JP7440052B1 - 設計装置、設計方法、コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

構造設計を短期間で安価に行えるような設計装置を提供する。鉄筋コンクリート製躯体は、4本の柱P、4本の間口梁FB(正確には、2本の間口梁FBと2本の基礎間口梁FFB)、4本の奥行梁DB(正確には、2本の奥行梁DBと2本の基礎奥行梁FDB)からなる基準フレームSFを、縦横高さ方向に任意の数配列して構成されるフレームFを備える。柱P、間口梁FB、基礎間口梁FFB、奥行梁DB、基礎奥行梁FDBは、基準フレームSFを配列して構成されたフレームFが鉄筋コンクリート製躯体の荷重に耐えられるように、当初から規格化されている。ユーザが鉄筋コンクリート製躯体の間口、奥行、階高、階数を指定すると、設計装置が自動的に鉄筋コンクリート製躯体を設計する。

Description

本願発明は、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うための設計装置に主に関する。
日本における住宅の躯体には主に、木造と鉄筋コンクリート製が存在する。近年、意匠性や堅牢性に富む鉄筋コンクリート製躯体を持つ住宅の人気が高まってきている。
しかしながら、鉄筋コンクリート製躯体の住宅が木造の躯体の住宅を上回って普及するという状態にはなっていない。その大きな原因は、よく知られているように、鉄筋コンクリート製躯体の住宅を建築するために要する費用が、木造の躯体を持つ住宅の建築に要する費用よりも一般的に遥かに高価であるということにある。
鉄筋コンクリート製躯体の住宅を建築するために要する費用が高額となる理由には、鉄筋コンクリート製躯体の住宅を建築するために必要な資材の価格が、木造の躯体の住宅を建築するために必要な資材よりも高額となり易いということがある。
また、他の理由として、鉄筋コンクリート製躯体の住宅を建築するためには、構造設計を含む設計が必要となるところ、その費用は一般的に高価であるということもある。構造設計が高価になるのは一般に、構造設計が複雑であるからである。構造設計とは一般に、建物の土台と骨組みを様々な荷重に耐えられるように安全性能を満たしながら、経済的に設計することを意味する。
例えば、ラーメン構造の建築物の場合には、荷重を支えるのは、それぞれ複数の柱と梁である。多くの場合、建築資材の費用をなるべく低廉なものとするため、柱と梁の構造(例えば、柱や梁の太さや、それらの内部に配される鉄筋の位置、本数)は、柱ごと或いは梁ごとに異なることが殆どであり、むしろ、柱、梁の構造を柱ごと或いは梁ごとに異ならせるという複雑な構造を採用することにより、建築後の建物に求められる安全性能を充足させるということと、建築資材の費用をなるべく低廉にするということとを両立させるというのが通常である。現在では余りにも複雑になり過ぎた構造設計は殆どの場合、コンピュータにインストールされた専用のソフトウエアを用いて行われているが、専用のソフトウエアは上述の如きアプローチで作られている。
上述したように、構造設計は極めて複雑である。それにより、別の問題も生じる。構造設計にあたって、構造設計者が行う作業は上述の説明から明らかなように極めて煩雑であり、そのため構造設計自体に要する時間が大きく、また構造設計に要する費用が比較的大きくなってしまうことが多い。例えば、鉄筋コンクリート製躯体の一戸建ての住宅の構造設計ですら、その期間に2ヶ月程度必要であり、50万円から100万円の費用がかかることが常識である。
しかも、構造設計が終わらないと、建築物を建築するために必要な建築資材が確定しないし、建築の工数(これは、建築の際に必要となる労務費に関係する)も確定しないため、建築物を建築するために必要な費用の見積りを行うことができない。そして、構造設計が終了した後に建築物を建築するために必要な費用の見積りが出たとしても、その費用が過大である場合には、施主はコンクリート製躯体の住宅の建築に着手するという決断を行うことができない。
構造設計が終わった後においてもそのようなリスクが存在するため、そもそも高額な費用が必要となる構造設計に着手することにも躊躇する施主が多い。
また、このような構造設計の複雑さは、実際に鉄筋コンクリート製躯体を建築する際の労務費を増大させる。例えば、各柱毎、各梁毎にその構成が異なるのであれば、コンクリート型枠の内部に鉄筋を配する作業は各柱毎、各梁毎に異なるものとなるので、作業の難易度が高くなり、作業効率が落ちたりミスが生じたりする原因にもなる。
このような事情も、コンクリート製躯体の住宅の普及を妨げている。
少なくとも構造設計を簡単にすることができれば、例えばそれにより構造設計の費用を抑制することができれば、コンクリート製躯体の住宅の普及を妨げている上述の課題の一部が解決される可能性がある。
しかしながら、構造設計が「構造設計とは一般に、建物の土台と骨組みを様々な荷重に耐えられるように安全性能を満たしながら、経済的に設計する」という目的を持つものであり、「柱、梁の構造を柱ごと或いは梁ごとに異ならせるという複雑な構造を採用することにより、建築後の建物に求められる安全性能を充足させるということと、建築資材の費用をなるべく低廉にするということとを両立させる」というのがその目的を達成するための正しいアプローチであると信じられている現状では、構造設計を簡単にするという発想自体が存在していない。したがって、構造設計を安価に行えるようにするための現実的な手段は少なくとも現時点では提案されていない。
構造設計を簡単なものにすることにより、構造設計を短期間で安価にすることを可能とする技術であり、場合によっては住宅を建築するために必要な費用をも安価にすることのできる技術を提案することをその課題とする。その技術は、もっぱら、コンピュータを用いた設計装置に関する。
以上の課題を解決するために本願出願人が提案する発明について、まず概説する。
従来の構造設計は既に述べたように複雑である。構造設計が複雑になるのは、例えば、ラーメン構造の構成要素である、柱、梁等に、必要最低限の強度しか与えないことにより、柱、梁によって与えられる建物或いは住宅の強度を確保することと、建築資材の費用を最小限に抑えることとを両立しようとするためである。柱、梁に必要最低限の強度しか与えないようにするため、鉄筋コンクリート製躯体中の異なる位置にある柱や梁にそれぞれ異なる構成を与えることが必要となり、その結果、構造設計が複雑なものとなる。建築物において、それぞれの柱の太さやその内部に含まれる鉄筋の数が異なることが普通であり、また、同一の柱の柱の高さ位置ごとに柱の太さや鉄筋の数が異なることも良くある。
他方、建物或いは住宅における荷重を柱と梁で支えるラーメン構造において最も単純な形状は、フレームを直方体形状とした場合である。直方体形状のフレームには、いずれも水平で互いに直交するx方向とy方向とに4本ずつそれぞれ伸びる梁と、鉛直なz方向に4本伸びる柱とが含まれる。
そのような直方体形状のフレームのうち、所定の形状であるものを基準となるフレームである基準フレームとして定め、そして、その基準フレームをx方向、y方向、z方向に連ねていく(或いは、配列していく)ことによって、直方体形状の新たなフレームを構築することを考える。隣接する基準フレームのうち、互いに重なり合う柱同士、梁同士は、一本にまとめることとする。それにより、ある程度の自由度をもって、直方体形状のフレームを構築することが可能となる。
次に、基準フレームを連結することによって作られる直方体形状のフレームに、壁とスラブを加えて鉄筋コンクリート製躯体を得る場合について考える。ただし、上述の基準フレームをz方向のみ20段積み重ねて新たなフレームを構築するようなある意味非常識なフレームについては考えない。そのような非常識ではない、別の言葉でいえば、設計装置の設計者が予定している範囲での基準フレームの配列を行った場合、例えば、x方向にX個、y方向にY個、z方向にZ個の基準フレームの配列を行った場合であって、その新たなフレームに更に壁とスラブを加えた場合を考える。柱、梁、壁、スラブは、鉄筋コンクリートによって作られる鉄筋コンクリート製躯体の構成要素である。
予定された範囲において基準フレームを積み重ねることによって作られた新たなフレームが、必ずそのフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体を有する住宅の荷重を支えることができるように、基準フレームにおける柱と、梁の構成を規格化することが可能である。ただし、梁のうち、最も下の地面に接する梁は基礎を兼ねさせるために、他の梁と異なる規格を与えるようにする。
そうすると、基準フレームを、x方向にX個、y方向にY個、z方向にZ個配列する(ただし、許容されるX、Y、Zの組合せは、設計装置の設計者等によって事前に決定されている。)ことによって得られる新たなフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体は、新たな構造設計或いは構造計算をするまでもなく、その鉄筋コンクリート製躯体を有する住宅の荷重を必ず支えられるものとなる。
とはいえ、この場合には、基準フレームに含まれる柱や梁の構成は、基準フレームを配列して作られた新たなフレームが住宅の荷重を支えるために必要とされる性能以上の性能を備えている場合がままあるであろう。
加えて、規格化された上述の如き柱と梁とを含む基準フレームを、x方向にX個、y方向にY個、z方向にZ個配列する(ただし、上述したように、許容されるX、Y、Zの組合せは、設計装置の設計者等によって事前に決定されている。)ことによって得られる新たなフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体がそれを含む住宅の荷重を必ず支えられることが保証されているのであれば、規格化された柱と梁に準じた柱と梁を備える基準フレームよりも例えばx方向、y方向、z方向の少なくとも1方向において小さくしたフレームである基準フレームに準拠したフレーム(準基準フレーム)を、x方向にX個、y方向にY個、z方向にZ個配列することによって得られる新たなフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体もまた、新たな構造設計或いは構造計算をするまでもなく、その鉄筋コンクリート製躯体を有する住宅の荷重を必ず支えられるものとなる。
この場合には、準基準フレームに含まれる柱や梁の構成は、準基準フレームを配列して作られた新たなフレームが住宅の荷重を支えるために必要とされる性能以上の性能を備えている場合が更に頻発するであろう。
しかしながら、柱と梁に以上で説明したような過剰性能を与えることを許容するとともに、住居の形状を直方体形状(後述するように、完全な直方体形状とは限られない。)とするという制限を許容することにすれば、構造設計は極めて簡単になり、構造設計に要する時間も費用も抑制可能となる。柱や梁等を規格化して単純化した基準フレームを基準として行う鉄筋コンクリート製躯体についての構造設計はコンピュータと相性が良く、コンピュータを含む設計装置によって実行することについての困難が少ない。
また、従来の設計方法では厳密な構造設計後にしか行うことのできなかった、コンクリート製躯体の建築を行うことに対する見積りも、短時間で行うことのできる構造設計の終了後に行うことができるようになる。
更に、構造設計を簡単なものとする過程で、柱、梁が規格化されたものとなった鉄筋コンクリート製躯体は、実際に鉄筋コンクリート製躯体を建築する際の作業難易度を下げることにより建築の作業効率を向上させることを可能とし、結果として労務費の削減を可能とする場合がある。加えて、規格化された柱毎或いは規格化された梁毎に共通することとなった建築用の資材(例えば鉄筋)の大量購入により資材の仕入れ費用を抑制することも可能となる場合がある。これらを加味すれば、簡単な構造設計によって設計される鉄筋コンクリート製躯体を建築するための費用(構造設計から鉄筋コンクリート製躯体を建築するまでのトータルの費用)は、柱や梁に過剰性能を与えることによる費用の増加分を考慮したとしても、従来よりも安くなる場合が多く存在する。
本願発明は、このような考え方によりなされた。
本願発明は、以下のような住宅用の鉄筋コンクリート製躯体(本願では単に「鉄筋コンクリート製躯体」という場合もある。)の設計装置(本願では、単に「設計装置」という場合がある。)として実現される。
本願発明の鉄筋コンクリート製躯体の設計装置は、ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置である。
そして、前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、前記鉄筋コンクリート製躯体を、間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、を備えているものとすることが記録されている。
また、前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、が記録されている。
また、前記入力部からの入力には、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれている。
そして、前記設計部は、前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成するようになっている。
本願発明によるこの鉄筋コンクリート製躯体の設計装置は、ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、入力部により受付けた入力に基づいてルールデータ記録部に記録されたルールデータを用いて鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された設計された鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置である。
入力端子、インターフェイス等によって構成可能な入力部、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)等の記録装置によって構成可能なルールデータ記録部、CPU(central processing unit)、GPU(graphics processing unit)、GPGPU(general purpose computing on GPU)等によって構成可能な設計部は、コンピュータが普通に備えているものであり、設計装置はコンピュータによって構成される。設計装置は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うことのみを目的とした専用機でも良いが、汎用のコンピュータに、当該コンピュータを鉄筋コンクリート製躯体の設計装置として機能させるためのコンピュータプログラムをインストールすることにより構成されていても良い。
ルールデータ記録部に記録されたルールデータには、鉄筋コンクリート製躯体を設計する際に従うべきルールとして、以下の内容が含まれている。
鉄筋コンクリート製躯体は、複数の柱を含む。柱についてのルールは以下のようなものである。
柱は、間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、間口線分の一端から間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における奥行線分に平行な2辺を第1長さ以下の長さに均等に区切る2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における間口線分を第2長さ以下に均等に区切る間口線分上の位置である間口区分位置から奥行線分に平行に伸びる奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、補助線分上の奥行区分位置に対応する位置とに立てられる。柱は、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である。
鉄筋コンクリート製躯体は、いずれも複数の間口梁と基礎間口梁とを含む。間口梁と基礎間口梁とについてのルールは以下のようなものである。
間口梁と、基礎間口梁とは、柱のうち、間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である。複数の間口梁のうち地面に接するものが基礎間口梁である。
鉄筋コンクリート製躯体は、いずれも複数の奥行梁と基礎奥行梁とを含む。奥行梁と基礎奥行梁とについてのルールは以下のようなものである。
奥行梁と、基礎奥行梁とは、柱のうち、奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である。複数の奥行梁のうち地面に接するものが基礎奥行梁である。
鉄筋コンクリート製躯体は、複数の壁を含む。壁についてのルールは以下のようなものである。
壁は、矩形範囲の間口線分に平行な2辺上に位置する柱のうち、隣接するもの同士の間を間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は矩形範囲の奥行線分に平行な2辺或いは補助線分上に位置する柱のうち、隣接するもの同士の間を奥行線分に平行に板状に塞ぐ。
鉄筋コンクリート製躯体は、複数のスラブを含む。スラブについてのルールは以下のようなものである。
スラブは、板状であり、柱の上下の高さ位置において、2本の間口梁と2本の奥行梁、又は2本の基礎間口梁と2本の基礎間口梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ。
以上のルールのうち、特に柱についてのルールの内容からわかるように、本願発明の鉄筋コンクリート製躯体は、間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲を基準として設計される。
矩形範囲は、平面視矩形の範囲である。矩形範囲は、平面視した場合に互いに直交する2つの線分によってその平面形状を規定される。2つの線分の一方は間口線分であり、他方が奥行線分である。なお、最終的に構築された住宅の間口線分に対応する部分がその住宅の間口に相当するとは限らず、奥行線分についても同様である。
鉄筋コンクリート製躯体は、上述した基準フレームに相当する直方体形状のフレームを縦横高さ方向に少なくとも1つずつ配列することによって構築されたフレームを有している。フレームを構築するのは、柱についてのルールによって規定される柱と、間口梁についてのルールによって規定される間口梁及び基礎間口梁と、奥行梁についてのルールによって規定される奥行梁及び基礎奥行梁である。それらはいずれも複数であり、少なくとも4本ずつである。なお、間口梁のうち地面に接するものは基礎間口梁であり、奥行梁のうち地面に接するものは基礎奥行梁である。基礎間口梁と基礎奥行梁は、基礎を兼ねる。
柱は、上述の矩形範囲の奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端に立設される。言い換えれば、柱は、矩形範囲の4隅に必ず立てられる。柱は、また、奥行線分が所定の長さである第1長さより長い場合には、奥行線分に平行な2辺を第1長さ以下の長さに均等に区切る当該2辺上の位置である奥行区分位置にも立てられる。柱は、また、間口線分が所定の長さである第2長さより長い場合には、間口線分を第2長さ以下の長さに均等に区切る間口線分上の位置である間口区分位置から奥行線分に平行に伸びる奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分を想定した場合における、補助線分の両端と、奥行線分上に奥行区分位置が存在する場合における奥行区分位置に対応する位置とにも立てられる。柱は鉛直であり、また、その長さは所定の長さである第3長さ以下である。
間口梁と、基礎間口梁とは以下のようなものとされる。間口梁は、柱のうち、間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ。間口梁は、長尺材である。間口梁のうち地面に接するものが基礎間口梁である。上述したように、間口梁が張り渡される間口線分に平行な直線上に位置する隣接する2本の柱の間隔は第2長さ以下であるのだから、間口梁(と基礎間口梁)の長さは必ず第2長さ以下となる。
奥行梁と、基礎奥行梁とは以下のようなものとされる。奥行梁は、柱のうち、奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である。奥行梁のうち地面に接するものが基礎奥行梁である。上述したように、奥行梁が張り渡される奥行線分に平行な直線上に位置する隣接する2本の柱の間隔は第1長さ以下であるのだから、奥行梁(と基礎奥行梁)の長さは必ず第1長さ以下となる。
