JP2013149675A - セラミックコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 電歪現象に起因する基板鳴きの発生をより効果的に抑制でき、また、製品価格を低減することができるセラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】 積層セラミックコンデンサ31は、コンデンサ本体32の長手方向(z方向)の両端部に対向して一対の電極端子33a,33bを備える。また、一端が一方の電極端子33aに接合された導電性の接続部材34をコンデンサ本体32に並んで備える。接続部材34は、金属製の板材が折り曲げ加工されて形成され、その一端は2つの端部34a,34bに分岐している。これら端部34a,34bは、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接合されており、中央部には接合されていない。積層セラミックコンデンサ31は、接続部材34の他端の基部34c、および他方の電極端子33bがプリント基板35に半田36によって接合されることで、実装される。
【選択図】 図3
【解決手段】 積層セラミックコンデンサ31は、コンデンサ本体32の長手方向(z方向)の両端部に対向して一対の電極端子33a,33bを備える。また、一端が一方の電極端子33aに接合された導電性の接続部材34をコンデンサ本体32に並んで備える。接続部材34は、金属製の板材が折り曲げ加工されて形成され、その一端は2つの端部34a,34bに分岐している。これら端部34a,34bは、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接合されており、中央部には接合されていない。積層セラミックコンデンサ31は、接続部材34の他端の基部34c、および他方の電極端子33bがプリント基板35に半田36によって接合されることで、実装される。
【選択図】 図3
Description
本発明は、コンデンサ本体の両端部に一対の電極端子を備え、回路基板上に実装されるセラミックコンデンサに関するものである。
従来、この種のセラミックコンデンサとしては、例えば、特許文献1に開示された図1に示す積層セラミックコンデンサ10がある。この積層セラミックコンデンサ10は、コンデンサ本体の両端部に一対の外部電極15,16を備えており、これら外部電極15,16に接合された電極端子17,18を介して回路基板2上に実装されている。第1の電極端子17は、第1の外部電極15のx方向の一方側の端部に第1の電極側接合部17a、これと間隔をおいた他方側の端部に第2の電極側接合部17bが接合されて、第1の外部電極15に接合されている。また、第1の電極端子17は、基板側接合部17dで回路基板2に接合されており、第1の電極側接合部17aおよび第2の電極側接合部17bと基板側接合部17dとは、接続部17cによって接続されている。第2の電極端子18も第1の電極端子17と同様な構造をしている。
図2に示すように、一般的に、積層セラミックコンデンサ21においては、コンデンサを構成する内部電極22間に交流電圧が印加されて誘電体23に電界Eが印加されると、誘電現象によって結晶格子が歪むため、誘電体23は電界Eと平行な方向に伸張し、電界Eと垂直な方向に収縮する。この電歪効果により、積層セラミックコンデンサ21が振動し、この振動が、電極端子24a,24bと半田25によって接合している回路基板26に伝搬する。この結果、回路基板26に振動が生じることとなる。回路基板26の振幅はわずか1pm〜1nm程度であるが、回路基板26の振動周波数が可聴周波数帯域に及ぶと、回路基板26から可聴音が発生し、「基板鳴き」という現象が生じる。
しかし、図1に示す従来の積層セラミックコンデンサ10では、電極端子17,18を介して回路基板2上に実装されるため、電歪効果による積層セラミックコンデンサ10の振動が回路基板2へ直接伝搬するのが抑制される。しかも、電極端子17,18は、外部電極15,16のx方向において、大きく変形する中央部でなく、あまり変形しない両端部で接合されるため、積層セラミックコンデンサ10に生じる振動が電極端子17,18を介して回路基板2に伝搬され難くなり、電歪現象に起因する基板鳴きの発生が効果的に抑制される。
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサ10は、電極端子17,18を備えることで、電歪効果によって生じる振動が回路基板2に直接伝搬され難くなるが、コンデンサ本体の長手方向であるy方向において、コンデンサ本体の中心を起点に電極端子17,18の両端に均等に振動が伝搬する。このため、回路基板2への振動の伝搬が抑制しきれず、電歪現象に起因する基板鳴きの発生は抑制しきれていない。また、積層セラミックコンデンサ10は、その両端に電極端子17,18を接合する必要があり、製造過程における工数が多い。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
