JP2013149393A - 透明導電部材の製造方法 - Google Patents

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将輝 中山
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Abstract

【課題】透明性、導電性に優れた、等電位面を有する透明導電部材を、大面積化が可能な簡便な方法で製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成する工程を含む、透明導電部材の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明性、導電性に優れ、等電位面を有する透明導電部材の製造方法に関する。
透明導電部材は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの表示電極;タッチパネル用透明電極;太陽電池用透明電極;電磁波遮蔽膜等の用途で広く利用されている。
透明導電部材中の導電膜を形成する材料としては、錫ドープ酸化インジウム(Indium Tin Oxide 以下、「ITO」という。)が、よく知られている。ITO膜は、スパッタリング法、真空蒸着法等の気相法により製造されるが、気相法には高真空装置が必須であり、多大な設備投資を要する。特に、大面積が必要とされる用途においては、その設備投資及び維持費は莫大となる。また、ITO膜を製造する毎に、製造装置内の成分ガス圧を精密に制御しなければならないことから、製造コストと量産性には課題がある。
この課題を解決する方法として、ITO微粒子分散液を塗布して乾燥することにより、ITO膜を形成する方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、ITO膜は、インジウムが高価であること、透明性を維持したままで導電性を向上させることが困難であること、曲げに弱いこと等、解決すべき課題は多い。
量産可能な方法として、特許文献1には、導電性微粒子と、網目構造の開口部を有する鋳型を用いて、導電性に優れた導電膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、該方法では、とりわけディスプレイの電圧印加用電極として使用する場合において、金属細線部分のみが電圧印加されて、それ以外の空隙部分には電圧がかからないため、輝度のムラが発生することが懸念される(金属細線部分が最も明るくなる)。
一方、特許文献2には、面内に均一な導電性が得られる透明導電膜とその製造方法が提案されている。しかしながら、銀ナノワイヤを用いて導電層を形成する場合は、高い導電性と透明性(光線透過率)を両立させることが難しく、導電層(導電膜)を含む光線透過率で80%以上のものは得られていない。
以上、従来の技術では、高品質(高導電性、高透明性(光線透過率が高い))で、等電位面を有する導電膜を、簡便に(低コストで)製造するには課題がある。
国際公開WO2011/090034 特開2009−205924号公報
例えば、近年の液晶ディスプレイは、大面積である上、高精細化に伴い画素ピッチが一層小さくなっている。このような液晶ディスプレイの電極部材として、従来の金属メッシュを表面に有する導電膜を使用すると、配線間の空隙部分に電圧がかからず、均一な加電面(等電位面)が得られないことが問題となる場合がある。したがって、本発明の課題は、透明性、導電性に優れ、かつ、等電位面を有する透明導電部材を、大面積化が容易に実現できる方法で製造するための製造方法を提供することである。
本発明者らは上記のような透明導電部材を得るべく鋭意検討した結果、基板表面に、網目構造の開口部を有する鋳型を配置した後、金属等の導電材料を分散させた分散液を基板表面に展開し、分散媒を乾燥除去させることで、鋳型の線幅よりも微細な線幅で、鋳型の網目構造に対応するパターンが基板表面上に形成することができ、さらに形成されたパターンを、導電性を有する樹脂層に埋め込む、または導電性を有する樹脂層に埋め込んで転写することにより、容易に、等電位面を有する透明導電部材を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、一態様として、基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、
鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、
分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、
鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、
パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして
導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成する工程を含む、
透明導電部材の製造方法を提供する。
本発明の製造方法は、透明性、導電性に優れ、等電位面を有する透明導電部材を、大面積化が可能な方法で、簡便に製造できることから、工業的価値が大きい。
