JP2013147794A - 建設機械用アーム - Google Patents

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高橋  毅
Atsushi Hamada
厚史 濱田
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Abstract

【課題】 箱型構造体を構成する側板とブーム連結ボスとを強固に接合する。
【解決手段】 ブーム連結ボス22を構成する左フランジ部24のうち、側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを溶接するときの熱影響部24Dの板厚T1を、ブーム連結ボス嵌合溝12A5が形成された左側板12の後側板12Aの板厚T2と等しく設定する。これにより、左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを溶接するときに、この溶接部近傍における側板当接部24Aの体積とブーム連結ボス嵌合溝12A5の体積とをほぼ等しくすることができ、両者間で溶融金属を十分に溶込ませることができる。この結果、ブーム連結ボス22を構成する左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5との間を強固に接合することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載された作業装置に好適に用いられる建設機械用アームに関する。
一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備え、上部旋回体を構成する旋回フレームの前部側には、土砂等の掘削作業を行う作業装置が俯仰動可能に設けられている。
ここで、油圧ショベルの作業装置は、通常、基端側が旋回フレームに回動可能に取付けられたブームと、該ブームの先端側に回動可能に取付けられたアームと、該アームの先端側に回動可能に取付けられたバケット等の作業具と、これらブーム、アーム、バケットを駆動するブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダとにより大略構成されている。
このような作業装置を構成するアームは、通常、左,右の側板、上板、下板等を溶接によって接合することにより、全体として四角形の閉断面構造をなす箱型構造体として形成されている。また、アームの後端側にはブーム連結ボスが溶接によって接合され、このブーム連結ボスとブームの先端側との間を連結ピンを介して連結することにより、ブームの先端側にアームが回動可能に取付けられている。従って、掘削作業時にブームの先端側でアームが回動すると、ブーム連結ボスに対して大きな負荷が作用することになる。
ここで、アームに設けられるブーム連結ボスは、左,右の側板を貫通して左,右方向に延び、ブーム用の連結ピンが挿通される円筒ボス部と、円筒ボス部の左,右方向の両端側に設けられ、各側板に形成された凹湾曲状のボス嵌合溝と下板と後板とに溶接される平板状の左,右のフランジ部とにより構成されている。
この場合、ブーム連結ボスを構成する円筒ボス部と左,右のフランジ部とは、鍛造や鋳造等の手段を用いて一体成形され、連結ピンを介してブーム連結ボスの円筒ボス部に作用する荷重が、各フランジ部を通じて箱型構造体を構成する各側板に滑らかに伝わるように構成されている(例えば、特許文献1)。
特開平9−125441号公報
ところで、上述した従来技術によるブーム連結ボスは、通常、円筒ボス部に設けられたフランジ部の板厚が、箱型構造体を構成する側板の板厚よりも大きく設定されている。このため、フランジ部の外周縁部(側板当接部)と側板のボス嵌合溝とを溶接するときに、これら両者間の溶接部においては、板厚が大きいフランジ部の体積は、板厚が小さい側板の体積よりも大きくなる。
一方、従来技術によるブーム連結ボスにおいては、箱型構造体を構成する側板のボス嵌合溝に溶接されるフランジ部の外周縁部が、円筒ボス部を中心とする同心円状に形成されている。このため、ブーム連結ボスのフランジ部と、箱型構造体の側板および下板との3部材が交わる交点に着目すると、この交点を通るフランジ部の外周縁部と下板とがなす角度は、側板側では鋭角となり、フランジ部側では鈍角となる。
従って、フランジ部と側板と下板との3部材を溶接するときに、これら3部材の交点の近傍部位では、フランジ部の外周縁部と下板とがなす角度が鈍角となったフランジ部側の面積が、フランジ部の外周縁部と下板とがなす角度が鋭角となった側板側の面積よりも大きくなる。
この結果、フランジ部の外周縁部と側板のボス嵌合溝とを溶接するときに、加熱されたフランジ部と側板との間に温度差が生じてしまい、フランジ部と側板との間で溶融金属の溶込み不良が発生することにより、アームの箱型構造体とブーム連結ボスとの溶接部の疲労強度が低下してしまうという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、箱型構造体を構成する側板とブーム連結ボスとの溶接部の疲労強度を高め、ブーム連結ボスを強固に接合することができるようにした建設機械用アームを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、左,右の側板と、該左,右の側板の上端側に溶接により接合された上板と、前記左,右の側板の下端側に溶接により接合された下板と、前記左,右の側板の後端側と前記上板の後端側とに溶接により接合された後板とにより箱型構造体として形成され、前記左,右の側板には前記下板の後端側と前記後板の前端側との接合部に位置して凹湾曲状に切欠かれたボス嵌合溝を設け、前記下板の後端側と前記後板の前端側と前記各側板の前記ボス嵌合溝にはブーム連結ボスを溶接により接合し、前記ブーム連結ボスは、前記左,右の側板を貫通して左,右方向に延びブーム連結用の連結ピンが挿通される円筒ボス部と、該円筒ボス部の左,右方向の両端側にそれぞれ設けられ前記下板の後端側と前記後板の前端側と前記各側板の前記ボス嵌合溝に溶接される平板状の左,右のフランジ部とにより構成してなる建設機械用アームに適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記フランジ部は、前記側板の前記ボス嵌合溝に当接する側板当接部と、前記下板の後端側に当接する下板当接部と、前記後板の前端側に当接する後板当接部とによって囲まれる形状とし、前記フランジ部のうち前記側板当接部の近傍部位の板厚は当該側板当接部に溶接される前記側板の板厚と等しく設定したことにある。
