JP2012146188A - 耐震設計方法及び耐震設計支援装置 - Google Patents

耐震設計方法及び耐震設計支援装置 Download PDF

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Abstract

【課題】建物の損傷度を考慮に入れた規格化建物のカテゴリーに属する建物の耐震設計方法、及び耐震設計支援装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】耐震性に係わる部材配置の仮設定値を設定することで仮決定された対象建物に対して、顧客要求に基づく地震波(地震動指標値)を仮想的に入力し、その対象建物における地震動指標値と層間変形角との関係を応答情報Saとして導出し、その応答情報Saと対象建物の顧客要求に基づく耐力情報Raとから対象建物に対象地震が作用した際の損傷確率Pfを導出する。そして、損傷確率Pfと許容被害とを比較し、損傷確率が許容被害を超えている場合には、顧客要求情報または部材配置の仮設定値を変更して損傷確率が許容被害以下になるまで上記の処理を繰り返し行い、損傷確率が許容被害以下になった場合には、仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の規格に基づいて建築される工業化住宅などの規格化建物のカテゴリーに属する建物の耐震設計方法、及び耐震設計支援装置に関する。
従来の耐震設計では、個々の建物それぞれにおいて建築基準法や建築基準法施行令などの法令に定められた耐震基準を満たすような設計が行われる。また、耐震設計に係る技術ではないが、地震動による建物の被害状況を高精度で予測することができる地震被害予測方法や地震被害予測装置なども知られている(特許文献1参照)。
特開2007−93619号公報
顧客(住宅購入予定者など)のニーズを調査すると、上記の法令が要求している安全性(大地震で大破しても倒壊、崩壊しない性能)のみならず、修復性に係る要求も存在することが判明した。修復性とは大地震後も初期建設費に比して比較的安い費用で修復して再使用できるような性能であり、財産保全性とも言える。修復性は建物の損傷度と密接に関係しているが、従来の設計方法では、所定の地震が作用した際の損傷度の度合いを考慮に入れた設計を行うことはできなかった。一方で、特許文献1には被害を受けた建物の被害額(復旧費用)を予測する方法についての記載があるが、顧客の求める修復性に基づいて建物の耐震性を設定するという耐震設計の考え方はない。特に特許文献1に記載の手法は高度な解析に基づくものであるため、特許文献1に記載の手法を転用して顧客の要求を満たすような建物の設計を行うことは現実的では無い。
本発明は、建物の修復性に密接に関連する建物の損傷度を考慮に入れて規格化建物のカテゴリーに属する建物の耐震設計を行う方法、及び耐震設計支援装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決すべく、本発明は、所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属し、所望の間取りを有する対象建物の耐震設計方法であって、当該規格化建物のカテゴリーに属し、且つ実際に建築された構造モデルを用いた実験により、各部位における層間変形角と損傷度との関係を導出する損傷情報導出工程と、設計用に仮決定される地震動指標値、その地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の損傷許容値、及び対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を設定する条件設定工程と、仮決定された対象建物に対して地震動指標値を有する地震波を仮想的に入力し、仮決定された対象建物における地震動指標値と層間変形角との関係を導出する応答解析工程と、地震動指標値を有する地震が、仮決定された対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷評価値を損傷情報導出工程及び応答解析工程で導出された各関係に基づいて導出する損傷評価値導出工程と、損傷評価値と損傷許容値とを比較する比較工程と、を備え、比較工程において損傷評価値が損傷許容値を超えている場合には、部材配置の仮設定値を変更して損傷評価値が損傷許容値以下になるまで条件設定工程、損傷情報導出工程、及び比較工程を繰り返し行い、比較工程において損傷評価値が損傷許容値以下になった場合には、仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として決定することを特徴とする。
