JP6716637B2 - 透明導電体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電体およびその製造方法に関し、詳細には、絶縁基材と導電膜とが著しく高い結着力を有し、均一で低いシート抵抗を有し、且つ高い透過率を有する透明導電体およびその製造方法に関する。
透明導電体は、高い光透過率の絶縁基材上にコートされた薄い導電膜を意味する。透明導電体は、適切な光学的透明性を有し、表面導電性(surface conductivity)を有する。表面導電性を有する透明導電体は、平面液晶表示装置(flat liquid crystal displays)、タッチパネル(touch panel)、電子発光装置(electroluminescent devices)、および
太陽電池(photovoltaic cells)など、透明性と導電性が同時に求められる分野において透明電極として広く用いられており、帯電防止層(anti‐static layers)や電磁波遮蔽
層(electromagnetic wave shielding layers)としても広く用いられている。
インジウムスズ酸化物(indium tin oxide;ITO)のような金属酸化物は、優れた光学的
透明性および電気的導電性を有するが、物理的衝撃によって損傷しやすく、物理的な変形ができないという欠点とともに、製造時にコストが高くなるだけでなく、高温工程が求められるという限界がある。
導電性ポリマーの場合、その電気的特性および光学的特性が劣るだけでなく、化学的および長期的安定性が劣るという問題がある。
そのため、優れた電気的、光学的特性を有し、長期間安定してその物性を維持することができ、物理的変形が可能な透明導電体に対する要求が増加し続けている。
かかる要求に応えるべく、韓国公開特許第2013‐0135186号のように、絶縁性基材上、銀ナノワイヤのような伝導性ナノワイヤのネットワークが有機マトリックスに含入されている構造の透明導電体が開発されている。
しかし、かかる透明導電体は、物理的に反ることが可能であるが、絶縁性基板との付着力が劣りその耐久性に問題があり、表面の電気的特性が均一でないという限界がある。
本発明の目的は、基板と導電膜とが著しく高い結着力を有することで、長期間繰り返しの物理的変形も安定した電気的特性を維持し、大面積でも均一で低いシート抵抗を有し、優れた透明度を有することができる透明導電体およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る透明導電体の製造方法は、a)基材上に透明高分子層と伝導性ネットワークが順に積層された積層体を製造するステップと、b)積層体にエネルギーを印加して、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させる(sink)ステップと、を含む。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、印加されるエネルギーは、熱エネルギー、光エネルギーまたは熱と光エネルギーであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、b)ステップは、エネルギーを
印加して積層体の透明高分子層の透明高分子をガラス転移温度以上に加熱することで、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させるステップを含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、印加されるエネルギーは、少なくとも熱エネルギーを含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、b)ステップにおいて印加されるエネルギーは、少なくとも熱エネルギーを含み、b)ステップは、積層体の透明高分子層を透明高分子のガラス転移温度(Tg;glass temperature)以上に加熱するステップを
含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、b)ステップにおいて印加されるエネルギーは、少なくとも光エネルギーを含み、b)ステップにおいて、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線、マイクロ波またはこれらの組み合わせの光が照射されてもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、伝導性ネットワークは、伝導性ナノワイヤ、伝導性ナノチューブおよび伝導性ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、伝導性ネットワークは、銀ナノワイヤ、銀ナノベルト、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤおよびカーボンナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、伝導性ネットワークは、ナノ単位体が互いに物理的に結着した多孔性構造体またはナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成される多孔性構造体であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、透明高分子層の透明高分子のガラス転移温度は、80〜140℃であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、透明高分子層の透明高分子は、ポリエステル(polyester)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(PET)、アクリレート(acrylate)(AC)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)(PMMA
)、アクリル樹脂(acrylic resin)、ポリカーボネート(polycarbonate)(PC)、ポリスチレン(polystyrene)、トリアセテート(triacetate)(TAC)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデ
ン(polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(polyethylene)、エチレン‐ビニルア
セテートコポリマー(ethylenevinylacetate copolymer)、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、金属イオン架橋されたエチレン‐メタクリル酸コポリマー(metal ion‐crosslinked ethylene‐methacrylic acid copolymer)、ポリウレタン(polyurethane)、セロハン(cellophane)およびポリオレフィン(polyolefin)から選択される一つまたは二つ以上の混合物であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、a)ステップは、a1)透明高分子または透明高分子の重合単位体を含有する第1溶液を基材上に塗布して塗布膜を形成するステップと、a2)塗布膜を乾燥するステップと、を含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、a2)ステップの後、またはa
2)ステップと同時に、塗布膜の透明高分子または透明高分子の重合単位体を重合するステップがさらに行われ得る。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、透明高分子層は、パターン化または非パターン化されてもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、a)ステップは、a3)透明高分子層が形成された基材の透明高分子層の表面に、伝導性ナノワイヤ、伝導性ナノチューブおよび伝導性ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体が分散媒に分散された分散液を塗布するステップを含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法は、a3)ステップの後、分散液が塗布された塗布膜に赤外線(IR)を含む光を照射して乾燥するステップをさらに含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、分散液は、有機バインダーをさらに含有することができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、有機バインダーは、分子量(重量平均分子量、Mw)が5×10以下の天然または合成ポリマーであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、有機バインダーは、多糖類、多糖類誘導体、ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルピロリドン(PVP)と、ポリビニルアルコール(PVA)群から選択される一つまたは二つ以上であってもよく、多糖類は
、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、カロース、カンテン、アルギン、アルジネート、ペクチン、カラギーナン、セルロース、キチン、キトサン、カードラン、デキストラン、フルクタン(fructane)、コラーゲン、ゲランガム(gellan gum)、アラビアガム、デンプン、キサンタン、タラカントガム(gum tragacanth)、カラヤン(carayan)
、カラビン(carabean)、グルコマンナンまたはこれらの組み合わせを含むことができ、多糖類誘導体は、セルロースエステルまたはセルロースエーテルを含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、伝導性ネットワークの伝導性物質は、表面プラズモンまたは光触媒能を含む光学的活性が挙げられる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法は、透明高分子層の表面に塗布されたナノ単位体に第1紫外線(UV)を含む第1光を照射する第1光照射ステップと、第1紫外線が照射されたナノ単位体にパルス型第1白色光を含む第2光を照射する第2光照射ステップと、を含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、第2光は、第2紫外線、第2赤外線または第2紫外線と第2赤外線をさらに含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、第1光は、パルス型第2白色光をさらに含むことができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、第2光照射ステップにおいて、b)ステップが行われ得る。すなわち、第2光照射ステップによって、伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降することができる。
本発明の一実施例による透明導電体の製造方法において、第1白色光および第2白色光は
、それぞれナノ単位体の紫外線‐可視光線分光スペクトルでナノ単位体の吸光ピークに相当する波長の光を含むことができる。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む。
本発明の一実施例による透明導電体は基材と、基材上に位置する複合層と、を含み、複合層は、ガラス転移温度(Tg;glass temperature)が80℃以上の透明高分子層と、透明
高分子層に含入された伝導性ネットワークと、を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークを含み、複合層の総厚さを基準として、複合層の基材と接する面である下部面から5%の厚さに至る下部領域でのナノ単位体の密度に対して、複合層の下部面の対向面である表面から5%の厚さに至る上部領域でのナノ単位体の密度が相対的に大きくなることができる。
本発明の一実施例による透明導電体は、基材と、前記基材上に位置する複合層と、を含み、複合層は、ガラス転移温度(Tg;glass temperature)が80℃以上の透明高分子層と
、透明高分子層に一部が含入された伝導性ネットワークと、を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体は、基材上に形成された透明高分子層に、伝導性ネットワークが沈降して(sink)形成された複合層を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体において、透明導電体の光透過率は90%以上であり、ヘイズ(haze)は1.5%以下であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体において、透明導電体は、少なくとも20mm×20mmの面積を基準として、下記の関係式1で規定されるシート抵抗均一度が90%以上であってもよい。
(関係式1)
シート抵抗均一度(%)=[1−(シート抵抗標準偏差)/シート抵抗平均)]×100
本発明の一実施例による透明導電体において、透明導電体は、1cmの曲率半径で1000回の曲げ試験の際、下記の関係式2で規定されるシート抵抗増加率が1.4以下であってもよい。
(関係式2)
シート抵抗増加率=曲げ試験後のシート抵抗/曲げ試験前のシート抵抗
本発明の一実施例による透明導電体において、透明導電体の平均シート抵抗は、100ohm/sq以下であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体において、伝導性ネットワークは、ナノ単位体が互いに物理的に結着した多孔性構造体またはナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成される多孔性構造体であってもよい。
本発明に係る透明導電体は、基材との結着力に極めて優れているという利点があり、大面積でも均一で優れた表面伝導率を有し、極めて高い光透過率および低いヘイズ特性を有す
るという利点がある。
また、本発明に係る透明導電体は、極めて容易で簡単な工程によりパターン化が可能であり、さらに、パターン化した表面(透明導電体の側面)が非常によく規定された平面形状であることから、極微細パターンの形成が可能であり、高精度のパターンの形成が可能であるという利点がある。
本発明に係る製造方法は、上述の優れた特性を有する透明導電体を非常に簡単な方法で大量生産することができるという利点があり、特に熱に非常に脆いポリマー基板が損傷することなく常温の大気条件下でごく短時間で優れた透明度および低いシート抵抗を有する透明導電体を製造することができ、これにより、ロールツーロール工程への適用が容易で、フレキシブル透明電極の大量生産を可能とする。
