JP2013146668A - 脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本件発明の課題は、自力反応型の脱酸素剤であっても、ユーザーの取り扱い性が良好であり、且つ、酸素吸収能が高い脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物を提供することにある。
【解決手段】上記課題を解決するため、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む脱酸素剤組成物又は酸素吸収組成物であって、25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】上記課題を解決するため、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む脱酸素剤組成物又は酸素吸収組成物であって、25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物を提供する。
【選択図】図1
Description
本件発明は、酸素を吸収することにより雰囲気中から酸素を除去する脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物に関する。
流通過程において、食品等の酸化等を防止するため、食品等を脱酸素剤と共に包装容器(包装袋含む)内に封入することが行われている。脱酸素剤を用いることにより、包装容器内の酸素を吸収して、食品等を無酸素雰囲気中で保存することが可能になる。脱酸素剤と共に食品を保存することにより、食品等の酸化等による品質低下を防止して、長期に渡って良好な状態で食品等を流通することができる。このような脱酸素剤として、従来より、安価であり、且つ、安定した酸素吸収能を有することから、鉄粉を主剤とする脱酸素剤が広く使用されている。
脱酸素剤には、いわゆる自力反応型のものと、水分依存型のものとに大別される。自力反応型の脱酸素剤は、空気に触れると酸素の吸収を開始するものであり、水分依存型の脱酸素剤は、湿度の高い空気に触れると酸素の吸収を開始するものである。いずれのタイプの脱酸素剤であっても、鉄粉の酸化反応を利用して雰囲気中の酸素を吸収する(例えば、特許文献1参照)。このため、脱酸素剤は真空包装された状態で流通過程に置かれ、使用するまでの間に鉄粉が酸化しないようにされている。
ところで、脱酸素剤は、一般に、数十個〜数百個が一つの包装袋内に収容された状態で流通している。従って、ユーザーが脱酸素剤を食品等と共に包装容器内に封入する作業を行う間も、当該包装袋内の脱酸素剤は雰囲気中の酸素を吸収する。このため、ユーザーは封入作業を効率良く行う必要があると共に、直ぐに使用しない脱酸素剤は酸素と触れないように保管する必要があるなど、作業時間中に脱酸素剤の酸素吸収能が低下しないように、その取り扱いに留意する必要があった。特に、自力反応型の脱酸素剤では、空気と触れた瞬間に酸素との反応を開始するため、その取り扱いには十分留意する必要がある。
これに対して、脱酸素剤の製造側では、より効率良く鉄粉を酸化させること、すなわち、より少ない鉄粉量でより多くの酸素を吸収することが可能な脱酸素剤組成物の開発が求められている。しかしながら、如何に単位質量当たりの酸素吸収量を高くしたとしても、ユーザーの作業時間中に消費される鉄粉量を考慮する必要があるため、特に、自力反応型の脱酸素剤ではその鉄粉量をより少ないものとすることには限界があった。また、脱酸素剤の酸素吸収速度を緩やかにすることも考えられるが、脱酸素剤は食品等の酸化を防止するために用いられるものであるため、包装容器内に封入後は迅速に雰囲気中の酸素を吸収することが求められており、酸素吸収能を抑制することはできない。
そこで、本件発明は、自力反応型の脱酸素剤であっても、ユーザーの取り扱い性が良好であり、且つ、酸素吸収能が高い脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を行った結果、水分活性が以下の範囲である脱酸素剤組成物又は酸素吸収組成物を採用することで上記課題を達成するに到った。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、鉄粉、アルカリ金属塩及び水を含む脱酸素剤組成物であって、水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、前記水分活性(Aw)が0.75以上0.79以下であることが好ましい。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、前記鉄粉100質量部に対して、前記アルカリ金属塩を9質量部以上20質量部以下含むことが好ましい。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、アルカリ剤を更に含むことが好ましい。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、予め飽和量の水分を含んだ活性炭を更に含むことが好ましい。
