JP2009156743A - 感震器、緊急遮断システム及び緊急遮断システムの使用方法 - Google Patents

感震器、緊急遮断システム及び緊急遮断システムの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出対象とする構造物毎、或いは、構造物が建てられている地盤毎の固有振動周期に応じたSI値を検出可能な感震器を提供する。
【解決手段】感震器50が、地震動を検出するセンサ部51、52と、センサ部51、52で検出された地震動に基づく速度応答スペクトルについての設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算するSI値演算部59と、SI値を演算するための設定周期範囲を、入力手段62を用いて入力された値に基づいて設定する周期範囲設定手段58と、を備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、地震動を検出してそのSI値を演算する感震器、並びに、感震器からの遮断信号に応じて構造物の内部におけるユーティリティの流通を遮断する緊急遮断システム及びその使用方法に関する。
計測された地震動の最大加速度、加速度波形に重み付けした計測震度、SI値(速度応答スペクトルの周期0.1秒〜2.5秒までの積分値の平均値)などを演算する感震器がある。ビルなどの構造物に感震器を設ける目的の一つは、例えば、感震器が大きな揺れを検出したときに、構造物内に設置されているガス管へのガスの流通を遮断する遮断弁を作動させる緊急遮断システムを構築することにある。特許文献1に記載の感震器は、速度応答スペクトルの積分範囲を短周期側(例えば、周期0.1秒〜2.5秒)に設定したSI値を導出している。このような感震器は全国各地の構造物に設置されており、その結果、全国各地で地震動が同様の基準で検出されることになる。また、公的機関から感震器の種類や設置場所が指定されることもあり、その場合には公的機関の要求に従う必要がある。
特開2007−33428号公報
但し、近年増加傾向にある超高層建物、大型橋や巨大タンクなどの巨大構造物は、従来からある建物と異なり、固有振動周期が長いものが多く、長周期の地震動に対して共振現象を起こし、加速度の割には非常に大きく揺れることになる。ところが、特許文献1に記載のような、速度応答スペクトルの積分範囲を短周期側(例えば、周期0.1秒〜2.5秒)に設定したSI値では長周期の地震動を適切に測定できない。
また、検出対象とする構造物には固有の構造物固有振動周期があり、構造物が建てられている地盤にも固有の地盤固有振動周期がある。但し、検出対象とする構造物毎に上記構造物固有振動周期は様々であり、構造物が建てられている地盤毎に地盤固有振動周期は様々である。そのため、構造物に発生する長周期の大きな揺れを検出するためには、SI値を演算する際の速度応答スペクトルの積分範囲の中に上記構造物固有振動周期又は上記地盤固有振動周期が含まれていることが必要である。
ところが、従来の感震器では、SI値を演算する際の速度応答スペクトルの積分範囲が固定されているため、その積分範囲が、検出対象とする構造物毎、或いは、構造物が建てられている地盤毎に異なっている固有振動周期を含んだものとならない可能性がある。よって、従来の感震器では、検出対象とする構造物毎、或いは、構造物が建てられている地盤毎の固有振動周期に応じたSI値を検出できないという問題がある。
ところで、SI値を演算するにあたって速度応答スペクトルの積分範囲が周期の長い方に拡大されて設定されていれば、長周期SI値と呼ばれる指標を得ることは可能である。例えば、長周期SI値を演算するには、速度応答スペクトルの積分範囲が長周期側(例えば、周期2.5秒〜10秒など)に長く設定されていればよい。つまり、短周期側から長周期側にまで広い範囲(例えば、周期0.1秒〜10秒など)で速度応答スペクトルの積分を行うような汎用の感震器であれば、従来から行われていた短周期側の地震動に加えて長周期側の地震動について考慮したSI値を得ることもできる。
しかしながら、その場合には、短周期側の地震動に加えて長周期側の地震動について考慮した幅広い地震動の周期範囲におけるSI値が演算されることになるため、短周期地震動から長周期地震動まで含む様々な周期の地震動の大きさが合わせて検出される。但し、SI値を演算するとき、その演算ロジックには平均化処理が含まれているため、幅広い周期範囲の中の特定の周期範囲に速度応答スペクトルのピークが存在していたとしても、即ち、特定の周期範囲の地震動に対して地盤や構造物が大きく揺れていたとしても、その揺れの大きさが平均化されることで、演算されたSI値にそのピークの存在が明確に現れ難いという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検出対象とする構造物毎、或いは、構造物が建てられている地盤毎の固有振動周期に応じたSI値を検出可能な感震器及びその感震器を用いた緊急遮断システムを提供する点にある。更に他の目的は、特定の周期範囲の地震動のみを選択的に検出しつつ、それ以外の地震動についても検出して、ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるか否かの判定を行える緊急遮断システム及びその使用方法を提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る感震器の特徴構成は、地震動を検出するセンサ部と、
前記センサ部で検出された地震動に基づく速度応答スペクトルについての設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算するSI値演算部と、