請求項2の発明は、前記フランジ部は、前記側板当接部と前記側板の前記ボス嵌合溝とを溶接するときの熱によって組織が変化する熱影響部の板厚を前記側板の板厚と等しく設定し、前記熱影響部から前記円筒ボス部に向けて漸次板厚が増大する構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記熱影響部は、前記フランジ部の側板当接部から前記円筒ボス部に向け一定の幅寸法で当該側板当接部の全周に亘って設ける構成としたことにある。
請求項4の発明は、前記フランジ部の側板当接部と下板当接部とは両者の交差位置でほぼ直角に交わり、前記フランジ部の側板当接部と後板当接部とは両者の交差位置でほぼ直角に交わる構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、ブーム連結ボスを構成するフランジ部のうち側板当接部の近傍部位の板厚を、側板の板厚と等しく設定したので、フランジ部の側板当接部と側板のボス嵌合溝とを溶接するときに、これら両者間の溶接部におけるフランジ部の体積と、側板の体積とをほぼ等しくすることができる。これにより、フランジ部の側板当接部と側板のボス嵌合溝とを溶接するときに、加熱されたフランジ部と側板との間に温度差が生じるのを抑え、フランジ部と側板とを均等に加熱することができる。この結果、フランジ部と側板との間で溶融金属を良好に溶込ませることができ、ブーム連結ボスの左,右のフランジ部と、箱型構造体を構成する左,右の側板とを強固に接合することができる。
請求項2の発明によれば、フランジ部の側板当接部のうち熱影響部の板厚を、ボス嵌合溝が設けられた側板の板厚と等しく設定することにより、溶接時に加熱されるフランジ部の側板当接部と側板とを均等に加熱し、両者間を強固に接合することができる。一方、フランジ部のうち熱影響部から円筒ボス部にかけての板厚を漸次増大させることにより、ブーム連結ボスの円筒ボス部に作用する負荷(荷重)を、フランジ部から側板に滑らかに伝えることができるので、アーム全体の強度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、フランジ部の側板当接部と側板のボス嵌合溝とを全周に亘って溶接する間、フランジ部と側板とを均等に加熱することができる。この結果、フランジ部の側板当接部と側板のボス嵌合溝との間で、その全周に亘って溶融金属を良好に溶込ませることができ、両者を強固に接合することができる。
請求項4の発明によれば、ブーム連結ボスを構成するフランジ部の側板当接部と下板当接部とがほぼ直角に交わる構成としたので、フランジ部と側板と下板との3部材が交わる交点の近傍部位において、フランジ部の側板当接部を挟んでフランジ部側の面積と側板側の面積とをほぼ等しくすることができる。一方、ブーム連結ボスを構成するフランジ部の側板当接部と後板当接部とがほほ直角に交わる構成としたので、フランジ部と側板と後板との3部材が交わる交点の近傍部位においても、フランジ部の側板当接部を挟んでフランジ部側の面積と側板側の面積とをほぼ等しくすることができる。この結果、フランジ部と側板と下板との交点の近傍部位、及びフランジ部と側板と後板との交点の近傍部位を溶接するときに、加熱されたフランジ部と側板との間に温度差が生じるのを抑え、フランジ部と側板との間で溶融金属を良好に溶込ませることができるので、ブーム連結ボスの左,右のフランジ部と、箱型構造体を構成する左,右の側板とを一層強固に接合することができる。
本発明に係るアームを備えた建設機械としての油圧ショベルを示す正面図である。 アームを単体で示す斜視図である。 アームを構成する側板、上板、下板、後板、ブーム連結ボス等を分解して示す分解斜視図である。 ブーム連結ボスを含むアームの後端側を示す一部破断の正面図である。 図4中のブーム連結ボスと側板との接合部を拡大して示す要部拡大図である。 ブーム連結ボスと側板との接合部を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。 ブーム連結ボスを単体で示す正面図である。 ブーム連結ボスを図7中の矢示VIII−VIII方向からみた断面図である。
以下、本発明に係る建設機械用アームの実施の形態を、油圧ショベルのアームに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより構成されている。
この場合、上部旋回体3は、支持構造体をなし前端側に作業装置4が設けられた旋回フレーム3Aと、旋回フレーム3Aの後端側に設けられたカウンタウエイト3Bと、旋回フレーム3Aの前部左側に設けられたキャブ3Cと、カウンタウエイト3Bの前側に設けられ内部にエンジン等の搭載機器(図示せず)を収容する建屋カバー3Dとにより構成されている。
一方、作業装置4は、基端部が旋回フレーム3Aの前部側に俯仰動可能にピン結合されたブーム5と、基端部がブーム5の先端部に回動可能にピン結合された後述のアーム11と、該アーム11の先端部に回動可能にピン結合された作業具としてのバケット6と、アーム11の先端側とバケット6との間に設けられたバケットリンク7と、ブーム5を旋回フレーム3Aに対して俯仰動させるブームシリンダ8と、アーム11をブーム5に対して回動させるアームシリンダ9と、バケット6をアーム11に対して回動させるバケットシリンダ10とにより構成されている。