本件発明に係る酸素吸収組成物は、鉄粉、アルカリ金属塩及び水を含む酸素吸収組成物であって、水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする。
本件発明によれば、脱酸素剤組成物又は酸素吸収組成物の水分活性(Aw)を0.70以上0.80以下とすることにより、脱酸素剤組成物又は酸素吸収組成物の初期反応性を抑制することができる。これにより、自力反応型の脱酸素剤であっても、ユーザーの作業時に酸素吸収能が低下するのを抑制することができ、ユーザーの取り扱い性を向上することができる。また、初期反応性は抑制されているが、鉄粉の酸素吸収量自体が低下する訳ではないため、酸素吸収能の高い脱酸素剤を提供することができる。
以下、本件発明に係る脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物の実施の形態を説明する。
本件発明に係る脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物は、高い酸素吸収能を維持した上で、初期反応性を抑制したものであり、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含み、25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする。本実施の形態では、まず、脱酸素剤組成物について、構成材料、水分活性の順に説明する。
本件発明に係る脱酸素剤組成物及び酸素吸収組成物は、高い酸素吸収能を維持した上で、初期反応性を抑制したものであり、鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含み、25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であることを特徴とする。本実施の形態では、まず、脱酸素剤組成物について、構成材料、水分活性の順に説明する。
1.脱酸素剤組成物
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、鉄粉、アルカリ金属塩及び水を必須の構成とする。鉄粉は、当該脱酸素剤組成物の主剤であり、酸素と反応し、雰囲気中の酸素を吸収する。アルカリ金属塩は、この鉄の酸化反応を促進するための酸化促進剤として機能する。水は、この酸化反応を生じさせるための場を提供すると共に、主剤と副剤とを馴染ませる。以下では、主剤、副剤の順に、脱酸素剤組成物を構成する各材料について説明する。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、鉄粉、アルカリ金属塩及び水を必須の構成とする。鉄粉は、当該脱酸素剤組成物の主剤であり、酸素と反応し、雰囲気中の酸素を吸収する。アルカリ金属塩は、この鉄の酸化反応を促進するための酸化促進剤として機能する。水は、この酸化反応を生じさせるための場を提供すると共に、主剤と副剤とを馴染ませる。以下では、主剤、副剤の順に、脱酸素剤組成物を構成する各材料について説明する。
1−1.主剤
本件発明では、脱酸素剤組成物の主剤として、鉄粉を含む。本件発明において、鉄粉は特に限定されるものではなく、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等の公知の鉄粉を用いることができる。しかしながら、酸素吸収能が高いという観点から、還元鉄粉を用いることが好ましい。また、これらの鉄粉(還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等)の表面を導電性炭素質物質で部分的に被覆した活性鉄粉(例えば、上記「特許文献1」参照。)等を用いることも好ましい。
本件発明では、脱酸素剤組成物の主剤として、鉄粉を含む。本件発明において、鉄粉は特に限定されるものではなく、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等の公知の鉄粉を用いることができる。しかしながら、酸素吸収能が高いという観点から、還元鉄粉を用いることが好ましい。また、これらの鉄粉(還元鉄粉、アトマイズ鉄粉等)の表面を導電性炭素質物質で部分的に被覆した活性鉄粉(例えば、上記「特許文献1」参照。)等を用いることも好ましい。
1−2.副剤
