JP2022148889A - 建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラム - Google Patents

建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】コストの低減をしやすく、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムを提供する。【解決手段】建物の被災度推定システム1は、取得部132と、推定部133と、を備える。取得部132は、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する。推定部133は、予め構築された学習済みモデルを用いて、入力情報を基に出力情報を推定する。学習済みモデルは、入力情報を入力データとするものであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。【選択図】図1

Description

本開示は、建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムに関する。
特許文献1は、建物被災推定システムおよび方法を開示する。この建物被災推定システムは、建物被災推定装置と、建物の基礎地盤面に設置された地震センサと、建物内の代表ポイントに設置された地震センサから構成される。建物被災推定装置は、建物の既知の建物情報に基づいて、建物の地震による動きを数式化した仮想建物モデルを導出する仮想建物モデル導出部と、地震発生中に地震センサで計測された地動加速度を仮想建物モデルに入力して、仮想建物モデルの地震応答解析を行う地震応答解析部と、地震応答解析の結果を用いて、地震情報と建物の地震による動きを示す動き情報を算出する地震・動き情報算出部と、地震終了後に地震情報と動き情報を用いて、建物の被災度を推定する被災度推定部とを備える。
特許文献1に記載の建物被災推定システムおよび方法にあっては、建物の全ての層に加速度センサを設置する必要がなく、建物の基礎地盤面と建物内の代表ポイントにのみ地震センサを設置すればよい。このため、地震発生後の建物の被災度を従来よりも安価に推定することができるものであった。
特開2016-197013号公報
しかしながら、特許文献1に記載の建物被災推定システムおよび方法にあっては、少なくとも建物内の代表ポイントに地震センサを設置する必要があるため、建物の全ての層に加速度センサを設置する場合と比較すれば安価であるものの、依然としてコストの低減をしにくいという問題があった。
また、地震応答解析部が行う地震応答解析は、具体的には建物剛性の非線形性を考慮した時刻歴応答解析であるため、解析に時間を要するという問題があった。
本開示は、上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、コストの低減をしやすく、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムを提供することを課題とする。
本開示の一態様の建物の被災度推定方法は、取得ステップと、推定ステップと、を備える。前記取得ステップは、地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得するステップである。前記推定ステップは、予め構築された学習済みモデルを用いて、前記入力情報を基に前記出力情報を推定するステップである。前記学習済みモデルは、前記入力情報を入力データとするものであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。
本開示の一態様の建物の被災度推定システムは、取得部と、推定部と、を備える。前記取得部は、地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する。前記推定部は、予め構築された学習済みモデルを用いて、前記入力情報を基に前記出力情報を推定する。前記学習済みモデルは、前記入力情報を入力データとするものであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。
本開示の一態様の建物の被災度学習方法は、取得ステップと、学習ステップと、を備える。前記取得ステップは、地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得するステップである。前記学習ステップは、前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、前記学習済みモデルを機械学習により構築するステップである。
本開示の一態様の建物の被災度学習システムは、取得部と、学習部と、を備える。前記取得部は、地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する。前記学習部は、前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、前記学習済みモデルを機械学習により構築する。
本開示の一態様のプログラムは、1以上のプロセッサに、前記建物の被災度推定方法又は前記建物の被災度学習方法を実行させる。
本開示の一態様の建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムによれば、コストの低減をしやすく、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。