本発明では、顧客からの要求に従って地震動指標値、及び、その地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の損傷許容値を受け付け、さらに対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を受け付ける。一方で、地震動指標値を有する地震が仮決定された対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷評価値を損傷情報導出工程及び応答解析工程で導出された各関係に基づいて導出する。そして、損傷評価値と損傷許容値とを比較し、仮決定された対象建物の損傷評価値が損傷許容値以下になるまで部材配置の仮設定値を適宜に変更し、損傷評価値が損傷許容値以下になると、その仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として決定する。その結果として、建物の修復性に密接に関連する建物の損傷評価値を考慮に入れた対象建物の耐震設計が可能になる。また、本発明では、例えば工業化住宅のように、使用する部材やその納まり(接合部)などを規定する所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属する建物を対象としており、当該カテゴリーに属し且つ実際に建築された部材の挙動や損傷の状態が類似する構造モデルの損傷情報に基づいて対象建物の損傷度を導出するので簡易且つ精度良く耐震設計できるという点で有利である。
さらに、損傷度は、損傷からの復旧に要する困難性の度合いに応じて複数の損傷モードに分類され、耐力導出工程では、複数種の構造モデルそれぞれに対して、各部位における層間変形角と損傷モードそれぞれとの関係を導出すると好適である。損傷モード毎に損傷評価値と損傷許容値との比較を行うことができるようになり、修復性という観点での顧客の要求に対応させ易くなる。
さらに、損傷からの復旧に要する困難性の度合いとは、修復に要する費用の額に基づいて決定されると好適である。修復に要する費用の額に基づいて損傷モードが分類されることになるため、顧客の意図する修復性という要求に直接対応した耐震設計を行い易くなる。
さらに、応答解析工程では、複数の地震波を仮想的に入力すると共に、応答解析工程において導出される関係は、確率論的に求められると好適である。現実に発生する地震の規格化建物への影響を正確に予想することは非常に難しいが、上記の関係を確率論的に導出することにより、ある程度の確からしさを持った比較的高い精度での上記関係の導出が可能になる。
また、本発明は、所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属し、所望の間取りを有する対象建物の耐震設計支援装置であって、規格化建物のカテゴリーに属し、且つ実際に建築された構造モデルの各部位における層間変形角と損傷度との関係を示す損傷情報を格納する損傷情報記憶手段と、設計用に仮決定される地震動指標値、地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の損傷許容値、及び対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値の設定入力を受け付ける条件受付手段と、仮決定された対象建物に対して地震動指標値を有する地震波を仮想的に入力し、仮決定された対象建物における地震動指標値と層間変形角との関係を示す応答情報を導出し、且つ地震動指標値を有する地震が、仮決定された対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷評価値を損傷情報記憶手段に記憶された損傷情報及び応答情報に基づいて導出すると共に、導出した損傷評価値と損傷許容値とを比較する比較処理を実行する制御手段と、制御手段で実行された比較処理の結果を出力する出力手段と、を備え、制御手段は、導出した損傷評価値が損傷許容値を超えていると判定する場合には、条件受付手段で受け付けられた変更後の部材配置の仮設定値に基づく比較処理を損傷評価値が損傷許容値以下となるまで繰り返し実行し、損傷評価値が損傷許容値以下になったと判定する場合には、仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として出力手段から出力させることを特徴とする。
本発明によれば、建物の修復性に密接に関連する建物の損傷度を考慮に入れた規格化建物の耐震設計が可能になる。また、本発明では、例えば工業化住宅のように、使用する部材やその納まり(接合部)などを規定する所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属する建物を対象としており、当該カテゴリーに属し且つ実際に建築された部材の挙動や損傷の状態が類似する構造モデルの損傷情報に基づいて対象建物の損傷度を導出するので簡易且つ精度良く耐震設計できるという点で有利である。
本発明によれば、建物の修復性に密接に関連する建物の損傷度を考慮に入れた規格化建物のカテゴリーに属する建物の耐震設計を行うことができる。