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、上述の主剤と共に、副剤として、アルカリ金属塩及び水を必須の成分として含有する。また、本件発明に係る脱酸素剤組成物は、副剤としてアルカリ剤及び活性炭を含むことが好ましく、上記必須成分としての水を担持するための担持体を含むことが好ましい。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、上述の主剤と共に、副剤として、アルカリ金属塩及び水を必須の成分として含有する。また、本件発明に係る脱酸素剤組成物は、副剤としてアルカリ剤及び活性炭を含むことが好ましく、上記必須成分としての水を担持するための担持体を含むことが好ましい。
アルカリ金属塩: アルカリ金属塩は、上述したとおり、主剤である鉄粉の酸化反応を促進させるために添加される反応促進剤である。アルカリ金属塩としては、アルカリ金属のハロゲン化物を用いることが好ましく、特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を好ましく用いることができる。
本件発明では、鉄粉100質量部に対して、アルカリ金属塩を9質量部以上20質量部以下含むことが好ましい。アルカリ金属塩の含有量が当該範囲内である場合、水分活性(Aw)を上述した範囲内に調整することができ、脱酸素剤組成物の酸素吸収能を維持した上で、初期反応性を抑制することができる。特に、初期反応性を抑制する効果がより高くなるという観点から、本件発明に係る脱酸素剤組成物は、鉄粉100質量部に対して、アルカリ金属塩を10質量部以上含むことが好ましい。
水: 水は、鉄粉の酸化反応を促進すると共に、主剤及び副剤とを馴染ませるために添加される。本件発明では、鉄粉100質量部に対して、水を10質量部以上50質量部以下含むことが好ましく、水を15質量部以上35質量部以下含むことがより好ましい。鉄粉を100質量部としたとき、水分量を当該範囲内とすることにより、脱酸素剤組成物に適切な酸素吸収能を発揮させることができる。一方、主剤を100質量部としたときの水の含有量が10質量部未満の場合、水以外の脱酸素剤組成物を構成する各材料が混ざり難く、酸素吸収能が低下する。また、鉄粉を100質量部としたときの水の含有量が50質量部を超える場合、水分活性(Aw)を上記範囲内とすることが困難になり、脱酸素剤組成物の初期反応性を抑制するという本件発明の目的を達成することができず、好ましくない。また、鉄粉100質量部に対して、水を25質量部以上35質量部以下とすることにより、初期反応性を抑制した上で、脱酸素剤の使用時における酸素吸収速度を良好なものとし、且つ、鉄粉1g当たりの酸素吸収量を高く維持することができる。
アルカリ剤: 本件発明では、上記アルカリ金属塩及び水と共に、副剤としてアルカリ剤を添加することが好ましい。アルカリ剤としては、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を用いることができる。これらのアルカリ剤を適宜添加することにより、鉄粉の酸化反応に好適なpHに安定化することができる。これにより、雰囲気中の酸素濃度が増加したとき、鉄粉と酸素との酸化反応を速やかに進行させて、雰囲気中の酸素を速やかに除去することが可能になる。但し、鉄粉の酸化反応に好適なpH領域は、概ねpH9以上pH11以下の弱アルカリ性領域である。
本件発明では、鉄粉100質量部に対して、アルカリ剤を1質量部以上5質量部以下含むことが好ましく、2.5質量部以上4.5質量部以下含むことがより好ましい。アルカリ剤の含有量が当該範囲内である場合、アルカリ金属塩及び水の存在下で鉄粉を効率よく酸化させることができ、水素の発生を抑制することができる。
活性炭: 本件発明では、副剤として予め飽和量の水分を含む活性炭を含むことが好ましい。活性炭は、鉄粉の酸化反応を促進させる反応促進剤として用いられる。すなわち、脱酸素剤組成物中において、予め飽和量の水分を含ませた活性炭を陰極、水及びアルカリ金属塩と共存する鉄粉を陽極とする局部電池が形成され、これにより鉄粉の周囲では酸化反応が促進され、雰囲気中の酸素を効率よく吸収させることが可能になる。また、予め飽和量の水分を含む活性炭を添加することにより、脱酸素剤組成物の流動性を維持し、且つ、自動充填包装時に脱酸素剤組成物の構成材料が飛散するのを防止することができる。
ここで、活性炭の飽和含水量は、活性炭の種類によって異なるため、ここでは乾燥減量により大凡の水分量を示す。水分を含有した活性炭の乾燥減量をJIS K1474に準拠して測定した場合に、当該乾燥減量が40%〜60%となる含水量の活性炭を用いることが好ましく、45%〜62%となる含水量の活性炭を用いることが好ましい。なお、本件発明において、この活性炭に含まれる水は、上記必須成分としての水とは別に取り扱うものとする。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、鉄粉100質量部に対して、この予め飽和量の水分を含有する活性炭を、1質量部以上6質量部以下の範囲で含むことが好ましい。当該活性炭の含有量が多い方が、鉄粉の酸化反応を促進させることができる。従って、当該活性炭の含有量が1質量部未満である場合、鉄粉の酸化反応を促進させる効果が少なく好ましくない。一方、6質量部を超えて添加すると、鉄粉の酸化反応が速く進み過ぎるため、水分活性を上述の範囲内にしたとしても、鉄粉の初期反応性を抑制するという本件発明の目的を達成することができず、好ましくない。当該観点から、この予め飽和量の水分を含有する活性炭は、1.5質量部以上5質量部以下とすることがより好ましく、2質量部以上3質量部以下であることが更に好ましい。
