JP2003296396A - 建物の期待ライフサイクルコスト評価システムおよび期待ライフサイクルコスト評価プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

建物の期待ライフサイクルコスト評価システムおよび期待ライフサイクルコスト評価プログラムを記録した記録媒体

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JP2003296396A
JP2003296396A JP2002093801A JP2002093801A JP2003296396A JP 2003296396 A JP2003296396 A JP 2003296396A JP 2002093801 A JP2002093801 A JP 2002093801A JP 2002093801 A JP2002093801 A JP 2002093801A JP 2003296396 A JP2003296396 A JP 2003296396A
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Yuji Takahashi
雄司 高橋
Akihiro Sawaii
明広 澤飯
Osamu Takahashi
治 高橋
Yoshiko Murachi
由子 村地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物の期待ライフサイクルコストを、模擬的
に発生させた複数の地震波を用いた建物の応答解析によ
って評価可能にする。 【解決手段】 地震環境情報データベース12の格納情
報にもとづき各マグニチュードの地震の発生確率を演算
し、地震波を断層パラメータと地下構造の情報および表
層地盤情報にもとづき地震波を模擬的に生成して出力
し、特定地点にある建物の構造設計情報にもとづいて地
震波による建物の応答解析をし、この応答解析結果にも
とづいて建物の損傷コストを演算し、これらの解析およ
び演算に関わる不確定性を考慮したモンテカルロ法によ
りシミュレーションすることにより期待損傷コストを演
算し、期待損傷コストと地震発生確率にもとづきリスク
を演算し、初期コストおよびリスクにもとづき建物の利
用年数ごとの期待ライフサイクルコストを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周辺地域の歴史地
震情報を参照して特定地点の建物の期待ライフサイクル
コストを演算し評価する建物の期待ライフサイクルコス
ト評価システムおよび期待ライフサイクルコスト評価プ
ログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、既存または新築の建物につい
てライフサイクルコストを考慮した建物保全計画を立
て、例えば建物の建設や設備にかかる個別部材、機器に
対して修繕費や更新費を積み上げてライフサイクルコス
トを算出する方法について種々のシステムが提案されて
いる。上記個別部材や機器は建物ごとに使用材料、型
式、容量その他によって異なり、これらをライフサイク
ルコスト決定の要因として解析結果に反映させている。
【0003】ここで、ライフサイクルコストは、建物の
供用期間中に発生する地震被害によるコストの合計であ
るが、地震発生をはじめとする様々な事象の不確定性に
よりその値を事前に確定的に予測することは不可能であ
る。従って、ライフサイクルコストは確率量として表わ
される。
【0004】一方、地震動は各種設備を持つ建物のライ
フサイクルコストに大きく影響するため、今日では、地
震による建物のライフサイクルコストの評価や管理の重
要性に注目が集っている。これによれば、例えば図4の
ブロック図および図5のフローチャートに示すように、
建物の特定地点を中心とする日本全国の複数地点の歴史
地震(発生年月日、名称、マグニチュード)の情報や現
時点で存在が確認されている活断層の名称、位置(各線
分の始点、終点の緯度経度)、活動度、発生確率などを
地震情報データベース1に保存しておき、緯度、経度を
指定して入力した特定地点の地震危険度を、その地震情
報データベース1内の上記マグニチュードを含む情報を
参照して、地震危険度演算手段2によって演算している
(ステップS1)。この地震危険度は、図5に示すよう