本発明の実施形態に係る耐震設計方法の手順を示すフローチャートである。 耐力情報取得処理の動作手順を示すフローチャートである。 応答解析処理の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る耐震設計支援装置の概略を示すブロック図である。 第1損傷モードと第2損傷モードとにおける層間変形角と発生確率との関係を示すグラフであり、(a)は損傷度曲線を示し、(b)は確率密度関数を示す。 所定の地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の応答を示すグラフであり、(a)は震度7の地震が作用した際の層間変形角を確率変数としてプロットした図であり、(b)は震度7の地震が作用した際の最大層間変形角の発生確率を示す確率密度関数である。 第1損傷モードにおける損傷確率を導出するためのグラフであり、(a)は最初に導出した耐力情報Raと応答情報Saとを対比して示すグラフであり、(b)は対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を変更した後の耐力情報Rbと応答情報Saとを対比して示すグラフである。 工業化住宅の耐力を求める構造実験に用いられる構造モデルを模式的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。 構造実験による層間変形角の推移を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
所定の規格に基づいて建築される規格化建物とは、例えば、材質、形状、納まり、固定方法、他部材との接合方法などが予め規定された部材(柱・梁など)が適宜選択され、それらの部材が組み合わされて構築される工業化住宅などであり、本実施形態では、鉄骨の軸組(柱・梁)に耐力パネルを適宜配置して構成される鉄骨軸組工法の工業化住宅の耐震設計方法を例に説明する。
なお、本工業化住宅の規格に基づいて建築される住宅は、どのような間取りであっても、柱や梁の断面形状や接合部形状、耐力パネルの形状と1枚あたりの強度、外壁を構成する外壁パネルの材質、寸法、取付方法、内装壁の下地材の構成、下地材に対する石膏ボードの固定方法、窓の取り付け方法などは共通である。また、間取りに影響を与えない位置に柱が配置され、柱の配置に応じて呼び寸法の異なる梁が適宜選択、配置される。また、耐力パネルは間取りに影響を与えない位置(間仕切壁や、開口のない外周壁の位置)に配置される。また、耐震性は建物の規模(重量)に対する耐力パネルの数の割合でほぼ決定される。
本実施形態に係る耐震設計方法では、建築基準法などの法令を満たすことは勿論のこと、更に、顧客(住宅購入予定者など)からの修復性に係る要求にも配慮した耐震設計を行えることが特徴の一つである。修復性とは大地震後も初期建設費に比して比較的安い費用で修復して再使用できるような性能であり、財産保全性とも言える。修復性は工業化住宅の損傷度と密接に関係している。
図1に示されるように、耐震設計を行う場合には、予め、顧客との打合せにより、間取りを決定した後に、まず、顧客要求を取得する。具体的には、オペレータ(操作者)が対象地震動の選定及び許容被害の決定を行うための情報を顧客からヒアリングする。このヒアリングは、住居となる建物に所定の地震(対象地震)が作用した場合に、どの程度の被害までなら許容できるかについての顧客の要求を取得するための処理であり、予算面での顧客のニーズなども考慮に入れられる。
なお、対象地震動の選定とは、設計用に地震動指標値を仮決定することを意味する。地震動指標値とは、地震の強度、すなわち震度や最大加速度などの値を意図し、顧客の要求に応じて適宜に決定される。
また、許容被害(損傷許容値)は、工業化住宅のカテゴリーに属し、顧客の要求に沿うように間取りが決定された建物(以下、「対象建物」とする。)に対象地震が作用した場合の損傷度に基づく指標値である。例えば、許容被害(損傷許容値)は、対象地震が対象建物に作用した場合の損傷確率、損傷からの修復に要する額(修復金額)、初期建設費用に対する修復金額の割合、または損傷確率に修復金額と地震発生確率をかけた地震損傷リスクであったりしてもよい。
また、損傷度は、損傷からの復旧に要する困難性の度合い(以下、「修復困難性」という)に応じて複数の損傷モードに分類される。修復困難性は、例えば、修復に要する費用の額に基づいて決定され、本実施形態では、外壁パネルの交換の要否によって第1損傷モードと第2損傷モードとに分類される。ここで、第1損傷モードは、外壁パネルの交換を要することなく修復が完了する程度の被害である。例えば、外壁パネルに軽微なヒビが入った程度の損傷などであり、第1の損傷モードの場合、シーリング材やパテ材を充填しタッチアップする程度の軽微な修復工事で足りるため、修復に要する費用の額は非常に小さくて済む。一方、第2損傷モードは、外壁の交換を要する被害であり、内装や設備などの付帯的な部位・部材も絡む大がかりな工事が必要となり、修復に要する費用の額は非常に高くなる。