本件発明において、活性炭の種類について特に限定はなく、例えば、石炭、おが屑、やし殻等を原料とする公知の活性炭を使用することができる。但し、微粉の活性炭を用いることが好ましく、具体的にはレーザー回析式粒度分布測定法により得られる50%粒子径(平均粒径)が100μm以下のものを用いることが好ましい。このような微粉の活性炭を用いれば、鉄粉の周囲に活性炭が付着しやすくなり、酸素吸収能が向上する。当該観点から、活性炭の粒径は小さい方が好ましく、平均粒径が5μm〜50μmであることがより好ましい。
1−3.担持体
本件発明では、上述した脱酸素剤組成物の必須成分としての水を担持させる担持体として、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪藻土、パーライト、ゼオライト、活性白土等を用いることができる。これらの担持体に必須成分としての水を担持させることにより、粉体としての脱酸素剤組成物の流動性を維持することができる。なお、担持体には、アルカリ金属塩、アルカリ剤、鉄粉が水溶液の状態で、或いは水に分散した状態で、担持されていてもよいのは勿論である。
本件発明では、上述した脱酸素剤組成物の必須成分としての水を担持させる担持体として、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪藻土、パーライト、ゼオライト、活性白土等を用いることができる。これらの担持体に必須成分としての水を担持させることにより、粉体としての脱酸素剤組成物の流動性を維持することができる。なお、担持体には、アルカリ金属塩、アルカリ剤、鉄粉が水溶液の状態で、或いは水に分散した状態で、担持されていてもよいのは勿論である。
2.水分活性
次に、本件発明に係る脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)について説明する。水分活性(Aw)とは、その物に含まれる自由水の割合を示す値である。当該脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)は、脱酸素剤組成物を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義され、下記式(1)によって求められる。但し、上述したように鉄粉の含有量に対してアルカリ金属塩の含有量或いは水分含有量を調整することにより、水分活性(Aw)を調整することができる。
次に、本件発明に係る脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)について説明する。水分活性(Aw)とは、その物に含まれる自由水の割合を示す値である。当該脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)は、脱酸素剤組成物を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義され、下記式(1)によって求められる。但し、上述したように鉄粉の含有量に対してアルカリ金属塩の含有量或いは水分含有量を調整することにより、水分活性(Aw)を調整することができる。
[式1]
Aw=P/PO・・・(1)
Aw=P/PO・・・(1)
本件発明では、25℃における当該脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)を0.70以上0.80以下とすることにより、理由は定かではないが、脱酸素剤組成物の酸素吸収能を低下させることなく、脱酸素剤組成物の初期反応性を制御できることを見出し、本件発明に想到するに到った。
但し、本件発明において、脱酸素剤組成物の酸素吸収能とは、脱酸素剤組成物に含まれる鉄1g当たりの酸素吸収能を指す。また、酸素吸収能が高いとは、当該脱酸素剤組成物に含まれる鉄1g当たりの酸素吸収量が他のものと比較して多いことを指す。一方、反応性が高いとは、脱酸素剤組成物の酸素吸収速度が速いことを指し、初期反応性とは脱酸素剤組成物が酸素と接触した時点から所定の時間(例えば、数時間(2時間〜4時間程度の所定の時間))内における酸素吸収速度を指すものとする。また、初期反応性を抑制するとは、脱酸素剤組成物が酸素と接触した時点から当該所定の時間経過するまでの間の酸素吸収速度を抑制することを指す。
ここで、脱酸素剤組成物の酸素吸収能と、反応性について更に説明する。