次に、本実施の形態によるアームについて、図2ないし図8を参照して説明する。
11はブーム5の先端部に回動可能に連結されたアームを示している。このアーム11は、全体として前,後方向に延びる長尺な箱型構造体として形成され、アームシリンダ9によりブーム5との連結部を中心として上,下方向に回動するものである。
ここで、アーム11は、後述する左側板12,右側板13と、上板14と、下板15と、後板16とにより形成され、全体として横断面が四角形の閉断面構造をなす箱型構造体をなしている。また、アーム11の前部側(バケット6側)には後述のバケット連結ボス18、バケットリンク連結ボス19が設けられ、アーム11の後部側(ブーム5側)には後述のアームシリンダブラケット20、バケットシリンダブラケット21、ブーム連結ボス22が設けられている。
12はアーム11の左側面を構成する左側板を示し、該左側板12は、後述する右側板13と左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びている。ここで、図3に示すように、左側板12は、前,後方向の後側に位置する後側板12Aと、前,後方向の前側に位置する前側板12Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後側板12Aは、板厚が厚い鋼板材を用いて形成され、上板当接部12A1と、下板当接部12A2と、後板当接部12A3と、前側板当接部12A4とによって囲まれた六角形状をなしている。この場合、後述する下板15の後端部と後板16の前端部との接合部に対応する部位、即ち、下板当接部12A2と後板当接部12A3とが交わる角隅部には、凹湾曲状に切欠かれたボス嵌合溝としてのブーム連結ボス嵌合溝12A5が設けられている。このブーム連結ボス嵌合溝12A5には、後述するブーム連結ボス22の左フランジ部24が溶接によって接合される。
一方、前側板12Bは、後側板12Aよりも板厚が薄い鋼板材を用いて形成され、上板当接部12B1と、下板当接部12B2と、バケット連結ボス当接部12B3と、後側板当接部12B4とによって囲まれた四角形状をなしている。また、前側板12Bの前端側には、円形孔からなるバケットリンク連結ボス嵌合孔12B5が設けられている。
そして、後側板12Aの前側板当接部12A4と、前側板12Bの後側板当接部12B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後側板12Aと前側板12Bとの2部材が接合された左側板12が形成されている。
13はアーム11の右側面を構成する右側板を示し、該右側板13は、左側板12と同一形状を有している。即ち、右側板13は、前,後方向の後側に位置し後述のブーム連結ボス22が取付けられる後側板13Aと、前,後方向の前側に位置し後述のバケット連結ボス18、バケットリンク連結ボス19が取付けられる前側板13Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後側板13Aは、板厚が厚い鋼板材を用いて形成され、上板当接部13A1と、下板当接部13A2と、後板当接部13A3と、前側板当接部13A4とによって囲まれた六角形状をなしている。下板当接部13A2と後板当接部13A3とが交わる角隅部には、凹湾曲状に切欠かれたボス嵌合溝としてのブーム連結ボス嵌合溝13A5が設けられ、このブーム連結ボス嵌合溝13A5には、後述するブーム連結ボス22の右フランジ部25が溶接によって接合される。
一方、前側板13Bは、後側板13Aよりも板厚が薄い鋼板材を用いて形成され、上板当接部13B1と、下板当接部13B2と、バケット連結ボス当接部13B3と、後側板当接部13B4とによって囲まれた四角形状をなしている。また、前側板13Bの前端側には、円形孔からなるバケットリンク連結ボス嵌合孔13B5が設けられている。
そして、後側板13Aの前側板当接部13A4と、前側板13Bの後側板当接部13B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後側板13Aと前側板13Bとの2部材が接合された右側板13が形成されている。
14はアーム11の上面を構成する上板を示し、この上板14は、左,右の側板12,13の上端側に接合され、前,後方向に延びている。ここで、上板14は、前,後方向の後側に位置し後述のバケットシリンダブラケット21が取付けられる後上板14Aと、前,後方向の前側に位置する前上板14Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後上板14Aは、板厚が厚い鋼板材を用いて前,後方向に延びる長方形の板状に形成され、バケットシリンダブラケット21よりも後側の部位が、僅かに斜め下向きに屈曲している。後上板14Aの後端縁は、後述の後板16に接合される後板当接部14A1となり、後上板14Aの前端縁は、前上板14Bに接合される前上板当接部14A2となっている。
一方、前上板14Bは、後上板14Aよりも板厚が薄い鋼板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。前上板14Bの後端縁は後上板当接部14B1となり、前上板14Bの前端縁は、後述するバケット連結ボス18に接合されるバケット連結ボス当接部14B2となっている。
そして、後上板14Aの前上板当接部14A2と、前上板14Bの後上板当接部14B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後上板14Aと前上板14Bとの2部材が接合された上板14が形成されている。