本実施形態に係る許容被害は、損傷確率に基づいて評価され、損傷確率を特定するためには、複数の損傷モード(第1損傷モード及び第2損傷モード)の少なくとも一を選択する必要がある。以下の説明では、第1損傷モードに係る損傷確率の上限値を許容被害とした場合を例に説明する。
オペレータは、対象地震動の選定及び許容被害の決定に係る情報(顧客要求情報)を顧客から取得すると、顧客要求情報を耐震設計支援装置1に入力する(ステップS1参照)。
次に、オペレータは、顧客の要求する間取りに対応した対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値、すなわち、柱、梁、耐力パネル等の構造部材の選択と配置に関する値を入力し(ステップS2参照)、シミュレーション用の対象建物を仮決定する。ここでの仮設定値は、例えば、オペレータの経験に基づき、最初の目安として決められる初期値である。オペレータは、この仮設定値を耐震設計支援装置1に入力する。ステップS1及びステップS2は条件設定工程に相当する。
顧客要求情報と対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値との両方の情報を受け付けた耐震設計支援装置1は、耐力情報格納部14(図4参照)に格納されたデータに基づいて対象建物と同一のカテゴリーに属する建物の耐力情報Raを導出する(ステップS3参照)。
耐力情報Raを導出ためのデータ(構造モデルの耐力情報)は、構造モデルを用いた構造実験及び各種情報処理を行う耐力情報取得処理によって導出される。ここで、耐力情報取得処理について図2を参照して説明する。なお、耐力情報取得処理は損傷情報導出工程に相当する。
(耐力情報取得処理)
図2に示されるように、耐力情報取得処理では、予め、構造モデルを用いた構造実験が行われる(ステップS11)。構造モデルとは、対象建物が属する工業化住宅のカテゴリーに属し、実際に建築された建物モデルの一部である試験体100(図8参照)を意図する。
図8に示されるように、試験体100は、鉄骨の軸組と耐力パネルとを備え、外壁パネルや床パネルなどを取り付けられて構成されており、適宜に窓101、ドア102及び観察用出入口窓103などが設けられている。試験体100の内部は、床はモルタル等の下地の上にフローリング材による仕上げまでが施され、壁と天井は石膏ボードを下地としてビニールクロスによる仕上げまで施されている。試験体100の下部は、下部鉄骨梁105に支持されており、試験体100の上部(上部鉄骨梁の位置)には1000kNジャッキ104が2本取り付けられている。
構造実験は、ジャッキ104を駆動し試験体100に水平方向の力を加えることで行われる。具体的には、ジャッキ104によって押出し、及び引っ張りの力が試験体100に交互に加えられ、試験体100には、ジャッキ104の押出し方向を正、引っ張り方向を負とした場合に、正負の層間変形角が交互に生じる。構造実験では、層間変形角が徐々に大きくなるように変形ステップが繰り返し実行される。各変形ステップでは、試験体100を変形させた後に一旦必ず初期状態の“0”に戻される。また、各変形ステップは、初期状態の“0”から正の層間変形角を生じさせられた後に“0”に戻り、次に負の層間変形角が生じさせられた後に再び“0”に戻されるサイクルを二回ほど行う。
図9は、構造実験での層間変形角の変位を模式的に示すグラフである。図9に示されるように、最初の変形ステップでは層間変形角が±1/400rad、次の変形ステップでは層間変形角が±1/200rad、次の変形ステップでは層間変形角が±1/150radになり、最終的に層間変形角が±1/20radとなるまで構造実験が行われる。
試験体100の変形履歴の取得(図2参照)は、試験体100の損傷状態の観察(写真撮影など)及び層間変形角と損傷モードとの関係を示す情報の取得によって行われる。試験体100の損傷状態の観察は、層間変形角が“0”である中立状態、正の層間変形角が生じた状態、負の層間変形角が生じた状態それぞれにおいて行われる。また、試験体100の観察場所は、例えば、損傷が層間変形角に支配される各部を広く含み、例えば、外壁パネル、窓、間口、ドア、壁の石膏ボードやビニールクロス、耐力パネルなどである。
上記観察の結果、例えば、外壁パネルを交換するまでも無い軽微な損傷を確認した場合には、第1損傷モードが発生したとしてデータ(第1損傷モードが発生した時点での層間変形角の値)を取得し、外壁パネルの交換を要する程度の損傷を確認した場合には、第2損傷モードが発生したとしてデータ取得する。これらのデータの取得は、層間変形角と損傷モードとの関係を示す情報の取得を意味する。なお、上記の観察により、例えば、試験体100の一部では第1損傷モードが確認され、他の部分では第2損傷モードが確認された場合には、第1損傷モードと第2損傷モードとの両方が発生したとしてデータを取得する。
以上の構造実験を同一の工業化住宅のカテゴリーに属する多数の試験体(構造モデル)100に対して行い、試験体100の各部位における層間変形角と第1損傷モード及び第2損傷モードとの関係を示す情報を取得する。