図1は、本開示の一実施形態に係る建物の被災度推定システム及び被災度学習システムのブロック図である。 図2は、同上の実施形態の学習済みモデルにおけるニューラルネットワークの構成図である。 図3は、同上の実施形態における建物の解析モデルの構成図である。 図4は、同上の実施形態における建物の被災度学習方法のフロー図である。 図5は、同上の実施形態のA工法の解析モデルのニューラルネットワークにおける重みW1の絶対値の平均値-ノード関係図である。 図6は、同上の実施形態のB工法の解析モデルのニューラルネットワークにおける重みW1の絶対値の平均値-ノード関係図である。 図7は、同上の実施形態における建物の被災度推定方法のフロー図である。 図8Aは、同上の実施形態のA工法の訓練データを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。図8Bは、同上の実施形態のA工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。 図9Aは、同上の実施形態のB工法の訓練データを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。図9Bは、同上の実施形態のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。 図10Aは、同上の実施形態のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。図10Bは、例1のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。 図11Aは、同上の実施形態のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。図11Bは、例2のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図である。
(概要)
本開示は、建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムについてであって、地震が発生した際に、迅速に建物の被災度を推定することを第一の目的としている。また、本開示は、迅速な建物の被災度の推定を低コストで実現することを第二の目的としている。
地震による人的被害及び建物の被害は以前より大きな問題となっており、昨今、これらの被害を低減すべく様々な取り組みがなされている。人的被害としては、地震発生時及び地震発生直後に、人が転倒したり落下物と衝突して怪我をしたり、建物の損傷に起因する怪我をしたりする被害が挙げられる。また、地震発生時に人的被害が発生しなくても、建物の被害が発生すると、損傷した建物がさらに損傷したり崩壊したりすることによる人的被害が発生する可能性がある。いずれにしても、建物の損傷は、建物の被害であると共に人的被害の原因となるものであり、人的被害及び建物の被害を最小限に止めるためには、建物の損傷度合(被災度)を速やかに把握する必要がある。
このため、住宅メーカをはじめとする一部の企業においては、建物に地震センサを設置して、地震動による建物の振動を直接的に計測することにより、建物の被災度を把握している。しかしながら、このような方法では、建物の被災度を精度良く把握しやすいものの、多数の住戸に地震センサを設置すると共に地震センサからの計測データを送信する環境を整備する必要があり、コストがかかる。また、公的機関等が公表する震度分布から求まる震度のみでは、推定する被災度の精度がよくない。
本開示の建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムにおいては、入力情報として、現実の住戸に設置した多数の地震センサからの地震動の時系列波形の情報を不要とし、代わりに、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を入力情報としている。これにより、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすくなると共に、建物剛性の非線形性を考慮した時刻歴応答解析を行わずに建物の被災度を推定するため、建物の被災度の推定に要する時間を短縮しやすくなる。
(詳細)
以下、本開示の一実施形態に係る建物の被災度推定方法、建物の被災度推定システム、建物の被災度学習方法、建物の被災度学習システム及びプログラムについて、図11Bを参照して詳細に説明する。本実施形態の建物の被災度推定方法は、図1に示す建物の被災度推定システム1により実行され得る。被災度推定システム1は、通信ネットワーク8を介して地震動波形サーバ9と接続可能である。
(1)被災度推定システム
被災度推定システム1は、上述したように、本実施形態の建物の被災度推定方法を実行するためのシステムである。被災度推定システム1は、通信部11と、記憶部12と、処理部13とを備える。被災度推定システム1は、1以上のサーバにより実現され得る。
通信部11は、通信インターフェースである。通信部11は、通信ネットワーク8に接続可能であり、通信ネットワーク8を通じた通信を行う機能を有する。通信部11は、例えば、トランスミッタとレシーバを含む。通信部11は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
記憶部12は、処理部13が利用する情報を記憶するために用いられる。記憶部12は、1以上の記憶装置を含む。記憶装置は、例えば、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
処理部13は、被災度推定システム1の動作を制御する制御回路である。処理部13は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上の(コンピュータ)プログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部13として機能する。プログラムは、ここでは処理部13のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部13は、前処理部131と、取得部132と、推定部133と、提示部134と、を備える。前処理部131と、取得部132と、推定部133と、提示部134とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部13によって実現される機能を示している。
(1-1)前処理部
前処理部131は、被災度推定システム1が実行する被災度推定方法において必要となる入力情報を取得するため、地震動発生時の地表における変位の時系列データ、速度の時系列データ又は加速度の時系列データ(これらを総称して地震動の時系列波形というものとする)を基に、入力情報を求める処理を実行する。