に地震の年発生(年超過)確率P1を地震の大きさごと
に求めた値で表わすことができる。
【0005】また、建物は、構造設計図3に従って、つ
まり階層数、材料強度、収容物の配置、重量といった諸
条件に応じた地震応答性状を持ち、過去の被害データや
建物の応答解析によって得られた建物の脆弱性/損傷確
率データベース4を参照し、損失演算手段5により地震
の大きさに対する損失率/損傷確率を演算する(ステッ
プS2)。
【0006】次に、リスク演算手段6において上記特定
地点での建物のリスクを各演算手段2、5の演算結果を
用いて求める(ステップS3)。ここで特定地点の平均
的な地震危険度評価(ケースA)の場合と、個別に地震
動を想定する(ケースB)場合とでは、ケースAの場合
のリスクRはR=ΣP1×Σ(P2×C)、ケースBの
場合のリスクRはR=Σ(P1×P2×C)となるよう
に異なる(ステップS4)。ここで、Cは被害額であ
る。そして、このようにして得た各リスクRの年発生
(年超過)確率にもとづいてライフサイクルコスト評価
手段7では設計案に応じて供用年数対応のライフサイク
ルコストを求めている(ステップS5)。また、保険や
不動産の分野では、建物の耐用期間中に起こりうる最大
級の地震に対する、最大級の損失額を予想最大損失額
(PML:Probae Maximum Loss)
と呼び、その建物に潜在するリスクの指標としてきた。
具体的な数値としては、慣用的に、50年間に超過確率
10%の強度を持つ地震動に対する、超過確率10%の
損失額とされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の地震のリスクに伴う建物のライフサイクルコスト
評価システムにあっては、特定地点の地震動の最大値ご
との年発生確率(年超過確率)の平均値を参照して特定
地点での建物のリスクおよびライフサイクルコストの評
価を行っており、従って地震動の周期時性や位相特性が
異なる複数の地震波にもとづく建物の挙動に対応した詳
細な応答解析およびライフサイクルコストについて評価
を正しく行えないという不都合があった。
【0008】本発明は上記のような問題を解決するもの
であり、その目的とするところは、複数地点において発
生した個別の歴史地震波の影響による特定地点の建物の
リスクおよび期待ライフサイクルコストを、模擬的に発
生させた複数の特定地点固有の地震波を用いてその特定
地点にある建物の応答解析を行うことにより、評価する
ことができる建物の期待ライフサイクルコスト評価シス
テムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のために、
請求項1の発明にかかる建物の期待ライフサイクルコス
ト評価システムは、特定地点から離れた複数地点の歴史
地震の発生年月日、震源位置、マグニチュードや活断層
の位置、活動度、発生確率などを含む地震情報を格納し
た地震環境情報データベースと、該地震環境情報データ
ベースの格納情報にもとづき各マグニチュードの地震の
発生確率を演算する地震発生確率演算手段と、特定地点
における複数地点からの地震波を断層パラメータと地下
構造の情報および表層地盤情報にもとづき地震波を模擬
的に生成して出力する地震波生成手段と、上記特定地点
にある建物の構造設計情報にもとづいて上記地震波によ
る建物の応答解析を行う建物応答解析手段と、上記応答
解析結果にもとづいて建物の損傷コストを演算する損傷
コスト演算手段と、上記地震波生成手段、建物応答解析
手段および損傷コスト演算手段による解析および演算の
結果として得られる損傷コストを一サンプルとし、上記
解析および演算に関わる不確定性を考慮したモンテカル
ロ法によりシミュレーションすることにより期待損傷コ
ストを演算する期待損傷コスト演算手段と、上記期待損
傷コストと地震発生確率にもとづきリスクを演算するリ
スク演算手段と、初期コストおよび上記リスクにもとづ
き建物の利用年数ごとの期待ライフサイクルコストを演
算する期待ライフサイクルコスト演算手段とを備えたこ
とを特徴とする。これにより、特定建物についての期待
ライフサイクルコスト評価を行うことができる。
【0010】また、請求項2の発明にかかる建物の期待
ライフサイクルコスト評価システムは、上記データベー
スに対して、新たに公開された震源の活動情報を導入さ
せるようにしたものである。これにより、常に最新の情