脱酸素剤組成物の酸素吸収能は、酸化反応に関与する鉄粉の割合によって変化する。脱酸素剤組成物に含まれる鉄粉の種類及び量が同じである場合であっても、酸化反応に関与した鉄粉の割合、すなわち酸化された鉄粉の割合が高い方が酸素吸収能が高いと判断することができる。
脱酸素剤組成物の酸素吸収能は、酸化反応に関与する鉄粉の割合によって変化する。脱酸素剤組成物に含まれる鉄粉の種類及び量が同じである場合であっても、酸化反応に関与した鉄粉の割合、すなわち酸化された鉄粉の割合が高い方が酸素吸収能が高いと判断することができる。
また、脱酸素剤組成物の酸素吸収能は、酸化反応に関与した鉄粉の割合によってのみ評価することは妥当ではなく、酸化反応に関与した鉄粉のうち三価鉄まで酸化された鉄の割合を考慮して評価すべきである。この点について次に説明する。
脱酸素剤組成物中における鉄の酸化反応は二段階に分けて行われる。まず、第一段階目の反応では、下記式(1)に示すように、鉄(鉄粉)は水酸化第一鉄(Fe(OH)2)(二価鉄)になる。その後、下記式(2)に示すように、水酸化第一鉄は、更に酸化されて、水酸化第二鉄(Fe(OH)2)(三価鉄)になる。この式(1)と式(2)の反応をまとめたのが式(3)である。
脱酸素剤組成物中において、鉄の酸化反応が式(1)の段階で停止した場合、鉄全量が水酸化第一鉄に酸化されると、鉄1g当たりの酸素吸収量は約200mlになる。一方、脱酸素剤組成物中において、鉄の酸化反応が式(2)の段階まで進行した場合、鉄の全量が水酸化第二鉄に酸化されると、鉄1g当たりの酸素吸収量は約300mlになる(式(3)参照)。従って、脱酸素剤組成物中の酸化反応に関与した鉄粉の割合が同じであれば、酸化された鉄粉のうち、水酸化第二鉄にまで酸化された鉄粉の割合が高い方が、酸素吸収能が高いと判断することができる。
ところで、上述した通り、アルカリ金属塩は、鉄の酸化反応を促進するために添加される化合物である。また、アルカリ金属塩の含有量を調整することにより、水分活性(Aw)を調整することができる。アルカリ金属塩の含有量を増加させれば、鉄の酸化反応を進行させやすくすることができると考えられるが、アルカリ金属塩の含有量が多くなり過ぎると、酸素の溶解度が減少するため鉄の酸化反応が進行し難くなると考えられる。また、アルカリ金属塩の含有量が高くなれば、水分活性(Aw)が低下するため、酸化反応に関与するH2Oの量も減少すると考えられる。従って、アルカリ金属塩の含有量を増加させて、水分活性(Aw)を低下させれば、鉄粉の酸素との反応性が低下すると共に、酸素吸収能も低下すると考えられる。
しかしながら、本件発明者の鋭意研究により、25℃における当該脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)を0.70以上0.80以下となるように、脱酸素剤組成物を構成する各材料を上述した範囲内で、その混合比を調整することにより、当該脱酸素剤組成物の酸素吸収能を低下させることなく、脱酸素剤組成物の初期反応性を抑制することができることを見出した。これにより、自力反応型の脱酸素剤であってもユーザーが脱酸素剤を包装容器内に封入する作業を行う際に鉄粉が酸化されるのを防止することができ、ユーザーの取り扱い性を向上することができる。また、初期反応性は抑制されているが、鉄粉の単位質量当たりの酸素吸収量自体が低下する訳ではないため、酸素吸収能の高い脱酸素剤を提供することができる。
当該水分活性が0.70未満である場合、脱酸素剤組成物中の自由水の含有量が多く、脱酸素剤組成物がスラリー状、若しくは、粘土状になり易くなるため好ましくない。一方、当該水分活性が0.80を超える場合、当該脱酸素剤組成物の初期反応性が高くなる。このため、酸素吸収能を低下させないように、当該脱酸素剤の取り扱いを慎重に行う必要があり、本件発明の目的を達成することができず、好ましくない。上記範囲内において当該水分活性(Aw)が低い方が、初期反応性を抑制する効果が高くなるため好ましい。当該観点から、水分活性(Aw)は0.79以下であることがより好ましい。これに対して、水分活性(Aw)が0.75よりも低下すると、初期反応性を抑制する効果は小さくなる。従って、粉体としての脱酸素剤組成物の流動性を阻害させずに、初期反応性を抑制するという観点から、当該水分活性(Aw)は0.75以上であることがより好ましい。
3.脱酸素剤の製造方法
次に、本件発明に係る脱酸素剤の製造方法について説明する。本件発明において、脱酸素剤は、上記各構成材料を適宜量ずつ混合・混練して脱酸素剤組成物を調製した後、この脱酸素剤組成物を通気性を有する袋状の包装材に所定量充填包装することにより製造される。
次に、本件発明に係る脱酸素剤の製造方法について説明する。本件発明において、脱酸素剤は、上記各構成材料を適宜量ずつ混合・混練して脱酸素剤組成物を調製した後、この脱酸素剤組成物を通気性を有する袋状の包装材に所定量充填包装することにより製造される。