コンデンサ本体の両端部に一対の電極端子を備え、回路基板上に実装されるセラミックコンデンサにおいて、
一端が一方の電極端子に接合された導電性の接続部材をコンデンサ本体に並んで備え、接続部材の他端および他方の電極端子が回路基板に実装されることを特徴とする。
コンデンサ本体の両端部に一対の電極端子を備え、回路基板上に実装されるセラミックコンデンサにおいて、
一端が一方の電極端子に接合された導電性の接続部材をコンデンサ本体に並んで備え、接続部材の他端および他方の電極端子が回路基板に実装されることを特徴とする。
本構成によれば、コンデンサ本体の片方の端部に備えられる他方の電極端子だけが基板に実装されるので、電歪現象によってコンデンサ本体に生じる振動は、コンデンサ本体の中心を起点にその両端の電極端子に均等に伝搬して両端から回路基板に伝搬せずに、片方の電極端子だけから回路基板に伝搬する。また、一方の電極端子に生じる振動は、その電極端子に接合された接続部材に緩衝されて、弱められて回路基板に伝搬する。このため、電歪現象によってコンデンサ本体に生じる振動は、回路基板に伝搬するのが効果的に抑制される。従って、電歪現象に起因する基板鳴きの発生は、コンデンサ本体の両端部に備えられる電極端子の双方が、導電性の接続部材を介して回路基板に実装される従来のセラミックコンデンサに比較して、抑制される。また、一方の電極端子にのみ導電性の接続部材が接合されるので、セラミックコンデンサの製造過程における工数が減少し、製品価格を低減することができる。
また、本発明は、一対の電極端子がコンデンサ本体の長手方向の両端部に対向して形成されることを特徴とする。
電歪現象によってコンデンサ本体に生じる振動の振幅は、その長手方向に大きく現れる。このため、本構成によれば、回路基板に実装される短手方向の電極端子に生じる振幅は、長手方向に比較して小さくなり、回路基板へ伝搬する振幅の大きさが抑えられる。この結果、電歪現象によってコンデンサ本体に生じる振動が回路基板に伝搬するのがより効果的に抑制され、電歪現象に起因する基板鳴きの発生はより効果的に抑制される。また、セラミックコンデンサは、その短手方向において回路基板に実装されるため、回路基板におけるその実装面積が縮小される。このため、回路基板の高密度実装化に寄与することができる。
また、本発明は、接続部材が、一方の電極端子の長手方向の両端部において接合されていることを特徴とする。
電歪現象によってコンデンサ本体に生じる振動の振幅は、電極端子の長手方向の中央部においてその両端部よりも大きく現れる。このため、本構成によれば、一方の電極端子の長手方向の両端部において接続部材が接合されるため、電歪現象によってコンデンサ本体の電極端子に現れる振動は、接続部材を介して回路基板へ伝搬する振幅の大きさが抑えられる。この結果、コンデンサ本体に生じる振動は回路基板に伝搬するのがより効果的に抑制され、電歪現象に起因する基板鳴きの発生はより効果的に抑制される。
本発明によれば、上記のように、電歪現象に起因する基板鳴きの発生は、コンデンサ本体の両端部に備えられる電極端子の双方が、導電性の接続部材を介して回路基板に実装される従来のセラミックコンデンサに比較して、抑制される。また、セラミックコンデンサの製造過程における工数が減少し、製品価格を低減することができる。
次に、本発明の一実施の形態によるセラミックコンデンサについて、説明する。
図3(a)は、本実施の形態による積層セラミックコンデンサ31の外観斜視図、同図(b)はその側面図である。
積層セラミックコンデンサ31は、表面実装型のチップ・コンデンサであり、セラミック層が積層されて略直方体の形状をしたコンデンサ本体32の両端部に、一対の電極端子33a,33bを備える。コンデンサ本体32は、例えば、BaTiO3や、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などの誘電体セラミックからなる。コンデンサ本体32の内部には、コンデンサを構成する複数の内部電極が、コンデンサ本体32の長手方向(z方向)に直交する短手方向(y方向)で、相互に対向している。一対の電極端子33a,33bは、コンデンサ本体32の長手方向(z方向)の両端部に対向して形成されており、相互に対向する各内部電極が接続されている。
