(PushOver)解析結果の直接入力(図11)をした場合の曲線の延長方法。
・ 降伏点(耐力・変位)の入力による曲線の作成方法〈図12〉。
・ 保有水平耐力の余裕度等の入力による曲線の作成方法〈図12〉。
なお、プッシュオーバー解析は、「漸増載荷解析法」、「荷重漸増解析」、「荷重増分法」等と称されている。プッシュオーバー解析は、構造物(部材の非線形性を考慮)に対して静的な震度や荷重を漸増載荷して、その載荷荷重(震度)と水平変位の関係等によって構造物全体系の耐震特性を評価しようとするものである。
図11は、解析結果の直接入力による建物各層の荷重変形関係を表しており、横軸は建物変位、縦軸は建物耐力を表している。解析結果の直接入力とは、SS2やBUS(商品名)など市販の構造計算ソフトウェアを用い、二次設計(PushOver解析)まで実施した際に出力可能な、CSV形式などで作成される外力を漸増させたステップごとの荷重(耐力)・変位の値を、この実施系他の評価装置に直接コピー・ペーストする操作を指す。
(2)建物を一質点系にモデル化
建物の各層の荷重変形関係から、1質点系に縮約した場合の建物の、荷重変形関係(=耐力スペクトル)を求める。なお、この処理は非特許文献6を参考にした処理である。
(3)デマンドスペクトル(請求項で言う「地表面応答スペクトル」)の設定
デマンドスペクトルは入力地震動の周期特性を示すもので、加速度応答スペクトルと変位応答スペクトルから求める。加速度応答スペクトルは、地震抽出手段5で求めた基盤の応答スペクトルに、地盤増幅率計算手段6で求めた表層地盤の増幅率を乗じたものとする。変位応答スペクトルは擬似とし、次の式で求める。
=S/ω2
ここで、S :変位スペクトル:S :加速度応答スペクトル:ω:固有円振動数:である。
(4)応答スペクトル法による一質点系の応答変位・加速度の計算
耐力スペクトルとデマンドスペクトルを同一のグラフに表示し、2つの曲線の交点を一質点系の応答変位・応答加速度とする。図16において、実線は耐力スペクトルを、各破線は各地震のデマンドスペクトルを示す。同図の交点が、一質点系の応答変位・応答加速度である。
ただし、交点が耐力スペクトルの塑性域となっている場合には、塑性化による建物減衰の増大を考慮し、デマンドスペクトルの低減を行う。低減したスペクトルとの交点により求まる塑性率μと設定した塑性率μが等しくなるまで収斂計算を行う。
Figure 2013152197
(T,heq):heqにおける加速度スペクトル、
(T,h=5%):表層地盤考慮後の加速度スペクトル、
なお、等価粘性減衰定数heqは、等価−自由度系の塑性率μを用いて、次の式で表される。
heq=γ(1−1/√μ)+0.05
(5)多質点系の応答(図13,図14)
多質点系の応答変位は、耐力スペクトル法での応答解析結果のステップ数を用いて、構造計算における増分解析(PushOver解析と同じ)の同一ステップ数の数値を各階での応答変位とする。各階の応答加速度Acci についてはAi分布を用いて次式で求める。
Figure 2013152197

Sag :等価一自由度系の加速度〔Gal〕、
Ag :重心位置(建物高さの2/3の位置)でのAi
図1,図3の損失・PML計算手段8は、図3のように損傷確率計算部8a、90%非超過損失算定部8b、およびPML値計算部8cからなる。
損傷確率計算部8aは、応答解析手段7の応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算する。
90%非超過損失算定部8bは、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定する。
PML値計算部8cは、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算する。
なお、90%非超過損失は、ある地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化し、その分布関数(分布の確率密度関数の面積)が0.9になるような損失を言う。
累積確率は、90%非超過損失の年発生確率の累積である。 PML値は、予想最大損失率(額)であり、累積確率が定められた値(1/475)となるような90%非超過損失を言う。累積確率が1/475となるような90%非超過損失であるとは、475年に1回生じる90%非超過損失確率である。
損失・PML計算手段8は、次の各処理を行う。建物の一質点系モデルの応答解析結果を各層の応答変位,応答加速度に変換する。この変換の方法は、非特許文献8を参考にした変換方法である。
建物の構造形式に応じた既存のフラジリティ曲線を用いて、構造部材、非構造部材の損傷確率を計算する。フラジリティ曲線は、建物応答(もしくは地震動強さ)に対する損傷確率である。
イベントツリー解析を用い、地震毎に損失期待値と、部位毎の損失の割合を計算する。 β分布を用い、損失期待値を中央値として損失分布をモデル化し、90%非超過損失を算定する。
損失に影響の大きい地震から順に年超過確率の累積確率が1/475となる90%非超過損失をPML値とする。
損失・PML計算手段8の具体的処理例を説明する。
(1)フラジリティ曲線を用いた損傷確率の計算