壁は複数であり、矩形範囲の間口線分に平行な2辺上に位置する柱のうち、隣接するもの同士の間を間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は矩形範囲の奥行線分に平行な2辺或いは補助線分上に位置する柱のうち、隣接するもの同士の間を奥行線分に平行に板状に塞ぐ。
スラブは、複数であり、柱の上下の高さ位置において、2本の間口梁と2本の奥行梁、又は2本の基礎間口梁と2本の基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ。スラブは、屋上、或いは床を構成する。
ルールデータ記録部には、ルールデータに加えて、柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、及び基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された建築用の資材、具体的には、柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブについてのデータが記録されている。これらのデータも、鉄筋コンクリート製躯体の設計に利用される。
建築用の資材のデータは、具体的には、規格化された柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、規格化された間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、規格化された基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、規格化された奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、規格化された基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、単位面積あたりの壁の構成を特定する壁データ、単位面積あたりのスラブの構成を特定するスラブデータである。
本願の設計装置によって設計される鉄筋コンクリート製躯体は、フレームによって荷重に耐える構成を採用している。つまり、壁とスラブは、荷重を担う機能を有する必要がない。言い換えれば、本願の鉄筋コンクリート製躯体は、いわゆるラーメン構造を採用したものとなっている。
フレームは、4本の柱と、4本の間口梁(又は2本の間口梁と2本の基礎間口梁)、4本の奥行梁(又は2本の奥行梁と2本の基礎奥行梁)で構成される、上述の本願発明の概説で説明した基準フレームを、x方向(例えば間口線分方向)、y方向(例えば奥行線分方向)に配列したものとなる。また、既に述べたように、柱の長さは第3長さ以下であり、間口梁(及び基礎間口梁)の長さは第2長さ以下であり、奥行梁(及び基礎奥行梁)の長さは第1長さ以下となる。
ここで、柱、間口梁(及び基礎間口梁)、奥行梁(及び基礎奥行梁)はそれぞれ、太さと長さ方向の鉄筋の構成が規格化されている。この規格化は、柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、及び基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるように設計されている。そのような規格化された柱、間口梁(及び基礎間口梁)、及び奥行梁(及び基礎奥行梁)がそれぞれ満たすべき条件は、本願発明の概説で説明した基準フレームを、x、y、z方向の長さがそれぞれ、第1長さ(最長の奥行梁又は基礎奥行梁の長さ)、第2長さ(最長の間口梁又は基礎間口梁の長さ)、第3長さ(最長の柱の長さ)とした場合において、その基準フレームを、x、y、z方向にX、Y、Z個(ただし、許容されるX、Y、Zの組合せは、設計装置の設計者等によって事前に決定されている。)配列することによって得られるフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体が、そのフレームによって鉄筋コンクリート製躯体全体の荷重を支えることができるようにするための条件として、容易に求めることができる。
本願の鉄筋コンクリート製躯体に含まれることになるフレームは、上述したような基準フレームを、x、y方向、或いはx、y、z方向に配列したものとなるか、或いは上述したような基準フレームよりもx、y、z方向の少なくとも1方向の長さが短くされた準基準フレームと呼ぶべき基準フレームをx、y方向、或いはx、y、z方向に配列したものとなる。いずれの場合においても、そのようなフレームを含む鉄筋コンクリート製躯体は、それに含まれるフレームのみによって、新たな構造設計を行うまでもなく、鉄筋コンクリート製躯体全体の荷重に耐えられるものとなる。
設計装置は、ユーザからの入力を入力部で受け取るようになっている。入力部からの入力には、間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれている。指定データによって、間口線分の長さと、奥行線分の長さとが定まるので、矩形範囲の形状、大きさが定まる。矩形範囲の形状、大きさが定まれば、ルールデータ記録部に記録されている鉄筋コンクリート製躯体の設計方法を定めるルールデータによって特定されるルールによって、矩形範囲に立てられる鉄筋コンクリート製躯体の構成、つまり鉄筋コンクリート製躯体を構成する柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブの配置が定まる。設計装置に含まれる設計部は、そのようにして決定される鉄筋コンクリート製躯体を、入力部から受取った指定データと、ルールデータ記録部に記録されていたルールデータを用いて設計する。もちろん、設計された鉄筋コンクリート製躯体で使用される柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブは、ルールデータ記録部に記録されていた柱データ、間口梁データ、基礎間口梁データ、奥行梁データ、基礎奥行梁データ、壁データ、及びスラブデータに従ったものとされる。
その結果設計される鉄筋コンクリート製躯体に含まれるフレームは、上述したように、基準フレーム或いは準基準フレームと呼ぶべき基準フレームよりも小さい基準フレームを、x、y、z方向にそれぞれX、Y、Z個(ただし、許容されるX、Y、Zの組合せは、設計装置の設計者等によって事前に決定されている。)配列することによって得られるフレームとなるので、そのフレームが鉄筋コンクリート製躯体の重量に耐えられることが保証されることになる。
このように、本願の設計装置によれば、内包するフレームによって荷重に耐えることのできる鉄筋コンクリート製躯体を、規格化された建築用の資材のデータと、ルールデータとに基づいて簡単に設計できることになり、また、構造設計に要する時間も費用も抑制可能となる。また、本願の設計装置によれば、短時間で行うことのできる構造設計後速やかに見積を行うことができることになる。
加えて本願の設計装置によれば以下の副次的な効果も生じる。
まず、柱、間口梁及び基礎間口梁、奥行梁と基礎奥行梁のそれぞれを規格化してそれぞれ、長さを除いて同一構造とするとともに、壁やスラブの構造も規格化することにより、鉄筋コンクリート製躯体の構築時において必要となる、コンクリートを流し込むための型枠を組む作業や、型枠の中に鉄筋を配する配筋の作業を画一的なものとすることが可能となる。これは、上述した鉄筋コンクリート製躯体を有する住宅を建築するための作業を容易にするものであり、鉄筋コンクリート製躯体を建築するための費用の抑制に繋がる。
また、柱、間口梁及び基礎間口梁、奥行梁と基礎奥行梁のそれぞれを規格化してそれぞれ、長さを除いて同一構造とするとともに、壁やスラブの構造も規格化するということを、1つの鉄筋コンクリート製躯体についてではなく、多数の鉄筋コンクリート製躯体について行うことにより、例えば、鉄筋コンクリート製躯体を建築するときに柱等の中に入れることが必要となる鉄筋の種類を最小限とすることも可能である。そうすると、建築資材の小品種大量仕入れが可能となるため、本願の鉄筋コンクリート製躯体を建築するために必要となる建築資材の仕入れコストを抑制することも可能となる。
前記間口線分は、第2長さ以下である場合がある。
その場合、上述した矩形範囲の中に補助線分が存在しないことになり、柱は、矩形範囲を囲む辺の上のみに存在することになる。そのような鉄筋コンクリート製躯体は、一戸建ての住居に向いたものとなる。
他方、前記間口線分は、前記第2長さ以下の場合がある。この場合、前記補助線分で区切られた隣接する2つの空間は、他の住宅を構成するようになっていてもよい。
その場合、上述した矩形範囲の中には、少なくとも一本の補助線分が存在することになり、柱は、矩形範囲を囲む辺の上のみならず、補助線分の両端部と、場合によっては補助線分の途中に存在することになる。その場合においては、矩形範囲は、補助線分上に設けられる壁によって区切られることになる。そのような鉄筋コンクリート製躯体は、アパート、マンションその他の集合住宅に向いたものとなる。
なお、上述したように、本願発明による鉄筋コンクリート製躯体では、柱、間口梁及び基礎間口梁、奥行梁と基礎奥行梁のそれぞれの構造と、壁やスラブの構造も規格化する。規格化された柱、間口梁及び基礎間口梁、奥行梁と基礎奥行梁、壁、スラブのセットを、一戸建て住宅を意図した鉄筋コンクリート製躯体用に一セット、集合住宅を意図した鉄筋コンクリート製躯体用に一セット、互いに異なるものとして予め準備して置くこともできる。
なお、第1長さ、第2長さ、第3長さのセットも、戸建住宅用と集合住宅用とで、異なるセットを準備しておいても良い。
前記入力部から入力される指定データには、2階以上である前記鉄筋コンクリート製躯体の階数を指定する情報が含まれていてもよい。その場合、前記設計部は、すべての前記柱の上に、前記第3長さ以下とされ、太さと長さ方向の鉄筋の構成が前記柱と同一とされた新たな柱である延長柱を前記階数を指定する情報で特定される数字よりも1少ない本数だけ、すべての前記柱に対して同数ずつ鉛直方向に延長して接続するように設計するようになっているとともに、前記間口梁、前記奥行梁、前記壁、前記スラブとそれぞれ同じ構成の新たな前記間口梁、前記奥行梁、前記壁、前記スラブの組を、延長された前記1本分の柱毎に追加するように設計するようになっていてもよい。
このように鉄筋コンクリート製躯体は、一戸建て用、集合住宅用の別を問わず、多層階の住宅用のものとすることができる。
この場合、延長柱は、柱と同様に規格化されたものとなる。また、延長柱の長さは、柱と同様に第3長さ以下の長さとされる。したがって、多層階に対応した鉄筋コンクリート製躯体を設計装置で行った場合であっても、本願発明の概説で述べた理由により、従来よりも簡単な構造設計により設計された鉄筋コンクリート製躯体は、それに含まれるフレームにより鉄筋コンクリート製躯体全体の荷重に耐えられることが保証される。
延長柱の長さは、1階の柱の長さと等しくても良い。そうすると、延長柱と柱は、長さも含めて同じ構成となり、多層階に対応した鉄筋コンクリート製躯体における各階の階高は同じとなる。これは、鉄筋コンクリート製躯体の構造設計をより単純化することにも寄与するし、また、型枠の設置や配筋の作業をより画一化することにも寄与する。
本願発明の設計装置により設計される鉄筋コンクリート製躯体における柱は、太さと長さ方向の鉄筋の構成が同一とされ、規格化される。柱は、その全長において同じ太さで同じ断面形状を持つものとされる。
前記柱は、例えば、前記間口方向の長さよりも前記奥行方向の長さの方が長い平面視矩形とすることができる。つまり、柱データを、それにより特定される柱がそのような形状となるようなものとしておくことができる。そうすることにより、柱に、壁の一部を担わせることが可能となるとともに、鉄筋コンクリート製躯体の荷重に耐える性能を柱に与えやすくなる。
柱の形状が上述したような平面視矩形の場合、前記間口梁の前記奥行方向の長さである幅は、前記柱の前記奥行方向の長さに等しくされていてもよい。基礎間口梁も同様とすることができる。つまり、間口梁データと基礎間口梁データを、それにより特定される梁がそのような形状となるようなものとしておくことができる。そうすることにより、間口梁(と基礎間口梁)の幅を柱に接続可能な範囲で最大とすることができるため、間口梁(と基礎間口梁)による、鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支える効果を最大化できることになるとともに、柱と、間口梁(と基礎間口梁)との接続部分の美観をすっきりしたものとすることができるようになる。また、間口梁(と基礎間口梁)と柱との接合を強固なものとするためには、間口梁(と基礎間口梁)の内部をそれらの長さ方向に走る鉄筋を柱の内部にまで至らせるのが望ましいが、間口梁(と基礎間口梁)の幅を柱の奥行方向の長さに一致させ、間口梁(と基礎間口梁)の幅方向を柱の奥行方向に対応させれば、断面のどこに位置していたとしても、間口梁(と基礎間口梁)の内部にある鉄筋を柱の内部に入れ込むことが可能となる。
また、柱の形状が上述したような平面視矩形の場合、前記奥行梁の前記間口方向の長さである幅は、前記柱の前記間口方向の長さに等しくされていてもよい。基礎奥行梁も同様とすることができる。つまり、奥行梁データと基礎奥行梁データを、それにより特定される柱がそのような形状となるようなものとしておくことができる。そうすることにより、奥行梁(と基礎奥行梁)の幅を柱に接続可能な範囲で最大とすることができるため、奥行梁(と基礎奥行梁)による、鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支える効果を最大化できることになるとともに、柱と奥行梁(と基礎奥行梁)の少なくとも一方との接続部分の美観をすっきりしたものとすることができるようになる。また、奥行梁(と基礎奥行梁)と柱との接合を強固なものとするためには、奥行梁(と基礎奥行梁)の内部をそれらの長さ方向に走る鉄筋を柱の内部にまで至らせるのが望ましいが、奥行梁(と基礎奥行梁)の幅を柱の間口方向の長さに一致させ、奥行梁(と基礎奥行梁)の幅方向を柱の間口方向に対応させれば、断面のどこに位置していたとしても、奥行梁(と基礎奥行梁)の内部にある鉄筋を柱の内部に入れ込むことが可能となる。
本願発明の設計装置における入力部は、上述したようにユーザが入力した指定データを受取るようになっている。
設計装置はいわゆるオンプレミス型の装置であっても良い。つまり、設計装置は、ネットワークを介さず、設計装置に接続されたユーザが操作する入力装置から入力された指定データを、入力部で受取るようになっていてもよい。この場合において指定データの入力を行うユーザは主に、施主から鉄筋コンクリート製躯体の設計の依頼を受けた者であろう。
オンプレミス型の設計装置の場合においては、設計装置の設計部が生成した設計データは、設計装置が備える、或いは設計装置に対して着脱自在とされた記録装置に記録される、設計装置から外部装置に送信される、設計装置が備えるディスプレイに設計データに基づく鉄筋コンクリート製躯体についての図を表示する等の方法で利用される。
他方、設計装置における前記入力部は、所定のネットワークを経て、前記ユーザが操作するユーザ端末から前記指定データを受付けるようになっていてもよい。この場合、設計装置は、前記ネットワークを経て、前記ユーザ端末へ前記設計データを送信する出力部を備えていてもよい。
この場合の設計装置は、いわゆるクラウド型の装置となる。ネットワークは主にインターネットであり、少なくともインターネットを含みイントラネット等の他のネットワークを含むものである場合もある。クラウド型の設計装置の場合において指定データの入力を行うユーザは主に、施主自身となるであろう。施主は、例えば、自らが有するネットワークを介して通信可能な機器であるユーザ端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)を入力装置として、ネットワークを介して設計装置に指定データを送信してくる。そのようにすることにより、施主は、人手を介すことなく、或いは人手の介入を最小限として、自らが建てることを望む住宅に関する鉄筋コンクリート製躯体の構造設計を行うことができるようになり便利である。
クラウド型の設計装置の場合、設計部で生成された設計データは、他の利用のされ方を排除するものではないが、ネットワークを介して、出力部からユーザ端末に送信されることにより利用される。例えば、ユーザ端末のディスプレイには、設計データに基づき、鉄筋コンクリート製躯体についての図が表示されるであろう。
本願の設計装置は上述したように、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うことをその基本的な機能としている。
ここで、本願発明による設計装置は、前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を計算するために必要なデータであるコストデータを記録しているコストデータ記録部と、前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を、前記コストデータ記録部に記録されている前記コストデータを用いて見積り、見積り費用についてのデータである見積データを生成する見積部を備えていてもよい。
上述したように、本願発明における設計装置によって設計される鉄筋コンクリート製躯体を構成する柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブの構成は、上述したように規格化されている。したがって、それらによって構成される鉄筋コンクリート製躯体の設計が定まった場合には、鉄筋コンクリート製躯体を建築する際に必要となる建築用の資材や、鉄筋コンクリート製躯体を建築する際の工数等を容易に計算することができる。そのような計算を行うために必要なデータをコストデータとしてコストデータ記録部に記録しておけば、見積部は、設計データとコストデータとに基づいて、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を見積り、見積り費用についてのデータである見積データを生成することができる。
生成された見積データは、既に述べたように設計装置がオンプレミス型の場合と、クラウド型の場合とで異なるが、設計データと同様の態様で利用することができる。
例えば、設計装置がクラウド型である場合には、見積データは、設計装置からネットワークを介してユーザ端末に送信され、ユーザ端末で利用されるようにすることができる。この場合、前記見積データは、前記出力部から前記ネットワークを経て前記ユーザ端末へ送られるようにされる。
本願発明者は、また、鉄筋コンクリート製躯体の設計方法も本願発明の一態様として提案する。かかる設計方法の効果は、これまでに述べた設計装置の効果に等しい。
一例となる住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計方法は、ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置であって、前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、前記鉄筋コンクリート製躯体を、間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、を備えているものとすることが記録されているとともに、前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、が記録されているもの、の前記設計部にて実行される鉄筋コンクリート製躯体の設計方法である。
そして、この設計方法は、前記入力部からの入力として、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれているものを受取る過程、前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成する過程、を含む。
本願発明者は、また、本願の設計装置として汎用のコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムをも本願発明の一態様として提案する。かかるコンピュータプログラムの効果は、これまでに述べた設計装置の効果に等しい。また、汎用のコンピュータを本願の設計装置として機能させられることも、コンピュータプログラムの発明の効果となる。
一例となるコンピュータプログラムは、ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置として、所定のコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
