JP2013150596A - 固形ソース - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手順で一人分又は小人数分のパスタソースを供するための手段の提供。
【解決手段】湿熱処理小麦粉10〜40質量%と、融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを含有する固形ソース。
【選択図】なし

Description

本発明は固形ソースに関する。より詳細には、固形の状態で保存することができ、且つ固形の状態から少量の水とともに加熱すれば、そのまま良好な液体ソースとなる、固形ソースに関する。
近年、個食の習慣が浸透し、また電子レンジの普及により、電子レンジを用いて一人分のパスタを茹でる調理法が行われるようになった。それに伴い、簡便に製造することができる一人分のパスタソースに対する需要が生じている。従来の調理済みパスタソースは、主としてレトルト調理後に密封された液体状のものとして提供されている。しかし、このようなレトルトの液体パスタソースは、麺を茹でるのとは別に湯煎等で温めておき、それを喫食直前に湯切りした麺と合わせるという調理に煩雑な手順を要するものであり、しかも、特有のレトルト臭を有するという問題があった。
従来、固形のソースとしては、カレー、シチュー等を作るための、食用油脂を用いて小麦粉や調味料等を固めた固形ルウが知られている(特許文献1)。この従来の固形ルウからカレー、シチュー等を調理する場合には、通常、具材を煮込んだ大量の湯に固形ルウを投入し、次いでこれを加熱しながら攪拌してルウを徐々に湯に分散させていかなければならない。他方、この従来の固形ルウを家庭でパスタソースを製造する際に用いると、使用する湯量が上記カレーやシチューに比べて比較的少量であることから、固形ルウが湯中に十分に分散せず、ソースをパスタに絡みやすいよう適切に伸ばすことが難しい。そのため、従来の固形ルウは、パスタソース、特に少量のパスタソースの調理には適さないものであった。さらに、従来の固形ルウは、湯に投入後攪拌を必要とするため、途中で攪拌できない電子レンジ調理に使用するには不向きであった。
特開平7−255435号公報
本発明は、簡便な手順で一人分又は小人数分のパスタソースを供するための手段を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々研究を重ねた結果、湿熱処理小麦粉と所定の融点を有する油脂とを特定量で含有する固形ソースを少量の水に投入して加熱すれば、攪拌しなくとも適度に水に分散して良好な液体ソースとなること、したがって、当該固形ソースを用いれば、簡便に一人分のパスタソースを提供できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、湿熱処理小麦粉10〜40質量%と、融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを含有する固形ソースを提供することにより、上記課題を解決したものである。
また本発明は、湿熱処理小麦粉10〜40質量%と融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを、品温80℃以下で加熱混合することを特徴とする固形ソースの製造方法を提供することにより、上記課題を解決したものである。
また本発明は、上記固形ソースを麺類及び水とともに加熱することを特徴とする調理済み麺類の製造方法を提供することにより、上記課題を解決したものである。
本発明の固形ソースは、少量の水に投入して加熱すれば、攪拌しなくとも適度に水に分散して良好な液体ソースとなる。したがって、本発明の固形ソースを麺類と少量の水とともに加熱するだけで、簡便にソース付き調理済み麺類を製造することができる。
本発明の固形ソースは、湿熱処理小麦粉10〜40質量%と、融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを含有する。