本発明の実施例2で製造された透明導電体の表面を観察した走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2で製造された透明導電体の表面を観察した他の走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の透明導電体およびその製造方法について詳細に説明する。ここで使用される技術用語および科学用語において他の定義がない限り、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常理解している意味を有し、下記の説明および添付の図面において本発明の要旨を不明瞭にし得る公知の機能および構成に関する説明は省略する。
通常、伝導性ナノワイヤネットワークをベースとする透明導電体を製造するために、絶縁性基材に銀ナノワイヤが分散された液を塗布してから乾燥して銀ナノワイヤネットワークを形成した後、更なる高分子バインダー物質を銀ナノワイヤネットワークの上部にオーバーコート(overcoating)して、透明導電体を製造する方法が用いられている。
しかし、かかる方法は、絶縁性の高分子バインダー物質がオーバーコートされることから、透明導電体の表面導電性が低下するだけでなく、位置に応じて表面導電性が異なるなど、シート抵抗の均一度が低下するという欠点がある。かかる電気的特性の低下とともに、より大きい問題点として指摘されることは、絶縁性基材と高分子バインダー物質で覆われた銀ナノワイヤネットワークである複合層との結着力が低下し、繰り返しの物理的変形に脆いという点である。
本出願人は、かかる従来の透明導電体が有する問題点を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、基材に透明高分子層をまず形成した後、エネルギーを印加して軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させる(sink)方法により透明導電体を製造する場合、基材と透明高分子に含入された伝導性ネットワークとが極めて向上した結着力を有し、透明導電体が大面積でも均一なシート抵抗を有することができ、非常に優れた表面導電性を有することができることを見出した。また、透明高分子層を軟化し、伝導性ネットワークを沈降させて透明高分子と伝導性ネットワークの複合層を製造する場合、オーバーコーティングにより製造される複合層の表面と同レベルの非常にスムーズな表面を有することができ、高い光透過率および低いヘイズ特性の実現もまた可能である。
また、熱エネルギーだけでなく、光エネルギーによっても、物理的に一体化した伝導性ネットワークの形成および物理的に一体化した伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させることが可能であり、短時間で大面積に、大量生産することができ、連続工程で透明導
電体を製造することができ、商業的な効用価値が非常に大きいと言える。さらに、光エネルギーを用いた透明電極の製造の際、技術的難題として思われる、大面積での均一で優れた電気的特性を実現できる方法を提供する。
本発明に係る透明導電体の製造方法は、a)基材上に透明高分子層と伝導性ネットワークが順に積層された積層体を製造するステップと、b)積層体にエネルギーを印加して、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させる(sink)ステップと、を含む。
すなわち、本発明に係る透明導電体の製造方法は、透明高分子層が形成された基材の透明高分子層の上部に、透明高分子層と接するように伝導性ネットワークを形成した後、エネルギーの印加によって、少なくとも伝導性ネットワークと接する透明高分子層領域が軟化し、伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降する方法により、透明導電体を製造することができる。
上述のように、エネルギーの印加によって、全透明高分子層が軟化され得、もしくは、これとは異なり、透明高分子層で伝導性ネットワークと接触する領域が部分的に軟化され得る。この際、透明高分子の「軟化」は、印加されるエネルギーによって、透明高分子層をなす透明高分子物質がガラス転移温度以上の温度および溶融温度未満の温度に加熱された状態を意味し得る。
従来のように、基材に伝導性ネットワークをまず形成した後、バインダーである透明高分子をオーバーコートする場合、基材との結着力、電気的均一性および表面伝導率が低下する。詳細には、伝導性ネットワークの上部に塗布される透明高分子のオーバーコートにより、伝導性ネットワークを構成する伝導性ナノ単位体は基材側に押される力を受ける。また、1ナノ単位体を基準として接したり、上下部に位置する他のナノ単位体の存在や位置等に応じてオーバーコーティングにより印加される力による移動程度もまた互いに異なる。また、オーバーコーティングが完了(透明高分子の塗布および硬化が完了)した後、ナノ単位体がいずれも透明高分子に埋もれている状態になる。また、バインダーとして用いられる透明高分子がオーバーコートされることによって、透明高分子は、基材と伝導性ネットワークとの間の空間を介して部分的に基材と結着した状態であるしかない。
しかし、本発明の一実施例による透明導電体の製造方法は、上述のように、基材に透明高分子層をまず形成した後、エネルギーの印加によって軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させることで、基材との結着力が実質的に全く損傷せず、均一な電気的特性を有し、且つ表面伝導率に優れた透明導電体を製造することができる。さらに、エネルギーの印加によって透明高分子層を軟化して伝導性ネットワークを沈降させる方法で透明導電体を製造することによって、透明導電体の表面(透明高分子の表面)がオーバーコーティングにより製造された場合と同レベルに極めてスムーズで、微細表面凹凸による光透過率の低下とヘイズ特性の劣化を著しく防止することができる。
基材
本発明に係る一実施例において、基材は絶縁性基材を意味し、支持体の役割を行うことができる。基材は、透明導電体の用途を考慮して適宜選択されてもよい。光学的に、基材は透明または不透明な基材であってもよい。基材は、物性的にリジッド(rigid)またはフ
レキシブル(flexible)な基材であってもよい。基材は、透明導電体の用途に応じて適宜選択されてもよく、基材の一例として、ガラス、ポリカーボネート、アクリルポリエチレンテレフタレート(PET)といったリジッド基材が挙げられる。基材の一例として、ポリ
エステルナフタレートおよびポリカーボネートといったポリエステル系基材、直鎖状、分岐(branched)、および環状ポリオレフィンといったポリオレフィン系基材、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアセタール、ポリスチレンおよびポリアクリルと
いったポリビニル系基材、セルローストリアセテート(cellulose triacetate)やセルロースアセテート(cellulose acetate)といったセルロースエステル塩基基材、ポリエー
テルスルホンといったポリスルホン基材、ポリイミド基材またはシリコン基材といったフレキシブル基材が挙げられる。しかし、本発明が基材によって限定されないことは言うまでもない。基材は、薄膜、フィルム等の形状であってもよく、基材が透明導電体の用途に適する適切な形状を有し得ることは言うまでもない。
透明高分子層
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の透明高分子は、同一の繰り返し単位が重合された重合体であってもよい。この際、同一の繰り返し単位が重合された重合体は、重合度が互いに異なる二つ以上の重合体を含んでもよい。もしくは、これとは別に、透明高分子層は、互いに異なる繰り返し単位が重合された一つまたは二つ以上の重合体を含有してもよい。もしくは、これとは別に、透明高分子層の透明高分子は、重合度および/または繰り返し単位が互いに異なる二つ以上の重合体を含んでもよい。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の透明高分子のガラス転移温度(Tg)は80〜140℃、具体的には100〜140℃、より具体的には110〜130℃であってもよい。かかる温度は、透明高分子層上に伝導性ネットワークを安定して且つ再現性を持って形成することができる温度であり、以降、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させるために透明高分子に印加されるエネルギーによって、基材のような他の構成要素が損傷することを防止することができる範囲である。また、かかる透明高分子のガラス転移温度は、製造された透明導電体の使用時に熱安定性が保障される温度である。
本発明に係る一実施例において、エネルギーの印加によって、透明高分子層の透明高分子が加熱され得るが、透明高分子のガラス転移温度(Tg)以上の温度および透明高分子の溶融温度(Tm)未満の温度に加熱されて軟化され得、軟化した透明高分子に伝導性ネットワークが沈降され得る。
フレキシブル特性を有するか、ロールツーロールといった商業的工程を適用するためにフレキシブルポリマーを基材として使用してもよい。かかる場合、透明高分子は、ガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱され、且つ基材のフレキシブルポリマーが熱的に損傷しない温度に加熱され得る。具体的な一例として、透明高分子層の透明高分子は、エネルギーの印加によって、ガラス転移温度(Tg)を基準として1〜1.2倍の温度に加熱されてもよい。ガラス転移温度(Tg)は80〜140℃、具体的には100〜140℃、より具体的には110〜130℃である。ガラス転移温度(Tg)を基準として1〜1.2倍に加熱される場合、ポリエチレンテレフタレート基板のように耐熱特性が非常に劣る基材にも安定して透明導電体が製造され得る。さらに、ガラス転移温度(Tg)を基準として1〜1.2倍に加熱される構成は、微細パターン化した透明導電体を製造するために、透明高分子層が微細パターン化されていても、伝導性ネットワークは沈降し、且つパターン化した形状の維持を可能にする。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の透明高分子は、単一のガラス転移温度または二つ以上のガラス転移温度(Tg;glass temperature)を有してもよい。具体的な一
例として、透明高分子は、一つ、二つ、三つまたは四つのガラス転移温度を有してもよい。
本発明の一実施例による透明導電体において、透明高分子が二つ以上のガラス転移温度を有する場合、透明高分子の二つ以上のガラス転移温度のうち最も低いガラス転移温度は80〜140℃、具体的には100〜140℃、より具体的には110〜130℃であってもよい。
透明高分子が二つ以上のガラス転移温度を有する場合、透明高分子層の透明高分子は、エネルギーの印加によって、最も低いガラス転移温度以上〜最も高いガラス転移温度未満の温度に加熱されて軟化されてもよく、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークが沈降することができる。
この際、透明高分子の最高ガラス転移温度(二つ以上のガラス転移温度のうち最も高いガラス転移温度)と最低ガラス転移温度との温度差は5〜100℃、具体的には5〜50℃、より具体的には5〜20℃であってもよい。上述の最低ガラス転移温度および最高ガラス転移温度と最低ガラス転移温度との温度差は、安定した伝導性ネットワークの沈降が行われ、且つポリエチレンテレフタレート基板のように耐熱特性が劣る基材の損傷が防止され得る範囲であり、上述のように、透明高分子層がパターン化された場合、安定して形状が維持され得る範囲である。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の透明高分子は、下記の関係式1を満たすことができる。
(関係式1)
TS(%)≦0.1
関係式1中、TSは、フィルム状の透明高分子(透明高分子層の透明高分子)である透明高分子フィルムのガラス転移温度での熱収縮率である。具体的には、TSは横×縦×厚さが100mm×100mm×0.188mmのフィルム状の透明高分子の透明高分子フィルムを基準とし、透明高分子のガラス転移温度(℃、二つ以上のガラス転移温度を有する場合、最低ガラス転移温度)での熱収縮率である。この際、透明高分子フィルムの横、縦または厚さ方向への熱収縮率が関係式1を満たすことができ、好ましくは、横、縦および厚さ方向への熱収縮率がいずれも関係式1を満たすことができる。熱収縮率が発生しないほど好ましいことから、関係式1の下限は0であってもよく、実質的には0.01であってもよい。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層は、0.5μmの厚さで、透明高分子のガラス転移温度(℃、二つ以上のガラス転移温度を有する場合、最低ガラス転移温度)への加熱前と後の黄色度変化△YIが0.5以下であってもよい。
基材に透明高分子層をまず形成した後、透明高分子をガラス転移温度以上に加熱して、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させる(sink)方法を用いることで、透明高分子層の透明高分子は、加熱および冷却による収縮率ができるだけ発生せず、且つ黄色度変化ができるだけ発生しない物質であることが有利である。しかし、後述の光エネルギーの印加によって光焼結および伝導性ネットワークの沈降が同時に行われる場合、透明高分子層の一部(積層体の伝導性ネットワークと接触する透明高分子領域)が軟化し、伝導性ネットワークの沈降が行われ得る。これにより、後述の光エネルギーの印加の場合、透明高分子層の透明高分子物質が上述の熱収縮率および/または黄色度変化条件を満たさなくてもよい。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の透明高分子は、伝導性ネットワークと同じ物質からなる伝導性薄膜上、透明高分子の接触角が90゜以下であってもよい。かかる接触角特性は、軟化した透明高分子層に重力のみによって非常に細いか薄いナノ単位体からなる伝導性ネットワークを沈降させようとする場合に、より効果的である。これは、別の外部の力を印加することなく、伝導性ネットワークに加えられる重力によって、ガラス転移温度以上に加熱された透明高分子に伝導性ネットワークが沈降する場合、そのサイズ
が小さいナノ単位体であるほど、沈降する速度に接触角特性が影響を及ぼし得るためである。具体的には、伝導性ネットワークの物質と透明高分子層の透明高分子物質が90゜以下の接触角を有する場合、伝導性ネットワークが極めて微細なナノ単位体からなるとしても重力により安定して且つ容易に再現性を持って透明高分子層に沈降することができる。
透明高分子層の透明高分子は、光学的透明性を有し、且つ上述の条件を満たす場合、いかなる高分子でも使用可能である。
実質的な物質の一例として、透明高分子層の透明高分子は、ポリエステル(polyester)
、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(PET)、アクリレート
(acrylate)(AC)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)(PMMA)、アクリル樹脂(acrylic