地震動の時系列波形は、通信ネットワーク8を介して地震動波形サーバ9より取得可能である。地震動波形サーバ9としては、例えば、国立研究開発法人防災科学技術研究所が運営するインターネット上のサーバが挙げられ、このサーバから地震動の時系列波形として、「強震観測網(K-NET, KiK-net)」といったデータが取得可能である。「強震観測網(K-NET, KiK-net)」では、全国の多数の観測点におけるデータが取得可能である。
前処理部131は、地震動波形サーバ9より取得した地震動の時系列波形より、被災度推定システム1が実行する被災度推定方法において必要となる入力情報を求める。入力情報は、地震動の最大加速度、所定加速度継続時間およびスペクトル値の情報を含む。
地震動の最大加速度は、いわゆる地表面最大加速度(Peak Ground Acceleration、略してPGAとする)であり、地震動発生時の地表における加速度の最大値の測定値である。PGAは、地震動の時系列波形より求めることができる。
所定加速度継続時間は、地震動の所定の継続時間に占める、PGAに1未満の正数値を乗じてなる所定加速度を超える地震動の加速度が継続する時間である。PGAに乗じる正数値は、本実施形態では0.8である。所定加速度継続時間は、地震動の時系列波形より求めることができる。
スペクトル値は、地震動の加速度の時系列波形の応答スペクトル解析(本実施形態では以下に示すように加速度応答スペクトル解析)により得られる。具体的には、減衰定数を一定とした(本実施形態では5%とした)線形の1質点系せん断モデルに対象の地震動波形を入力して時刻歴応答解析を行うことで最大応答加速度が得られ、1質点系せん断モデルの固有周期を変化させて本解析を繰り返すことで、固有周期と最大応答加速度の関係を示す加速度応答スペクトルが表される。
(1-2)取得部
取得部132は、被災度推定システム1が実行する被災度推定方法において必要となる入力情報を取得する。入力情報は、上述したPGA、所定加速度継続時間および地震動の時系列波形の加速度応答スペクトル解析におけるスペクトル値である。
(1-3)推定部
推定部133は、予め構築された学習済みモデルを用いて、取得部132で取得した入力情報を基に、建物の地震動による被災度に関する出力情報を推定する。本実施形態においては、推定部133は出力情報として、建物の最大変形量の情報を出力する。
学習済みモデルは、入力情報を入力データとするものであって、出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。本実施形態においては、学習済みモデルは、ニューラルネットワークを用いたものである。学習済みモデルは、建物の被災度学習システム2により構築される。被災度学習システム2については後述する。
(1-4)提示部
提示部134は、推定部133により推定された出力情報を提示する。本実施形態では、推定部133により推定された出力情報を、通信ネットワーク8を通じて端末装置7に送ることで、端末装置7の入出力部71にて出力情報を提示可能である。
(2-1)通信ネットワーク
通信ネットワーク8は、インターネットを含み得る。通信ネットワーク8は、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。通信ネットワーク8は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
(2-2)端末装置
端末装置7は、建物の被災度推定システム1からの情報の表示や、例えば被災度推定システム1への安否情報の送信に利用可能である。端末装置7は、入出力部71と、通信部72と、処理部73とを備える。端末装置7は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、又は、携帯端末(スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等)により実現され得る。
入出力部71は、端末装置7を操作するための入力装置を備える。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等を含み得る。また、入出力部71は、情報を表示するための画像表示装置を備える。画像表示装置は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の薄型のディスプレイ装置を含み得る。
通信部72は、通信インターフェースであり、上述した通信部11と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。
処理部73は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。
(3)被災度学習システム
被災度学習システム2は、通信部21と、記憶部22と、処理部23とを備える。被災度学習システム2は、1以上のサーバにより実現され得る。
通信部21は、通信インターフェースであり、上述した通信部11と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。記憶部22は、処理部23が利用する情報を記憶するために用いられるものであり、上述した記憶部12と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。処理部23は、被災度学習システム2の動作を制御する制御回路であり、上述した記憶部12と同様のハードウェア構成を有している。
処理部23は、前処理部231と、取得部232と、学習部233と、提示部234と、を備える。前処理部231と、取得部232と、学習部233と、提示部234とは実体のある構成を示しているわけではなく、処理部23によって実現される機能を示している。
(3-1)前処理部
前処理部231は、被災度学習システム2が実行する被災度学習方法において必要となる教師データとなる入力情報を取得するため、地震動の時系列波形を基に、入力情報を求める処理を実行する。教師データの基となる地震動の時系列波形は、被災度推定システム1と同様に、通信ネットワーク8を介して地震動波形サーバ9より取得可能である。
前処理部231は、地震動波形サーバ9より取得した地震動の時系列波形より、被災度学習システム2が実行する被災度学習方法において必要となる入力情報を求める。入力情報として、被災度推定システム1と同様のPGA、所定加速度継続時間およびスペクトル値の情報を含む。