本発明で用いられる湿熱処理小麦粉は、小麦粉を湿熱処理することによって、小麦粉に含まれる澱粉をα化させたものであればよい。上記湿熱処理小麦粉の原料となる小麦粉としては、食品に通常用いられる小麦粉であればよく、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、それらの混合物等が挙げられ、これらを適宜選択して用いることができる。
湿熱処理小麦粉の具体的な製造方法は限定されないが、例えば、小麦粉に水や水蒸気を加え加熱処理する湿熱処理によって、小麦粉に含まれる澱粉をα化させる方法であればよい。湿熱処理の方法としては、例えば、密閉型容器内に加水した小麦粉を充填した後、飽和水蒸気を用いて加圧状態で加熱処理する方法;一軸または二軸型エクストルーダーを用いて小麦粉を加水・加熱混練する方法;特開2009−34038号公報に記載の装置等を用いた飽和水蒸気雰囲気下で加熱処理する方法、等が挙げられる。具体的には、例えば、薄力粉を、適宜加水調整した後、アルミパウチに封入密閉し、飽和水蒸気を用いて加圧(1気圧)状態で加熱処理(例えば、110〜130℃で、10〜20分間)することにより、本発明で用いられる湿熱処理小麦粉を得ることができる。
あるいは、特開平3−83567号公報に開示された粉粒体の減菌装置を用いて、連続的に湿熱処理小麦粉を得ることもできる。
上記のような処理により得られた湿熱処理小麦粉は造粒されている場合があるため、湿熱処理後、得られた湿熱処理小麦粉を乾燥、粉砕することが好ましい。湿熱処理小麦粉の乾燥方法としては、棚乾燥、熱風乾燥、流動層乾燥などの方法が挙げられ、湿熱処理の方法に応じて適宜採用できる。粉砕方法としては、ロール粉砕、ピンミル粉砕などの各種粉砕方法が採用できる。
本発明で用いられる湿熱処理小麦粉は、α化度(糊化度ともいう)が12.5〜30%のものが好ましく、α化度が15.0〜25.0%のものがより好ましい。湿熱処理小麦粉のα化度が12.5%未満であると、通常の小麦粉と比べて食感的に優位性が低い場合があり、また湿熱処理小麦粉のα化度が30%を超えると、水溶けの良さが減退する場合がある。湿熱処理小麦粉のα化度は、湿熱処理の条件により適宜調整することができる。
本明細書において、湿熱処理小麦粉のα化度は下記のようにして測定した値である。
<α化度の測定>
α化度の測定にあたっては、従来法であるβ−アミラーゼ・プルラナーゼ法により測定を行う。以下に、その内容について説明する。
(A)試薬
使用する試薬は、以下の通りである。
0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液
10N水酸化ナトリウム溶液
2N酢酸溶液
酵素溶液:β−アミラーゼ(ナガセ生化学工業(株)#1500)0.017g及びプルラナーゼ(林原生物化学研究所、No.31001)0.17gを上記0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液に溶かして100mlとしたもの。
失活酵素溶液:上記酵素溶液を10分間煮沸させて調製。
ソモギー試薬およびネルソン試薬(還元糖量の測定用試薬)
(B)測定方法
1)湿熱処理小麦粉をホモジナイザーで粉砕し、100メッシュ以下とする。この粉砕した湿熱処理小麦粉0.08〜0.10gをガラスホモジナイザーに取る。
2)これに脱塩水8.0mlを加え、ガラスホモジナイザーを10〜20回上下させて分散を行う。
3)2本の25ml容目盛り付き試験管に上記2)の分散液を2mlずつとり、1本は0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液で定容し、試験区とする。
4)他の1本には、10N水酸化ナトリウム溶液0.2mlを添加し、50℃で3〜5分間反応させ、完全に糊化させる。その後、2N酢酸溶液1.0mlを添加し、pHを6.0付近に調整した後、0.8M酢酸−酢酸Na緩衝液で定容し、糊化区とする。