本発明の一態様における、基板(A)に鋳型(B)を配置する工程を示す概略斜視図である。 本発明の一態様における、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開した後の基板(A)と鋳型(B)を示す概略斜視図である。 本発明の一態様における、鋳型(B)を取り外した後の基板(A)と導電性粒子(P)を示す概略斜視図である。 本発明の一態様における、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開した基板(A)を示す概略斜視図である。 本発明の一態様における、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開した基板(A)に鋳型(B)を配置する工程を示す概略斜視図である。 本発明の一態様における、鋳型(B)を取り外した後の基板(A)と導電性粒子(P)を示す概略斜視図である。 本発明による導電膜の製造プロセスの一例を示す模式図である。 本発明による導電膜の製造プロセスの一例を示す模式図である。 本発明による導電膜の製造プロセスの一例を示す模式図である。 実施例1で得られた導電膜の光学顕微鏡写真である。
本発明の透明導電部材の製造方法について説明する。
本発明の透明導電部材は、基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成することにより得られる。
また、本発明の透明導電部材は、基板(A)の表面上に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、基板(A)の表面に展開した分散液(D)の上から、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成することにより得られる。
また、本発明において、「接点近傍」とは、所定のパターンに対応するパターン構造が形成される領域であって、例えば、線幅が10μm以下、好ましくは5μm以下の、導電性粒子(P)による所定のパターンが形成される領域を意味する。
<基板(A)>
本発明に用いる基板(A)は、その表面と、後述する導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角が0.1〜50°であることが好ましく、接触角が0.1〜30°であることがより好ましく、接触角が0.1〜20°であることが更に好ましい。
基板(A)の表面と、導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角を上記の範囲内とするために、基板(A)を予め表面処理しておくことが好ましい。表面処理の方法としては、例えば、UV照射処理、エキシマ照射処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等;アセトン、アルコール等の有機溶剤による洗浄処理が挙げられる。
基板(A)の形状としては、例えば、平板状、フィルム状が挙げられる。取り扱いの容易さを考慮すると、平板状が好ましい。
基板(A)の素材としては、例えば、ガラス;ステンレス、アルミ等の金属;ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。
後述するパターン構造(C)を形成した基板(A)を、透明導電部材として用いる場合、基板(A)として、ガラスや透明樹脂等の透明基板を選択すればよい。
基板(A)として透明樹脂を用いる場合、ヤング率は0.5GPa以上、130℃での熱収縮率は1%以下、融点は70℃以上であることが好ましく、膜厚は15μm以上であることが好ましい。
透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリスチレンが挙げられる。
パターン構造(C)の焼成工程を要する場合には、焼成温度を勘案して、基板(A)の素材を選択すればよい。
<鋳型(B)>
本発明に用いる鋳型(B)は、基板(A)と接触する面(s)と、その裏面(r)を貫通する網目構造の開口部を有する。鋳型(B)の開口部を通じて、後述する導電性粒子(P)の分散液(D)の分散媒を蒸発させることができる。これにより、基板(A)上の、鋳型(B)の開口部ではない部分(鋳型の網目の辺部分)に対応する部分に、導電性粒子(P)を表面張力により自己組織的に集積させることができる。
鋳型(B)の網目の辺部分に、導電性粒子(P)を表面張力により自己組織的に集積させるには、基板(A)に対向する鋳型(B)の各辺が全て基板(A)に密着していない方が好ましい。尚、基板(A)と鋳型(B)が密着している場合でも、後述する工程1−3の乾燥工程において、分散液(D)の表面張力によって鋳型(B)が押し上げられる。
鋳型(B)としては、例えば、ステンレス製、アルミ製等の金網が挙げられる。特に、ステンレス製、アルミ製の細線で平織り又は綾織りされた金網は、網目辺の交点が盛り上がっており、これを基板(A)に乗せると、網目の各辺が基板(A)に密着しないことから好ましい。
また、鋳型(B)も、基板(A)と同様に、例えば、UV照射処理、エキシマ照射処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等;アセトン、アルコール等の有機溶剤による洗浄処理によって、予め表面処理しておくことが好ましい。
このような金網を用いる場合、本発明の製造方法により作製される任意のパターン構造(C)の線幅、開口部の幅は、この金網を構成するワイヤー(針金)の直径、開口部の幅で調整することができる。用いるワイヤーの断面は、丸型、角型等、いずれの形のものでも用いることができる。尚、開口部の幅とは、金網を構成するワイヤーとワイヤーの間隔を示す。また、金網のピッチとは、金網を構成するワイヤーの中心からワイヤーの中心までの間隔を示す。
エレクトフォーミング法で作製された網目構造の鋳型や、マイクロシーブも、鋳型(B)として用いることができる。マイクロシーブを用いる場合、表面に微細粒子(例えば、ナノ又はマイクロサイズのシリカ粒子。)を付着又は融着させ、シリカ粒子が付着又は融着した面を基板(A)に対向させて、基板(A)に乗せて用いることが好ましい。
