JP2013149828A - 炭化珪素セラミックス板及びヒータユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】熱膨張に起因した引張応力を抑制し、割れの発生を抑制する。
【解決手段】炭化珪素を主材料とし、主面5を有する板状の炭化珪素セラミックス板10であって、主面5に沿ったx方向における外周端2を含む外側部4と、x方向において外側部4よりも中心O側に位置する内側部8とを有し、外側部4の密度は、内側部8の密度よりも、小さい。
【選択図】図5

Description

本発明は、炭化珪素を主原料とし、平らな主面を有する板状の炭化珪素セラミックス板、及び、炭化珪素セラミックス板を用いたヒータユニットに関する。
従来、炭化珪素を主原料とし、平らな主面を有する円形状の炭化珪素セラミックス板が用いられたヒータユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。ヒータユニットは、例えば、半導体製造工程におけるウエハの成膜処理やアニール処理の際に、ウエハを加熱するために用いられる。
炭化珪素を主原料とした炭化珪素セラミックス板を用いることにより、炭化珪素以外の原料(例えば、モリブデン)が用いられたヒータユニットに比べて、ウエハに不純物が混入することを抑制できる。
特開2005−166830号公報
炭化珪素セラミックス板の外周縁付近(以下、外側部)は、炭化珪素セラミックス板の中心側(以下、内側部)よりも外部の雰囲気に曝される。半導体製造工程における熱処理工程(特に、降温工程)において、外部の温度の方が、炭化珪素セラミックス板の温度よりも低いため、外部の雰囲気により曝される外側部は、内側部よりも低温となる。これにより、内側部の方が、外側部よりも熱膨張するため、外周縁に沿って外側部を広げるような引張応力が、外側部に発生する。
外側部に加工傷等の欠陥があった場合、引張応力は、欠陥を広げる方向に働くため、欠陥を起点とした割れが発生することがあった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、熱膨張に起因した引張応力を抑制し、割れの発生を抑制することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、炭化珪素セラミックスは、密度と熱伝導率とに相関があることに着目し、本発明を完成させた。すなわち、上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。
本発明の特徴は、炭化珪素を主材料とし、平らな主面を有する板状の炭化珪素セラミックス板であって、前記主面に沿った方向における外周端を含む外側部と、前記主面に沿った方向において前記外側部よりも前記炭化珪素セラミックス板の中心側に位置する内側部とを有し、前記外側部の密度は、前記内側部の密度よりも、小さいことを要旨とする。
炭化珪素セラミックスは、密度が大きいほど、熱伝導率が大きくなる。外側部の密度は、内側部の密度よりも小さいため、外側部は、内側部よりも外部の温度に影響を受け難い。従って、外側部と内側部との温度分布の差が小さくなるため、熱膨張の差が小さくなる。これにより、外側部に発生する引張応力が抑制される。その結果、外側部に欠陥があっても、欠陥を起点とした炭化珪素セラミックス板の割れが抑制できる。
本発明によれば、熱膨張に起因した引張応力を抑制し、割れの発生を抑制できる炭化珪素セラミックス板、及び、炭化珪素セラミックス板を用いたヒータユニットを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る炭化珪素セラミックス板10の斜視図である。 図2は、セラミックス板製造装置500の断面図である。 図3は、本実施形態に係るヒータユニット100の断面図である。 図4は、本実施形態に係るヒータユニット100の一部を分解した分解斜視図である。 図5(a)は、炭化珪素セラミックス板において、x方向における中心からの位置と密度との関係を表すグラフである。図5(b)は、炭化珪素セラミックス板において、x方向における中心からの位置と温度との関係を表すグラフである。
本発明に係る炭化珪素セラミックス板及びヒータユニットの一例について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)炭化珪素セラミックス板10の概略構成、(2)ヒータユニット100の概略構成、(3)作用効果、(4)その他実施形態、について説明する。