設計装置の前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、前記鉄筋コンクリート製躯体を、間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、を備えているものとすることが記録されている。
また、前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、が記録されている。
また、前記入力部からの入力には、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれている。
そして、前記設計部は、前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成するように機能する。
一実施形態による、設計装置と多数の端末とを含む設計システムの全体構成を示す図。 図1に示したシステムに含まれる端末の外観を示す図。 図1に示したシステムに含まれる端末のハードウェア構成を示す図。 図1に示したシステムに含まれる端末の内部に生成される機能ブロックを示すブロック図。 図1に示したシステムに含まれる設計装置の内部に生成される機能ブロックを示すブロック図。 端末のディスプレイに表示されるログイン画面の一例を示す図。 ログイン済みとなったときの状態で、端末のディスプレイに表示される画像の一例を示す図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法で用いられる矩形範囲を概念的に示す平面。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において柱を立てる位置を決定する方法を概念的に示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、矩形範囲に柱を書き込んだ状態を示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において使用される構成要素データの概念を説明するための柱リスト、梁リスト、壁リスト、及びスラブリストを示す図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、間口梁及び基礎間口梁の配置位置を決定する方法を概念的に示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、奥行梁及び基礎奥行梁の配置位置を決定する方法を概念的に示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、壁の配置位置を決定する方法を概念的に示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、壁の配置位置を決定する他の方法を概念的に示す平面図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法において、スラブの配置位置を決定する方法を概念的に示す平面図。 設計された図16の状態の鉄筋コンクリート製躯体を、図16における横方向から見た状態を示す図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法によって設計された鉄筋コンクリート製躯体のフレームの一例の斜視図。 図1に示した設計装置の設計部で実行される設計方法によって設計された鉄筋コンクリート製躯体のフレームの他の例の斜視図。 変形例による設計装置の内部に生成される機能ブロックを示すブロック図。
以下図面を参照しつつ、本願発明による住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計装置の好ましい一実施形態とその変形例について説明する。
なお、変形例の説明では、共通する対象については実施形態と同じ符号を付すこととする。また、変形例の説明で実施形態でした説明と共通するものについては、場合により省略するものとする。
図1に、本願発明による設計装置200を含む設計システムの全体構成を概略で示す。
実施形態によるシステムは、複数の端末100-1~100-N(以後、単に、「端末100」と記載する場合もある。)、及び設計装置200を含んで構成されている。これらはすべて、ネットワーク400に接続可能とされている。
ネットワーク400は、これには限られないが、この実施形態ではインターネットである。ネットワーク400の一部に、LAN、イントラネットその他の他のネットワークを含んでも良い。
この実施形態における端末100は、本願でいうユーザ端末に相当するものである。設計装置200と、端末100-1~100-Nとは、ネットワーク400を介して互いに通信可能とされている。
次に、端末100の構成を説明する。各端末100-1~100-Nの構成は、本願発明における設計装置との関係でいえば同じといえる。端末100は、コンピュータを含んでいる。より詳細には、この実施形態における端末100は、汎用のコンピュータにより構成されている。
端末100は、スマートフォン、タブレット、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、ウェアラブル端末等である。それらはすべて、ネットワーク400を介しての通信が可能なものであり、また後述するコンピュータプログラムをインストールすることによって後述する機能ブロックをその内部に生成し、そして後述する処理を実行できるものであることが求められ、それが可能であるのであればそれ以外の仕様は特に問わない。端末100は、公知或いは周知のものでよく、市販のもので十分である。
例えば、端末100がスマートフォンかタブレットなのであれば、スマートフォンとしての端末100は例えば、Apple Japan合同会社が製造、販売を行うiPhone(商標)で良いし、タブレットとしての端末100は例えば、Apple Japan合同会社が製造、販売を行うiPad(商標)でよい。ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、ウェアラブル端末等により端末100が構成されているのであれば、それらはいずれも市販のもので良い。以下、これには限られないが、端末100がスマートフォンであることとして話を進める。
端末100の外観の一例を図2に示す。
端末100は、ディスプレイ101を備えている。ディスプレイ101は、静止画又は動画を表示するためのものであり、公知、或いは周知のものを用いることができる。ディスプレイ101は例えば、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイである。端末100がデスクトップ型パソコンである場合には、ディスプレイ101は外付けとなるが、それでもなお、本願では、端末100がディスプレイ101を備えていると扱うものとする。端末100は、また入力装置102を備えている。入力装置102は、ユーザが所望の入力を端末100に対して行うためのものである。入力装置102は、公知或いは周知のものを用いることができる。この実施形態における端末100の入力装置102はボタン式のものとなっているが、これには限られず、テンキー、キーボード、トラックボール、マウス、音声テキスト変換入力装置、タップキーなどを用いることも可能である。特に、端末100がノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、ウェアラブル端末である場合には、入力装置102はキーボードや、マウス、タッピングスイッチ等の外付けのものになるであろうが、それでもなお本願では端末100が入力装置102を備えるものとして扱う。また、ディスプレイ101がタッチパネルである場合、ディスプレイ101は入力装置102の機能を兼ねることになり、これには限られないがこの実施形態ではそうされている。
端末100のハードウェア構成を、図3に示す。
ハードウェアには、CPU(central processing unit)111、ROM(read only memory)112、RAM(random access memory)113、インターフェイス114が含まれており、これらはバス116によって相互に接続されている。
CPU111は、演算を行う演算装置である。CPU111は、例えば、ROM112、或いはRAM113に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、後述する処理を実行する。図示をしていないが、ハードウェアはHDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)その他の大容量記録装置を備えていてもよく、コンピュータプログラムは大容量記録装置に記録されていても構わない。また、CPU111は他の種類の演算装置、例えばGPU(graphics processing unit)やGPGPU(general purpose computing on GPU)であってもよい。
ここでいうコンピュータプログラムには、後述する処理(例えば、端末100を入力装置として設計装置200に鉄筋コンクリート製躯体の設計を行わせるとともに、設計装置200からの後述する出力データを受取り、ディスプレイ101に後述するような表示を行わせる処理)を端末100に実行させるためのコンピュータプログラムが少なくとも含まれる。このコンピュータプログラムは、端末100にプリインストールされていたものであっても良いし、端末100にポストインストールされたものであっても良い。このコンピュータプログラムの端末100へのインストールは、メモリカード等の所定の記録媒体を介して行なわれても良いし、LAN或いはインターネットなどのネットワークを介して行なわれても構わない。コンピュータプログラムには、CPU111がコンピュータプログラムに基づく命令によって情報処理を実行するときに使用されるデータが含まれていても良い。
ROM112は、CPU111が後述する処理を実行するために必要なコンピュータプログラムやデータを記録している。ROM112に記録されたコンピュータプログラムとしては、これに限られず、端末100がスマートフォンであれば、端末100をスマートフォンとして機能させるために必要な、例えば、通話や電子メールの機能を実現するためのコンピュータプログラムやデータが記録されている。端末100は、また、ネットワーク400を介して受取ったデータに基づいて、ホームページを閲覧することも可能とされており、それを可能とするための公知のwebブラウザを実装している。
RAM113は、CPU111が処理を行うために必要なワーク領域を提供する。場合によっては、上述のコンピュータプログラムやデータ(の一部)が記録されていてもよい。
インターフェイス114は、バス116で接続されたCPU111やRAM113等と外部との間でデータのやり取りを行うものである。インターフェイス114には、上述のディスプレイ101と、入力装置102とが接続されている。入力装置102から入力された操作内容は、インターフェイス114からバス116に入力されるようになっている。また、周知のようにディスプレイ101に画像を表示するための画像データは、バス116からインターフェイス114に送られ、インターフェイス114からディスプレイ101に出力されるようになっている。インターフェイス114は、また、インターネットであるネットワーク400を介して外部と通信を行うための公知の手段である送受信機構(図示を省略)に接続されており、それにより、端末100は、ネットワーク400を介してデータを送信することと、ネットワーク400を介してデータを受信することとが可能になっている。かかるネットワーク400を介してのデータの送受信は、有線で行われる場合もあるが無線で行われる場合もある。例えば、端末100がスマートフォンである場合には、かかる通信は無線で行われるのが通常であろう。それが可能な限り、送受信機構の構成は、公知或いは周知のものとすることができる。送受信機構がネットワーク400から受取ったデータは、インターフェイス114により受取られるようになっており、インターフェイス114から送受信機構にわたされたデータは、送受信機構によって、ネットワーク400を介して外部、例えば、設計装置200に送られるようになっている。
CPU111がコンピュータプログラムを実行することにより、端末100内部には、図4で示されたような機能ブロックが生成される。なお、以下の機能ブロックは、端末100を本願発明のユーザ端末として機能させるための上述のコンピュータプログラム単体の機能により生成されていても良いが、上述のコンピュータプログラムと、端末100にインストールされたOSその他のコンピュータプログラムとの協働により生成されても良い。
端末100内には、本願発明の機能との関係で、入力部121、制御部122、画像生成部123、出力部124、データ記録部125が生成される。
これらのうち制御部122と画像生成部123は、ハードウェアとしては演算装置(CPU111)に相当し、或いは上述のコンピュータプログラムの命令によって情報処理を実行する演算装置の機能によって実現される。
入力部121と出力部124とは、ハードウェアとして見た場合には、インターフェイス114に相当し、或いはインターフェイス114の機能によって実現される。より具体的には、入力部121と出力部124は、概念としては、インターフェイス114とバス116との接続部分に相当する。
データ記録部125は、ハードウェアとしては記録装置、即ちRAM113、又は大容量記録装置によって実現される。
これらすべての機能ブロックで行われる情報処理はいずれも、CPU111によって実現される。
入力部121は、インターフェイス114からの入力を受取るものである。
インターフェイス114からの入力部121への入力には、入力装置102からの入力がある。入力装置102からの入力には、例えば、いずれも詳細は追って説明するが、ユーザを識別するための各ユーザごとにユニークな識別情報であるユーザIDについてのデータと、ログインデータとがある。
入力装置102からの入力には、また、いずれも詳細は追って説明するが、指定データがある。指定データは、ユーザが設計装置200に設計させようとする鉄筋コンクリート製躯体の縦横の長さを特定する情報を含むデータである。追って説明するが、指定データは、ユーザが設計装置200に設計させようとする鉄筋コンクリート製躯体の階数や、階高を特定する情報を含む場合がある。
また、インターフェイス114から入力部121に入力されるデータには、送受信機構からインターフェイス114に入力されたデータがある。送受信機構は、ネットワーク400を介して設計装置200から送られて来たデータを受取る場合がある。送受信機構から入力部121に入力されるデータには、いずれも後述する、画像制御データ、設計データ、見積データ等がある。
何れにせよ、インターフェイス114から受取ったデータを、入力部121は制御部122に送るようになっている。
制御部122は、端末100内に生成された各機能ブロック全体の制御を行うものである。
制御部122は、例えば以下の機能を有する。
制御部122には、ユーザIDのデータとログインデータとが入力されることがある。これらを受取ったら制御部122は、ユーザIDのデータとログインデータを紐づけ、更に送信先として設計装置200を指定したデータを付して出力部124へと送るようになっている。
制御部122には、また、指定データが入力されることがある。これらを受取ったら、制御部122は、指定データを出力部124へと送るようになっている。
制御部122は、また、画像制御データ、設計データ、及び見積データを受取る場合がある。これらを受取ったら制御部122は、画像制御データ、設計データ、見積データを画像生成部123に送るようになっている。制御部122は、設計データと、見積データとをデータ記録部125に記録する場合もある。
画像生成部123は、画像制御データを受取る場合がある。画像生成部123は画像制御データを受取ると、画像制御データに基づく画像についての画像データを生成するようになっている。同様に、画像生成部123は、設計データと見積データとを受取った場合、それらに基づく画像をディスプレイ101に表示するための画像データを生成する機能を有している。
いずれの場合においても、画像生成部123は、生成した画像データを出力部124へ送るようになっている。
データ記録部125は、制御部122により上述したように、設計データと、見積データとを記録するようになっている。要するにデータ記録部125はデータを記録する記録装置である。データ記録部125に記録された設計データと、見積データとは、例えば制御部122によって読出し可能とされる。
出力部124は、端末100内の機能ブロックで生成されたデータをインターフェイス114に出力するものである。
出力部124には上述したように制御部122から、送信先として設計装置200を指定するデータの付された互いに紐付けられたユーザIDのデータとログインデータが送られてくる場合がある。これらを受け付けた出力部124は、それらデータをインターフェイス114を介して送受信機構に送るようになっている。送受信機構は、ユーザIDのデータとログインデータとをネットワーク400を介して設計装置200に送るようになっている。
出力部124には上述したように制御部122から、指定データが送られてくる場合がある。指定データを受け付けた出力部124は、指定データをインターフェイス114を介して送受信機構に送るようになっている。送受信機構は、指定データをネットワーク400を介して設計装置200に送るようになっている。
また、出力部124には、画像生成部123から画像データが送られてくる場合がある。それを受取った出力部124は、インターフェイス114へとそれを送るようになっている。画像データは、インターフェイス114からディスプレイ101に送られ、ディスプレイ101には画像データに基づく画像が表示されるようになっている。
次に、設計装置200の構成について説明する。
設計装置200は、ハードウェアとして見た場合には、コンピュータ、より詳細には既存の公知又は周知のサーバで構わない。また、そのハードウェア構成も一般的なものでよく、大雑把に言えば、CPU111、ROM112、RAM113、インターフェイス114をバス116で接続するという、端末100のハードウェア構成を踏襲することができる。もっとも、設計装置200は通常、HDD、SSDその他の大容量記録装置を有するのが一般的である。
設計装置200が備えるCPU、ROM、RAM、インターフェイス、バス、及び大容量記録装置の構成、機能は、端末100におけるそれらの構成、機能と変わらない。また、設計装置200が備えるインターフェイスには、端末100が備えていたのと同様の、設計装置200外の機器とネットワーク400を介しての通信を行うための送受信機構が接続されている。バスからインターフェイスに送られた情報(データ)は送受信機構に送られ、送受信機構からネットワーク400を介して例えば端末100へと送られるようになっている。また、ネットワーク400を介して端末100から送られてきて送受信機構で受け取られたデータは、送受信機構からインターフェイスへ送られ、インターフェイスからバスへと送られるようになっている。
なお、設計装置200が備えるインターフェイスには、端末100が備えていたのと同様のディスプレイ、及び入力装置が接続されていても構わないが、本願とはあまり関係がないのでそれらの説明は省略する。
設計装置200の内部におけるROM、大容量記録装置等に記録されていたコンピュータを本願発明の設計装置として機能させるためのコンピュータプログラムを実行することによって、設計装置200の内部には以下に説明するような機能ブロックが生成される。なお、以下の機能ブロックは、コンピュータを本願発明の設計装置として機能させるためのコンピュータプログラム単体の機能により生成されていても良いが、かかるコンピュータプログラムと、設計装置200にインストールされたOSその他のコンピュータプログラムとの協働により生成されても良い。また、上記コンピュータプログラムは、設計装置200にプリインストールされたものでもよいが、設計装置200にポストインストールされたものでもあってもよい。その場合、上記コンピュータプログラムの設計装置200へのインストールは、メモリカード等の所定の記録媒体を介して行なわれても良いし、LAN或いはインターネットなどのネットワークを介して行なわれても構わない。これらの事情は、端末100の場合と同様である。
設計装置200内には、本願発明の機能との関係で、入力部221、制御部222、設計部224、ルールデータ記録部225、見積部226、コストデータ記録部227、出力部228が生成される(図5)。