脱酸素剤組成物を調製する際には、まず、担持体、アルカリ金属塩、活性炭及びアルカリ剤とをそれぞれ所定量ずつ計量して混合する。次に、所定量の水を加えて混合し、最後に鉄粉を混合する。このように、最初に水及び鉄粉以外の各構成材料を混合することにより、各構成材料の偏在を防ぐと共に、活性炭に含ませた水に対しても、アルカリ金属塩及びアルカリ剤をある程度溶解させることができる。その後、水を添加することにより、各構成材料を馴染ませると共に、担持体にはアルカリ金属塩及びアルカリ剤が溶解した水を担持させることができる。そして、最後に、鉄粉を混合することにより、鉄粉の周囲に他の構成材料を均一に分散させることができ、脱酸素剤組成物全体において鉄粉の酸化反応を均質に行わせることができる。
以上のように調製された脱酸素剤組成物を充填包装する際に用いる包装材としては、酸素が通過可能な素材からなるものであれば、いずれも使用することができるが、適度な通気性とヒートシール性を兼ね備えた積層体を好適に用いることができる。例えば、有孔(ポリエステル/ポリエチレン)フィルム/紙/有孔ポリエチレンフィルムをラミネートしたもの、紙又は不織布/有孔ポリエチレンフィルムをラミネートしたもの等を使用することができる。また、不織布単体で用いてもよい。このような通気性を有する包装材を袋状にしながら、脱酸素剤組成物を一定量ずつ充填することにより脱酸素剤を得ることができる。
4.酸素吸収組成物
次に、本件発明に係る酸素吸収組成物について説明する。本件発明に係る酸素吸収組成物は、上述した脱酸素剤組成物と同じものとすることができる。但し、上述した脱酸素剤組成物は、脱酸素剤の内容物として用いられるものであるが、当該酸素吸収組成物は脱酸素剤に限らず、例えば、吸湿剤等の他の用途に使用してもよい。本件発明に係る酸素吸収組成物(脱酸素剤組成物)は、雰囲気中の酸素を吸収すると共に、雰囲気湿度を調整する機能も有する。水分活性(Aw)を上述の範囲内(0.75以上0.80以下)とすることにより、水分活性(Aw)が0.80を超える酸素吸収組成物を用いた場合と比較すると、雰囲気湿度を低く維持する効果を有する。従って、当該酸素吸収組成物を脱酸素剤に限らず、除湿剤等として用いることができる。また、当該酸素吸収組成物は、使い捨てカイロ等の内容物として用いることができる。使い捨てカイロは、一般に、外袋を開封後、速やかに発熱することが求められるため、初期反応性が高く、発熱量の高い酸素吸収組成物が内袋内に充填されている。しかしながら、例えば、足用(靴用)のカイロなど、低温での発熱が求められると共に、水蒸気の発生が嫌われる箇所で使用される場合には、当該酸素吸収組成物を使い捨てカイロの内容物として好適に用いることができる。
次に、本件発明に係る酸素吸収組成物について説明する。本件発明に係る酸素吸収組成物は、上述した脱酸素剤組成物と同じものとすることができる。但し、上述した脱酸素剤組成物は、脱酸素剤の内容物として用いられるものであるが、当該酸素吸収組成物は脱酸素剤に限らず、例えば、吸湿剤等の他の用途に使用してもよい。本件発明に係る酸素吸収組成物(脱酸素剤組成物)は、雰囲気中の酸素を吸収すると共に、雰囲気湿度を調整する機能も有する。水分活性(Aw)を上述の範囲内(0.75以上0.80以下)とすることにより、水分活性(Aw)が0.80を超える酸素吸収組成物を用いた場合と比較すると、雰囲気湿度を低く維持する効果を有する。従って、当該酸素吸収組成物を脱酸素剤に限らず、除湿剤等として用いることができる。また、当該酸素吸収組成物は、使い捨てカイロ等の内容物として用いることができる。使い捨てカイロは、一般に、外袋を開封後、速やかに発熱することが求められるため、初期反応性が高く、発熱量の高い酸素吸収組成物が内袋内に充填されている。しかしながら、例えば、足用(靴用)のカイロなど、低温での発熱が求められると共に、水蒸気の発生が嫌われる箇所で使用される場合には、当該酸素吸収組成物を使い捨てカイロの内容物として好適に用いることができる。
以上説明した本実施の形態は、本件発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。また、次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明するが、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1では、担持体として100gのゼオライト(新東北化学工業株式会社製:N−24P)と、飽和量の水分を含有した2.5gの活性炭(フタムラ化学株式会社製;SA−1000 W60)、アルカリ金属塩として10gの塩化ナトリウム(株式会社日本海水製;EF−40)、アルカリ剤として2.5gの消石灰を混合し、次に、28.5gの水を添加して混合し、最後にパウダーテック株式会社製の鉄粉(RDH−3M)を100g混合して、脱酸素剤組成物を調製した。このように調製した脱酸素剤組成物の水分活性(Aw)をロトロニック社製、HygroLabステーションを用いて、25℃の環境下において測定したところ、0.79であった。