15はアーム11の下面を構成する下板を示し、この下板15は、左,右の側板12,13の下端側に接合され、前,後方向に延びている。ここで、下板15は、前,後方向の後側に位置する後下板15Aと、前,後方向の前側に位置する前下板15Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後下板15Aは、板厚が厚い鋼板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。後下板15Aの後端縁は、後述の後板16に接合される後板当接部15A1となり、後下板15Aの前端縁は、前下板15Bに接合される前下板当接部15A2となっている。
一方、前下板15Bは、後下板15Aよりも板厚が薄い鋼板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。前下板15Bの後端縁は後下板当接部15B1となり、前下板15Bの前端縁は、後述するバケット連結ボス18に接合されるバケット連結ボス当接部15B2となっている。
そして、後下板15Aの前下板当接部15A2と、前下板15Bの後下板当接部15B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後下板15Aと前下板15Bとの2部材が接合された下板15が形成されている。
16はアーム11の後面を構成する後板を示し、該後板16は、鋼板材を用いて長方形の板状に形成され、長さ方向の中央部がく字型に屈曲している。ここで、後板16は、左,右の側板12,13、上板14、下板15の後端側に溶接によって接合され、中空なアーム11の後端部を閉塞するものである。この場合、後板16は、左側板12を構成する後側板12Aの後板当接部12A3と、右側板13を構成する後側板13Aの後板当接部13A3と、上板14を構成する後上板14Aの後板当接部14A1と、下板15を構成する後下板15Aの後板当接部15A1とに溶接によって接合されている。
17は上板14の内側面とブーム連結ボス22との間に設けられた内部隔壁を示し、該内部隔壁17は、アーム11内に2つの閉空間を形成するように配置され、アーム11の剛性を高めるものである。この内部隔壁17は、左,右の側板12,13の間隔とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有する長方形の平板からなっている。そして、内部隔壁17は、左,右の側板12,13の内側面、上板14の内側面、およびブーム連結ボス22の円筒ボス部23に、それぞれ溶接によって接合されている。
18は左,右の側板12,13、上板14および下板15の前端部に設けられたバケット連結ボスを示している。このバケット連結ボス18は、図1に示すバケット6とアーム11との間を回動可能に連結する連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。このバケット連結ボス18は、左,右方向に延びる中空な円筒ボス部18Aと、該円筒ボス部18Aの左,右方向の両端側に設けられた平板状の左,右の鍔部18Bとにより構成されている。
ここで、バケット連結ボス18の円筒ボス部18Aは、上板14を構成する前上板14Bのバケット連結ボス当接部14B2と、下板15を構成する前下板15Bのバケット連結ボス当接部15B2とに溶接によって接合されている。また、バケット連結ボス18の左,右の鍔部18Bは、左側板12を構成する前側板12Bのバケット連結ボス当接部12B3と、右側板13を構成する前側板13Bのバケット連結ボス当接部13B3とに、それぞれ溶接によって接合されている。
19はバケット連結ボス18に隣接して左,右の側板12,13の前端側に設けられたバケットリンク連結ボスを示し、該バケットリンク連結ボス19は、図1に示すバケットリンク7とアーム11との間を回動可能に連結する連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。ここで、バケットリンク連結ボス19は、左,右方向に延びる中空な円筒ボス部19Aと、該円筒ボス部19Aの左,右方向の両端側に設けられた円板状の左,右の鍔部19Bとにより構成されている。
そして、バケットリンク連結ボス19の左,右の鍔部19Bは、左側板12を構成する前側板12Bのバケットリンク連結ボス嵌合孔12B5と、右側板13を構成する前側板13Bのバケットリンク連結ボス嵌合孔13B5とに、それぞれ溶接によって接合されている。
次に、20は後板16の外側面に設けられた左,右一対のアームシリンダブラケットを示している。これら各アームシリンダブラケット20は、図1に示すアームシリンダ9のロッド先端が、連結ピン(図示せず)を介して回動可能に連結されるものである。ここで、各アームシリンダブラケット20は、鋼板材を用いてほぼ三角形状をなす板体として形成され、その先端側には、上述の連結ピンを挿通するためのピン挿通孔20Aが穿設されている。そして、一対のアームシリンダブラケット20は、左,右方向に一定の間隔を保った状態で、後板16の外側面に溶接によって接合されている。
21は上板14の外側面に設けられた左,右一対のバケットシリンダブラケットを示している。これら各バケットシリンダブラケット21は、図1に示すバケットシリンダ10のボトム側が、連結ピン(図示せず)を介して回動可能に連結されるものである。ここで、各バケットシリンダブラケット21は、鋼板材を用いてほぼ三角形状をなす板体として形成され、その先端側には、上述の連結ピンを挿通するためのピン挿通孔21Aが穿設されている。そして、左,右一対のバケットシリンダブラケット21は、左,右方向に一定の間隔を保った状態で、上板14を構成する後上板14Aの外側面に溶接によって接合されている。
次に、本実施の形態に適用されるブーム連結ボスについて説明する。