建物の地震応答に対する損傷確率を表した構造形式に応じたフラジリティ曲線を設定する。フラジリティ曲線は、図18のように一般的に対数正規分布関数で表され、応答変位・加速度に応じた関数を用いる。なお、このフラジリティ曲線は、非特許文献7を参考にした曲線である。
フラジリティ曲線や、中央値、ばらつき等のデータは、例えばデータベース10に登録しておき、損失・PML計算手段8によりデータベース10にアクセスして計算に必要なデータを得るようにしている。
(2)イベントツリー解析による損失の計算
各地震に対して図19に示すようなイベントツリー解析を行い、損失(損傷費用)の期待値と標準偏差を求める。なお、この解析は非特許文献8に示された方法である。応答変位に依存する損失としては、構造部材や、外壁などの非構造部材がある。一方、応答加速度に依存する損失としては、設備機器などの非構造部材がある。
各イベントの生起確率Piおよび損傷費用(Damage Cost)DCi は、次のように求める。
修理可能な場合: DC =Ct×DCRst,a,α+Cd ×DCRd,β+C ×DCR ,γ
修理不可能な場合 DCi =E[C |Fail ]
ここで、
α:構造部材の損傷モード、
β:変形依存非構造部材の損傷モード、
γ:加速度依存非構造部材の損傷モード、
DCR:損傷モードに対する部位ごとの損失
st:建物全体の構造部材の再調査費用
d:変位依存型非構造部材の費用
a:加速度依存型非構造部材の費用
E[CD |Fail ]:期待損傷費用
(3)損失の確率密度関数
ある地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化する。図20に示すように分布の確率密度関数の面積、つまり分布関数が0.9になるような損失(=90%非超過損失)を地震ごとに求める。
(4)イベントリスク曲線とPML
90%非超過損失を、対象とする全ての地震について計算する。図7に示すように、損失の大きい順に並べて、地震の年発生確率の累積を求める。累積確率はpi を地震の年発生確率として次式のように求める。
P=1−Πi(1-Pi)
90%非超過損失と累積確率をプロットしたものをイベントリスク曲線と呼び、累積確率が1/475となるような90%非超過損失〈率〉をPML値とする。
図24は、建物の地震被害損失の評価プログラム100の流れ図である。このプログラム100は、コンピュータに実行されるプログラムであって、入力手順R1と、地震抽出手順R2と、地盤増幅率計算手順R3と、応答解析手順R4と、損失・PML計算手順R5と、出力手順R6とを含む。これらの手順R1〜R6は、前記評価装置の入力部1、地震抽出手段5、地盤増幅率計算手段5、応答解析手段7、損失・PML計算手段8、および出力部4につき説明した処理を行う手順である。
前記入力手順R1は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付ける。
地震抽出手順R2は、抽出手順R2aと基盤加速度応答スペクトル作成手順R2bとでなり、これらの手順R2a,R2bは、それぞれ、上記評価装置の地震抽出部5aおよび基盤加速度応答スペクトル作成部5bにつき説明した処理を行う手順である。
すなわち、抽出手順R2aは、建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で生じる地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および震源の位置、大きさ、角度の情報をデータベース9より抽出する。基盤加速度応答スペクトル作成手順R2bは、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の加速度応答スペクトルを作成する。
地盤増幅率計算手順R3は、地盤モデル生成手順R3aと表面地盤増幅率計算手順R3bとからなり、これらの手順R3a,R3bは、それぞれ上記評価装置の地盤モデル生成部6a、表面地盤増幅率計算部6bにつき説明した処理を行う手順である。
すなわち、地盤モデル生成手順R3aは、建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層にモデル化する。表面地盤増幅率計算部6bは、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有
の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求める。
前記応答解析手順R4は、建物モデル・耐力スペクトル生成手順R4a、地表面応答スペクトル生成手順R4b、および応答変位・応答加速度計算手順R4cからなり、これらの手順R4a,R4b,R4cは、それぞれ上記評価装置の建物モデル・耐力スペクトル生成部7a、地表面応答スペクトル生成部7b、および応答変位・応答加速度計算部7cにつき説明した処理を行う手順である。
すなわち、建物モデル・耐力スペクトル生成手順R4aは、建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求める。地表面応答スペクトル生成手順R4bは、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤増幅率とから、前記各震源断層で生じる地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求める。応答変位・応答加速度計算手順R4cは、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求める。