(3-2)取得部
取得部232は、被災度学習システム2が実行する被災度学習方法において必要となる入力情報を取得する。入力情報は、上述したPGA、所定加速度継続時間およびスペクトル値の情報である。
(3-3)学習部
学習部233は、入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとする学習済みモデルを機械学習により構築する。学習済みモデルは、図2に示すニューラルネットワーク4を用いたものである。本実施形態では、入力データとして、入力層41のノード41000に計測震度のデータを入力し、ノード41001にPGAのデータを入力し、ノード41002に所定加速度継続時間のデータ(正数値は0.8)を入力する。また、入力層41のノード41003~ノード41102に、地震動の加速度応答スペクトル値を入力する。スペクトル値は、ノード41003には周期帯0.0(sec)以上かつ0.1(sec)未満の最大値、ノード41004には周期帯0.1(sec)以上かつ0.2(sec)未満の最大値、・・・ノード41102には周期帯9.9(sec)以上かつ10.0(sec)未満の最大値をそれぞれ入力する。入力層41は、ノード41000~ノード41102の103個のノードを有している。
ニューラルネットワーク4は、中間層42及び中間層43の2層の中間層を有している。中間層42は、ノード4200~ノード4263の64個のノードを有している。中間層43は、ノード4300~ノード4363の64個のノードを有している。出力層44は、1個のノード440を有している。ノード440から出力される出力情報は、建物の最大変形量の情報である。教師データとしての建物の最大変形量は、建物の解析モデルについて、前処理部231で取得した地震動の時系列波形を時刻歴応答解析して得たデータを用いる。建物の解析モデルについては後述する。
(3-4)提示部
図1に示すように、提示部234は、処理部23からの各種の出力結果を提示する。本実施形態では、処理部23からの各種の出力結果を、通信ネットワーク8を通じて端末装置7に送ることで、端末装置7の入出力部71にて出力情報を提示可能である。
(4)建物の解析モデル
図3に示すように、本実施形態では、建物3の解析モデルは、非線形せん断剛性と線形粘性減衰を有するn質点系せん断モデルとする。建物3への外乱入力は地盤30の振動のみとし、地盤30のロッキングバネの影響はないものとする。
図1に示すように、建物3のi(i=1~n)層(階)の質量をmで表わし、i層の層剛性をk、i層の層減衰係数をc、時刻tにおけるi層の絶対加速度をu″(t)で表わすと、i層における時刻tの層せん断力Q(t)は、運動方程式に基づいて下記の[数1]に示す式で表現される。式(1)のu′(t)は時刻tの絶対速度であり、u(t)は時刻tの絶対変位である。
Figure 2022148889000002
時刻tにおけるi層の層間変位D(t)=u(t)-u-1(t)、層間速度D′(t)=u′(t)-u-1′(t)、層間加速度D″(t)=u″(t)-u-1″(t)とおくと、式(1)は下記の[数2]に示す式で表現される。
Figure 2022148889000003
1(すなわちi=1)層の絶対加速度u″(t)、絶対速度u′(t)及び絶対変位u(t)は、地震動の時系列波形より求められる。そして、建物3の解析モデルの時刻歴応答解析により、全ての絶対加速度u″(t)、絶対速度u′(t)及び絶対変位u(t)、全ての層間変位D(t)、層間速度D′(t)及び層間加速度D″、各層の最大変形量が求められる。
本実施形態では、いわゆる異なる工法であるA工法とB工法の2パターンについて、それぞれ建物3の解析モデルを設定している。
(5)動作
(5-1)建物の被災度学習方法
図4に示すように、被災度学習システム2において、まず、前処理ステップが実行される(S1)。ステップS1において、前処理部231により、入力情報を求める処理が実行される。具体的には、ステップS1において、計測震度のデータが取得される。更に、前処理ステップにおいて、地震動の時系列波形が取得されて、PGAのデータ及び所定加速度継続時間のデータが抽出される。更に、ステップS1において、地震動の時系列波形が加速度応答スペクトル解析されて、各周期帯におけるスペクトル値が取得される。
本実施形態では、国立研究開発法人防災科学技術研究所が運営する地震動波形サーバ9より、近年日本で発生した1250の地震動の時系列波形を取得して、被災度の学習を行っている。
次に、取得ステップが実行される(S2)。ステップS2において、取得部232により、入力情報が取得される。
次に、学習ステップが実行される(S3)。ステップS3において、学習部233により、学習済みモデルが構築される。本実施形態では、1250の地震動の時系列波形を基にしたデータのうち、75%にあたる937の地震動の時系列波形を基にしたデータを訓練データとし、25%にあたる313の地震動の時系列波形を基にしたデータを汎化能力の確認に用いるテストデータとした。
次に、提示ステップが実行される(S4)。ステップS4において、提示部234により、ニューラルネットワーク4の重みW1~W3が提示される。
図5に、A工法の解析モデルのニューラルネットワーク4の学習済みモデルにおける重みW1の平均値-ノード関係図を示す。この結果より、ノード41000(計測震度)、ノード41001(PGA)、ノード41002(所定加速度継続時間)、ノード41003(周期帯0.0(sec)以上かつ0.1(sec)未満のスペクトル値)~ノード41007(周期帯0.4(sec)以上かつ0.5(sec)未満のスペクトル値)の値に乗じる重みW1の値が、ノード41008~ノード41102の値に乗じる重みW1の値よりも大きく、ノード41000~ノード41107の値が出力情報に与える影響が大きいことが分かる。
同様に、図6に、B工法の解析モデルのニューラルネットワーク4の学習済みモデルにおける重みW1の平均値-ノード関係図を示す。この結果より、図5と同様に、B工法においても、ノード41008~ノード41102の値に乗じる重みW1の値よりも大きく、ノード41000~ノード41107の値が出力情報に与える影響が大きいことが分かる。
(5-2)建物の被災度推定方法