22は下板15と後板16との接合部に位置して左,右の側板12,13の後部下側に設けられたブーム連結ボスを示している。このブーム連結ボス22は、図1に示すブーム5とアーム11との間を回動可能に連結するブーム連結用の連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。図3ないし図8に示すように、ブーム連結ボス22は、左,右の側板12,13を貫通して左,右方向に延びる中空な円筒ボス部23と、円筒ボス部23の左端側に設けられた扇状の平板からなる左フランジ部24と、円筒ボス部23の右端側に設けられた扇状の平板からなる右フランジ部25とにより構成されている。
ここで、円筒ボス部23は、左,右方向に延びる円筒体からなる中間円筒ボス部23Aと、中間円筒ボス部23Aの左端部に接合された左円筒ボス部23Bと、中間円筒ボス部23Aの右端部に接合された右円筒ボス部23Cとにより構成され、円筒ボス部23の内周側は、ブーム連結用の連結ピンが挿通されるピン挿通孔23Dとなっている。また、左円筒ボス部23Bの外周側には、左フランジ部24が一体成形され、右円筒ボス部23Cの外周側には、右フランジ部25が一体成形されている。
そして、左円筒ボス部23Bに設けられた左フランジ部24を左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5等に溶接し、右円筒ボス部23Cに設けられた右フランジ部25を右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5等に溶接することにより、左円筒ボス部23Bが左側板12を貫通すると共に右円筒ボス部23Cが右側板13を貫通した状態で、ブーム連結ボス22が、左,右の側板12,13の後部下側に固着される構成となっている。
次に、ブーム連結ボス22の左円筒ボス部23Bに一体成形された左フランジ部24について説明する。
この左フランジ部24は、鋳造、鍛造等の手段を用いて左円筒ボス部23Bに一体成形され、左円筒ボス部23Bの外周面から扇状に張出している。ここで、図5ないし図8に示すように、左フランジ部24は、左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5に溶接される側板当接部24Aと、下板15を構成する後下板15Aの後端側に溶接される下板当接部24Bと、後板16の前端側に溶接される後板当接部24Cとによって囲まれた平板状に形成されている。
この場合、図6に示すように、左フランジ部24の板厚に着目すると、左フランジ部24を構成する側板当接部24Aの近傍部位の板厚T1と、ブーム連結ボス嵌合溝12A5が形成された左側板12を構成する後側板12Aの板厚T2とは、下記数1のように、等しい厚さ寸法に設定されている。
Figure 2013147794
ここで、側板当接部24Aのうち板厚T1に設定された領域は、側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを溶接するときの熱によって左フランジ部24の組織が変化する熱影響部24Dとなっている。この場合、熱影響部24Dとは、図7に示すように、側板当接部24Aの外周縁部から円筒ボス部23に向け一定の幅寸法Aで側板当接部24Aの全周に亘って設けられた逆U字型の領域を指している。
これにより、左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを全周に亘って溶接するときに、この溶接部近傍における側板当接部24Aの体積と、ブーム連結ボス嵌合溝12A5の体積とをほぼ等しくすることができ、側板当接部24Aとブーム連結ボス嵌合溝12A5とを均等に加熱することができる構成となっている。
側板当接部24Aの外周縁部には溶接用の開先部24Eが設けられ、この開先部24Eは、側板当接部24Aを左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5に溶接するときに、ブーム連結ボス嵌合溝12A5の周縁部に設けられた開先部と対向するものである(図6参照)。
また、左フランジ部24のうち熱影響部24Dと左円筒ボス部23Bとの間の板厚は、熱影響部24Dから左円筒ボス部23Bに向けてテーパ状に漸次増大している。従って、左フランジ部24は、左円筒ボス部23B側が最も厚肉となり、左円筒ボス部23Bから熱影響部24Dに向けて徐々に薄肉となり、熱影響部24Dにおいて、左側板12を構成する後側板12Aと等しい肉厚となっている。これにより、ブーム連結ボス22の円筒ボス部23に作用する負荷(荷重)を、左フランジ部24から左側板12に滑らかに伝えることができ、アーム11全体の強度を高めることができる。
一方、図7に示すように、左フランジ部24の側板当接部24Aは、円筒ボス部23の中心に対して同心円状に湾曲した円弧部24A1と、円弧部24A1から下板当接部24Bに向けて延び、該下板当接部24Bとほぼ直角に交わる下板直交部24A2と、円弧部24A1から後板当接部24Cに向けて延び、該後板当接部24Cとほぼ直角に交わる後板直交部24A3とを有している。
即ち、側板当接部24Aの下板直交部24A2と下板当接部24Bとが交わる角度と、側板当接部24Aの後板直交部24A3と後板当接部24Cとが交わる角度とを角度αとすると、この角度αは下記数2の範囲に設定されている。
Figure 2013147794
この場合、本実施の形態においては、角度αは90°に設定することが望ましい。これにより、図5に示すように、ブーム連結ボス22の左フランジ部24と、左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5と、下板15との3部材が交わる交点P1を中心として仮想の半円C1を描いた場合に、この半円C1のうち左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左フランジ部24側に位置する領域の面積と、左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左側板12側に位置する領域の面積とがほぼ等しくなる。