報にて期待ライフサイクルコスト評価を行うことができ
る。
【0011】また、請求項3の発明にかかる期待ライフ
サイクルコスト評価プログラムを記録した記録媒体は、
特定地点から離れた複数地点の歴史地震の発生年月日、
震源位置、マグニチュードや活断層の位置、活動度、発
生確率などを含む地震情報を格納した地震環境情報デー
タベースの格納情報にもとづき各マグニチュードの地震
の発生確率を演算する地震発生確率演算ステップと、特
定地点における複数地点からの地震波を断層パラメータ
と地下構造の情報および表層地盤情報にもとづき地震波
を模擬的に生成して出力する地震波生成ステップと、上
記特定地点にある建物の構造設計情報にもとづいて上記
地震波による建物の応答解析を行う建物応答解析ステッ
プと、上記応答解析結果にもとづいて建物の損傷コスト
を演算する損傷コスト演算ステップと、上記地震波生成
ステップ、建物応答解析ステップおよび損傷コスト演算
ステップによる解析および演算の結果として得られる損
傷コストを一サンプルとし、上記解析および演算に関わ
る不確定性を考慮したモンテカルロ法によりシミュレー
ションすることにより期待損傷コストを演算する期待損
傷コスト演算ステップと、上記期待損傷コストと地震発
生確率にもとづきリスクを演算するリスク演算ステップ
と、初期コストおよび上記リスクにもとづき建物の利用
年数ごとの期待ライフサイクルコストを演算する期待ラ
イフサイクルコスト演算ステップとをコンピュータに実
行させるための期待ライフサイクルコスト評価プログラ
ムを記録したものである。これにより、記録媒体をパソ
コン等の情報機器によりアクセスすることで、建物の期
待ライフサイクルコストの評価を迅速、容易かつ確実に
実施でき、また携帯可能であるため、いつどこでも期待
ライフサイクルコスト情報を得て利用することができ
る。また、上述の期待ライフルサイクルコストの算出過
程で求められる地震発生確率と期待損傷コストの積を、
全てのマグニチュードおよび全ての震源域について加え
たもの(期待ライフサイクルコストから初期コストを引
いた値)を、その建物の耐用期間中のリスクとして算出
することができる。
【0012】また、請求項4の発明にかかる建物の期待
ライフサイクルコスト評価プログラムを記録した記録媒
体は、これをコンピュータ等に使用することにより、常
に最新の情報にて期待ライフサイクルコスト評価を行う
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
について説明する。図1は本発明の建物の期待ライフサ
イクルコスト評価システムを示すブロック図であり、同
図において、11は初期コストのデータベースであり、
12は日本全土や米国全土などにおける特定地点から離
れた複数地点の歴史地震の発生年月日、震源位置、マグ
ニチュードや活断層の位置、活動度、発生確率などの地
震発生要因となる各種地震情報を格納した地震環境情報
データベース、13は地震環境情報データベース12の
格納情報にもとづき各マグニチュードの地震の発生確率
を演算する地震発生確率演算手段である。
【0014】なお、ライフサイクルコストは、上記のよ
うに建物の供用期間中に発生する地震被害によるコスト
の合計であるが、地震発生をはじめとする様々な事象の
不確定性により、その値を事前に確定的に予測すること
は不可能である。従って、ライフサイクルコストは確率
量として表わされ、上記期待ライフサイクルコストはそ
の期待値(平均値)として定義される。
【0015】また、14は特定地点における複数地点か
らの地震波を断層パラメータと地下構造の情報15およ
び表層地盤情報16にもとづき地震波を模擬的に生成し
て出力する地震波生成手段、17は上記特定地点にある
建物の構造設計情報18にもとづいて上記地震波による
建物の応答解析を行う建物応答解析手段、19は上記応
答解析結果およびコストデータ20にもとづいて建物の
損傷コストを演算する損傷コスト演算手段である。
【0016】そして、21は上記地震波生成手段14、
建物応答解析手段17および損傷コスト演算手段19に
よる解析および演算の結果として得られる損傷コストを
一サンプルとし、上記解析および演算に関わる不確定性
を考慮したモンテカルロ法によりシミュレーションする
ことにより期待損傷コストを演算する期待損傷コスト演