また、積層セラミックコンデンサ31は、一端が一方の電極端子33aに接合された導電性の接続部材34をコンデンサ本体32に並んで備える。本実施の形態では、導電性の接続部材34は、金属製の板材が折り曲げ加工されて形成されており、その一端は所定の間隔があけられた2つの端部34a,34bに分岐している。これら端部34a,34bは、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接合されており、中央部には接合されていない。接続部材34は、電極端子33a,33bや内部電極と同様、例えば、Cuや、Ni、Ag、Pd、Auなどの金属、またはこれらの金属を含むAg−Pd合金やFe系合金などからなる。
このような積層セラミックコンデンサ31は、接続部材34の他端の基部34c、および他方の電極端子33bがプリント基板35に半田36によって接合されることで、実装される。半田36には、Sn−Sb系高温半田などの高温半田、Sb−Pb共晶半田、Sn−Ag−Cu系Pbフリー半田、Sn−Cu系Pbフリー半田などが用いられるが、半田36に限定されることはなく、導電性微粒子を含む導電性接着剤、ボルト、リベットなどの適宜の接合部材を用いることができる。回路基板であるプリント基板35には電気回路が形成されており、積層セラミックコンデンサ31は、上記のように実装されることで、各電極端子33a,33bがプリント基板35に形成される電気回路に電気的に接続される。
積層セラミックコンデンサ31は、例えば、DC−DCコンバータの入力部分や出力部分に使われたりする。DC−DCコンバータでは、その動作原理によりリップル電圧が生じる。このため、積層セラミックコンデンサ31には、交流成分のリップル電圧が重畳した直流電圧が印加される。従って、積層セラミックコンデンサ31を用いたDC−DCコンバータにおいては、積層セラミックコンデンサ31に電歪効果による振動が生じることとなる。
しかし、本実施の形態による積層セラミックコンデンサ31によれば、コンデンサ本体32の片方の端部に備えられる他方の電極端子33bだけがプリント基板35に実装されるので、電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動は、コンデンサ本体32の中心を起点に両端の電極端子33a,33bに均等に伝搬して両端からプリント基板35に伝搬せずに、片方の電極端子33bだけからプリント基板35に伝搬する。また、一方の電極端子33aに生じる振動は、その電極端子33aに接合された接続部材34に緩衝されて、弱められてプリント基板35に伝搬する。このため、電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動は、プリント基板35に伝搬するのが効果的に抑制される。従って、電歪現象に起因する基板鳴きの発生は、特許文献1に開示された従来の積層セラミックコンデンサ10のように、コンデンサ本体の両端部に備えられる外部電極15,16の双方が電極端子17,18を介して回路基板2に実装される従来のものに比較して、抑制される。また、本実施の形態による積層セラミックコンデンサ31によれば、一方の電極端子33aにのみ導電性の接続部材34が接合されるので、積層セラミックコンデンサ31の製造過程における工数が減少し、製品価格を低減することができる。
また、積層セラミックコンデンサ31の一対の電極端子33a,33b間に交流リップル電圧が印加されると、コンデンサ本体32の内部でコンデンサを構成する内部電極間に電界Eが発生し、その長手方向(z方向)に直交する短手方向(y方向)に伸張し、長手方向(z方向)に収縮する電歪現象が生じる。この電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動の振幅は、その長手方向(z方向)に大きく現れる。このため、一対の電極端子33a,33bがコンデンサ本体32の長手方向の両端部に対向して形成される、本実施の形態による積層セラミックコンデンサ31によれば、プリント基板35に実装される短手方向の電極端子33bに生じる振幅は、長手方向に比較して小さくなり、プリント基板35へ伝搬する振幅の大きさが抑えられる。この結果、電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動はプリント基板35に伝搬するのがより効果的に抑制され、電歪現象に起因する基板鳴きの発生はより効果的に抑制される。また、積層セラミックコンデンサ31は、その短手方向(x、y方向)においてプリント基板35に実装され、立ち上がった状態になるため、プリント基板35におけるその実装面積が縮小される。このため、プリント基板35の高密度実装化に寄与することができる。