前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を、入力手段を用いて入力された値に基づいて設定する周期範囲設定手段と、を備える点にある。
上記特徴構成によれば、周期範囲設定手段によって、SI値を演算するための上記設定周期範囲を変更することができる。つまり、検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期又はその構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期が上記設定周期範囲に含まれるように設定できる。その結果、検出対象とする構造物毎、或いは、構造物が建てられている地盤毎の固有振動周期に応じたSI値を検出できる。
本発明に係る感震器の別の特徴構成は、前記入力手段は、検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値の入力を受け付けるように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値が、上記設定周期範囲に含まれるので、構造物における長周期の揺れを確実に検出できる。更に、上記設定周期範囲を狭くすれば、構造物の挙動若しくは地盤の挙動を感度良く代表できるSI値を得ることができる。
本発明に係る感震器の別の特徴構成は、前記SI値演算部で演算された前記SI値が設定閾値を超えた場合に、前記センサ部が検出対象とする構造物の内部におけるユーティリティの流通を遮断可能なユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための遮断信号を生成する遮断信号生成手段を備える点にある。
上記特徴構成によれば、感震器で生成された遮断信号に基づいてユーティリティ遮断手段を遮断作動させることができる。その結果、大きな揺れを伴う地震動があったときには、その揺れに応じて即座にユーティリティの流通を遮断できる。
上記目的を達成するための本発明に係る緊急遮断システムの特徴構成は、上記感震器と、
前記ユーティリティ遮断手段と、
前記感震器から前記遮断信号を受け入れる遮断信号受入手段を有し、受け入れた前記遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する遮断信号処理手段とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、感震器がユーティリティ遮断手段を遮断作動させるか否かの判定を行い、遮断信号処理手段が、感震器からの遮断信号に基づいてユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力することになる。その結果、周期範囲設定手段で設定された設定周期範囲の地震動を選択的に検出して、ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるか否かの判定を行える緊急遮断システムを提供できる。
上記目的を達成するための本発明に係る緊急遮断システムの特徴構成は、構造物の内部におけるユーティリティの流通を遮断可能なユーティリティ遮断手段と、
前記構造物に設けられ、地震動を検出して、当該地震動に基づいて前記ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための第1遮断信号を生成する第1感震器と、
前記構造物に設けられ、地震動を検出して、当該地震動に基づく速度応答スペクトルについての任意に設定可能な設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算し、当該SI値が第2閾値を超えた場合に、前記ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための第2遮断信号を生成する第2感震器と、
前記第1遮断信号及び前記第2遮断信号を受け入れる遮断信号受入手段を有し、前記第1遮断信号及び前記第2遮断信号のうち、当該遮断信号受入手段が早く受け入れた方の遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する基準動作モードで動作可能な遮断信号処理手段とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、第1感震器と第2感震器とが互いに独立してユーティリティ遮断手段を遮断作動させるか否かの判定を行い、遮断信号処理手段が、第1感震器からの第1遮断信号及び第2感震器からの第2遮断信号のうち、早く受け入れた方の遮断信号に基づいてユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力することになる。つまり、第1感震器と第2感震器とが互いに独立した判定基準を用いた場合には、例えば、第1感震器を用いて地震による様々な形態の揺れを検出し、及び、第2感震器を用いて地震による特定の揺れをSI値に基づいて選択的に検出することが可能となる。
特に、SI値によって地震の揺れを検出するにあたり、様々な形態の揺れを検出しようとすると、幅広い周期範囲の速度応答スペクトルを積分する必要がある。但し、SI値を演算するとき、その演算ロジックには平均化処理が含まれているため、幅広い周期範囲の中の特定の周期範囲に速度応答スペクトルのピークが存在していたとしても、即ち、特定の周期範囲の地震動に対して地盤や構造物が大きく揺れていたとしても、その揺れの大きさが平均化されることで、演算されたSI値にそのピークの存在が明確に現れ難いという問題がある。
ところが本特徴構成によれば、第2感震器が、幅広い周期範囲の中の特定の設定周期範囲の地震動の大きさをSI値から選択的に検出するようにできる。よって、第1感震器と第2感震器とを併用することで、上述したように、汎用の第1感震器を用いて地震による様々な形態の揺れを検出し、及び、第2感震器を用いて地震による特定の揺れをSI値に基づいて検出することが可能となる。