これらのうち制御部222、設計部224、見積部226は、ハードウェアとしては演算装置(これには限られないが、実施形態の説明ではCPU)に相当し、或いは上述のコンピュータプログラムの命令によって情報処理を実行する演算装置の機能によって実現される。
入力部221と出力部228とは、ハードウェアとして見た場合には、インターフェイスに相当し、或いはインターフェイスの機能によって実現される。より具体的には、入力部221と出力部228は、概念としては、インターフェイスとバスとの接続部分に相当する。
ルールデータ記録部225と、コストデータ記録部227は、ハードウェアとしては記録装置、即ちROM、RAM、又は大容量記録装置によって実現される。
入力部221は、インターフェイスからの入力を受取るものである。
入力部221にインターフェイスから入力されるデータは、ネットワーク400を介して端末100から送られて来て設計装置200の送受信機構によって受け取られたデータである。
送受信機構が、端末100から受付けるデータには、追って詳述するが、例えば、互いに紐付けられたユーザIDのデータとログインデータと、指定データとがある。インターフェイスからこれらのデータを受付けた場合には、入力部221はそれら各データを制御部222へと送るようになっている。
制御部222は、設計装置200内に生成された各機能ブロック全体の制御を行うものである。
制御部222はまた、ユーザの設計装置200へのログインの可否を判定する認証機能を有している。制御部222は、入力部221から、一対のユーザIDのデータ及びログインデータを受付けることがある。制御部222は、互いに紐付けられたユーザIDのデータ及びログインデータを受付けたとき、そのユーザIDを持つユーザの認証を行い、認証が認められたときにそのユーザの設計装置200が提供するサービスへのログインを認める機能を有している。
ユーザの認証を行うために、制御部222は、すべての端末100のユーザに割当てられたユーザIDを記録している。ユーザIDは、記録装置の一部、例えば、大容量記録装置に記録されている。ユーザIDは各ユーザ毎にユニークな識別子であり、例えば、文字、数字、記号の少なくとも1つの羅列である。各ユーザのためのユーザIDは、設計装置200が各ユーザ宛に発行したものでもよいし、各ユーザが決定して、予め設計装置200に通知したものでも構わない。いずれにせよ、すべてが他との関係でユニークなユーザIDを多数準備すること、及びそれらを設計装置200の例えば制御部222、或いは適当な記録装置が保持できるようにすることは、公知技術或いは周知技術を参考にすれば容易である。
もちろん、ユーザの認証には、ユーザIDのみならず、ユーザIDとパスワードの組合せを利用することもできる。また、ユーザIDを用いずに指紋、虹彩等のユーザの身体的或いは行動的特徴を用いてユーザ認証を行うことが可能である。いずれにせよ、ユーザの認証には公知或いは周知の適宜の技術を応用することが可能である。この実施形態における認証の処理の詳細については追って述べる。
制御部222は、また、画像制御データを生成する機能を有している。例えば、制御部222は、ユーザのログインを認めたら、指定データの入力をユーザに促すためのデータ、正確には指定データの入力をユーザに促すための画像を端末100のディスプレイ101に表示させるためのデータである画像制御データを生成するようになっている。後述するように、その他のタイミングでも、制御部222は、所定の画像を端末100のディスプレイ101に表示させるための画像制御データを生成するようになっている。いずれにせよ、画像制御データを生成したら制御部222は、画像制御データを出力部228へ送るようになっている。
制御部222は、また、指定データを受取る場合がある。指定データを受取ったら制御部222は、設計部224に対して指定データを送るようになっている。
設計部224は、ユーザが設計装置200に設計を行わせたい鉄筋コンクリート製躯体の設計を行う機能を有している。
設計部224は上述したように、制御部222から指定データを受取る場合がある。指定データを受取ったら設計部224は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うようになっている。
設計部224がどのようにして鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うかについては後述する。設計部224は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うために指定データを用いるとともに、ルールデータ記録部225に記録されているデータを用いる。
ルールデータ記録部225に記録されているデータは、鉄筋コンクリート製躯体の構成要素である、いずれも後述する柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブをどのようにして配置するかということについてのルールに関するルールデータと、鉄筋コンクリート製躯体の構成要素である柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、及びスラブのそれぞれの構成(構成については、追って詳述する。)を特定するデータである、構成要素データとである。そのようなデータを記録している、というのがルールデータ記録部225の役割乃至機能である。
設計部224は、指定データとルールデータ記録部225に記録されているデータとを用いて鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成するようになっている。設計部224は、生成した設計データを見積部226へと送るようになっている。
見積部226は、設計データで特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築するのに必要な費用を見積る機能を有している。
見積部226は上述したように、設計部224から設計データを受取る場合がある。設計データを受取ったら見積部226は、鉄筋コンクリート製躯体の建築に必要な費用を見積るようになっている。
見積部226がどのようにして鉄筋コンクリート製躯体の建築費用を見積るかについては後述する。見積部226は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うために設計データを用いるとともに、コストデータ記録部227に記録されているコストデータを用いる。
コストデータは、ある鉄筋コンクリート製躯体(この実施形態では、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体)を建築するのに必要な費用を見積るための基準となるデータの集合である。
見積部226は、鉄筋コンクリート製躯体を建築するときに必要な金額を見積もったら、その金額を特定するデータである見積データを生成するようになっている。見積部226は、生成した見積データを、先に受取った設計データとともに出力部228へと送るようになっている。
なお、見積部226によって実現される、鉄筋コンクリート製躯体の建築費用の見積を行う機能は、設計装置200つまり本願発明による設計装置においては追加的な機能である。つまり、見積機能は、設計装置200に必須ではない。見積機能が必要でない場合には、設計装置200から、見積部226とコストデータ記録部227とを省略することができる。
出力部228は、制御部222から送られてきた画像制御データ、見積部226から送られてきた設計データ及び見積データを受取る場合がある。
出力部228はそれらデータを受取ったら、それらデータをインターフェイス、ネットワーク400を介して、鉄筋コンクリート製躯体の設計を設計装置200に求めてきたユーザの端末100へ送るようになっている。
次に、以上で説明した、設計装置200及び端末100を含んで構成される設計システムの使用方法、及び動作について説明する。
この実施形態におけるユーザは、設計装置200に、自らが建築したいと思っている住宅に含まれる鉄筋コンクリート製躯体の設計をさせたい、また、設計された鉄筋コンクリート製躯体を建築するための見積をさせたい、と希望している者である。もちろんこれには限られないが、この実施形態におけるユーザの典型例は、住宅を建築したいと望んでいる施主(正確には、後に施主となる者)である。
ユーザは、自らの端末100を用いて設計装置200にログインする。
ログイン処理は以下のように行われる。
ただし、ログイン処理が実行される前に、各ユーザは、自らのユーザIDを、自らの端末100を介して設計装置200に通知し、設計装置200に対してユーザIDの登録を予め行っているものとする。これには限られないが、この実施形態では各ユーザのユーザIDは、制御部222によって、例えば設計装置200内にある所定の記録装置に記録されているものとする。
なお、以下に説明するログインの処理は単なる例示であり、世の中に数多あるログインの処理を応用することがもちろん可能である。
端末100は、端末100にインストールされたコンピュータプログラムによって提供される専用のビューアを用いて設計装置200にアクセスすることができるようになっていても構わないが、これには限られないが、この実施形態では、端末100は、webブラウザを用いて、ネットワーク400を介して設計装置200にアクセスすることができるようになっている。
まずユーザは、webブラウザの例えばアドレスバーに設計装置200のURLを入力することにより、設計装置200にアクセスする。URLの入力は、入力装置102を用いて行う。URLのデータは、入力装置102から、インターフェイス114、入力部121を介して制御部122に至る。
制御部122は、アクセス要求のデータにURLのデータを付して、出力部124、インターフェイス114を介して送受信機構に送る。端末100の送受信機構は、ネットワーク400を介して、URLで指定された設計装置200に対してアクセス要求のデータを送信する。
アクセス要求のデータを、設計装置200はその送受信機構で受取る。アクセス要求のデータは、送受信機構から、インターフェイス、入力部221を介して制御部222へと送られる。
制御部222は、ログイン画面に相当する画像を端末100のディスプレイ101に表示させるための画像制御データを生成し、画像制御データの送信先つまり宛先を特定するデータを付して出力部228へ送る。
出力部228はそれらデータを送受信機構へと送る。
送受信機構は、画像制御データを、送信先を特定するデータによって特定される端末100、つまり、設計装置200にアクセス要求を送ってきた端末100に向けてネットワーク400を介して送信する。
端末100は、その送受信機構にて画像制御データを受取る。
画像制御データは、インターフェイス114、入力部121を介して制御部122に送られ、制御部122から更に画像生成部123へと送られる。画像生成部123は、画像制御データに基づく画像をディスプレイ101に表示させるための画像データを生成する。
画像生成部123は生成した画像データを出力部124へ送る。画像データは、出力部124からインターフェイス114を介してディスプレイ101へと送られる。ディスプレイ101には画像データに基づく画像が表示される。
ディスプレイ101に表示される画像の例を図6(A)に示す。これは、いわゆるログイン画面である。
端末100のディスプレイ101に表示された画像には、図示したように、「ユーザID」という文字501、及びその直下の入力用の枠502、「送信」と書かれたボタン503が含まれている。
ユーザIDという文字501の直下の枠502は、ログインの処理を行うために必要なユーザIDをユーザが入力するためのスペースである。送信と書かれたボタン503は、いわゆる決定ボタンであり、このボタン503をユーザが押す(クリックする、以下同じ。)ことで、その時点で枠502内に表示されているユーザIDが入力されるユーザIDとして決定されることになる。
ログインを行う場合、ユーザは、図6(B)に示したように、ユーザIDという文字501の下の枠502に対して、各ユーザが持つユニークなユーザIDを入力する。もちろん各ユーザは通常、自己のユーザIDを把握しているから、ユーザIDの入力を行うことができる。ユーザIDの入力は、入力装置102を用いて行う。ユーザIDは、例えば、英文字、数字、或いはそれらの組み合わせであり、ユーザは公知或いは周知の方法でユーザIDを入力装置102から入力することができる。
ユーザは、枠502にユーザIDを入力し、「送信」と書かれたボタン503を押す。「送信」と書かれたボタン503をユーザが押すと、ログインデータが枠502に書き込まれたユーザIDに対応するユーザIDのデータとともに、入力装置102から入力される。ログインデータとユーザIDのデータとは、入力装置102からインターフェイス114、入力部121を経て、制御部122へと送られる。
制御部122は、ログインデータとユーザIDのデータを互いに紐づけ、送信先として設計装置200を指定するデータを付して、出力部124へと送る。互いに紐付けられたログインデータとユーザIDのデータは、出力部124、インターフェイス114を経て送受信機構に送られ、更にはネットワーク400を介して設計装置200に送られる。それにより、設計装置200では、ユーザIDによるユーザの認証の処理が行われることになる。
設計装置200は、互いに紐付けられたログインデータとユーザIDのデータとをその送受信機構で受取る。ログインデータとユーザIDのデータは、インターフェイスから入力部221を経て制御部222に送られる。
それらデータを受取った制御部222はユーザの認証の処理を行う。制御部222は、すべてのユーザのユーザIDが記録されていた記録装置の中に、端末100から送られてきたユーザIDと一致するものが記録されているか否かを判定する。端末100から送られてきたユーザIDのデータが、制御部222に記録されていたユーザIDのデータの一つと一致したのであれば、ユーザIDを送ってきた端末100を利用しているユーザはそのユーザIDを持つ正当なユーザであると認証して、そのユーザによる設計装置200によって提供されるサービスの利用を許容する。他方、端末100から送られてきたユーザIDが制御部222に記録されたものではなかったのであれば、上述の認証は行われず、そのユーザによるサービスの利用は許容されないことになる。
なお、認証に、パスワードその他の情報を用いても良いし、そもそもパスワードを用いなくても良いのは既に述べたとおりである。
認証が行われた場合、制御部222は、次の画像制御データを生成する。この画像制御データは、ログイン画面を端末100のディスプレイ101に表示するための画像制御データの場合と同じく、端末100に送られる。
端末100では、ログイン画面を端末100のディスプレイ101に表示した場合と同じく、画像生成部123が画像制御データに基づいて画像データを生成し、生成された画像データが画像生成部123からディスプレイ101に送られる。それにより、端末100のディスプレイには図7(A)に示したような画像が表示されることになる。
この画像がディスプレイ101の画面に表示された段階で、ログインの処理は終了する。
なお、図7におけるディスプレイ101は、図6よりも縦長に描かれているが、これは、ディスプレイ101に表示された画像を縦スクロールさせると、図7に示したディスプレイ101或いは画像となるということを示している。
図7(A)に示されたように、ディスプレイ101の画面には、「ようこそ111aaaaさん」という文字511が表示される。この文字の中の「111aaaa」というのは、もちろん単なる例であるが、ログインを行ったユーザのユーザIDである。
ディスプレイ101の画面には、他に、「鉄筋コンクリート製躯体の情報を入力してください」という文字512と、「間口」という文字513Xの右隣に配された枠513と、「奥行」という文字514Xの右隣に配された枠514と、「階高」という文字515Xの右隣に配された枠515と、「階数」という文字516Xの右隣に配された枠516と、「送信」と記載されたボタン517とが表示される。
「鉄筋コンクリート製躯体の情報を入力してください」という文字512により、ユーザは、自らが設計装置200に設計させたい鉄筋コンクリート製躯体についての情報の入力を設計装置200から促されている、ということを認識することができる。
間口という文字513X、「奥行」という文字514X、「階高」という文字515X、「階数」という文字516Xから、鉄筋コンクリート製躯体の間口の長さと、奥行の長さと、階高と、階数という4種類の情報の入力を促されているということも、ユーザは認識することができる。
間口というのは、後述する間口線分の長さを意味する。ただし、間口は玄関が設けられる面とは必ずしも関係しない。
奥行というのは、後述する奥行線分の長さを意味する。
階高は、鉄筋コンクリート製躯体の1階あたりの高さを意味する。階高は、鉄筋コンクリート製躯体が複数階構造、或いは多層構造である場合には各階毎に異なる数値を入力できるようにすることもできる。しかしながら、これには限られないが、この実施形態では、階高として入力することができる数値は1通りとなっており、仮に鉄筋コンクリート製躯体が多層構造を採用する場合であっても、各階の階高は等しくなるように指定することしかできないようにされている。なお、階高は、後述する第3長さ以下の長さでしか入力できないようにすることができ、この出願ではそうされている。ユーザが入力した階高を特定するための数値が第3長さより長かった場合には、例えば、エラーが表示され入力が受付けられないようにすることが可能である。そのようなことが公知或いは周知技術により容易に実現可能であることは自明であろう。
階数は、鉄筋コンクリート製躯体が何階建てかということを指定するためのものである。
ユーザは、入力装置102を用いて、「間口」という文字513Xの右隣に配された枠513に、設計装置200に設計をして欲しい鉄筋コンクリート製躯体の間口に対応する数字を、「奥行」という文字514Xの右隣に配された枠514に、奥行に対応する数字を、「階高」という文字515Xの右隣に配された枠515に階高に対応する数字を、そして、「階数」という文字516Xの右隣に配された枠516に階数に対応する数字をそれぞれ入力する(図7(B))。間口と、奥行とは、鉄筋コンクリート製躯体が建てられる敷地の形状、大きさ等に基づいて、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の形状、大きさに合わせてユーザが適宜決定することができる。間口と奥行の長さはどちらが長い場合もあり得る。
図7(B)に示された例では、ユーザが設計装置200に設計を行って欲しい鉄筋コンクリート製躯体の間口は8000mm、奥行は10000mm、階高は3500mm、階数は2階となっている。
ユーザは、枠513~516に正しい数字が入力されたことを確認したら、「送信」と記載されたボタン517を押す。ボタン517はボタン503と同じくいわゆる決定ボタンとしての性格を持つ。
ユーザが、枠513~516に数字を入力し、ボタン517を押すと、ユーザが設計装置200に設計をしてもらいたい鉄筋コンクリート製躯体の間口と、奥行と、階高と、階数が決定され、それら4つの情報を特定するデータである指定データが生成される。指定データは、入力装置102からインターフェイス114、入力部121を経て、制御部122へと送られる。
制御部122は、指定データに送信先として設計装置200を指定するデータを付して、出力部124へと送る。互いに紐付けられたそれらデータは、出力部124、インターフェイス114を経て送受信機構に送られる。指定データは送受信機構から、ネットワーク400を介して設計装置200に送られる。
設計装置200は、その送受信機構でネットワーク400を介して送られてきた指定データを受取る。指定データは、送受信機構から、インターフェイス、入力部221を経て制御部222へと送られる。
制御部222は、指定データを、設計部224に送る。
指定データを受付けた設計部224は、指定データに基づいて、鉄筋コンクリート製躯体の設計を開始する。設計を行うとき、設計部224は、ルールデータ記録部225からルールデータを読み込み、ルールデータによって指定されるルールにしたがって、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行う。
ルールデータが実行する鉄筋コンクリート製躯体の設計のための処理は以下のようなものである。
設計部224が設計する鉄筋コンクリート製躯体は、図8に示したような平面視矩形の矩形範囲αを基準として設計される。