図7に示すように、被災度推定システム1において、まず、前処理ステップが実行される(S11)。ステップS11において、前処理部131により、入力情報を求める処理が実行される。具体的には、ステップS11において、計測震度のデータが取得される。更に、ステップS11において、地震動の時系列波形が取得されて、PGAのデータ及び所定加速度継続時間のデータが抽出される。更に、ステップS11において、地震動の時系列波形が加速度応答スペクトル解析されて、各周期帯におけるスペクトル値と各周期帯におけるスペクトル値の最大値が取得される。
次に、取得ステップが実行される(S12)。ステップS12において、取得部132により、入力情報が取得される。
次に、推定ステップが実行される(S13)。ステップS13において、推定部133により、学習済みモデルを用いて、被災度の推定が実行される。本実施形態では、937の地震動の時系列波形を基にした訓練データと、313の地震動の時系列波形を基にしたテストデータとについて、推定した。
次に、提示ステップが実行される(S14)。ステップS14において、提示部234により、出力情報として、建物の最大変形量が提示される。
図8Aに、A工法の訓練データを用いた被災度の推定値-正解値(教師データ)の関係図を示し、図8Bに、A工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図を示す。なお、単位は任意単位(a.u.)とする。この結果より、テストデータを用いた被災度の推定値の正解度は、訓練データを用いた被災度の推定値の正解度に比べて遜色なく、被災度推定方法における汎化能力が確認できる。
図9Aに、B工法の訓練データを用いた被災度の推定値-正解値の関係図を示し、図9Bに、B工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図を示す。この結果からも同様に、テストデータを用いた被災度の推定値の正解度は、訓練データを用いた被災度の推定値の正解度に比べて遜色なく、被災度推定方法における汎化能力が確認できる。
(6)本実施形態のまとめ
上述した被災度推定システム1、被災度推定方法、被災度学習システム2、被災度学習方法にあっては、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の加速度応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけですむようにしている。これにより、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。具体的には、時刻歴応答解析を行う場合、解析に要する時間が膨大となっていたところ、推定部133における推定に要する時間は数分ですむ。なお、加速度応答スペクトル解析を行う前処理部131における処理に幾分かの時間を要するが、これを合わせても被災度推定方法に要する時間は時刻歴応答解析を行う場合と比較して10分の1以下ですみ、従来よりも大幅な時間短縮が可能である。
また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減が図られる。
(6-1)例1
図10Aに、同上の実施形態のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図(図9Bと同)を示し、図10Bに、例1のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図を示す。
例1は、入力データとして、所定加速度継続時間のデータを含めない場合の例である。図10Bに示す例1の推定値の正解値に対する一致度は、図10Aに示す本実施形態の推定値の正解値に対する一致度よりも低く、図10Bに示す例1の被災度の推定値の正解度は、図10Aに示す本実施形態の被災度の推定値の正解度に比べて劣っている。このことから、入力データとして所定加速度継続時間のデータを含めることの有効性が確認できる。
(6-2)例2
図11Aに、同上の実施形態のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図(図9Bと同)を示し、図11Bに、例2のB工法のテストデータを用いた被災度の推定値-正解値の関係図を示す。
例2は、入力データとして、周期帯3.0(sec)以上かつ10.0(sec)未満におけるスペクトル値の最大値のデータを含めない場合の例である。すなわち、本実施形態では、入力層41がノード41000~ノード41102の103個のノードを有するのに対して、例2では、入力層41がノード41000~ノード41032の33個のノードのみを有する。
図11Bに示す例2の推定値の正解値に対する一致度は、図11Aに示す本実施形態の推定値の正解値に対する一致度よりも低く、図11Bに示す例2の被災度の推定値の正解度は、図11Aに示す本実施形態の被災度の推定値の正解度に比べて劣っている。このことから、入力データのスペクトル値の周期帯0.0(sec)以上かつ10.0(sec)の範囲とすることの有効性が確認できる。
(7)変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における被災度推定システム1、被災度学習システム2は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における建物の被災度推定方法や被災度学習方法としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field- Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、被災度推定システム1、被災度学習システム2における複数の機能が、1つの筐体内に集約されてもよい。さらに、被災度推定システム1、被災度学習システム2の少なくとも一部の機能、例えば、処理部23の一部の機能がいわゆるクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
地震動の時系列波形として、公的機関が公表する地震動の時系列波形を利用しているが、自ら計測して地震動の時系列波形を取得してもよい。