以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)炭化珪素セラミックス板10の概略構成
本実施形態に係る炭化珪素セラミックス板10の概略構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る炭化珪素セラミックス板10の斜視図である。
図1に示されるように、炭化珪素セラミックス板10は、平らな主面5を有する。炭化珪素セラミックス板10は、板状である。具体的には、炭化珪素セラミックス板10は、円板状である。
方向xは、主面5に沿った方向である。本実施形態において、方向xは、炭化珪素セラミックス板10の中心Oを通る。方向zは、炭化珪素セラミックス板10の厚み方向に平行な方向である。本実施形態において、方向xと方向zとは、直交している。
図1に示されるように、炭化珪素セラミックス板10は、方向xにおいて、外周端2を有する。また、炭化珪素セラミックス板10は、外側部4と内側部8とを有する。
外側部4は、方向xにおける炭化珪素セラミックス板10の外周端2を含んでいる。内側部8は、方向xにおいて外側部4よりも炭化珪素セラミックス板10の中心O側に位置する。外側部4と内側部8との境界(図1の点線)は、方向xにおいて外周端2から所定の長さだけ中心O側に近付いた位置にある。
炭化珪素セラミックス板10は、炭化珪素を主原料とする。本実施形態において、炭化珪素セラミックス板10は、炭化珪素からなる。すなわち、炭化珪素セラミックス板10は、不純物を除いて炭化珪素により構成されている。なお、本発明において、炭化珪素を主原料とするとは、炭化珪素が他の原料よりも多く含まれており、かつ、炭化珪素セラミックス板10が密度に応じて、熱伝導率が変化するほど、炭化珪素が含まれていることをいう。
外側部4の密度は、内側部8の密度よりも小さい。このように、密度の異なる炭化珪素セラミックス板10は、例えば、図2に示されるセラミックス板製造装置500を用いて製造される。図2は、セラミックス板製造装置500の断面図である。
セラミックス板製造装置500は、炭化珪素原料550を押圧する上パンチ510及び下パンチ520を備える。上パンチ510は、炭化珪素原料550に対向する面である対向面510aを有する。対向面510aは、下パンチ520に向かって凸となる球面形状である。下パンチ520は、炭化珪素原料550側の面である対向面520aを有する。対向面520aは、平面形状である。
セラミックス板製造装置500の内部には、炭化珪素原料550が配置される。上パンチ510を下パンチ520側に移動させて、配置された炭化珪素原料550を押圧するとともに、炭化珪素原料550を加熱する。上パンチ510の対向面510aは、球面形状であるため、炭化珪素原料550の中心部には、高い圧力が加わる。一方、炭化珪素原料550の中心部から外周側に向かうに連れ、加わる圧力が低くなる。その結果、内側部8の密度よりも外側部4の密度が小さい炭化珪素セラミックス板10を製造することができる。
なお、対向面520aは、上パンチ510に向かって凸となる球面形状であってもよい。
(2)ヒータユニット100の概略構成
本実施形態に係るヒータユニット100の概略構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係るヒータユニット100の断面図である。図4は、本実施形態に係るヒータユニット100の一部を分解した分解斜視図である。
図3及び図4に示されるように、本実施形態に係るヒータユニット100は、加熱部材20、載置板30、反射板40、絶縁板50、保護部材60、電極70及び支持台80を備える。
加熱部材20は、載置板30に載置された被加熱部材(例えば、ウエハ)を加熱する。加熱部材20は、電極70と接続されている。本実施形態において、炭化珪素セラミックス板10は、加熱部材20として用いられる。
載置板30は、被加熱部材が載置される。載置板30は、加熱部材20の上方に配置される。
反射板40は、加熱部材20から発生した熱を載置板30の方へ反射する。反射板40は、加熱部材20の下方に配置される。反射板40は、加熱部材20と絶縁板50との間に配置される。反射板40には、電極70が通る貫通孔が形成されている。
絶縁板50は、加熱部材20及び反射板40の下方に配置される。絶縁板50には、電極70が通る貫通項が形成されている。
保護部材60は、載置板30及び支持台80と接続されるによって、加熱部材20、反射板40及び絶縁板50を取り囲む。
電極70は、加熱部材20と電気的に接続されており、加熱部材20に電気を供給する。