次に、第1または第2損傷モードのいずれか一方の特定が行われる(図2のステップS12参照)。ステップS12において第1損傷モードが特定された場合、次に、第1損傷モードの地震損傷度曲線M(図5(a)参照)が、上記の層間変形角と損傷モードとの関係を示す情報から導出され、更に、この地震損傷度曲線Mの確率密度関数が導出される(ステップS13参照)。地震損傷度曲線(フラジリティカーブ)は層間変位角に対する損傷モードの発生確率を示しており、確率密度関数は地震損傷度曲線を微分することで求められる。確率密度関数は耐力情報Rmに相当する(図5(b)参照)。多数の試験体100に対して、第1損傷モードに係る耐力情報Rmが求められると、その試験体100に係る構造モデルに属するカテゴリーに対応付けて耐震設計支援装置1の耐力情報格納部14に格納される(ステップS14参照)。
次に、全ての損傷モードにおける耐力情報の格納が完了しているか否かの判定が行われる(ステップS15参照)。例えば、第2損傷モードに係る耐力情報Rnが格納されていない場合、上記のステップS12〜S14の処理を繰り返し実行し、第2損傷モードに係る地震損傷度曲線N(図5(a)参照)の導出、地震損傷度曲線Nに基づく耐力情報Rn(図5(b)参照)の導出、そして耐力情報Rnの耐力情報格納部14への格納が行われる。全ての損傷モード(第1損傷モード及び第2損傷モード)における耐力情報Rm,Rnの格納が終了したと判定されると、耐力情報取得処理が終了する。
図1に示されるように、対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値の設定(ステップS2)が終了すると、その仮設定値に基づく対象建物と同一カテゴリーに属する建物の耐力情報Ra(図7(a)参照)の導出が行われる(ステップS3)。なお、本実施形態では、第1損傷モードに係る損傷確率の上限値を許容被害としているため、ここで導出される耐力情報Raは第1損傷モードに係る耐力情報Rm(図5(b)参照)である。
対象建物の耐力情報Raの導出(ステップS3)が終了すると、耐震設計支援装置1において対象建物の応答情報Sa(図6及び図7参照)の導出(応答解析処理)が行われる(ステップS4)。図3を参照して応答解析処理を説明する。なお、応答解析処理は応答解析工程に相当する。
(応答解析処理)
図3に示されるように、耐震設計支援装置1では、ステップS1において設定された対象地震、すなわち顧客に選定された地震動指標値を有する複数の地震波をステップS2で仮決定された対象建物に仮想的に入力し、対象建物における地震動指標値と層間変形角との関係を時刻歴応答解析によって求める。具体的には、仮決定された対象建物のモデルをシミュレーションし、このモデルにモンテカルロシミュレーションを用いた時刻歴応答解析を実施して地震動指標値での対象建物の応答の分布(平均や偏差)を求める(ステップS21)。
モンテカルロシミュレーションは、乱数を用いたシミュレーションを何度も行うことにより近似解を求める数学的手法である。例えば、地震動指標値として震度7を想定した場合には、震度7の仮想的な地震波を数千から数万回程度、仮想的に対象建物に入力し、震度7の対象地震が対象建物に作用した際に発生する最大の層間変形角を確率変数Sとして求め、この層間変形角の発生確率を確率密度関数として導出する。
なお、図6(a)は、震度7の仮想的な地震波を入力して得られる応答(最大の層間変形角)を確率変数Sとしてプロットしたグラフである。また、図6(b)は、図6(a)で示された応答解析の結果に基づいて導出された応答情報Saであり、震度7の対象地震が対象建物に作用した際に発生する層間変形角(最大の層間変形角)の発生確率を示している。
耐震設計支援装置1は、モンテカルロシミュレーションによって層間変形角の発生確率を確率密度関数(応答情報)Saとして導出する(ステップS21)。なお、図7(b)のグラフとして示す応答情報Saは、対象建物の耐震性に係わる部材配置の値を変更することで左右に平行移動するように変化し、例えば、外壁パネルを増やすなどすると図7(b)の一点鎖線で示すように左に移動し、逆に減らすなどすると図7(b)の二点鎖線で示すように右に移動する。
次に、ステップS21で求めた応力情報が仮決定された対象建物の応力情報Saとして耐震設計支援装置1の記憶部に格納され(ステップS22)、応答解析処理が終了する。
図1に示されるように、耐震設計支援装置1は、応答解析処理(ステップS4)が終了すると、耐力情報Ra及び応答情報Saに基づく損傷確率Pfの導出を行う(ステップS5)。損傷確率Pfは、顧客要求に基づく対象地震動が対象建物に作用した際の損傷モード(損傷度)に基づく損傷評価値に相当する。また、損傷確率Pfを導出するための処理は、損傷評価値導出工程に相当する。損傷確率Pfの導出について、図7(a)を参照して説明する。