矩形範囲αは、互いに垂直な間口線分A1と、奥行線分B1とによって規定される平面視矩形の範囲である。矩形範囲αは、間口線分A1、奥行線分B1、線分A2、線分B2を4辺とする矩形である。間口線分A1と線分A2とは、互いに平行な対辺であり、奥行線分B1と線分B2とは、互いに平行な対辺である。概念としては、間口線分A1、線分A2、奥行線分B1、線分B2はいずれも、鉄筋コンクリート製躯体が建てられる地面に描かれる線分である。
設計部224が受取った指定データには、鉄筋コンクリート製躯体の間口と奥行の長さを特定する情報が含まれている。間口の長さを指定する情報により間口線分A1の長さが、奥行の長さを指定する情報により奥行線分B1の長さがそれぞれ決定されることになる。この実施形態では、間口線分A1の長さが8000mm、奥行線分B1の長さが10000mmとそれぞれ決定される。
間口線分A1は、後に建てられる、追って説明するが略直方体形状とされる鉄筋コンクリート製躯体の平面視した場合の一辺を、奥行線分B1は、鉄筋コンクリート製躯体の間口線分A1と垂直な他の一辺に相当するものである。間口線分A1が、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の間口に相当する必要はないし、奥行線分B1が、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の奥行に相当する必要はないが、この実施形態では、間口線分A1は、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の間口に相当し、奥行線分B1が、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の奥行に相当するようにする。
間口線分A1と、奥行線分B1とは、鉄筋コンクリート製躯体が建てられる敷地の形状、大きさ等に基づいて、後に建てられる鉄筋コンクリート製躯体の形状、大きさに合わせて適宜決定される。ユーザが指定する間口の長さと奥行の長さは、既に述べた通りどちらが長い場合もあるので、間口線分A1と奥行線分B1の長さはどちらが長い場合もあり得る。
上述の矩形範囲αを基準として建築される鉄筋コンクリート製躯体は、柱と、間口梁と、間口基礎梁と、奥行梁と、基礎奥行梁とを備えたフレームを含むものとされる。それらはいずれも長尺材であり、柱は鉛直方向に、間口梁、及び間口基礎梁は間口線分方向に水平に、奥行梁、及び基礎奥行梁は奥行線分方向に水平にそれぞれ伸びる。
まず、矩形範囲αに対する、柱の建てられる位置を設計部224がどのようにして決定するかについて説明する。
柱の建てられる位置は、以下のルール1からルール3の3つのルールによって決まる。ルール1からルール3に対応するデータは、ルールデータ記録部225に記録されたルールデータに含まれており、柱の建てられる位置を決定する際には、設計部224は予め、それらルールデータをルールデータ記録部225から読み出している。図9、図10を用いて、ルール1からルール3について説明する。
ルール1)柱Pは、上述の矩形範囲αの奥行線分B1に平行な2辺上の少なくとも両端に立設される。言い換えれば、柱は、矩形範囲αの4隅に必ず立てられる。
ルール2)柱Pは、奥行線分B1が所定の長さである第1長さより長い場合には、奥行線分B1に平行な2辺を第1長さ以下の長さに均等に区切る当該2辺上の位置である奥行区分位置bに立てられる。
ルール3)柱Pは、間口線分A1が所定の長さである第2長さより長い場合には、間口線分A1を第2長さ以下の長さに均等に区切る間口線分A1上の位置である間口区分位置aから奥行線分B1に平行に伸びる奥行線分B1と同じ長さの仮想の線分である補助線分B3を想定した場合における、補助線分B3の両端と、奥行線分B1上に奥行区分位置bが存在する場合における奥行区分位置bに対応する位置とに立てられる。
図9を参照する。
まず、ルール1によって、p1の符号が付された4箇所に柱Pが立てられることが決定される。
次にルール2についてである。ルール2では、第1長さL1が登場する(図8参照)。第1長さL1は、後述する基準フレームを決定する際に予め決定されている。第1長さL1もルールデータによって決定されている。第1長さL1は、例えば4500mmから5700mmの範囲で予め決定しておく。これには限られないがこの実施形態では、第1長さL1を5100mmと定めている。
ルール2により立てられる柱Pの位置を決定するには、まず、奥行線分B1の長さl1が、第1長さL1よりも長いか否かを検証する。奥行線分B1の長さl1が、第1長さL1以下の場合には、奥行線分B1の上には、その両端のp1以外の位置に柱Pは立てられず、また、線分B2の上には、その両端のp1以外の位置に柱Pは立てられない。
他方、奥行線分B1の長さl1が、第1長さL1よりも長い場合には、奥行線分B1の上には、その両端のp1に加え、奥行区分位置bにも柱Pが立てられる。奥行区分位置bは、なるべく小さい自然数で奥行線分B1を均等に区分した場合における、奥行線分B1を区分する位置である。例えば、奥行線分B1を2等分した場合における長さが第1長さL1以下になった場合には、奥行線分B1の中央が、奥行区分位置bとなる。また、奥行線分B1を2等分した場合における長さが第1長さL1よりも長く、奥行線分B1を3等分した場合における長さが第1長さL1以下になった場合には、奥行線分B1を3等分する2つの位置が、奥行区分位置bとなる。より一般化するのであれば、奥行線分B1をn等分した場合における長さが第1長さL1よりも長く、奥行線分B1をn+1等分した場合における長さが第1長さL1以下になった場合には、奥行線分B1をn+1等分する奥行線分B1上のn個の位置が、奥行区分位置bとなる。
図9に示した例では、奥行区分位置bが、奥行線分B1の中央の1箇所である場合が示されている。その場合、ルール2に従って柱Pは、奥行線分B1の中央p2と、奥行線分B1と平行な線分B2の中央p2との2箇所に立てられることになる。
次にルール3についてである。ルール3には、第2長さL2が登場する(図8参照)。第2長さL2は、後述する基準フレームを決定する際に予め決定されている。第2長さL2は、例えば、3700mmから5100mmの範囲で予め決定しておくことができる。これには限られないがこの実施形態では、第2長さL2を4100mmと定めている。なお、第2長さL2は、設計の対象となる鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用の場合と、集合住宅用の場合とで異なる長さとすることも可能である。例えば、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用の場合には第2長さL2を4700mmから5100mmの範囲の適当な長さ(例えば、4900mm)とし、集合住宅用の場合には第2長さL2を3700mmから4100mmの範囲の適当な長さ(例えば、3900mm)と決定しておくことができる。このように、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用の場合と、集合住宅用の場合とで異なる第2長さLを、ルール3に基づく設計を行う際の基準として用いるようにするのであれば、ユーザが設計装置200に設計させることを希望する鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用なのであるか、集合住宅用なのであるかを、ユーザに選択させるようにすることができる。図7で示した画面に、そのような項目を追加させることによりそのような選択をユーザに行わせることができること、また、ユーザがした選択に基づいて使用する第2長さL2を変更するように設計部224を機能させることが可能であるということは、当業者には自明であろう。
ルール3により立てられる柱Pの位置を決定するには、まず、設計部224は、間口線分A1の長さl2が、第2長さL2よりも長いか否かを検証する。間口線分A1の長さl2が、第2長さL2以下の場合には、ルール3により立てられる柱Pは存在しない。
他方、間口線分A1が所定の長さである第2長さL2より長い場合には、間口線分A1を第2長さL2以下の長さに均等に区切る間口線分A1上の位置である間口区分位置aをまず求めることになる。奥行線分B1を均等に区分して奥行区分位置bを求める場合と同様に一般化すると、間口線分A1をn等分した場合における長さが第2長さL2長さよりも長く、間口線分A1をn+1等分した場合における長さが第2長さL2以下になった場合には、間口線分A1をn+1等分する間口線分A1上のn個の位置が、間口区分位置aとなる。ルール3では、間口区分位置aを求めたら、そこから、奥行線分B1に平行に伸びる奥行線分B1に等しい長さの補助線分B3を求める。補助線分B3は、要するに、間口線分A1と線分A2とを、両者に直交するように繋ぐ線分となる。間口区分位置aがn個である場合、補助線分B3はn本となる。
そして、柱Pは、補助線分B3の両端p3と、補助線分B3における、奥行区分位置bに対応する位置p3とに立てられることになる。図9の例でいえば、間口区分位置aが一箇所、補助線分B3が一本であり、補助線分B3の両端p3と、補助線分B3の中央p3に、柱Pが立てられることになる。
矩形範囲αにおけるp1、p2、p3の位置に柱Pを立てると設計部224が決定した場合を、図10に示す。
これには限られないが、柱Pは、間口方向(間口線分A1に沿う方向)の長さよりも、奥行方向(奥行線分B1に沿う方向)の長さの方が長い、平面視矩形とされる。もちろんこれには限られないが、この実施形態における柱Pは、間口方向の長さが400mm、奥行方向の長さが1200mmの断面矩形となっている。第1長さL1、第2長さL2について先に言及した数字は、柱Pの断面形状が400mm×1200mmである場合の例である。
各柱Pは、その太さと長さ方向の鉄筋の構成が同じとされている。各柱Pの太さ或いは断面形状は、第3長さ以下とされるその長さ方向のすべての部分で同一であり、また、柱P内に配される鉄筋は、柱Pの内部を柱Pの長さ方向に走る。第3長さは、例えば、1階あたりの階高として想定される上限として決定しておくことができる。第3長さは例えば、4000mmとしておくことができる。この実施形態における柱Pの長さは、ユーザが端末100を用いて入力した指定データに含まれる階高に相当した長さとされる。したがって、この実施形態では、柱Pの長さは、3500mmとされる。
長さを除いた柱の寸法と鉄筋の構成、ルールデータ記録部225に記録された構成要素データに含まれる後述する柱データによって決定される。したがって、柱Pの設計を行う際には、設計部224は予め、柱データをルールデータ記録部225から読み出している。
鉄筋コンクリート製躯体内における柱Pはすべて、その長さが第3長さ以下であるという制限はあるが、長さに関しては一意に予め決定されている必要はない。他方、柱Pの長さを除いた構成、言い換えれば単位長さあたりの構成に関していえば、一通りに規格化されている。なお、柱Pの長さは、鉄筋コンクリート製躯体においてその柱Pが属する階の階高を決定するものであるから、鉄筋コンクリート製躯体が後述するように多層構造を採用する場合には、同一階に属する柱Pの長さはすべて等しくされる。もっとも、他の階に属する柱Pについても、長さをすべて揃えて長さについても規格化を行うことも可能であり、これには限られないがこの実施形態ではそうされている。つまり、この実施形態では、ユーザが操作する端末100で入力される階高は、1通りであるから、多層構造である鉄筋コンクリート製躯体の各階における階高は同じであり、各階に配される柱Pの長さも同じということになる。
もっとも、各階の階高をユーザに個別に入力させ、各階における柱Pの長さを異ならせることによって、各階の階高をユーザがそれぞれ入力した階高に一致させることも可能である。
鉄筋コンクリート製躯体に用いられる柱Pの構成を示す柱リストの例を、図11(A-1)と、同(B-1)とに示す。図11(A-1)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの柱リストであり、同(B-1)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの柱リストである。柱リストに示されているのはいずれも、柱Pの断面図である。図中191は、柱Pの長さ方向或いは紙面に垂直な方向に走る長尺の鉄筋であり、192は長尺の鉄筋191を囲んでそれらの位置のズレを防止するループ状の鉄筋である。柱リストには、長さを除いた柱Pの寸法、鉄筋の構成(数も含めた長尺の鉄筋191の配置位置、ループ状の鉄筋192が配置される鉄筋191の長さ方向における間隔、配置される鉄筋191、192の種類等)も記録されるのが一般的である。このような柱リストに対応した柱Pのデータが柱データである。柱データには、規格化された柱Pの太さ(断面の寸法)と長さ方向の鉄筋の構成とが少なくとも含まれる。
なお、一戸建て用と集合住宅用の柱リストを共通化することにより、柱データを1種類とすることも可能である。
一般的なコンクリート製躯体に用いられる柱用の柱リストは複数というより、多数作られることになるが、この実施形態での柱リストの数は少ない。それにより、柱データの数も少なくてすむ。
次に、間口梁及び基礎間口梁が配される位置を設計部224がどのようにして決定するかについて説明する。
間口梁、及び基礎間口梁が配される位置は、以下のルール4からルール5の2つのルールによって決まる。ルール4からルール5に対応するデータは、ルールデータ記録部225に記録されたルールデータに含まれており、間口梁、及び基礎間口梁の配される位置を決定する際には、設計部224は予め、それらルールデータをルールデータ記録部225から読み出している。図12を用いて、ルール4からルール5について説明する。
ルール4)間口梁FBは、柱Pのうち、間口線分A1に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の端部を、間口線分A1と平行な方向で水平に繋ぐように配される。
ルール5)基礎間口梁FFBは、柱Pのうち、間口線分A1に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての下の端部であり地面に接する部分を、間口線分A1と平行な方向で水平に繋ぐように配される。
図12を参照する。
まず、ルール4、ルール5によって、図12において横並びとなっている2本の柱Pの間に、間口梁FB又は基礎間口梁FFBが張り渡される。図12は平面図であり、間口梁FBと基礎間口梁FFBとは重なっている。
間口梁FBと基礎間口梁FFBはいずれも長尺である。ただし、それらの長さは第2長さL2以下となっており、それらによって繋がれる2本の柱Pの位置関係により自動的に決定されるようになっている。
これには限られないが、間口梁FBと、間口梁FBの一種である基礎間口梁FFBとはいずれも断面矩形であり、それらの奥行方向の長さである幅が、柱Pの奥行方向の長さに等しくされている。間口梁FBと、基礎間口梁FFBとはいずれも、それらの幅方向の両端が柱Pの奥行方向の両端と揃うようにして、柱Pに接続されるようにする。
各間口梁FBは、その太さと長さ方向の鉄筋の構成が同じとされており、基礎間口梁FFBも同様である。間口梁FBも基礎間口梁FFBも、それらの太さ或いは断面形状は、その長さ方向のすべての部分で同一とされており、また、間口梁FB内、または基礎間口梁FFB内に配される鉄筋は、それらの内部をそれらの長さ方向に走るようにされる。
つまり、鉄筋コンクリート製躯体内における間口梁FB、または基礎間口梁FFBはすべて、長さが第2長さL2以下であるという制限はあるものの、長さに関しては一意に予め決定されている必要はない。他方、間口梁FB、または基礎間口梁FFBの長さを除いた構成、言い換えれば単位長さあたりの構成に関していえば、一通りに規格化されている。長さを除いた間口梁FB及び基礎間口梁FFBの寸法と鉄筋の構成は、ルールデータ記録部225に記録された構成要素データに含まれる後述する間口梁データ又は基礎間口梁データによって決定される。したがって、間口梁FBと基礎間口梁FFBの設計を行う際には、設計部224は予め、ルールデータ記録部225から間口梁データと基礎間口梁データを読み出している。
なお、1つの鉄筋コンクリート製躯体の中において複数存在する間口梁FBの長さは共通である。また、これも複数存在する基礎間口梁FFBの長さは共通である。更に、間口梁FBと基礎間口梁FFBの長さも共通となる。
鉄筋コンクリート製躯体に用いられる間口梁FBの構成を示す梁リストの例を、図11(A-2)と、同(A-3)と、同(B-2)と、同(B-3)とに示す。図11(A-2)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの間口梁FBの梁リストであり、同(B-2)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの間口梁FBの梁リストである。図11(A-3)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの基礎間口梁FFBの梁リストであり、同(B-3)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの基礎間口梁FFBの梁リストである。
以上の梁リストに示されているのはいずれも、間口梁FB又は基礎間口梁FFBの断面図である。図中191は、間口梁FB又は基礎間口梁FFBの長さ方向或いは紙面に垂直な方向に走る鉄筋であり、192は長尺の鉄筋191を囲んでそれらの位置のズレを防止するループ状の鉄筋である。梁リストには、長さを除いた間口梁FB又は基礎間口梁FFBの寸法、鉄筋の構成(数も含めた長尺の鉄筋191の配置位置、ループ状の鉄筋192が配置される鉄筋191の長さ方向における間隔、配置される鉄筋191、192の種類等)も記録されるのが一般的である。このような梁リストに対応した間口梁FBと基礎間口梁FFBのそれぞれに対応するデータが間口梁データと、基礎間口梁データである。間口梁データには、規格化された間口梁FBの太さ(断面の寸法)と長さ方向の鉄筋の構成とが少なくとも含まれ、基礎間口梁データにおいても同様である。
なお、間口梁FBと基礎間口梁FFBについての一戸建て用と集合住宅用の梁リストを共通化し、間口梁データと基礎間口梁データとをそれぞれ一種類とすることも可能である。
間口梁FBよりも基礎間口梁FFBの方が一般に強度が求められるため、一戸建て用の場合、集合住宅用の場合によらず、後者の厚さ(或いは高さ)が前者の厚さよりも大きくされている。
一般的なコンクリート製躯体に用いられる間口梁FB又は基礎間口梁FFBの梁リストは複数というより、多数作られることになるが、この実施形態での間口梁FB又は基礎間口梁FFBの梁リストの数は少ない。それにより、間口梁データと基礎間口梁データの数も少なくてすむ。
次に、奥行梁及び基礎奥行梁が配される位置をどのように決定するかについて説明する。
奥行梁、及び基礎奥行梁が配される位置は、以下のルール6からルール7の2つのルールによって決まる。ルール6からルール7に対応するデータは、ルールデータ記録部225に記録されたルールデータに含まれており、奥行梁、及び基礎奥行梁の配される位置を決定する際には、設計部224は予め、それらルールデータをルールデータ記録部225から読み出している。図13を用いて、ルール6からルール7について説明する。
ルール6)奥行梁DBは、柱Pのうち、奥行線分B1に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の端部を、奥行線分B1と平行な方向で水平に繋ぐように配される。
ルール7)基礎奥行梁FDBは、柱Pのうち、奥行線分B1に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての下の端部であり地面に接する部分を、奥行線分B1と平行な方向で水平に繋ぐように配される。
図13を参照する。
まず、ルール6、ルール7によって、図13において上下に位置する2本の柱Pの間に、奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBが張り渡される。図13は平面図であり、奥行梁DBと基礎奥行梁FDBとは重なっている。
奥行梁DBと基礎奥行梁FDBはいずれも長尺である。ただし、それらの長さは、第1長さL1以下となっており、それらによって繋がれる2本の柱Pの位置関係により自動的に決定されるようになっている。
これには限られないが、奥行梁DBと、奥行梁DBの一種である基礎奥行梁FDBとはいずれも断面矩形であり、それらの間口方向の長さである幅が、柱Pの間口方向の長さに等しくされている。奥行梁DBと、基礎奥行梁FDBとはいずれも、それらの幅方向の両端が柱Pの間口方向の両端と揃うようにして、柱Pに接続されるようにする。