本発明の製造方法によると、鋳型(B)に用いた金網のワイヤーの直径に対して、1/10〜1/3程度の線幅のパターン構造(C)を、基板(A)上に形成することが可能である。
ワイヤーの直径は、5〜60μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。ワイヤーの直径が5〜60μmであれば、形成されるパターン構造(C)の線幅も細いため、得られる導電膜の透明性が高くなる。マイクロシーブを鋳型に用いる場合、その網目各辺の幅は、上記のワイヤーの直径と同程度であることが好ましい。
鋳型(B)が、欠陥のない規則正しい網目構造であれば、この鋳型を用いて作製される導電膜のパターンは、規則正しい網目構造が得られる。規則正しい網目構造とは、それぞれの網目が同一の形状である網目構造を意味する。
例えば、正方形の網目、長方形の網目、正六角形の網目がそれぞれの辺を共有して連続している場合、これらは規則正しい網目構造である。
<導電性粒子(P)>
本発明に用いる導電性粒子(P)としては、例えば、金属微粒子、導電性ポリマーの微粒子、カーボンが挙げられる。
金属微粒子としては、例えば、Au、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Cr、Zn、Sn等の金属、これらの酸化物、及びこれらの合金が挙げられる。これらの中では、導電性が高いことから、Au、Ag、Cu、Ptが好ましい。また、コスト面からは、Ag、Cu、洋銀(Cu、Zn、Niの合金)が好ましい。金属微粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールやこれらの誘導体が挙げられる。導電性ポリマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性粒子(P)の質量平均粒子径は、1〜1000nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、1〜30nmが更に好ましく、1〜20nmが特に好ましい。導電性粒子(P)の質量平均粒子径が小さいほど、鋳型(B)のパターン形状に対する追随性が高くなる。
<分散液(D)>
導電性粒子(P)の分散液(D)の固形分は、0.01〜80質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.01〜5質量%が更に好ましく、0.01〜3質量%が特に好ましい。分散液(D)の固形分が低いほど、パターン構造(C)の線幅が細くなるため、色味が薄く、透明性の高い導電膜を得ることできる。
分散液(D)の分散媒としては、例えば、水;アルコール等の有機溶剤が挙げられる。これらの中では、蒸発速度が適度であること、VOC(Volatile Organic Compounds)がないことから、水が好ましい。分散媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、導電性粒子(P)の分散安定化のため、分散助剤を使用することもできる。
<パターン構造(C)の形成>
本発明のパターン構造(C)は、鋳型(B)を用いて形成されるが、その際、基板(A)の表面上に、下記の製造方法1のように鋳型(B)を先に配置するか、下記の製造方法2のように導電性粒子(P)の分散液(D)を先に展開するかは任意である。いずれの方法によっても鋳型の網目に対応する網目状パターンの導電膜を容易に得ることができる。尚、本発明では、導電性粒子(P)により形成されたパターン構造(C)を、「導電膜」という。
本発明の製造方法を用いることで、例えばメートルオーダーの大面積の導電膜であっても、簡便に製造することができる。
以下、本発明による製造方法の各種実施態様について説明する。
<製造方法1>
工程1−1:基板(A)の表面上に、鋳型(B)を、工程1−2〜1−3の操作によってずれないように配置する。(図1)
工程1−2:鋳型(B)を配置した基板(A)に、鋳型(B)の上面から、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する。(図2)
工程1−3:分散液(D)の分散媒を乾燥させることで、導電性粒子(P)を基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に凝縮させたパターン構造(C)を、自己組織的に形成させる。
工程1−4:鋳型(B)を取り外すことで、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、導電膜を得る。(図3)
<製造方法2>
工程2−1:基板(A)の表面上に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する。(図4)
工程2−2:分散液(D)を展開した基板(A)の表面に、鋳型(B)を、工程2−3の操作によってずれないように配置する。(図5)
工程2−3:分散液(D)の分散媒を乾燥させることで、導電性粒子(P)を基板(A)と鋳型(B)との接点近傍に凝縮させたパターン構造(C)を、自己組織的に形成させる。
工程2−4:鋳型(B)を取り外すことで、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、導電膜を得る。(図6)
製造方法1又は2によって、任意のパターン構造(C)を容易に得ることができるが、歩留まりが良好であることから、製造方法1が好ましい。