従って、特定の設定周期範囲の地震動のみを選択的に検出しつつ、それ以外の地震動についても検出して、ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるか否かの判定を行える緊急遮断システムを提供できる。
本発明に係る緊急遮断システムの別の特徴構成は、前記遮断信号処理手段が前記第2感震器に備えられるとともに、当該遮断信号処理手段が、前記基準動作モードと、
前記第1遮断信号を受け入れて、当該第1遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する第1動作モードと、
前記第2遮断信号を受け入れて、当該第2遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する第2動作モードと、の何れかの動作モードに切換動作可能に構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力するか否かを、第1遮断信号及び第2遮断信号の両方を用いて判定する基準モードと、第1遮断信号のみを用いて判定する第1動作モードと、第2遮断信号のみを用いて判定する第2動作モードとが切換可能である。つまり、緊急遮断システムを第1動作モードで動作させることで、第1感震器の検出結果に従ってユーティリティ遮断手段を遮断作動させることができ、第2動作モードで動作させることで、第2感震器の検出結果に従ってユーティリティ遮断手段を遮断作動させることができ、基準動作モードで動作させることで、第1感震器及び第2感震器の両方の検出結果に従ってユーティリティ遮断手段を遮断作動させることができる。
本発明に係る緊急遮断システムの別の特徴構成は、検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む上限値及び下限値の入力を受け付ける入力手段と、
前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を、入力される前記上限値及び前記下限値とに基づいて設定する周期範囲設定手段とを備える点にある。
上記特徴構成によれば、第2感震器においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、入力される上限値及び下限値に基づいて設定される。つまり、構造物又は地盤の揺れが最も大きくなるような周期(構造物固有振動周期又は地盤固有振動周期)を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
上記目的を達成するための本発明に係る緊急遮断システムの使用方法の特徴構成は、前記第2感震器を、前記構造物に与えられる長周期地震動を検出可能な位置に取り付けてある点にある。
上記特徴構成によれば、第2感震器が、幅広い設定周期範囲の中の特定の長周期地震動をSI値から検出できる。
本発明に係る緊急遮断システムの使用方法の別の特徴構成は、前記第1感震器を、地震動に対する前記構造物の加速度が最大となる位置に取り付けてある点にある。
上記特徴構成によれば、第1感震器が、構造物の揺れが最も大きく現れる位置で、構造物の揺れを検出できる。
本発明に係る緊急遮断システムの使用方法の別の特徴構成は、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
前記構造物に固有の構造物固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する点にある。
上記特徴構成によれば、第2感震器においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物に固有の構造物固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、構造物の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
本発明に係る緊急遮断システムの使用方法の別の特徴構成は、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する点にある。
上記特徴構成によれば、第2感震器においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、地盤の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
本発明に係る緊急遮断システムの使用方法の別の特徴構成は、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
前記構造物に固有の構造物固有振動周期の値を間に含み、且つ、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する点にある。
上記特徴構成によれば、第2感震器においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物に固有の構造物固有振動周期を含み、且つ、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、構造物及び地盤の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
<第1実施形態>
以下に図面を参照して第1実施形態の緊急遮断システム及びその使用方法について説明する。