各奥行梁DBは、その太さと長さ方向の鉄筋の構成が同じとされており、基礎奥行梁FDBも同様である。奥行梁DBも基礎奥行梁FDBも、それらの太さ或いは断面形状は、その長さ方向のすべての部分で同一とされており、また、奥行梁DB内、または基礎奥行梁FDB内に配される鉄筋は、それらの内部をそれらの長さ方向に走るようにされる。
つまり、鉄筋コンクリート製躯体内における奥行梁DB、または基礎奥行梁FDBはすべて、長さが第1長さL1以下であるという制限はあるものの、長さに関しては一意に予め決定されている必要はない。他方、奥行梁DB、または基礎奥行梁FDBの長さを除いた構成、言い換えれば単位長さあたりの構成に関していえば、一通りに規格化されている。長さを除いた奥行梁DB及び基礎奥行梁FDBの寸法と鉄筋の構成は、ルールデータ記録部225に記録された構成要素データに含まれる後述する奥行梁データ又は基礎奥行梁データによって決定される。したがって、奥行梁DBと基礎奥行梁FDBの設計を行う際には、設計部224は予め、ルールデータ記録部225から奥行梁データと基礎奥行梁データを読み出している。
なお、1つの鉄筋コンクリート製躯体の中において複数存在する奥行梁DBの長さは共通である。また、これも複数存在する基礎奥行梁FDBの長さは共通である。更に、奥行梁DBと基礎奥行梁FDBの長さも共通となる。
鉄筋コンクリート製躯体に用いられる奥行梁DBの構成を示す梁リストの例を、図11(A-4)と、同(A-5)と、同(B-4)と、同(B-5)とに示す。図11(A-4)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの奥行梁DBの梁リストであり、同(B-4)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの奥行梁DBの梁リストである。図11(A-5)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの基礎奥行梁FDBの梁リストであり、同(B-5)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの基礎奥行梁FDBの梁リストである。
以上の梁リストに示されているのはいずれも、奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBの断面図である。図中191は、奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBの長さ方向或いは紙面に垂直な方向に走る鉄筋であり、192は長尺の鉄筋191を囲んでそれらの位置のズレを防止するループ状の鉄筋である。梁リストには、長さを除いた奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBの寸法、鉄筋の構成(数も含めた長尺の鉄筋191の配置位置、ループ状の鉄筋192が配置される鉄筋191の長さ方向における間隔、配置される鉄筋191、192の種類等)も記録されるのが一般的である。このような梁リストに対応した間口梁FBと基礎間口梁FFBのそれぞれに対応するデータが奥行梁データと、基礎奥行梁データである。奥行梁データには、規格化された奥行梁DBの太さ(断面の寸法)と長さ方向の鉄筋の構成とが少なくとも含まれ、基礎奥行梁データにおいても同様である。
なお、奥行梁DBと基礎奥行梁FDBについての一戸建て用と集合住宅用の梁リストを共通化することも可能である。
奥行梁DBよりも基礎奥行梁FDBの方が一般に強度が求められるため、一戸建て用の場合、集合住宅用の場合によらず、後者の厚さ(或いは高さ)が前者の厚さよりも大きくされている。また、これには限られないがこの実施形態では、間口梁FBの厚さと奥行梁DBの厚さが同じとされ、基礎間口梁FFBと基礎奥行梁FDBの厚さが同じとされている。
一般的なコンクリート製躯体に用いられる奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBの梁リストは複数というより、多数作られることになるが、この実施形態での奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBの梁リストの数は少ない。それにより、奥行梁データと基礎奥行梁データの数も少なくてすむ。
以上で説明したのが、一階建ての住宅の鉄筋コンクリート製躯体の、或いは多層構造の住宅の1階部分の鉄筋コンクリート製躯体におけるフレームの設計方法である。
かかるフレームに対して、壁とスラブを追加することにより、一階建ての住宅の鉄筋コンクリート製躯体の、或いは多層構造の住宅の1階部分の鉄筋コンクリート製躯体の設計が終了する。
次に、壁とスラブが配される位置について説明する。
まず、壁から説明する。
壁が配される位置は、以下のルール8からルール9の2つのルールによって決まる。ルール8からルール9に対応するデータは、ルールデータ記録部225に記録されたルールデータに含まれており、壁の配される位置を決定する際には、設計部224は予め、それらルールデータをルールデータ記録部225から読み出している。図14、図15を用いて、ルール8からルール9について説明する。
ルール8)壁Wは、矩形範囲αの間口線分A1に平行な2辺上に位置する柱Pのうち、隣接するもの同士の間を間口線分A1に平行に塞ぐ。
ルール9)壁Wは、矩形範囲αの奥行線分B1に平行な2辺或いは補助線分B3上に位置する柱Pのうち、隣接するもの同士の間を奥行線分B1に平行に塞ぐ。
図14、図15を参照する。
まず、ルール8によって、図14、図15において横方向を長さ方向とする4枚の壁Wが配される。壁Wは矩形である。ルール8によって配される壁Wは、4辺のうち垂直な2辺が柱Pに、また水平な2辺が間口梁FB又は基礎間口梁FFBに接続される。壁Wは図14に示したように、基本的に、矩形範囲αにおける間口線分A1と、間口線分A1の対辺にあたる線分A2の上(つまり、矩形範囲αの輪郭の上)に構築される。ただし、壁Wは、間口線分A1に平行に配するという条件を充足する限り、図15の下側の壁Wのように、間口線分A1から矩形範囲αの内側に入り込んだ位置に設けられても構わない。つまり、壁Wは、矩形範囲αの輪郭から離れた位置に配するように設計される場合がある。言い換えれば、壁Wの配置位置に関しては、設計に対するある程度の自由度がある。
設計部224は、壁Wの位置を、例えば、デフォルトで図14、15のいずれかに示された位置に設計するようになっていてもよい。また、設計部224は、壁Wの位置を、ユーザの端末100による入力の別によって選択可能となっていてもよい。ユーザの端末100による壁Wの位置の選択は、指定データの入力時であっても、そうでなくても良い。例えば、後述するようにして設計データが端末100に送信された後に、ユーザが、壁Wの位置を選択できるようにしても良い。なお、壁Wの位置をいずれの位置にするとしても、図14に示した場合と図15に示した場合で壁Wの面積に変化がないため、図14に示された設計が採用されるにしても、図15に示される設計が採用されるにしても、後述する見積において大きな差は出ない。
次にルール9によって、図14、図15において縦方向を長さ方向とする6枚の壁が配される。壁Wは矩形である。ルール9によって配される壁Wは、4辺のうち垂直な2辺が柱Pに、また水平な2辺が奥行梁DB又は基礎奥行梁FDBに接続される。この場合においても、補助線分B3の上にない壁Wを矩形範囲αの輪郭の上から外れた位置に位置させることが許容される(つまり、壁Wの配置位置にある程度の自由度が与えられる。)が、図14、図15では、壁Wは矩形範囲αの輪郭の上に、つまり、奥行線分B1と、奥行線分B1の対辺にあたる線分B2の上に配されることとしている。
ルール8、9のいずれによって配されるにせよ、壁Wは、よく知られているようにいずれも板状である。壁Wも、柱P等と同様に規格化されており、単位面積あたり構成が同じとなるようになっている。壁Wは、鉄筋コンクリート製躯体の重量を支える役割を担っていないので、堅牢性は最低限で良い。壁Wの寸法と鉄筋の構成は、ルールデータ記録部225に記録された構成要素データに含まれる後述する壁データによって決定される。したがって、壁Wの設計を行う際には、設計部224は予め、ルールデータ記録部225から壁データを読み出している。
鉄筋コンクリート製躯体に用いられる壁Wの構成を示す壁リストの例を、図11(A-6)と、同(B-6)とに示す。図11(A-6)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときの壁Wの壁リストであり、同(B-6)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときの壁Wの壁リストである。
以上の壁リストに示されているのはいずれも、壁Wの断面図である。図中191は、壁Wの中を幅方向に或いは紙面に垂直な方向に走る鉄筋である。図中191Xは、壁Wの中を紙面に平行に紙面に対して上下方向に走る鉄筋である。壁リストには、壁の寸法(壁厚)と、鉄筋の構成(壁Wの幅方向と高さ方向に走る鉄筋191、191Xの間隔と鉄筋の種類等)が記録されるのが一般的である。このような壁リストに対応した壁Pのそれぞれに対応するデータが壁データである。壁データには、規格化された壁の厚さと壁Wの幅方向と高さ方向に走る鉄筋191、191Xの間隔と鉄筋の構成とが少なくとも含まれる。
なお、壁Wについての一戸建て用と集合住宅用の壁リストを共通化することも可能である。
スラブが配される位置は、以下のルール10によるルールによって決まる。ルール10に対応するデータは、ルールデータ記録部225に記録されたルールデータに含まれており、スラブの配される位置を決定する際には、設計部224は予め、ルール10についてのルールデータをルールデータ記録部225から読み出している。図16、図17を用いて、ルール10について説明する。
ルール10)スラブSは、柱Pの上下の高さ位置において、2本の間口梁FBと2本の奥行梁DB、又は2本の基礎間口梁FFBと2本の基礎奥行梁FDBとに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ。
図16、図17を参照する。図17は、設計された図16の状態の鉄筋コンクリート製躯体を、図16における横方向から見た状態を示す図である。ただし、図17では、壁Wの図示を省略している。
ルール10によって、図16において縦横に2×2に配置される4枚のスラブSが配される。スラブSは矩形である。ルール10によって配されるスラブSは、水平であり、柱Pの上下の位置に配される。スラブSの4辺は、2本の間口梁FBと2本の奥行梁DB、又は2本の基礎間口梁FFBと2本の基礎奥行梁FDBに接続される。
スラブSは、よく知られているようにいずれも板状である。スラブSも、柱P等と同様に規格化されており、単位面積あたりの構成が同じとなるようになっている。スラブSは、鉄筋コンクリート製躯体の重量を支える役割を担っていないので、堅牢性は最低限で良い。スラブSの寸法と鉄筋の構成は、ルールデータ記録部225に記録された構成要素データに含まれる後述するスラブデータによって決定される。したがって、スラブSの設計を行う際には、設計部224は予め、ルールデータ記録部225からスラブデータを読み出している。
鉄筋コンクリート製躯体に用いられるスラブSの構成を示すスラブリストの例を、図11(A-7)と、同(B-7)とに示す。図11(A-7)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が一戸建て用のときのスラブSのスラブリストであり、同(B-7)に示されているのは、鉄筋コンクリート製躯体が集合住宅用のときのスラブSのスラブリストである。
以上のスラブリストに示されているのはいずれも、スラブSの断面図である。図中191は、スラブSの中を紙面に垂直な方向に走る鉄筋である。図中191Xは、スラブSの中を紙面に平行に左右方向に走る鉄筋である。スラブリストには、スラブの寸法(スラブ厚)と、鉄筋の構成(スラブSの中を互いに直交して走る鉄筋191、191Xの間隔と鉄筋の種類等)が記録されるのが一般的である。このようなスラブリストに対応したスラブSのそれぞれに対応するデータがスラブデータである。スラブデータには、規格化されたスラブの厚さとスラブSの縦横方向に走る鉄筋191、191Xの間隔と鉄筋の構成とが少なくとも含まれる。
なお、スラブSについての一戸建て用と集合住宅用のスラブリストを共通化することも可能である。
以上で説明したのが、設計部224によって実行される、一階建ての住宅の鉄筋コンクリート製躯体の、或いは多層構造の住宅の1階部分の鉄筋コンクリート製躯体の設計方法である。
もちろん、鉄筋コンクリート製躯体を有する住宅は多層構造である場合がある。この実施形態では、ユーザは、指定データにおける階数で「2」を選択しているのであるから、設計部224が設計する鉄筋コンクリート製躯体は2階建てとなる。
多層構造の鉄筋コンクリート製躯体の設計を行う場合には、すべての柱Pの上に、第3長さ以下とされ、太さと長さ方向の鉄筋の構成が柱Pと同一とされた新たな柱P少なくとも1本を、すべての柱Pに対して同数ずつ鉛直方向に延長して接続することにする。この実施形態では、2階以上の各階で使用される柱Pは、1階で使用された柱Pと長さも含めて同じ構成とされる。
元の柱Pに延長して接続される柱Pが1本なら鉄筋コンクリート製躯体は2階建てとなり、延長して接続される柱Pが2本なら鉄筋コンクリート製躯体は3階建てとなり、以後も同様である。
そして、鉄筋コンクリート製躯体の1階の設計を行ったときと同様に、新しく追加された柱Pの上端を間口梁FBと、奥行梁DBで繋ぎ、また、壁WとスラブSを配置する。ただし、壁Wの配置位置に関しては上述したようなある程度の自由度が認められるため、各階における壁Wの配置位置は完全に同じである必要はない。
以上のようにして、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計が終了する。
なお、設計部224は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行う際に、柱P、間口梁FB、基礎間口梁FFB、奥行梁DB、基礎奥行梁FDB、壁W、スラブSのそれぞれの設計を、必ずしも上述した順番で行う必要はない。
また、多層構造の鉄筋コンクリート製躯体の場合には例えば、1階部分を設計してから2階部分を設計する必要もない。例えば、多層階の構造を持つ鉄筋コンクリート製躯体におけるフレーム全体の設計を先に行ってから、そのフレームに取付けられる壁WやスラブSの設計を行うようにしても良い。
また、上述の例では、壁Wに設けるべき窓枠取付用の孔や、扉を取り付けるための孔の設計については説明を省略し、また、内階段を設けるために必要となるスラブSに設けるべき孔の設計については説明を省略したが、これらについては従来技術に倣って、設計部224が設計を行うようにしても良い。或いは、壁Wの位置の選択をユーザに委ねる場合がある旨説明したが、窓や扉を取り付けるための孔の設計或いは選択もユーザに委ねるようにすることができる。仮にそれらの設計或いは選択をユーザに委ねるのであれば、設計装置たる設計装置200からユーザに対して、複数の選択肢を提示してユーザがその中から好みの選択肢を選択できるようにするのが便利であろう。
この鉄筋コンクリート製躯体では、例えば、壁Wのうちの任意のものを一面のガラスとすることも可能である。そうしたとしても、壁WやスラブSは、鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支える役割を担っていないため、鉄筋コンクリート製躯体の十分な強度が保証される。したがって、窓や扉を取り付けるための孔の設計や選択をユーザに委ねたとしても、フレームの鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支える機能には影響を与えない。
設計部224が設計した鉄筋コンクリート製躯体が、壁WやスラブSによらず、フレームのみで鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支えられるのは次の理由による。
図18、図19に示した、一例となるフレームFの斜視図を用いて説明する。
図18、図19に示したのは、設計部224によって設計された、鉄筋コンクリート製躯体におけるフレームFを抜き出した斜視図である。
図18では、フレームFの下端の矩形範囲αの手前側の2辺のうち、左側の辺が間口線分A1、右側の辺が奥行線分B1となっている。
図18の例では、間口線分A1は、第2長さL2以下となっており、奥行線分B1は、第1長さL1の2倍よりも長く、3倍よりも短くなっている。
その結果、上述のルール1からルール7によって設計されるフレームFは、図18に示したようなものとなる。ここで、図中の網掛けがされた、4本の柱P、4本の間口梁FB(正確には、2本の間口梁FBと2本の基礎間口梁FFB)、4本の奥行梁DB(正確には、2本の奥行梁DBと2本の基礎奥行梁FDB)によって規定される直方体の範囲が、本願発明の概説で説明した基準フレームSFに相当する。そして、図18に示したフレームFは、基準フレームSFを間口線分A1方向に1つ、奥行線分B方向に3つ、鉛直方向に3つ連ねたものとなっている。
図19では、フレームの下端の矩形範囲αの手前側の2辺のうち、右側の辺が間口線分A1、左側の辺が奥行線分B1となっている。
図19の例では、間口線分A1は、第2長さL2の2倍よりも長く、3倍よりも短くなっており、奥行線分B1は、第1長さL1以下となっている。
その結果、上述のルール1からルール7によって設計されるフレームFは、図19に示したようなものとなる。図19に示したフレームは、図18で説明した基準フレームSFを間口線分A1方向に3つ、奥行線分B方向に1つ、鉛直方向に3つ連ねたものとなっている。
ここで、柱P、間口梁FB、基礎間口梁FFB、奥行梁DB、基礎奥行梁FDB、壁W、及びスラブSは、基準フレームSFを間口線分方向、奥行線分方向、鉛直方向にそれぞれX個、Y個、Z個連ねることにより全体として略直方体形状とされたフレームFを形成し(ただし、X、Y、Zの組合せには制限を設けることができる。)、更にそれに上述したルール8からルール10にしたがって、壁WとスラブSとを追加したとしても、フレームFが、鉄筋コンクリート製躯体全体の荷重を支えるのに十分となるように規格化されている。
したがって、上述のX、Y、Zで規定される数字の組合せが、設計装置の設計者が予定していた組合せの範疇に入るのであれば、基準フレームSFを縦横高さ方向に配列して作られたフレームFを持つ鉄筋コンクリート製躯体は、半ば自動的に鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支えるに足りる十分な強度を持つことが保証されることになる。言い換えれば、柱Pの構成を特定する上述の柱データと、間口梁FB、基礎間口梁FFB、奥行梁DB、基礎奥行梁FDBそれぞれの構成を特定する上述の間口梁データ、基礎間口梁データ、奥行梁データ、基礎奥行梁データと、壁Wの構成を特定する上述の壁データ、及びスラブSの構成を特定する上述のスラブデータを、基準フレームSFを縦横高さ方向に配列したときにフレームFが鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支えるのに十分となるという条件を充足するような状態で、セットとして予め準備しておけば、上述のルール1からルール10に従って作られた鉄筋コンクリート製躯体の中のフレームFは自動的に、鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支えるに足りる十分な強度を持つことになる。
なぜならそのようにして設計された鉄筋コンクリート製躯体中のフレームFは、基準フレームSFを縦横高さ方向に積み重ねた略直方体形状のものとなるか、或いは基準フレームSFよりも縦横高さの少なくともいずれかが短いフレーム(本願発明の概説で説明した準基準フレーム)を縦横高さ方向に積み重ねた略直方体形状のものとなるからである。
図18に示したフレームFを設計する場合には、補助線分B3は登場しない。したがって、1階から3階の各階には、補助線分B3上に配されることにより、各階の空間を区切る壁Wは存在しないことになる。
したがって、図18に示したフレームFを有する鉄筋コンクリート製躯体は、1階と2階とを繋ぐ内階段と、2階と3階とを繋ぐ内階段を備える、一戸建て住宅に向いたものとなる。
図19に示したフレームを設計する場合には、補助線分B3が2本登場する。それにより、1階から3階の各階には、各階を3つに分けるように壁Wが配されることになる。