前記損失・PML計算手順R5は、損失計算手順R5a、90%非超過損失算定手順R5b、およびPML値計算手順R5cからなり、これらの手順R5a,R5b,R5cは、それぞれ上記評価装置の損失計算部8a、90%非超過損失算定部8b、およびPML値計算部8cにつき説明した処理を行う手順である。
すなわち、損失計算手順R5aは、前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算する。90%非超過損失算定手順R5bは、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を例えばβ分布等の分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定する。PML値計算手順R5cは、90%非超過損失の大きくなる年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算する。
前記出力手順R6は、上記評価装置の出力部4につき説明した処理を行う手順であり、前記損失・PML計算手順R5の計算結果となるPML値を表示装置14aの画面に出力する。
なお、このプログラム100の各手順の詳細は、評価装置の対応する各手段に説明した処理を行う手順である。
図25は、この実施形態の評価装置で実施する評価方法の流れ図である。この評価方法は、入力過程S1と、地震抽出過程S2と、地盤増幅率計算過程S3と、応答解析過程S4と、損失・PML計算過程S5と、出力手順過程S6とを含む。
地震抽出過程S2は、抽出手順S2aと基盤加速度応答スペクトル作成手順S2bからなる。地盤増幅率計算過程S3は、地盤モデル生成過程S3aと表面地盤増幅率計算過程S3bからなる。前記応答解析過程S4は、建物モデル・耐力スペクトル生成過程S4a、地表面応答スペクトル生成過程S4b、および応答変位・応答加速度計算過程S4cからなる。前記損失・PML計算過程S5は、損失計算過程S5a、90%非超過損失算定過程S5b、およびPML値計算過程S5cからなる。
これらの各過程S1〜S6,S2a,S2b,S3a,S3b,S4a,S4b、S4c,S5a,S5b,およびS5cは、評価プログラム100の各手順につき対応する名称を付した各手順の実行により行われる過程である。
この実施形態における建物の地震被害損失の評価装置,評価方法、評価プログラム100は、上記の構成であるため、次の各利点が得られる。
・建物の地盤モデルに応じた増幅率特性、かつ、建物各層の荷重変形関係(構造計算結果)を踏まえた建物モデルを用いた応答解析を実施可能。
・一連の計算を一つのシステムで実施することが可能。短時間で計算が完了。
・今後の新たな知見により、入力部や演算処理部、データベースが更新されても、入力データ処理部2による更新により、プログラム全体への影響を軽減できる。
・構造設計実施前にPML値を推定し、構造設計に役立てることが可能。
・一般的なPC(パーソナルコンピュータ)の性能で十分に動作可能。
・ノートPCで営業先でプレゼンツールとして使うことができる。
1…入力部
2…入力データ処理部
4…出力部
5…地震抽出手段
5a…地震抽出部
5b…基盤加速度応答スペクトル作成部
6…地盤増幅率計算手段
6a…地盤モデル生成部
6b…表面地盤増幅率計算部
7…応答解析手段
7a…建物モデル・耐力スペクトル生成部
7b…地表面応答スペクトル生成部
7c…応答変位・応答加速度計算部
8…損失・PML計算手段
8a…損失計算部
8b…90%非超過損失算定部
8c…PML値計算部
9,10…データベース
14…出力機器
14a…表示装置
100…評価プログラム



























Claims (7)

  1. 入力部と、地震抽出手段と、地盤増幅率計算手段と、応答解析手段と、損失・PML計算手段と、出力部を一つの情報処理機器に備え、
    前記入力部は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付け、
    前記地震抽出手段は、
    建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、
    前記地盤増幅率計算手段は、
    建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、
    前記応答解析手段は、
    建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、
    前記損失・PML計算手段は、
    前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算し、
    前記出力部は前記損失・PML計算手段の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する、