resin)、ポリカーボネート(polycarbonate)(PC)、ポリスチレン(polystyrene)、トリアセテート(triacetate)(TAC)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(polyethylene)、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー(ethylenevinylacetate copolymer)、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、金属イオン架橋されたエチレン‐メタクリル酸コポリマー(metal ion‐crosslinked ethylene‐methacrylic acid copolymer)、ポリウレタン(polyurethane)、セロハン(cellophane)
およびポリオレフィン(polyolefin)から選択される一つまたは二つ以上の混合物であってもよく、これに限定されるものではない。より具体的な一例として、透明高分子層の透明高分子は、非イオン性ウレタンおよびアクリルから選択される一つまたは二つ以上の物質であってもよい。この際、透明高分子の重量平均分子量は100〜500,000,000であってもよく、これに限定されるものではない。
透明高分子の具体的な物質の例において、物質の種類、重合度、分子量分布、互いに異なる物質の混合比、官能基導入、添加剤等、公知の様々な方法を用いて、提示されたガラス転移温度、熱収縮率、黄色度変化および/または接触角等を満たす物性を有し得ることは言うまでもない。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層の厚さは、透明導電体の用途を考慮して適宜調節してもよい。一例として、透明高分子層の厚さは50nm〜10μm、具体的には50nm〜2000nmであってもよく、これに限定されるものではない。
本発明に係る一実施例において、透明高分子層は、単一の透明高分子物質からなる単一膜、または、互いに異なる透明高分子がそれぞれ層をなして積層された積層膜であってもよい。積層膜の場合、積層膜をなす透明高分子のうち、より低いガラス転移温度を有する透明高分子の膜(以下、表面膜)が伝導性ネットワークに接するように位置することができる。積層膜において積層膜全体の厚さに対する表面膜の厚さを調節することで、伝導性ネットワークが沈降する位置を調節することができる。すなわち、エネルギーの印加時に積層膜の下部膜に比べ表面膜がより軟化するようにして、積層膜で表面膜領域に選択的に伝導性ネットワークを沈降させることができる。しかし、透明高分子層が単一膜の場合にも、印加されるエネルギー、沈降する時間、冷却等の外部工程因子を調節して、伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降する程度が調節され得ることは言うまでもない。
本発明に係る一実施例において、a)ステップは、a1)透明高分子または透明高分子の重合単位体を含有する第1溶液を基材上に塗布して塗布膜を形成するステップと、a2)塗布膜を乾燥するステップと、を含むことができる。
この際、a2)ステップの後、またはa2)ステップと同時に、塗布膜の透明高分子また
は透明高分子の重合単位体を重合するステップがさらに行われ得る。かかる重合ステップは、第1溶液が重合単位体を含有するか、透明高分子が硬化能を有する硬化性透明高分子の場合に行われ得る。
上述のように、第1溶液が硬化能を有する透明高分子を含有するか、重合単位体を含有する場合、基材の上部に第1溶液を塗布および乾燥した後、もしくは乾燥ステップで硬化が行われ得る。この際、硬化は、光硬化、熱硬化または化学的硬化を含んでもよい。
しかし、硬化能を有していない高分子もまた使用可能であることは言うまでもなく、硬化能を有していない高分子の場合、第1溶液を基材の上部に塗布および乾燥して透明高分子層を形成することができる。
本発明の一実施例において、基材上に形成される透明高分子層は、パターン化または非パターン化したものであってもよい。この際、非パターン化は、意図的な透明高分子層の形態の制御が行われないことを意味する。具体的には、非パターン化は、基材の所定面積を単純な膜で覆う透明高分子層を意味し得る。パターン化は、塗布された形状と異なる形状を有するように意図的な形態の制御が行われることを意味する。透明導電体の用途を考慮して、用途に適するパターンを有することができ、格子形状、魚骨形状、インターディジテート(interdigitate)形状、微細ライン等、様々な形態でパターン化されてもよく、
本発明が透明高分子層のパターン形状によって限定されないことは言うまでもない。
透明高分子層のパターン化は、グラビア印刷等、特定のパターンで塗布可能な印刷方法を用いて第1溶液をパターン化した状態で塗布し、塗布膜を単純乾燥または乾燥および硬化して行われ得る。
第1溶液が硬化能を有する高分子または重合単位体を含有する場合、第1溶液の塗布膜を設計されたパターンによって部分的に硬化されるようにすることで、透明高分子層のパターン化が行われ得る。一例として、設計された領域のみに光が透過される光マスクおよび光マスクを用いた光照射のように、塗布膜を部分的に硬化させた後、未硬化の物質を除去することで透明高分子層のパターン化が行われ得る。
これとは別に、塗布膜の単純乾燥または乾燥および硬化が行われた後、エッチングマスクおよび乾式エッチングや湿式エッチングを用いた透明高分子物質の部分的除去によってパターン化が行われ得る。
透明高分子層を予めパターン化し、パターン化した透明導電体を製造することができるという特徴は、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させて透明導電体を製造する本発明の技術的特徴によって、実現可能な利点である。従来のように、基材に伝導性ネットワークを形成した後、オーバーコーティングにより透明伝導膜を製造する場合、オーバーコーティングの後、オーバーコーティングに用いられたバインダーポリマーをパターン化した状態で硬化し、未硬化の部分を除去するか、パターン化することなくバインダーポリマーをすべて硬化した後、エッチング等によって部分的にバインダーポリマーと伝導性ネットワークを除去することで透明導電膜のパターン化が可能となった。
かかる従来のパターン化は、工程の複雑性と費用増加は言うまでもなく、パターン化時に既に伝導性ネットワークがバインダーポリマーの内部に存在することから、パターン化された透明導電膜の側面が非常に不均一で粗く、高精度のパターン化が困難であるという問題点がある。
しかし、本発明の一実施例により基材に透明高分子層をまず形成した後、透明高分子をガ
ラス転移温度(二つ以上のガラス転移温度のうち最低ガラス転移温度以上)に加熱して軟化させ、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させる(sink)方法的特徴により、透明高分子層をまずパターンすることができる。これにより、パターン化した透明導電体の側面がよく規定された平面を有することができ、極めて高精度のパターン化もまた可能である。
すなわち、基材に形成された透明高分子層自体をパターン化した後、パターン化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させることによって、伝導性ネットワークとは関係なくパターン化が行われる利点がある。
第1溶液の溶媒は、透明高分子または透明高分子の重合単位体を溶解し、化学的に基材と反応しない溶媒であれば使用可能である。透明高分子または重合単位体の物質によって、当該物質を溶解する溶媒が適宜選択されてもよいことは周知の事実である。一例として、溶媒は、極性溶媒、無極性溶媒、極性非プロトン溶媒または極性プロトン溶媒であってもよく、非限定的な一例として、γ‐ブチロラクトン、ホルムアミド、N,N‐ジメチルホルムアミド、ジホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコール、1‐メチル‐2‐ピロリドン、N,N‐ジメチルアセトアミド、アセトン、α‐テルピネオール、β‐テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、2‐メトキシエタノール、アセチルアセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ケトン、メチルイソブチルケトン、ペンタノール、ヘキセン、シクロヘキセン、1,4‐ジオキセン、ベンゼン、トルエン、トリエチルアミン、クロロベンゼン、エチルアミン、エチルエーテル、クロロホルム、エチルアセテート、酢酸、1,2‐ジクロロベンゼン、tert‐ブチルアルコール、2‐ブタノール、イソプロパノールおよびメチルエチルケトンなどが挙げられるが、これに限定されないことは言うまでもない。ただし、当該透明高分子または高分子の重合単位体を溶解する様々な溶媒のうち、塗布後、より迅速な揮発除去のために沸点が低い溶媒を使用することがより有利である。
この際、第1溶液は、架橋剤、重合開始剤、安定剤、重合防止剤、界面活性剤、酸化防止剤、黄変防止剤、収縮防止剤等、高分子の物性を改善するための様々な添加剤をさらに含んでもよいことは言うまでもなく、第1溶液の粘度調節のための粘度調節剤のように、使用しようとする塗布方法に求められる特性を満たすための様々な添加剤をさらに含んでもよいことは言うまでもない。
第1溶液の塗布は、半導体やディスプレイ製造分野において、液相を塗布および乾燥して均一な厚さの膜を製造するために既に用いられている如何なる方法を用いてもよい。一例として、コーティング、スプレー、印刷等、様々な方法が挙げられるが、具体的な一例として、スピンコーティング(Spin coating);バーコーティング(Bar coating);グラ
ビア‐コーティング(Gravure coating);ブレードコーティング(Blade coating);ロール‐コーティング(Roll coating);またはスロットダイ(slot die);などが挙げられるが、本発明が第1溶液の塗布方法によって限定されるものではない。
本発明の一実施例による製造方法において、第1溶液の透明高分子が硬化能を有する場合、伝導性ネットワークは既に硬化された透明高分子層の上部に形成されてもよい。すなわち、透明高分子が硬化能を有していない場合、第1溶液の塗布および乾燥が完了した後、伝導性ネットワーク形成ステップが行われ得る。第1溶液が硬化能を有する透明高分子や重合単位体を含有する場合、第1溶液の塗布、乾燥および硬化が完了した後、伝導性ネットワーク形成ステップが行われ得る。これにより、積層体は、乾燥(透明高分子が硬化能を有していない場合)または硬化(透明高分子が硬化能を有する場合)によってリジッド(rigid)な状態の透明高分子層上に形成された伝導性ネットワークを含むことができる
伝導性ネットワーク
本発明の一実施例において、伝導性ネットワークは、伝導性のナノ単位体間の少なくとも物理的接触によって、連続した電荷移動経路が提供される構造を意味し得る。
ナノ単位体は、伝導性ナノワイヤ、伝導性ナノチューブおよび伝導性ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
ナノ単位体は、単一の物質または互いに異なる二つ以上の物質からなってもよい。すなわち、ナノ単位体は、ナノ構造を有する伝導性の単一の物質であってもよい。もしくは、二つ以上の物質からなる場合、ナノ単位体は、ナノ構造を有する非伝導性物質が他の伝導性物質によってコートされたものであってもよい。ナノ単位体が二つ以上の物質からなる具体的な一例として、非伝導性コアおよび伝導性シェルのコア‐シェル構造または伝導性コアおよび伝導性シェルからなるコア‐シェル構造が挙げられる。この際、コアをなす物質は、透光性物質であってもよい。かかるコア‐シェル構造は、極めて高い光透過率が求められる時に適する。
ナノ単位体の物質は、伝導性を有する物質であれば使用可能である。一例として、ナノ単位体の物質は、金属;ドーピングや欠陥等によって伝導性を有するか、物質自体の特性上、電子または正孔の伝達が可能な半導体;伝導性無機物;伝導性有機物;から選択される一つまたは二つ以上の物質であってもよい。
優れた伝導性および透明度低下防止を考慮したナノ単位体の例として、銀ナノワイヤ、銀ナノベルト、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤ、カーボンナノベルト等が挙げられ、伝導性ネットワークは、銀ナノワイヤ、銀ナノベルト、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤおよびカーボンナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。しかし、本発明がナノ単位体の物質によって限定されないことは言うまでもない。
本発明に係る一実施例において、伝導性ネットワークは、光学的活性を有する伝導性ナノ単位体のネットワークであってもよい。光学的活性を有する伝導性ナノ単位体は、表面プラズモンが発生する伝導性ナノ単位体および/または光触媒能を有する伝導性ナノ単位体を意味し得る。かかる光学的活性を有する伝導性ナノ単位体は、後述のように、光エネルギーによって伝導性ネットワークの物理的一体化と伝導性ネットワークを透明高分子層へ沈降させることが行われる場合より好適である。
プラズモンの分野において公知のように、表面プラズモンは、ナノディメンションを有する金属と光との相互作用によって、金属の自由電子の集団的動きであるプラズモンが金属単位体の表面に集中して形成される現象を意味する。表面プラズモンを発生する伝導性ナノ単位体は、表面プラズモンが発生するものと知られた如何なる金属のナノワイヤ、ナノチューブ、ナノベルトであってもよい。具体的な一例として、表面プラズモンを有する伝導性ナノ単位体は、金、銀、銅、リチウム、アルミニウムおよびこれらの合金等から選択される一つまたは二つ以上の物質のナノワイヤ、ナノチューブおよび/またはナノベルトであってもよく、本発明はこれに限定されるものではない。
光触媒能は、光エネルギーを受けて化学反応を促進させる能力を意味し、化学反応は、有機物の分解反応であってもよく、光触媒能は、有機物分解光触媒能であってもよい。光触媒能を有する伝導性ナノ単位体は、電子または正孔の移動経路を提供することができ、光によって化学反応を促進させるものと知られた如何なる物質のナノワイヤであってもよい
。電子移動経路を提供し、光触媒能を有する伝導性ナノ単位体の具体的な一例として、チタン酸化物、亜鉛酸化物およびスズ酸化物等から選択される一つ以上の金属酸化物のナノワイヤ、ナノチューブおよび/またはナノベルトが挙げられ、金属で光触媒能を有する伝導性ナノ単位体の具体的な一例として、金、銀、白金等を含む貴金属ナノワイヤ、貴金属ナノチューブおよび/または貴金属ナノベルトが挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
また、表面プラズモンを有する伝導性ナノ単位体は、表面プラズモンおよび光触媒能をいずれも有するものに解釈されてもよく、これは、表面プラズモンを有する異方性(anisotropic)構造の物質が光触媒能を有すると知られたことに相当する。
本発明に係る一実施例において、求められる特性を満たす限り、伝導性ネットワークは、ナノ単位体とともに、伝導性粒子や伝導性板のような更なる伝導性要素をさらに含んでもよいことは言うまでもない。伝導性板の具体的な一例として、グラフェンが挙げられる。