図7(a)は、耐力情報Raと応答情報Saとを重ねて示すグラフである。耐力情報Raが応答情報Saを超えている場合、つまり、Ra>Saの場合は、第1損傷モードが発生しないことを示し、耐力情報Raが応答情報Sa以下の場合、つまり、Ra≦Saの場合には、第1損傷モードが発生することを示す。そして、図7(a)のRa≦Saとなる領域(ハッチングを示す領域)の面積に基づいて第1損傷モードでの損傷確率Pfを導出することができる。
耐震設計支援装置1は、損傷確率Pfを導出すると(ステップS5)、損傷確率Pfが顧客要求に基づく許容被害を超えているか否かを判断する(ステップS6)。損傷確率Pfが顧客要求に基づく許容被害を超えているか否かを判断する工程は、比較工程に相当する。ステップS6において、損傷確率Pfが許容被害を超えていると判断する場合には、例えば、オペレータが認識可能となるように、エラーメッセージ(部材配置不適切情報)などを出力部13から表示等させ、耐震性が不十分であることをオペレータに報知する。ステップS6の処理は、比較工程である。
エラーメッセージなどが報知されたことを確認したオペレータは、ステップS1またはステップS2に戻り、顧客要求情報や対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値を変更して再入力を行う。なお、部材配置の仮設定の変更は、耐力パネルの数を増やしたり、耐力パネルに複数のグレードが存在する場合にはグレードを上げたり、制振ダンパー等他の付加的な装置を加えたりすることで可能である。
顧客要求情報や部材配置の仮設定値の再入力を受け付けた耐震設計支援装置1は、ステップS3〜ステップS5を行い、耐力情報Rb(または耐力情報Rc)の導出、及び応答情報Saの導出を行う(図7(b)参照)。図7(b)は、顧客要求情報や部材配置の仮設定値を変更した場合を例示するものであり、応答情報Saはあまり変更されずに、顧客要求情報、特に許容被害(損傷許容値)の変更に基づき、耐力情報Raが耐力情報Rbに大きく変更された場合を示している。なお、図示は省略するが、部材配置の仮設定値について、例えば、外壁パネルの増やすなどの変更を行うと、応答情報Saのグラフは左に移動し、その結果、Ra≦Saとなる領域(ハッチングを示す領域)の面積は少なくなる。
図7(b)に示されるように、耐震設計支援装置1は、顧客要求情報の変更によって耐力情報Rbになった場合は、耐力情報Rb≦応答情報Saとなる領域(梨地で示す領域)の面積に基づいて損傷確率Pfを導出し、この損傷確率Pfが許容被害を超えるかを再度判定する。ここで、損傷確率Pfが許容被害を超えると判定すると、NGメッセージ(NG判定情報)がオペレータに報知され、オペレータは、顧客要求情報や部材配置の仮設定値を変更して再入力する。一方で、この損傷確率Pfが許容被害以下と判定された場合には、OKメッセージ(OK判定情報)を出力部13から出力させ、さらに、対象建物の部材配置の仮設定値が顧客の要求性能を満足する設定値(部材配置)として出力部13から出力させる。
出力部13から出力(表示等)された情報を確認したオペレータは、ステップS2で仮設定した対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値が、顧客要求を満足する対象建物の確定した部材配置の設定値として決定する(ステップS7)。このように、本実施形態では、ステップS5で導出した損傷確率Pfが許容被害以下となるまでステップS1〜ステップS6の処理を繰り返し実行し、損傷確率Pfが許容被害以下になった場合には、仮設定した対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として決定する。
(耐震設計支援装置)
次に、上記の耐震設計方法に利用される耐震設計支援装置1について図4を参照して説明する。図4は、耐震設計支援装置1の機能的構成を示すブロック図である。耐震設計支援装置1は、ハードウェア構成としてCPU、RAM及びROMなどを実装する制御装置、キーボードやマウスなどの入力装置及び液晶ディスプレイやスピーカなどの出力装置を備えており、以下に示す各機能を実現可能に構成されている。
耐震設計支援装置1は、各種情報の操作入力を受け付ける入力部(条件受付手段)11と、耐力情報Rm,Rnを格納する耐力情報格納部(損傷情報記憶手段)14と、応答解析処理や比較処理を実行する制御部(制御手段)12と、制御部12で実行された比較処理の結果を出力する出力部(出力手段)13と、を備えている。
入力部11は、顧客要求情報、及び対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮決定値の操作入力(設定入力)を受け付ける。また、入力部11は、耐力情報取得処理における損傷モード特定のための情報(ステップS12参照)、耐力情報取得処理の構造実験で得られた層間変形角と損傷モードとの関係を示す情報の操作入力を受け付ける。