5)上記3)および4)で調製した試験区および糊化区の試験液をそれぞれ0.4mlとり、それぞれに酵素溶液0.1mlを加えて、40℃で30分間酵素反応させる。同時に、ブランクとして、酵素溶液の代わりに失活酵素溶液0.1mlを加えたものも調製する。酵素反応は途中で反応液を時々攪拌させながら行う。
6)上記反応済液0.5mlにソモギー試薬0.5mlを添加し、沸騰浴中で15分間煮沸する。煮沸後、流水中で5分間冷却した後、ネルソン試薬1.0mlを添加・攪拌し、15分間放置する。
7)その後、脱塩水8.00mlを加えた後、攪拌し、500nmの吸光度を測定する。
(C)α化度の算出
下式によりα化度を算出する。
α化度(%)=(試験溶液の分解率)/(完全糊化試験溶液の分解率)×100
=(A−a)/(A’−a’)×100
式中、A、A’、aおよびa’は下記の通りである。
A=試験区の吸光度
A’=糊化区の吸光度
a=試験区のブランクの吸光度
a’=糊化区のブランクの吸光度
本発明の固形ソース中、上記湿熱処理小麦粉の含有量は10〜40質量%であればよいが、15〜30質量%が好ましい。10質量%より少ないと、加熱しても水や麺類と均一に混合しない場合があり、他方40質量%より多いと、加熱中に突沸したり、油脂以外の原料が固形ソースに混合しにくくなる場合がある。
本発明で用いられる油脂としては、融点32〜45℃の油脂を用いることができ、融点35〜41℃の油脂がより好ましい。油脂の融点が32℃より低いと、ソースが固形の形状を保つことが困難となり、他方45℃より高いと、加熱しても水と均一に混合しにくくなり、また口溶けが悪くコクの足りないソースとなる場合がある。
上記油脂の原料としては例えば、バター、牛脂、豚脂等の動物性油脂、サラダ油、コーン油、菜種油、大豆油、紅花油、なたね油、パーム油、綿実油、ひまわり油、米ぬか油、ゴマ油、オリーブ油等の植物性油脂、これらの硬化油脂、及びこれらの混合油脂等を挙げることができる。上記油脂はまた、より低融点の油脂とより高融点の油脂との混合油脂であってもよい。例えば、融点32℃未満の油脂(植物油等)と45℃より高い融点の油脂(例えば動物油脂や硬化油脂)とを混合して適切な融点の混合油脂を調製してもよい。
なお、本明細書において、油脂の融点とは、基準油脂分析試験法(2.2.4.2−1996)に基づく上昇融点を意味する。
本発明の固形ソース中、上記油脂の含有量は、20〜45質量%であればよいが、30〜40質量%がより好ましい。20質量%より少ないと、ソースが固形の形状にならず、また、45質量%より多いと、加熱しても水と均一に混合しにくくなる。
本発明の固形ソースには、上記湿熱処理小麦粉と油脂以外に、目的とするソースの種類に応じて、その他の原料を含有していてもよい。その他の原料としては、例えば、湿熱処理していない小麦粉、他の穀粉類、澱粉類、糖類、卵類、乳製品、調味料、色素、乳化剤などを適宜配合することができる。当該その他の原料は、実質的に水を含有しないものである。当該その他の原料の配合量は、5〜70質量%程度である。
本発明の固形ソースの種類は特に限定されないが、例えば、カルボナーラソース等のホワイト系ソース、ミートソース、ナポリタンソース、アラビアータソース等のトマト系ソース、ブラウン系ソース等を挙げることができる。例えば、本発明の固形ソースをホワイト系ソースとする場合、例えば、全卵粉末、卵黄粉末、チーズ等を配合してもよい。また例えば、本発明の固形ソースをトマト系ソースとする場合、例えば、粉末トマト、粉末ケチャップ等を配合してもよい。