算手段、22は上記期待損傷コストと地震発生確率にも
とづきリスクを演算するリスク演算手段、23は初期コ
ストおよび上記リスクにもとづき建物の利用年数ごとの
期待ライフサイクルコストを演算する期待ライフサイク
ルコスト演算手段である。
【0017】なお、期待損傷コスト演算手段21におい
ては、生成した地震波の加速度時刻歴にもとづき、建物
の弾塑性応答解析を行い、フラジリティ曲線(建物の脆
弱性/損傷確率)および機能復旧率曲線を用いて損傷コ
ストを演算するように機能する。ここで、上記地震波の
加速度時刻歴は特定地点の周辺の深部地盤構造や表層地
盤構造をモデル化し、震源からの地震波の伝播を考慮し
て得られた工学基盤上の加速度波形であり、建物の応答
解析結果は最大応答加速度や最大層間変形角などの応答
値である。
【0018】リスク演算手段22は、地震発生確率と期
待損傷コストの積を、全てのマグニチュードおよび全て
の震源域について加えたもの(期待ライフサイクルコス
トから初期コストを引いた値)を、その建物の耐用期間
中のリスクとして算出するリスク演算手段である。
【0019】ライフサイクルコスト(LCC)は、建築
構造物の耐用期間に発生する損傷コストの総和であり、
設計案の中でこのライフサイクルコストの期待値(平均
値)が最小のものが最適案となる。この期待値は、式
(1)のように定式化される。
【数1】 また、上記ライフサイクルコストの期待値は、地震の発
生をポアソン過程とした場合の特殊解として求められ、
後述の利子率dとで求められる金利係数QがQ≠1およ
びQ=1の各場合ごとに、式2および式3のように表わ
される。
【数2】
【数3】 ここで、E[CL ]は期待LCC、CI は初期コスト、
E[CD (mj )]はマグニチュードmj の地震に対す
る損傷コストCD (mj )の期待値、t0 は建物の開始
時間、tlifeは建物の寿命、Q=1/(1+d)は上記
金利係数、fwn(t,mj |Wl >t0 )はマグニチュ
ードmj の地震については、最後の地震からt0 の間に
地震が起きていないという条件下で、n番目の地震発生
時刻の確率密度関数、ν(mj )は地震の発生をポアソ
ン過程と仮定した場合のマグニチュードmj の地震の単
位時間当りの発生率、all sourcesは考慮さ
れる全ての震源域を示す。
【0020】このような期待ライフサイクルコスト評価
システムでは、図2に示すように、地震環境情報データ
ベース12を利用し、特定の震源域における特定のマグ
ニチュード(mj )の断層破壊面をランダムに発生さ
せ、その断層破壊面からの地震波を模擬的に生成する
(ステップ11)。これらの地震波を入力として表層地
盤の振動解析を行い(ステップS12)、続いて建物の
地震応答解析を行い(ステップS13)、最大層間変形
角や最大床応答加速度などの応答値を損傷コストに変換
する(ステップ14)。図3は震源域における断層破壊
からこの断層破壊にもとづく弾性波の伝播、表層地盤の
振幅増幅、建物の応答を経て上記損傷コストの発生まで
をモデル化して示す説明図である。
【0021】以上の一連のプロセスを一つのサンプルと
し、各事象の不確定性を考慮して、多数のサンプルのシ
ミュレーションを行って、サンプルごとに損傷コストC
D (mj )を求める。E[CD (mj )]は、その全サ
ンプルの損傷コストの期待値(平均値)として求められ
る。この演算結果から上記のようなライフサイクルコス
トを決定する。
【0022】そして、最終的にマグニチュードの地震に
対する損傷コストの期待値、初期コストおよびマグニチ
ュードの発生確率を、地震発生の時系列モデルに反映さ
せて期待ライフサイクルコストと寿命の関係で示す。建
物のブレースにダンパーを使用しない設計案(ケース)
Aとダンパーを使用した設計案(ケース)Bとの対応で
期待ライフサイクルコストが変化する様子は、図5につ
いて説明した通りである。
【0023】これによれば、設計案Aでは初期コストは
設計案Bより小さいものの、数年経過後には期待ライフ
ルサイクルコストが逆転していることが分かる。なお、
各設計案ごとの期待ライフサイクルコストと初期コスト
との差は、各設計案が潜在的に持つ耐用期間中の累積損
傷コストの期待値、すなわち耐用期間中のリスクであ
る。
【0024】次に上記のような建物のライフサイクルコ
スト評価を行う情報記録媒体について説明する。この情