(3)作用効果
本実施形態に係る作用効果について、図5(a)及び図5(b)を参照しながら説明する。図5(a)は、炭化珪素セラミックス板において、x方向における中心からの位置と密度との関係を表すグラフである。図5(b)は、炭化珪素セラミックス板において、x方向における中心からの位置と温度との関係を表すグラフである。図5(b)は、降温過程の所定時点における炭化珪素セラミックス板の温度である。
破線Aは、密度が一定の炭化珪素セラミックス板(従来例A)を示す。実施例Bは、外側部4の密度が内側部8の密度よりも小さい炭化珪素セラミックス板10(実施例B)を示す。いずれの炭化珪素セラミックス板も中心から外周端までの長さがrである。炭化珪素セラミックス板は、半径rの円板形状である。
図5(a)に示されるように、従来例Aでは、中心から外周端まで、密度が一定である。一方、実施例Bでは、中心から外周端に向かうにつれ、密度が小さくなっている。特に、所定位置から外周端に向かうに連れ、密度が急激に小さくなっている。
図5(b)に示されるように、従来例Aでは、中心から外周端に向かうに連れ、温度が下がっている。外周端付近の所定位置から外周端に向かうに連れ、温度が急激に下がっている。一方、実施例Bでは、中心から所定の位置までは温度が略一定である。外周端付近の所定の位置から外周端に向かうに連れ温度が下がっているものの、従来例Aに比べると、温度の下がり方は、緩やかである。従って、従来例Aよりも、実施例Bの方が、温度分布が小さくなる。
炭化珪素セラミックスは、密度が大きいほど、熱伝導率が大きくなる。従って、実施例Bでは、中心から外周端に向かうに連れ、熱伝導率が小さくなり、特に、所定位置から外周端に向かうに連れ、熱伝導率が小さくなる。これにより、外周端付近は、外部の雰囲気に曝されていても、外部の温度が伝わりにくい。このため、外周端付近の温度が急激に下がることがなくなり、従来例Aに比べて、実施例Bの方が、温度分布が小さくなる。従って、実施例Bである炭化珪素セラミックス板10では、内側部8と外側部4との温度差が小さくなるため、熱膨張の差が小さくなる。これにより、外側部4に発生する引張応力が抑制される。その結果、外側部4に欠陥があっても、欠陥を起点とした割れの発生が抑制される。
(4)その他実施形態
本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。
具体的には、上述した実施形態では、炭化珪素セラミックス板10は、円板状であったが、これに限られない。例えば、炭化珪素セラミックス板10は、楕円板状であってもよい。なお、楕円状である炭化珪素セラミックス板10には、円板状である炭化珪素セラミックス板10は含まれる。他にも炭化珪素セラミックス板10は、多角形状、(例えば、八角形状)であってもよい。
また、炭化珪素セラミックス板10は、加熱部材20として用いられていたが、他の部材であってもよい。例えば、炭化珪素セラミックス板10は、載置板30として用いられてもよい。他にも、炭化珪素セラミックス板10は、反射板40及び絶縁板50として用いられてもよい。
上述の通り、本発明はここでは記載していない様々な実施形態を含む。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
2…外周端、 4…外側部、 5…主面、 8…内側部、 10…炭化珪素セラミックス板、 20…加熱部材、 30…載置板、 40…反射板、 50…絶縁板、 60…保護部材、 70…電極、 80…支持台、 100…ヒータユニット、 500…セラミックス板製造装置、 510…上パンチ、 510a…(上パンチの)対向面、 520…下パンチ、 520a…(下パンチの)対向面、 550…炭化珪素原料

Claims (3)

  1. 炭化珪素を主材料とし、平らな主面を有する板状の炭化珪素セラミックス板であって、
    前記主面に沿った方向における外周端を含む外側部と、前記主面に沿った方向において前記外側部よりも前記炭化珪素セラミックス板の中心側に位置する内側部とを有し、
    前記外側部の密度は、前記内側部の密度よりも、小さいことを特徴とする炭化珪素セラミックス板。
  2. 円板状であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素セラミックス板。
  3. 請求項1又は2に記載の炭化珪素セラミックス板を用いたヒータユニット。
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