ナノ単位体のサイズは、用途に求められる電気的特性を満たすことができ、安定してネットワークを形成することができる程度であればよい。具体的な一例として、伝導性ナノワイヤや伝導性ナノチューブの場合、ナノ単位体のアスペクト比は50〜20000であってもよく、より実質的な一例として、平均直径5〜100nmおよび平均長さ5〜100μmであってもよい。
本発明に係る一実施例において、伝導性ネットワークは、ナノ単位体が互いに物理的に結着した多孔性構造体またはナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成される多孔性構造であってもよい。すなわち、伝導性ネットワークは、ナノ単位体が物理的に結着して一体をなす多孔網構造またはナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成されるナノ単位体ネットワークであってもよい。
この際、多孔網構造は、ナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成されるネットワークを形成し、且つ互いに接触するか絡み合ったナノ単位体が互いに結着(または融着)し、物理的に一体化した構造を意味し得る。また、ナノ単位体ネットワークは、ナノ単位体が規則的または不規則的に接触したり絡み合って連続した電荷移動経路を提供する構造を意味し得る。
伝導性ネットワークが物理的に一体化した多孔性構造(多孔網構造)の場合、透明高分子層の上部にすでに一体化した伝導性ネットワークを配置し、積層体を製造することができる。これとは別に、透明高分子層の上部にナノ単位体が分散された分散液を塗布してから乾燥して、ナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成されるナノ単位体ネットワークを形成した後、これを一体化して透明高分子層に沈降させることができる。
本発明に係る一実施例において、伝導性ネットワークの単位面積当たり質量は0.0001〜0.01g/cm、具体的には0.0001〜0.001g/cmであってもよい。伝導性ネットワークの単位面積当たり質量は、伝導性ネットワークと接する透明高分子層の表面を基準として、単位表面積当たり、当該単位表面積の上部に位置する伝導性ネットワークの質量を意味し得る。ナノ単位体のアスペクト比等に応じて、適宜調節されてもよいが、上述の伝導性ネットワークの単位面積当たり質量によって、光の透過率の低下をできる限り防止し、且つナノ単位体によって安定的で低い抵抗の伝導性ネットワークが生成され得る。
本発明に係る一実施例において、積層体は、透明高分子層の透明高分子100重量部を基準として1〜30重量部、具体的には5〜30重量部、より具体的には5〜15重量部の
伝導性ネットワークを含有してもよい。かかる伝導性ネットワークの含有量は、物理的安定性に優れた透明導電体の製造が可能で、且つナノ単位体によって安定した伝導性経路が形成されて透過率が過剰に阻害されない範囲である。
伝導性ネットワークの形成ステップは、伝導性ナノ単位体および分散媒を含有する分散液を透明高分子層上に塗布するステップを含んでもよい。この際、塗布された分散液の分散媒が揮発除去され、透明高分子層上に伝導性ナノ単位体のネットワークが形成され得る。分散液は、分散媒100重量部を基準として0.01〜70重量部の伝導性ナノ単位体を含有してもよく、本発明が分散液内のナノ単位体の含有量によって限定されないことは言うまでもない。
分散媒は、透明高分子層を溶解させることなく、透明高分子層と化学的に反応しない液相の物質であれば使用可能である。すなわち、分散媒は、透明高分子の非溶媒であってもよい。この際、透明高分子を溶解しないということは、20℃1気圧下、透明高分子の溶解度が0.01wt%未満、具体的には0.001wt%未満、より具体的には0.0001wt%未満、実質的には0の溶媒を意味し得る。分散媒が透明高分子の非溶媒であることから、透明高分子層上に分散液を塗布および乾燥する過程で、透明高分子層が損傷することを防止することができる。すなわち、透明高分子層上に伝導性ネットワークを形成した後にも透明高分子層の表面がスムーズな表面に維持され、表面凹凸による透明度の低下、ヘイズ特性の悪化等を防止することができる。
分散液は、伝導性ナノ単位体および分散媒とともに、分散性を向上させる分散剤、腐食防止剤、塗布された伝導性ネットワークの物理的安定性を向上させるためのバインダーなどの添加剤をさらに含んでもよいことは言うまでもない。
分散液の塗布もまた、半導体やディスプレイ製造分野において、液相を塗布および乾燥して均一な厚さの膜を製造するために既に用いられている如何なる方法を用いてもよい。一例として、コーティング、スプレー(噴射)、印刷等様々な方法が挙げられるが、具体的な一例として、スピンコーティング(Spin coating);スクリーンプリンティング(screen printing);インクジェットプリンティング(ink‐jet printing);バー‐コーティング(Bar coating);グラビア‐コーティング(Gravure coating);ブレードコーティング(Blade coating);ロール‐コーティング(Roll coating);スロットダイ(slot die);またはスプレー(spray)噴射法;などが挙げられるが、本発明は伝導性ナノ単位体分散液の塗布方法によって限定されるものではない。
この際、分散液内の伝導性ナノ単位体の量および/または分散液の塗布量等を調節して、透明高分子層の上部に位置する伝導性ナノ単位体の単位面積当たり質量の調節が可能であることは言うまでもない。
分散液の塗布が行われた後、必要に応じて、伝導性ネットワークの沈降のためのエネルギーの印加前に、塗布膜の乾燥が行われ得る。乾燥が行われる場合、透明高分子層がガラス転移温度未満の温度に維持される条件で乾燥が行われることが好ましい。塗布膜の乾燥は、自然乾燥、赤外線を含む熱光の照射、熱風乾燥、乾燥した空気の流れを利用する方法、熱源を用いた加熱等により行われ得る。しかし、乾燥ステップが別に行われず、沈降のためのエネルギーの印加時に乾燥が同時に行われ得ることは言うまでもない。
独立して、乾燥ステップが行われる場合、伝導性ナノ単位体分散液が基材に塗布された後、基材に塗布された伝導性ナノ単位体に赤外線(IR)を含む光を照射する熱光照射ステップが行われ得る。赤外線を含む光による乾燥は、基材を介する熱伝逹が不要で、熱に脆い基材でも乾燥による基材の損傷を防止することができ、さらに、大面積の塗布膜でも短時
間で均質に乾燥することができ、ロールツーロールを含む連続工程に非常に適する。赤外線の強度は、透明高分子層を軟化させることなく、分散媒を揮発させることができる程度であればよい。
エネルギーの印加
本発明の一実施例による製造方法において、積層体に印加されるエネルギーは、透明高分子層の透明高分子をガラス転移温度以上の温度に加温させることができるエネルギーであれば如何なる種類でも使用可能である。
具体的には、積層体に印加されるエネルギーは、熱エネルギー、光エネルギー、または熱と光エネルギーであってもよい。
熱エネルギーは、ジュール熱を含んでもよい。熱エネルギーは、直接的にまたは間接的に印加されてもよく、直接的印加は、熱源(source)と積層体が形成された基材が物理的に接触された状態を意味し得る。間接的印加は、熱源(source)と積層体が形成された基材が物理的に非接触の状態を意味し得る。非限定的な一例として、直接的な印加は、基材の下部に、電流の流れによってジュール熱を発生するヒーティングエレメントが位置し、基材を介して透明高分子層に熱エネルギーを伝達する方法が挙げられる。非限定的な一例として、間接的印加は、積層体が形成された基材と所定距離離隔して熱源が位置して透明高分子層と熱源との間に存在する流体(空気を含む)を介して透明高分子層に熱エネルギーを伝達する方法が挙げられる。非限定的な一例として、間接的な印加は、チューブなどの熱処理対象が位置する空間、熱処理対象が位置する空間を包み、熱損失を防止する耐熱材および耐熱材の内部に位置するヒーティングエレメントを含んでなる通常の熱処理炉を用いた方法が挙げられる。
具体的には、光エネルギーは、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線、マイクロ波またはこれらの組み合わせを含んでもよく、光エネルギーの印加は、透明高分子層への光の照射を含んでもよい。非限定的な一例として、積層体が形成された基材と所定距離離隔された光源が位置して透明高分子層に光を照射してもよい。
本発明に係る一実施例において、エネルギーの印加は、熱エネルギーまたは光エネルギーの単独印加であってもよい。これとは別に、エネルギーの印加は、熱エネルギーと光エネルギーが同時にまたは順次印加されることを含んでもよい。
順次印加は、一種のエネルギー(一例として、熱エネルギー)の印加が行われた後または印加が行われている途中、また他の種類のエネルギー(一例として、光エネルギー)印加が行われることを意味し得る。また、順次印加は、互いに異なる種類のエネルギーが連続してまたは不連続に透明高分子層に印加されることを意味し得る。
エネルギーの印加の際、積層体が形成された基材が置かれる雰囲気は、所望しない化学的反応が起こらない雰囲気であればよい。実質的な一例として、エネルギーが印加される時の雰囲気は、空気雰囲気であってもよく、本発明がかかる雰囲気によって限定されるものではない。
以下、熱エネルギーの印加の場合と光エネルギーの印加の場合についてより詳細に説明する。しかし、上述のように、エネルギーの印加の際に熱と光エネルギーがいずれも使用可能であることは言うまでもなく、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させるために、本発明に記載の内容を参考して、当業者は、熱と光を用いた様々なエネルギーの印加条件を導き出すことができる。一例として、熱エネルギーを印加するに際し、熱エネルギー単独では透明高分子層がガラス転移温度未満の温度に加熱される条件で印加し、熱エネル
ギーが印加され所定の温度を維持する透明高分子層に光を照射して、照射される光エネルギーと熱エネルギーの結合によって透明高分子層の透明高分子がガラス転移温度以上の温度に加熱されるようにしてもよい。他の一例として、熱エネルギーで、透明高分子層がガラス転移温度以上の温度に加熱されるようにすると同時に、光エネルギーを印加して、より迅速に伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させることができる。
熱エネルギーの印加
積層体製造ステップが行われた後、透明高分子のガラス転移温度以上の温度を有するように透明高分子層を加熱して、伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させるステップ(沈降ステップ)が行われ得る。
透明高分子層の透明高分子が単一のガラス転移温度を有する場合、沈降ステップにおいて、積層体の透明高分子層は、ガラス転移温度以上および溶融温度未満の温度に加熱されてもよい。詳細には、基材上に位置する透明高分子層を加熱するに際し、ガラス転移温度(Tg)を基準として1〜1.2倍の温度に加熱されてもよい。透明高分子層の透明高分子は80〜140℃、具体的には100〜140℃、より具体的には110〜130℃の単一のガラス転移温度を有してもよく、積層体の透明高分子層は、ガラス転移温度(Tg)を基準として1〜1.2倍に加熱されてもよい。
透明高分子層の透明高分子が二つ以上のガラス転移温度を有する場合、沈降ステップにおいて、積層体の透明高分子層は、最低ガラス転移温度以上の温度(工程温度)に加熱されてもよく、具体的には、最低ガラス転移温度以上〜最高ガラス転移温度未満の温度に加熱されてもよい。
具体的な一例として、透明高分子が二つのガラス転移温度を有する時に、相対的に低いガラス転移温度を第1ガラス転移温度とし、相対的に高いガラス転移温度を第2ガラス転移温度とすると、積層体の透明高分子層は、第1ガラス転移温度以上および第2ガラス転移温度未満の温度に加熱されてもよい。
他の具体的な一例として、透明高分子が三つのガラス転移温度を有する時、相対的に低い温度から高い温度の方向に、第1ガラス転移温度、第2ガラス転移温度および第3ガラス転移温度とすると、積層体の透明高分子層は、第1ガラス転移温度以上および第3ガラス転移温度未満の温度に加熱されてもよい。
透明高分子の最低ガラス転移温度(二つ以上のガラス転移温度のうち、最も低いガラス転移温度)は80〜140℃、具体的には100〜140℃、より具体的には110〜130℃であってもよい。
透明高分子層の加熱は、加熱のためのエネルギーの伝達が、透明高分子層の下部に位置する基材を介して伝達される間接的加熱および/または加熱のためのエネルギーの伝達が基材を介さず透明高分子層に伝達される直接的加熱により行われ得る。間接的加熱は、熱源が基材の下部に位置する場合が挙げられ、直接的加熱は、熱源が基材の上部に位置する場合が挙げられる。
沈降ステップにおいて、透明高分子層が工程温度に加熱されることによって、伝導性ネットワークに作用する重力によって、伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降することができる。
この際、選択的に、重力とともに、積層体を基準として、伝導性ネットワークから透明高分子層方向に外力がさらに印加されてもよい。外力としては、板、ローラなどの圧力伝達
部材や大気圧以上の圧力を有するガス相を介して伝達される圧力が挙げられる。
工程温度に維持される時間は、伝導性ネットワークを沈降させようとする程度に応じて適宜調節可能であることは言うまでもない。具体的で非限定的な一例として、すべての伝導性ネットワークを透明高分子層に安定して沈降させようとする場合、工程温度で10秒〜200秒、より実質的には30秒〜100秒間維持されてもよく、かかる維持時間が伝導性ネットワークの密度や伝導性ネットワークの物質、透明高分子層の物質および工程温度に応じて適宜調節可能であることは言うまでもない。
沈降ステップが行われた後、透明高分子層を冷却する冷却ステップが行われ得る。
冷却ステップは、それ以上の実質的な伝導性ネットワークの沈降が発生しない場合に行われ得る。
しかし、選択的に、伝導性ネットワークが沈降する途中に、透明高分子層の冷却が行われ得る。伝導性ネットワークが沈降する途中に透明高分子層を冷却させることで、設計された量に相当する伝導性ネットワークの一部は、透明高分子層に装入させ、残りの一部が透明高分子層の表面上に突出させてもよい。
この際、伝導性ネットワークのうち透明高分子層の表面上に突出する量は、透明高分子層の冷却時点に応じて調節可能であることは言うまでもない。
透明高分子層の冷却は、自然的空冷または冷却流体を用いた人為的冷却であってもよい。人為的冷却が行われる場合、基材の下部に通常の冷却手段を備えるか、透明高分子層と冷却された液体または冷却された気体を接触させて行われ得る。
光エネルギーの印加
光エネルギーは、熱に脆いフレキシブル基材の損傷なく透明導電体を製造することができ、容易且つ迅速に大量製造が可能であり、商業的により好適である。
積層体の製造後、透明高分子層に光エネルギーを印加して伝導性ネットワークを沈降させる沈降ステップが行われ得る。沈降ステップの光エネルギーは、赤外線、紫外線、可視光線、白色光またはこれらの組み合わせの複合光を含んでもよい。
具体的には、沈降ステップの光エネルギーは、透明高分子層を加熱することができる光、および/または伝導性ネットワークにより吸収可能な光エネルギーによって伝導性ネットワークの下部に接して位置する透明高分子領域を少なくとも部分的に加熱(軟化)することができる光が用いられてもよい。