したがって、図19に示したフレームFを有する鉄筋コンクリート製躯体は、1階と2階とを繋ぐ内階段と、2階と3階とを繋ぐ内階段を備えることにより、図19における網掛けがされた部分を1戸とする、3階建てのメゾネットタイプの部屋が横並びに3つ並んだ集合住宅に向いたものとなる。或いは、外階段と外部の通路を適宜追加し、上述した内階段を無くせば、図19に示したフレームを有する鉄筋コンクリート製躯体は、各階に3部屋の独立した部屋を有する合計9部屋を持つ集合住宅に向いたものとなる。
いずれにせよ、ユーザが、鉄筋コンクリート製躯体の間口の長さ、奥行の長さ、階高、階数を指定するだけで、設計装置200の設計部224は、柱、間口梁、基礎間口梁、奥行梁、基礎奥行梁、壁、スラブを備えた鉄筋コンクリート製躯体の設計をすることができる。
これらのうち、階高(つまり、柱Pの長さ)が固定なのであれば階高についてのユーザの指定は不要であるし、鉄筋コンクリート製躯体の階数が1階建てのみに制限されるのであれば階数についてのユーザの指定も不要である。したがって、最低限、間口の長さと奥行の長さだけユーザが指定すれば、設計装置200の設計部は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うことが可能である。
設計部224は設計された鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成する。設計データは、例えば、三次元の画像データや、CAD(Computer Aided Design)データとすることができるがデータ形式は問わない。もっとも、ユーザが自らの端末100のディスプレイ101で、設計データに基づく鉄筋コンクリート製躯体の画像を閲覧することができるようにするのであれば、設計データのデータ形式はなるべく汎用のものとした方が良いであろう。
設計部224は、生成した設計データを見積部226へ送る。
このような設計装置200による鉄筋コンクリート製躯体の設計は、人手に頼らずに行うことができるので、少なくとも従来の構造設計に要した時間と比べれば非常に短時間に行うことができる。鉄筋コンクリート製躯体の設計に要する時間は、鉄筋コンクリート製躯体の大きさや設計装置200の構築に用いたコンピュータ或いはサーバの性能等によっても異なるが、例えば、十数秒から数分程度とすることができ、出願人が試作した設計装置200でもその程度の時間での鉄筋コンクリート製躯体の設計が可能であった。設計装置200が行う鉄筋コンクリート製躯体の設計に仮に数十分の時間が必要であったとしても、設計装置200を用いれば、2ヶ月程度必要なことが多かった従来の構造設計に比べれば極めて短時間で鉄筋コンクリート製躯体の設計を行えるようになる。
なお、上述したように、設計部224が設計した鉄筋コンクリート製躯体に含まれるフレームが、鉄筋コンクリート製躯体の荷重を支えることが保証されるのは、フレームに含まれる基準フレームを間口線分方向、奥行線分方向、鉛直方向にそれぞれX個、Y個、Z個連ねた場合のX、Y、Zという数字の組が、設計装置200の設計者等の予定した範疇であることが必要である。
したがって、ユーザが入力して端末100から設計装置200へ送られてきた指定データによって設計部224が設計した鉄筋コンクリート製躯体に含まれるフレームに含まれる基準フレームが、設計装置200の設計者等が予定した範疇を超えることになる場合には、設計部224は、鉄筋コンクリート製躯体の設計を中止するとか、そもそも最初から設計を行わないようになっていても良い。鉄筋コンクリート製躯体の設計を完了させるか否かについてのこの判定は、設計部224ではなく、制御部222が行うようになっていてもよい。例えば、指定データに含まれる鉄筋コンクリート製躯体の間口の長さを指定する数値と、奥行の長さを指定する数値と、階高と階数とをそれぞれ指定する数値を乗算することによって得られる鉄筋コンクリート製躯体の高さを特定する数値との関係が、予め定めた関係を超える場合には、もちろん設計部224がその判定を行っても構わないが、制御部222が、鉄筋コンクリート製躯体の設計を完了させない旨の判定を行ってもよい。
いずれにせよ、ユーザが端末100から設計装置200に送ってきた指定データに基づいて鉄筋コンクリート製躯体の設計を完了させることができない場合には、例えば、制御部222が生成したエラーコードが、設計装置200から端末100へ送られるようになっていても良い。もちろんエラーコードには、ユーザが入力した指定データではなぜ鉄筋コンクリート製躯体の設計を設計装置200が行えないのかという理由が付されていても良い。また、エラーコードの送信後に、図7(A)に示した画像を端末100のディスプレイ101に再度表示させることにより、ユーザに指定データの設計装置200への再度の送信を促す等の工夫を行うことはもちろん自由である。エラーコードの生成も、その後の処理も、コンピュータシステムの異常系の設計では公知或いは周知の技術である。
設計部224は、生成した設計データを見積部226に送る。
見積部226は、設計データを受取ったら、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築する場合に要する費用の見積を行う。
見積部226は、コストデータ記録部227からコストデータを読み出し、そのコストデータを用いて、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築する場合に要する費用の見積を行う。
コストデータは、上述したように、ある鉄筋コンクリート製躯体(この実施形態では、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体)を建築するのに必要な費用を見積るための基準となるデータの集合である。コストデータには、例えば、鉄筋、コンクリートを製造するために必要なセメント、砂、砂利、添加剤等、コンクリートの打設に必要な型枠やその付属物等の各建築資材の単価や、ある鉄筋コンクリート製躯体を構築するために必要となる施工の工数を計算するためのデータ、その工数の施工を実行するために必要となる作業員の日当といったデータが含まれている場合がある。なお、鉄筋コンクリート製躯体を建築するのに必要な費用を見積るための基準となるデータのうち、例えば日々変動するようなものについては、当該データを、設計装置200の外部(例えば、インターネット空間にある適当な装置)から収集する機能を例えば見積部226が実装していても良い。そうすることにより、見積の精度を向上させることが可能となる。そのようなデータ収集の技術は、クローリングによりインターネット空間からデータを収集する技術として公知或いは周知であるためそれを応用すれば良い。クローリングにより収集されたデータはコストデータ記録部227に記録されることにより、コストデータ記録部227に記録されたコストデータが常にアップデートされるようになっていても良い。
見積部226は上述したようなコストデータを用いて、鉄筋コンクリート製躯体を建築するのに必要な費用を見積る。その見積は例えば、資材費、労務費、建築によって生じる廃棄物の廃棄費用等を積み上げることによって行うことができる。
ある建物を建築するために必要となる費用を見積るためのソフトウエアは公知或いは周知であり、既に実用されている。例えば、株式会社大塚商会が製造・販売するRC建築の一貫構造計算・積算を行うソフトウエアである「ASCAL(商標)」、株式会社 構造ソフトが製造・販売するRC建築等の一貫構造計算、積算を行うソフトウエアである「BUILD.一貫VI(商標)」、株式会社構造システムが製造・販売する壁式RC建築の一貫構造計算・積算を行うソフトウエアである「WALL-1(商標)」がそれである。そのようなソフトウエアで使用されている見積に必要なデータをコストデータとしてコストデータ記録部227に記録し、そのようなソフトウエアで使用されている演算を見積部226で実行するようにすることにより、公知或いは周知技術を利用することにより、見積部226に、設計データで特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築するのに必要な費用を見積る機能を実装させることが可能となる。
見積部226は、設計部224で設計された鉄筋コンクリート製躯体を建築するときに必要な金額を求めたら、その金額を特定するデータである見積データを生成する。見積部226は、生成した見積データを、先に受取った設計データとともに出力部228へと送る。
設計データと見積データとは、出力部228から送受信機構へ送られる。
鉄筋コンクリート製躯体の建設に要する費用の見積に要する時間は、鉄筋コンクリート製躯体の大きさや設計装置200の構築に用いたコンピュータ或いはサーバの性能等によっても異なるが、例えば、十数秒から数分程度とすることができ、出願人が試作した設計装置200でもその程度の時間での鉄筋コンクリート製躯体の設計が可能であった。設計装置200が行う鉄筋コンクリート製躯体の建築に要する費用の見積に仮に数十分の時間が必要であったとしても、設計装置200を用いれば、従来同様の見積を行うには手作業で1、2週間必要とすることが多かったことに鑑みれば極めて短時間で鉄筋コンクリート製躯体の建築に要する費用の見積を行えるようになる。
ところで、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体は、設計データに対応した後に建築される場合には、従来工法によって建築することができる。
例えば、1階建ての住宅用の鉄筋コンクリート製躯体であれば、まず、型枠を組むとともに型枠の内部に適宜に鉄筋を配し、組んだ型枠内にコンクリートを打設して養生しつつ硬化させることにより、基礎間口梁FFBと、基礎奥行梁FDBと、1階の床に相当するスラブSを構築する。
次いで、基礎間口梁FFBと、基礎奥行梁FDBを構築するために組んだ型枠を取り除いた後再び型枠を組むとともに型枠の内部に適宜に鉄筋を配し、組んだ型枠内にコンクリートを打設して養生しつつ硬化させることにより、柱Pと、間口梁FBと、奥行梁DBと、壁Wと、1階の天井に相当するスラブSを構築する。
それにより、1階建ての住宅用の鉄筋コンクリート製躯体が完成する。
多層階、例えば2階建ての住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の場合であれば、上述のようにして1階部分のコンクリート製躯体を完成させた後、1階部分の柱Pと、間口梁FBと、奥行梁DBと、壁Wと、1階の天井に相当するスラブSとを構築するために組んだ型枠を取り除いた後再び型枠を組むとともに型枠の内部に適宜に鉄筋を配し、組んだ型枠内にコンクリートを打設して養生しつつ硬化させることにより、2階部分の柱Pと、間口梁FBと、奥行梁DBと、壁Wと、2階の天井に相当するスラブSを構築する。
3階部分より上の階も同様の作業を繰り返すことによって構築することができる。
鉄筋コンクリート製躯体には、例えば、図19において破線で囲んだような、柱Pと間口梁FBと奥行梁DBが、或いは、柱Pと基礎間口梁FFBと、基礎奥行梁FDBとが交差する部分(定着を行う部分)が存在する。
その部分においては、その交差する部分において、柱Pの長さ方向に伸びる鉄筋と、間口梁FBの長さ方向に伸びる鉄筋と、奥行梁DBの長さ方向に伸びる鉄筋とが、或いは柱Pの長さ方向に伸びる鉄筋と、基礎間口梁FFBの長さ方向に伸びる鉄筋と、基礎奥行梁FDBの長さ方向に伸びる鉄筋とがそれぞれ交差するようにする。間口線分方向、奥行線分方向、鉛直方向の鉄筋を当該部分で互いに交差させることにより、柱Pと間口梁FB、柱Pと奥行梁DB、柱Pと基礎間口梁FFB、柱Pと基礎奥行梁FDBの結合を強固なものとすることができ、鉄筋コンクリート製躯体の荷重に対する耐性を増すのに役立つ。
例えば、柱Pの中の長尺の鉄筋191は、鉄筋コンクリート製躯体の最上部から最下端まで伸びるようにするのが通常である。そして、間口梁FBの長さ方向に伸びる鉄筋、奥行梁DBの長さ方向に伸びる鉄筋、基礎間口梁FFBの長さ方向に伸びる鉄筋、基礎奥行梁FDBの長さ方向に伸びる鉄筋の端部はいずれも、柱Pの内部に、適当な長さ例えば400mm程度入り込ませるようにすることができる。また、間口梁FBの長さ方向に伸びる鉄筋、奥行梁DBの長さ方向に伸びる鉄筋、基礎間口梁FFBの長さ方向に伸びる鉄筋、基礎奥行梁FDBの柱Pの内部に入り込む部分は、直角に折り曲げられたり、U字状に折り返されたりする場合もある。
このように柱と梁の内部にそれぞれ含まれる鉄筋を、柱と梁の接合部で立体的に交差等させることを定着と呼ぶが、設計装置200における柱データ、間口梁データ、基礎間口梁データ、奥行梁データ、基礎奥行梁データでは、そのような定着の仕方も規格化しておくことが好ましい。そうすることにより、必要な鉄筋の長さや、鉄筋を配するための工数を見積部226がより正確に判定することが可能となるので、鉄筋コンクリート製躯体を建築する際に必要な費用の見積がより正確になる。
画像制御データが設計装置200から端末100へ送られたときと同様に、設計データと見積データとは、送受信機構からネットワーク400を介して、鉄筋コンクリート製躯体の設計を求めてきたユーザの端末100へと送られる。見積データが生成されてから、設計データと見積データのサーバ200から端末100への送信が速やかに行われるのであれば(設計装置200は通常そのように設計され、これには限られないがこの実施形態でもそうされている。)、指定データを端末100からサーバ200へ送信したユーザは、設計データと見積データとを短時間で入手できることになる。
端末100はその送受信機構で設計データと見積データとを受取る。設計データと見積データとは、送受信機構から、インターフェイス114を経て入力部121へと送られ、更には入力部121から制御部122へと送られる。
制御部122は、設計データと、見積データとを画像生成部123へと送る。
画像生成部123は、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体の画像についての画像データを生成し、その画像データを出力部124へ送る。
画像データは、出力部124からインターフェイス114を経てディスプレイ101に送られる。ディスプレイ101には、その画像データに基づいた画像、つまり、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体の画像を含む画像が表示されることになる。
その画像には、見積データに基づくその鉄筋コンクリート製躯体を建築した場合に必要となる金額が、鉄筋コンクリート製躯体の画像と同時に表示されていても良い。そのような表示をディスプレイ101に行わせるのであれば、そのような表示をディスプレイ101に行わせるための画像を画像生成部123が、設計データと見積データとに基づいて生成すればよい。
もちろん、見積の金額は鉄筋コンクリート製躯体の画像と同時にディスプレイ101に表示される必要はない。例えば、入力装置102を操作してユーザが画像の切り替えを行うための入力を行った場合に、制御部122の制御下で、ディスプレイ101に表示される画像が、鉄筋コンクリート製躯体の画像と、見積の金額についての画像とで切り替えられるようになっていても良い。
また、見積データの要否をユーザが選択可能とすることにより、仮にユーザが見積データを必要としない場合には、鉄筋コンクリート製躯体を建築するために必要な費用のディスプレイ101への表示が行われないようにする、といった工夫を行うことも当然に可能である。
制御部122は、また、受取った設計データと見積データとをデータ記録部125に記録する。そうすることで、ユーザは、例えば、端末100の設計装置200へのアクセスが切断された後においても、設計データに基づく鉄筋コンクリート製躯体の画像や、見積データに基づく見積の金額についての画像を、端末100のディスプレイ101に表示させられることになる。
<変形例>
変形例の設計装置について説明する。
変形例の設計装置は、上述の実施形態の設計装置200と略同じものである。
上述の実施形態による設計装置200は、いわゆるクラウド型の装置であったのに対して、変形例による設計装置は、オンプレミス型の装置である点で、両者は異なる。
簡単にいうと、上述の実施形態においては指定データの入力を行うのは設計装置200とは異なるところにある端末100であったが、変形例の設計装置では指定データの入力を行うのは設計装置が備える入力装置である。また、上述の実施形態においては設計データと見積データによる画像が表示されるのは設計装置200とは異なるところにある端末100が備えるディスプレイ101であったが、変形例の設計装置ではその画像が表示されるのは、設計装置が備えるディスプレイである。
つまり、公知、周知技術であるからいずれも図示を省略するが、変形例における設計装置は、入力装置とディスプレイとを備えている。
入力装置は、公知或いは周知のものでよく、テンキー、キーボード、トラックボール、マウス、音声テキスト変換入力装置、タップキー、ディスプレイがタッチパネルである場合のディスプレイとすることができる。
ディスプレイは、設計装置に内蔵されているものでもよく、外付けのディスプレイでも良い。ディスプレイは例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイである。
変形例における設計装置は、上述の実施形態における設計装置200とハードウェアの点では変わらない。
変形例による設計装置は、コンピュータにより構成されている。ただし、設計装置は、サーバで構成されている必要はなく、汎用のパーソナルコンピュータ、例えば、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコンで構成されていても、また、タブレットにより構成されていても良い。
変形例による設計装置は、実施形態で説明した設計装置200と同様に、実施形態で説明した端末100が有していたのと同様のハードウェア、つまり、CPU111、ROM112、RAM113、インターフェイス114、バス116を備えており、実施形態で説明したのと同様の大容量記録装置を備えている。CPU111、ROM112、RAM113、インターフェイス114、バス116、大容量記録装置の構成、機能は実施形態と変形例とで変わりがない。
ただし、上述の実施形態においては、設計装置200のインターフェイスに接続されているのは送受信機構であったが、変形例の設計装置のインターフェイスに接続されいるのは入力装置とディスプレイである。
変形例でも、設計装置の内部におけるROM、大容量記録装置等には、コンピュータを本願発明の設計装置として機能させるためのコンピュータプログラムが記録されている。そのコンピュータプログラムを実行することによって、設計装置200の内部には以下に説明するような機能ブロックが生成される。なお、以下の機能ブロックは、コンピュータを本願発明の設計装置として機能させるためのコンピュータプログラム単体の機能により生成されていても良いが、かかるコンピュータプログラムと、設計装置にインストールされたOSその他のコンピュータプログラムとの協働により生成されても良い。また、上記コンピュータプログラムは、設計装置にプリインストールされたものでもよいが、設計装置にポストインストールされたものでもあってもよい。その場合、上記コンピュータプログラムの設計装置へのインストールは、メモリカード等の所定の記録媒体を介して行なわれても良いし、LAN或いはインターネットなどのネットワークを介して行なわれても構わない。これらの事情は、上述の実施形態の設計装置200の場合と同様である。
設計装置内には、上述の実施形態の場合と同様に、入力部221、制御部222、設計部224、ルールデータ記録部225、見積部226、コストデータ記録部227、出力部228が生成され、更には上述の実施形態の場合にはなかった記録部223が生成される(図20)。
これらのうち制御部222、設計部224、見積部226は、ハードウェアとしては演算装置(これには限られないが、実施形態の説明ではCPU)に相当し、或いは上述のコンピュータプログラムの命令によって情報処理を実行する演算装置の機能によって実現される。
入力部221と出力部228とは、ハードウェアとして見た場合には、インターフェイスに相当し、或いはインターフェイスの機能によって実現される。より具体的には、入力部221と出力部228は、概念としては、インターフェイスとバスとの接続部分に相当する。
ルールデータ記録部225と、コストデータ記録部227と、記録部223は、ハードウェアとしては記録装置、即ちROM、RAM、又は大容量記録装置によって実現される。
変形例の設計装置における入力部221、制御部222、設計部224、ルールデータ記録部225、見積部226、コストデータ記録部227、出力部228の機能は基本的に、上述の実施形態におけるそれらの機能に等しい。