    ことを特徴とする建物の地震被害損失の評価装置。
  2. 請求項1において、前記地盤増幅率計算手段は、表層地盤を全体が一様な1層としてモデル化する建物の地震被害損失の評価装置。
  3. 請求項2において、前記地盤増幅率計算手段は、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤を構成する第i層(iは自然数)の層厚、せん断波速度、密度をそれぞれhi ,Vsi ,ρp として、1層にモデル化した表層地盤の層厚h ,Vs ,ρ を次式により求めた値とし、
    Figure 2013152197


    表層地盤増幅率の計算には、重複反射理論に基づく伝達関数を用いる、
    建物の地震被害損失の評価装置。
  4. 請求項2または請求項3において、前記地盤増幅率計算手段は、入力された多層の地盤を、粘性土と砂質土とに分類し、粘性土と砂質土の割合で、1層にモデル化された表層地盤の歪依存特性を定める建物の地震被害損失の評価装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記応答解析手段は、前記モデル化による建物のモデル化を、建物の各層の荷重と変形の関係から1質点系に集約したモデルとする建物の地震被害損失の評価装置。
  6. 入力過程と、地震抽出過程と、地盤増幅率計算過程と、応答解析過程と、損失・PML計算過程と、出力過程とを1台の情報処理機器を用いて実行し、
    前記入力過程は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付け、
    前記地震抽出過程は、
    建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、
    前記地盤増幅率計算過程は、
    建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、
    前記応答解析過程は、
    建物を1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、
    前記損失・PML計算過程は、
    前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きくなる地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算し、
    前記出力過程は前記損失・PML計算過程の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する、
    ことを特徴とする建物の地震被害損失の評価方法。
  7. コンピュータに実行されるプログラムであって、
    入力手順と、地震抽出手順と、地盤増幅率計算手順と、応答解析手順と、損失・PML計算手順とを含み、
    前記入力手順は、評価対象となる建物の建設地の位置および地盤の情報、並びに建物の構造計算結果および部位毎の価格の情報の入力を受付け、
    前記地震抽出手順は、
    建設地を基準とする対象範囲内に存在する各震源断層、並びにその各震源断層で想定される地震のマグニチュード、年発生確率、震源深さ、および位置の情報をデータベースより抽出し、抽出した位置の情報から各震源断層と建設地との距離を計算して、定められた距離減衰式に従い、建設地の地盤の基盤における前記各震源断層で地震が生じた場合の建物周期ごとの最大加速度応答を示す加速度応答スペクトルを作成し、
    前記地盤増幅率計算手順は、
    建設地の地盤につき、入力された多層の地盤の情報から、表層地盤と基盤との2層に大別してモデル化し、表層地盤は一様な地質の1層または複数層の層構成とし、基盤の地震動に対して表層地盤の地表面に生じる地震動が増幅される率である表層地盤固有の地震動増幅率を定められた理論計算式に従って求め、
    前記応答解析手順は、
    建物につき1質点系にモデル化してそのモデルの荷重と変形の関係を示す耐力スペクトルを求め、前記基盤の加速度応答スペクトルと前記表層地盤固有の地震動増幅率とから、前記各震源断層で生じた地震による建設地の地表面における加速応答スペクトルと変位応答スペクトルより設定される地表面応答スペクトルを求め、これら耐力スペクトルと地表面応答スペクトルとの関係から、応答解析結果として前記各地震による建物の応答変位,応答加速度を求め、
    前記損失・PML計算手順は、
    前記応答解析結果を用いて、前記各地震が生じた場合の建物の構造部材、非構造部材の損傷確率を計算し、地震毎に損失期待値と部位毎の損失の割合を計算し、地震に対する損失を分布関数でモデル化して90%非超過損失を算定し、90%非超過損失の大きな地震より年発生確率の累積である累積確率を求め、累積確率が定められた値となる90%非超過損失であるPML値を計算し、
    前記出力手順は前記損失・PML計算手順の計算結果となるPML値を表示装置の画面に出力する、
    ことを特徴とする建物の地震被害損失の評価プログラム。
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