透明高分子層を加熱することができる光は、赤外線を含んでもよい。赤外線は、0.75μm〜1mm波長帯域の光を意味し、公知のように可視光線や紫外線に比べて強い熱作用を有することから熱線とも称する。赤外線は0.75〜3μm波長の近赤外線、3〜25μm波長の赤外線、25μm〜1mmの遠赤外線またはこれらの組み合わせを含んでもよい。沈降ステップにおける赤外線は、100〜1000W/cmで5sec〜5分間照射されてもよく、本発明が照射される赤外線の強度および照射時間によって限定されないことは言うまでもない。
伝導性ネットワークによって吸収可能な光は、伝導性ネットワーク(伝導性ナノ単位体)の紫外線‐可視光線分光スペクトルでの吸光ピークに相当する波長の光(以下、伝導性ネットワーク吸光波長)を含む光を意味してもよい。具体的な一例として、伝導性ネットワ
ークの吸光波長が可視光、具体的には430〜600nm、より具体的には400nm〜800nm、より具体的には350nm〜950nmの範囲の場合、伝導性ネットワークによって吸収可能な光は白色光であり得る。伝導性ネットワークをなす伝導性ナノ単位体が過剰な光エネルギーによって損傷することを防止する側面において、白色光はパルス型に照射され得る。一例として、白色光の強度は300〜1000W/cmであってもよく、パルス幅、パルス間の間隔および照射されるパルスの数は、基材の損傷を防止し、伝導性ネットワークにより吸収された光エネルギーによって伝導性ネットワークと隣接する透明高分子が軟化され得る条件であればよい。非限定的な一例として、パルス幅は1msec〜10msecであってもよく、パルス間の間隔(パルスギャップ)は、パルス幅の1.5倍〜3倍であってもよく、照射されるパルスの数は1回〜30回であってもよい。
上述のように、沈降ステップにおいて、赤外線を含む光、または白色光を含む光、または赤外線と白色光を含む光が照射され得る。この際、より迅速且つ安定した伝導性ネットワークの沈降のために、直接または間接的に熱エネルギーが光エネルギーとともに印加され得ることは言うまでもない。
光焼結および光エネルギーによる伝導性ネットワークの沈降
積層体の製造後、光エネルギーを照射して、伝導性ネットワークをなす伝導性ナノ単位体間の融着(光焼結)と、光焼結によって一体化した伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降する沈降がいずれも行われ得る。
熱による焼結とは異なり、バインダーや分散剤の役割を行う有機物がナノ単位体と混在する場合、ナノ単位体の光焼結がうまく発生しない限界がある。
しかし、大面積でも均一な電気的特性を有する透明導電体を製造するためには、ナノ単位体の分散液にバインダーや分散剤の役割を行う有機物が添加される必要がある。
したがって、高分子を含む有機物が添加剤として分散液に添加された場合にも、スムーズに光焼結が行われ、光による沈降が行われる構成を提供する。
有機バインダーによって基板上に伝導性ナノ単位体が分散結着した場合、キセノンランプを用いた光焼結などの従来公知の技術により、ナノ単位体が損傷することなくナノ単位体が互いに接触した領域が選択的に溶融結着する光焼結がほとんど行われず、分散液に有機物を添加することなく単にナノ単位体のみを分散させる場合、商業的に求められる大面積でのシート抵抗均一度の確保が困難となる。
本発明に係る一実施例において、大面積でも優れたシート抵抗均一度を有し、光焼結と光による沈降が同時に行われるために、分散液が有機バインダーを含有し、且つ、分散液の塗布後、光焼結の前に、バインダーの先除去が行われることが好ましい。
この際、光によってナノ単位体が、互いに接触した領域が選択的に溶融結着する光焼結前にプラズマ等によりすべてのバインダーが先除去される場合、ナノ単位体間の互いに接触した領域の溶融結着時に発生する熱応力および変形によってナノ単位体間の接触点が減少する恐れがあり、基板との結着力もまた減少し得る。
これにより、本発明に係る一実施例において、互いに異なる光が2回以上照射される多段光照射、好ましくは、複合光を用いた多段光照射によりバインダーを一部除去して、光焼結および沈降が行われることで、大面積でも高いシート抵抗均一度を有し、優れた基板との結合力を有し、且つ優れた電気伝導率を有する透明導電体の製造が可能である。
上述のように、分散液は、分散媒(透明高分子層の透明高分子に対する非溶媒)、伝導性ナノ単位体とともに、有機バインダーを含有してもよい。
有機バインダーは、分子量(重量平均分子量)が5×10以下、好ましくは2×10以下の低分子量の天然ポリマーまたは低分子量の合成ポリマーであることが好ましい。有機バインダーが提示した低分子量範囲を超える高分子量ポリマーの場合、紫外線を含む光の照射によって接触領域に存在する有機バインダーが除去されないこともあり、これによって目的とする光焼結が行われないこともある。この際、実質的な一例として、有機バインダーは、分子量が3,000以上であってもよく、本発明が有機バインダーの分子量の下限によって限定されないことは言うまでもない。
低分子量の有機バインダーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン
(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、多糖類および多糖類誘導体から選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
より好ましくは、有機バインダーは分子量が3,000〜50,000、好ましくは3,000〜20,000の低分子量のポリエチレングリコール(PEG)、分子量が3,00
0〜60,000の低分子量のポリビニルピロリドン(PVP)、分子量が3,000〜5
0,000の低分子量のポリビニルアルコール(PVA)、分子量が3,000〜200,
000、好ましくは3,000〜100,000の低分子量の多糖類および分子量が3,000〜200,000、好ましくは3,000〜100,000の低分子量の多糖類誘導体から選択される一つまたは二つ以上であってもよい。
低分子量の多糖類は、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、カロース、カンテン、アルギン、アルジネート、ペクチン、カラギーナン、セルロース、キチン、キトサン、カードラン、デキストラン、フルクタン(fructane)、コラーゲン、ゲランガム(gellan
gum)、アラビアガム、デンプン、キサンタン、タラカントガム(gum tragacanth)、カラヤン(carayan)、カラビン(carabean)、グルコマンナンまたはこれらの組み合わせ
を含んでもよい。多糖類誘導体は、セルロースエステルまたはセルロースエーテルを含んでもよい。
より好ましくは、有機バインダーは、低分子量のセルロースエーテルであってもよく、セルロースエーテルは、カルボキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロース、カルボキシ‐C1‐C3‐アルキルヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロース、C1‐C3‐アルキルセルロース、C1‐C3‐アルキルヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロース、ヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロース、混合されたヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースまたはこれらの混合物を含んでもよい。
一例として、カルボキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースはカルボキシメチルセルロース等を含んでもよく、カルボキシ‐C1‐C3‐アルキルヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースはカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース等を含んでもよく、C1‐C3‐アルキルセルロースはメチルセルロース等を含んでもよく、C1‐C3‐アルキルヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースはヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースまたはこれらの組み合わせ等を含んでもよく、ヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースまたはこれらの組み合わせを含んでもよく、混合されたヒドロキシ‐C1‐C3‐アルキルセルロースはヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、またはアルコキシヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース(前記アルコキシ基は直鎖または分岐鎖であり、2〜8個の炭素原子を含む)などを含んでもよい。
本発明に係る一実施例において、分散液は0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましくは0.1〜0.7重量%の有機バインダーを含有してもよい。かかる有機バインダーの含有量は、伝導性ナノ単位体を含有する分散液の塗布の際、伝導性ナノ単位体が基材上に均一且つ均質に塗布されてもよく、且つ接触領域で伝導性ナノ単位体の間に存在する有機バインダーを最小化して、紫外線を含む光照射によって少なくとも接触領域に存在する有機バインダーが安定して除去され得る含有量である。
分散液に含有された伝導性ナノ単位体のアスペクト比および含有量、分散媒などは、「伝導性ネットワーク」で詳述したことと類似もしくは同一である。
ナノ単位体間の接触領域に存在する有機バインダーの選択的除去は、紫外線自体では有機バインダーが除去されない条件で紫外線を照射し、且つ表面プラズモンが発生するかまたは光触媒能を有する伝導性ナノ単位体からなる伝導性ネットワークの光学的活性と紫外線との結合によって有機バインダーが除去され得る条件で紫外線を照射することで行われ得る。
かかる側面において、伝導性ネットワークの伝導性物質は、伝導性ネットワークで詳述した光学的活性を有することが好ましい。すなわち、伝導性ネットワークのナノ単位体は、表面プラズモンが発生するかまたは光触媒能を有する伝導性物質のナノワイヤ、ナノチューブおよび/またはナノベルトであってもよい。表面プラズモンを有する伝導性物質としては、金、銀、銅、リチウム、アルミニウムおよびこれらの合金等から選択される一つまたは二つ以上の物質等が挙げられ、光触媒能を有する伝導性物質としては、チタン酸化物、亜鉛酸化物およびスズ酸化物等から選択される一つ以上の金属酸化物;および金、銀、白金などを含む貴金属;などが挙げられる。具体的で非限定的な一例として、光学的活性を有する伝導性ナノ単位体は、銀ナノワイヤを含んでもよい。
本発明に係る一実施例において、積層体の製造後、透明高分子層の表面に塗布されたナノ単位体に第1紫外線(UV)を含む第1光を照射する第1光照射ステップと、第1紫外線が照射されたナノ単位体にパルス型第1白色光を含む第2光を照射する第2光照射ステップと、を含んでもよい。具体的には、有機バインダー、ナノ単位体および分散媒を含有する分散液を透明高分子層上に塗布した後、透明高分子層の表面に塗布されたナノ単位体に第1紫外線(UV)を含む第1光を照射する第1光照射ステップと、第1紫外線が照射されたナノ単位体にパルス型第1白色光を含む第2光を照射する第2光照射ステップと、を含んでもよい。
上述のように、光の照射は、多段(multi‐stage)で行われてもよく、多段光照射は、第1光の照射と第2光の照射の順次の照射を含んでもよい。具体的には、多段光照射は、第1紫外線を含む第1光を照射して、少なくとも伝導性ナノ単位体が、互いに接触する接触領域(伝導性ナノ単位体の交差領域を含む)に存在する有機バインダーを除去する先除去ステップと、第1白色光を含む第2光を照射して、伝導性ナノ単位体が、互いに接触する接触領域を溶融させて互いに結着させる融着ステップと、を含んでもよい。この際、第1光の照射と第2光の照射が互いに独立して順に行われる時、第1光の照射と第2光の照射との間に休止期が存在してもよいことは言うまでもない。
上述のように、本発明に係る一実施例において、第1光の照射時に照射される第1光は第1紫外線(UV)の光を含み、第1紫外線によって分散液に含有されて伝導性ナノ単位体のように基材上に塗布された有機バインダーが除去されてもよい。詳細には、第1光によって、少なくとも、基材上に塗布された伝導性ナノ単位体間の接触領域に存在する有機バインダーが一部もしくは全部分解除去されてもよい。
第1紫外線(ultraviolet rays)は、波長が10nm〜400nm範囲の光を意味してもよく、公知のように、紫外線は、非常に強い化学作用を起こし化学線とも称する。第1紫外線は320〜400nm波長帯域のUV‐A、280〜320nm波長帯域のUV‐B、100〜280nm波長帯域のUV‐Cまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。この際、第
1紫外線は、有機物の分解においてより効果的なUV‐Cを含んでもよい。この際、パルス
型のように特別照射される光の照射形態について言及されない限り、照射される光はいずれも所定の時間、光が連続して照射される連続光形態であってもよい。一例として、第1紫外線も、特に光の照射形態が限定されないことから、第1紫外線が連続光の形態に照射されてもよいことは言うまでもない。
上述のように、基材上に伝導性ナノ単位体のように塗布された有機バインダーが第1光によってすべて分解除去される場合、第2光による伝導性ナノ単位体の融着の際、伝導性ナノ単位体の反りによって基板との結着力が減少する可能性があり、ナノ単位体間の接点が減少して伝導性ナノ単位体ネットワークのシート抵抗が増加し得る。これを防止するためには、第1光によって、伝導性ナノ単位体が、互いに接触する接触領域に存在する有機バインダーが選択的に除去されることが好ましい。この際、接触領域に存在する有機バインダーの選択的除去は、第1光の照射後にも基材上に有機バインダーが残留することを意味し、さらに、接触領域以外の領域で、伝導性ナノ単位体が有機バインダーによって基板に結着した状態を意味し得る。
接触領域に存在する有機バインダーの選択的除去は、第1光自体、具体的には第1光に含まれる第1紫外線自体では有機バインダーが除去されない条件で第1紫外線を照射し、且つ表面プラズモンが発生するかおよび/または光触媒能を有する伝導性ナノ単位体の光学的活性と第1紫外線との結合によって有機バインダーが除去され得る条件で第1紫外線を照射することで行われ得る。
すなわち、伝導性ナノ単位体が提供する光学的活性が第1紫外線と結合することで、少なくとも接触領域に位置する有機バインダーが選択的に除去され得る。
第1光自体、具体的には第1光に含まれる第1紫外線自体では有機バインダーが除去されないが、伝導性ナノ単位体が提供する光学的活性の存在下で有機バインダーを除去するために、第1光の照射の際、第1紫外線の強度は下記の関係式2を満たすことができる。