本発明の製造方法により、鋳型(B)の線幅よりも有意に細い線幅で、導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を、基板(A)の表面上に形成することができる。例えば、ステンレス製の金網を鋳型(B)として用いると、この金網を構成しているステンレスワイヤーの直径の1/10〜1/3程度の線幅のパターン構造(C)が、該ワイヤーに対応する基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によって形成される。
パターン構造(C)の線幅が、鋳型(B)を構成する線幅よりも格段に細くなる現象は、本発明者らにより見出された現象である。
この現象は、上記工程1−3又は2−3において、分散液(D)を乾燥させる過程で、分散液(D)の表面張力によって鋳型(B)が押し上げられ、乾燥の進行に伴い、鋳型(B)を構成する細線の下方で、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)が凝縮するためと推測される。
本発明の製造方法では、パターン構造(C)の線の断面形状が、上方に弧を描いたような弓形(凸型)であるものを容易に形成することができる。線の断面形状が弓形であることで、表面抵抗値が小さくなり、後の転写工程においては、転写が容易となる。
以下、製造方法1の各工程について詳細に説明する。
<工程1−1>
本工程は、基板(A)の表面上に、鋳型(B)を配置する工程である。製造方法1をバッチ操作で実施する場合には、鋳型(B)を基板(A)から取り外す工程1−4までの間、両者の相対位置がずれないように、公知の接着剤又は接着テープ等を用いることができる。
但し、基板(A)の表面で接着を行なうと、その部分は導電膜が形成されなくなることから、接着部分は基板の隅であることが望ましい。
基板(A)と鋳型(B)は、密着している必要はない。鋳型(B)の、基板(A)と接触する面(s)と基板(A)の間隔は、0.01〜20μmであることが好ましく、0.01μm〜2μmであることがより好ましい。面(s)と基板(A)の間隔がこの範囲内であれば、斑の少ない導電膜が再現性良く得られる。
<工程1−2>
鋳型(B)を配置した基板(A)に、導電膜の原料となる導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する工程である。本工程では、導電膜を形成する部分一面に、分散液(D)が展開されていればよく、鋳型(B)が基板(A)からずれることなく、鋳型(B)の開口部に均一に導入が可能な方法であれば限定されない。
開口部に分散液(D)を導入する方法としては、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレー法、剪断塗布法が挙げられる。
前述したように、基板(A)を予め表面処理することにより、分散液(D)との接触角を小さくし、更に、鋳型(B)の網目部分と分散液(D)との接触角を50°以下、好ましくは30°以下とすることで、鋳型(B)を配置した基板(A)に、分散液(D)を部分的に滴下した場合でも、表面張力によって、分散液(D)を速やかに一面に展開することができる。
<工程1−3>
分散液(D)を展開した後、分散液(D)の分散媒を乾燥(蒸発除去)させる工程である。乾燥温度は0〜100℃が好ましく、3〜60℃がより好ましく、3〜30℃が更に好ましい。
分散媒を乾燥させる方法としては、例えば、静置する方法、熱風をあてる方法、大気圧以下に減圧する方法が挙げられる。乾燥条件は、乾燥時間が10秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上となるように決めることが望ましい。
分散媒を乾燥する過程で、導電性粒子(P)が、自己組織的に、鋳型(B)と基板(A)が密着又は近接した部分へと集積していく。その結果、鋳型(B)と同形状のパターンを形成していく。
その他の条件が同じであれば、乾燥温度が低くなるほど乾燥速度は遅くなり、鋳型(B)のパターン形状に対する追随性が高く、密度の高い線を形成させることができる。
この工程で自己組織的に導電膜が形成されるのは、分散媒が乾燥していく過程で、導電性粒子(P)が濃縮されながら、分散媒自身の表面張力により、基板(A)と鋳型(B)の間隙の方へと引き寄せられていくためである。
分散媒の乾燥後に、工程1−2〜1−3を繰り返すこともできる。これにより、導電膜の導電性をさらに向上させることもできる。
<工程1−4>
鋳型(B)を基板(A)から取り外す工程である。形成された導電膜が損なわれない限り、特に取り外しの方法は限定されない。
次に、製造方法2の各工程について詳細に説明する。
<工程2−1>
本工程は、基板(A)の表面上に、導電膜の原料となる導電性粒子(P)の分散液(D)を展開する工程である。本工程では導電膜を形成する部分一面に、分散液(D)が展開されていればよい。
分散液(D)を展開する方法としては、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレー法、剪断塗布法が挙げられる。
<工程2−2>
工程2−1で基板(A)上に展開した分散液(D)の上から、鋳型(B)を基板(A)に配置する工程である。本工程では、工程2−1で展開した分散液(D)が乾燥したり、表面張力によって分散液がない部分が発生しなければ、鋳型(B)を配置する方法は特に限定されない。鋳型(B)を配置する方法としては、工程1−1で例示した方法が挙げられる。
<工程2−3>
工程1−3と同様の工程である。
乾燥後、再度、更に導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、工程2−3を行なうこともできる。これにより、導電膜の導電性をさらに向上させることもできる。
<工程2−4>
工程1−4と同様の工程である。
<導電膜>