制御部12は、耐力情報取得処理における地震損傷度曲線M,Nの導出、及び耐力情報Rm,Rnの導出(ステップS13参照)を行い、また、耐力情報Rm,Rnの耐力情報格納部14への格納を行う(ステップS14参照)。
また、制御部12は、上述のステップS3の処理を実行して対象建物の耐力情報Ra,Rbを導出する。更に、制御部12は、ステップS4の応答解析処理を実行して対象建物の応答情報Saを導出する。更に、制御部12は、応答解析処理(ステップS5参照)を実行して仮決定された対象建物の応答情報Saを導出する。更に、制御部12は、ステップS6の比較処理を実行し、損傷確率Pfが許容被害を超えていると判定する場合には、入力部11で受け付けられた変更後の設計条件に基づく比較処理を損傷確率Pfが許容被害以下となるまで繰り返し実行し、損傷確率Pfが許容被害以下になったと判定する場合には、最終的に対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を対象建物の確定した部材配置の設定値として出力部13から出力させる。
以上、本実施形態に係る耐震設計方法及び耐震設計支援装置1では、顧客からの要求に従って地震動指標値、その地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の許容被害(損傷許容値)を受け付け、さらに対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を受け付ける。一方で、地震動指標値を有する地震が対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷確率Pf(損傷評価値)を耐力情報取得処理及び応答解析処理で導出された各関係に基づいて導出する。
そして、損傷確率Pfと許容被害とを比較し、対象建物の損傷確率Pfが損傷許容値以下になるまで、顧客要求情報、または対象建物の耐震性に係わる部材配置の仮設定値を適宜に変更し、損傷確率Pfが許容被害以下になると、その部材配置の仮設定値を工業化住宅の確定した部材配置の設定値として決定する。その結果として、建物の修復性に密接に関連する建物の損傷度を考慮に入れた対象建物の耐震設計が可能になる。
その結果として、本実施形態によれば、顧客が危惧している地震動指標値に対応する地震に対し、居住を予定している対象建物の部分の損傷状態を具体的に定量評価できる。従って、耐震性能に関する顧客のニーズにきめ細かく対応でき、更に、所定の地震を受けた際の各部位の損傷度(修復の手間、費用など)が明確になり、素人でも建物の耐震性能を判断し易くなる。
また、上記の作用、効果を奏する本実施形態の採用により、顧客の要望に叶い、経済性に優れ、部材製造や現場施工性、メンテナンス性に配慮され、且つ、説明性に優れた各部耐震性能設定が可能となる。従って、工業化住宅の販売者が、例えば、顧客に対して「震度7の地震でも軽微な被害で済み、住み続けられます。」または「過去最大の地震が来ても修復金額は建設費の数%で済みます。」といった提案を工学的な裏付けを持って語る事ができるようになる。
また、本実施形態では、例えば工業化住宅のように、使用する部材やその納まり(接合部)などを規定する所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属する建物を対象としており、当該カテゴリーに属し且つ実際に建築された部材の挙動や損傷の状態が類似する構造モデルの損傷情報に基づいて対象建物の損傷度を導出するので簡易且つ精度良く耐震設計でき、本実施形態に係る耐震設計方法及び耐震設計支援装置1を適用する上での実現容易性という観点から有利である。
さらに、本実施形態に係る損傷度は、修復困難性に応じて複数の損傷モードに分類され、耐力導出工程では、複数種の構造モデルそれぞれに対して、各部位における層間変形角と損傷モードそれぞれとの関係(耐力情報Rm,Rn)が導出されている。上述の説明では、第1損傷モードに係る許容被害及び損傷確率Pfに基づいて比較処理が行われる場合を例示したが、本実施形態では、第2損傷モードに係る耐力情報Rnも導出されているので、第2損傷モードに係る許容被害及び損傷確率Pfに基づいた比較処理、または、両方の損傷モードに係る許容被害及び損傷確率Pfに基づいた比較処理を行うこともできる。その結果として、修復性という観点での顧客の要求に対応させ易くなる。
さらに、本実施形態では、修復困難性に応じた損傷モードの分類が、修復に要する費用の額に基づいて決定されているので、顧客の意図する修復性、特に予算面での要求に直接対応した耐震設計を行い易くなる。
さらに、本実施形態では、応答解析処理において導出される関係(応答情報Ra)がモンテカルロシミュレーションを用いて確率論的に求められている。現実に発生する地震の工業化住宅への影響を正確に予想することは非常に難しいが、応答情報Raを確率論的に導出することにより、ある程度の確からしさを持った比較的高い精度での応答情報Raの導出が可能になる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、損傷度が第1及び第2損傷モードの二つに分類された態様を説明したが、単体の損傷モードであったり、3つ以上の損傷モードに分類されたりしてもよい。