図1は、緊急遮断システムが構造物に設置された状態を説明する図である。図2は、緊急遮断システムの機能ブロック図である。図1及び図2に示すように、緊急遮断システム100は、地盤2に建てられた構造物1に設置されている。構造物1としては、図示したようなビル、ガスを貯蔵するガスホルダ、原油を貯蔵する原油タンクなど様々なものがある。これら構造物1には、ガス、電気、水道などのユーティリティが供給されており、大きな地震が発生したときに、構造物1の内部におけるユーティリティの供給を遮断可能なユーティリティ遮断手段が設けられている。図1に示した例では、ガス管4を介したガスの供給を遮断するための遮断弁3がユーティリティ遮断手段の一例として設けられている。遮断弁3は、後述するように、第1感震器10及び第2感震器30から出力される遮断信号に応じて遮断作動する。また、緊急遮断システム100は、地震を検出するための第1感震器10及び第2感震器30を備える。
本実施形態では、第1感震器10が、構造物1の揺れが最も大きく現れる位置で構造物1の揺れを検出可能であるように、第1感震器10を、地震動に対する構造物1の加速度が最大となる位置(本実施形態では、構造物1の2階部分)に取り付けてある。尚、どの階の加速度が最大となるかは構造物1の設計情報から知ることができるため、他の階の加速度が最大となるような構造物1では、その階に第1感震器10を取り付ければよい。
また、第2感震器30が、特定の長周期に限定してその地震動の大きさを良好に検出可能であるように、第2感震器30を、構造物1に与えられる長周期地震動を検出可能な位置(本実施形態では地下階)に取り付けてある。第2感震器30は、地盤2の地震動を正確に検出できればよいので、構造物1の1階部分や地盤2に直接第2感震器30を取り付けてもよい。
第1感震器10は、地震動を検出して、その地震動に基づいて遮断弁3を遮断作動させるための第1遮断信号を生成する。
第1感震器10は、冗長性を持たせるため、同一構成の2つのセンサ部11、12を備える。各センサ部11、12は、X方向センサ11a、12aとY方向センサ11b、12bとを備え、X方向の地震動とY方向の地震動とを検出可能に構成されている。これらセンサ部11、12を構成するX方向センサ11a、12a及びY方向センサ11b、12bは、地震動の加速度を測定する加速度センサである。例えば、X方向センサ11a、12a及びY方向センサ11b、12bは、圧電式センサ、サーボ式センサ、ひずみ計式センサおよび静電容量式センサなどである。
また、第1感震器10は、ハイパスフィルタ13、ローパスフィルタ14、アナログ/デジタル(AD)変換部15、3つのフィルタ16a、16b、16c、及び、演算制御部17を備える。ハイパスフィルタ13は、X方向センサ11a、12a及びY方向センサ11b、12bから受け取った信号のうち、周波数の低い信号成分、たとえば0.01Hz以下の信号成分を遮断する機能を有する。ローパスフィルタ14は、ハイパスフィルタ13を通過した信号成分のうち、衝撃波などに基づく周波数の高い信号成分、たとえば30Hz以上の信号成分を遮断する機能を有する。AD変換部15は、ローパスフィルタ14を通過した信号成分をアナログ信号からデジタル信号に変換する機能を有する。3つのフィルタ16a、16b、16cは、AD変換後の信号に含まれるノイズ成分を除去する機能を有する。
演算制御部17は、SI値演算部19、加速度演算部20、速度演算部21、及び、制御部18を有する。また、第1感震器10は、操作入力部22、記憶部23、表示部24、及び、警報部25を備え、それらは演算制御部17に接続される。
SI値演算部19は、フィルタ16aから受け取った信号に基づいて、SI値を演算する機能を有する。具体的には、SI値演算部19は、地震動に基づく速度応答スペクトルについての任意に設定可能な設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を、下記数1に示される数式を用いて演算する。下記数1において、αは設定周期範囲の下限値であり、βは設定周期範囲の上限値であり、Svは速度応答スペクトルであり、τは周期である。
第1感震器10では、幅広い周期の地震動を検出することが好ましい。例えば、設定周期範囲は0.1秒から10秒の値に設定される。つまり、α=0.1、β=10に設定される。
Figure 2009156743
加速度演算部20は、フィルタ16bから受け取った信号に基づいて、地震動の加速度を演算する機能を有する。具体的には、加速度演算部20は、センサ部11、12が有するX方向センサ11a、12a及びY方向センサ11b、12bによって検出されたX方向成分の加速度及びY方向成分の加速度をベクトル合成した加速度を演算する。
速度演算部21は、フィルタ16cから受け取った信号に基づいて、地震動の速度を演算する機能を有する。具体的には、速度演算部21は、センサ部11、12が有するX方向センサ11a、12a及びY方向センサ11b、12bによって検出されたX方向成分の加速度及びY方向成分の加速度をベクトル合成した加速度を演算し、その加速度を積分して速度を演算する。
制御部18は、記憶部23に対して、SI値演算部19、加速度演算部20及び速度演算部21において演算されるSI値、加速度及び速度を記憶させると共に、SI値、加速度及び速度のそれぞれについての設定閾値を記憶させる。これらの設定閾値は、SI値、加速度及び速度のそれぞれについて一つだけとは限らず、大きさの異なる複数の段階の閾値であってもよい。そして、制御部18は、SI値演算部19、加速度演算部20及び速度演算部21において演算されるSI値、加速度及び速度と、上記設定閾値とを比較して、上記設定閾値を上回っている場合には警報を発する。
また、制御部18は、その警報を発すると共に、遮断弁3を遮断作動させるための第1遮断信号を生成して第2感震器30へ出力する。