本発明で得られる導電膜は、線幅を、鋳型(B)の線幅の1/10〜1/3程度にすることができる。導電膜の線幅は、0.1〜4.5μmであることが好ましい。
導電膜の線幅が0.1〜4.5μmである場合、導電膜の開口部の幅を調整することにより、例えば、1mm厚のガラス基板(光線透過率:90〜93%)上に導電膜を形成した場合の光線透過率を、80%以上とすることができる。
本発明の導電膜は、線幅を従来にない細さにできるため、開口部の幅を小さくすることができる。
従来技術の太い線幅である場合には、導電膜の透明性を上げるために開口部の幅を広くする必要があった。開口部は絶縁部分であるため、透明性を上げれば絶縁部分が大きくなり、透明導電膜としての性能は充分ではなかった。
<焼成処理>
本発明で得られる導電膜は、導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させた後、更に加熱して焼成することが好ましい。
一般に金属微粒子は、水又は有機溶剤に分散した分散液の状態であり、表面には分散安定性を維持するための分散剤が吸着している。導電性粒子(P)として金属微粒子を用いた場合、金属微粒子によるパターン構造(C)を形成させた後、焼成することにより、金属微粒子同士を融着させ、導電性の高い導電膜を形成することができる。
焼成時の加熱温度は、50〜600℃が好ましく、100〜450℃がより好ましい。焼成時間は、加熱温度や分散液(D)の物性によって異なるが、5〜30分程度が好ましい。
焼成は、工程1−4又は2−4で鋳型(B)を取り外した後に行なっても、上記工程で鋳型(B)を取り外す前に行なってもよい。
<電解めっき>
本発明で得られる導電膜は、導電性粒子(P)による任意のパターン構造(C)を形成させた後、形成された導電膜を電極として、電解めっきを行なうこともできる。電解めっき処理により、導電性粒子(P)による金属細線の密度を向上させることで、導電膜の導電性を更に向上させることができる。
但し、この場合、めっきの形成速度が速く、導電膜の線幅及び膜厚が急激に増加するため、電解めっき浴の金属イオン濃度、電圧、電流値の調整等が必要である。
<等電位面形成、転写工程>
本発明の製造方法では、基板(A)の表面上に導電膜を形成させた後、更に、基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、導電性を有する樹脂層を形成することで、等電位面を有する透明導電膜を得ることができる。
また、本発明の製造方法では、基板(A)の表面上に導電膜を形成させた後、更に、基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、その上に基板(E)を配置した後、導電性を有する樹脂層を形成し、基板(E)をその導電性樹脂層および導電膜と共に基板(A)から剥離することにより、基板(E)の表面に等電位面を有する導電膜を転写することができる。例えば、基板(A)の表面上に塗布された導電性物質を含有する単量体組成物(X)の上に基板(E)を配置した後に、導電性物質を含有する単量体組成物(X)を重合することにより導電性を有する樹脂層を形成し、基板(E)をその導電性樹脂層および導電膜と共に基板(A)から剥離することにより、単量体組成物(X)の重合体をバインダーとして、基板(E)の表面に面内で均一な導電性(等電位面)を有する導電膜を転写することができる。
単量体組成物(X)または樹脂組成物(Y)を塗布する前に、導電膜が形成された基板(A)の表面を、UV照射処理、エキシマ照射処理、プラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等により予め処理しておくことが好ましい。この操作により、導電膜の転写が容易になる。
<導電性物質、導電性樹脂組成物>
等電位面を形成するためには、導電性物質を単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)に含有させておく必要がある。導電性物質としては、ITO、導電性ポリマー等が例示できる。導電性ポリマーとしては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールやこれらの誘導体が挙げられ、特に、チオフェン系のポリマーを用いることが、高い導電性と透明性が得られる点で好ましい。チオフェン系のポリマーの具体例として、ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネートが挙げられる。ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネートは、外部ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸が付与されている構造を有する外部ドープ型の導電性ポリマーであり、3,4−エチレンジオキシチオフェン(バイエル社製 Baytron M)をトルエンスルホン酸鉄(バイエル社製 Baytron C)などの酸化剤で重合することにより製造されるポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸との反応生成物として製造することが可能である。また、この導電性ポリマーは、バイエル社製 Baytron P、信越ポリマー社製 セプルジーダ、又はナガセケミテック社製 デナトロンとして入手することが可能である。
導電性物質または導電性ポリマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性物質の含有量は、目標とする導電性能等によって適宜調整することが可能であるが、光透過性等を考慮すると、導電性物質を含む単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)100質量部中、0.1〜50質量部、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.1〜10質量部である。