報記録媒体は携帯可能な例えばCDROMやフロッピデ
ィスクなどであり、この記録媒体にデータベースやプロ
グラムが蓄積されている。従って、パソコンなどの情報
処理機器によりアクセスすることにより、上記のような
演算処理によって、期待ライフサイクルコストおよびリ
スクの評価を実現できる。
【0025】そして、この記録媒体に蓄積されたデータ
は、特定地点から離れた複数地点の歴史地震の発生年月
日、震源位置、マグニチュードや活断層の位置、活動
度、発生確率などを含む地震情報を格納した地震環境情
報データベースの格納情報にもとづき各マグニチュード
の地震の発生確率を演算する地震発生確率演算ステップ
と、特定地点における複数地点からの地震波を断層パラ
メータと地下構造の情報および表層地盤情報にもとづき
地震波を模擬的に生成して出力する地震波生成ステップ
と、上記特定地点にある建物の構造設計情報にもとづい
て上記地震波による建物の応答解析を行う建物応答解析
ステップと、上記応答解析結果にもとづいて建物の損傷
コストを演算する損傷コスト演算ステップと、上記地震
波生成ステップ、建物応答解析ステップおよび損傷コス
ト演算ステップによる解析および演算の結果として得ら
れる損傷コストを一サンプルとし、上記解析および演算
に関わる不確定性を考慮したモンテカルロ法によりシミ
ュレーションすることにより期待損傷コストを演算する
期待損傷コスト演算ステップと、上記期待損傷コストと
地震発生確率にもとづきリスクを演算するリスク演算ス
テップと、初期コストおよび上記リスクにもとづき建物
の利用年数ごとの期待ライフサイクルコストを演算する
期待ライフサイクルコスト演算ステップとをコンピュー
タに実行させるための期待ライフサイクルコスト評価プ
ログラムであり、これにより建物の期待ライフサイクル
コストおよびリスクの管理、判定を容易化できる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、地震情
報データベースの格納の情報にもとづき地震の発生確率
を算出し、特定地点における複数地点からの地震波を模
擬的に生成して出力し、特定地点にある建物の構造設計
情報に基づき建物の応答解析を行い、上記応答解析結果
に基づき建物の期待損傷コストを演算し、初期コスト、
地震の発生確率および期待損傷コストにもとづいて建物
の利用年数ごとの期待ライフサイクルコストおよびリス
クを演算するようにしたので、特定地点から離れた複数
地点において発生した個別の歴史地震波の影響による特
定地点の建物の期待ライフサイクルコストおよびリスク
を、模擬的に発生させた複数の地震波を用いた実際の建
物の応答解析によって、高い精度にて評価することがで
きるという効果が得られ、建物の耐震設計において設計
者はより質の高い意思決定を顧客側に促すことができる
ようになる。
【0027】また、建物の期待ライフサイクルコスト評
価システムを記録媒体に記録された所定のプログラムに
従って実行させることで、場所を選ばずに、いつどこで
も期待ライフサイクルコストの評価を行うことができ
る。
【0028】また、上記データベースに対して、新たに
公開された震源の活動情報を導入させるようにしたの
で、常に最新の情報にて期待ライフサイクルコスト評価
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による建物の期待ライフ
サイクルコスト評価システムを示すブロック図である。
【図2】本発明による建物の期待ライフサイクルコスト
評価手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明における断層破壊から損傷コスト発生ま
でのプロセスを示す説明図である。
【図4】従来の建物のライフサイクルコスト評価システ
ムを示すブロック図である。
【図5】従来の建物のライフサイクルコスト評価手順を
示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 地震情報データベース 13 地震発生確率演算手段 14 地震波生成手段 17 建物応答解析手段 19 期待損傷コスト演算手段 22 リスク演算手段 23 期待ライフサイクル演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤飯 明広 東京都中野区中央4丁目5番3号 株式会 社構造計画研究所内 (72)発明者 高橋 治 東京都中野区本町4丁目38番13号 株式会 社構造計画研究所内 (72)発明者 村地 由子 東京都中野区中央4丁目5番3号 株式会 社構造計画研究所内 Fターム(参考) 5B046 AA03 DA01 JA08 KA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定地点から離れた複数地点の歴史地震