ただし、上述の実施形態において入力部221に入力されるデータは、ユーザが操作する端末100からネットワーク400を介して送られてきて、送受信機構によって受取られたものであった。他方、この変形例では、それらデータは、入力装置から入力されたデータとなる。変形例において入力装置から入力されたそれらデータは、インターフェイスを経て入力部221に入力される。
また、上述の実施形態において出力部228から出力されるデータは、送受信機構に送られるようになっており、送受信機構からネットワーク400を経て端末100に送られるようになっていた。他方、この変形例では、それらデータは、ディスプレイに出力される。
また、上述の実施形態では、制御部222は、ログイン処理を実行するようになっていたが、変形例における制御部222はログイン処理を実行する機能を有しない。オンプレミス型の設計装置ではログイン処理自体が不要であるからである。
また、変形例の設計装置における制御部222は、上述の実施形態の設計装置における制御部222が有していた画像制御データを生成する機能を有しない。その代わり、変形例の制御部222は、ディスプレイに表示させる画像を生成する機能を有している。この点については後述する。
次に、変形例における設計装置の使用方法、及び動作について説明する。
変形例による設計装置を操作するユーザは、これには限られないが施主から鉄筋コンクリート製躯体の設計の依頼を受けた者、例えば、設計事務所に勤務する者である。
ユーザは、コンピュータを設計装置として機能させるための上述のコンピュータプログラムを立ち上げる。
そうすると、制御部222は、画像データを生成する。この画像データは、図7に示したような画像を、設計装置が備えるディスプレイに表示させるための画像データである。
その画像データは、制御部222から出力部228へ送られ、インターフェイスを経てディスプレイに送られる。その結果、ディスプレイには、画像データに基づき、図7に示したような画像が表示される。
図7に示した画像は、ユーザに指定データの入力を促すデータである。
上述の実施形態で説明したように、ユーザは、端末100の入力装置ではなく、設計装置に接続された入力装置によって、指定データの入力を行う。
この場合にも、ユーザは、「間口」という文字513Xの右隣に配された枠513に、設計装置に設計をして欲しい鉄筋コンクリート製躯体の間口に対応する数字を、「奥行」という文字514Xの右隣に配された枠514に、奥行に対応する数字を、「階高」という文字515Xの右隣に配された枠515に階高に対応する数字を、そして、「階数」という文字516Xの右隣に配された枠516に階数に対応する数字をそれぞれ入力する(図7(B))。
ユーザは、枠513~516に正しい数字が入力されたことを確認したら、「送信」と記載されたボタン517を押す。ボタン517はいわゆる決定ボタンとしての性格を持つ。なお、変形例の場合であれば、ボタン517に記載されるべき文字は、「送信」ではなく、例えば「決定」であろう。
ユーザが、枠513~516に数字を入力し、ボタン517を押すと、ユーザが設計装置に設計をしてもらいたい鉄筋コンクリート製躯体の間口と、奥行と、階高と、階数が決定され、それら4つの情報を特定するデータである指定データが生成される。指定データは、入力装置から、インターフェイスを経て入力部221に送られる。指定データは、入力部221から更に制御部222へと送られる。
制御部222は、指定データを、設計部224に送る。
指定データを受付けた設計部224は、指定データに基づいて、鉄筋コンクリート製躯体の設計を開始する。設計を行うとき、設計部224は、ルールデータ記録部225からルールデータを読み込み、ルールデータによって指定されるルールにしたがって、鉄筋コンクリート製躯体の設計を行う。
設計部224が鉄筋コンクリート製躯体の設計を行うために実行する処理は、上述の実施形態で説明した通りである。
その結果、設計部224は設計データを生成する。
設計データは、設計部224から見積部226へ送られる。
見積部226は、設計データを受取ったら、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築する場合に要する費用の見積を行う。
見積部226は、コストデータ記録部227からコストデータを読み出し、そのコストデータを用いて、設計データによって特定される鉄筋コンクリート製躯体を建築する場合に要する費用の見積を行う。
見積部226が鉄筋コンクリート製躯体の建築を行うために必要となる費用を見積るために実行する処理は、上述の実施形態で説明した通りである。
その結果、見積部226は、見積データを生成する。
見積部226は、生成した見積データを、先に受取った設計データとともに制御部222へと送る。
設計データと見積データを受取ったら制御部222は、画像データを生成する。その画像データは、設計装置に接続されたディスプレイに、設計データに基づく画像、つまり、設計された鉄筋コンクリート製躯体の画像を表示するための画像データである。その画像データに見積データに基づく見積の金額の画像が含まれて良いこと、また、鉄筋コンクリート製躯体の画像と見積の金額の画像とをユーザが択一的に選択できるようにしても良いことは、上述の実施形態の場合と変わらない。
制御部222は、生成した画像データをディスプレイに送る。
その結果、ディスプレイには、上述の実施形態では、端末100のディスプレイに表示された画像と同様の画像、つまり、鉄筋コンクリート製躯体の画像と、見積の金額の画像の少なくとも一方が含まれる画像が表示されることになる。
制御部222は、また、受取った設計データと見積データとを記録部223に記録する。
それにより、設計装置を操作するユーザは、時間が経った後でも必要に応じて、記録部223に記録された設計データと見積データとを利用して、設計された鉄筋コンクリート製躯体の画像や、見積の金額の画像をディスプレイにて確認することができるようになる。
設計データや見積データは、例えば、電子メールを用いて設計装置外の外部装置に送信することもできるし、設計装置に着脱可能とされた可搬の記録媒体に記録して外部装置にて利用することもできる。
100 端末
200 設計装置
221 入力部
222 制御部
223 記録部
224 設計部
225 ルールデータ記録部
226 見積部
227 コストデータ記録部
228 出力部
α 矩形範囲
A1 間口線分
B1 奥行線分
B3 補助線分
a 間口区分位置
b 奥行区分位置
P 柱
FB 間口梁
DB 奥行梁
FFB 基礎間口梁
FDB 基礎奥行梁
W 壁
S スラブ

Claims (13)

  1. ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置であって、
    前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、
    前記鉄筋コンクリート製躯体を、
    間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、
    前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、
    前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、
    前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、
    前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、
    を備えているものとすることが記録されているとともに、
    前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、
    規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、
    規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、
    規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、
    規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、
    規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、
    単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、
    単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、
    が記録されており、
    前記入力部からの入力には、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれており、
    前記設計部は、
    前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成するようになっている、
    設計装置。
  2. 前記間口線分は、前記第2長さ以下である、
    請求項1記載の設計装置。
  3. 前記間口線分は、前記第2長さ以上であり、
    前記補助線分で区切られた隣接する2つの空間は、他の住宅を構成するようになっている、
    請求項1記載の設計装置。
  4. 前記入力部から入力される指定データには、2階以上である前記鉄筋コンクリート製躯体の階数を指定する情報が含まれており、
    前記設計部は、
    すべての前記柱の上に、前記第3長さ以下とされ、太さと長さ方向の鉄筋の構成が前記柱と同一とされた新たな柱である延長柱を前記階数を指定する情報で特定される数字よりも1少ない本数だけ、すべての前記柱に対して同数ずつ鉛直方向に延長して接続するように設計するようになっているとともに、
    前記間口梁、前記奥行梁、前記壁、前記スラブとそれぞれ同じ構成の新たな前記間口梁、前記奥行梁、前記壁、前記スラブの組を、延長された1本分の前記柱毎に追加するように設計するようになっている、
    請求項1記載の設計装置。
  5. 前記設計部は、
    前記延長柱の長さを、前記柱の長さに等しくするようになっている、
    請求項4記載の設計装置。
  6. 前記柱データによって特定される前記柱は、前記間口方向の長さよりも奥行方向の長さの方が長い平面視矩形である、
    請求項1記載の設計装置。
  7. 前記間口梁データによって特定される前記間口梁の奥行方向の長さである幅は、前記柱の前記奥行方向の長さに等しくされている、
    請求項6記載の設計装置。
  8. 前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁の前記間口方向の長さである幅は、前記柱の前記間口方向の長さに等しくされている、
    請求項6記載の設計装置。
  9. 前記入力部は、所定のネットワークを経て、前記ユーザが操作するユーザ端末から前記指定データを受付けるようになっているとともに、
    前記ネットワークを経て、前記ユーザ端末へ前記設計データを送信する出力部を備えている、
    請求項1又は4記載の設計装置。
  10. 前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を計算するために必要なデータであるコストデータを記録しているコストデータ記録部を備えているとともに、
    前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を、前記コストデータ記録部に記録されている前記コストデータを用いて見積り、見積り費用についてのデータである見積データを生成する見積部を備えている、
    請求項1又は4記載の設計装置。
  11. 前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を計算するために必要なデータであるコストデータを記録しているコストデータ記録部を備えているとともに、
    前記設計データに基づいて、前記設計データによって特定される前記鉄筋コンクリート製躯体を建設するのに必要な費用を、前記コストデータ記録部に記録されている前記コストデータを用いて見積り、見積り費用についてのデータである見積データを生成する見積部を備えており、
    前記見積データは、前記出力部から前記ネットワークを経て前記ユーザ端末へ送られるようになっている、
    請求項9記載の設計装置。
  12. ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えているとともに
    前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、
    前記鉄筋コンクリート製躯体を、
    間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、
    前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、
    前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、
    前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、
    前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、
    を備えているものとすることが記録されているとともに、
    前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、
    規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、
    規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、
    規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、
    規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、
    規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、
    単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、
    単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、
    が記録されている設計装置、の前記設計部にて実行される鉄筋コンクリート製躯体の設計方法であって、
    前記入力部からの入力として、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれているものを受取る過程、
    前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成する過程、
    を含む
    設計方法。
  13. ユーザが入力装置を用いて行った入力を受付ける入力部、住宅用の鉄筋コンクリート製躯体の設計ルールについてのデータであるルールデータを記録するルールデータ記録部、前記入力部により受付けた入力に基づいて前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータを用いて前記鉄筋コンクリート製躯体の設計を行い、設計された前記鉄筋コンクリート製躯体についてのデータである設計データを生成する設計部を備えている設計装置として、所定のコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記ルールデータ記録部に記録された前記ルールデータには、
    前記鉄筋コンクリート製躯体を、
    間口方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である間口線分と、前記間口線分の一端から前記間口線分と垂直な方向に伸びる所定の長さの仮想の線分である奥行線分とによって規定される平面視矩形の範囲である矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺上の少なくとも両端と、所定の長さである第1長さより長い場合における前記奥行線分に平行な2辺を前記第1長さ以下の長さに均等に区切る前記2辺上の位置である奥行区分位置と、に対として立てられるとともに、所定の長さである第2長さより長い場合における前記間口線分を前記第2長さ以下に均等に区切る前記間口線分上の位置である間口区分位置から前記奥行線分に平行に伸びる前記奥行線分と同じ長さの仮想の線分である補助線分の両端と、前記補助線分上の前記奥行区分位置に対応する位置とに立てられた、所定の長さである第3長さ以下の長さの鉛直な長尺材である複数の柱と、
    前記柱のうち、前記間口線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を、前記間口線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の間口梁、及び前記間口梁のうち地面に接する複数の基礎間口梁と、
    前記柱のうち、前記奥行線分に平行で且つ隣接する位置にあるもの2本のすべての上下の両端部を前記奥行線分と平行な方向で水平に繋ぐ長尺材である複数の奥行梁、及び前記奥行梁のうち地面に接する複数の基礎奥行梁と、
    前記矩形範囲の前記間口線分に平行な2辺上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記間口線分に平行に板状に塞ぐか、又は前記矩形範囲の前記奥行線分に平行な2辺或いは前記補助線分上に位置する前記柱のうち、隣接するもの同士の間を前記奥行線分に平行に塞ぐ板状の複数の壁と、
    前記柱の上下の高さ位置において、2本の前記間口梁と2本の前記奥行梁、又は2本の前記基礎間口梁と2本の前記基礎奥行梁とに囲まれる矩形の空間を水平に塞ぐ板状の複数のスラブと、
    を備えているものとすることが記録されているとともに、
    前記ルールデータ記録部には、前記ルールデータに加えて、前記柱、前記間口梁、前記基礎間口梁、前記奥行梁、及び前記基礎奥行梁のみによって構成されるフレームの構造設計上の強度が十分となるような、前記鉄筋コンクリート製躯体に使用可能なものとして予め規格化された、
    規格化された前記柱の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する柱データ、
    規格化された前記間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する間口梁データ、
    規格化された前記基礎間口梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎間口梁データ、
    規格化された前記奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する奥行梁データ、
    規格化された前記基礎奥行梁の太さと長さ方向の鉄筋の構成を特定する基礎奥行梁データ、
    単位面積あたりの前記壁の構成を特定する壁データ、
    単位面積あたりの前記スラブの構成を特定するスラブデータ、
    が記録されており、
    前記入力部からの入力には、前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さを指定する情報が含まれる指定データが含まれており、
    前記設計部は、
    前記入力部から受付けた前記間口線分の長さと前記奥行線分の長さによって特定される前記矩形範囲を基準として、前記ルールデータ記録部に記録された前記柱データによって特定される前記柱、前記間口梁データによって特定される前記間口梁、前記基礎間口梁データによって特定される前記基礎間口梁、前記奥行梁データによって特定される前記奥行梁、前記基礎奥行梁データによって特定される前記基礎奥行梁、前記壁データによって特定される前記壁、及び前記スラブデータによって特定される前記スラブを組合せて構成される前記鉄筋コンクリート製躯体を特定するデータである設計データを生成するようになっている、
    コンピュータプログラム。
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