これと同様に、ブーム連結ボス22の左フランジ部24と、左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5と、後板16との3部材が交わる交点P2を中心として仮想の半円C2を描いた場合に、この半円C2のうち左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左フランジ部24側に位置する領域の面積と、左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左側板12側に位置する領域の面積とがほぼ等しくなる。
このため、左フランジ部24と左側板12と下板15との交点P1の近傍部位を溶接するときに、加熱された左フランジ部24と左側板12との間に温度差が生じるのを抑えることができ、左フランジ部24と左側板12と後板16との交点P2の近傍部位を溶接するときに、加熱された左フランジ部24と左側板12との間に温度差が生じるのを抑えることができる構成となっている。
次に、ブーム連結ボス22の右円筒ボス部23Cに一体成形された右フランジ部25は、図6ないし図8に示すように、左フランジ部24と同一形状に形成されている。なお、図7中の右フランジ部25は、左フランジ部24の下に重って示されるため、図7中の右フランジ部25に係る符号は括弧を付して示している。
即ち、右フランジ部25は、右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5に溶接される側板当接部25Aと、下板15を構成する後下板15Aの後端側に溶接される下板当接部25Bと、後板16の前端側に溶接される後板当接部25Cとによって囲まれた平板状に形成されている。
ここで、右フランジ部25を構成する側板当接部25Aの近傍部位の板厚T1と、右側板13を構成する後側板13Aの板厚T2とは、上記数1のように等しい厚さ寸法に設定されている。この場合、側板当接部25Aのうち板厚T1に設定された領域は、側板当接部25Aと右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5とを溶接するときの熱によって右フランジ部25の組織が変化する熱影響部25Dとなっている。この熱影響部25Dは、左フランジ部24の熱影響部24Dと同様に、側板当接部25Aの外周縁部から円筒ボス部23に向け一定の幅寸法Aで側板当接部25Aの全周に亘って設けられた逆U字型の領域を指している。
これにより、右フランジ部25の側板当接部25Aと右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5とを全周に亘って溶接するときに、この溶接部近傍における側板当接部25Aの体積と、ブーム連結ボス嵌合溝13A5の体積とをほぼ等しくすることができ、側板当接部25Aとブーム連結ボス嵌合溝13A5とを均等に加熱することができる構成となっている。
また、側板当接部25Aの外周縁部には溶接用の開先部25Eが設けられ、この開先部25Eは、側板当接部25Aを右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5に溶接するときに、ブーム連結ボス嵌合溝13A5の周縁部に設けられた開先部13A6と対向するものである(図6参照)。
一方、右フランジ部25のうち熱影響部25Dと右円筒ボス部23Cとの間の板厚は、熱影響部25Dから右円筒ボス部23Cに向けてテーパ状に漸次増大している。従って、右フランジ部25は、右円筒ボス部23C側が最も厚肉となり、右円筒ボス部23Cから熱影響部25Dに向けて徐々に薄肉となり、熱影響部25Dにおいて、右側板13を構成する後側板13Aと等しい肉厚となっている。これにより、ブーム連結ボス22の円筒ボス部23に作用する負荷(荷重)を、右フランジ部25から右側板13に滑らかに伝えることができ、アーム11全体の強度を高めることができる。
一方、図7に示すように、右フランジ部25の側板当接部25Aは、左フランジ部24の側板当接部24Aと同様に、円筒ボス部23の中心に対して同心円状に湾曲した円弧部25A1と、下板当接部25Bとほぼ直角に交わる下板直交部25A2と、後板当接部25Cとほぼ直角に交わる後板直交部25A3とを有している。これにより、右フランジ部25と右側板13と下板15との交点の近傍部位を溶接するときに、加熱された右フランジ部25と右側板13との間に温度差が生じるのを抑えることができ、右フランジ部25と右側板13と後板16との交点の近傍部位を溶接するときに、加熱された右フランジ部25と右側板13との間に温度差が生じるのを抑えることができる構成となっている。
26は左フランジ部24の側板当接部24Aの内側面(裏面)と、右フランジ部25の側板当接部25Aの内側面(裏面)とにそれぞれ設けられた裏当て材を示している。この裏当て材26は、側板当接部24A,25Aに沿って円弧状に屈曲した板体からなっている。側板当接部24Aの裏面に設けられた裏当て材26は、左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5側に張出し、側板当接部24Aとブーム連結ボス嵌合溝12A5とを裏面側から覆っている。また、側板当接部25Aの裏面に設けられた裏当て材26は、右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5側に張出し、側板当接部25Aとブーム連結ボス嵌合溝13A5とを裏面側から覆っている。