また、電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動の振幅は、電極端子33aの長手方向(x方向)の中央部においてその両端部よりも大きく現れる。このため、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接続部材34の端部34a,34bが接合される、本実施の形態による積層セラミックコンデンサ31によれば、電歪現象によってコンデンサ本体32の電極端子33aに現れる振動は、接続部材34を介してプリント基板35へ伝搬する振幅の大きさが抑えられる。この結果、コンデンサ本体32に生じる振動はプリント基板35に伝搬するのがより効果的に抑制され、電歪現象に起因する基板鳴きの発生はより効果的に抑制される。
なお、上記の実施形態の説明においては、一対の電極端子33a,33bが、コンデンサ本体32の長手方向(z方向)の両端部に対向して形成される場合について、説明した。しかし、図4に示す積層セラミックコンデンサ31Aのように、一対の電極端子33a,33bが、コンデンサ本体32の短手方向(z方向)の両端部に対向して形成されるように構成してもよい。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
この構成の積層セラミックコンデンサ31Aによっても、コンデンサ本体32の片方の端部に備えられる他方の電極端子33bだけがプリント基板35に実装されるので、電歪現象によってコンデンサ本体32に生じる振動は、コンデンサ本体32の中心を起点に両端の電極端子33a,33bに均等に伝搬して両端からプリント基板35に伝搬せずに、片方の電極端子33bだけからプリント基板35に伝搬する。また、一方の電極端子33aに生じる振動は、その電極端子33aに接合された接続部材34に緩衝されて、弱められてプリント基板35に伝搬する。また、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接続部材34の端部34a,34bが接合されるため、コンデンサ本体32の電極端子33aに現れる振動は、接続部材34を介してプリント基板35へ伝搬する振幅の大きさが抑えられる。このため、この構成の積層セラミックコンデンサ31Aによっても、上記の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、上記の実施形態および変形例においては、一方の電極端子33aの長手方向(x方向)の両端部において接続部材34の端部34a,34bが接合される場合について説明した。しかし、一方の電極端子33aの短手方向(y方向)の両端部において接続部材34の端部34a,34bが接合されるように構成してもよい。
また、上記の実施形態および変形例においては、接続部材34の一端が2つの端部34a,34bに分岐する場合について説明した。しかし、接続部材34の一端は、プリント基板35へ伝搬する振幅の大きさの抑制が若干弱くなるが、2つの端部34a,34bに分岐することなく、切り欠かない構成にしてもよい。
また、上記の実施形態および変形例においては、接続部材34が、金属製の板材が折り曲げ加工されて形成された場合について説明した。しかし、図5に示す積層セラミックコンデンサ31Bのように、接続部材34は、線状をした導電性のワイヤ37によって構成してもよい。なお、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。この構成によれば、接続部材34が金属製の板材からなる場合よりも、プリント基板35へ伝搬する振幅の大きさを抑制することができる。
31,31A,31B…積層セラミックコンデンサ
32…コンデンサ本体
33a,33b…電極端子
34…接続部材
34a,34b…接続部材34の端部
34c…接続部材34の基部
35…プリント基板
36…半田
37…ワイヤ
32…コンデンサ本体
33a,33b…電極端子
34…接続部材
34a,34b…接続部材34の端部
34c…接続部材34の基部
35…プリント基板
36…半田
37…ワイヤ
Claims (3)
- コンデンサ本体の両端部に一対の電極端子を備え、回路基板上に実装されるセラミックコンデンサにおいて、
一端が一方の前記電極端子に接合された導電性の接続部材を前記コンデンサ本体に並んで備え、前記接続部材の他端および他方の前記電極端子が回路基板に実装されることを特徴とするセラミックコンデンサ。 - 一対の前記電極端子は前記コンデンサ本体の長手方向の両端部に対向して形成されることを特徴とする請求項1に記載のセラミックコンデンサ。
- 前記接続部材は、一方の前記電極端子の長手方向の両端部において接合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセラミックコンデンサ。
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