操作入力部22は、第1感震器10の使用者が操作するものであり、電源スイッチ及び設定手段などで構成される。設定手段は、上記SI値、加速度及び速度のそれぞれについての上記設定閾値を指定するときに操作される。表示部24は、電源スイッチがオン又はオフであること、及び、演算された加速度、速度、SI値などの値を表示してもよい。警報部25は、使用者に対して警報を発する機能を有する。例えば、警報部25は、光や音によって警報を発する。
第2感震器30は、地震動を検出して、その地震動に基づく速度応答スペクトルについての任意に設定可能な設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算し、そのSI値が第2閾値を超えた場合に、遮断弁3を遮断作動させるための第2遮断信号を生成する。第2感震器30は、2つのセンサ部31(31a、31b)、32(32a、32b)、ハイパスフィルタ33、ローパスフィルタ34、アナログ/デジタル(AD)変換部35、フィルタ36、及び、演算制御部37を備える。また、第2感震器30は、操作入力部42、記憶部43、表示部44、及び、警報部45を備え、それらは演算制御部37に接続される。更に、第2感震器30は、遮断信号処理部(本発明の遮断信号処理手段の一例)46とそれに接続される操作入力部42とを備える。第2感震器30は、演算制御部37の構成が第1感震器10の演算制御部17と異なっており、及び、遮断信号処理部46及び操作入力部48を備えている点で第1感震器10と異なっている。つまり、第2感震器30が備える2つのセンサ部31、32、ハイパスフィルタ33、ローパスフィルタ34、AD変換部35、操作入力部42、記憶部43、表示部44、及び、警報部45の構成は、第1感震器10が備える2つのセンサ部11、12、ハイパスフィルタ13、ローパスフィルタ14、AD変換器15、操作入力部22、記憶部23、表示部24、及び、警報部25の構成の構成と同様であるため、それらの説明を省略する。
第2感震器30の演算制御部37はSI値演算部39及び制御部38を有する。このSI値演算部39の構成は、第1感震器10の演算制御部17が有するSI値演算部39の構成と同様であり、地震動に基づく速度応答スペクトルについての任意に設定可能な設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を、上記数1に示される数式を用いて演算する。
制御部38は、記憶部43に対して、SI値演算部39において演算されるSI値を記憶させると共に、SI値についての第2閾値を記憶させる。この第2閾値は、SI値について一つだけとは限らず、大きさの異なる複数の段階の閾値であってもよい。そして、制御部38は、SI値演算部39において演算されるSI値と、上記第2閾値とを比較して、そのSI値が第2閾値を超えた場合に警報を発する。
また、制御部38は、その警報を発すると共に、遮断弁3を遮断作動させるための第2遮断信号を生成して遮断信号処理部46へ出力する。
第2感震器30が備える遮断信号処理部46は、第1感震器10で生成された第1遮断信号を受け入れ、及び、第2感震器30で生成された第2遮断信号を受け入れる遮断信号受入部(本発明の遮断信号受入手段の一例)47を有する。遮断信号処理部46は、遮断信号受入部47が時間的に早く受け入れた方の遮断信号に基づいて、遮断弁3に対する遮断作動指令を出力する基準動作モードで動作可能である。
但し、第2感震器30は操作入力部48を備え、その操作入力手段48を第2感震器30の使用者が操作して、遮断信号処理部46の動作モード設定を行うことができる。具体的には、操作入力部48は、遮断信号処理部46の動作モードを、基準動作モードと第1動作モードと第2動作モードの3状態で切換可能に構成されている。第1動作モードは、第1遮断信号を受け入れて、その第1遮断信号に基づいて遮断弁3に対する遮断作動指令を出力する動作モードあり、第2遮断信号に基づく遮断作動を行わない。また、第2動作モードは、第2遮断信号を受け入れて、その第2遮断信号に基づいて遮断弁3に対する遮断作動指令を出力する動作モードであり、第1遮断信号に基づく遮断作動を行わない。
第2感震器30では、長周期の地震動を選択的に検出することが好ましい。従って、SI値を演算するための設定周期範囲も長周期側の範囲に限定して設定することが好ましい。長周期地震動を選択的に検出するような設定周期範囲を設定するためには、構造物1又は地盤2がどのような周期の地震動に対して共振するのかを事前に知っておく必要がある。つまり、構造物1に固有の構造物固有振動周期の値、及び、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期の値を事前に知っておく必要がある。構造物1に固有の構造物固有振動周期は構造物1の設計情報から知ることができる。地盤固有振動周期は、例えば、模擬地震動を用いて地盤2の速度応答スペクトルを測定することで知ることができる。或いは、既知の地質情報から、地盤固有振動周期を知ることもできる。
例えば、図3〜図5は、地震動の周期と地盤2における地震動の速度応答スペクトルとの関係を示すグラフである。図3は、地震動の周期が約4.5秒であるときに地盤2における地震動の速度応答スペクトルが極大となるような地盤2の特性を示し、図4は、地震動の周期が約7秒であるときに速度応答スペクトルが極大となるような地盤2の特性を示し、図5は、地震動の周期が約3秒であるときに速度応答スペクトルが極大となるような地盤2の特性を示す。ここで、地盤2における地震動の速度応答スペクトルが極大となるときの地震動の周期が、地盤2に固有の地盤固有振動周期となる。
よって、第2感震器30の操作入力部42には、構造物固有振動周期の値又は地盤固有振動周期の値を知っている使用者から、それらの値(T0)を間に含む上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)が入力される。そして、制御部38は、SI値を演算するための設定周期範囲ΔTを、入力される上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)に基づいて設定する。以上のように、制御部38は、本発明の周期範囲設定手段の機能を実現可能であり、操作入力部42は、本発明の入力手段の機能を実現可能である。