<単量体組成物(X)>
本発明に用いる単量体組成物(X)は、光硬化性単量体組成物(X1)又は熱硬化性単量体組成物(X2)であり、これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、基板(E)は透明な基板であり、得られる重合体(樹脂層)と基板(E)との屈折率差を0.1以下とすることが好ましい。重合体(樹脂層)と基板(E)との屈折率差が小さいほど、透明性が高くなる。尚、屈折率は、JIS K−7105に従って、カルニュー光学工業(株)製KPR−2により測定することができる。
<光硬化性単量体組成物(X1)>
光硬化性単量体組成物(X1)を用いる場合、基板(A)の表面上に塗布した光硬化性単量体組成物(X1)に、紫外線等の活性エネルギー線を照射して重合することにより、導電膜を転写することができる。
光硬化性単量体組成物(X1)は、ビニル単量体(x1)と光重合開始剤(x2)を含有する。
その混合比率は、硬化速度が適度であることから、ビニル単量体(x1)100質量部に対して、光重合開始剤(x2)0.1〜10質量部であることが好ましい。光重合開始剤(x2)が0.1質量部以上であれば、光硬化性単量体組成物(X1)の硬化性が向上する。また、光重合開始剤(x2)が10質量部以下であれば、得られる重合体の着色が抑制される。
<ビニル単量体(x1)>
ビニル単量体(x1)としては、例えば、少なくとも2つのビニル基を有するビニル単量体(x1−1)、1つのビニル基を有するビニル単量体(x1−2)が挙げられる。
少なくとも2つのビニル基を有するビニル単量体(x1−1)としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、公知のエステルポリ(メタ)アクリレート、公知のウレタンポリ(メタ)アクリレート、公知のエポキシポリ(メタ)アクリレート、公知のエチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等を挙げることもできる。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
1つのビニル基を有するビニル単量体(x1−2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フォスフォエチル(メタ)アクリレート、スチレンが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル単量体(x1)として、ビニル単量体(x1−1)とビニル単量体(x1−2)を併用する場合、ビニル単量体(x1−1)100質量部に対して、ビニル単量体(x1−2)を0.1〜20質量部用いることが好ましく、0.5〜15質量部用いることがより好ましく、1〜10質量部用いることが更に好ましい。ビニル単量体(x1−2)を0.1質量部以上用いれば、光硬化性単量体組成物(X1)の粘度を低下させることができる。また、ビニル単量体(x1−2)を20質量部以下用いれば、得られる重合体の耐熱性を低下させることがない。
<光重合開始剤(x2)>
光重合開始剤(x2)としては、例えば、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE184(商品名))、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE127(商品名))等のカルボニル化合物;テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(チバ・ジャパン(株)製、IRGACURE784(商品名))が挙げられる。これらの中では、硬化性に優れることから、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<光硬化の方法>
光硬化に用いる活性エネルギー線の光源としては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ(フュージョンUVシステムズ社製)、可視光ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光が挙げられる。
活性エネルギー線照射時の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
活性エネルギー線の照射エネルギーとしては、200〜600nm、好ましくは320〜390nmの波長範囲での積算エネルギーが、0.01〜10J/cm、好ましくは0.5〜8J/cmとなるように照射することが好ましい。
活性エネルギー線は、基板(A)側を裏面として、表面側から照射することが好ましい。
<熱硬化性単量体組成物(X2)>
熱硬化性単量体組成物(X2)を用いる場合、基板(A)の表面上に塗布した熱硬化性単量体組成物(X2)に、熱を加えて重合することにより、導電膜を転写することができる。
熱硬化性単量体組成物(X2)は、ビニル単量体(x1)と熱重合開始剤(x3)を含有する。
その混合比率は、硬化速度が適度であることから、ビニル単量体(x1)100質量部に対して、熱重合開始剤(x3)0.1〜10質量部であることが好ましい。熱重合開始剤(x3)が0.1質量部以上であれば、熱硬化性単量体組成物(X2)の硬化性が向上する。また、熱重合開始剤(x3)が10質量部以下であれば、得られる重合体の着色が抑制される。
尚、熱硬化性単量体組成物(X2)で用いるビニル単量体(x1)は、光硬化性単量体組成物(X1)で用いるビニル単量体(x1)と同じである。