(関係式2)
IR(exp)<IIR(0)
関係式2中、IIR(exp)は第1光の照射時の第1紫外線の強度であり、IIR(0)は純粋な前記有機バインダーの膜に第1紫外線を1分間照射する時に関係式3による重量減少率が1%以下になる最大強度である。この際、有機バインダーの膜は、重量減少率を測定するために適する厚さを有する膜であればよく、非限定的な一例として、厚さが100〜800nmである膜であってもよい。
(関係式3)
(M−M)/M*100
関係式3中、Mは第1紫外線の照射後に関係式2で定義された有機バインダー膜の重量であり、Mは第1紫外線の照射前に関係式2で定義された有機バインダー膜の重量である。
すなわち、関係式2および関係式3により提示されたように、第1紫外線の強度は、伝導性ナノ単位体分散液に含有される有機バインダーが伝導性ナノ単位体と混在することなく、純粋に有機バインダーの膜をなす時、第1紫外線を1分間照射する光照射では有機バインダーの分解除去が実質的にほとんど行われない(関係式3による重量減少率が1%以下)強度に照射されることが好ましい。有機バインダーの種類に応じて、ある程度関係式2を満たす強度が決定され得るが、上述の低分子量の天然ポリマーまたは低分子量の合成ポリマーの有機バインダーの場合、第1光の第1紫外線は0.1〜5mW/cmの強度に照射され得る。第1紫外線は1〜200秒間照射されてもよく、本発明は第1紫外線の照射時間によって限定されるものではない。
かかる第1紫外線の強度によって、有機バインダーの選択的除去が可能となり、さらに、特に熱や化学的に脆い基板上に透明導電体を製造しようとする場合、紫外線によって基板が損傷することを最初から防止することができる。
第1紫外線を含む第1光の照射によって、伝導性ナノ単位体の接触領域に存在する有機バインダー、具体的には互いに接点をなす一伝導性ナノ単位体と他の一伝導性ナノ単位体との接点に位置する有機バインダーができるだけ全部除去されることが好ましい。
しかし、接触領域の有機バインダーをすべて除去するために、第1紫外線の照射時間が長くなりすぎる場合、生産性の低下が発生し得る。実質的には、ロールツーロール工程を含む連続工程の生産性を考慮すると、第1紫外線の照射時間ができるだけ短いほど好ましい。
そのため、第1紫外線と伝導性ナノ単位体の光学的活性により接触領域に存在する有機バインダーを除去するに際し、短時間で第1紫外線を照射し、且つ接触領域に位置する有機バインダーをより完壁に除去するために、第1光は第1紫外線とともにパルス型第2白色光をさらに含んでもよい。
すなわち、本発明に係る一実施例において、第1光は第1紫外線とともに、パルス型第2白色光をさらに含んでもよい。
パルス型第2白色光は、第1紫外線による有機バインダーの分解をより促進させる役割を行うことができる。通常、バインダーとして求められる役割をうまく行うためには、単分子有機物よりは分子量が大きい高分子有機物がバインダーとして適すると知られている。かかる高分子有機物は、単分子に比べて非常に幅広い物性を有し、かかる高分子特有の特性によってより徐々に分解除去されるしかない。
伝導性ナノ単位体で提供する光学的活性の存在下、第1紫外線によって有機バインダーが分解される過程で、パルス型第2白色光により、瞬間的に強いエネルギーを数回供給する場合、有機バインダーの分解速度を向上させることができる。
特に、伝導性ナノ単位体が表面プラズモンが発生する金属ナノワイヤである場合、第1紫外線を含む第1光の照射時に、パルス型第2白色光が同時照射される場合、伝導性ナノ単位体間の接触領域であるホットスポット(hot spot)によって、伝導性ナノ単位体間の接触領域に存在する有機バインダーがより十分に除去され得る。この際、プラズモンの分野において公知のように、ホットスポット(hot‐spot)は、非常に強い局所電場が形成さ
れる領域を意味し、表面プラズモンが発生する金属のナノ単位体間の接点やナノギャップ等を意味し得る。
第2白色光は、赤色、緑色および青色を含む可視光を含む光を意味してもよく、少なくと
も430〜600nm領域全体にわたり連続した波長を有する光、具体的には、少なくとも400nm〜800nm領域全体にわたり連続した波長を有する光、より具体的には、少なくとも350nm〜950nm領域全体にわたり連続した波長を有する光を意味し得る。一例として、第2白色光の光源はキセノンランプであってもよく、本発明が白色光の光源によって限定されるものではない。
本発明に係る一実施例において、第2白色光は、可視光、具体的には、少なくとも430〜600nm領域全体、より具体的には、少なくとも400nm〜800nm領域全体、さらに具体的には、350nm〜950nm領域全体にわたる波長の光をベースとするが、第2白色光は、伝導性ナノ単位体の紫外線‐可視光線分光スペクトルで伝導性ナノ単位体の吸光ピークに相当する波長の光(ナノ単位体吸光波長)を含んでもよい。具体的には、ナノ単位体吸光波長が可視光、具体的には430〜600nm、より具体的には400nm〜800nm、さらに具体的には350nm〜950nmの範囲の場合、白色光の光源だけでナノ単位体吸光波長を含む第2白色光が形成されてもよく、ナノ単位体吸光波長が上述の白色光の波長と異なる場合、第2白色光は、白色光源とともにナノ単位体吸光波長を発生する他の光源の組み合わせによって生成された光であってもよい。
接触領域に位置する有機バインダーの分解を促進させ、より効果的で選択的に接触領域の有機バインダーを除去するためのパルス型第2白色光は、下記の関係式4を満たすことができる。
(関係式4)
IPL2(exp)<IIPL2(0)
関係式4中、IIPL2(exp)は第1光の照射時の第2白色光の強度であり、IIPL2(0)は伝導性ナノ単位体分散液と同一であり、且つ有機バインダーを含有しない基準分散液が塗布および乾燥して形成された基準体において、基準体に第2白色光を10msecのパルス幅で単一のパルス印加時に伝導性ナノ単位体間の接触領域で融着が発生する最小強度である。より具体的には、IIPL2(0)は伝導性ナノ単位体および分散媒からなる基準分散液が塗布および乾燥されて形成された基準体であり、基準体に第2白色光を10msecのパルス幅で単一のパルス印加の際、伝導性ナノ単位体間の接触領域で融着が発生する最小強度である。
すなわち、第1光によって接触領域に存在する有機バインダーが先分解除去された後、有機バインダーの分解とは独立したステップにおいて、第2光によって接触領域での融着が行われることが好ましく、そのため、関係式4に提示されたように、第1光に含まれるパルス型第2白色光の強度は、有機バインダーの分解は促進させるが、伝導性ナノ単位体間の接触領域で伝導性ナノ単位体の部分的溶融が発生しない強度に照射されることが好ましい。
上述のように、伝導性ネットワークの物質やナノ構造に応じて、第2白色光の強度が関係式4を満たす範疇に適宜調節可能である。より具体的で実質的な例として、代表的な伝導性ネットワークの形成物質であり、代表的な光学的活性を有する物質である銀ナノワイヤネットワークを基準とすると、第2白色光の強度は300〜1000W/cmであってもよい。第2白色光のパルス幅、パルス間の間隔および照射されるパルスの数は、基材の損傷を防止することができ、有機バインダーの分解除去を促進させることができる範疇に適宜調節可能であることは言うまでもない。非限定的な一例として、第2白色光のパルス幅は1msec〜10msecであってもよく、パルス間の間隔(パルスギャップ)はパルス幅の1.5倍〜3倍であってもよい。
第2白色光の照射は、多パルス(multi‐pulse)照射されることが好ましいが、これは、関係式4を満たす第2白色光のパルスが所定間隔で2回以上照射されることで、単パルスの照射に比べてより迅速に有機バインダーの分解除去が行われ得るためである。多パルスの照射は2回以上、具体的には2回〜50回のパルス、より具体的には2回〜20回のパルスが照射されることを意味し得るが、本発明の照射される第2白色光のパルス数によって限定されないことは言うまでもなく、有機バインダーの物質によって照射される第2白色光のパルス数が適宜調節可能であることは言うまでもない。
上述のように、第1光は、第1紫外線とともにパルス型第2白色光を含んでもよい。第1光の照射の際、第1紫外線が連続して照射されるが、第1紫外線の照射と同時に、または第1紫外線の照射中に、または第1紫外線の照射が中断される直前にパルス型第2白色光の照射が行われ得る。具体的な一例として、第1紫外線が照射される総時間がtuv1の場合、第1紫外線が照射され始める時点を基準として、パルス型第2白色光の照射される時点は第1紫外線の照射と同時〜0.9tuv1以内であってもよく、本発明が第2白色光が照射される時点によって限定されるものではない。
第1紫外線とともにパルス型第2白色光を含む第1光を照射する場合、第1紫外線の照射時間を1〜100sec、具体的には1〜60sec、より具体的には1〜20sec(tuv1)に著しく減少させることができ、且つ接触領域の有機バインダーをより完壁に除去することができる。
塗布された伝導性ナノ単位体に第1紫外線(UV)を含む第1光を照射する第1光照射ステップが行われた後、基材上の伝導性ナノ単位体にパルス型第1白色光を含む第2光を照射する第2光照射ステップが行われ得る。
第2光照射ステップによって、伝導性ナノ単位体間の接触領域が溶融されて結合されることで、伝導性ナノ単位体が物理的に一体に結合され得る。
第1白色光は、上述の第2白色光と類似に、赤色、緑色および青色を含む可視光を含む光を意味してもよく、少なくとも430〜600nm領域全体にわたり連続した波長を有する光、具体的には、少なくとも400nm〜800nm領域全体にわたり連続した波長を有する光、より具体的には、少なくとも350nm〜950nm領域全体にわたり連続した波長を有する光を意味し得る。一例として、第1白色光の光源は、キセノンランプであってもよく、本発明は白色光の光源によって限定されるものではない。
また、第1白色光は、第2白色光と類似もしくは同様に、伝導性ナノ単位体の紫外線‐可視光線分光スペクトルで伝導性ナノ単位体の吸光ピークに相当する波長の光(ナノ単位体吸光波長)を含んでもよい。
伝導性ナノ単位体間の接触領域での部分的溶融による結着(融着)を引き起こす第1白色光は、下記の関係式5を満たすことができる。
(関係式5)
IPL1(0)≦IIPL1(exp)<IIPL1(c)
関係式5中、IIPL1(exp)は第2光の照射時の第1白色光の強度であり、IIPL1(0)は伝導性ナノ単位体分散液と同一で、且つ有機バインダーを含有しない基準分散液が塗布および乾燥されて形成された基準体において、基準体に第1白色光を10msecのパルス幅に単一のパルス印加時に伝導性ナノ単位体間の接触領域で融着が発生する最小強度であり、IIPL1(c)は基準体に第1白色光を10msecのパルス幅で単
一のパルス印加時の伝導性ナノ単位体の長軸方向への部分的溶融によって一伝導性ナノ単位体が二つ以上のナノ構造に切断される最小強度である。より具体的には、IIPL1(0)は伝導性ナノ単位体および分散媒からなる基準分散液が塗布および乾燥されて形成された基準体において、基準体に第1白色光を10msecのパルス幅に単一のパルス印加時に伝導性ナノ単位体間の接触領域で融着が発生する最小強度であり、IIPL1(c)は伝導性ナノ単位体および分散媒からなる基準分散液が塗布および乾燥されて形成された基準体において、基準体に第1白色光を10msecのパルス幅に単一のパルス印加時に伝導性ナノ単位体の長軸方向への部分的溶融によって一伝導性ナノ単位体が二つ以上のナノ構造に切断される最小強度である。
すなわち、関係式5により詳述したように、第1白色光は、単パルスの照射によって接触領域の融着は発生し、且つ接触領域以外の領域で伝導性ナノ単位体の所望しない溶融等、伝導性ナノ単位体の損傷が発生しない強度で照射され得る。
関係式5は有機バインダーを採択することなく、伝導性ナノ単位体を分散媒に分散させた後、光焼結により伝導性ナノ単位体を融着させる従来の方法ですでに確立された条件と同一もしくは類似であってもよい。しかし、上述のように、伝導性ナノ単位体の均一で均質な分散と接触のために有機バインダーを採択する場合、少なくとも接触領域で有機バインダーを先除去することなく光焼結を行う場合、関係式5の条件を満たす範囲内では光焼結が行われないこともある。すなわち、有機バインダーおよび伝導性ナノ単位体を含有する伝導性ナノ単位体分散液を塗布および乾燥した後、上述の第1紫外線‐第1白色光の多段光照射ではなく、従来のようにパルス型白色光を照射して光焼結を行おうとする場合、白色光の強度、パルス幅、パルス数、パルス間隔等を調節しても伝導性ナノ単位体自体が部分的に溶融されるか変形されて伝導性ナノ単位体自体が損傷するだけであって、目的とする伝導性ナノ単位体ネットワークが製造されない。
すなわち、上述の関係式5の条件は、有機バインダーおよび伝導性ナノ単位体を含有する伝導性ナノ単位体分散液を用いる時、第1紫外線‐第1白色光の多段光照射の構成によって可能な条件である。
上述のように、第1光の照射によって接触領域に存在する有機バインダーをまず除去した後、パルス型第1白色光を用いて接触領域を融着させることによって、関係式5を満たす条件で伝導性ナノ単位体間の融着が行われ得る。また、第1光の照射によって接触領域に存在する有機バインダーをまず除去した後、パルス型第1白色光を用いて接触領域を融着させることによって、第1白色光が単パルスで照射されてもよく、単一のパルスで第1白色光を照射しても、大面積でも均質に接触領域の融着が行われ得る。
上述のように、伝導性ネットワークの物質やナノ構造によって、第1白色光の強度が関係式5を満たす範疇に適宜調節可能である。より具体的で実質的な例として、代表的な伝導性ネットワークの形成物質であり、代表的な光学的活性を有する物質である銀ナノワイヤネットワークを基準とすると、第1白色光の強度は2000〜3000W/cmであってもよい。
関係式5を満たすパルス型第1白色光は、単パルスまたは2〜5回の多パルスに照射されてもよく、後述のように、第2紫外線とともに、第1白色光を照射する場合、単一の第1白色光の照射でも、非常に安定して強固な融着が発生するため、より好ましい。単パルスで照射される時、パルスの幅は、伝導性ナノ単位体の安定した融着が行われ、且つ基材が損傷しない幅であればよい。具体的な一例として、パルスの幅は5msec〜15msecであってもよく、本発明は第1白色光のパルス幅によって限定されるものではない。
関係式5を満たすパルス型第1白色光が照射される時、伝導性ナノ単位体の接触領域は、瞬間的に非常に高温に加熱され、伝導性ナノ単位体間の融着が行われ得る。
本発明の一実施例による製造方法において、第2光は、パルス型第1白色光とともに、第2紫外線、赤外線または第2紫外線と赤外線を含んでもよい。
具体的には、第2光は、パルス型第1白色光とともに第2紫外線を含んでもよく、これとは異なり、第2光は、パルス型第1白色光、第2紫外線および赤外線を含んでもよい。
第2光が第2紫外線を含む場合、所定時間連続して照射される第2紫外線は、少なくとも、第1白色光の照射と同時または第1白色光の照射前に既に伝導性ナノ単位体に照射されていることが好ましい。すなわち、パルス型第1白色光は、第2紫外線が照射される途中に照射され得る。第1白色光と第2紫外線の同時照射によって伝導性ナノ単位体間の融着が行われるだけでなく、第1光の照射後にも基材上(伝導性ナノ単位体を含む)に残留し得る有機バインダーが分解除去されて透明導電体の透明度が向上することができ、伝導性ネットワークがスムーズに透明高分子層に沈降することができる。