本発明の固形ソースは、例えば、以下のようにして製造され得る。まず、上記油脂、湿熱処理小麦粉、及び必要に応じてその他の原料を加えたものを攪拌しながら、品温50〜98℃、好ましくは55〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃で、10〜40分間加熱混合する。その後、得られた混合物に、さらに目的とするパスタソースの種類に応じて、卵類、乳製品、調味料、色素、乳化剤等の残りのその他の成分を混合し、攪拌しながら、品温50〜98℃、好ましくは55〜90℃、さらに好ましくは60〜80℃で、5〜15分間加熱混合する。加熱の温度は100℃以上でも製造は可能であるが、製造時における品温を98℃以下、好ましくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下にすると、固形ソースの品質低下が少なく、しかも口当たりのよいソースが得られるため好ましい。
加熱終了後のソースを0〜10℃程度で、5〜20分間程度冷却・固化すれば、本発明の固形ソースを得ることができる。
得られた本発明の固形ソースは、室温又は冷蔵保存することができる。
本発明の固形ソースは、上述の製造過程でソースを冷却・固化する際に、任意の形状に成型することができる。
本発明の固形ソースの形状は、特に限定されず、例えば、直方体、略直方体、タブレット、円柱、楕円柱、多角柱、シート状等の板状又は柱状の形態、台形、円錐、楕円錐、多角錐等のコーン状形態、ドーム型、半球状、球状、略球状、ラグビーボール型等の丸みを帯びた形態、チューブ型、ドーナツ型等の中空形態などのあらゆる形状であり得る。さらに消費者の嗜好を考慮すれば、より多様な形状も許容し得る。他方、成型のし易さや保形性の観点からは、略直方体、タブレット、ドーム状等の簡素な形態が好ましい。
本発明の固形ソースは、一人分又は小人数分の分量ごとに成型されてもよいが、一人分又は小人数分を1ブロックとして、それらが直線的又は平面的に連結された形状(例えば、数珠状、板チョコ状等)であってもよい。
本発明の固形ソースは、好適には、加熱調理中にソースが水に溶け残りなく分散して液体ソースとなるサイズに成型され得る。保形性や操作性の観点からはある程度の厚みや大きさであることが好ましいが、他方、加熱調理中にソースが水に分散しやすくするためには、厚過ぎない又は大き過ぎない形状であることが好ましい。固形ソースのサイズは、例えば略直方体やドーム型である場合、最大厚みが1〜15mm、好ましくは2〜12mm、さらに好ましくは3〜9mmであり得る。当該最大厚みが1mm未満であると、固形ソースの保形性が低下し、また製造や調理の際に扱いづらくなる場合がある。他方、当該最大厚みが15mmを超えると、加熱調理中におけるソースの水への分散性が低下する場合がある。固形ソースがその他の形状の場合でも、上記略直方体やドーム状の場合のサイズを考慮して、加熱調理中にソースが水に溶け残りなく分散するような適切なサイズに成型すればよい。
本発明の固形ソースを上記のような形状に成型するには、例えば上述のソースの製造過程において、加熱終了したソースを任意の形状のトレイに導入し、その後冷却・固化すればよい。また必要に応じて、固化したソースを所望の形状に切断してもよい。例えば、厚さ12mm以下の略直方体に成型する場合は、深さが12mmのトレイに加熱したソースを導入して冷却・固化すればよい。固化したソースは、一人分又は小人数分ごとに分割した状態で提供されてもよく、あるいは、大人数分が連結された状態で提供されて、調理の際に必要な量だけ分割して使用されてもよい。
本発明のソースの一人分の分量は、好ましくは20g〜100g程度である。
上記本発明の固形ソースを麺類及び水とともに加熱すれば、簡便に、液体ソースの付いた調理済み麺類を得ることができる。すなわち、本発明は、上記本発明の固形ソースを麺類及び水とともに加熱することを特徴とする調理済み麺類の製造方法を提供する。
上記本発明の製造方法において、使用される麺類は乾麺でも生麺でもよく、その種類も特に限定されない。また使用される水の温度や量は、使用する麺類の種類や量、加熱方法、得られる調理済み麺類に所望される食感等にあわせて、適宜調整することができる。加熱の方法としては、茹で調理による加熱、電子レンジ加熱等が挙げられるが、電子レンジ調理が簡便なため好ましい。