そして、裏当て材26は、側板当接部24Aとブーム連結ボス嵌合溝12A5との間に箱型構造体の外側(表面側)から溶接を施すときに、アークが側板当接部24Aとブーム連結ボス嵌合溝12A5の内側(裏面側)に突抜けるのを抑え、側板当接部25Aとブーム連結ボス嵌合溝13A5との間に箱型構造体の外側から溶接を施すときに、アークが側板当接部25Aとブーム連結ボス嵌合溝13A5の内側に突抜けるのを抑える。これにより、左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5との間を良好に溶接すると共に、右フランジ部25の側板当接部25Aと右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5との間を良好に溶接することができる。
本実施の形態によるアーム11は上述の如き構成を有するもので、このアーム11を製造する手順について図3を参照して説明する。
まず、左側板12を構成する後側板12Aの前側板当接部12A4と、前側板12Bの後側板当接部12B4とを突合せ溶接することにより、後側板12Aと前側板12Bとからなる左側板12を形成する。また、右側板13を構成する後側板13Aの前側板当接部13A4と、前側板13Bの後側板当接部13B4とを突合せ溶接することにより、後側板13Aと前側板13Bとからなる右側板13を形成する。
次に、左側板12の後側板12Aに設けたブーム連結ボス嵌合溝12A5と、右側板13の後側板13Aに設けたブーム連結ボス嵌合溝13A5とに対し、ブーム連結ボス22の左,右のフランジ部24,25をそれぞれ溶接によって接合する。
また、左側板12のバケットリンク連結ボス嵌合孔12B5と、右側板13のバケットリンク連結ボス嵌合孔13B5とに対し、バケットリンク連結ボス19の左,右の鍔部19Bをそれぞれ溶接によって接合する。さらに、左側板12のバケット連結ボス当接部12B3と、右側板13のバケット連結ボス当接部13B3とに対し、バケット連結ボス18の左,右の鍔部18Bをそれぞれ溶接によって接合する。
次に、上板14を構成する後上板14Aの前上板当接部14A2と、前上板14Bの後上板当接部14B1とを突合せ溶接することにより、後上板14Aと前上板14Bとからなる上板14を形成する。また、下板15を構成する後下板15Aの前下板当接部15A2と、前下板15Bの後下板当接部15B1とを突合せ溶接することにより、後下板15Aと前下板15Bとからなる下板15を形成する。
次に、左側板12と右側板13との上端側に上板14を配置し、左側板12の上板当接部12A1,12B1と上板14との間を溶接すると共に、右側板13の上板当接部13A1,13B1と上板14との間を溶接する。また、上板14のバケット連結ボス当接部14B2を、バケット連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接する。これにより、左,右の側板12,13の上端側に上板14を接合することができる。一方、内部隔壁17の上端部を上板14に溶接すると共に、内部隔壁17の下端部を、ブーム連結ボス22の円筒ボス部23に溶接する。また、内部隔壁17の左,右の側端部を、左側板12の内側面と右側板13の内側面にそれぞれ溶接する。
次に、左側板12と右側板13との下端側に下板15を配置し、左側板12の下板当接部12A2,12B2と下板15との間を溶接すると共に、右側板13の下板当接部13A2,13B2と下板15との間を溶接する。また、下板15のバケット連結ボス当接部15B2を、バケット連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接する。これにより、左,右の側板12,13の下端側に下板15を接合することができる。
次に、左側板12の後板当接部12A3と後板16との間を溶接すると共に、右側板13の後板当接部13A3と後板16との間を溶接する。また、上板14の後板当接部14A1と後板16との間を溶接し、下板15の後板当接部15A1と後板16との間を溶接する。これにより、左,右の側板12,13、上板14、下板15の後端側に後板16を接合することができる。
次に、後板16の外側面に左,右一対のアームシリンダブラケット20を溶接によって接合する。また、上板14を構成する後上板14Aの外側面に、左,右一対のバケットシリンダブラケット21を溶接によって接合する。このようにして、左,右の側板12,13、上板14、下板15、後板16からなる箱型構造体のアーム11を形成することができる。
ここで、本実施の形態によれば、ブーム連結ボス22を構成する左フランジ部24のうち、側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを溶接するときの熱影響部24Dの板厚T1を、ブーム連結ボス嵌合溝12A5が形成された左側板12の後側板12Aの板厚T2と等しく設定している。
これにより、左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5とを全周に亘って溶接するときに、この溶接部近傍における側板当接部24Aの体積と、ブーム連結ボス嵌合溝12A5の体積とをほぼ等しくすることができる。この結果、側板当接部24Aとブーム連結ボス嵌合溝12A5とを均等に加熱することができ、左フランジ部24と左側板12との間で溶融金属を十分に溶込ませることができる。
一方、本実施の形態によれば、ブーム連結ボス22の左フランジ部24を、側板当接部24Aと、下板当接部24Bと、後板当接部24Cとによって囲まれた平板状に形成し、側板当接部24Aは、円筒ボス部23の中心に対して同心円状に湾曲した円弧部24A1と、下板当接部24Bとほぼ直角に交わる下板直交部24A2と、後板当接部24Cとほぼ直角に交わる後板直交部24A3とにより構成している。