<熱重合開始剤(x3)>
熱重合開始剤(x3)としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレリックアシッド)等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム塩等の過硫酸化合物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、キュメインハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
<熱硬化の方法>
熱硬化性単量体組成物(X2)は、60〜130℃の温度で、0.1〜2時間程度加熱することが好ましい。
<樹脂組成物(Y)>
本発明に用いる樹脂組成物(Y)としては、透明樹脂を主成分とすることが好ましい。例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ樹脂等の透明樹脂が例示できる。
さらに樹脂組成物(Y)は、溶剤等で希釈してワニスとして調製することが好ましい。この溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、N,N’−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
樹脂組成物(Y)は、紫外線吸収剤等の添加剤を含有してもよい。
樹脂組成物(Y)を塗布後、加熱(乾燥)等することにより、樹脂層を形成させることができる。
<基板(E)>
基板(E)としては、透明な素材を用いることができる。
透明の素材としては、可撓性透明樹脂フィルム、透明樹脂シートが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム;ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルム;アクリルフィルム;ノルボルネンフィルムが挙げられる。
<連続プロセスのフロー>
本発明の製造方法は、生産性を考慮して、連続プロセスとすることが好ましい。連続プロセスについて、概略図(図7〜9)を用いて説明する。
<導電膜形成工程の連続化>
本発明における「導電膜」の形成を連続的に実施する場合に想定される、プロセスの概略図を図7に示す。
基板(A)は、導電性粒子(P)の分散液(D)との接触角を調整するための表面処理工程10に送られ、鋳型(B)を基板(A)の上面に配置後、分散液(D)を展開する工程20、乾燥工程30へと順次送られる。
この際、鋳型(B)を、円筒状又はエンドレスベルト状とすることで、より効率的に、連続的に導電膜を形成することができる。
表面処理工程10により、分散液(D)に対する基板(A)の接触角を小さくすることで、表面張力によって、分散液(D)は速やかに基板(A)上面に一様に展開する。
また、工程20〜工程30を2回以上繰り返すことにより、導電性を更に向上させることもできる。
乾燥工程の後に、必要に応じて、焼成工程を設けることができる。
<転写工程の連続化>
本発明における「転写」を連続的に実施する場合に想定されるプロセスの一例の概略図を図8に示す。本例は、基板(A)の表面上に塗布された単量体組成物(X)の上に基板(E)を配置した後に、単量体組成物(X)を重合することにより樹脂層を形成する態様を代表するものである。
導電膜が形成された基板(A)は、必要に応じて、表面処理工程10で表面処理を行なった後、単量体組成物(X)を塗布する工程40、単量体組成物(X)を重合する工程50へと順次送られる。
工程40の後、工程50の前に、単量体組成物(X)を塗布した基板(A)に、基板(E)を押し付けて単量体組成物(X)を重合し、基板(E)を剥離することで、導電膜を基板(E)に転写することができる。
基板(E)を基板(A)に押し付けるには、押さえつけロールを用いればよい。押さえつけロールは、単量体組成物(X)を基板(A)の表面に拡げながら、単量体組成物(X)に巻き込まれた空気を追い出す役割も担う。
<導電膜形成〜転写工程の連続化>
「導電膜」の形成〜「転写」までを一連の工程として行なうこともできる。その場合に想定されるプロセスの一例を図9に示す。
<透明導電部材>
本発明により、基板(A)上で形成された導電膜を転写して得られる基板(E)は、等電位面を有しており、各種用途における透明導電部材として有用である。
<用途>
本発明で得られる透明導電部材は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放電ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等の画像表示装置用透明電極;タッチパネル用透明電極;太陽電池用透明電極;電磁波遮蔽膜等の用途で好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<線幅・開口部の幅(ピッチ)の測定>
光学顕微鏡(オリンパス(株)製、システム顕微鏡BX51123MDS(商品名))を用い、導電膜を観察し、画像から線幅・開口部の幅をそれぞれ5箇所測定し、その平均値を、線幅・開口部の幅とした。
<透明性(光線透過率)の測定>
ヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH2000(商品名))を用い、試料の5箇所の光線透過率を測定し、その平均値を透明性(光線透過率)とした。
<導電性(表面抵抗値)の測定>
抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタGP(商品名))に直列四探針プローブを装着し、試料の5箇所の表面抵抗値を測定し、その平均値を導電性(表面抵抗値)とした。