上記本発明の製造方法の具体的な例としては、例えば、熱湯に麺類と、必要に応じて具材と、本発明の固形ソースを加えそのまま加熱する方法、又は容器に麺類、水、必要に応じて具材を入れ、ここに本発明の固形ソースを添加し、電子レンジ加熱する方法等が挙げられる。これらの手順により、麺類が茹でられるのと並行して固形ソースが茹で汁に分散して液体ソースとなるため、簡便に、ソース付き調理済み麺類を製造することができる。本発明の製造方法においては、加熱とともに攪拌して固形ソースの分散を促進してもよいが、本発明の固形ソースは分散性が極めて高く、また突沸や過度の起泡などを引き起こさないため、加熱中に特に攪拌操作をしなくても固形ソースが十分に分散し、良好な液体ソースを得ることができる。
本発明の固形ソースを用いた調理済み麺類の製造方法においては、麺類を茹でるのと並行して固形ソースが茹で汁に分散し、麺類が茹で上がるのとともにソースが適度な濃度でのばされ、麺類に液体ソースが良好に絡んだ調理済み麺類が得られる。そのような良好な調理済み麺類を得るために好適な麺類と水と固形ソースの量は、乾麺又は生麺100質量部に対して、水180〜400質量部、固形ソース20〜100質量部であり得る。乾麺の場合、水220〜400質量部が好ましく、生麺の場合、水180〜360質量部が好ましい。例えば、一人分として乾麺100gと水280gに、固形ソース25gを加えてレンジ調理すると、歩留まり220程度で茹で上がった麺に程よい濃度のソースが絡み合った、約400gの調理済み麺類が得られる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
参考例1 湿熱処理小麦粉の製造
小麦粉(薄力粉:日清製粉株式会社製バイオレット)を、加水率17%にて加水を行った後、アルミパウチに封入密閉し、飽和水蒸気を用いて加圧(1気圧)状態で加熱処理(130℃で15分間)することにより、湿熱処理を行った。湿熱処理後、湿熱処理された小麦粉を気流式の乾燥機で乾燥処理を行い、湿熱処理小麦粉を得た。得られた湿熱処理小麦粉のα化度は、21%であった。
製造例1−1〜1−8 固形カルボナーラソース
表1の配合で、まず、参考例1の湿熱処理小麦粉及び/又は小麦粉、ならびに油脂を混合し、混合物を攪拌しながら、品温65℃で30分間加熱した。
その後、混合物にさらに、チーズ粉、卵黄粉、調味料を混合し、攪拌しながら、品温65℃で10分間加熱した。加熱後の混合物を、底面110mm×50mm、深さ6.3mmの穴を有するPVC製トレイに流し込み、10℃程度で約10分間冷却し、固形状のカルボナーラソースを得た。固形ソース1個(一人分)の重量は27gであった。
試験例1
製造例1−1〜1−8の各固形ソースを用いて、カルボナーラスパゲティを製造した。乾パスタ100g(φ1.6mm;日清フーズ製)を電子レンジ耐性容器(容量650mL)に入れ、水320gと各固形ソース1個を投入し、レンジ出力600Wで10分間加熱調理し、調理済み麺を製造した。加熱中、吹きこぼれの有無を確認した。得られた調理済み麺について、10名のパネルでソースの状態、麺とソースの絡み具合を表2の基準に従って評価し、その平均点を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2013150596
Figure 2013150596
製造例1−9〜1−17 固形カルボナーラソース
油脂を表3に示すように変更した以外は、製造例1−5と同様の手順で固形状のカルボナーラソースを得た。製造例1−9及び1−17では、ソースがペースト状であり、固形ソースが得られなかった。
試験例2
製造例1−9〜1−17の各固形ソースを用いて調理済み麺を製造し、試験例1と同様に評価を行った。結果を表3に示す。なお、表3中に製造例1−5の結果を再掲する。製造例1−9及び1−17のペースト状ソースは、電子レンジ加熱中にソースが麺に絡んで茹でむらが起こり、評価できなかった。
Figure 2013150596
製造例1−18〜1−25 固形カルボナーラソース