地震動の時系列波形は、必ずしも通信ネットワーク8を介して取得しなくてもよい。例えば、通信ネットワーク8を介さず、被災度推定システム1が地震動波形サーバ9より直接的に地震動の時系列波形を取得してもよい。また、被災度推定システム1が地震計を直接備えてもよい。
PGAに乗じる正数値は、0.8でなくてもよく、0.9、0.7、0.6、0.5等、適宜に設定可能である。
推定部133からの出力情報は、建物の最大変形量の情報に限定されない。
機械学習のアルゴリズムとしては、教師あり学習のアルゴリズムであるサポートベクトルマシン(Support Vector Machine)等、ニューラルネットワークを用いるもの以外のアルゴリズムを用いてもよい。
建物3の解析モデルは、非線形せん断剛性と線形粘性減衰を有するn質点系せん断モデルに限定されない。
推定部133における推定に用いられる入力情報は、計測震度の情報を含むことが好ましい。これにより、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
推定部133において推定される出力情報は、複数の層についての最大変形量の情報を含むことが好ましい。これにより、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
推定部133において推定される出力情報は、最大層間変形量の情報を含むことが好ましい。これにより、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
推定部133において推定される出力情報は、建物の累積塑性変形量の情報を含むことが好ましい。これにより、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
推定部133において推定される出力情報は、被災ランクの情報を含むことが好ましい。これにより、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
応答スペクトル解析としては、加速度応答スペクトル解析の他に、速度応答スペクトル解析、変位応答スペクトル解析等が挙げられるが、応答スペクトル解析としてはこれらのうち任意のものが採用可能であって、応答スペクトル解析は特に限定されない。
(8)態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。
第1の態様は、建物の被災度推定方法であって、取得ステップと、推定ステップと、を備える。取得ステップは、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得するステップである。推定ステップは、予め構築された学習済みモデルを用いて、入力情報を基に出力情報を推定するステップである。学習済みモデルは、入力情報を入力データとするものであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。この態様によれば、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけである。このため、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすい。
第2の態様は、第1の態様に基づく建物の被災度推定方法である。第2の態様では、入力情報は、所定加速度継続時間の情報を含む。所定加速度継続時間は、地震動の所定の継続時間に占める、地震動の最大加速度に1未満の正数値を乗じてなる所定加速度を超える地震動の加速度が継続する時間である。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく建物の被災度推定方法である。第3の態様では、入力情報は、計測震度の情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第4の態様は、第1~第3のいずれかの態様に基づく建物の被災度推定方法である。第4の態様では、出力情報は、建物の最大変形量の情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第5の態様は、第4の態様に基づく建物の被災度推定方法である。第5の態様では、建物は、複数の層を備える。出力情報は、複数の層についての最大変形量の情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第6の態様は、第1~第5のいずれかの態様に基づく建物の被災度推定方法である。第6の態様では、建物は、複数の層を備える。出力情報は、最大層間変形量の情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第7の態様は、第1~第6のいずれかの態様に基づく建物の被災度推定方法である。第7の態様では、出力情報は、建物の累積塑性変形量の情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第8の態様は、第1~第7のいずれかの態様に基づく建物の被災度推定方法である。第8の態様では、出力情報は、被災ランクの情報を含む。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第9の態様は、第1~第8のいずれかの態様に基づく建物の被災度推定方法である。第9の態様では、学習済みモデルは、ニューラルネットワーク4を用いたものである。この態様によれば、建物の被災度の推定の精度を高めやすくなる。
第10の態様は、建物の被災度推定システム1であって、取得部132と、推定部133と、を備える。取得部132は、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する。推定部133は、予め構築された学習済みモデルを用いて、入力情報を基に出力情報を推定する。学習済みモデルは、入力情報を入力データとするものであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして、機械学習により構築される。この態様によれば、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけである。このため、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすい。