<導電性物質を含有する単量体組成物(X)>
単量体組成物(X)として、セプルジーダOC−X109(信越ポリマー社製:UV硬化タイプのコーティング剤であり、エタノール/水の混合溶媒(質量比:エタノール/水=1/2)中に、チオフェン系の導電性ポリマー:ポリエチレンジオキシチオフェンポリスチレンスルホネートを含有する。)を使用した。
[実施例1]
基板(A)として、ガラス基板(寸法:50mm×50mm×1.0mm、光線透過率:91%、表面抵抗値:1010Ω/□以上、松浪硝子工業(株)製)を用いた。
鋳型(B)として、ワイヤーの直径:20μm、ピッチが102μmのステンレス製金網(平織りの金網)を用いた。
分散液(D)として、下記の金微粒子の水分散液を、固形分が2wt%となるように脱イオン水で希釈して用いた。
AuW011 (日本ペイント(株)製、導電性微粒子:金、質量平均粒子径10nm、固形分10質量%(商品名))
ガラス基板の表面に、ステンレス製の金網を配置し、35μLの金微粒子の水分散液を展開し、5℃で60分間静置して、水分散液を乾燥させた。
ステンレス製の金網をガラス基板の表面から取り外した後、焼成温度:450°で20分間加熱(焼成)した。ガラス基板上に金のパターン構造を形成させ、導電膜を得た。
得られた導電膜の光学顕微鏡写真を、図10に示す。
次に、卓上型光表面処理装置(セン特殊光源(株)製、低圧水銀ランプPL16−110(商品名))を用い、光源からの距離:15mmの位置に、導電膜を形成したガラス基板を設置し、ガラス基板の表面(導電膜側)に約1分間、UV照射した。
次いで、ガラス基板の導電膜の上方から、ガラスピペットを用いて単量体組成物(X)を塗布し、気泡を巻き込まないように押さえつけながら基板(E)としてのPETフィルム(東洋紡績(株)製、A4300(商品名)、厚さ:188μm、光線透過率:88%、表面抵抗値:1015Ω/□以上、反射防止膜なし)を配置した。
その後、6kW(120W/cm)の高圧水銀ランプを用い、210mJ/cmの紫外線をPETフィルム側から照射し、単量体組成物(X)を重合させた。PETフィルムを、ガラス基板からゆっくり剥離することによって、導電膜が転写されたPETフィルムを得た。
導電膜が転写されたPETフィルムは、線幅:4μm、開口部の幅:98μm、光線透過率:80%、表面抵抗値:18Ω/□であった。
導電膜が転写されたPETフィルムの厚さを、マイクロメータ((株)ミツトヨ製、MDC−25MJ(商品名))を用いて測定した結果、いずれも、220〜230μmであった。これより、単量体組成物(X)の重合体(樹脂層)の厚さは30〜40μmであった。
本発明によれば、透明性、導電性に優れ、等電位面を有する透明導電部材を簡便な方法(低コスト)で製造することができる。本発明の透明導電部材は、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ、電界放電ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、電子ペーパー等の画像表示装置用透明電極;タッチパネル用透明電極;太陽電池用透明電極;電磁波遮蔽膜等の用途で好適に用いられる。

Claims (3)

  1. 基板(A)の表面上に、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、
    鋳型(B)を配置した基板(A)の表面に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、
    分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、
    鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、
    パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして
    導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成する工程を含む、透明導電部材の製造方法。
  2. 基板(A)の表面上に、導電性粒子(P)の分散液(D)を展開し、
    基板(A)の表面に展開した分散液(D)の上から、基板(A)と接触させる面とその裏面とを貫通する網目構造の開口部を有する鋳型(B)を配置し、
    分散液(D)を乾燥させることにより、基板(A)上の鋳型(B)との接点近傍に、導電性粒子(P)にパターン構造(C)を形成させ、
    鋳型(B)を基板(A)から取り外すことにより、基板(A)の表面上に導電性粒子(P)によるパターン構造(C)を形成させ、
    パターン構造(C)を有する基板(A)の表面上に導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)を塗布し、そして
    導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)から導電性を有する樹脂層を形成する工程を含む、透明導電部材の製造方法。
  3. 前記塗布された導電性物質を含有する単量体組成物(X)または導電性樹脂組成物(Y)の上に基板(E)を配置した後に、前記導電性を有する樹脂層を形成し、さらに、基板(E)を基板(A)から剥離することにより、基板(E)の表面に前記パターン構造(C)および前記樹脂層を転写する工程を含む、請求項1または2に記載の透明導電部材の製造方法。
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