製造した固形ソースの厚みを表4のとおりに変更した以外は、製造例1−5と同様の手順で固形状のカルボナーラソースを得た。なお、固形ソースの重量は1個あたり27gとした。
試験例3
製造例1−18〜1−25の各固形ソースを用いて調理済み麺を製造し、試験例1と同様に評価を行った。その結果を表4に示す。なお、表4中に製造例1−5の結果を再掲する。製造例1−18、1−19では、固形ソースの大きさが容器に対して大きくなったため、複数の小片に割って投入した。
Figure 2013150596
製造例2−1〜2−6 固形ナポリタンソース
表5の配合で、まず、参考例1の湿熱処理小麦粉及び/又は小麦粉、ならびに油脂を混合し、混合物を攪拌しながら、品温60℃で30分間加熱した。
その後、混合物にさらに、トマトパウダー、調味料等を混合し、攪拌しながら、品温60℃で10分間加熱した。加熱後の混合物を、底面110mm×50mm、深さ6.3mmの穴を有するPVC製トレイに流し込み、10℃程度で約10分間冷却し、固形状のナポリタンソースを得た。固形ソース1個(一人分)の重量は27gであった。
試験例4
製造例2−1〜2−6の各固形ソースを用いて、ナポリタンスパゲティを製造した。乾パスタ60g(φ1.6mm;日清フーズ製)を電子レンジ耐性容器(容量650mL)に入れ、具材(タマネギ50g、にんじん10g、ピーマン10g、ウインナー30g)及び水220gと各固形ソース1個を投入し、レンジ出力600Wで10分間加熱調理し、調理済み麺を製造した。加熱中、吹きこぼれの有無を確認した。得られた調理済み麺について、10名のパネルでソースの状態、麺とソースの絡み具合を表2の基準に従って評価し、その平均点を求めた。結果を表5に示す。試験例4の加熱条件で、麺及び具材には十分に火が通っていた。カルボナーラソースと比較すると、ナポリタンソースでは、レンジ加熱終了後に固形ソースの溶け残りがやや観察されたが、電子レンジ加熱後の調理済み麺をひと混ぜするだけで、ソースは良好に分散した。
Figure 2013150596
製造例3−1〜3−7 固形カルボナーラソース
加熱温度を表6に示すように変更した以外は、製造例1−5と同様の手順で固形状のカルボナーラソースを得た。
試験例5
製造例1−5及び3−1〜3−7の各固形ソースを用いて、ソースを製造した。電子レンジ耐性容器(容量350mL)に水100gと各固形ソース1個を投入し、レンジ出力600Wで5分間加熱調理し、加熱終了後に軽く攪拌して調理済みソースを製造した。得られたソースについて、10名のパネルでソースの品質を表7の基準に従って評価し、その平均点を求めた。結果を表6に示す。
Figure 2013150596
Figure 2013150596

Claims (8)

  1. 湿熱処理小麦粉10〜40質量%と、融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを含有する固形ソース。
  2. 最大厚みが1〜15mmの略直方体又はドーム型である請求項1記載の固形ソース。
  3. 湿熱処理小麦粉10〜40質量%と融点32〜45℃の油脂20〜45質量%とを、品温98℃以下で加熱混合することを特徴とする固形ソースの製造方法。
  4. 品温80℃以下で加熱混合する請求項3記載の方法。
  5. 請求項1又は2記載の固形ソースを麺類及び水とともに加熱することを特徴とする調理済み麺類の製造方法。
  6. 請求項1又は2記載の固形ソース20〜100質量部を、乾麺又は生麺100質量部及び水180〜400質量部とともに加熱することを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 前記加熱が電子レンジ加熱である請求項5又は6記載の方法。
  8. 前記加熱が茹で調理による加熱である請求項5又は6記載の方法。
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