本実施形態において、上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)は、使用者が操作入力部42を用いて適当に設定可能である。具体的には、構造物1に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期の値(T0)の前後に所定の周期幅ΔT1、ΔT2を設けた上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)を設定できる。この所定の周期幅ΔT1、ΔT2は適宜変更可能である。例えば、使用者は、速度応答スペクトルのピークの周期(即ち、固有振動周期)を含む狭い周期範囲におけるSI値を演算する場合には、ΔT1、ΔT2が小さい値(例えば、0.5秒)となるように上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)を設定することが好ましい。他方で、固有振動周期を含む広い周期範囲におけるSI値を演算する場合には、ΔT1、ΔT2がそれよりも大きい値(例えば、1秒〜2秒など)となるように上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)を設定することが好ましい。図3では、設定周期範囲ΔTが3.5秒〜5.5秒の間となるように、上限値(Tmax)が3.5秒及び下限値(Tmin)が5.5秒に設定されている。そして、上記数1に示された数式において、α=3.5、β=5.5としてSI値の演算が行われる。この場合、ΔT1及びΔT2はそれぞれ1秒である。また、図4及び図5に示す例では、設定周期範囲ΔTが5秒〜9秒の間、及び、1秒〜5秒の間となるように上限値(Tmax)及び下限値(Tmin)がそれぞれ設定されている。この場合、ΔT1及びΔT2はそれぞれ2秒である。
以上のように、緊急遮断システム100を使用するとき、使用者は、第2感震器30においてSI値を演算するための設定周期範囲を設定するに、構造物1に固有の構造物固有振動周期の値を間に含む上記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定すればよい。これにより、第2感震器30においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物1に固有の構造物固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、第2感震器30が、構造物1の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
或いは、第2感震器30においてSI値を演算するための設定周期範囲を設定するに、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む上記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定してもよい。これにより、第2感震器30においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、第2感震器30が、地盤2の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動についてのSI値を演算できる。
また或いは、第2感震器30の使用者は、第2感震器30においてSI値を演算するための設定周期範囲を設定するに、構造物1に固有の構造物固有振動周期を含み、且つ、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期を含む上記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定してもよい。これにより、第2感震器30においてSI値を演算するときの速度応答スペクトルの積分範囲(即ち、上記設定周期範囲)が、構造物1に固有の構造物固有振動周期を含み、且つ、前記構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期を含む設定周期範囲に設定される。つまり、第2感震器30が、構造物1及び地盤2の揺れが最も大きくなるような周期を含んだ設定周期範囲の地震動を検出できる。
<第2実施形態>
第2実施形態の緊急遮断システムは、遮断信号処理部及びその操作入力部が遮断弁と共に遮断装置70として別体で設けられている点で上記第1実施形態と異なっている。以下に、第2実施形態の緊急遮断システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図6は、第2実施形態の緊急遮断システム200の機能ブロック図である。第1感震器10の構成は、図2に示した第1実施形態の第1感震器10の構成と同様である。また、第2感震器50の構成は、図2に示した第1実施形態の第2感震器30から遮断信号処理部46及び操作入力部48が取り除かれた構成となっている。よって、図6に示す第2実施形態の第2感震器50において、センサ部51(51a、51b)、52(52a、52b)、ハイパスフィルタ53、ローパスフィルタ54、AD変換部55、フィルタ56、演算制御部57(SI値演算部59、制御部58)、操作入力部62、記憶部63、表示部64及び警報部65の構成は、図2に示した第1実施形態の第2感震器30におけるセンサ部31、32、ハイパスフィルタ33、ローパスフィルタ34、AD変換部35、フィルタ36、演算制御部37(SI値演算部39、制御部38)、操作入力部42、記憶部43、表示部44及び警報部45の構成と同様である。