そして、この脱酸素剤組成物を外寸50mm×40mmの複合フィルムからなる袋状の包装材に3.2gずつ充填し、実施例1の脱酸素剤とした。但し、複合フィルムとして、厚さ12μmの有孔ポリエステルフィルムから成る外層材と、50g/m2の耐水耐油紙から成る中層材と、厚さ25μmの有孔ポリエチレンフィルムから成る内層材とから成り、ガーレ式透気度が1500秒/100ml空気のものを用いた。
実施例2では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを12g用いた以外は、実施例1と同様にして脱酸素剤組成物を調製した。このようにして調製した脱酸素剤組成物の水分活性は、0.76であった。その後、脱酸素剤組成物を実施例1と同様に袋状の包装材に充填し、実施例2の脱酸素剤とした。
実施例3では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを14g用いた以外は、実施例1と同様にして脱酸素剤組成物を調製した。このようにして調製した脱酸素剤組成物の水分活性は、0.76であった。その後、脱酸素剤組成物を実施例1と同様に袋状の包装材に充填し、実施例3の脱酸素剤とした。
実施例2では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムを16g用いた以外は、実施例1と同様にして脱酸素剤組成物を調製した。このようにして調製した脱酸素剤組成物の水分活性は、0.75であった。その後、脱酸素剤組成物を実施例1と同様に袋状の包装材に充填し、実施例4の脱酸素剤とした。
比較例では、アルカリ金属塩としての塩化ナトリウムの含有量を変化させて、脱酸素剤組成物の25℃における水分活性(Aw)を1.0〜0.80の範囲で調整したこと以外は、実施例1と同様にして脱酸素剤組成物を調製し、これを実施例1と同様に袋状の包装材に充填して比較例の脱酸素剤を得た。本件発明では、表1に示すように塩化ナトリウムの含有量の異なる比較例1〜比較例8の脱酸素剤を得た。なお、表1には実施例1〜実施例4で調製した脱酸素剤組成物中の塩化ナトリウム量及び水分活性(Aw)を示す。
[評価]
(1)評価方法
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例8で製造した脱酸素剤の酸素吸収量及び酸素吸収速度を評価した。酸素吸収量の測定は次のようにして行った。まず、空気500mlを封入した脱酸素剤入りの密封袋を各実施例及び各比較例毎にそれぞれ複数用意した。各密封袋を室温(25℃)で保管し、1時間経過する毎に複数の密封袋をサンプルとして、各密封袋内の酸素濃度(%)を東レエンジニアリング株式会社製ジルコニア式酸素濃度計LC−700Fを用いて測定した。また、実施例1、実施例4、比較例1、比較例3及び比較例5の脱酸素剤組成物については、別途、上記と同様に空気500mlを封入した脱酸素剤入りの密封袋を用意し、1時間経過する毎に各密封袋内の湿度(RH%)を測定した。
(1)評価方法
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例8で製造した脱酸素剤の酸素吸収量及び酸素吸収速度を評価した。酸素吸収量の測定は次のようにして行った。まず、空気500mlを封入した脱酸素剤入りの密封袋を各実施例及び各比較例毎にそれぞれ複数用意した。各密封袋を室温(25℃)で保管し、1時間経過する毎に複数の密封袋をサンプルとして、各密封袋内の酸素濃度(%)を東レエンジニアリング株式会社製ジルコニア式酸素濃度計LC−700Fを用いて測定した。また、実施例1、実施例4、比較例1、比較例3及び比較例5の脱酸素剤組成物については、別途、上記と同様に空気500mlを封入した脱酸素剤入りの密封袋を用意し、1時間経過する毎に各密封袋内の湿度(RH%)を測定した。
(2)評価結果
図1に、実施例及び比較例で得た各脱酸素剤の酸素吸収量を示す。図1及び図2は、それぞれ17時間が経過するまでの間の1時間毎の酸素吸収量の変化を示している。図1に示すように水分活性(Aw)が1.0(塩化ナトリウム添加量が0g)の比較例1の脱酸素剤組成物の酸素吸収速度は、他の脱酸素剤組成物(実施例1〜実施例4及び比較例2〜比較例8)と比較すると遅く、24時間経過後の酸素吸収量は他と比較すると少ないことが分かる。また、波線で示す比較例2及び比較例3の脱酸素剤組成物は、比較例1と比較すると酸素吸収速度は速いが、鉄粉1g当たりの酸素吸収量の最大値は、実線で示す実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物の酸素吸収量の最大値と比較すると小さく、酸素吸収能自体も低いことが分かる。