また、第2紫外線と第1白色光を含む第2光が照射されることで、より低い強度の第1白色光を単パルスで照射した場合にも、接触領域で安定して再現性を持って伝導性ナノ単位体間の融着が行われ得る。
上述のように、第2光の照射は、第2紫外線の照射と同時に、第2紫外線が照射される途中にまたは第2紫外線の照射が中止される直前に第1白色光が照射され得る。
詳細には、第2光の照射は、下記の関係式6を満たすことができる。
(関係式6)
0.5tuv2≦tp1<tuv2
関係式6中、tuv2は第2紫外線が照射される総時間(sec)であり、tp1は第2紫
外線が照射され始める時点を基準とした第1白色光の照射時点である。この際、関係式5中、<tuv2は、第2紫外線の照射中断される時点(中断される直前)に第1白色光が照射される条件を意味する。すなわち、第1白色光は、第2紫外線が少なくとも0.5tuv2の間に既に照射された後、照射され得る。
関係式6を満たす場合に、伝導性ナノ単位体間の融着とともに、第1光の照射後にも残留する有機バインダーが除去され、透明導電体の透明度を向上させることができる。
第2紫外線は、第1紫外線とは別に、波長が10nm〜400nm範囲の光を意味し得る。第2紫外線は、第1紫外線とは別に、320〜400nm波長帯域のUV‐A、280〜
320nm波長帯域のUV‐B、100〜280nm波長帯域のUV‐Cまたはこれらの組み合わせを含んでもよい。
第2紫外線の強度もまた、第1紫外線に基づいて詳述したように、関係式1を満たす強度であることが好ましい。すなわち、第2紫外線の強度もまた、第2紫外線だけでは有機バインダー自体が除去されない強度であり、且つ第2白色光照射時に発生する熱や伝導性ナノ単位体で提供される光学的活性とともに有機バインダーが除去され得る程度の強度であることが好ましい。かかる側面において、有機バインダーが上述の低分子量の天然または合成高分子の場合、第2紫外線の強度は、第1紫外線とは別に、0.1〜5mW/cmであってもよい。第2紫外線の照射時間は、伝導性ナノ単位体の分散液が塗布されていな
い基材に照射する時に、基材が損傷しない程度の時間であればよい。一例として、パルス型第1白色光とともに第2紫外線を含む第2光を照射する場合、第2紫外線の照射時間は1〜100sec、具体的には10〜60sec、より具体的には20〜60sec(tuv1)であってもよい。この際、上述の関係式6により詳述したように、第1白色光は、第2紫外線が少なくとも0.5tuv2以上の間に照射され続けた時点で照射されることが好ましい。
伝導性ナノ単位体が互いに融着された後、透明高分子層に沈降するためには、融着されて一体化した伝導性ナノ単位体に有機バインダーが残留しないことが好ましい。すなわち、第1光の照射後に残留する有機バインダーは、第2光の照射によって除去されることが好ましい。かかる側面でも、第2光は、第1白色光とともに、第2紫外線を含むことが好ましい。
本発明の一実施例による製造方法において、第1光と第2光は互いに独立して照射されてもよく、これとは異なり、第1光と第2光は連続して照射されてもよい。互いに独立して照射されることは、第1光が照射された後に基材上に位置する伝導性ナノ単位体に光が照射されない休止期が存在することを意味し得る。第1光と第2光が連続して順に照射されることは、第1光の照射と第2光の照射との間に意図的な休止期が存在しない場合を意味し得る。かかる独立または連続した照射は、製造工程ラインの構築時に設計によって変更可能である。この際、第2光が第2紫外線を含み第2紫外線の強度が第1紫外線と同一の場合、連続した照射は、tuv1とtuv2時間を合算した時間の間に連続して紫外線を照射することで、第1光の第1紫外線と第2光の第2紫外線が実現され得る。第1光と第2光の照射時に、単一の紫外線ランプで紫外線を設定された時間tuv1+tuv2の間に連続して照射する場合、工程ラインの構築が容易で、コストダウンを図ることができるだけでなく、工程変数操作がより容易であるという利点がある。
上述のように、第2紫外線および第1白色光を含む第2光が照射されることで、伝導性ナノ単位体が互いに融着して物理的に一体化した伝導性ネットワークが形成され得る。
かかる融着(光焼結)とともに、第2紫外線とともに照射される第1白色光の照射時に伝導性ナノ単位体の接触領域で発生した熱(光エネルギーの吸収によって発生した熱)が伝導性ネットワークを介して伝わることで、伝導性ネットワークと接触する透明高分子領域が加熱され、伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降することができる。
すなわち、第2光照射ステップによって、伝導性ナノ単位体の光焼結とともに、伝導性ナノ単位体が一体に結合した伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降することができる。これにより、第2光の照射が、b)ステップのエネルギーの印加ステップに相当し得る。
本発明に係る一実施例において、選択的に、第2光の照射時に、赤外線がさらに照射されてもよい。詳細には、第2光は、第2紫外線、第1白色光とともに、赤外線をさらに含んでもよい。
上述のように、第2紫外線が照射される途中に第1白色光が照射されてもよく、第1白色光が照射された後、または第1白色光の照射とともに、赤外線が照射されてもよい。
これは、第2紫外線および第1白色光の照射時に伝導性ナノ単位体で発生する熱とともに、赤外線によって透明高分子層が加熱されることで、よりスムーズに伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させることができる。
赤外線は、0.75μm〜1mm波長帯域の光を意味し、公知のように可視光線や紫外線
に比べて強い熱作用を有することから熱光とも称する。赤外線は、0.75〜3μm波長の近赤外線、3〜25μm波長の赤外線、25μm〜1mmの遠赤外線またはこれらの組み合わせを含んでもよい。
赤外線の強度および照射時間は、基材の損傷を防止し、且つ第1白色光の照射と同時にまたは照射後、第2紫外線とともに照射され、透明高分子層を軟化させることができる程度であればよい。具体的な一例として、赤外線は、100〜1000W/cmで5〜100秒間照射されてもよく、本発明が照射される赤外線の強度および照射時間によって限定されないことは言うまでもない。
しかし、上述のように、第2紫外線と第1白色光だけでも伝導性ネットワークが透明高分子層に沈降し得ることから、赤外線は選択的に照射され得る。
透明導電体
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造され、光透過率が90%以上であり、ヘイズ(haze)が1.5%以下である透明導電体を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含むディスプレイ装置を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む平面液晶表示装置(flat liquid crystal displays)を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含むタッチパネル(touch panel)
を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む電子発光装置(electroluminescent devices)を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む太陽電池(photovoltaic cells)を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む帯電防止層(anti‐static layers)を含む。
本発明は、上述の製造方法で製造された透明導電体を含む電磁波遮蔽層(electromagnetic wave shielding layers)を含む。
本発明の一実施例による透明導電体は、基材と、基材上に位置する複合層と、を含み、複合層は、ガラス転移温度(Tg;glass temperature)が80℃以上の透明高分子層と、透
明高分子層に含入された伝導性ネットワークと、を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークを含み、複合層の総厚さを基準として、複合層の基材と接する面である下部面から5%の厚さに至る下部領域でのナノ単位体の密度に対して、複合層の下部面の対向面である表面から5%の厚さに至る上部領域でのナノ単位体の密度が相対的に大きいことを特徴とする。
実験的に、下部領域でのナノ単位体の密度は、下部領域に位置するナノ単位体の数をカウントして、下部面の面積で分けた値に相当し得る。実験的に、上部領域でのナノ単位体の
密度は、上部領域に位置するナノ単位体の数をカウントして、表面の面積(下部面の面積と同一)で分けた値に相当し得る。
これを他の観点から詳述すると、本発明の一実施例による透明導電体は、基材と、基材上に位置する複合層と、を含み、複合層は、ガラス転移温度(Tg;glass temperature)が
80℃以上、具体的には80〜140℃、より具体的には100〜140℃、さらに具体的には110〜130℃の透明高分子層と、透明高分子層に含入された伝導性ネットワークと、を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークを含み、複合層の基材と接する面である下部面に位置するナノ単位体の数より前記下部面の対向面である表面に位置するナノ単位体の数が大きいことを特徴とする。この際、下部面に位置するナノ単位体の数は、下部面の単位面積当たりナノ単位体の数を意味し得、表面に位置するナノ単位体の数は、表面の単位面積当たりナノ単位体の数を意味し得る。この際、後述のように、ナノ単位体が表面から突出した場合にも、表面にナノ単位体が位置する(露出した)ものと見なし得ることは言うまでもない。
上述の上部領域と下部領域とのナノ単位体間の密度差、または下部面と表面とのナノ単位体数の差は、基材に透明高分子層をまず形成した後、透明高分子層をガラス転移温度以上に加熱して軟化させ、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させる(sink)方法によって現れ得る特性である。
本発明の一実施例による透明導電体は、基材と、基材上に位置する複合層と、を含み、複合層は、ガラス転移温度(Tg;glass temperature)が80℃以上、具体的に80〜14
0℃、より具体的には100〜140℃、さらに具体的には110〜130℃の透明高分子層と、透明高分子層に一部が含入された伝導性ネットワークと、を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
一部が含入された構造は、伝導性ネットワークの少なくとも一部が透明高分子層の上部に突出した構造を有することを意味し得る。突出した伝導性ネットワーク領域、具体的には、突出したナノ単位体は、その表面に透明高分子層の透明高分子物質にコートされていない状態であり得る。具体的には、突出した伝導性ネットワーク領域(突出したナノ単位体)は、伝導性ネットワークをなす物質それ自体の表面を有し得る。
本発明の一実施例による透明導電体は、上述のように、透明高分子層に伝導性ネットワークの一部が含入された特性を有しており、かかる特性は、上述のように、基材に透明高分子層をまず形成した後、透明高分子層をガラス転移温度以上に加熱して軟化させ、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させる(sink)方法によって特徴的に現れる特性である。
突出する伝導性ネットワーク領域は、透明高分子層をガラス転移温度以上に加熱して軟化させ、軟化した透明高分子層に伝導性ネットワークを沈降させるが、沈降程度に応じて調節可能である。
具体的で非限定的な一例として、全伝導性ネットワークの0.1〜30重量%が透明高分子層の表面上に突出した状態であってもよい。すなわち、伝導性ネットワークをなすナノ単位体全重量に対して、0.1〜30重量%のナノ単位体が透明高分子層の表面上に突出した状態であってもよい。
方法的に、本発明の一実施例による透明導電体は、基材上に形成された透明高分子層に、
伝導性ネットワークが沈降して(sink)形成された複合層を含み、伝導性ネットワークは、ナノワイヤ、ナノチューブおよびナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークであってもよい。
発明の一実施例による透明導電体は、伝導性ナノ単位体が伝導性ナノ単位体間の接触領域で溶融結着して一体に結合した伝導性ナノ単位体ネットワークを含み、少なくとも20mm×20mmの面積を有する大面積の伝導性ナノ単位体ネットワークを基準として、下記の関係式7で規定されるシート抵抗均一度が90%以上である透明導電体を含む。
(関係式7)
シート抵抗均一度(%)=[1−(シート抵抗標準偏差)/シート抵抗平均)]×100
この際、シート抵抗標準偏差とシート抵抗平均は、少なくとも20mm×20mmの面積を有する大面積の透明導電体を基準として、当該面積を9個以上の領域で均等に分割した後、分割領域ごとに少なくとも10回以上ランダムにシート抵抗を測定して取得されたものであり得る。
本発明の一実施例による透明導電体は、1cmの曲率半径で1000回の曲げ試験(2点曲げ試験)の際、下記の関係式8で規定されるシート抵抗増加率が1.4以下であり、物理的柔軟性を有し、且つ繰り返しの変形にも安定して電気伝導率が維持され得る。
(関係式8)
シート抵抗増加率=曲げ試験後のシート抵抗/曲げ試験前のシート抵抗
本発明の一実施例による透明導電体は、平均シート抵抗が100ohm/sq以下であってもよい。
本発明の一実施例による透明導電体は、光透過率が90%以上であり、ヘイズ(haze)が1.5%以下であってもよい。光透過率はASTM D1003によって測定されてもよく、ヘイズはASTM D1003によって測定されてもよい。
本発明の一実施例による透明導電体において、基材、透明高分子層の物質、伝導性ネットワークの物質、構造等、上述の内容と類似乃至同一であり、上述の基材、透明高分子層、伝導性ネットワークおよびエネルギーの印加で詳述したすべての内容を含む。
ただし、透明高分子層の厚さは50nm〜10μm、具体的には50nm〜2000nmであってもよく、複合層の厚さは50nm〜10μm、具体的には50nm〜2000nmであってもよく、これに限定されるものではない。
ただし、複合層は、透明高分子100重量部を基準として1〜30重量部、具体的には5〜30重量部、より具体的には5〜15重量部の伝導性ネットワークを含んでもよく、これに限定されるものではない。
本発明は、上述の透明導電体を含むディスプレイ装置を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含む平面液晶表示装置(flat liquid crystal displays)を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含むタッチパネル(touch panel)を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含む電子発光装置(electroluminescent devices)を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含む太陽電池(photovoltaic cells)を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含む帯電防止層(anti‐static layers)を含む。