本実施形態において、遮断装置70は、第1感震器10及び第2感震器50と別体に構成され、例えば、図1において遮断弁3の位置に設けられている。遮断装置70は、遮断弁3と遮断信号処理部(本発明の遮断信号処理手段の一例)71とそれに接続される操作入力部72とを備える。遮断信号処理部71は、第1感震器10で生成された第1遮断信号を受け入れ、及び、第2感震器50で生成された第2遮断信号を受け入れる遮断信号受入部(本発明の遮断信号受入手段の一例)71aを有する。遮断信号処理部71、遮断信号受入部71a、操作入力部72及び遮断弁3の動作は第1実施形態で説明したのと同様である。
以上のように、本実施形態の緊急遮断システム200では、遮断装置70に対して、第1感震器10及び第2感震器50が並列で接続されている。操作入力手段72を第2感震器50の使用者が操作した場合に、遮断信号処理部71の動作モード設定(基準動作モード、第1動作モード、第2動作モード)が行われる点も上記第1実施形態と同様である。
<第3実施形態>
第3実施形態の緊急遮断システムは、感震器が一つで構成されている点で、上記実施形態と異なっている。以下に、第3実施形態の感震器及び緊急遮断システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図7は、第3実施形態の緊急遮断システム300が構造物に設置された状態を説明する図である。図8は、第3実施形態の緊急遮断システム300の機能ブロック図である。図7及び図8に示すように、緊急遮断システム300は、地盤2に建てられた構造物1に設置されている。上記実施形態と同様に、構造物1には、ガス、電気、水道などのユーティリティが供給されており、大きな地震が発生したときに、構造物1の内部におけるユーティリティの供給を遮断可能なユーティリティ遮断手段が設けられている。図8に示した例では、ガス管4を介したガスの供給を遮断するための遮断弁3がユーティリティ遮断手段の一例として設けられている。本実施形態において、緊急遮断システム300は、図6を参照して説明した感震器(第2感震器)50と、遮断装置70(遮断弁3、遮断信号受入部71a及び遮断信号処理部71)とを備えて構成される。
以下に、第3実施形態の感震器(第2感震器)50及び遮断装置70の動作について説明するが、第2実施形態と同様の説明は省略する。
図7及び図8に示すように、第3実施形態で用いられる感震器(第2感震器)50は、
地震動を検出するセンサ部51、52と、センサ部51、52で検出された地震動に基づく速度応答スペクトルについての設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算するSI値演算部59と、上記設定周期範囲を、操作入力部(本発明の入力手段の一例)62を用いて入力された値に基づいて設定する制御部(本発明の周期範囲設定手段の一例)58とを備える。
上記実施形態と同様に、操作入力部62は、検出対象とする構造物1に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、構造物1が建てられている地盤2に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む上記設定周期範囲の上限値及び下限値の入力を受け付けるように構成されている。
また、制御部58は、記憶部63に対して、SI値演算部59において演算されるSI値を記憶させると共に、SI値についての設定閾値を記憶させる。この設定閾値は、SI値について一つだけとは限らず、大きさの異なる複数の段階の閾値であってもよい。そして、制御部58は、SI値演算部59において演算されるSI値と、上記設定閾値とを比較して、そのSI値が設定閾値を超えた場合に警報を発する。更に、制御部58は、その警報を発すると共に、遮断弁3を遮断作動させるための遮断信号を生成して遮断信号処理部46へ出力する。つまり、制御部58は、上記遮断信号を生成する遮断信号生成手段として機能する。
遮断装置70の遮断信号受入部(本発明の遮断信号受入手段の一例)71aは、感震器(第2感震器)50で生成された遮断信号を受け入れる。そして、遮断信号処理部(本発明の遮断信号処理手段の一例)71は、受け入れた遮断信号に基づいて、遮断弁3に対する遮断作動指令を出力する。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、ユーティリティとしてのガスの供給を緊急遮断するためのシステムを例示したが、電気や水道などの供給を遮断するための緊急遮断システムであっても同様である。また、ユーティリティとしては、ガス、電気、水道だけでなく、他のものであってもよい。例えば、灯油などの燃料や温水などもユーティリティとして本発明の緊急遮断システムに適用できる。
<2>
本発明において、上記第1感震器の構成は上述したものに限定されず、適宜変更可能である。例えば、センサ部に機械式センサ(落球式、転倒棒式など)や、センサ部に電気式センサ(サーボ式、圧電式、ひずみ計式、容量式など)を用いた種々の感震器を採用することもできる。
本発明は、地震動に基づいてユーティリティの流通を遮断する緊急遮断システムに利用できる。
緊急遮断システムが構造物に設置された状態を説明する図 第1実施形態の緊急遮断システムの機能ブロック図 地盤固有振動周期と模擬地震動の速度応答スペクトルとの関係を示すグラフ 地盤固有振動周期と模擬地震動の速度応答スペクトルとの関係を示すグラフ 地盤固有振動周期と模擬地震動の速度応答スペクトルとの関係を示すグラフ 第2実施形態の緊急遮断システムの機能ブロック図 第3実施形態の緊急遮断システムが構造物に設置された状態を説明する図 第3実施形態の緊急遮断システムの機能ブロック図
符号の説明