    の発生年月日、震源位置、マグニチュードや活断層の位
    置、活動度、発生確率などを含む地震情報を格納した地
    震環境情報データベースと、該地震環境情報データベー
    スの格納情報にもとづき各マグニチュードの地震の発生
    確率を演算する地震発生確率演算手段と、特定地点にお
    ける複数地点からの地震波を断層パラメータと地下構造
    の情報および表層地盤情報にもとづき地震波を模擬的に
    生成して出力する地震波生成手段と、上記特定地点にあ
    る建物の構造設計情報にもとづいて上記地震波による建
    物の応答解析を行う建物応答解析手段と、上記応答解析
    結果にもとづいて建物の損傷コストを演算する損傷コス
    ト演算手段と、上記地震波生成手段、建物応答解析手段
    および損傷コスト演算手段による解析および演算の結果
    として得られる損傷コストを一サンプルとし、上記解析
    および演算に関わる不確定性を考慮したモンテカルロ法
    によりシミュレーションすることにより期待損傷コスト
    を演算する期待損傷コスト演算手段と、上記期待損傷コ
    ストと地震発生確率にもとづきリスクを演算するリスク
    演算手段と、初期コストおよび上記リスクにもとづき建
    物の利用年数ごとの期待ライフサイクルコストを演算す
    る期待ライフサイクルコスト演算手段とを備えたことを
    特徴とする建物の期待ライフサイクルコスト評価システ
    ム。
  2. 【請求項2】 上記データベースは、新たに公開された
    震源の活動情報を導入できるようにしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の建物の期待ライフサイクルコスト評
    価システム。
  3. 【請求項3】 特定地点から離れた複数地点の歴史地震
    の発生年月日、震源位置、マグニチュードや活断層の位
    置、活動度、発生確率などを含む地震情報を格納した地
    震環境情報データベースの格納情報にもとづき各マグニ
    チュードの地震の発生確率を演算する地震発生確率演算
    ステップと、特定地点における複数地点からの地震波を
    断層パラメータと地下構造の情報および表層地盤情報に
    もとづき地震波を模擬的に生成して出力する地震波生成
    ステップと、上記特定地点にある建物の構造設計情報に
    もとづいて上記地震波による建物の応答解析を行う建物
    応答解析ステップと、上記応答解析結果にもとづいて建
    物の損傷コストを演算する損傷コスト演算ステップと、
    上記地震波生成ステップ、建物応答解析ステップおよび
    損傷コスト演算ステップによる解析および演算の結果と
    して得られる損傷コストを一サンプルとし、上記解析お
    よび演算に関わる不確定性を考慮したモンテカルロ法に
    よりシミュレーションすることにより期待損傷コストを
    演算する期待損傷コスト演算ステップと、上記期待損傷
    コストと地震発生確率にもとづきリスクを演算するリス
    ク演算ステップと、初期コストおよび上記リスクにもと
    づき建物の利用年数ごとの期待ライフサイクルコストを
    演算する期待ライフサイクルコスト演算ステップとをコ
    ンピュータに実行させるための期待ライフサイクルコス
    ト評価プログラムを記録した記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記データベースは、新たに公開された
    震源の活動情報を導入できるようにしたことを特徴とす
    る請求項3に記載の建物の期待ライフサイクル評価プロ
    グラムを記録した記録媒体。
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