1…耐震設計支援装置、100…試験体(構造モデル)、14…耐力情報格納部(損傷情報記憶手段)、11…入力部(条件受付手段)、12…制御部(制御手段)、13…出力部(出力手段)、Rm,Rn…耐力情報(損傷情報)。

Claims (5)

  1. 所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属し、所望の間取りを有する対象建物の耐震設計方法であって、
    前記規格化建物のカテゴリーに属し、且つ実際に建築された構造モデルを用いた実験により、各部位における層間変形角と損傷度との関係を導出する損傷情報導出工程と、
    設計用に仮決定される地震動指標値、前記地震動指標値を有する地震が前記対象建物に作用した際の損傷許容値、及び前記対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値を設定する条件設定工程と、
    仮決定された前記対象建物に対して前記地震動指標値を有する地震波を仮想的に入力し、仮決定された前記対象建物における前記地震動指標値と層間変形角との関係を導出する応答解析工程と、
    前記地震動指標値を有する地震が、仮決定された前記対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷評価値を前記損傷情報導出工程及び前記応答解析工程で導出された各関係に基づいて導出する損傷評価値導出工程と、
    前記損傷評価値と前記損傷許容値とを比較する比較工程と、を備え、
    前記比較工程において前記損傷評価値が前記損傷許容値を超えている場合には、前記地震動指標値、前記損傷許容値、及び前記仮設定値の少なくとも一つの値を変更して前記損傷評価値が前記損傷許容値以下になるまで前記条件設定工程、前記損傷情報導出工程、及び前記比較工程を繰り返し行い、前記比較工程において前記損傷評価値が前記損傷許容値以下になった場合には、前記仮設定値を前記対象建物の確定した部材配置の設定値として決定することを特徴とする耐震設計方法。
  2. 前記損傷度は、損傷からの復旧に要する困難性の度合いに応じて複数の損傷モードに分類され、
    前記耐力導出工程では、前記複数種の構造モデルそれぞれに対して、各部位における前記層間変形角と前記損傷モードそれぞれとの関係を導出することを特徴とする請求項1記載の耐震設計方法。
  3. 損傷からの復旧に要する前記困難性の度合いとは、修復に要する費用の額に基づいて決定されることを特徴とする請求項1または2記載の耐震設計方法。
  4. 前記応答解析工程では、複数の前記地震波を仮想的に入力すると共に、
    前記応答解析工程において導出される関係は、確率論的に求められることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の耐震設計方法。
  5. 所定の規格に基づいて建築される規格化建物のカテゴリーに属し、所望の間取りを有する対象建物の耐震設計支援装置であって、
    前記規格化建物のカテゴリーに属し、且つ実際に建築された構造モデルの各部位における層間変形角と損傷度との関係を示す損傷情報を格納する損傷情報記憶手段と、
    設計用に仮決定される地震動指標値、前記地震動指標値を有する地震が前記対象建物に作用した際の損傷許容値、及び前記対象建物を仮決定するための耐震性に係わる部材配置の仮設定値の設定入力を受け付ける条件受付手段と、
    仮決定された前記対象建物に対して前記地震動指標値を有する地震波を仮想的に入力し、仮決定された前記対象建物における前記地震動指標値と層間変形角との関係を示す応答情報を導出し、且つ前記地震動指標値を有する地震が、仮決定された前記対象建物に作用した際の損傷度に基づく損傷評価値を前記損傷情報記憶手段に記憶された前記損傷情報及び前記応答情報に基づいて導出すると共に、導出した前記損傷評価値と前記損傷許容値とを比較する比較処理を実行する制御手段と、
    前記制御手段で実行された前記比較処理の結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、導出した前記損傷評価値が前記損傷許容値を超えていると判定する場合には、前記条件受付手段で受け付けられた値で、且つ前記地震動指標値、前記損傷許容値、及び前記仮設定値の少なくとも一つの変更後の値に基づく前記比較処理を前記損傷評価値が前記損傷許容値以下となるまで繰り返し実行し、前記損傷評価値が前記損傷許容値以下になったと判定する場合には、前記仮設定値を前記対象建物の確定した部材配置の設定値として前記出力手段から出力させることを特徴とする耐震設計支援装置。
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