1 構造物
2 地盤
3 遮断弁(ユーティリティ遮断手段)
10 第1感震器
38、58 制御部(周期範囲設定手段、遮断信号生成手段)
59 SI値演算部
30、50 第2感震器(感震器)
42、62 操作入力部(入力手段)
46、71 遮断信号処理部(遮断信号処理手段)
47、71a 遮断信号受入部(遮断信号受入手段)
100、200、300 緊急遮断システム

Claims (12)

  1. 地震動を検出するセンサ部と、
    前記センサ部で検出された地震動に基づく速度応答スペクトルについての設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算するSI値演算部と、
    前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を、入力手段を用いて入力された値に基づいて設定する周期範囲設定手段と、を備える感震器。
  2. 前記入力手段は、検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値の入力を受け付けるように構成されている請求項1記載の感震器。
  3. 前記SI値演算部で演算された前記SI値が設定閾値を超えた場合に、前記センサ部が検出対象とする構造物の内部におけるユーティリティの流通を遮断可能なユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための遮断信号を生成する遮断信号生成手段を備える請求項1又は2記載の感震器。
  4. 請求項3記載の感震器と、
    前記ユーティリティ遮断手段と、
    前記感震器から前記遮断信号を受け入れる遮断信号受入手段を有し、受け入れた前記遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する遮断信号処理手段とを備える緊急遮断システム。
  5. 構造物の内部におけるユーティリティの流通を遮断可能なユーティリティ遮断手段と、
    前記構造物に設けられ、地震動を検出して、当該地震動に基づいて前記ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための第1遮断信号を生成する第1感震器と、
    前記構造物に設けられ、地震動を検出して、当該地震動に基づく速度応答スペクトルについての任意に設定可能な設定周期範囲の積分値の平均値であるSI値を演算し、当該SI値が第2閾値を超えた場合に、前記ユーティリティ遮断手段を遮断作動させるための第2遮断信号を生成する第2感震器と、
    前記第1遮断信号及び前記第2遮断信号を受け入れる遮断信号受入手段を有し、前記第1遮断信号及び前記第2遮断信号のうち、当該遮断信号受入手段が早く受け入れた方の遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する基準動作モードで動作可能な遮断信号処理手段とを備える緊急遮断システム。
  6. 前記遮断信号処理手段が前記第2感震器に備えられるとともに、当該遮断信号処理手段が、前記基準動作モードと、
    前記第1遮断信号を受け入れて、当該第1遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する第1動作モードと、
    前記第2遮断信号を受け入れて、当該第2遮断信号に基づいて、前記ユーティリティ遮断手段に対する遮断作動指令を出力する第2動作モードと、の何れかの動作モードに切換動作可能に構成されている請求項5記載の緊急遮断システム。
  7. 検出対象とする構造物に固有の構造物固有振動周期の値、若しくは、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む上限値及び下限値の入力を受け付ける入力手段と、
    前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を、入力される前記上限値及び前記下限値とに基づいて設定する周期範囲設定手段とを備える請求項5又は6に記載の緊急遮断システム。
  8. 請求項5〜7の何れか一項に記載の緊急遮断システムの使用方法であって、
    前記第2感震器を、前記構造物に与えられる長周期地震動を検出可能な位置に取り付けてある緊急遮断システムの使用方法。
  9. 前記第1感震器を、地震動に対する前記構造物の加速度が最大となる位置に取り付けてある請求項8記載の緊急遮断システムの使用方法。
  10. 請求項5又は6記載の緊急遮断システムの使用方法であって、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
    前記構造物に固有の構造物固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する緊急遮断システムの使用方法。
  11. 請求項5又は6記載の緊急遮断システムの使用方法であって、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
    前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する緊急遮断システムの使用方法。
  12. 請求項5又は6記載の緊急遮断システムの使用方法であって、前記第2感震器において前記SI値を演算するための前記設定周期範囲を設定するに、
    前記構造物に固有の構造物固有振動周期の値を間に含み、且つ、前記構造物が建てられている地盤に固有の地盤固有振動周期の値を間に含む前記設定周期範囲の上限値及び下限値を設定する緊急遮断システムの使用方法。
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