第11の態様は、建物の被災度学習方法であって、取得ステップと、学習ステップと、を備える。取得ステップは、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得するステップである。学習ステップは、入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとする学習済みモデルを機械学習により構築するステップである。この態様によれば、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけである。このため、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすい。
第12の態様は、建物の被災度学習システム2であって、取得部232と、学習部233と、を備える。取得部232は、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する。学習部233は、入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の地震動による被災度に関する出力情報を教師データとする学習済みモデルを機械学習により構築する。この態様によれば、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけである。このため、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすい。
第13の態様は、プログラムであって、第1~第9の態様のいずれかの態様の建物の被災度推定方法又は第11の態様の建物の被災度学習方法を、1以上のプロセッサに実行させる。この態様によれば、入力情報として、地震動の時系列波形の情報を不要とし、学習済みモデルを用いることにより、地震動の最大加速度および地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を要するだけである。このため、従来のような時刻歴応答解析を行う必要がなくなり、被災度の推定に要する時間を短縮しやすい。また、建物に地震センサを全く又はほとんど設置する必要がなくなり、コストの低減をしやすい。
1 被災度推定システム
132 取得部
133 推定部
2 被災度学習システム
232 取得部
233 学習部
3 建物
4 ニューラルネットワーク

Claims (13)

  1. 地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する取得ステップと、
    前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして機械学習により予め構築された前記学習済みモデルを用いて、前記入力情報を基に前記出力情報を推定する推定ステップと、を備える、
    建物の被災度推定方法。
  2. 前記入力情報は、所定加速度継続時間の情報を含み、
    前記所定加速度継続時間は、前記地震動の所定の継続時間に占める、前記地震動の最大加速度に1未満の正数値を乗じてなる所定加速度を超える前記地震動の加速度が継続する時間である、
    請求項1記載の建物の被災度推定方法。
  3. 前記入力情報は、計測震度の情報を含む、
    請求項1又は2記載の建物の被災度推定方法。
  4. 前記出力情報は、前記建物の最大変形量の情報を含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法。
  5. 前記建物は、複数の層を備え、
    前記出力情報は、複数の前記層についての前記最大変形量の情報を含む、
    請求項4に記載の建物の被災度推定方法。
  6. 前記建物は、複数の層を備え、
    前記出力情報は、最大層間変形量の情報を含む、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法。
  7. 前記出力情報は、前記建物の累積塑性変形量の情報を含む、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法。
  8. 前記出力情報は、被災ランクの情報を含む、
    請求項1~7のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法。
  9. 前記学習済みモデルは、ニューラルネットワークを用いたものである、
    請求項1~8のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法。
  10. 地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する取得部と、
    前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとして機械学習により予め構築された前記学習済みモデルを用いて、前記入力情報を基に前記出力情報を推定する推定部と、を備える、
    建物の被災度推定システム。
  11. 地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する取得ステップと、
    前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとする前記学習済みモデルを機械学習により構築する学習ステップと、を備える、
    建物の被災度学習方法。
  12. 地震動の最大加速度および前記地震動の時系列波形の応答スペクトル解析におけるスペクトル値の情報を含む入力情報を取得する取得部と、
    前記入力情報を入力データとする学習済みモデルであって、建物の前記地震動による被災度に関する出力情報を教師データとする前記学習済みモデルを機械学習により構築する学習部と、を備える、
    建物の被災度学習システム。
  13. 1以上のプロセッサに、
    請求項1~9のいずれか一項に記載の建物の被災度推定方法又は請求項11に記載の建物の被災度学習方法を実行させる、
    プログラム。
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