このため、左フランジ部24と左側板12と下板15との3部材が交わる交点P1を中心として仮想の半円C1を描いた場合に、この半円C1のうち左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左フランジ部24側に位置する領域の面積と、左フランジ部24の側板当接部24Aを挟んで左側板12側に位置する領域の面積とがほぼ等しくなる(図5参照)。従って、左フランジ部24と左側板12と下板15との交点P1の近傍部位を溶接するときに、加熱された左フランジ部24と左側板12とを均等に温度上昇させることができ、左フランジ部24と左側板12との間で溶融金属を十分に溶込ませることができる。
かくして、本実施の形態によるアーム11においては、ブーム連結ボス22の左フランジ部24と左側板12と下板15との交点から、左フランジ部24と左側板12と後板16との交点に亘って、左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5との間に、溶接不良がなく、充分な疲労強度を有する良好な溶接ビード27を形成することができる。
これと同様に、ブーム連結ボス22の右フランジ部25と右側板13と下板15との交点から、右フランジ部25と右側板13と後板16との交点に亘って、右フランジ部25の側板当接部25Aと右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5との間に、溶接不良がなく、充分な疲労強度を有する良好な溶接ビード27を形成することができる。
この結果、ブーム連結ボス22を構成する左フランジ部24の側板当接部24Aと左側板12のブーム連結ボス嵌合溝12A5との間を強固に接合することができ、ブーム連結ボス22を構成する右フランジ部25の側板当接部25Aと右側板13のブーム連結ボス嵌合溝13A5との間を強固に接合することができ、アーム11全体の信頼性を高めることができる。
なお、上述した実施の形態では、左側板12を板厚が異なる後側板12Aと前側板12Bとの2部材を溶接して形成し、右側板13を板厚が異なる後側板13Aと前側板13Bとの2部材を溶接して形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、均一な板厚を有する左,右の側板を用いる構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、ブーム連結ボス22を構成する円筒ボス部23を、中間円筒ボス部23Aと、左フランジ部24が設けられた左円筒ボス部23Bと、右フランジ部25が設けられた右円筒ボス部23Cとを溶接して形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、円筒ボス部と、該円筒ボス部の両端側に設けられる左,右のフランジ部とを一体成形したブーム連結ボスを用いる構成としてもよい。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式油圧ショベルに用いられるアーム等の他の建設機械用のアームにも広く適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
11 アーム
12 左側板
12A5,13A5 ブーム連結ボス嵌合溝(ボス嵌合溝)
13 右側板
14 上板
15 下板
16 後板
22 ブーム連結ボス
23 円筒ボス部
24 左フランジ部
24A,25A 側板当接部
24B,25B 下板当接部
24C,25C 後板当接部
24D,25D 熱影響部

Claims (4)

  1. 左,右の側板と、該左,右の側板の上端側に溶接により接合された上板と、前記左,右の側板の下端側に溶接により接合された下板と、前記左,右の側板の後端側と前記上板の後端側とに溶接により接合された後板とにより箱型構造体として形成され、
    前記左,右の側板には前記下板の後端側と前記後板の前端側との接合部に位置して凹湾曲状に切欠かれたボス嵌合溝を設け、
    前記下板の後端側と前記後板の前端側と前記各側板の前記ボス嵌合溝にはブーム連結ボスを溶接により接合し、
    前記ブーム連結ボスは、前記左,右の側板を貫通して左,右方向に延びブーム連結用の連結ピンが挿通される円筒ボス部と、該円筒ボス部の左,右方向の両端側にそれぞれ設けられ前記下板の後端側と前記後板の前端側と前記各側板の前記ボス嵌合溝に溶接される平板状の左,右のフランジ部とにより構成してなる建設機械用アームにおいて、
    前記フランジ部は、前記側板の前記ボス嵌合溝に当接する側板当接部と、前記下板の後端側に当接する下板当接部と、前記後板の前端側に当接する後板当接部とによって囲まれる形状とし、
    前記フランジ部のうち前記側板当接部の近傍部位の板厚は当該側板当接部に溶接される前記側板の板厚と等しく設定する構成としたことを特徴とする建設機械用アーム。
  2. 前記フランジ部は、前記側板当接部と前記側板の前記ボス嵌合溝とを溶接するときの熱によって組織が変化する熱影響部の板厚を前記側板の板厚と等しく設定し、前記熱影響部から前記円筒ボス部に向けて漸次板厚が増大する構成としてなる請求項1に記載の建設機械用アーム。
  3. 前記熱影響部は、前記フランジ部の側板当接部から前記円筒ボス部に向け一定の幅寸法で当該側板当接部の全周に亘って設ける構成としてなる請求項2に記載の建設機械用アーム。
  4. 前記フランジ部の側板当接部と下板当接部とは両者の交差位置でほぼ直角に交わり、前記フランジ部の側板当接部と後板当接部とは両者の交差位置でほぼ直角に交わる構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械用アーム。
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