本発明は、上述の透明導電体を含む電磁波遮蔽層(electromagnetic wave shielding layers)を含む。
本発明の優秀性を実験的に立証するための一例として、熱エネルギーを印加する例を提供する。
ポリエチレンテレフタレート(PET)基板上、ガラス転移温度が118.39℃の透明高
分子を用いて、1000nmの厚さで透明高分子層を形成した。透明高分子に対して非溶媒の脱イオン水を分散媒として銀ナノワイヤが分散された水分散液を透明高分子層上に塗布した後、乾燥して銀ナノワイヤネットワークを形成した。
銀ナノワイヤは、平均直径が25nmであり、アスペクト比が1000であり、透明高分子層100重量部を基準として、15重量部の銀ナノワイヤネットワークが形成されるように銀ナノワイヤ分散液を塗布した。
次に、透明高分子層を120℃に加熱して120℃の温度で90秒間維持した後、冷却して透明導電体を製造した。
基板の光透過率およびヘイズは92.57%(光透過率)および0.78%(ヘイズ)であり、透明高分子層が形成された基板の光透過率およびヘイズは92.25%および0.54%であった。製造された透明導電体の光透過率は91.31%であり、ヘイズは1.2%であり、シート抵抗は70〜100ohm/sqであった。
走査型電子顕微鏡の観察により、すべての銀ナノワイヤネットワークが透明高分子層に沈降したことを確認した。
本発明の優秀性を実験的に立証するための一例として、光エネルギーを印加する例を提供する。
熱エネルギーを印加した実施例1と同一の高分子層が形成されたPET基板を用いた。
伝導性ナノ単位体として平均直径20nm、平均長さ25μmの銀ナノワイヤを使用した。紫外線‐可視光線分光スペクトルの結果、銀ナノワイヤの吸光ピークは355.2nmであった。分散液製造のためのバインダーとして重量平均分子量が8万6千のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を使用しており、分散媒として脱イオン水を使用した。分散液が0.15重量%の銀ナノワイヤおよび0.15重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有するように、分散媒に銀ナノワイヤおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを投入し混合した。次に、透明高分子層が形成された基板上、スピンコーティングを用いて分散液を塗布し、透明高分子層100重量部を基準として、15重量部の銀ナノワイヤネットワークが形成されるように分散液を塗布した。
次に、近赤外線ランプ(Adphos L40)を用いて塗布膜に350Wの強度で10sec間近赤外線を照射して塗布膜を乾燥した。
乾燥後、紫外線ランプ(LUMATEC SUV‐DC、UV‐C)を用いて、0.31mW/cm、0.69mW/cmまたは2.78mW/cmの強度で20秒間紫外線(第1紫外線)を照射した。次に、3.13mW/cmの紫外線(第2紫外線)を50秒間照射し、紫外線(第2紫外線)照射を中止する直前にキセノンランプ(first light、350〜950nm波長)を用いてパルス幅15msec、2800W/cmの強
度で1回パルス型白色光を照射し、透明導電体を製造した。
更なる実験により、2.78mW/cmの強度で厚さが500nmである純粋なHPMCの膜に20分間紫外線を照射した時、重量減少が実質的に発生しないことを確認した。また、分散液と同様、ガラス板上に1:1の重量比を有する銀ナノワイヤとヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(HPMC)の複合膜を形成し、0.31mW/cmの紫外線を20分間照射した後、重量減少を測定した結果、ガラス板を含む総質量基準、0.173%質量の減少が発生することを確認した。X線光電子分光分析(XPS)を用いたC1を測定した結果、純粋Cの質量は、紫外線の照射の前61.3質量%であったC1が47.36質量%に減少することを確認した。
実施例2と同様に行うが、乾燥した塗布膜に紫外線ランプおよびキセノンランプを用いて2.78mW/cmの紫外線(第1紫外線)を5秒間照射し、紫外線の照射と同時にパルス幅5msec、パルスギャップ10msec、666W/cmの強度に15回パルス型白色光(第2白色光)を照射した。次に、3.13mW/cmの紫外線(第2紫外線)を50秒間照射し、紫外線(第2紫外線)照射を中止する直前にパルス幅15msec、2800W/cmの強度で1回パルス型白色光(第1白色光)を照射して、透明導電体を製造した。
この際、バインダーを含まない純粋な銀ナノワイヤをガラス板に塗布した後、パルスギャップ10msec、666W/cmの強度で15回パルス型白色光を照射した場合、光焼結が発生しないことを確認した。
走査型電子顕微鏡の観察により、実施例2および実施例3で製造された透明導電体すべては、銀ナノワイヤ間の融着がスムーズに発生し、光焼結が行われたことを確認しており、実施例2で製造された透明導電体を走査型電子顕微鏡で観察した図1(低倍率)および図2(高配率)のように、紫外線の照射(第2紫外線)とキセノンランプを用いたパルス型白色光の照射だけで、銀ナノワイヤネットワークが透明高分子層に沈降して沈んだことを確認した。
製造された透明導電体の面積は20mm×20mmであり、当該面積を9個の領域に均等分割した後、4‐pointプローブを用いて分割した領域ごとに10回ずつランダムにシート抵抗を測定し、すべての分割領域の測定結果を総合してシート抵抗平均およびシート抵抗偏差を得た。
製造された透明導電体のシート抵抗均一度は、第1紫外線照射時の強度とは無関係に、98%以上であることを確認し、銀ナノワイヤ間の融着によって、銀ナノワイヤネットワークの伝導性がより良好になり、透明導電体の平均シート抵抗が83ohm/sqとより向上したことを確認した。
実施例で製造された透明導電体の光透過率は91.07%(実施例2)および91.25
%(実施例3)であり、ヘイズは1.22%(実施例2)および1.23%(実施例3)であった。
製造された透明導電体に対して、曲げ(bending)試験を行った。詳細には、曲げ試験は
2点曲げ試験により10mmの曲げ半径下で1000回実施した。実施例2および実施例3で製造されたすべての透明導電体が、10mmの曲率半径で1000回の曲げ試験を行ってもシート抵抗増加率が1.4以下であり、繰り返しの物理的変形にも安定して低いシート抵抗が維持されることが分かる。
実施例1〜3で製造された透明導電体において、基板を除去し基板と透明高分子層の界面を基準として界面から50nmに至る厚さまで透明高分子層をエッチング除去した後、露出する銀ナノワイヤを観察した結果、下部領域には銀ナノワイヤが実質的に存在しないことを確認した。同一の方法でサンプルを製作して、透明高分子層の表面から50nmに至る厚さまで透明高分子層をエッチング除去した結果、エッチング除去した上部領域に銀ナノワイヤが存在することを確認した。
以上、本発明では、特定の事項と限定された実施例および図面により説明されているが、これは、本発明のより全般的な理解を容易にするために提供されたものであって、本発明は前記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、かかる記載から様々な修正および変形が可能である。
したがって、本発明の思想は、上述の実施例に限定して定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等または等価的変形があるすべてのものなどは、本発明の思想の範疇に属すると言える。

Claims (21)

  1. a)基材上に透明高分子層と表面プラズモンを含む光学的活性を有する伝導性ナノワイヤ、伝導性ナノチューブおよび伝導性ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体を含む伝導性ネットワークが順に積層された積層体を製造するステップと、
    b)前記積層体に光エネルギーまたは熱と光エネルギーを印加して、前記光エネルギーの光は、前記伝導性ネットワークの紫外線‐可視光線分光スペクトルでの吸光ピークに相当する波長を含み、前記印加の際、前記ナノ単位体間の接触領域での部分的溶融によってナノ単位体間が融着し、単位体間の融着した前記伝導性ネットワークを透明高分子層に沈降させる(sink)ステップと、を含む、透明導電体の製造方法。
  2. 熱と光エネルギーの印加は、同時または順次印加である、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  3. b)ステップは、透明高分子層のガラス転移温度未満の温度に前記透明高分子層が加熱されるように熱エネルギーを印加し、光を照射する、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  4. b)ステップは、前記透明高分子層のガラス転移温度未満の温度に前記透明高分子層が加熱されるようにすると同時に、光を照射する、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  5. 伝導性ネットワークは、銀ナノワイヤ、および銀ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体のネットワークである、請求項に記載の透明導電体の製造方法。
  6. 積層体の伝導性ネットワークは、ナノ単位体が互いに接触したり絡み合って形成される多孔性構造体である、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  7. 透明高分子層の透明高分子のガラス転移温度は、80〜140℃である、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  8. 透明高分子層の透明高分子は、ポリエステル(polyester)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)(PET)、アクリレート(acrylate)(AC)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)(PMMA)、アクリル樹脂(acrylic resin)、ポリカーボネート(polycarbonate)(PC)、ポリスチレン(polystyrene)、トリアセテート(triacetate)(TAC)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride)、ポリエチレン(polyethylene)、エチレン‐ビニルアセテートコポリマー(ethylenevinylacetate copolymer)、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、金属イオン架橋されたエチレン‐メタクリル酸コポリマー(metal ion‐crosslinked ethylene‐methacrylic acid copolymer)、ポリウレタン(polyurethane)、セロハン(cellophane)およびポリオレフィン(polyolefin)から選択される一つ、または二つ以上の混合物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  9. a)ステップは、
    a1)透明高分子または透明高分子の重合単位体を含有する第1溶液を基材上に塗布して塗布膜を形成するステップと、
    a2)前記塗布膜を乾燥するステップと、を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  10. a2)ステップの後、またはa2)ステップと同時に、塗布膜の透明高分子または透明高分子の重合単位体を重合するステップがさらに行われる、請求項に記載の透明導電体の製造方法。
  11. 透明高分子層は、パターン化または非パターン化されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  12. a)ステップは、
    a3)前記透明高分子層が形成された基材の前記透明高分子層の表面に、伝導性ナノワイヤ、伝導性ナノチューブおよび伝導性ナノベルトから選択される一つまたは二つ以上のナノ単位体が分散媒に分散された分散液を塗布するステップを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  13. 分散液は、有機バインダーをさらに含有する、請求項12に記載の透明導電体の製造方法。
  14. 有機バインダーは、分子量が5×10以下の天然または合成ポリマーである、請求項13に記載の透明導電体の製造方法。
  15. 有機バインダーは、グリコーゲン、アミロース、アミロペクチン、カロース、カンテン、アルギン、アルジネート、ペクチン、カラギーナン、セルロース、キチン、キトサン、カードラン、デキストラン、フルクタン(fructane)、コラーゲン、ゲランガム(gellan gum)、アラビアガム、デンプン、キサンタン、タラカントガム(gum tragacanth)、カラヤン(carayan)、カラビン(carabean)、グルコマンナンまたはこれらの組み合わせを含む多糖類;セルロースエステルまたはセルロースエーテルを含む多糖類誘導体;ポリエチレングリコール(PEG);ポリビニルピロリドン(PVP);およびポリビニルアルコール(PVA)からなる群から選択される一つまたは二つ以上である、請求項13又は14に記載の透明導電体の製造方法。
  16. a3)ステップの後、分散液が塗布された塗布膜に赤外線(IR)を含む光を照射して乾燥するステップをさらに含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  17. 透明高分子層の表面に塗布されたナノ単位体のネットワークである伝導性ネットワークに第1紫外線(UV)を含む第1光を照射する第1光照射ステップと、
    前記第1紫外線が照射された伝導性ネットワークにパルス型第1白色光を含む第2光を照射する第2光照射ステップと、を含み、前記白色光は、前記伝導性ネットワークの紫外線‐可視光線分光スペクトルでの吸光ピークに相当する波長の光を含む、請求項1に記載の透明導電体の製造方法。
  18. 第2光は、第2紫外線、第2赤外線または第2紫外線と第2赤外線をさらに含む、請求項17に記載の透明導電体の製造方法。
  19. 第1光は、パルス型第2白色光をさらに含む、請求項17又は18に記載の透明導電体の製造方法。
  20. 第2光照射ステップにおいて、b)ステップが行われる、請求項17〜19のいずれか1項に記載の透明導電体の製造方法。
  21. 第1白色光および第2白色光は、それぞれナノ単位体の紫外線‐可視光線分光スペクトルでのナノ単位体の光吸光ピークに相当する波長の光を含む、請求項19に記載の透明導電体の製造方法。
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