図1に、実施例及び比較例で得た各脱酸素剤の酸素吸収量を示す。図1及び図2は、それぞれ17時間が経過するまでの間の1時間毎の酸素吸収量の変化を示している。図1に示すように水分活性(Aw)が1.0(塩化ナトリウム添加量が0g)の比較例1の脱酸素剤組成物の酸素吸収速度は、他の脱酸素剤組成物(実施例1〜実施例4及び比較例2〜比較例8)と比較すると遅く、24時間経過後の酸素吸収量は他と比較すると少ないことが分かる。また、波線で示す比較例2及び比較例3の脱酸素剤組成物は、比較例1と比較すると酸素吸収速度は速いが、鉄粉1g当たりの酸素吸収量の最大値は、実線で示す実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物の酸素吸収量の最大値と比較すると小さく、酸素吸収能自体も低いことが分かる。
一方、図2に示すように、波線で示す比較例4〜比較例8の脱酸素剤組成物は、実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物と比較すると、初期反応性が高く、初期の酸素吸収速度が速いことが分かる。これに対して、実線で示す実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物は、3時間が経過するまでの間の酸素吸収量は波線で示す比較例4〜比較例8と比較すると少なく、4時間経過時点で同程度以下となっている。しかしながら、4時間を超えると、酸素吸収量は比較例4〜比較例8の脱酸素剤組成物と同程度以上の値になる。また、8時間が経過すると、実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物の酸素吸収量は、比較例4〜比較例8の脱酸素剤組成物の酸素吸収量よりも多くなる。このように、本件発明に係る脱酸素剤組成物は、酸素と接触した時点から数時間(3、4時間)の間は、酸素との反応性は抑制されており、酸素吸収速度は遅いことが分かる。その一方、数時間経過後は迅速に雰囲気中の酸素を吸収することができ、最終的な酸素吸収量も比較例4〜比較例8の脱酸素剤組成物と比較すると多く、酸素吸収能が高いことが分かる。
また、図3に示すように、実施例1及び実施例4の脱酸素剤組成物は、比較例の脱酸素剤組成物と比較すると、密封袋内の湿度の変化が少なく、低湿度であることが分かる。従って、実施例1〜実施例4の脱酸素剤組成物であって、より水分活性(Aw)の低い脱酸素剤組成物とすることにより、雰囲気湿度を低く保つことができるため、除湿剤或いは調湿剤等としての使用が可能であることも確認された。
以上より、25℃における水分活性(Aw)を0.98以下とすることにより酸素吸収能の高い脱酸素剤組成物を得ることができることが確認された。また、当該水分活性(Aw)を0.80以下0.70以上とすることにより、高い酸素吸収能を維持した上で、脱酸素剤組成物の初期反応性のみを抑制することができることが確認された。また、水分活性(Aw)がより低い方が、初期反応性を抑制する効果が高いことも確認された。従って、本件発明に係る脱酸素剤組成物は、初期反応性が抑制されているため、ユーザーが脱酸素剤を食品等と共に包装容器内に封入する際の取り扱い性を向上することができる。また、初期反応性は抑制されているが、鉄粉の酸素吸収量自体が低下する訳ではないため、酸素吸収能が高く、酸素吸収能を長期間持続可能な脱酸素剤を提供することができる。
本件発明に係る脱酸素剤組成物は、高い酸素吸収能を維持した上で、初期反応性が抑制されているため、ユーザ側における脱酸素剤の封入作業の取り扱い性を良好にすることができる。また、脱酸素剤を使用する際には、高い酸素吸収能を発揮するため、食品、医薬品等を無酸素雰囲気で保存する際に極めて好適に用いることができる。
Claims (6)
- 鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む脱酸素剤組成物であって、
25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であること、
を特徴とする脱酸素剤組成物。 - 前記水分活性(Aw)が0.75以上0.79以下である請求項1に記載の脱酸素剤組成物。
- 前記鉄粉100質量部に対して、前記アルカリ金属塩を9質量部以上20質量部以下含む請求項1又は請求項2に記載の脱酸素剤組成物。
- アルカリ剤を更に含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の脱酸素剤組成物。
- 予め飽和量の水分を含んだ活性炭を更に含む請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の脱酸素剤組成物。
- 鉄粉、水及びアルカリ金属塩を含む酸素吸収組成物であって、
25℃における水分活性(Aw)が0.70以上0.80以下であること、
を特徴とする酸素吸収組成物。
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